(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023030035
(43)【公開日】2023-03-07
(54)【発明の名称】選択された質感と色を有する取引及びIDカード
(51)【国際特許分類】
B42D 25/47 20140101AFI20230228BHJP
【FI】
B42D25/47
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022200174
(22)【出願日】2022-12-15
(62)【分割の表示】P 2019178994の分割
【原出願日】2015-05-21
(31)【優先権主張番号】62/001,706
(32)【優先日】2014-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/074,305
(32)【優先日】2014-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516351810
【氏名又は名称】コンポセキュア,リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ハースロー
(72)【発明者】
【氏名】アダム ロウ
(72)【発明者】
【氏名】ルイス ダシルバ
(57)【要約】
【課題】広範囲の色及び質感を有する金属カード及び/又はセラミックカードを提供する。
【解決手段】本発明に従って作成されたカードは、金属又はセラミック材料の厚いコア層に接着された特別に処理された薄い装飾層を含み、ここで、薄い装飾層は、選択された色及び/又は選択された質感を前記金属カードの表面に提供するように設計されている。本発明を実施するために使用される装飾層は、(a)陽極酸化金属層、又は(b)植物又は動物物質(例えば、木材、皮革)由来の材料の層;又は(c)レーザー反応性材料(例えば微粉化炭素)と混合された集合体バインダー材料(例えば、セメント、モルタル、エポキシ)の組み合わせ、又は(d)セラミック層、及び(f)結晶布材料の層を含む。前記カードは、非接触式に及び/又は接触式で読み取ることができる2重インターフェーススマートカードであってもよい。
【選択図】
図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の外観を有するカードを作成する方法であって、
薄い装飾層を選択し、前記薄い装飾層を0.0005インチ~0.014インチの範囲の厚さを有するように加工する工程であって、ここで、前記薄い装飾層は、(a)陽極酸化金属層、(b)木材などの植物由来材料の化粧板層、(c)皮革などの動物由来材料の化粧板層、(d)レーザー反応性材料と混合されたセメント又はエポキシなどの集合体バインダー材料の化粧板層、(e)セラミック層、及び(f)結晶布材料の層、のうちの1つである、上記工程と、
前記カードの本体を形成するために厚いコア層を選択する工程であって、前記厚いコア層は0.005インチ~0.032インチの範囲の厚さと、互いにほぼ平行な第1及び第2の表面とを有し、前記厚いコア層は、(a)金属の厚いコア層、又は(b)セラミック被覆金属、又は(c)セラミック被覆ポリマー、又は(d)固体セラミック材料である、上記工程と、及び
前記薄い装飾層を前記厚いコア層の第1の表面に接着する工程と、
を含む上記方法。
【請求項2】
前記薄い層と厚い層とを接着する工程は前記層を積層することを含み、
前記薄い装飾層は、所定の色を有するように設計された陽極酸化アルミニウム層であり、
前記陽極酸化アルミニウム層にレーザー光源を適用して、前記カードの色、外観、及び質感を修飾する工程を更に含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記薄い層と厚い層とを接着する工程は前記層を積層することを含み、
前記薄い装飾層は、所定の色を有する陽極酸化アルミニウム層であり、
前記陽極酸化アルミニウム層の上にハードコート層を形成する工程を更に含み、
前記ハードコート層と前記陽極酸化アルミニウム層にレーザー光源を適用して、前記カードの色と感触の少なくとも1つを修正する工程を更に含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記ハードコート層が、陽極酸化されたアルミニウムの色とは異なる色を有するように設計される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記厚いコア層の第2の表面に接着されたポリマー層を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記厚いコア層の第2の表面に接着されたポリマー層と、
(a)カードと外部カードリーダーとの間の無線周波数(RF)伝送と(b)カードと接触リーダーとの間の接触読み取りとの少なくとも1つを可能にするための、前記カード内に配置された集積回路モジュールと、を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記陽極酸化アルミニウム層に接着されたエンボス加工可能なポリマー層を更に含み、
前記ポリマー層及び前記陽極酸化アルミニウム層をエンボス加工する工程を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記厚いコア層が厚い金属層であり、前記薄い装飾層が、所定の色を有するように設計された陽極酸化アルミニウム層であり、
前記厚い金属層が異なる色を有するように設計されており、
予め選択された色を有する少なくとも1つの追加の層を更に含み、
前記陽極酸化アルミニウム層、前記厚い金属層、及び前記追加の層にレーザー光源を適用して、カードの色と感触の少なくとも1つを修正する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記植物由来材料の化粧板層が低リグニン含量の天然木材の層であり、
前記木質化粧板層の加工が、(a)前記木質層が0.001インチ~0.015インチの範囲の厚さを有するまで、木質層の裏面をやすりで磨く工程と、及び(b)前記木質層に油膜を適用して、木質層が積層した時にその外観を維持する工程とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記木質層の擦り切れ又は剥がれを防止するために、前記木質層の外縁部を面取りする工程を更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記動物由来材料の化粧板層が、上面と底面とを有する天然皮革の層であり、
前記皮革化粧板層の加工が、皮革層の厚さが0.001インチ~0.015インチの範囲にあり、その底面が接着剤を受け入れるように適合されるように、皮革層の底面を処理することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記皮革層の上面をエンボス加工する工程と、
その底面が前記厚いコア層の第1の表面に接着された底面を有する前記皮革層からなる第1アセンブリーを形成する工程と、を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記厚いコア層が厚い金属層であり、前記エンボス加工された皮革層が第1の皮革層であり、
第2の皮革層の上面が前記第1アセンブリーの第1のエンボス加工された皮革層の上面に面している、上面と底面とを有する第2の皮革層の位置決めを含む、第2アセンブリーを形成する工程と、
第1及び第2皮革層及び厚い金属層を積層し、こうして第1皮革層のエンボスパターンが第2皮革層に転写され、第1アセンブリーの構成要素が積層される工程と、を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記集合体バインダー材料の化粧板層が、レーザー反応性材料と混合されたセメント又はエポキシの層であり、
炭素粒子と混合された前記セメント又はエポキシ層にレーザー光源を適用して前記炭素粒子を気化させて、高コントラストのパターンを生成する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記薄い装飾層を厚いコア層に接着する工程が、前記厚いコア層の表面内にポケットを形成し、前記ポケット内に前記薄い装飾層の1つを堅く接着させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記ポケットの深さが、前記装飾層の厚さと実質的に等しくなるようにされる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記薄い装飾層が陽極酸化された金属層であり、
前記陽極酸化された金属層の複数の色を染色する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記薄い装飾層が陽極酸化された金属層であり、
スクリーン印刷、昇華印刷、任意のデジタル印刷システム、レーザー彫刻、機械的彫刻、ダイカット、又はエンボス加工などの技術による印刷グラフィックスのうちの1つにより、前記陽極酸化層を修飾する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記薄い装飾層が陽極酸化された金属層であり、
前記陽極酸化金属層が、カードの表面に沿って、(a)カードの全長と幅に、(b)パッチとして、(c)ストライプとして、又は(d)装飾的なデザインとして、選択的に延ばされる、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
薄い装飾層を、前記厚い金属層の第2の表面に接着する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記厚い金属層の第2の表面に接着された前記薄い装飾層が、(a)陽極酸化金属層、(b)木材などの植物由来材料の化粧板層、(c)皮革などの動物由来材料の化粧板層、(d)レーザー反応性材料と混合されたセメント又はエポキシなどの集合体バインダー材料の化粧板層、(e)セラミック層、及び(f)結晶布材料の層、のうちの1つを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記厚いコア層が厚い金属層であり、
前記薄い装飾層がセラミック材料の層であり、
前記薄い装飾層を選択して加工する工程が、前記セラミック層を前記厚い金属層に塗布し、これを厚い金属層に結合する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記薄い装飾層が、前記薄い金属層内の所定の深さまで延びる所定の着色領域を有する薄い陽極酸化金属層であり、
(a)前記着色領域の選択された部分をデザインパターンに従って前記所定の深さまで除去する工程と、(b)前記所定の着色領域以外の色を有する電気メッキ金属を用いて薄い陽極酸化金属層を電気メッキして、前記電気メッキ金属及び前記所定の着色領域の色を表示するパターンを生成する工程と、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記薄い陽極酸化金属層が、前記所定の色を有するように染色された上部サブ層の領域を有するアルミニウムの薄層であり、
前記着色領域の選択された部分を除去する工程が、レーザー機器を使用して陽極酸化アルミニウム層の選択された部分を剥き出しにする工程を含み、
前記電気メッキ金属が金などの貴金属である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
表側と裏側とを有するカードであって、
0.005インチ~0.032インチの範囲の厚さを有する厚いコア層であって、前記厚いコア層が、カードのバルクを形成しかつ所定の色を有し、前記厚いコア層が、互いにほぼ平行に延びる第1及び第2の表面を有する、前記厚いコア層と、
カードに色及び質感の少なくとも1つを提供するための、前記厚いコア層の第1の表面に接着された薄い装飾層であって、0.0005インチ~0.03インチの範囲の厚さを有し、(a)陽極酸化金属層、(b)木材などの植物由来材料の化粧板層、(c)皮革などの動物由来材料の化粧板層、(d)レーザー反応性材料と混合されたセメント又はエポキシなどの集合体バインダー材料の化粧板層、(e)セラミック層、及び(f)結晶布材料の層、のうちの1つである前記薄い装飾層、を含む上記カード。
【請求項26】
前記厚いコア層が厚い金属層であり、
前記薄い装飾層が、所定の色を有するように設計され、陽極酸化されたアルミニウム及びその下にある厚い金属層の色を表示するために前記陽極酸化層内に形成されたパターンを有する陽極酸化アルミニウム層であり、
前記カードが、形成されたパターンに対応する独特の質感を有する、請求項25に記載のカード。
【請求項27】
前記厚いコア層が厚い金属層であり、
前記薄い装飾層が所定の色を有する陽極酸化金属層であり、
前記陽極酸化アルミニウム層上にハードコート層が形成され、
前記ハードコート層内にパターンが形成され、
前記陽極酸化アルミニウム層が、前記ハードコート層、前記陽極酸化層、及び前記厚い金属層の色を示すパターンを生成する、請求項25に記載のカード。
【請求項28】
前記厚いコア層が厚い金属層であり、
前記薄い装飾層が所定の色を有する陽極酸化アルミニウム層であり、
