(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023030086
(43)【公開日】2023-03-07
(54)【発明の名称】自動格納及び取得システム並びにその方法
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20230228BHJP
B65G 1/00 20060101ALI20230228BHJP
B65G 1/06 20060101ALI20230228BHJP
【FI】
B65G1/04 555A
B65G1/00 501C
B65G1/06 M
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203877
(22)【出願日】2022-12-21
(62)【分割の表示】P 2019546008の分割
【原出願日】2018-02-26
(31)【優先権主張番号】15/905,783
(32)【優先日】2018-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/463,399
(32)【優先日】2017-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】509196718
【氏名又は名称】オペックス コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴァリンスキー、 ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】デューイット、 ロバート、 アール.
(72)【発明者】
【氏名】スティーブンス、 アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】クマール、 ドゥルヴァ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】自動格納及び取得システムを動作する方法を提供する。
【解決手段】通路から第1格納場所の第1領域に第1格納コンテナを輸送するステップと、第1格納コンテナに近接する通路内に第2格納コンテナを位置させるステップと、第1格納コンテナと第2格納コンテナの間に延在する解放可能な連結構造を係合させることで第2格納コンテナを第1格納コンテナに連結するステップと、第1格納コンテナが第1格納場所の第2領域を占めるのに充分であり、第2格納コンテナが第1格納場所の第1領域を占めるのに充分な大きさと時間の力を、通路を横切る第1の方向に第2格納コンテナに加え、それにより第1格納場所内での第1格納コンテナ及び第2格納コンテナの連結が維持される、力を加えるステップと、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
格納場所の第1格納ラックと、
前記第1格納ラックから離れて位置する、格納場所の第2格納ラックであって、前記第1格納ラックと該第2格納ラックとの間に第1通路を形成する第2格納ラックと、
前記第2格納ラックから離れて位置する、格納場所の第3格納ラックであって、前記第2格納ラックと該第3格納ラックとの間に第2通路を形成する第3格納ラックと、
複数の第1車両であって、該第1車両が前記第1通路内を動作可能であることで、前記第1格納ラックと前記第2格納ラック内の格納場所へのアイテムの配送と、前記第1格納ラックと前記第2格納ラック内の前記格納場所からのアイテムの取得と、を行う、複数の第1車両と、
複数の第2車両であって、該第2車両が前記第2通路内を動作可能であることで、前記第2格納ラックと前記第3格納ラック内の前記格納場所へのアイテムの配送と、前記第2格納ラックと前記第3格納ラック内の前記格納場所からのアイテムの取得と、を行う、複数の第2車両と、を備える、複数のアイテムを格納又は取得する材料取り扱いシステムであって、
前記複数の第2車両の1つによって前記第2格納ラックへと配送されるアイテムが、前記複数の第1車両の1つによって前記第2格納ラックから取得可能なように、前記第2格納ラックが構成されている、材料取り扱いシステム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の参照】
【0001】
