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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023029992
(43)【公開日】2023-03-07
(54)【発明の名称】放射線治療システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61N 5/10 20060101AFI20230228BHJP
【FI】
A61N5/10 T
A61N5/10 M
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022196689
(22)【出願日】2022-12-08
(62)【分割の表示】P 2019531172の分割
【原出願日】2017-12-13
(31)【優先権主張番号】62/433,745
(32)【優先日】2016-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】512129837
【氏名又は名称】ビューレイ・テクノロジーズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ViewRay Technologies, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100126572
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 智史
(72)【発明者】
【氏名】カブリコフ, イワン
(72)【発明者】
【氏名】フミェレフスキ, トーマス
(72)【発明者】
【氏名】デンプシー, ジェイムズ エフ.
(57)【要約】      (修正有)
【課題】放射線治療を実施することに関連するシステムを提供する。
【解決手段】患者を撮像するための診断品質のCTスキャナ1201であって、イメージング・アイソセンターを有する診断品質のCTスキャナ1201と、前記診断品質のCTスキャナ1201に隣接して配置される放射線治療デバイス101であって、前記診断品質のCTスキャナ1201の前記イメージング・アイソセンターから離間される放射線治療アイソセンターを有し放射線治療ビーム源を担持するガントリーを有する、放射線治療デバイス101と、前記診断品質のCTスキャナ1201と前記放射線治療デバイス101との間で前記患者を平行移動させることにより、撮像のためにおよび放射線治療のために前記患者を位置決めするように構成された診察台を有する。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者を撮像するための診断品質のCTスキャナであって、イメージング・アイソセンターを有する診断品質のCTスキャナと、
前記診断品質のCTスキャナに隣接して配置される放射線治療デバイスであって、前記診断品質のCTスキャナの前記イメージング・アイソセンターから離間される放射線治療アイソセンターを有し放射線治療ビーム源を担持するガントリーを有する、放射線治療デバイスと、
前記診断品質のCTスキャナと前記放射線治療デバイスとの間で前記患者を平行移動させることにより、撮像のためにおよび放射線治療のために前記患者を位置決めするように構成された診察台と
を備えるシステムであって、
コプラナー放射線治療のみを施行するように構成されるシステム。
【請求項2】
前記放射線治療デバイスが片持ち式ではない、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ガントリーがリング・ガントリーである、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記ガントリーが平面内の多様な位置まで前記ビーム源のみを移動させるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記診察台が回転しないように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記放射線治療ビーム源が線形加速装置であり、前記線形加速装置が前記ガントリーの周りで離間される複数の構成要素へと分割され、前記線形加速装置の構成要素の間に少なくとも1つのRF導波管を利用する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記診断品質のCTスキャナがRTシミュレーションのために設計される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記診断品質のCTスキャナがPET/CTスキャナである、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
治療計画を再最適化するために診断品質のCT画像を利用するように構成される制御システムをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
再最適化が、前記診察台の上に前記患者がいる状態において治療の直前に実施される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記ガントリーが診察台の動作に対して直角に平行移動させられるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記ガントリーが、治療前に前記患者の中での前記放射線治療アイソセンターの位置決めを容易にするために少なくとも8cmの範囲にわたって平行移動させられるように構成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項13】
前記放射線ビームをコリメートするためのコリメート・システムをさらに備え、前記コリメート・システムが、
複数のリーフを有する第1のマルチリーフ・コリメータと、
複数のリーフを有する第2のマルチリーフ・コリメータであって、前記放射線ビームを
、当該第2のマルチリーフ・コリメータを通過させる前に前記第1のマルチリーフ・コリメータを通過させ、さらには標的に当たる前に当該第2のマルチリーフ・コリメータを通過させるように構成される第2のマルチリーフ・コリメータと
を備え、
前記第1のマルチリーフ・コリメータの前記リーフおよび前記第2のマルチリーフ・コリメータの前記リーフが互いに独立して移動するように構成され、
前記第1のマルチリーフ・コリメータおよび前記第2のマルチリーフ・コリメータのうちの少なくとも一方がダブル・フォーカシングされる、
請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1のマルチリーフ・コリメータがフォーカス・ポイントを有し、前記第2のマルチリーフ・コリメータがフォーカス・ポイントを有し、前記第1のマルチリーフ・コリメータの前記フォーカス・ポイントが前記第2のマルチリーフ・コリメータの前記フォーカス・ポイントとは異なる、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1のマルチリーフ・コリメータおよび前記第2のマルチリーフ・コリメータの前記フォーカス・ポイントを異なるものにすることにより、前記第1のマルチリーフ・コリメータと前記第2のマルチリーフ・コリメータとの間のペナンブラの適合を改善する、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1のマルチリーフ・コリメータの前記フォーカス・ポイントが有効線源点にあってよく、前記第2のマルチリーフ・コリメータの前記フォーカス・ポイントが有効線源点から離れるように移動させられる、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1のマルチリーフ・コリメータおよび前記第2のマルチリーフ・コリメータがさらに、前記第1および第2のマルチリーフ・コリメータの前記リーフの幅より狭いビームをコリメートするように構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1のマルチリーフ・コリメータの前記リーフが互いに直接に隣接し、前記第2のマルチリーフ・コリメータの前記リーフが互いに直接に隣接する、請求項13に記載のシステム。
【請求項19】