前記陽極酸化アルミニウム層の上に着色ハードコート層が形成され、
前記カードの他の層とは異なる色を有する前記厚い金属に、追加の層が接着され、
前記ハードコート層と前記陽極酸化アルミニウム層内にパターンが形成され、
前記厚い金属層が、前記ハードコート層、前記陽極酸化層、前記厚い金属層、及び前記追加の層の色を表示するパターンを生成する、請求項25に記載のカード。
【請求項29】
前記厚いコア層が厚い金属層であり、
前記厚いコア層の第2の表面に接着されたポリマー層を更に含む、請求項25に記載のカード。
【請求項30】
前記厚いコア層が厚い金属層であり、
(a)前記厚い金属層に接着されたポリマー層と、(b)(i)カードと外部カードリーダーとの間の無線無線周波数(RF)伝送、及び(ii)カードと接触リーダーとの間の接触読み取りの少なくとも1つを可能にするための、前記カード内に位置する集積回路モジュールと、を更に含む、請求項25に記載のカード。
【請求項31】
前記厚いコア層が厚い金属層であり、
前記陽極酸化されたアルミニウム層に接着されたエンボス可能なポリマー層を更に含み、
感じることができる対応するパターンを生成するために、前記ポリマー層内にパターンがエンボス加工される、請求項25に記載のカード。
【請求項32】
前記厚いコア層が厚い金属層であり、
前記薄い装飾層が所定の色を有するように設計された陽極酸化アルミニウム層であり、
前記厚い金属層が異なる色を有するように設計されており、
予め選択された色を有する少なくとも1つの追加の層を更に含み、
これらの層の選択された部分が、レーザー照射、機械加工、又は化学エッチングのうちの1つにより除去されて、その外観がこれらの層の色と相関しており、カードの質感が形成されたパターンと相関している、請求項25に記載のカード。
【請求項33】
前記植物由来材料の化粧板層が、低リグニン含有量の実際の木材の層であり、
前記木質層が0.001インチ~0.010インチの範囲の厚さを有し、
前記実際の木材の層が、上面に沿って配置された油膜により保護された上面を有する、請求項25に記載のカード。
【請求項34】
前記木質層の外縁部が面取りされて、前記木質層の擦り切れ又は剥がれを防止する、請求項33に記載のカード。
【請求項35】
前記厚いコア層が厚い金属層であり、
前記動物由来材料の化粧板層が、上面と底面とを有する実際の皮革層であり、その上面は実際の皮革に関連した独特のパターンを有し、
前記皮革化粧板層は、0.001インチ~0.020インチの範囲の厚さを有し、
前記皮革層の底面は、改変されて接着剤を受け入れるように処理されており、
前記皮革層の上面がエンボス加工され、その底面が接着剤層を介して前記厚い金属層に接着されている、請求項25に記載のカード。
【請求項36】
前記集合体バインダー材料の化粧板層が、レーザー反応性材料と混合されたセメント又はエポキシの層であり、
炭素粒子の気化により前記化粧板層にパターンが形成される、請求項25に記載のカード。
【請求項37】
前記陽極酸化金属層が多色金属層である、請求項25に記載のカード。
【請求項38】
前記厚いコア層が厚い金属層であり、前記厚い金属層の第1の表面に接着された前記薄い装飾層が第1の薄い装飾層であり、
第2の薄い装飾層が前記厚い金属層の第2の表面に接着されている、請求項25に記載のカード。
【請求項39】
前記第2の薄い装飾層が、(a)陽極酸化金属層、(b)木材などの植物由来材料の化粧板層、(c)皮革などの動物由来材料の化粧板層、(d)レーザー反応性材料と混合されたセメント又はエポキシなどの集合体バインダー材料の化粧板層、(e)セラミック層、及び(f)結晶布材料の層、のうちの1つである、請求項38に記載のカード。
【請求項40】
前記厚い金属層の第1の表面に接着された前記薄い装飾層が、前記厚い金属層の第2の表面に接着された前記薄い装飾層と異なる、請求項38に記載のカード。
【請求項41】
前記厚いコア層が厚い金属層であり、
前記厚い金属層の第1の表面にポケットが形成され、
薄い装飾層が前記ポケット内の前記厚い金属層に接着されている、請求項25に記載のカード。
【請求項42】
前記ポケット内の前記厚い金属層に接着された前記薄い装飾層が、結晶布地材料の層である、請求項41に記載のカード。
【請求項43】
前記第2の薄い装飾層が陽極酸化された金属箔であり、
前記第2の薄い装飾層に接着された信号パネルと磁気ストライプとを更に含む、請求項38に記載のカード。
【請求項44】
前記第2の薄い装飾層が陽極酸化された金属箔であり、
前記第2の薄い装飾層に接着されたポリマー層と、前記ポリマー層に接着された信号パネルと磁気ストライプとを更に含む、請求項38に記載のカード。
【請求項45】
請求項25に記載のカードであって、
前記薄い装飾層が、前記薄い陽極酸化金属層内の所定の深さまで延びる所定の着色領域を有する薄い陽極酸化金属層であり、
前記着色領域の選択された部分が、デザインパターンに応じた前記所定の深さまで除去され、
前記所定の着色領域以外の色を有する特定の金属が、前記除去された選択領域内に電気メッキされて、前記特定の金属及び前記所定の着色領域の色を表示するパターンが生成される、上記カード。
【請求項46】
前記薄い陽極酸化金属層が、前記所定の色を有するように染色された上部サブ層領域を有するアルミニウムの薄層であり、前記特定の金属が金などの貴金属である、請求項45に記載のカード。
【請求項47】
前記厚いコア層が厚い金属層であり、セラミック層が前記厚い金属層の第1の表面に接着され、セラミック層以外の薄い装飾層がセラミック層に接着されている、請求項25に記載のカード。
【請求項48】
前記厚いコア層が厚い金属層であり、第1のセラミック層が前記厚い金属層の第1の表面に接着され、第2のセラミック層が前記厚い金属層の第2の表面に接着されている、請求項25に記載のカード。
【請求項49】
前記厚いコア層が厚いセラミック層である、請求項25に記載のカード。
【請求項50】
金属カードであって、
厚さが0.005インチ~0.035インチの範囲の厚い金属層であって、前記厚い金属層が前記カードのバルクを形成しかつ所定の色を有し、前記厚い金属層が上面と底面とを有する前記厚い金属層と、
前記厚い金属層の上面内に形成されたポケットであって、前記ポケットの深さが、厚い金属層の表面と前記金属層の外周部の周りの境界から下に0.003インチ~0.030インチの範囲にある、前記ポケットと、
前記厚い金属層の上面内に形成されたポケットに接着された薄い装飾層と、を含む上記カード。
【請求項51】
前記薄い装飾層が0.005インチ~0.030インチの範囲の厚さを有し、
前記薄い装飾層が、(a)陽極酸化金属層、(b)木材などの植物由来材料の化粧板層、(c)皮革などの動物由来材料の化粧板層、(d)レーザー反応性材料と混合されたセメント又はエポキシなどの集合体バインダー材料の化粧板層、(e)セラミック層、及び(f)結晶布材料の層、のうちの1つである、請求項50に記載の金属カード。
【請求項52】
前記陽極酸化金属層が、アルミニウム、チタン、亜鉛、ニオブ、タンタル、又は陽極酸化することができる任意の他の金属のうちの1つである、請求項51に記載のカード。
【請求項53】
前記化粧板層が、木材、皮革、セラミック、結晶布材料、セメント、又はエポキシのうちの1つである、請求項51に記載のカード。
【請求項54】
カードを作成する方法であって、
ほぼ平行の上面と底面とを有する厚い金属層を選択する工程であって、前記厚い金属層が0.005インチ~0.033インチの範囲の厚さを有する、上記工程と、
前記厚い金属層の上面にポケットを形成する工程であって、前記ポケットの深さが、厚い金属層の表面と前記金属層の外周部の周りの境界から下に0.003インチ~0.030インチ延びている、前記工程と、
薄い装飾層を、前記厚い金属層の上面内に形成された前記ポケットに接着して、前記カードに色及び質感の少なくとも1つを提供する工程と、を含む上記方法。
【請求項55】
前記薄い装飾層が0.003インチ~0.030インチの範囲の厚さを有し、
前記薄い装飾層が、(a)陽極酸化金属層、(b)木材などの植物由来材料の化粧板層、(c)皮革などの動物由来材料の化粧板層、及び(d)レーザー反応性材料と混合されたセメント又はエポキシなどの集合体バインダー材料の化粧板層のうちの1つを含む、 請求項54に記載の金属カード。
【請求項56】
カードを作成する方法であって、
上面と底面とを有する第1の皮革様材料の層を選択する工程と、
前記第1の皮革様材料の前記上面にパターンをエンボス加工する工程と、
上面及び底面とを有する第2の皮革様材料の層を選択する工程と、
前記第2の皮革様層の上面を前記エンボス加工された第1の層の上面上に配置し、前記第1の層を金属基板の上に重ねて接着させることを含む、アセンブリ-を形成する工程と、
前記エンボス加工された第1の層を前記金属層と積層するように前記アセンブリーを積層して、カード又はカードのサブアセンブリ-を形成し、同時に第2皮革様層の上面もエンボス加工する工程と、を含む上記方法。
【請求項57】
表側と裏側とを有するカードであって、
0.005インチ~0.032インチの範囲の厚さを有する厚いセラミック層であって、前記厚いセラミック層は、前記カードのバルクを形成し、所定の色を有し、前記厚い金属層は、互いにほぼ平行に延びる第1及び第2の表面を有する、前記厚いセラミック層と、
前記カードに色と質感の少なくとも1つを提供するための、前記厚いセラミック層の第1の表面に接着された薄い装飾層であって、前記薄い装飾層は、0.0005インチ~0.014インチの範囲の厚さを有し、前記薄い装飾層は、(a)陽極酸化金属層、(b)木材などの植物由来材料の化粧板層、(c)皮革などの動物由来材料の化粧板層、(d)レーザー反応性材料と混合されたセメント又はエポキシなどの集合体バインダー材料の化粧板層、(e)セラミック層、及び(f)結晶布材料の層、のうちの1つである、上記薄い装飾層と、を有する上記カード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2014年5月22日に出願された出願番号62/001706号を有する、「制御された色を有する取引及びIDカード」と題された仮出願(その教示は参照のため本明細書に組み込まれる)に基づく優先権を主張する。本出願はまた、2014年11月3日に出願された出願番号62/074305号を有する、「制御された色を有するセラミック取引及びIDカード」と題された仮出願その教示は参照のため本明細書に組み込まれる)に基づく優先権を主張する。
【0002】
本発明は、種々の色と質感を有する金属カードの製造に関する。特に本発明は、種々の色と質感を有するように作製することができる、金属層を有する取引及びIDカード又は任意の類似のドキュメントを作成するための装置と方法に関する。本発明はまた、セラミック材料のコア層を有するカード、及び装飾セラミック層を有する金属カードに関する。
【背景技術】
【0003】
富裕層市場には、カードの所有者に裕福感と優越感を与えるために金属カード又はセラミックカードを提供することが望ましくなっている。また、見映えと触感、及び/又はある程度の個人化感を提供するために、金属カードに異なる色及び質感を提供することも望ましい。
【0004】
金属取引カードを着色するために物理蒸着(PVD)を使用することが知られているが、PVDはその色範囲に制限があり、また比較的費用がかかる。PVDはまた、それが堆積される基板に大きく依存する。PVDは、高熱とバッチ操作を伴う真空プロセスであり、このプロセスは、色の均一化のために部品の個々のラッキングや回転が必要であり費用がかかる。これは金属を高温に供するため、金属を収縮させゆがめることがある。
【0005】
いくつかの金属カードでは、カードの外面を装飾するために、印刷されたPVC層又は他のポリマーが使用される。これらのポリマー層の使用は、最小印刷厚さ、ポリマーの厚さによる金属カードの重量損失、及び異種材料を積層する課題などの望ましくない特性を有する。異なる厚さ及び化合物の使用はまた、プラテン積層中の不均一な収縮のために、部品に反り又は撓みを生じさせる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、これらの及び他の問題を克服し、広範囲の色及び質感を有する金属カード及び/又はセラミックカードの製造を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に従って製造されるカードは、金属、セラミック被覆金属若しくはポリマー、又は固体セラミック材料の厚いコア層の片側又は両側に接着された、特別に処理された薄い装飾層を含み、ここで、薄い装飾層はカードの表面に、選択された色及び/又は選択された質感を提供するように設計される。本発明の実施に使用される装飾層には、(a)陽極酸化された金属層;又は(b)植物又は動物物質に由来する材料(例えば、木材、皮革)の層;又は(c)レーザー反応性材料(例えば、細かく分割された炭素)と混合されたバインダー材料(例えば、セメント、モルタル、エポキシド)の組合せ;又は(d)セラミック層;及び(e)結晶ファブリック材料の層とを含む。カードは、非接触式及び/又は接触式で読み取ることができる2重インターフェースのスマートカードであってもよい。
【0008】
本発明による金属カードの製造は、一般的に薄い装飾層の調製及び処理、及び装飾層を厚い金属基板に接着させることとを含み、ここで、薄い装飾層は、選択された色及び/又は選択された質感を、主として金属カードの前面に提供するように設計されるが、カードの背面にも提供することができる。