本出願は、2017年2月24日に出願された米国仮特許出願第62/463,399号及び2018年2月26に出願された米国特許出願第15/905,783号の優先権を主張する。
これにより、前述の各出願の開示全体を本明細書で引用により援用する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、材料取り扱いシステムに関し、より詳細には、格納場所の平行な垂直配列内にアイテムを格納するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(例えば、顧客の注文を履行するために)アイテムを仕分け及び取得するには、手間と時間がかかる場合がある。
多くの大規模組織は、無数かつ多様なアイテムを格納し取得する広大な格納領域を有している。
数百又は数千の格納領域に対して、アイテムを手動で仕分け及び取得するには、膨大な労力を要する。
【0004】
例として、いくつかの自動格納及び取得(ASR)システムは、1つ以上の三次元格納ラックの構造を利用している。
それぞれの三次元格納ラックの構造によって、格納空間の第1配列及び第2配列を定義される。
このような自動格納及び取得システムでは、2つの格納空間の配列の長さ方向と高さ方向に延在する通路がラック構造によって定義され、いずれかの配列内の任意の空の格納空間に格納コンテナを個別に移送及び挿入可能である。
逆に、いずれかの配列内の格納空間の1つにすでに配置されている任意の格納コンテナを取り出して、例えば、作業員が格納コンテナからアイテムを採取する採取所などの遠隔地に移送可能である。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、自動格納及び取得システム並びにその方法を対象とする。
本発明の自動格納及び取得システムと方法とを用いることで、アイテムを有する格納コンテナを、従来可能であった密度よりも密に配置されている格納場所から、比較可能なスループット速度で、取り出し及び返却が可能になる。
【0006】
複数の実施形態で、取り外し可能に連結された複数の格納コンテナが、それらの内の任意の1つが格納場所の配列の1つの格納場所から取り出されるまで、互いに前後に連結されている。
そのような状況では、連結することにより、通路に面する1つの格納空間内で、2つ以上の格納コンテナをグループとして空間効率良く格納することが可能になる。
同様に、通路に面する格納コンテナを格納場所から引き出すと、同じ動作の一部として、同じグループ内の残りの連結された格納コンテナが通路に向かって前進する。
したがって、本発明による連結容器を用いることで、すべての格納コンテナを同時に移動可能な複雑な複数容器把持構造の必要性がなくなり、かつ/又は、あるグループ内の必要な格納コンテナを出すために格納コンテナを順番に再配置する必要性がなくなる。
【0007】
本発明の1実施形態によれば、自動格納及び取得システムを動作する方法は、通路からアクセス可能な格納場所の平行な配列を定義する、ラック構造の通路から、前記通路に近接する第1格納場所の第1領域へ第1格納コンテナを輸送するステップと、第1格納コンテナに近接する通路内に第2格納コンテナを位置させるステップと、第2格納コンテナと第1格納コンテナとの間に延在する解放可能な連結構造を利用することで第2格納コンテナを第1格納コンテナに連結するステップと、第1格納コンテナが第1格納場所の第2領域を占めるのに充分であり、第2格納コンテナが第1格納場所の第1領域を占めるのに充分である大きさと時間の力を、通路を横切る第1の方向に第2格納コンテナに加え、それにより第1格納場所内での第1格納コンテナ及び第2格納コンテナの連結が維持される、力を加えるステップと、を含む。
【0008】
本方法の実施態様によれば、輸送するステップが、第1格納場所に倣う位置に、第1格納コンテナを通路内で移送するステップを含む。
【0009】
本方法の別の実施態様によれば、輸送するステップが、第1格納コンテナを通路内で移送するステップの後、第1格納コンテナが第1格納場所の第1領域を占めるのに充分な大きさ及び時間の力を、第1格納コンテナに加えるステップをさらに含む。
【0010】
本方法のさらなる実施態様によれば、第1格納コンテナの1つの面に対して、第1の方向に力が加えられる。
【0011】