前記放射線治療デバイスと前記診断品質のCTスキャナとの間に放射線遮蔽物をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記放射線遮蔽物が、前記放射線治療デバイスの方を向く前記診断品質のCTスキャナの外側シュラウドの一部分を覆うかまたはそれに取って代わる高原子番号材料を有する、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記放射線治療デバイスがリニアックであり、前記システムが前記リニアックの少なくとも1つの構成要素のためのRF遮蔽物をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
放射線治療デバイス、CTスキャナ、MRI、CT診察台、PET/CT診察台、およびMRI診察台からなる群から選択される少なくとも1つのシステムを設置するように構成される少なくとも1つの多用途のベースプレートをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項23】
前記少なくとも1つの多用途のベースプレートが、前記放射線治療デバイスを取り外すことなく、前記システムをCTガイダンスとMRIガイダンスとの間で変換するのを可能にする、請求項22に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照による本明細書に組み込まれる「Radiation Therapy
Systems And Methods」と題される、2016年12月13日に出願された米国仮特許出願第62/433,745号の利益を主張するものである。
本開示は、放射線ビームをコリメートおよびシェイピングすることを含めた、放射線治療を実施するためのシステム、方法、およびコンピュータ・ソフトウェアに関する。
【背景技術】
【0002】
コリメータは、例えば、正確な医療放射線治療を実施することを目的として放射線ビームをシェイピングするのに使用され得る。放射線治療システム、方法、およびソフトウェアは撮像をさらに組み込み、例えば、放射線治療の施行(delivery)前にCT撮像が実施され得るか、または放射線治療の施行中にMRI撮像が実施され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第8,836,332号
【特許文献2】米国特許第9,446,263号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
放射線治療を実施することに関連するシステム、方法、およびソフトウェアが開示される。いくつかの実装形態は、患者を撮像するための診断品質のCTスキャナを有することができ、この診断品質のCTスキャナがイメージング・アイソセンターを有する。この実装形態は、診断品質のCTスキャナに隣接して配置される放射線治療デバイスをさらに有することができる。放射線治療デバイスが、診断品質のCTスキャナのイメージング・アイソセンターから離間される放射線治療アイソセンターを有し放射線治療ビーム源を担持するガントリーを有することができる。さらに、診察台が、診断品質のCTスキャナと放射線治療デバイスとの間で患者を平行移動させることにより、撮像のためにおよび放射線治療のために患者を位置決めするように構成され得る。いくつかの実装形態は、コプラナー放射線治療(co-planar radiation therapy)のみを施行するように構成されるシステムを有することができる。
いくつかの変形形態では、放射線治療デバイスが片持ち式ではなくてよい。ガントリーがリング・ガントリーであってよく、平面内の多様な位置までビーム源のみを移動させるように構成され得る。さらに、診察台が回転しないように構成され得る。
【0005】
いくつかの変形形態では、放射線治療ビーム源が線形加速装置であってよく、線形加速装置がガントリーの周りで離間される複数の構成要素へと分割され得、線形加速装置の構成要素の間に少なくとも1つのRF導波管を利用する。
【0006】
いくつかの変形形態では、診断品質のCTスキャナがRTシミュレーションのために設計され得るかまたはPET/CTスキャナであってよい。
【0007】
いくつかの実装形態では、システムが、治療計画を再最適化するために診断品質のCT画像を利用するように構成される制御システムを有することができる。再最適化は、診察台の上に患者がいる状態において治療の直前に実施され得る。
【0008】
特定の実装形態では、ガントリーが診察台の動作に対して直角に平行移動させられるように構成され得る。さらに、ガントリーが、治療前に患者の中での放射線治療アイソセンターの位置決めを容易にするために少なくとも8cmの範囲にわたって平行移動させられるように構成され得る。
【0009】
他の実装形態では、システムが、放射線ビームをコリメートするためのコリメート・システムをさらに有することができる。コリメート・システムが、複数のリーフを有する第1のマルチリーフ・コリメータと、複数のリーフを有する第2のマルチリーフ・コリメータとを有することができ、放射線ビームを、第2のマルチリーフ・コリメータを通過させる前に第1のマルチリーフ・コリメータを通過させるように、さらには標的に当たる前に第2のマルチリーフ・コリメータを通過させるように、構成され得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、第1のマルチリーフ・コリメータのリーフおよび第2のマルチリーフ・コリメータのリーフが、互いに独立して移動するように構成され得る。第1のマルチリーフ・コリメータおよび第2のマルチリーフ・コリメータのうちの少なくとも一方がダブル・フォーカシング(double focus)され得る。
【0011】
特定の実装形態では、第1のマルチリーフ・コリメータがフォーカス・ポイントを有することができ、第2のマルチリーフ・コリメータがフォーカス・ポイントを有することができ、第1のマルチリーフ・コリメータのフォーカス・ポイントが第2のマルチリーフ・コリメータのフォーカス・ポイントとは異なっていてよい。第1のマルチリーフ・コリメータおよび第2のマルチリーフ・コリメータのフォーカス・ポイントを異なるものにすることにより、第1のマルチリーフ・コリメータおよび第2のマルチリーフ・コリメータとの間のペナンブラの適合を改善することができる。また、第1のマルチリーフ・コリメータのフォーカス・ポイントが有効線源点(effective source point)にあってよく、第2のマルチリーフ・コリメータのフォーカス・ポイントが有効線源点から離れるように移動させられ得る。
【0012】
第1のマルチリーフ・コリメータおよび第2のマルチリーフ・コリメータがさらに、第1および第2のマルチリーフ・コリメータのリーフの幅より狭いビームをコリメートするように構成され得る。第1のマルチリーフ・コリメータのリーフがさらに互いに直接に隣接するように構成され得、第2のマルチリーフ・コリメータのリーフがさらに互いに直接に隣接してよい。
【0013】
別の実装形態では、システムが、放射線治療デバイスと診断品質のCTスキャナとの間に放射線遮蔽物をさらに有することができる。放射線遮蔽物が、放射線治療デバイスの方を向く診断品質のCTスキャナの外側シュラウドの一部分を覆うかまたはそれに取って代わる高原子番号材料を有することができる。
【0014】
いくつかの実装形態では、放射線治療デバイスがリニアックであり、システムがリニアックの少なくとも1つの構成要素のためのRF遮蔽物(RF shielding)をさらに有することができる。
【0015】
別の実装形態では、システムが、放射線治療デバイス、CTスキャナ、MRI、CT診察台、PET/CT診察台、およびMRI診察台からなる群から選択される少なくとも1つのシステムを設置するように構成される少なくとも1つの多用途のベースプレートを有することができる。少なくとも1つの多用途のベースプレートが、放射線治療デバイスを取り外すことなく、システムをCTガイダンスとMRIガイダンスとの間で変換するのを可能にすることができる。
【0016】
本明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成する添付図面が本明細書で開示される主題の特定の態様を示しており、本記述と共に、開示される実装形態に関連する原理の一部を説明するのを補助する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本開示の特定の態様による、例示のガントリー、および放射線源を備えるコリメート・デバイスを利用する、例示の放射線治療デバイスを示す概略図である。