【0009】
薄い装飾層が陽極酸化金属層である場合、金属層は、カードに色を付与するために選択された色を有するように調製され処理される。いくつかの理由から、陽極酸化による金属層への色の付与(着色)はPVD処理よりも好ましい。陽極酸化は、金属表面を装飾的で耐久性のある耐腐食性の陽極酸化物仕上げに変換する電気化学的プロセスである。従って陽極酸化によって金属を着色することは、非常に望ましい。アルミニウムは陽極酸化に理想的に適している。しかし、他の非鉄金属、例えばマグネシウム、チタン、亜鉛、ニオブ、タンタル、又は他の任意の金属を使用して、本発明を実施することができる。
【0010】
アルミニウム膜の場合、例えば陽極酸化物構造はアルミニウム基板に由来し、全体に酸化アルミニウムで構成される。この酸化アルミニウムは、塗料やメッキのような表面には塗布されないが、下地のアルミニウム基板と完全に一体化されるため、砕けたり剥がれたりすることはない。これは、着色や密封のような2次的なプロセスを可能にする高度に秩序化された多孔質構造を有する。
【0011】
陽極酸化は、アルミニウムを酸電解浴(タンク)に浸漬し、媒体に電流を流すことによって行うことができる。陽極酸化槽の内部に陰極が取り付けられる。アルミニウムは陽極として作用し、従って、電解液から酸素イオンが放出され、陽極酸化される部分の表面のアルミニウム原子と結合する。従って陽極酸化は、高度に制御された酸化事項であり、自然発生現象の増強である。陽極酸化処理された箔を適切な(所望の)色の染料浴、次にシーラー浴に通すことにより、色を導入することができる。
【0012】
金属層上の着色された陽極層を使用することは、より高い柔軟性とコスト削減をもたらす。印刷された陽極材料を使用してポリマー材料を代替することは、金属がポリマーよりも緻密であり、最小印刷厚さの制限を有しないため、これらの課題を克服する。この組成物及び方法は、非接触型、接触型、及び2重インターフェーススマートカードを含む、すべてのタイプの取引及びIDカードで使用することができる。
【0013】
本発明において、陽極酸化層の色及び/又は質感は、(a)陽極酸化層を単色又は複数色に染色することにより、又は(b)スクリーン印刷、昇華印刷、又は任意のデジタル印刷システムなどの技術を用いる印刷グラフィックスにより、更に修飾することができる。陽極酸化された金属層は、レーザー彫刻、機械彫刻、ダイカット、又はエンボス加工のような技術により、更に修飾することもできる。陽極酸化された金属層は、全面材料(すなわち、カードの全長と全幅に延びる)、パッチ、ストライプ、又は他の装飾的なデザインとして、カード上に使用することができる。陽極酸化された金属はレーザーマーキングされていてもよいし、そうでなければ彫刻又はマーキングされて、卑金属又は貴金属を陽極酸化された表面に、選択的パターン又はフラッド被覆で電気メッキすることができる。
【0014】
本発明の1つの態様において、多層の金属カードに色を付与することは、少なくとも1つの陽極酸化された着色金属層を使用し、着色されていてもいなくてもよい他の層を選択的に修飾することにより達成されて、望ましい美的及び/又は機能的な効果が提供される。
【0015】
装飾層が植物物質由来の材料(例えば木材)の層である場合、装飾層を金属基板に接着させる前及び接着させている間、元の(ユニークな)パターン及び質感を維持するように装飾層を処理するために、特別な注意を払わなければならない。本明細書で使用される質感は、表面の視覚的及び特に触覚的な品質を指す。これには、表面の感触、触感、外観、及び粒状性を含む。
【0016】
同様に、装飾層が動物物質由来の材料(例えば皮革)の層である場合、装飾層を金属基板に接着させる前及び接着させている間、元の(ユニークな)パターン及び質感を維持するように装飾層を処理するために、特別なプロセスを開発しなければならなかった。
【0017】
また、装飾層が、レーザー反応性材料(例えば、微粉化炭素)と混合された種々の集合体バインダー材料由来の材料(例えば、セメント、モルタル、エポキシ)の層である場合、所望の色及び質感の上面を有するカードを製造するために、特別な構成が作成される。
【0018】
また、金属基板に接着された装飾層を形成するために、選択された質感及び色を有する種々のセラミック材料を使用することができる。
【0019】
従って、薄い装飾層は、カード表面に独特の及び/又は選択された質感を提供するために調製及び処理される、天然及び/又は非金属性の質感のある材料の化粧板層であってもよい。
【0020】
本発明を具体化するカードは、金属、セラミック被覆金属、セラミック被覆ポリマー、又は固体セラミック材料の、薄い装飾層及び厚いコア層を含む。更にカードは、多数の異なるポリマー層を含むことができる。更に、本発明を具体化する金属カードは、カードとカードリーダとの間の信号のRF送信を可能にする集積回路チップ及びアンテナを含むことができる。これらのカードは、接触カード及び/又は2重インターフェース(接触型及び/又は非接触型)としても機能することができる「スマート」カードである。
【0021】
更に本発明を具体化するカードは、そこに1又は2以上の装飾層を配置することを可能にする、カードの上面に形成されたポケットを含む。
【図面の簡単な説明】
【0022】
縮尺通りに描かれていない添付図面において、同様の参照符号は同様の構成要素を示す。
【
図1】本発明による制御された色を有する金属カードを形成するために組み合わされた着色層の断面図である。
【
図1A】異なる色を示す
図1に示されたカードの上層部分の除去を示す断面図である。
【
図1B】更に多くの色を示す
図1に示されたカードの2つの上層部分の除去を示す断面図である。
【
図2】本発明を具体化する金属層及びポリマー層を有するカードを形成するために使用される選択された層の断面図である。
【
図3】本発明を具体化する着色層、及び金属層、及びポリマー層を有する2重インターフェーススマートカードの断面図である。
【
図4】
図3に示されたタイプのカードの層及び構成要素の分解図である(但し、接着剤層は省略されている)。
【
図5】陽極酸化アルミニウム箔層に接着された熱硬化ポリマー層のエンボス加工可能な層を含むカードの断面図である。
【
図5A】
図5に示されたタイプの表面がエンボス加工されたカードを示す断面図である。
【
図6】本発明によるカードを形成するための4つの着色層を有するカードの上面図である。
【
図6B】多色レベルを有する陽極酸化アルミニウム層14を形成することができることを示す断面図である。
【
図7A】本発明による天然木の化粧板を有する金属カードを形成するための処理工程の一部をで示す断面図である。
【
図7B】本発明による天然木の化粧板を有する金属カードを形成するための処理工程の一部をで示す断面図である。
【
図7C】本発明による天然木の化粧板を有する金属カードを形成するための処理工程の一部をで示す断面図である。
【
図7D】本発明による天然木の化粧板を有する金属カードを形成するための処理工程の一部をで示す断面図である。
【
図7E】本発明による天然木の化粧板を有する金属カードを形成するための処理工程の一部をで示す断面図である。
【
図8A】本発明によるセメントの化粧板を有する金属カードを形成するための処理工程の一部を示す断面図である。
【
図8B】本発明によるセメントの化粧板を有する金属カードを形成するための処理工程の一部を示す断面図である。
【
図8C】本発明によるセメントの化粧板を有する金属カードを形成するための処理工程の一部を示す断面図である。
【
図8D】本発明によるセメントの化粧板を有する金属カードを形成するための処理工程の一部を示す断面図である。
【
図9A】本発明による天然皮革の化粧板を有する金属カードを形成するための処理工程の一部を示す断面図である。
【
図9B】本発明による天然皮革の化粧板を有する金属カードを形成するための処理工程の一部を示す断面図である。
【
図9C】本発明による天然皮革の化粧板を有する金属カードを形成するための処理工程の一部を示す断面図である。
【
図9D】本発明による天然皮革の化粧板を有する金属カードを形成するための処理工程の一部を示す断面図である。
【
図9E】本発明による天然皮革の化粧板を有する金属カードを形成するための処理工程の一部を示す断面図である。
【
図10A】金属基板の上面に形成されたポケットの上面図である。
【
図10C】金属基板の底面に接着された追加の層を示す断面図である。
【
図10D】例えば、
図7A、
図8A、又は
図9Aに示された、例えば陽極酸化金属層又は任意の化粧板層であり得る装飾層をその中に配置するようにポケットが形成された、金属基板の上面等角図である。;
【
図10E】ポケット内に挿入され金属基板に接着された装飾層を有する、
図10Dのカードの上面等角図である。
【
図11】金属基板の上面及び底面に接着された装飾層を示す、非常に単純化された断面図である。
【
図11A】金属基板の上面と底面に貼り付けられた化粧層が異なる可能性があることを示す断面図である。
【
図11B】金属基板の上面と底面に貼り付けられた化粧層が異なる可能性があることを示す断面図である。
【
図11C】金属基板の上面と底面に貼り付けられた化粧層が異なる可能性があることを示す断面図である。
【
図11D】金属基板の上面及び底面に接着されたセラミック層及び装飾層を示す断面図である。
【
図11E】カードの外観及び質感を修飾するためにレーザー光源が適用されるセラミック装飾層を有する金属カードの断面図である。
【
図11F】本発明による金属基板の上面及び底面に接着された1つのタイプの薄い装飾層(陽極酸化アルミニウム)を示す断面図である。
【
図12】装飾層の底面に接着された任意のポリマー層を有するカードの断面図である。
【
図12A】ポリマー層又は陽極酸化アルミニウム箔の底面に接着された署名パネル及び磁気ストライプの底面図である。
【
図12B】ポリマー層又は陽極酸化アルミニウム箔の底面に接着された署名パネル及び磁気ストライプの底面図である。
【
図13A】本発明による金属基板に接着された着色陽極酸化アルミニウム箔を有するカードの断面図である。
【
図13B】本発明によるカードを形成するためのプロセスの工程のいくつかを示す図である。
【
図13C】
図13Aの陽極酸化アルミニウム層におけるパターンの形成を示す断面図である。
【
図13D】貴金属を用いて
図13Aの陽極酸化アルミニウム層に形成されたパターンを電気メッキした結果を示す断面図である。
【
図14】セラミックコア及び装飾層を有するカードの断面図である。
【
図14A】セラミックコア層に形成されたポケットの等角上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
少なくとも1つの陽極酸化層を有する金属カード
図1は、多数の異なる着色層を有する金属主体の取引カード10の1つの実施態様を示す。
図1においてカード10は、陽極酸化アルミニウム箔層14に重なった着色ハードコート上部層12を含む。ハードコート層12は、任意の既知の又は適切な方法により(例えば、結合、その上に噴霧、及び硬化されるか、接着剤層又は担体層を介して接着されるか、又は担体シートから転写されることにより)、陽極酸化層14に接着することができる。層14は、接着剤層15を介してベース金属層16に接着される。層12及び14は、カード10に異なる色及び装飾的外観を与えるために使用される選択された色を有するように設計される。層12及び14の色をベース金属層16の色と組み合わせて、カードに更に広い範囲の色及び装飾パターンを提供することができる。
【0024】
カードの製造において、ハードコート層12の厚さは典型的には2~50ミクロンであり、アルミニウム箔層14の厚さは0.0005~0.014インチの範囲であり、金属層16の厚さは0.005~0.032インチの範囲である。層12は選択自由であり、層14は主として装飾(着色)機能を提供することを意図していることに留意されたい。
【0025】
層12は、耐引掻性表面を提供し、また着色層を提供することもできる。ハードコート層12は、ケイ酸塩ナノ粒子、酸化亜鉛ナノ粒子、二酸化ケイ素結晶性ナノ粒子などのナノ粒子、又は溶媒、水系、若しくはUV硬化性アクリレート、ビニル、ウレタンなどの適切な担体を有する任意の他の適切なナノ粒子から形成することができる。ハードコートは、噴霧、グラビア、リバースロール、ダイレクトロール、スロットコーティングなどのコーティング技術により適用することができる。
【0026】
ハードコート層12は、特殊な担体層を用いて、カード又はカードを形成する際に使用されるサブアセンブリーに適用することができる。この特殊な担体は、剥離層及びハードコート層を特殊担体層に接着させてサブアセンブリーを形成することを可能にし、次に、サブアセンブリーは別のサブアセンブリーに取り付け転写して中間アセンブリーを形成することができ、そこから担体及び剥離層が除去されて、カードの上層及び/又は下層としてハードコート層を残すことができる。ハードコート層は透明でも着色されていてもよい。顔料又は染料を接着剤層に添加するか、又はハードコートビヒクル自体と混合することにより、ハードコート層に色が加えられる。
【0027】