本方法のさらなる実施態様によれば、移送するステップが、複数の独立移動可能な車両の内の第1独立移動可能な車両を動作し、水平方向又は垂直方向の少なくとも1つの方向に、第1格納場所に倣う位置へと通路内を移動させることでなされる。
【0012】
本方法のさらなる実施態様によれば、輸送するステップが、第1独立移動可能な車両を動作することで、第1格納コンテナが第1格納場所の第1領域を占めるのに充分な大きさ及び時間の力を第1格納コンテナに加える、第1独立移動可能な車両を動作するステップをさらに含む。
【0013】
本方法のさらなる実施態様によれば、複数の独立移動可能な車両の内の第2独立移動可能な車両が、第2格納コンテナの解放可能な連結要素が第1格納コンテナの解放可能な連結要素に倣う位置に、水平方向又は垂直方向の少なくとも1つの方向に通路内を移動する。
【0014】
本方法のさらなる実施態様によれば、第1格納コンテナと第2格納コンテナとを連結するステップが、第2独立移動可能な車両を動作し、第2格納コンテナの解放可能な連結要素を第1格納コンテナの解放可能連結要素に対して連結係合させる位置へと移動することでなされる。
【0015】
本方法のさらなる実施態様によれば、第2格納コンテナの解放可能な連結要素が、第1格納コンテナの解放可能な連結要素に対して連結係合を維持している間、第2独立移動可能な車両を動作することで、第2格納コンテナに力が加わる。
【0016】
本方法のさらなる実施態様によれば、第1独立移動可能な車両が、第1格納コンテナの第1格納場所への移動に続いて充電領域に移動するように動作し、第2独立移動可能な車両が、第2格納コンテナの移動に続いて充電領域に移動するように動作する。
【0017】
本方法のさらなる実施態様によれば、第1の方向とは反対の第2の方向に第2格納コンテナに力が加えられる。
第2格納コンテナに加えられるこの力は、第2格納コンテナを第1格納場所の第1領域から引き出すと同時に、第1格納コンテナを第1格納場所の第2領域から第1格納場所の第1領域へと移動させるのに充分な大きさ及び時間でかけられる。
【0018】
本方法のさらなる実施態様によれば、第2格納コンテナは、第1格納コンテナとの間に延在する解放可能な連結構造を解除することにより、第1格納コンテナから切り離される。
【0019】
本方法のさらなる実施態様によれば、第2格納コンテナは、第1格納コンテナから第2格納コンテナを切り離した後、新しい目的地に輸送される。
【0020】
本方法のさらなる実施態様によれば、新しい目的地は、人がアイテムを採取する採取所であり、少なくとも1つのアイテムが、第2格納コンテナに追加されるか、又は、そこから取り出される。
【0021】
本方法のさらなる実施態様によれば、新しい目的地は、第2格納場所の第1領域である。
第2格納場所の第1領域を占める第3格納コンテナに近接する通路に第2格納コンテナを配置させ、第1格納コンテナと第2格納コンテナとの間に延在する解放可能な連結要素を係合させることで第2格納コンテナを第1格納コンテナに接続させ、第3格納コンテナが第2格納場所の第2領域を占めるのに充分であり、第2格納コンテナが第2格納場所の第1領域を占めるのに充分な大きさと時間の力を、通路を横切る方向に第2格納コンテナにかけることで、第2格納場所の第1領域に第2格納コンテナを輸送する。
【0022】
本方法のさらなる実施態様によれば、第2格納場所は、第1格納場所までの最短距離に基づいて、少なくとも1つの空の格納領域を有する複数の格納場所の中から選択される。
【0023】
さらなる実施形態によれば、自動格納及び取得システムを動作することでアイテムを格納及び/又は取得する方法は、第1通路から第1格納場所の第1領域に第1格納コンテナを輸送するステップと、第1格納コンテナに近接する第1通路内に第2格納コンテナを位置させるステップと、第2格納コンテナを第1格納コンテナに解放可能に連結するステップと、第1格納コンテナが第1格納場所の第1領域の後ろの第2領域を占めるのに充分であり、第2格納コンテナが第1格納場所の第1領域を占めるのに充分な力を第2格納コンテナに加えるステップと、を含む。
【0024】
アイテムを格納及び/又は取得する方法の実施態様によれば、輸送するステップが、第1格納場所に倣う位置へ、第1格納コンテナを第1通路内で移送するステップを含む。
【0025】