【0018】
図2】本開示の特定の態様による、例示のマルチリーフ・コリメータと、その中にアパーチャを作ることができる手法とを示す概略図である。
【0019】
図3】本開示の特定の態様による例示の二重に重ねられるコリメート・デバイスを示す概略図である。
【0020】
図4A】本開示の特定の態様による、二重に重ねられるコリメート・デバイスが放射線ビームをコリメートすることができる手法を示す概略図である。
図4B】本開示の特定の態様による、二重に重ねられるコリメート・デバイスが放射線ビームをコリメートすることができる手法を示す概略図である。
【0021】
図5】本開示の特定の態様による例示の二重に重ねられるコリメート・デバイスを示す概略等角図である。
【0022】
図6】本開示の特定の態様による例示の二重に重ねられるコリメート・デバイスを示す概略図である。
【0023】
図7】本開示の特定の態様による、段差状リーフのデザインを利用する例示の二重に重ねられるコリメート・デバイスを示す概略図である。
【0024】
図8】本開示の特定の態様による、追加の駆動のハードウェアを備える二重に重ねられるコリメート・デバイスを示す概略図である。
【0025】
図9】本開示の特定の態様による、追加のガイドのハードウェアを備える例示の二重に重ねられるコリメート・デバイスを示す概略図である。
【0026】
図10】本開示の特定の態様による例示のリーフ組立体を示す概略図である。
【0027】
図11】ガントリーの周りで線形加速装置が複数の構成要素へと分割されている状態の、本開示の特定の態様による例示の放射線治療デバイスを示す概略図である。
【0028】
図12】本開示の特定の態様による、放射線治療のシミュレーションのために設計された例示の「市販品」の診断品質のCTスキャナを示す概略図である。
【0029】
図13】本開示の特定の態様による、CTスキャナに隣接して配置される例示の放射線治療デバイスを示す概略図である。
【0030】
図14】本開示の特定の態様による組み合わせのCT/RTシステムの例示の構成を示す概略図である。
【0031】
図15】本開示の特定の態様による、側方に移動するように構成される例示の放射線治療デバイスを示す概略図である。
【0032】
図16】本開示の特定の態様による、例示の分割式(split)MRIデザインと組み合わされるRTシステム、および多用途のベースプレートを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
例示の放射線治療デバイス101が図1に描かれており、放射線ビーム106を放射することができる放射線源104を担持するガントリー112を有する。
【0034】
コリメート・デバイス102が放射線ビーム106の経路内に配置され得、標的108に向かう放射線ビーム106の移動時に放射線ビーム106を選択的に減衰させるように構成され得る。放射線源104は、電子ビームまたは光子ビームなどを生成するための、例えば、放射性同位体、重イオン加速器、または線形加速装置であってよい。本開示のテクノロジは放射線ビームを利用する任意の分野で使用され得るが、本明細書で説明される実施形態は標的108として医療患者Pを描写する。
【0035】
図2が、マルチリーフ・コリメータ(つまり、MCL:Multi-Leaf Collimator)として知られる特定の種類のコリメート・デバイスを描いている。示される例示のMLC200が、第2の組の移動可能リーフ204の反対側にある一組の移動可能リーフ202を有する。このようなデバイスでは、各リーフ206がアパーチャ212を形成するのを可能にするために独立して調整可能であり、アパーチャ212がビームを治療のための所望の形状へとコリメートする。
【0036】
MLC200内の各リーフが幅208および高さ110(高さは図1に示される)を有するものとして説明され得る。高さ110はリーフの「厚さ」としても説明され得、MLC200によるビーム106の減衰の量を決定するのに重要なものである。また、減衰の量は、MLCのリーフを作っている材料の影響を受け、したがって、タングステン、タングステン合金、タンタル、タンタル合金、鉛、および鉛合金などの、高減衰材料(high-attenuating material)が使用される。
【0037】
本開示で企図される例示のコリメート・システムが図3に描かれており、複数の「重ねられる」MLCを備える。例えば、描かれる実施形態は、第1のMLC302および第2のMLC304を有する。MLCが積み重ねられ、その結果、それらの減衰値が放射線ビーム106に対して付加されていく。第1のMLC302が第2のMLC304と比較して放射線源104のより近くに配置され、その結果、放射線ビーム106が第2のMLC304を通過する前に第1のMLC302を通過する。本明細書で描かれる実施形態は2つの積み重ねられるMLCを示しているが、本開示の一般的な教示に従って追加のMLCが加えられてもよい(例えば、3つのスタック)ことも企図される。
【0038】
コリメート・デバイスを放射線源104の近くに配置することが一般的ではあるが、本開示は、コリメート・デバイスを標的または患者により近づけるように移動させる実施形態も企図する。例えば、本開示の好適な実装形態は、標的/患者によって占有されることになる所望のボアまたはボリュームを制限することなく、可能な限り標的に近づけるようにコリメート・デバイスを移動させる。好適な一実装形態では、標的108の最も近くにあるコリメート・デバイスの縁部(つまり、放射線源104から最も離れたところにある第2のMLC304の縁部)がアイソセンターから60cm未満にあり、好適にはアイソセンターから約50cmにある。このようなデザインが組み立て中のコリメート・デバイスの位置決めを容易にし、ビームのペナンブラを低減する、ことが企図される。
【0039】
図4Aおよび図4Bが、例示の二重に重ねられるMCLシステムを用いてビームがコリメートされ得る手法の概略図を示す。両方の図に示されるように、第1のMLC302お
よび第2のMLC304のリーフがリーフの幅の半分だけオフセットされるか、またはリーフの幅の約半分だけオフセットされる。第1のMLC302および第2のMLC304内のリーフが互いに独立して移動させられ得る。図4Aでは、第1のMLC302内の1つのリーフおよび第2のMLC304内の1つのリーフが最小のアパーチャを作るように後退させられ得、そのアパーチャを通ってビーム106が通過することができる(この寸法はリーフの幅に対応する)。その結果、MLCのリーフは、第1および第2のマルチリーフ・コリメータの各々のリーフの幅より細いビームをコリメートするのを可能にするような形で、オフセットされる。
【0040】
特定の一実装形態では、このようなビームの幅が、第1のMLC302および第2のMLC304の両方のリーフの幅が約8.3mmの場合に、4.15mmであってよい。図4Bが、MLCのうちの1つのMLCの2つのリーフが後退させられてもう一方のMLCの重なり合うリーフが後退させられるときに、放射線ビーム106を通過させることができる第2の最小のアパーチャが作られ得、例えばビームが8.3mmの幅を有する、ことを示している。
【0041】
一実装形態では、MLCが積み重ねられ、各MLC内のリーフがほぼ等しい幅を有し、第1のMLC302内のリーフが第2のMLC304内のリーフから、それらの幅の約半分だけオフセットされている(図4に示されるように)。このような実装形態のMLCのリーフは一般的なMLCの幅の約2倍となるように設計され得、それでもほぼ同様の解像度を達成する。例えば、アイソセンターで5mmの解像度を達成する場合、一般的な単一のMLCは約2.5mmの幅のリーフを必要とするが、オフセットされる二重に重ねられるデザインではリーフが約5mmの幅であってよく、同様の解像度を達成することができる。このようなデザインは機械加工を容易にすることから所望される可能性があり、また、リーフに接続されるかまたはインターフェース接続される設備のためにより多くの材料を提供することから所望される可能性がある。
【0042】