第2の層14は、接着剤層15を介してベース金属層16に接着されることが示されている着色された陽極金属層からなる。この層14はまた、下地層16に結合され積層されることができる。陽極酸化金属層14はアルミニウム製であることが示されている。しかし陽極酸化層14は、チタン、亜鉛、ニオブ、タンタル、又は陽極酸化することができる他の金属であってもよい。本発明において、陽極酸化された層は、(a)陽極酸化された層を単色若しくは複数の色で染色すること、又は(b)スクリーン印刷、昇華印刷、又は任意のデジタル印刷システムなどの技術を介する印刷グラフィックスにより、更に修飾することができる。陽極酸化された金属層14は、レーザー彫刻、機械彫刻、ダイカット、又はエンボス加工などの技術により、更に修飾することができる。陽極酸化された金属層は、全面材料(すなわち、カードの全長と全幅に延びる)、パッチ、ストライプ、又は他の装飾的なデザインとして、カード上に使用することができる。
【0028】
着色金属層16の上にポリマー層の代わりに着色アノード層14を使用すると、より高い柔軟性とコスト削減をもたらされる。印刷された陽極材料をポリマー材料の代わりに使用することは、金属がポリマーよりも緻密であり、最小印刷厚さの制限を有しないため、ポリマーを使用する時に存在する課題を克服する。この組成物及び方法は、非接触型、接触型、及び2重インターフェーススマートカードを含む、すべてのタイプの取引及びIDカードで使用することができる。
【0029】
本発明を具体化するカードで使用されるベース又は基板金属層16は、ステンレス鋼、青銅、銅、チタン、又はその本体(構造)と重量の大部分をカードに与える任意の適切な金属であってもよい。
【0030】
層12、14、15、及び16は、熱、圧力、及び/又はUV硬化を用いて、1又は2以上の積層工程で組み合わせることができる。
図1、
図1A、及び
図1Bは多層金属取引カードの構成を示し、ここで、基本的にカード全体が金属であり、その色を制御することができる。署名パネル及び磁気ストライプ(図示していない)は、
図1、1A、及び1Bに示される金属層15の下側に(直接又はポリマー層を介して間接的に)接着されて。完全な取引カードを形成することができる。
【0031】
図1、1A、及び1Bにおいて、カード10にレーザー光線を照射するためのレーザー101が示される。レーザー10の出力レベルは、パワーコントローラ103により制御される。レーザーの出力レベルを制御することにより、その色を変えて制御することができるカードの製造が可能になる。レーザーは、ハードコート層12及び陽極酸化層14の選択された部分を融除するために使用することができる。更に、レーザーを使用して、レーザーの出力レベル及び偏光を制御する(変化させる)ことにより(例えば、これは一種の回折レーザーと呼ばれることがある)、ベース金属層16の色を変えることができる。こうして、各カードの色及び質感を制御及び変化させることができる。
【0032】
図1Aは、上層12を選択的にレーザー融除又は彫刻し、第2層14を外に現れるようにすることにより、所望の色コントラストを生成することができることを示す。これは、個別の最適化されたレーザーパラメータ又は彫刻技術により達成することができる。
【0033】
図1Bは、ベース金属16を下に示す陽極層14の選択された部分を除去するために、第2のセットのパラメータを使用することができることを示す。これにより、金属カード上に多色グラデーションが可能になり、これはベース金属仕上げ自体を含む場合がある。この美的外観は、市場では極めて望ましい。
【0034】
図には、単一の陽極酸化層のみが示されていることに留意されたい。しかし、2つ以上の(すなわち複数の)陽極酸化された適切な金属層を使用することもできるであろう。例えば、アルミニウム1片当たり1つの陽極酸化層があるため、複数のアルミニウム層を含むことができるであろう。
【0035】
ハイブリッド金属-ポリマーカード
図2は、
図1に示される着色層を含むカード10の断面図であり、接着剤層17により金属層16の下側に接着されたポリマー層18を更に含む。層12、14、15、18、17、及び18からなるアセンブリーは、金属層と少なくとも1つのポリマー層との組み合わせを含む「ハイブリッド」カードを生成するように、積層することができる。ポリマー層18は、任意の適切な材料(例えば、PVC、PC、PETなど)であってもよい。ポリマー層18は、磁気ストライプ及び署名パネルを含むことができる。あるいは、マルチカードが形成されているシートからカードが分離された後、磁気ストライプ及び署名パネルを追加することができる。
【0036】
無線、接触型、又は2重インターフェースカード
図3は、本発明を具体化する着色層を有するハイブリッド2重インターフェース金属性スマートカードの断面図であり、
図4は、
図3に示されたタイプのカードの層及び構成要素の分解図である(但し、接着剤層は省略されている)。
図3及び
図4は、本発明を具体化する選択された質感と色のカードが、各カードを「スマート」なカードにするために必要なすべての構成要素を含むように作成することができることを示す。
図3及び
図4に示されるように、「スマート」カードは、集積回路(IC)110(半導体プロセッサチップ又はマイクロチップ)とRF(無線/非接触)伝送用モジュールアンテナ112とを含む集積回路モジュール109を含むように作成される。モジュール109及びそのIC110はまた、リーダーと接触するために、カードの周縁まで及びカードの表面に沿って延びる接触部(116、118)を含むこともできる。モジュール109及びそのIC110は、
図1の非接触(無線)システムの一部として、及び/又は直接接触システムとして、及び/又は2重インターフェース(接触及び/又は接触)システムとして使用することができる。
図3においてカード10は、接着剤層19を介して金属層16の下側に接着されたフェライト層20を含む。層22上又はその中に形成されたブースターアンテナは、フェライト層20とポリマー層18との間に位置する。フェライト層20は、金属層16が入力及び出力RF信号を減衰させないようにして、カードリーダ(図示していない)とチップ110との間のRF伝送を可能にするために導入される。カードの上層には、モジュール109がうまくはまるように切り抜きがある。ポリマー層18は、磁気ストライプ及び署名パネルを含むか、又はこれらの機能を提供するために、追加の層24を層18に接着させることができる。着色ハードコート層12及び陽極酸化金属層14の追加により、
図3及び
図4に示されるように形成された「スマート」2重インターフェース金属-ハイブリッドカードを、所望の色及び質感特性を有し、また任意の通常のスマートハイブリッド又は金属カードとして機能するように作成することができる。
【0037】
図5及び
図5Aは、
図2に示されたカードに似たカードの断面図であるが、これは更に、陽極酸化されたアルミニウム膜層14の上に形成されたエンボス加工可能なコポリマー層24(図ではポリエステル層として識別される)も含む。カード10は
図5に示されるように、層12、24、14、16、及び18を組み立てて、これらの層を結合により及び/又は接着剤層15、17、23を使用して接着させることにより、形成することができる。次に、アセンブリーを積層し、エンボス法によりエンボス加工し、プレート55a、55bを積層して、
図5に示されるように上層に、又は他の上層24と14の上にエンボス画像を生成することができる(層12は任意であり、すべてのカードに使用することはできない)。従って、
図5及び
図5Aは、エンボス加工によりカードの色及び質感を制御及び修正する方法を示す。
【0038】
あるいは、エンボス加工層24は硬化性ポリマーでもよく、次に接着剤層が接着されるもよい。ハードコート層12は、エンボス加工工程の前又は後にエンボス加工層上に配置することができる。積層の間、エンボス板55aは、コポリエステル層24(層24は任意のエンボス加工可能ポリマーであり得る)への所望の画像のエンボス加工、及びその下の陽極酸化金属層14のエンボス加工にも使用することができる。コポリエステル層24(並びにハードコート層)は耐引掻性層を提供し、及びエンボス加工は業界にとって望ましい触知可能成分を提供する。すなわち、エンボス加工された表面は、カードに質感のある手触りを与えることができる。ハードコート層12はポリエステルの上にさらなる保護を提供し、その担体はエンボス板からの剥離を提供する。
【0039】
図6は上面図であり、
図6Aは、4つの異なる色と種々の図形的及び質感的特徴を示すことができる金属取引カードの断面図である。例を挙げると、上層12はPVDよりも耐引掻性が高く、かつより安価であるバックグラウンドを提供することができる黒色のハードコート層であってもよい。層12に接着した陽極酸化アルミニウムの第2の層14は、ピンク色に着色されていてもよい。層14に接着した第3の金属層16はグレーに着色されている。典型的には、層16に接着した薄いプラスチック(しかし金属層であってもよい)からなる第4の層161は、シルバーに着色されている。レーザー光源101は、質感加工されかつ制御された色カードを作成するために使用することができる。レーザー設定の第1のセットは、ハードコート層12の選択された部分を除去して、その下の陽極酸化層を露出させる。この例ではこれはピンク色で、テキストやグラフィックスに使用できる。第2のレーザー設定は、ピンク色の陽極酸化アルミニウム層14の部分を除去して、金属層16のグレー特徴を生成する。第3のレーザー設定は、グレーの金属層の部分を除去して、層161のシルバーの特徴を生成する。中間グラジエントは、各層を部分的に除去することにより作成することができる。これにより、これまで不可能であった金属取引カードに、種々の美的及び質感的な可能性が開かれる。
【0040】
図6Bは、多くの異なる着色サブ層(141、142、143、144)を含むように、陽極酸化層14を形成することができることを示す。すなわち、層14は多色層である。陽極酸化処理の間、アルミニウム層の異なるサブセグメント(サブ層)に異なる色を導入することができる。異なる色は、異なる色のレベルを表示するために層14の異なるサブ層を下方にレーザー加工して、表示することができる。レーザー加工の代わりに機械的彫刻又は他の材料除去手段により、種々の色を表示することができる。追加の層はまた、着色されたハードコート層単独でも、又は金属層と組み合わせたものでもよい。
【0041】
上記したように、本発明を具体化するカードは、
図1、2、3、5、及び6に示されるように、まず選択されたポリマー層と金属層を組み立てて、これらを結合又は接着剤で接着させることにより形成することができる。種々の層は、一般に200°F~500°Fの範囲の温度で、有効圧力50~500PSIAで積層される。典型的には、最適化されたレーザー又は機械彫刻パラメータの第1のセットを使用して、着色された転写ハードコート(例えば12)を除去し、下にある着色された陽極酸化された層が示される。次に、最適化されたレーザー又は機械彫刻パラメータの第2のセットを使用して、着色された陽極酸化層(14)の部分を除去し、その下の金属を露出させる。
図6及び
図6Aの場合、最適化されたレーザー又は機械彫刻パラメータの第3のセットを使用して、別の着色層(161)を露出させることができる。種々の層は、陽極酸化された金属を通ってカードの本体、典型的にはステンレス鋼に機械的に彫刻されてもよい。カードを作成する最後の工程として、カードを適当なサイズにカットし、ホットスタンプなどの最終処理が完了する。
【0042】
従って、陽極酸化されたアルミニウム層は薄い装飾層として使用される(
図11のDLa、DLb参照)。本発明の1つの態様において薄い装飾層は、カードに色及び/又は質感を加えるために、少なくとも1つの陽極酸化金属層を含む。カードは、異なる色の追加の層を含むこともでき、これらは、陽極酸化された金属層と組み立てられ積層されて、多層カードを形成することができる。カードは、異なる色と質感を有するカードを製造するために加工(例えば、レーザー加工)することができる。制御された種々のレーザー出力機器(又は任意の同様の機能機器)を積層カードに適用して、異なる層の選択された部分を除去することにより、カードの表示されている色とパターン及び質感を修飾することができる。
【0043】
本発明を具体化するカードの製造において、商業的及び美的理由から、特定の質感及び色を有する金属カードを製造し、その質感及び色を維持することが重要となっている。既に議論し上記したように、本発明を具体化する金属カードは、その上に装飾層(例えば、
図11の14又はDLa)を有するコア金属層16を含むように形成することができる。あるいは、装飾層(例えば、
図11のDLa、DLb)は、コア金属層16の上及び下に、又はコア金属層の下にのみ形成されてもよい。
【0044】
化粧板を有するカード
図7は、カードの上面に配置された実際の木質層であるように選択された薄い装飾層を有する「質感のある」金属カードの製造を示す。「木材」の使用は単なる例示であり、木材と同様の特性を有する(生きた)植物由来の任意の材料を含むことを意味することに留意されたい。木質層(又は同様の物質)の使用は独特の特性を有するため、美観上重要である。すなわち、実際の木片の木目及び外観は、複製することが事実上不可能であり、高レベルの個性を表す。しかしカードを形成するのに使用される実際の木質層の質感及び外観を維持する上で、重要な問題が存在する。これらは、本発明によるカードの製造において克服される。
【0045】
図7を参照すると、以下の手順又は工程を使用することができる。
1.