アイテムを格納及び/又は取得する方法の別の態様によれば、輸送するステップが、第1独立移動可能な車両を動作することで、第1格納コンテナを第1格納場所の第1領域に移動する、第1独立移動可能な車両を動作するステップをさらに含む。
【0026】
アイテムを格納及び/又は取得する方法のさらに別の実施態様によれば、位置させるステップは、第2独立移動可能な車両を動作させ、第2格納コンテナの解放可能な連結要素を第1格納コンテナの解放可能な連結要素に倣わせることでなされる。
【0027】
アイテムを格納及び/又は取得する方法のさらに別の実施態様によれば、連結するステップは、第2独立移動可能な車両を動作し、第2格納コンテナの解放可能な連結要素を第1格納コンテナの解放可能な連結要素との接続状態にすることでなされる。
【0028】
アイテムを格納及び/又は取得する方法の別の実施態様によれば、第3独立移動可能な車両を第2通路内で動作させることで、第2格納コンテナを第1格納場所の第2領域へと移動させる間、第1格納場所の第2領域から第1格納コンテナを引き出す。
【0029】
アイテムを格納及び/又は取得する方法のさらに別の実施態様によれば、第1格納コンテナと第2格納コンテナとの間に延在する解放可能な連結構造を解除することにより、第1格納コンテナが、第2格納コンテナから切り離される。
【0030】
アイテムを格納及び/又は取得する方法の別の実施態様によれば、第1格納コンテナから第2格納コンテナを切り離した後、第2格納コンテナが、新しい目的地に輸送される。
【0031】
アイテムを格納及び/又は取得する方法のさらに別の実施態様によれば、新しい目的地は、第1通路及び第2通路からアクセス可能な第2格納場所である。
【0032】
別の実施形態によれば、通路によって隔てられた、格納場所の平行な配列を定義するための格納ラックを有する、自動格納及び取得システムを動作することでアイテムを取得する方法は、1つの配列の各格納場所が、少なくとも1つの通路からアクセス可能であり、解放可能な連結要素を解除することで、第1格納場所の第1領域を占める第1格納コンテナを、第1格納場所の第2格納領域を占める第2格納コンテナから切り離す、解放可能な連結要素を解除するステップと、第1格納コンテナと第2格納コンテナの内の切り離された1つを、切り離しに続いて新しい目的地に輸送するステップと、を含む。
【0033】
アイテムを取得する方法の実施態様によれば、輸送するステップが、複数の独立移動可能な車両の内の1つの独立移動可能な車両を動作することで、切り離された格納コンテナを、水平方向又は垂直方向の少なくとも1つの方向に第1通路内を移動させる、独立移動可能な車両を動作するステップを含む。
【0034】
アイテムを取得する方法の別の実施態様によれば、新しい目的地は、第2格納場所の第1領域であり、第2アイテムを第2格納場所の第1領域に輸送するステップが、第2格納領域の第1領域を占める第3格納コンテナに近接する第1通路内に第2格納コンテナを位置させるステップと、解放可能な連結構造を係合させることで第2格納コンテナを第3格納コンテナに連結させる、解放可能な連結構造を係合させるステップと、第3格納コンテナが第2格納場所の第2領域を占めるのに充分であり、第2格納コンテナが第2格納場所の第1領域を占めるのに充分である大きさと時間の力を、通路を横切る方向に第2格納コンテナにかけるステップと、を含む。
【0035】
さらに、別の実施態様によれば、本発明は、複数のアイテムを格納又は取得する材料取り扱いシステムを提供する。
材料取り扱いシステムには、間隔を空けて配置された、格納場所の3組のラックが含まれる。
複数の第1車両が、第1格納ラックと第2格納ラックとの間に形成される第1通路内を動作可能である。
前記第1車両が、第1格納ラックと第2格納ラック内の格納場所へアイテムを配送し、かつ、そこからアイテムを取得するよう動作可能である。
複数の第2車両が、第2格納ラックと第3格納ラックとの間に形成される第2通路内を動作可能である。
前記第2車両が、第2格納ラックと第3格納ラック内の格納場所へアイテムを配送し、かつ、そこからアイテムを取得するよう動作可能である。
前記第2格納ラックが、複数の第2車両の1つによって第2格納ラックへと配送されたアイテムを、複数の第1車両の1つによって前記第2格納ラックから取得可能なように構成される。