図5は、二重に重ねられるMLC302および304を示す図3の例示のコリメート・システムの等角図である。例示のコリメート・システムは、付加的なビーム減衰作用を有するように構成される複数のMLCを有することから、各々の個別のMLC内のリーフが、標準的な単一のMLCのコリメート・システム内のリーフと比較して、低減される高さまたは厚さを有することができる。例えば、2つのMLCが利用される場合、各MLC内のリーフが、同じ材料で作られる一般的な単一のMLC内のリーフの高さの約半分であってよい。このようにして個別のリーフの重量を低減することができ、それによりリーフを制御することがより容易になり、より迅速に移動させることが可能となり、それにより全体の治療時間を短縮することができる。また、コリメータがフォーカシングまたはダブル・フォーカシングされるように設計される場合(これは好適であり、後でさらに説明される)、ビームに対して露出されるMLCの縁部がより高い減衰性を有することになり、各々のMLCのリーフの高さがさらに低減され得る。
【0043】
図4に示されるビーム・コリメート機能を考慮し、また本明細書で説明されるビームの減衰の重要性を考慮すると、本開示の好適な実装形態は、等しいかまたはほぼ等しい、第1のMLC302および第2のMLC304のためのリーフ高さを利用する。第1のMLC302および第2のMLC304の両方が放射線ビーム106をシェイピングする役割を有することから、第1のMLC302および第2のMLC304の両方の各々が、例えば医療放射線治療の場合、放射線ビーム106を十分に減衰させるのに十分なリーフ高さを有するように好適には設計される。特定の一実装形態では、第1のMLC302および第2のMLC304の両方のリーフが、17.5gm/cc以上の密度のタングステン合金(例えばCu:Ni:Wが5:5:90)で作られ、各々が約5.5cmの厚さである。好適な例示のコリメート・システムが第1のMLC302の各組で34個のリーフを有
することができ、第2のMLC304の各組で35個のリーフを有することができるが、別の解像度および各組内での別の数のリーフも企図される。
【0044】
好適には、本開示のテクノロジと共に使用されるMLCは図面に示されるようにダブル・フォーカシングされる(線形に動作するリーフを有し、丸みのあるリーフ端部を有するような非フォーカシング(non-focused)・コリメータとは異なる)。リーフのすべてのビーム画定表面が放射源の方に後方に突出するとMCLがダブル・フォーカシングされる。例えば、図1を参照すると、放射線ビーム106が放射線源104から扇形に広がる。例示のコリメート・システムは円弧に沿って後退する湾曲リーフを利用することから(例えば、図1、3に示されるように)、リーフが後退するときにリーフの縁部が常に放射線源104の方向に後方に突出する線を表す。このようなデザインを用いる場合、リーフの厚さ全体がコリメート・デバイスを通過するときのビーム106を減衰させ、それにより、どの程度の距離でリーフが後退させられたかに関係なく小さいペナンブラを有する鋭利なビーム・エッジを提供する。
【0045】
ビーム106をコリメートする4つのすべてのリーフ表面が放射線源の方に後方に突出すると、コリメート・システムが「ダブル」フォーカシングされる。図5がMLCによりビーム106を他の寸法にフォーカシングすることができる手法を示しており、これが放射線源104から距離と共にリーフの幅が増大することによる。図5では、例えば、MLC302の頂部のリーフの幅が最も薄い。MLC302のリーフの底部で幅がより大きくなりさらに第2のMLC304内のリーフの頂部がさらに大きく、MLC304内のリーフの底部が最大である。このデザインは図6にも示される。
【0046】
一実装形態では、リーフ・デザインのフォーカシングが意図的にわずかにデフォーカスされる。例えば、リーフ表面が実際の放射線源の1センチメートルから2センチメートル上方のまたは下方のポイントに突出するように設計され得る。このようにわずかにデフォーカシングすることにより、リーフ間のスペース(すなわち、リーフ間の隙間)を通る放射線漏洩を有意に低減することができ、一方で、ビームのペナンブラに対する影響をわずかなものにすることができる。
【0047】
別の実装形態では、第1のMLC302および第2のMLC340が異なるフォーカス・ポイントを有する。したがって、MLCを移動させる円弧があるポイントで交差することになるが、これはそれらのMLCが互いから十分なクリアランスを有するように設計され得るような範囲内である。フォーカス・ポイントを異なるものにすることは、第1のマルチリーフ・コリメータおよび第2のマルチリーフ・コリメータが線源から異なる距離にある場合でも第1のマルチリーフ・コリメータと第2のマルチリーフ・コリメータとの間のペナンブラの適合を改善するように選択され得る。例えば、第1のMLCの焦点が有効線源点に配置され得、第2のMLCの焦点が有効線源点から離れるように移動させられ得る。このような例示のデザインは下側のMLCのペナンブラを増大させ、それにより上側のMLCのペナンブラをより良好に適合し、それにより第1のMLCおよび第2のMLCによってシェイピングされるビーム・エッジの線量をより良好に適合する。
【0048】
従来の非フォーカシングMLCを用いる場合、ビーム・アパーチャの外側への放射線漏洩を防止するのにコリメータ・ジョーが必要である。従来のMLCの丸みのあるリーフ端部は完全に閉じられていても放射線を遮断することが不得手であり、閉じられるリーフ端部はしばしば従来のコリメータ・ジョーによって遮断されるような位置まで移動させられる。ダブル・フォーカシングされるリーフを利用することにより、透過を遮断するのに適度な厚さを有する(オフセットされるリーフ接点ロケーションを有する)隣接する積み重ねられるMLCで十分となるような程度にまで、リーフ端部での漏洩およびペナンブラが制限され、その結果、従来のコリメータ・ジョーが必要なくなる。したがって、本開示は
、コリメータ・ジョーを有さないコリメート・システムを企図する。
【0049】
本開示の好適な実装形態はダブル・フォーカシングされるMLCを利用するが、シングル・フォーカシングされるMLCまたは非フォーカシングMLCも利用され得、または複数の積み重ねられるMLCに跨って組み合わされるフォーカシング・タイプが使用されてもよい、ことが企図される。
【0050】
フォーカシングされる実装形態で第1のMLC302および第2のMLC304のリーフの幅を比較すると、放射線源104からの距離が増すにつれてリーフの幅が継続的に増大することを上述した。そうは言っても、本開示の好適な実装形態は、第2のMLC304とほぼ等しい幅を有するリーフ・デザインを第1のMLC302内において有する。このように記述される場合の「ほぼ等しい幅」とは、第1のMLC302内のリーフの底部の幅が第2のMLC304内のリーフの頂部の幅とほぼ等しい(つまり、わずかのみに小さい)ことを意味する。言い換えると、第1および第2のMLC内のフォーカシングされるリーフはほぼ等しい幅を有するとみなされ得、これが、放射線源104から離れてリーフが延在するときにリーフに沿って追加されるわずかな付加的な幅を含み、これはフォーカシングされるデザインを提供するのに必要なものである(例えば、図5および6に示される)。
【0051】
好適な実装形態は、第1のMLC302および第2のMLC304内のリーフの幅がほぼ等しいようなリーフ・デザインを利用するが、本開示は、重ねられるMLCの間でリーフの幅が異なってよいようなデザインを企図する。
【0052】
本開示の好適な実装形態では、第1のMLC302のリーフが互いに直接に隣接するかまたは接触し、第2のMLC304のリーフが互いに直接に隣接するかまたは接触する。この実装形態では、両方の第1のMLC302および第2のMLC304の中の隣接するリーフの間の隙間が、リーフの間での放射線漏洩を最小化しながらも相対運動を可能にするような形で、最小化される。この種類の実装形態は例えば図4、5、および6に示される。
【0053】
MLCのリーフが独立して移動することが可能であることから、MLCのリーフの間に小さい隙間が必ず存在し、その小さい隙間を一部の放射線が通過することができる。本開示のコリメート・システムが、リーフの間の隙間を位置合わせしないように第1のMLC302のリーフおよび第2のMLC304のリーフを好適には配置することを企図し、その結果、放射線ビーム106が第1のMLC302内のリーフの隙間を通って透過することができず、さらには第2のMLC304内のリーフの隙間を直接に通って透過することができない。代わりに、第1のMLC302のリーフが好適には第2のMLC304のリーフからオフセットされ、その結果、両方のMLCのリーフ間の隙間を通って移動するためのビームのための直線経路が存在しない。例えば、図4、5、および6を参照されたい。
【0054】