図7Aに示されるように、リグニン含有量の少ない天然木材の化粧板層700が選択される。リグニン含有量の少ない木質層を使用することにより、カードを形成するための種々の積層及び処理工程を介して、木質層の外観を維持することがより容易になる。
【0046】
2.
図7Bに示されるように、上面701及び底面703を有する木質層700を前処理する。
a. 木質層が所望の厚さを有するまで、木質槽700の裏面703のをやすりで磨く。木質化粧板及び他の全ての化粧板の範囲は、0.001インチ~0.014インチの範囲であってもよい。
b. 亜麻仁油などの油膜711を木質層700の上面701に適用する。油膜711は、木材が積層されたときに、木質層に含まれる水分及びその全体的な外観が維持されることを保証する。薄い油膜(例えば亜麻仁油)を塗布することが、積層プロセスを通して、木質層を良好な状態に維持する上で非常に重要であることが分かった。油は、木質構造中の水をより高沸点の材料で置き換える。
【0047】
3.
図7Cに示されるように、接着剤15aを用いて金属基板16に接着された処理木質層700を含むアセンブリー750を形成する。接着剤層15aは、酸変性ポリオレフィンを含むか、又は任意の適切な接着剤であってもよい。典型的には層700は、0.001インチ~0.014インチの範囲の厚さを有し、金属層16は、0.005インチ~0.032インチの範囲の厚さを有するであろう。
【0048】
4. プラテン75a及び/又は75bを使用して、
図7Dに示されるように、アセンブリー750を積層する。
【0049】
5. プラテン75a及び/又は75bはまた、アセンブリー750がエンボス加工されて同時に積層されることを可能にするエンボスプレート(図示していない)を含む得ることに留意されたい。
【0050】
6.
図7Eに示されるように木質層700を面取りして、(直角の縁部又は隅部)を切り取ることにより、対称的な傾斜縁を作成し、カードの端が擦り切れるか又は剥がれる問題を最小限に抑える。
【0051】
セメント化粧板を有するカード
図8は、集合体バインダー材料の化粧板層800となるように選択された薄い装飾層を有する「質感のある」金属カードの製造を示す。集合体バインダー材料は、例えば微粉化炭素又は市販のレーザー添加剤のようなレーザー反応性材料と混合された、セメント、モルタル、エポキシ、及び添加剤であってもよい。
図8aでは、レーザー800は炭素材料と混合されたセメント層であることが示されている。しかし上記のように、セメントは、言及された別の材料のものであってもよい。セメント層の使用は、独特の触感を提供する。しかしながら、特定の質感及び色を有するカードを生成し、質感を維持し、高レベルのコントラストを有する画像を提供するには、重大な問題が存在する。これらは、本発明によるこれらのカードの製造において克服される。
【0052】
図8を参照すると、集合体バインダー材料(例えばセメント)を処理し、処理されたカードの色のコントラストを高めるために、以下の操作又は工程を使用することができる。
【0053】
1.
図8Aに示されるように、灰色がかった着色セメント層800を生成するように炭素材料(例えば炭素すす)が添加されたセメント混合物から、セメント層800を形成する。
2. 層800の上面及び/又は底面(801、803)を研磨して、典型的には0.001インチ~0.010インチの範囲の所望の厚さを有する層を生成する。
3.
図8Bに示されるようにレーザー装置101を使用してセメント層をレーザー照射して、所望のパターン(領域804)を生成する。レーザー101は、選択された領域の炭素粒子を気化させ、灰色の背景と対照的な白いパターンを生成する。
4. 次に、レーザー照射したセメント層800を、適切な接着剤層15bを介して金属基板16に接着させて、
図8Cに示されるようにアセンブリー850を形成することができる。
5. 上記工程3の代わりに、レーザー照射をしていないセメント層800をまず金属基板16に接着させ、次にレーザー照射してもよい。
6.
図8Dは、炭素粒子と混合されたエポキシ材料を用いて層800aを形成することができることを示す。層800aは、金属基板16に直接接着させることができる。層800aは、金属基板16に接着される前に又は接着された後に、レーザー照射に供することができる。エポキシ材料の使用は、追加の接着剤層の必要性を排除し、エポキシ層800aと下層の金属基板16(これは、例えば鋼又は他の適切な金属でもよい)との間で非常に強い結合を提供する。
【0054】
皮革化粧板を有するカード
図9は、カードの上面に配置された実際の皮革化粧板層であるように選択された薄い装飾層を有する「質感のある」金属カードの製造を示す。代わりに、同様の動物由来の材料を使用してもよいことに留意されたい。「天然の」又は「実際の」木質層の場合と同様に、実際の皮革層の使用は多くの独特の特性を有するため重要である。つまり、外観のシボと豊かさ及び実際の皮革層により表示されるパターンは、複製することは事実上不可能であり、高度な個性を表す。しかしカードを形成するのに使用される「天然の」皮革層の質感及び外観を維持する上で、重要な問題が存在する。これらは、本発明によるカードの製造において克服される。
【0055】
図9を参照すると、以下の操作又は工程を使用してカードを形成することができる。
1.
図9に示されるように、選択工程がある。すなわち、その上面901に自然な独特のパターンを有する天然皮革層900を選択する。
2. 次に皮革層900の裏面903を調製するための皮革加工又は処理が有り、従って皮革層は所望の厚さを有し、底面は接着剤を受容するように適合される。典型的な厚さは0.003~0.014インチの範囲内であろう。ただし、これは薄くすることもて厚くすることもできる。
3. 次に、
図9Bに示されるようにエンボス加工工程がある。第1の皮革層900の上面901に、所望のパターンがエンボス加工される。
4. 皮革層900を下地の金属基板16に積層するために使用される非常に新規な特徴はまた、エンボスパターンの鏡像の生成を可能にする。極めて重要なことは、エンボス皮革層900を下地の金属基板16に固定するための積層工程が、皮革900層の全ての微細な特徴並びにエンボスパターンを維持することである。これは次のようにして達成される。アセンブリー910は、
図9Cに示されるように形成され、
図9Cは、
a. 接着剤層15cを介して金属基板層16に接着されたエンボス加工された第1の皮革層900を含み、そして
b. 第1の皮革層900のエンボス面901に面する上面を有するブランク(非エンボス)皮革層902(すなわち、第2の皮革層)が、エンボス皮革層900とプラテン75aとの間に示されている。層902は層900と同様であってもよく、又は同様の皮革様材料であってもよい。層902は、層900と同じか又は類似の質感を有するように選択される。
【0056】
5.
図9Dに示されるように、アセンブリー910は積層工程を受ける。層900及び902の適切な選択(及び適切な積層圧力)のために、積層プロセスは、第1皮革層900にエンボス加工された特徴及びパターンをそのまま維持して、
図9Eに示されるようなアセンブリー又はサブアセンブリー950を生成する。
【0057】
6. 同時に、エンボス加工されたパターンは、第2の皮革層902の上面911に(鏡像として)転写され、次にこれは、
図9Eに示されるような以後の皮革層又は同様の層をエンボス加工するのに使用することができる。これは、「エンボス加工されていない」皮革層(例えば、902)が次の一連のカードの製造のためのテンプレートとなる点で重要である。これにより連続的な世代が作り出される。
【0058】
装飾層/パッチ用のポケット付きカード
化粧板層の縁部は擦り切れ及び剥離を受ける可能性がある。この問題を回避する1つのアプローチは、
図7Eに示されるように化粧板層の縁部を面取りすることである。別のアプローチは、
図10に示されるように金属カードの上面にポケット981を形成することである。
図10Aは、カードの上面にポケットを形成するための切り抜き部981を有するカードの上面図である。ポケットは、任意の公知の技術を使用して形成することができる。縁部d1及びd2は0.01~1.125インチの範囲であってもよく、不均一であってもよいし又は美的パターンを形成してもよい。
図10Bは、陽極酸化アルミニウム層14又は任意の化粧板層(例えば、700、800、900)が、適切な接着剤15cを介して、コア金属層16から切り抜かれたカードのポケット981の上部内側表面に接着され得ることを示す断面図である。この構成は見事であり、陽極酸化層又は化粧板層の縁部が擦り切れ、摩耗、又は剥離するのを防止する。
【0059】
図10Cは、ポリマー層、アルミニウム層、又はセラミック層を金属基板の下側に接着できることを示す。
【0060】
図10Dは、その中にポケット981が形成された金属層18の等角平面図である。説明のために、ポケットは対称的に配置されていないことが示されている。ポケット981は、規則的又は不規則な境界線を有するカード表面の小部分又は大部分にすることができる。
図10Eは、任意の装飾層(DL)がポケット981に接着され得るか、又はポケット981内に形成され得ることを示す。これは、陽極酸化されたアルミニウム層、上記した種々の化粧板層、並びに他の装飾的な化粧板層又は物質を含む。これは、例として、現在市販されている Swarovski Elements Crystal Fabric と呼ばれる製品を含む。この材料は、数百万の小さくカットされた丸い結晶で完全に覆われている担体材料が含む。これは、弾性、耐引裂性で、極端に軽い。この担体材料は低温特性接着剤を特徴としているので、低温加熱により、種々の表面に適用することができる。この接着剤は、より厳しい環境用に、より強力な接着剤に置き換えることができる。
【0061】
本発明の他の実施態様において、その中に装飾材料を含めるために、実質的に任意の形状を有する非常に限られた領域(例えば、カードの表面領域の小さな部分)の小さなポケットを、カード内に形成することができる。
【0062】
上記は例示のためである。一般に本発明において、所望の色及び質感特性を有するカードを製造するために、厚い金属基板に取り付けるための薄い陽極酸化金属層及び/又は選択された薄い化粧板層を処理するための、種々の方法及び装置が示されている。
【0063】
図11に示されるように本発明を具体化する金属カードは、コア金属層16の上に装飾層(DLa)を有し、前記金属層の下に装飾層(DLb)を有するような、前記金属層16を含むように形成することができる。装飾層DLa及びDLbの各々は、(a)陽極酸化金属層、(b)木材などの植物由来材料の化粧板層、(c)皮革などの動物由来材料の化粧板層、(d)レーザー反応性材料と混合されたセメント又はエポキシなどの集合体バインダー材料の化粧板層、(e)セラミック層、又は(f)結晶布材料の層、でもよい。すなわち1つの装飾層(例えばDLa)は、上記a~fで特定される層のうちのいずれか1つであり、他の装飾層(例えばDLb)はDLaであるか又はa~fで特定される層の異なる1つであってもよい。
【0064】
図11Aにおいて、皮革層900は接着剤15cを介して金属基板16の片側(図では上面)に接着され、陽極酸化アルミニウム層14は前記金属基板の反対側(図では底面)に接着される。この図(及び以下の
図11Bと11Cにおいて)では、1つのタイプの薄い装飾層(例えば皮革)は金属基板の上部に接着され、異なる薄い装飾層(例えば陽極酸化されたアルミニウム)は金属基板の底面に接着される。
【0065】
図11Bにおいて、皮革層900は接着剤15cを介して金属基板16の片側(上面)に接着され、セラミック化粧板層990は前記金属基板の反対側(底面)に接着される。
【0066】
図11Cにおいて、陽極酸化アルミニウム箔14aは接着剤15を介して金属基板16の片側(上面)に接着され、セラミック化粧板層990は前記金属基板の反対側(底面)に接着される。署名パネル123及び磁気ストライプ125は、セラミック層990に接着されて示されている。
【0067】
図11B及び11Cは、装飾化粧板層が、セラミック材料990の層でもよいことを示す。セラミック材料は、実質的に全ての色を有するように作られ、接着剤を使用せずに金属基板に接着(結合)することができるので、非常に望ましい特性を有する。セラミック材料の層は、金属基板16に直接適用(例えば噴霧)することができ、次に金属16上で焼成されるか又はここに硬化される。更に、