例示の実施形態では、第1のMLC302および第2のMLC304のリーフがそれらの幅の約50%でオフセットされ、それにより第1のMLC302および第2のMLC304のリーフ間の隙間の間の分離距離を最大にする。本開示によりリーフの幅の50%未満のオフセットが企図されるが、好適にはオフセットが利用され、好適にはリーフの幅の10%を超える。
【0055】
1つのみのMLCを備える一般的なコリメート・システムでは、リーフを互いに接合または当接させるロケーションにおけるリーフの複雑なマシニングを介してリーフ間の漏洩を防止しなければならない。例えば、凸部および溝つまり段差状のデザインが、それ以外
の場合での線形のリーフ間の隙間を妨害する。このような線形のリーフ間の隙間は有意なビームの漏洩を可能にする可能性がある。本開示のコリメート・システムはこのような追加のマシニングを排除する能力を企図する。その理由は、直線的な縁部を有するリーフが利用される場合でも、コリメート・システムを通る漏洩経路が、第1のMLC302と第2のMLC304と間でのリーフの上述の重なり合いまたはオフセットにより妨害されることになる。好適な実装形態は、リーフ間の漏洩を遮断するための追加のマシニングまたは特徴を有さない、単純な直線的な縁部を有するリーフを有する。また、このようなデザインによりリーフの縁部をより一様にすることができ、ビームのペナンブラを低減することができる。
【0056】
ここで説明されるコリメート・システムの代替的実施形態では、複数のMLCを有するにもかかわらず、またリーフがオフセットされるにもかかわらず、リーフの接合面が、漏洩経路をさらに小さくするように、およびMLCの高さを低減するのを可能にするように、機械加工され得る。凸部・溝のデザインなどの任意の構成の非線形の表面は有利となり得ることが分かっている。図7に描かれる例示の実施形態では、段差がリーフの接合面の中に機械加工される。図7が、第1のMLC302に対応する第1の部分的なリーフ・バンク702と、第2のMLC304に対応する第2の部分的なリーフ・バンク706とを示す。描かれる実施形態では、リーフが、幅709、ならびに高さ704および708を有する。例示の実施形態では、部分的なリーフ・バンク702のリーフ高さ704および部分的なリーフ・バンク706のリーフ高さ708が等しく、約5.5cmである。しかし、各々のリーフ・バンクの高さが等しいことは必須ではない。
【0057】
図7に描かれる例示のリーフ接合面のマシニングが、第1のMLC302および第2のMLC304の両方のリーフに含まれる段差機能である。考察を単純なものとするために、高さ704および高さ708を等しいものとし、両方を変数「H」に等しいものとする。図7の実施例では、経路710などの透過経路が存在することになり、ここでは、入射放射線ビーム106がリーフ・バンク702の全高704およびリーフ・バンク706の全高708を通って移動しなければならず、2×Hの厚さを通しての最大のビーム減衰が示される。しかし、経路712および714などのリーフ間の隙間に直面することになる透過経路も存在することになり、これが、H+1/2H=3/2Hの合計のリーフ厚さのみを通過することにより低減される減衰を示すことになる。しかし、3/2Hの減衰厚さ(attenuation thickness)は1Hのみである厚さよりは大きく、1Hのみの厚さは、「段差」機能を有さない二重に重ねられるコリメート・システムで直面するところである。したがって、段差機能がMLC302およびMLC304内のリーフの合計の高さを33%低減するのを可能にし、それでも、段差機能を有さないMLCによって観測されるのに等しい減衰を達成することができる。したがって、このような機能は、リーフの必要となる材料の量および重量を低減するのに使用され得、それによりMLCの速度および性能を改善することができる。例えば、各々のMLC302、304のリーフ高さが約3.7cmであってよい。
【0058】
オフセットされて二重に重ねられるデザインでは、リーフのオフセットにより、ビーム106がアパーチャ212の縁部のロケーションで一般的な材料の量の約半分の量のみによって減衰されることになる。つまり、段差機能が利用される場合、より少ない材料により放射線ビーム106が減衰されることになる(例えば、図7の経路716を参照されたい)。
【0059】
本明細書で考察される例示のMLC組立体が、リーフを支持および駆動するための機械的支持体と、リーフの位置を操作するためのサーボモータと、所望のビーム形状および減衰を達成するための制御システムとをさらに有することができる。図8が例示のコリメート・システムの別の図であり、ここでは、駆動連結部802、およびリーフ駆動モータ組
立体804を有する。制御システム、エンコーダ、電力ケーブルなどの、多数の他の関連のシステムは描かれないが、さらに含まれてもよい。
【0060】
図9が、頂部リーフ支持ガイド902と、中間リーフ支持ガイド904と、底部リーフ支持ガイド906とを有する、例示のコリメート・システムのリーフを支持および駆動するための追加の構造体を描いている。一実施形態では、リーフがそれらの頂部表面および底部表面にタブを有し、タブがリーフ支持ガイド内の溝の中に載置され得る(例えば、図6を参照されたい)。加えて、ガイド圧力調整プレート908がさらに含まれ得、それにより緩くはないがリーフの円滑な移動を保証する。特定の一実装形態は、リーフの移動をさらに案内するためのおよび過度の振動を回避するための棒910をさらに有することができる。
【0061】
次に図10を参照すると、リーフ組立体1002のデザインのための一実装形態は、減衰材料1006から分離されるフレーム1004を利用する。このようなデザインでは、リーフ支持ガイドに係合される、リーフ組立体1002のフレーム1004部分が、減衰材料1006の材料とは異なる材料で作られ得る。減衰材料1006は放射線減衰のために通常はタングステン合金または他の高密度材料であるが、フレーム1004が、例えばステンレス鋼などの、別の材料から作られ得る。減衰材料1006がフレーム1004の中に挿入されるように設計され得、これらの2つの材料が、接着、焼結、または溶接などの、多数の手法を利用して一体に固定され得る。好適には、フレーム1004がリーフ組立体1002の減衰用縁部1008までは延在せず、それによりリーフ組立体1002の全体の減衰特性の変化を回避する。
【0062】
図1に関連させて上述したように、例示の放射線治療デバイス101が、放射線ビーム106を放射することができる放射線源104を担持するガントリー112を利用することができる。図11が放射線治療デバイス101の実装形態を描いており、ここでは、放射線源104が線形加速装置であり、線形加速装置がガントリー112の周りで離間される複数の構成要素1102へと分割される。このような構成が、リニアック構成要素1102の間でRF導波管1104を利用することができ、それにより放射線治療デバイス101の最大直径を全体として縮小させることができる。代替的実装形態では、ガントリー112の周りに複数の放射線源が含まれてもよい。
【0063】
例示のガントリー112は大きいボアを有する一方で可能な限りコンパクトであり、例えば、ボアが80cmを超えるように設計されてよい。一実装形態では、ボアが110cmである。
【0064】
本明細書で企図されるガントリーの一実装形態はリング・ガントリーであり、リング・ガントリーが少なくとも1つの放射線治療ビーム源を担持することができ、コプラナー・ビームを送達するのを可能にするような手法で、治療中にビーム源を再方向付けするのに使用され得る。本明細書でリング・ガントリーという用語が使用される場合、ガントリーが必ずしも純粋なリング形状であるわけではないことが企図される。円形状から逸脱するガントリー、またはさらにはそれらの構造内に切欠部を組み込むガントリーも企図される。
【0065】
本明細書で考察される放射線治療デバイスが、上述の有益なコリメート・デバイスの実施形態および態様のうちの任意の実施形態および態様を利用することができる。このようなデバイスは、透過のほぼない、小さいペナンブラのビームを有することになり、ハイ・クオリティーの治療計画を施行することができる。その結果、本開示はコプラナー放射線治療のみを施行するように構成される放射線治療システムの実施形態を企図する。例えば、本明細書で開示される放射線治療デバイスはノンコプラナー治療を可能にするような手
法で放射線源を位置決めするように、またはビームのオン中(例えば、トモセラピーの螺旋施療(helical delivery))に患者の診察台を平行移動させるように、構成され得るが、別法として、特定の実装形態は、ビーム源を単一平面内の多様な位置まで移動させるように、およびコプラナー放射線治療のみを施行するように、構成されることになる。このような実装形態では、図1および11に描かれるリング・ガントリーが利用され得る。加えて、本開示の放射線治療デバイスが片持ち式であってよく、放射線治療デバイスに関連する診察台が回転可能であってよい(ノンコプラナー治療を可能にするために)ことが企図されるが、特定の実装形態では、患者の診察台が回転しないように構成され、放射線治療デバイスが片持ち式ではなく、それでもこのシステムがハイ・クオリティーな治療計画を施行することができる。本明細書で使用される片持ち式という用語は、主要な回転構造体から離れるように外側へとデバイスから放射線ビームが放射されるロケーションを延伸させるためのアームまたは他の構造を含むことを意味する。このような片持ち式のデバイスは、通常、所与の平面内のみで移動するビーム源から患者へのノンコプラナー治療を可能にするために回転する診察台と共に使用される。本開示に関連する場合の「片持ち式」であるデバイスの場合、放射線ビームを放射するロケーションが、例えば、診察台を回転させるのを可能にするためにおよびノンコプラナー・ビームを送達するのを可能にするために、十分に延伸されなければならない。ビーム放射ロケーションをわずかな距離しか延伸させられないような放射線治療デバイスはノンコプラナー治療を可能にするのに十分ではなく、「片持ち式」であるとはみなされない。
【0066】
本明細書で開示される放射線治療デバイスの実施形態はアーク治療(VMATとも称される)を実施するのに使用され得、ここでは、放射線治療ビーム源は、ビーム源の移動中(例えば、ガントリーの回転中)に放射線ビームを放射する。しかし、上で考察したコリメート・デバイスの概念を利用する特定の有益な実施形態は、アーク治療を施行するようには構成されないが放射線治療デバイスが短時間でハイ・クオリティーの治療計画を施行することができるようにするように、設計され得る。
【0067】
本開示は、開示される放射線治療システムと共に診断品質のCTスキャナを使用することを企図する。診断品質のCTスキャナは、通常、シングル・スライス検出器またはマルチ・スライス検出器の能力を有し、軸方向のまたは螺旋方向のデータ取得および画像再構成を行うことができる、「スリップ・リング・テクノロジ」に基づいて継続的に回転するCTシステムである。診断品質のCTスキャナは、複数のビーム源と、数十から数百の画像スライスを取得するように構成される検出器アレイとを有することができる。診断品質のCTスキャナは、しばしば、病院または診療所の診断のX線科で採用され、通常、患者の周りを回転するファン・ビーム・ジオメトリのキロボルト・エネルギーX線を利用する。診断品質のCTスキャナは、しばしば、放射線治療患者の治療計画で使用されるためのハイ・クオリティーのCT撮像を実現するのに採用される。ハイ・クオリティーのCT画像は、線量計算を改善することを目的として組織密度に対してのハウンスフィールド値の較正を可能にする。
【0068】
診断品質のCTスキャナは、円錐ビームX線CTを生成するために格納式X線管および平面パネル・イメージャを採用することができる円錐ビームCTシステムとは異なる。円錐ビームCT(CBCTとしても知られている)によって生成されるCT撮像データは標準的なCTユニットより画像品質が低く、軟組織のコントラストが低品質であり、臓器運動による副作用があり、撮像される組織の電子密度を正確に反映しないハウンスフィールド値の悪影響を受ける。診断品質のCTスキャナはまた、超高圧CT画像を生成するための、平面パネル・イメージャを備える、撮像源として超高圧放射線治療ビームを使用することができる超高圧システムとは異なる。超高圧CT画像も、軟組織のコントラストが低品質であるような低品質のノイズの多い画像である。
【0069】
本明細書で利用される診断品質のCTスキャナの特定の実装形態は大きいボア(例えば、70~90cm)を有する。一実装形態では、診断品質のCTスキャナが、放射線治療のシミュレーションのために設計された「市販品」のユニットであってよく、放射線治療に適合する診察台と、治療用の移動不可の設備とを有する。このようなスキャナ1201の一実施例が図12に描かれている。別法として、診断品質のCTスキャナは、陽電子放射断層撮影(PET:Positron Emission Tomography)スキャナに隣接するCTスキャナを備えるPET/CTスキャナであってもよい。
【0070】
診断品質のCTスキャナが、後で考察される有益な使用のための本明細書で考察される放射線治療デバイスのうちの任意の放射線治療デバイスに隣接して配置され得る。一実装形態(図13に描かれる)では、CTスキャナ1201が、本明細書において上で考察したように、リング・ガントリーを利用して放射線治療デバイス101に隣接して配置され得る。「隣接する」とは単純に近接することを意味し、デバイスが、接触するか、わずかに分離されるか、または一体化されることを企図する。しかし、CTおよび放射線治療デバイスは、好適な実装形態では分離されるガントリーを有することを意図される。
【0071】
組み合わせのCT/TRシステムでは、診断品質のCTスキャナがイメージング・アイソセンターを有し、放射線治療デバイスが、イメージング・アイソセンターから分離される放射線治療アイソセンターを有する。分離されるとはアイソセンターが有意な距離で離間されることを意味するものとして理解され、例えばその結果、撮像と治療の間で診察台が患者を移動させなければならない。一実装形態では、アイソセンターが互いから約80cm離される。好適には実装形態では、CTスキャナおよび放射線治療デバイスが、互いを基準として、またさらには治療室を基準として、定位置で固定され、これは、CTスキャナおよび放射線治療デバイスを移動させることができないような形でCTスキャナおよび放射線デバイスが設置されることを意味する(例えば、レールまたはターンテーブル上にあるようなものである)。
【0072】
図13のCTシステムおよびRTシステムが、最初に診察台をCTに入れてその後でRTデバイスに入れるように、配置されるが、この構成が逆にされてもよいことも企図される。
【0073】
組み合わせのCT/RTシステムの典型的な実施形態では、CTシステムおよびTRシステムが概略的に互いに一列に並べられ、その結果、診察台が1つのシステムから他のシステムまで移動させるために患者を一方向に平行移動させることができる。例えば、RTシステムがボアを有するガントリー(例えば、リング・ガントリー)を有し、CTシステムおよびRTシステムのボアが概して位置合わせされる。RTシステムの全高がCTシステムの高さより大きいような事例では、プラットフォーム上にあるCTシステムを上昇させることにより、または治療室の床にあるピットを使用することを介してRTシステムを降下させることにより、これが達成される(端面から見るRTシステム101の図15の図を参照されたい。これは、システムのボアおよび床にあるピット1504を示している。ピットは図14でも見ることができる)。
【0074】
組み合わせのCT/RTシステムが、診断品質のCTスキャナと放射線治療デバイスとの間で患者を平行移動させることにより撮像および放射線治療の両方のために患者を位置決めするように構成される診察台を利用することができる。
【0075】
診察台が組み合わせのCT/RTシステムのために特別に設計され得る。一実装形態では、診察台が、上下に移動するように、およびシステムのボアを介して平行移動するように設計されることになるが、上で考察したように回転しないように構成されてよい。別法として、市販のCTシミュレータ診察台が使用され得、CT/RTシステムの可能な限り
近くに配置され得、その結果、診察台が両方のアイソセンターを通るように延伸することができる。別の実装形態では、市販のPET/CTスキャナ診察台が使用され得る。その理由は、マルチプル・アイソセンター・システムで使用されるように設計されているからである。本明細書で使用される「市販の」という用語は、使用される準備の整った構成として購入され得るかまたはわずかな修正のみを加えて使用され得るようなシステムを意味する。
【0076】
企図される放射線治療施行システム(radiotherapy delivery system)に関連して上で考察した原理が本開示の組み合わせのCT/RTシステムにも適用される。例えば、組み合わせのシステムは、コプラナー放射線治療のみを施行するように構成され得る。例示の実施形態では、放射線ビーム源が平面内のみを移動することができ(例えば、リング・ガントリー上で)、RTデバイスが片持ち式ではなくてよく、RT/CT診察台が回転するように構成されなくてよい。