図11B及び
図11Cは、装飾層のうちの1つが1つのタイプ(皮革、陽極酸化アルミニウム)の化粧板層であり、他の装飾層が異なるタイプ(例えばセラミック)であってもよいことを示す。
【0068】
図11Dは、金属基板16が、その上面に接着された装飾層DLaとセラミック層990aを有し、その底面に接着された装飾層DLbとセラミック層990bを有することができることを示す。装飾層及びセラミック層に利用可能な広範囲の種々の異なる色及び質感があるために、非常に広い範囲の色及び質感を有するカードを作成することができる。
【0069】
図11Eは、層16の底面に接着された類似の又は異なる装飾層DLbを有する金属基板16の上面に接着された装飾セラミック層990aをレーザー彫刻するために使用され得るレーザー光源101を示す。セラミック層990aはまた、機械的又は化学的彫刻、インクジェット印刷、レーザーマーキング、及び所望の美的効果を与えるために当該技術分野で公知の他の方法を用いて、修飾することもできる。
【0070】
図11Fは、その上面に接着された陽極酸化アルミニウム箔14aと、その底面に接着された陽極酸化アルミニウム箔14bとを有する、金属基板16を示す。箔14a及び14bは、異なる色、厚さ、及び形状を有してもよい。
【0071】
図12は、
図11Fと同様の構造を示す金属カードの断面図である。このカードは、金属基板16の片側(図の上面)に接着剤15を介して接着された陽極酸化アルミニウム層14aと、金属基板の反対側(図の底面)に接着剤17を介して接着された別の陽極酸化アルミニウム層14bとを有する。陽極酸化層14a及び14bは、金属層16に接着された装飾層である。ポリマー層121は、層14bの底面に接着されて示されている。
図12Aに示されるように層121は、層14bの色及び装飾的特徴が表示されて見ることができるように、透明なポリマー層であってもよい。署名パネル123と磁気ストライプ125は、層121の表面に形成される。
【0072】
層121の使用は選択自由である。
図12Bに示されるように、カードの最下層は層14bでもよい(すなわちポリマー層が使用されない)。特定の実施態様において本出願人は、熱硬化性タイプの接着剤を使用して、署名パネル123と磁気ストライプ125とを、陽極酸化されたアルミニウム層14bに直接接着させた。
【0073】
図13Aは、本発明を具体化するカードの色及び装飾的特徴を示す。
図13Aにおいて陽極酸化された上層14aは、一例として青色に着色された上部領域141を有する。領域141の厚さは、0.1ミクロン未満~5ミクロン超の範囲であり得る。(しかし、これは幅広い変動があると理解されるべきである)。層14aは、接着剤層15を介してコア金属基板16に接着され、次にこれは接着剤17を介して装飾層DLbに接着され、装飾層DLbは上記した(a)~(f)のタイプの任意の層でもよい。
【0074】
図13Bに示されるように、
図13Aに示される層が組み立てられた後(四角1041参照)、領域141中の陽極材料の選択された部分(四角1042参照)を除去し、下にある着色されていないアルミニウム箔を残すことにより、パターンを形成することができる。すなわち、領域141の下の層14又は14aの部分である。領域141中の材料の除去は、レーザー又は任意の他の適切な手段により行うことができる。例えばレーザーが使用される場合、レーザーはこれが層141を通過するまで層141中の材料を単に除去し、残りの層141を露出させる。これは
図13Cに示され、これは、領域141中の青色の材料の選択された部分の除去に限定されたパターンを示す。次に、陽極領域141に形成されたパターンの上又はパターン内で選択された金属を電気メッキするために、金などの金属又は任意の適切な金属を用いる電気メッキプロセス(四角1043参照)に、レーザー照射されたアセンブリーを供することができる。形成されたパターンは、
図13Dに示された外観を有することができる。四角1044に示されるように、カードは更に、上記したようにすべてのタイプのカードを形成するための任意の及びすべての付加的な特徴を含むように、処理(完了)することができる。
【0075】
セラミックカード
図14は、所定の色を提供するように設計することができるセラミックコア131を用いて、カード10aを形成することができることを示す。装飾層DLaはセラミックコアの上側に接着することができ、及び/又は別の装飾層DLbはコア層の下側に接着することができる。装飾層DLaは、装飾層DLbと同じであってもよい。しかし、これらは同じである必要はない。
図14Aは、
図14Bに示されるように装飾層(DL)のその中への配置のために、セラミック層内にポケット981を形成することができることを示す。装飾層は、上記したタイプの任意の層であってもよいし、他の任意の適切な材料であってもよい。セラミック材料は、金属及び非金属の化合物から作られた無機非金属材料である。セラミック材料は、結晶性又は部分的に結晶性であり得る。これらは熱とその後の冷却の作用により形成される。セラミック材料は、強く、堅く、脆く、化学的に不活性で、熱及び電気の非導体である傾向がある。
【0076】
金属カードを使用することが望ましいことと同様の理由で、セラミックカードを使用することが望ましい。現代の取引カード市場では、富裕層の市場で販売される「プレミアム」な感覚、外観、又は感触機能を得ることがしばしば望ましい。これらの取引カードは、デビットカード、クレジットカード、又はプリペイドカードとして使用することができる。このプレミアム感覚の一部として、標準的なプラスチックカードよりも重いカードがしばしば望ましく、またカード本体の耐久性が向上する。これらの所望の効果を達成するために、本明細書では、固体セラミックカード、セラミックインサートを含むカード、及びセラミックコーティングを利用するカード、の形態の例示的な実施態様を含む、上記したセラミック部品を利用するいくつかのカード構成が説明される。
【0077】
固体セラミックカードは、射出成形を用いて所望の形状に成形した後、焼結して公称寸法の標準サイズ(3.37インチ×2.125インチ×0.03インチであるが、特定のサイズに限定されない)を作成することにより、カードを作成することができる。磁気ストライプ、接触型又は2重インターフェースチップモジュール、2重インターフェースカード用のブースターアンテナ、ホログラム、署名パネル、又はブランディングなどの機能的特徴の挿入を可能にするポケットは、射出成形プロセスにより作成することができる。セラミックカード本体はまた、より大きなセラミックブロックから作成し、所望の大きさに機械加工することができる、また、セラミック部品は、製造のために3D印刷されてもよい。好適な実施態様において、セラミックは焼結二酸化ジルコニウムを含むことができるが、特に限定されないが、アルミナ、ベリリウム、セリア、セラミド、炭化物、ホウ化物、窒化物、又はケイ化物などの酸化物の1種又は2種以上を含んでよい。
【0078】
固体セラミックカードは、特に機械加工する必要がなく、静電気放電を生成せず、非接触型取引のRF放射を妨げないという点で、既存のプレミアム金属カードに機能的利点を提供する。美観的には、固体セラミックカードは、セラミック化合物に顔料を添加することにより種々の色で得られ、レーザーマーキングにより変化させて、レーザー署名又は装飾デザイン特徴のような所望の特徴の追加により更に修飾され得る。スルーホール、ウィンドウ、又はマイクロテキストなどのセキュリティ要素も、レーザー、機械的若しくは化学的彫刻、又は当該分野で知られている任意の方法により追加することもできる。
【0079】
図11B、11C、11D、及び11Eに示されるように、金属及びセラミックを含有する金属-セラミック複合材料を含む取引カードを提供することもできる。ある実施態様においてセラミックインサートは、金属及び金属プラスチックカードに入れることにより、金属カードの重量の大部分を維持しながら、独特の特徴を作成し、使用可能な色、質感、及びレーザー的特徴を向上させることができる。例えばこのようなインサートは、コア内にポケットを機械で作成し、ポケットに接着剤を入れ、ポケット内でセラミックインサートを接着することにより接着することができる。別の実施態様において、セラミックインサート及び作成されたポケットはそれぞれ、圧入によりセラミックインサートが所定の位置に保持されるように、構成することができる。更に別の実施態様においてコアは、コアがフレームとして機能し、タップ穴に配置された止めねじがセラミックインサートをフレーム内に保持するように、その縁部に配置された1又は2以上のタップ穴を有することができる。しかしコアへのセラミックインサートの接着は、特定の方法に限定されない。
【0080】
両側及び片側セラミックコーティングを備えた金属コアカードを設けてもよい(
図11B、11C、11D、及び11E参照)。金属コアは、特に限定されないが、黄銅、鋼、ニッケル、パラジウム、銀、金、白金、アルミニウム、又は当該分野で公知の他の適切な金属若しくは金属合金を含む、0.024インチ~0.030インチ(しかし特定の厚さに限定されない)の固体金属を含むことができる。金属コアはまた、0.001インチ~0.029インチの厚さ(しかし特定の厚さに限定されない)の第2の金属に結合された0.001インチ~0.029インチの厚さ(しかし、特定の厚さに限定されない)の第1の金属を含有するコアなどの複合構造、又は所望の厚さのカードを構成する任意の複数の層を含むこともできる。この複合材料は、特定の重量、又はセラミックがレーザーマーキングされるときに現れる色に対して望ましい場合がある。複合金属を利用することはまた、コスト効率を高めることができる。片側及び両側にセラミックコーティングを有する金属-プラスチック複合カードは、所望の製造コスト、重量、及び美的効果を達成することができる。
【0081】
1つの例示的な実施態様において、厚さ0.02インチの金属コア(例えば鋼)を、金属コアの非結合表面上にセラミックコーティングを有する片側の厚さ0.007インチのPVC層に結合することができる。セラミックは噴霧コーティングとして塗布することができ、これは次に、熱、空気、又はUVにより硬化される。硬化後、コーティングはコーティングの所望の外観に応じて、典型的には0.001インチ~0.003”の厚さである。これらのコーティングは、種々の色で製造することができる。典型的には、コーティングは、二酸化ジルコニウム、珪酸アルミニウムを含有するセラミック微粒子、及び揮発性有機担体溶液中に懸濁された硬化性樹脂バインダー、例えば NIC Industries、Inc. 製の CERAKOTE(登録商標)セラミックコーティングからなる。いったん噴霧され硬化されると、コーティングはカードに、独特の色及び質感を、典型的には数千のテーバー摩耗サイクルに達する非常に耐久性のある仕上げで提供する。セラミックコーティングは、機械的又は化学的彫刻、インクジェット印刷、レーザーマーキング、及び、例えば
図11Eに示されているカード上のデザインを含むような所望の美的効果を提供するための当該技術分野で公知の他の方法を用いて、修正することができる。取引カードの磁気ストライプ、署名パネル、ブランディング、ホログラム、及び他の機能的特徴を、セラミック表面に直接適用することができる(
図11Cの123、125参照)か、又は機械的若しくはレーザー彫刻などによりポケットを作成(
図10C参照)して、そのような特徴を金属コアに結合させることができる。
【0082】
従って、金属コアを用いて例示的なセラミックカードを製造するための例示的な方法は、以下の工程を含むことができる:
1. 金属コアシートを準備する(任意 - 金属コアを準備する工程は、アルミニウム箔のような金属箔を、内側サブコアの1又は2以上の表面に積層する工程を含むことができ、ここで、サブコアは任意の材料を含むことができるが、典型的には金属又はプラスチックを含むことができる)。
【0083】
2. 次の工程が行われている間、シートを所定位置に保持するために使用される固定穴及び固定具などの固定手段を、金属コアに追加する。
【0084】
3. セラミック層の下に配置することができるRFIDチップに関連して使用されるブースターアンテナを保持するための、ポケットなどの表面形状を作成する。また、コア中にポケットが提供されて、これが最終的にセラミックコーティング中のくぼみになり、ここに、後に加工の最後に成分(例えばRFIDチップ)が接着されて、最終製品中に平滑な表面が提供される。
【0085】