【0077】
組み合わせのCT/RTシステムが、放射線治療の直前に治療診察台上にいる患者の診断品質のCT画像を取得する能力を有し、これが複数の利点を提供することができる。1つには、患者が治療前撮像のためにおよび治療自体のために正確に同じ手法で配置されることになり、それにより、撮像と治療との間で異なる手法で患者の身体を配置または支持する場合に起こり得るような治療エラーを低減する。
【0078】
組み合わせのCT/RTシステムの他の利点が、その制御システムおよび関連のソフトウェアを使用することを介して実現される。例えば、システムが、治療計画を再最適化するように、およびその診断品質のCT撮像に基づいてオンテーブル適応療法(on-table adaptive therapy)を実施するように、構成され得る。
【0079】
この機能の一実装形態では、治療診察台が患者をCT撮像のための位置へ移動させることができる。受信される画像が診断品質であることから、システムが、元の治療計画を最新のCTにモーフィングするために変形可能画像位置合わせ(deformable image registration)を効果的に適用することができる。この場合、システムが、元の計画において最新のCTスキャンへとセグメント化された組織または標的のオートコンタリング(autocontoring)を可能にすることができる。最新のスキャンのCT値が電子密度へと変換され得、それにより、患者を治療する前の正確な線量送達予測(dose delivery prediction)を計算することができる。次いで、最新の計画のための線量分布のクオリティーが評価され得、計画が準最適である場合(例えば、腫瘍/または組織に対しての過度に低い線量、あるいは重篤な構造に対しての過度に高い線量)、治療計画がスポット上の線量分布を改善するために再最適化され得る。次いで、診察台が患者を治療のためにRTアイソセンターの方へ移動させることができる。このようにして、システムが患者または患者設定に関連する条件に適合することができ、このような条件は、改善される計画を施行するために、元の治療計画が作られるときから変化する可能性がある。このような適応処理/再最適化は線量分布および患者予後を大幅に改善することができる。一実装形態では、システムが、治療計画を再最適化するために診断品質のCT画像を利用するように構成され得、および診察台の上に患者がいる間において治療の直接にこれを行うように構成され得る。
【0080】
したがって、制御システムおよびソフトウェアの機能が、限定しないが、CT画像取得、変形可能画像位置合わせ、自動の組織セグメント化/コンタリング(contouring)、線量計算、治療計画の最適化、および放射線治療の施行、を含むことができる。
【0081】
図14が、組み合わせのCT/RTシステムのための例示の構成の追加の図を含む。RF遮蔽物が、本明細書で開示されるCT/RTシステムの特定の実施形態に含まれ得る。
実施例として、放射線治療ビーム源が線形加速装置である場合、多様なリニアック構成要素からのRF放射線が室内のまたは患者の中のデバイス(ペースメーカー、ICDなど)に干渉する可能性がある。干渉を低減するための1つの手法は、リニアック構成要素1102のためのコンテナ内でRF遮蔽物を利用することである。このようなコンテナの実施例は図14で見ることができ、また、参照により本明細書に組み込まれる、本譲受人の米国特許第8,836,332号および米国特許第9,446,263号で詳細に考察されている。
【0082】
組み合わせのCT/RTの実施形態は、放射線治療ビーム源からの超高圧放射線の散乱を原因とする、スキャナ構成要素に対するダメージを防止するためにCTスキャナの構成要素のための放射線遮蔽物をさらに有することができる。一実装形態は、診断品質のCTスキャナと放射線治療デバイスとの間にシールドを利用することができる。別の実施形態はフィット・アンド・カバー(fit and cover)を形成することができるか、あるいは放射線治療ユニットの方を向くCTスキャナの外側シュラウドを、放射線を吸収するかまたはX線CTスキャナの保護されない構成要素から離すように放射線を散乱させるための高原子番号材料と交換することができる。例えば、遮蔽材料は数センチメートルの鉛、または1桁台のセンチメートルのタングステンであってよい。
【0083】
特定の実施形態では、選択される治療診察台が限定される自由度を有することができる。例えば、診察台が、上下に、またはボアの中へおよび外へ、のみ、平行移動することができる(一般的な市販のCTシステムと同様)。このように側方に移動することができないことで、標的が患者の長手方向軸または正中矢状面から離れて側方に配置される場合に放射線治療のために患者を位置決めすることにおいて問題が生じる可能性がある。複数のデザインがこのような制約を克服することができることが企図される。例えば、市販のCT診察台が側方移動することができるプラットフォーム上に設置され得る。別法として、診察台が追加の自由度を有するように変更または再設計され得る。図15に描かれる実施形態では、放射線治療デバイス101(ここでは、任意選択のピット1504の内部に描かれている)が、診察台を基準としておよびそのボアの中に配置される患者を基準として側方に移動することができるようにそれ自体で位置を変えるように構成され得る。一実施形態では、ガントリーが、治療前で患者の中での放射線治療アイソセンターの位置決めを容易にすることを目的として、少なくとも8cmの範囲にわたって、診察台の動作に対して直角に平行移動させられるように構成され得る。
【0084】
本明細書で説明される放射線治療デバイスがさらに、本開示の本譲受人に譲渡された複数の追加の特許および出願(例えば、米国特許第9,446,263号)に記載されているようなMRIと共に使用されるように構成され得る。図16が、放射線治療デバイス101を囲んでおりさらには支持壁1606に接続される磁石半体1602および1604を備える分割式MRIデザインを利用する、このような構成の実施例を示す。
【0085】
このシステムがMRIガイダンスまたはX線CTガイダンスのいずれかを設置されるように設計され得、さらには多用途のベースプレートまたは複数の多用途のベースプレートを介して多様な種類のガイダンスの間で変換を行うのを容易にするように設計され得る(例えば、図16を参照)。ベースプレートが、システムを堅固に設置して位置合わせするのに十分な程度で、システムの下の領域の少なくとも一部分を覆う。一実施例として、ベースプレートが、例えば、1)RTデバイス、2)CTスキャナまたはMRI、および3)CT診察台、PET/CT診察台、またはMRI診察台、を受け入れるための複数のドリル・パターンを備えるように設計され得る。このようにして、システムが、放射線治療デバイス自体を取り外したりまたは阻害したりすることなく、CTガイダンスからMRIガイダンスへと変換され得る。
【0086】
例えばマルチリーフ・コリメータのための制御システムである、本明細書で説明される主題の1つまたは複数の態様または特徴が、デジタル電子回路部品、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、コンピュータ・ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはこれらの組み合わせで、実現され得る。これらの種々の態様または特徴は、少なくとも1つのプログラマブル・プロセッサを有するプログラマブル・システム上で実行可能および/または翻訳可能である1つまたは複数のコンピュータ・プログラム内に実装形態を有することができ、プログラマブル・システムが特殊用途向けであってもまたは汎用向けであってもよく、保管システム、少なくとも1つの入力デバイス、および少なくとも1つの出力デバイスからデータおよび命令を受信するためにならびにそれらにデータおよび命令を送信するために、保管システム、少なくとも1つの入力デバイス、および少なくとも1つの出力デバイスに結合される。プログラマブル・システムまたは計算システムがクライアントおよびサーバを有することができる。クライアントおよびサーバは一般に互いに遠隔され、通常、通信ネットワークを通して相互作用する。クライアントおよびサーバとの間の関係は、互いに対してのクライアント・サーバ関係を有するような、それぞれのコンピュータ上で動くコンピュータ・プログラムによって生じる。
【0087】
プログラム、ソフトウェア、ソフトウェア・アプリケーション、アプリケーション、コンポーネント、またはコードと称されてもよい、これらのコンピュータ・プログラムが、プログラマブル・プロセッサのための機械命令を有し、ハイレベル・プロシージャ言語、オブジェクト指向プログラミング言語、関数型プログラミング言語、論理型プログラミング言語、および/または、アセンブリ言語/機械言語、で実装され得る。本明細書で使用される場合の「機械可読媒体」(または、「コンピュータ可読媒体」)という用語は、任意の、コンピュータ・プログラム製品、装置、および/またはデバイスを意味し、これらは例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、およびプログラマブル論理デバイス(PLD)などであり、これらはプログラマブル・プロセッサに機械命令および/またはデータを提供するのに使用され、プログラマブル・プロセッサが、機械可読信号として機械命令を受信する機械可読媒体を有する。「機械可読信号」(または、「コンピュータ可読信号」)という用語は、プログラマブル・プロセッサに機械命令および/またはデータを提供するのに使用される任意の信号を意味する。機械可読媒体がこのような機械命令を非一時的に保存することができ、これは例えば、非一時的固体記憶装置または磁気ハード・ドライブ、あるいは任意の等価の記憶媒体などである。別法としてまたは加えて、機械可読媒体はこのような機械命令を一時的に保存してもよく、これは例えば、1つまたは複数の物理的プロセッサ・コアに関連付けられるプロセッサ・キャッシュまたは他のランダム・アクセス・メモリなどである。
【0088】
使用者との相互作用を実現するために、本明細書で説明される主題の1つまたは複数の態様または特徴が、例えば、使用者に対して情報を表示するための、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、または発光ダイオード(LED)モニタなどの、表示デバイス、ならびにコンピュータに対して使用者が入力を行うことができるようにするための、キーボード、および、例えばマウスまたはトラックボールなどの、ポインティング・デバイス、を有する、コンピュータ上に実装され得る。使用者との相互作用を実現するために他の種類のデバイスが使用されてもよい。例えば、使用者に提供されるフィードバックは、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバックなどの、任意の形態の感覚フィードバックであってよく、使用者からの入力が任意の形態で受信され得、これには、限定しないが、音響入力、音声入力、または触覚入力が含まれる。他の考えられる入力デバイスには、限定しないが、シングルポイントまたはマルチポイントの抵抗膜方式のまたは容量性のトラックパッドなどの、タッチスクリーンまたは他の接触式デバイス、音声認識のハードウェアおよびソフトウェア、光学スキャナ、光学ポインタ、デジタル画像キャプチャ・デバイス、ならびに関連の解釈ソフトウェアなど、が含
まれる。
【0089】
上記の説明および特許請求の範囲では、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」などのフレーズが、要素または特徴の合同的なリストの前に現れる可能性がある。「および/または」という用語も2つ以上の要素または特徴のリストにおいて現れる可能性がある。特に明記しない限りにおいて、またそれを使用する文脈により明確に否定されない限りにおいて、これらのフレーズは、個別の列記される要素または特徴のうちのいずれかを意味するか、あるいは他の記載される要素または特徴のうちの任意の要素または特徴と組み合わせで、記載される要素または特徴のうちのいずれかを意味することを意図される。例えば、「AおよびBのうちの少なくとも一方」、「AおよびBのうちの1つまたは複数」、ならびに「Aおよび/またはB」というフレーズは、各々が、「Aのみ、Bのみ、あるいはまとめてAおよびB」を意味することを意図される。3つ以上のアイテムを含むリストにも同様の解釈が意図される。例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、およびCのうちの1つまたは複数」、ならびに「A、B、および/またはC」というフレーズは、各々が、「Aのみ、Bのみ、Cのみ、まとめてAおよびB、まとめてAおよびC、まとめてBおよびC、あるいは、まとめてA、B、およびC」を意味することを意図される。上記および特許請求の範囲での「に基づく」と用語の使用は「少なくとも部分的に基づく」ということを意味することを意図され、したがって、記載されない特徴または要素も許容される。
【0090】
本明細書で説明される主題の態様は、所望の構成に応じて、システム、装置、方法、コンピュータ・プログラム、および/または物品として具体化され得る。添付図に描かれるおよび/または本明細書で説明される任意の方法または論理の流れは、所望の結果を達成することにおいて、示される特定の順序、または順番を必ずしも必要とするわけではない。上記の説明に記載される実装形態は、本明細書で説明される主題に一致するすべての実装形態を表すわけではない。むしろ、上記の説明に記載される実装形態は、単に、説明される主題に関連する態様に一致する一部の例である。上記でいくつかの変形形態を詳細に説明してきたが、他の修正形態または追加も可能である。具体的には、本明細書で記載されるものに加えて、別の特徴および/または変形形態が提供され得る。上述の実装形態は、開示される特徴の種々の組み合わせおよび下位の組み合わせ、ならびに/あるいは上述の別の特徴の組み合わせおよび下位の組み合わせを対象とするものであってよい。さらに、上述の利点は、公表される特許請求の範囲の用途を、これらの利点のうちの任意の利点またはすべての利点を達成するプロセスおよび構造のみに限定することを意図されない。
【0091】
また、セクションの見出しは、本開示から公表され得る任意の請求項に記載される本発明を限定したりまたは特徴付けたりするものではない。具体的には、例として、見出しが「技術分野」を意味する場合であっても、これらの請求項は、いわゆる技術分野を説明するためのこの見出しに基づいて選択される言葉によって限定されない。さらに、「背景技術」でのテクノロジの説明は、テクノロジが本開示の任意の発明に対しての従来技術であることを認めるものとして解釈されない。また、本発明の特徴付けとして解釈される「概要」も、公表される特許請求の範囲には記載されない。また、概略的な本開示のいかなる言及または単数形の「本発明」という単語も、以下に記載される特許請求の範囲の範囲を限定することを暗に意味することを一切意図されない。本開示から公表される複数の請求項の制約に従って複数の発明が記載される可能があり、したがって、これらの請求項は本発明と、請求項によって保護される本発明の均等物とを定義する。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
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図9
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図12
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図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2022-12-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者を撮像するための診断品質のCTスキャナであって、イメージング・アイソセンタ
ーを有する診断品質のCTスキャナと、
前記診断品質のCTスキャナに隣接して配置される放射線治療デバイスであって、前記
診断品質のCTスキャナの前記イメージング・アイソセンターから離間される放射線治療
アイソセンターを有し放射線治療ビーム源を担持するガントリーを有する、放射線治療デ
バイスと、
前記診断品質のCTスキャナと前記放射線治療デバイスとの間で前記患者を平行移動さ
せることにより、撮像のためにおよび放射線治療のために前記患者を位置決めするように
構成された診察台と
を備えるシステムであって、
コプラナー放射線治療のみを施行するように構成されるシステム。
【外国語明細書】