4. コアに表面仕上げを適用する(ビードブラスト、タンブリング、ブラッシングなど)。
【0086】
5. 片側又は両側をセラミックで被覆する。
【0087】
6. セラミック被覆金属シートにデザインは他の表面形状をレーザーマーキングし、後に他の構成要素を接着することを容易にするために必要な、他の機械的、化学的、又はレーザー修飾を行う。例えば、任意のポケット又はくぼみの縁部は、接着剤が塗布される次の工程又は領域で追加される形状により良好に適合するように処理することができるか、又はより良好な接着のために粗くすることもできる。
【0088】
7. CNC(コンピュータ数値制御)機械などを使用して、シートをカットしてカードブランクにする。
【0089】
8. 個々のカードブランクに機能的及びセキュリティ的特徴(磁気ストライプ、チップ、ホログラムなど)を適用する。上記したように、このような特徴は、加工の初期に作成されたポケットに入れられてもよく、又は粗面化された領域に接着剤で接着してもよい。しかし磁気ストライプは、できるだけ平面的で平らな表面への塗布が有利なため、セラミックコーティング上に直接塗布することが好ましい。
【0090】
伝統的に複合プラスチック又はポリカーボネートで構成されている身分証明カードの市場では、セラミックは、カードの寿命を延ばし偽造をより困難にする新しい可能性を提供する。着色されクリアなセラミックコーティングはプラスチックコアに塗布されて、ISO標準の柔軟性と摩耗試験により試験した時、より顕著に耐久性の高い材料を作成することができる。更に、これらの材料は偽造するのがはるかに困難であり、独特のレーザーマーキング特性を可能にするだけでなく、独自の蛍光体をセラミックに含めて入射光を上下にシフトさせ、IDの一部として独自の薄い「透かし」を作成することを可能にする。本発明の実施態様の一部を以下の項目[1]-[57]に記載する。
[1]
所定の外観を有するカードを作成する方法であって、
薄い装飾層を選択し、前記薄い装飾層を0.0005インチ~0.014インチの範囲の厚さを有するように加工する工程であって、ここで、前記薄い装飾層は、(a)陽極酸化金属層、(b)木材などの植物由来材料の化粧板層、(c)皮革などの動物由来材料の化粧板層、(d)レーザー反応性材料と混合されたセメント又はエポキシなどの集合体バインダー材料の化粧板層、(e)セラミック層、及び(f)結晶布材料の層、のうちの1つである、上記工程と、
前記カードの本体を形成するために厚いコア層を選択する工程であって、前記厚いコア層は0.005インチ~0.032インチの範囲の厚さと、互いにほぼ平行な第1及び第2の表面とを有し、前記厚いコア層は、(a)金属の厚いコア層、又は(b)セラミック被覆金属、又は(c)セラミック被覆ポリマー、又は(d)固体セラミック材料である、上記工程と、及び
前記薄い装飾層を前記厚いコア層の第1の表面に接着する工程と、
を含む上記方法。
[2]
前記薄い層と厚い層とを接着する工程は前記層を積層することを含み、
前記薄い装飾層は、所定の色を有するように設計された陽極酸化アルミニウム層であり、
前記陽極酸化アルミニウム層にレーザー光源を適用して、前記カードの色、外観、及び質感を修飾する工程を更に含む、項目1に記載の方法。
[3]
前記薄い層と厚い層とを接着する工程は前記層を積層することを含み、
前記薄い装飾層は、所定の色を有する陽極酸化アルミニウム層であり、
前記陽極酸化アルミニウム層の上にハードコート層を形成する工程を更に含み、
前記ハードコート層と前記陽極酸化アルミニウム層にレーザー光源を適用して、前記カードの色と感触の少なくとも1つを修正する工程を更に含む、項目1に記載の方法。
[4]
前記ハードコート層が、陽極酸化されたアルミニウムの色とは異なる色を有するように設計される、項目3に記載の方法。
[5]
前記厚いコア層の第2の表面に接着されたポリマー層を更に含む、項目2に記載の方法。
[6]
前記厚いコア層の第2の表面に接着されたポリマー層と、
(a)カードと外部カードリーダーとの間の無線周波数(RF)伝送と(b)カードと接触リーダーとの間の接触読み取りとの少なくとも1つを可能にするための、前記カード内に配置された集積回路モジュールと、を更に含む、項目2に記載の方法。
[7]
前記陽極酸化アルミニウム層に接着されたエンボス加工可能なポリマー層を更に含み、
前記ポリマー層及び前記陽極酸化アルミニウム層をエンボス加工する工程を更に含む、項目2に記載の方法。
[8]
前記厚いコア層が厚い金属層であり、前記薄い装飾層が、所定の色を有するように設計された陽極酸化アルミニウム層であり、
前記厚い金属層が異なる色を有するように設計されており、
予め選択された色を有する少なくとも1つの追加の層を更に含み、
前記陽極酸化アルミニウム層、前記厚い金属層、及び前記追加の層にレーザー光源を適用して、カードの色と感触の少なくとも1つを修正する工程を更に含む、項目1に記載の方法。
[9]
前記植物由来材料の化粧板層が低リグニン含量の天然木材の層であり、
前記木質化粧板層の加工が、(a)前記木質層が0.001インチ~0.015インチの範囲の厚さを有するまで、木質層の裏面をやすりで磨く工程と、及び(b)前記木質層に油膜を適用して、木質層が積層した時にその外観を維持する工程とを含む、項目1に記載の方法。
[10]
前記木質層の擦り切れ又は剥がれを防止するために、前記木質層の外縁部を面取りする工程を更に含む、項目9に記載の方法。
[11]
前記動物由来材料の化粧板層が、上面と底面とを有する天然皮革の層であり、
前記皮革化粧板層の加工が、皮革層の厚さが0.001インチ~0.015インチの範囲にあり、その底面が接着剤を受け入れるように適合されるように、皮革層の底面を処理することを含む、項目1に記載の方法。
[12]
前記皮革層の上面をエンボス加工する工程と、
その底面が前記厚いコア層の第1の表面に接着された底面を有する前記皮革層からなる第1アセンブリーを形成する工程と、を含む、項目11に記載の方法。
[13]
前記厚いコア層が厚い金属層であり、前記エンボス加工された皮革層が第1の皮革層であり、
第2の皮革層の上面が前記第1アセンブリーの第1のエンボス加工された皮革層の上面に面している、上面と底面とを有する第2の皮革層の位置決めを含む、第2アセンブリーを形成する工程と、
第1及び第2皮革層及び厚い金属層を積層し、こうして第1皮革層のエンボスパターンが第2皮革層に転写され、第1アセンブリーの構成要素が積層される工程と、を更に含む、項目12に記載の方法。
[14]
前記集合体バインダー材料の化粧板層が、レーザー反応性材料と混合されたセメント又はエポキシの層であり、
炭素粒子と混合された前記セメント又はエポキシ層にレーザー光源を適用して前記炭素粒子を気化させて、高コントラストのパターンを生成する工程を更に含む、項目1に記載の方法。
[15]
前記薄い装飾層を厚いコア層に接着する工程が、前記厚いコア層の表面内にポケットを形成し、前記ポケット内に前記薄い装飾層の1つを堅く接着させる工程を含む、項目1に記載の方法。
[16]
前記ポケットの深さが、前記装飾層の厚さと実質的に等しくなるようにされる、項目15に記載の方法。
[17]
前記薄い装飾層が陽極酸化された金属層であり、
前記陽極酸化された金属層の複数の色を染色する工程を更に含む、項目1に記載の方法。
[18]
前記薄い装飾層が陽極酸化された金属層であり、
スクリーン印刷、昇華印刷、任意のデジタル印刷システム、レーザー彫刻、機械的彫刻、ダイカット、又はエンボス加工などの技術による印刷グラフィックスのうちの1つにより、前記陽極酸化層を修飾する工程を更に含む、項目1に記載の方法。
[19]
前記薄い装飾層が陽極酸化された金属層であり、
前記陽極酸化金属層が、カードの表面に沿って、(a)カードの全長と幅に、(b)パッチとして、(c)ストライプとして、又は(d)装飾的なデザインとして、選択的に延ばされる、項目1に記載の方法。
[20]
薄い装飾層を、前記厚い金属層の第2の表面に接着する工程を更に含む、項目1に記載の方法。
[21]
前記厚い金属層の第2の表面に接着された前記薄い装飾層が、(a)陽極酸化金属層、(b)木材などの植物由来材料の化粧板層、(c)皮革などの動物由来材料の化粧板層、(d)レーザー反応性材料と混合されたセメント又はエポキシなどの集合体バインダー材料の化粧板層、(e)セラミック層、及び(f)結晶布材料の層、のうちの1つを含む、項目20に記載の方法。
[22]
前記厚いコア層が厚い金属層であり、
前記薄い装飾層がセラミック材料の層であり、
前記薄い装飾層を選択して加工する工程が、前記セラミック層を前記厚い金属層に塗布し、これを厚い金属層に結合する工程を含む、項目1に記載の方法。
[23]
前記薄い装飾層が、前記薄い金属層内の所定の深さまで延びる所定の着色領域を有する薄い陽極酸化金属層であり、
(a)前記着色領域の選択された部分をデザインパターンに従って前記所定の深さまで除去する工程と、(b)前記所定の着色領域以外の色を有する電気メッキ金属を用いて薄い陽極酸化金属層を電気メッキして、前記電気メッキ金属及び前記所定の着色領域の色を表示するパターンを生成する工程と、を更に含む、項目1に記載の方法。
[24]
前記薄い陽極酸化金属層が、前記所定の色を有するように染色された上部サブ層の領域を有するアルミニウムの薄層であり、
前記着色領域の選択された部分を除去する工程が、レーザー機器を使用して陽極酸化アルミニウム層の選択された部分を剥き出しにする工程を含み、
前記電気メッキ金属が金などの貴金属である、項目23に記載の方法。
[25]
表側と裏側とを有するカードであって、
0.005インチ~0.032インチの範囲の厚さを有する厚いコア層であって、前記厚いコア層が、カードのバルクを形成しかつ所定の色を有し、前記厚いコア層が、互いにほぼ平行に延びる第1及び第2の表面を有する、前記厚いコア層と、
カードに色及び質感の少なくとも1つを提供するための、前記厚いコア層の第1の表面に接着された薄い装飾層であって、0.0005インチ~0.03インチの範囲の厚さを有し、(a)陽極酸化金属層、(b)木材などの植物由来材料の化粧板層、(c)皮革などの動物由来材料の化粧板層、(d)レーザー反応性材料と混合されたセメント又はエポキシなどの集合体バインダー材料の化粧板層、(e)セラミック層、及び(f)結晶布材料の層、のうちの1つである前記薄い装飾層、を含む上記カード。
[26]
前記厚いコア層が厚い金属層であり、
前記薄い装飾層が、所定の色を有するように設計され、陽極酸化されたアルミニウム及びその下にある厚い金属層の色を表示するために前記陽極酸化層内に形成されたパターンを有する陽極酸化アルミニウム層であり、
前記カードが、形成されたパターンに対応する独特の質感を有する、項目25に記載のカード。
[27]
前記厚いコア層が厚い金属層であり、
前記薄い装飾層が所定の色を有する陽極酸化金属層であり、
前記陽極酸化アルミニウム層上にハードコート層が形成され、
前記ハードコート層内にパターンが形成され、
前記陽極酸化アルミニウム層が、前記ハードコート層、前記陽極酸化層、及び前記厚い金属層の色を示すパターンを生成する、項目25に記載のカード。
[28]
前記厚いコア層が厚い金属層であり、
前記薄い装飾層が所定の色を有する陽極酸化アルミニウム層であり、
前記陽極酸化アルミニウム層の上に着色ハードコート層が形成され、
前記カードの他の層とは異なる色を有する前記厚い金属に、追加の層が接着され、
前記ハードコート層と前記陽極酸化アルミニウム層内にパターンが形成され、
前記厚い金属層が、前記ハードコート層、前記陽極酸化層、前記厚い金属層、及び前記追加の層の色を表示するパターンを生成する、項目25に記載のカード。
[29]
前記厚いコア層が厚い金属層であり、
前記厚いコア層の第2の表面に接着されたポリマー層を更に含む、項目25に記載のカード。
[30]
前記厚いコア層が厚い金属層であり、
(a)前記厚い金属層に接着されたポリマー層と、(b)(i)カードと外部カードリーダーとの間の無線無線周波数(RF)伝送、及び(ii)カードと接触リーダーとの間の接触読み取りの少なくとも1つを可能にするための、前記カード内に位置する集積回路モジュールと、を更に含む、項目25に記載のカード。
[31]
前記厚いコア層が厚い金属層であり、
前記陽極酸化されたアルミニウム層に接着されたエンボス可能なポリマー層を更に含み、
感じることができる対応するパターンを生成するために、前記ポリマー層内にパターンがエンボス加工される、項目25に記載のカード。
[32]
前記厚いコア層が厚い金属層であり、
前記薄い装飾層が所定の色を有するように設計された陽極酸化アルミニウム層であり、
前記厚い金属層が異なる色を有するように設計されており、
予め選択された色を有する少なくとも1つの追加の層を更に含み、
これらの層の選択された部分が、レーザー照射、機械加工、又は化学エッチングのうちの1つにより除去されて、その外観がこれらの層の色と相関しており、カードの質感が形成されたパターンと相関している、項目25に記載のカード。
[33]
前記植物由来材料の化粧板層が、低リグニン含有量の実際の木材の層であり、
前記木質層が0.001インチ~0.010インチの範囲の厚さを有し、
前記実際の木材の層が、上面に沿って配置された油膜により保護された上面を有する、項目25に記載のカード。
[34]
前記木質層の外縁部が面取りされて、前記木質層の擦り切れ又は剥がれを防止する、項目33に記載のカード。
[35]
前記厚いコア層が厚い金属層であり、
前記動物由来材料の化粧板層が、上面と底面とを有する実際の皮革層であり、その上面は実際の皮革に関連した独特のパターンを有し、
前記皮革化粧板層は、0.001インチ~0.020インチの範囲の厚さを有し、
前記皮革層の底面は、改変されて接着剤を受け入れるように処理されており、
前記皮革層の上面がエンボス加工され、その底面が接着剤層を介して前記厚い金属層に接着されている、項目25に記載のカード。
[36]
前記集合体バインダー材料の化粧板層が、レーザー反応性材料と混合されたセメント又はエポキシの層であり、
炭素粒子の気化により前記化粧板層にパターンが形成される、項目25に記載のカード。
[37]
前記陽極酸化金属層が多色金属層である、項目25に記載のカード。
[38]
前記厚いコア層が厚い金属層であり、前記厚い金属層の第1の表面に接着された前記薄い装飾層が第1の薄い装飾層であり、
第2の薄い装飾層が前記厚い金属層の第2の表面に接着されている、項目25に記載のカード。
[39]
前記第2の薄い装飾層が、(a)陽極酸化金属層、(b)木材などの植物由来材料の化粧板層、(c)皮革などの動物由来材料の化粧板層、(d)レーザー反応性材料と混合されたセメント又はエポキシなどの集合体バインダー材料の化粧板層、(e)セラミック層、及び(f)結晶布材料の層、のうちの1つである、項目38に記載のカード。
[40]
前記厚い金属層の第1の表面に接着された前記薄い装飾層が、前記厚い金属層の第2の表面に接着された前記薄い装飾層と異なる、項目38に記載のカード。
[41]
前記厚いコア層が厚い金属層であり、
前記厚い金属層の第1の表面にポケットが形成され、
薄い装飾層が前記ポケット内の前記厚い金属層に接着されている、項目25に記載のカード。
[42]
前記ポケット内の前記厚い金属層に接着された前記薄い装飾層が、結晶布地材料の層である、項目41に記載のカード。
[43]
前記第2の薄い装飾層が陽極酸化された金属箔であり、
前記第2の薄い装飾層に接着された信号パネルと磁気ストライプとを更に含む、項目38に記載のカード。
[44]
前記第2の薄い装飾層が陽極酸化された金属箔であり、
前記第2の薄い装飾層に接着されたポリマー層と、前記ポリマー層に接着された信号パネルと磁気ストライプとを更に含む、項目38に記載のカード。
[45]
項目25に記載のカードであって、
前記薄い装飾層が、前記薄い陽極酸化金属層内の所定の深さまで延びる所定の着色領域を有する薄い陽極酸化金属層であり、
前記着色領域の選択された部分が、デザインパターンに応じた前記所定の深さまで除去され、
前記所定の着色領域以外の色を有する特定の金属が、前記除去された選択領域内に電気メッキされて、前記特定の金属及び前記所定の着色領域の色を表示するパターンが生成される、上記カード。
[46]
前記薄い陽極酸化金属層が、前記所定の色を有するように染色された上部サブ層領域を有するアルミニウムの薄層であり、前記特定の金属が金などの貴金属である、項目45に記載のカード。
[47]
前記厚いコア層が厚い金属層であり、セラミック層が前記厚い金属層の第1の表面に接着され、セラミック層以外の薄い装飾層がセラミック層に接着されている、項目25に記載のカード。
[48]
前記厚いコア層が厚い金属層であり、第1のセラミック層が前記厚い金属層の第1の表面に接着され、第2のセラミック層が前記厚い金属層の第2の表面に接着されている、項目25に記載のカード。
[49]
前記厚いコア層が厚いセラミック層である、項目25に記載のカード。
[50]
金属カードであって、
厚さが0.005インチ~0.035インチの範囲の厚い金属層であって、前記厚い金属層が前記カードのバルクを形成しかつ所定の色を有し、前記厚い金属層が上面と底面とを有する前記厚い金属層と、
前記厚い金属層の上面内に形成されたポケットであって、前記ポケットの深さが、厚い金属層の表面と前記金属層の外周部の周りの境界から下に0.003インチ~0.030インチの範囲にある、前記ポケットと、
前記厚い金属層の上面内に形成されたポケットに接着された薄い装飾層と、を含む上記カード。
[51]
前記薄い装飾層が0.005インチ~0.030インチの範囲の厚さを有し、
前記薄い装飾層が、(a)陽極酸化金属層、(b)木材などの植物由来材料の化粧板層、(c)皮革などの動物由来材料の化粧板層、(d)レーザー反応性材料と混合されたセメント又はエポキシなどの集合体バインダー材料の化粧板層、(e)セラミック層、及び(f)結晶布材料の層、のうちの1つである、項目50に記載の金属カード。
[52]
前記陽極酸化金属層が、アルミニウム、チタン、亜鉛、ニオブ、タンタル、又は陽極酸化することができる任意の他の金属のうちの1つである、項目51に記載のカード。
[53]
前記化粧板層が、木材、皮革、セラミック、結晶布材料、セメント、又はエポキシのうちの1つである、項目51に記載のカード。
[54]
カードを作成する方法であって、
ほぼ平行の上面と底面とを有する厚い金属層を選択する工程であって、前記厚い金属層が0.005インチ~0.033インチの範囲の厚さを有する、上記工程と、
前記厚い金属層の上面にポケットを形成する工程であって、前記ポケットの深さが、厚い金属層の表面と前記金属層の外周部の周りの境界から下に0.003インチ~0.030インチ延びている、前記工程と、
薄い装飾層を、前記厚い金属層の上面内に形成された前記ポケットに接着して、前記カードに色及び質感の少なくとも1つを提供する工程と、を含む上記方法。
[55]
前記薄い装飾層が0.003インチ~0.030インチの範囲の厚さを有し、
前記薄い装飾層が、(a)陽極酸化金属層、(b)木材などの植物由来材料の化粧板層、(c)皮革などの動物由来材料の化粧板層、及び(d)レーザー反応性材料と混合されたセメント又はエポキシなどの集合体バインダー材料の化粧板層のうちの1つを含む、項目54に記載の金属カード。
[56]
カードを作成する方法であって、
上面と底面とを有する第1の皮革様材料の層を選択する工程と、
前記第1の皮革様材料の前記上面にパターンをエンボス加工する工程と、
上面及び底面とを有する第2の皮革様材料の層を選択する工程と、
前記第2の皮革様層の上面を前記エンボス加工された第1の層の上面上に配置し、前記第1の層を金属基板の上に重ねて接着させることを含む、アセンブリ-を形成する工程と、
前記エンボス加工された第1の層を前記金属層と積層するように前記アセンブリーを積層して、カード又はカードのサブアセンブリ-を形成し、同時に第2皮革様層の上面もエンボス加工する工程と、を含む上記方法。
[57]
表側と裏側とを有するカードであって、
0.005インチ~0.032インチの範囲の厚さを有する厚いセラミック層であって、前記厚いセラミック層は、前記カードのバルクを形成し、所定の色を有し、前記厚い金属層は、互いにほぼ平行に延びる第1及び第2の表面を有する、前記厚いセラミック層と、
前記カードに色と質感の少なくとも1つを提供するための、前記厚いセラミック層の第1の表面に接着された薄い装飾層であって、前記薄い装飾層は、0.0005インチ~0.014インチの範囲の厚さを有し、前記薄い装飾層は、(a)陽極酸化金属層、(b)木材などの植物由来材料の化粧板層、(c)皮革などの動物由来材料の化粧板層、(d)レーザー反応性材料と混合されたセメント又はエポキシなどの集合体バインダー材料の化粧板層、(e)セラミック層、及び(f)結晶布材料の層、のうちの1つである、上記薄い装飾層と、を有する上記カード。
【手続補正書】
【提出日】2023-01-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードであって、
前記カードのバルクを形成しかつ所定の色もしくは質感を有し、上面と底面とを有する金属層と、
前記金属層の上面内に形成されたポケットであって、前記ポケットの深さが、金属層の表面から下に延びている、前記ポケットと、
前記金属層の外周部の周りの境界線と、
前記金属層の上面内に形成されたポケットに接着された装飾層と、を含む上記カード。
【請求項2】
前記装飾層が、(a)陽極酸化金属層、(b)木材などの植物由来材料の化粧板層、(c)皮革などの動物由来材料の化粧板層、及び(d)レーザー反応性材料と混合されたセメント又はエポキシなどの集合体バインダー材料の化粧板層、(e)セラミック層、及び(f)クリスタルファブリック材料の層、のうちの1つである、請求項1に記載のカード。
【請求項3】
前記陽極酸化金属層が、アルミニウム、チタン、亜鉛、ニオブ、タンタル、又は陽極酸化することができる任意の他の金属のうちの1つである、請求項2に記載のカード。
【請求項4】
前記ポケットに接着された前記装飾層が第1の装飾層であり、
前記金属層の底面に接着された第2の装飾層をさらに含む、請求項2に記載のカード。
【請求項5】
前記第2の装飾層がセラミック材料を含む、請求項4に記載のカード。
【請求項6】
前記ポケットに接着された前記装飾層が、前記金属層の底面に接着された前記第2の装飾層と異なる、請求項4に記載のカード。
【請求項7】
前記装飾層が前記金属層の色もしくは質感と異なる色もしくは質感を有する、請求項1に記載のカード。
【請求項8】
前記金属層の底面に接着されたポリマー層を更に含む、請求項1に記載のカード。
【請求項9】
(a)カードと外部カードリーダーとの間の無線周波数(RF)伝送、及び(b)カードと接触リーダーとの間の接触読み取り、の少なくとも1つを可能にするための、前記カード内に位置する集積回路モジュールと、を更に含む、請求項1に記載のカード。
【請求項10】
前記金属層が0.005インチ~0.035インチの範囲の厚さを有し、前記ポケットが金属層の上面から下に0.003インチ~0.030インチ延びる深さを有する、請求項1に記載のカード。
【請求項11】
前記装飾層が0.005インチ~0.030インチの範囲の厚さを有する、請求項10に記載のカード。
【請求項12】
カードを作成する方法であって、
所定の色もしくは質感を有し、ほぼ平行の上面と底面とを有する金属層を準備する工程と、
前記金属層の上面にポケットを形成する工程であって、前記ポケットの深さが、金属層の表面から下に延びており、前記金属層の外周部の周りに境界線が形成される、前記工程と、
第1の装飾層を、前記金属層の上面内に形成された前記ポケットに接着して、前記カードに色及び質感の少なくとも1つを提供する工程と、を含む上記方法。
【請求項13】
前記金属層が0.005インチ~0.035インチの範囲の厚さを有し、前記ポケットが金属層の上面から下に0.003インチ~0.030インチ延びる深さを有する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の装飾層が0.003インチ~0.030インチの範囲の厚さを有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記装飾層が、(a)陽極酸化金属層、(b)木材などの植物由来材料の化粧板層、(c)皮革などの動物由来材料の化粧板層、(d)レーザー反応性材料と混合されたセメント又はエポキシなどの集合体バインダー材料の化粧板層、(e)セラミック層、及び(f)クリスタルファブリック材料の層、のうちの1つである、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記金属層の底面に第2の装飾層を接着することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の装飾層が前記金属層の色もしくは質感と異なる色もしくは質感を有する、請求項12に記載の方法。