オプションで、材料取り扱いシステムは、第1格納ラックの第1の側に隣接して位置する第1軌道と、第2格納ラックの第1の側に隣接して位置する第2軌道と、第2格納ラックの第2の側に隣接して位置する第3軌道と、第3格納ラックの第1の側に隣接して位置する第4軌道と、を含む。
前記第1軌道と第2軌道とが、第1通路内の環状経路周りに第1車両を案内してもよく、第3軌道と第4軌道とが、第2通路内の環状経路周りに車両を案内してもよい。
さらに、第1軌道、第2軌道、第3軌道及び第4軌道の各々が、複数の水平軌道区画によって相互接続される複数の垂直軌道区画を備えてもよい。
さらに、第1格納ラック、第2格納ラック及び第3格納ラックの各々が、格納場所の配列を備えてもよい。
【0036】
オプションで、第1格納ラック、第2格納ラック又は第3格納ラックと格納場所が、複数の格納コンテナを収容するよう構成される。
さらに、複数の格納コンテナの各々が、2つの格納コンテナを解放可能に接続するよう構成される1つ以上の解放可能なコネクタを備えてもよい。
前記解放可能な接続によって、2つの格納コンテナが、格納場所の1つの内部に格納される際に、前記2つの格納コンテナが互いに対して接続可能となる。
【0037】
オプションで、第1車両が、第2格納ラック内の格納場所へアイテムを輸送するよう構成される第1輸送機構を含んでもよく、第2車両が、第2格納ラック内の格納場所から第2車両上へアイテムを輸送するよう構成される第2輸送機構を含んでもよい。
【0038】
オプションで、第1採取所が、第1通路に沿って位置してもよく、第1車両が、第1格納ラック又は第2格納ラックからアイテムを取得可能であり、かつ、第1採取所へアイテムを配送可能であるように、第1通路が構成される。
さらに、第2採取所が、第2通路に沿って位置してもよく、第2車両が、第2格納ラック又は第3格納ラックからアイテムを取得可能であり、かつ、第2採取所へ前記アイテムを配送可能であるように、第2通路が構成される。
さらに、第2通路内で複数の車両の1つから第2格納ラックへ輸送されるアイテムが、第1通路内で複数の第1車両の1つによって取得可能であり、かつ、第1採取所へ配送可能であることで、アイテムが、第2通路から第1通路へ輸送可能であり、かつ、第1採取所へ配送可能であるように、第2格納ラックが構成されてもよい。
【0039】
オプションで、第1車両及び第2車両は、独立動作可能な自走式の車両である。
さらに、第1車両が、第1通路内の移動に限定され、第2車両が、第2通路内の移動に限定されてもよい。
さらに、第1格納ラックが、複数の列又は行内に配置される容器の第1配列を備えてもよく、第2格納ラックが、複数の列又は行内に配置される容器の第2配列を備えてもよく、第3格納ラックが、複数の列又は行内に配置される容器の第3配列を備えてもよい。
【0040】
さらに、別の実施態様によれば、本発明は、自動格納及び取得システムを動作する方法を提供する。
本方法は、格納場所の第1格納ラックと格納場所の第2格納ラックとの間の第1通路を通って第1車両を運搬するステップと、格納場所の第2ラックと格納場所の第3格納ラックとの間の第2通路を通って第2車両を運搬するステップと、を含む。
アイテムは、第1格納ラック上の格納場所の1つから第1車両へ輸送され、アイテムは、第1車両から第2格納ラック上の1つの格納場所へ輸送される。
前記アイテムは、第2格納ラックから第2車両に輸送され、次に、第2車両から第3格納ラック上の格納場所の1つへ輸送される。
オプションで、第1車両を運搬する前記ステップが、第1格納ラックに隣接する第1軌道と、第2格納ラックに隣接する第2軌道と、に沿って前記第1車両を駆動するステップを含み、第2車両を運搬する前記ステップが、前記第2格納ラックの第2の側に隣接する第3軌道と、第3格納ラックに隣接する第4軌道と、に沿って第2車両を駆動するステップを含む。
さらに、第1車両を運搬する前記ステップが、第1環状経路周りに第1車両を駆動するステップを含んでもよく、第1環状経路が、第1の複数の全般的に水平な軌道によって接続される第1の複数の全般的に垂直な軌道で形成され、第2車両を運搬する前記ステップが、第2環状経路周りに前記第2車両を駆動するステップを含んでもよく、第2環状経路が、第2の複数の全般的に水平な軌道によって接続される第2の複数の全般的に垂直な軌道で形成される。
【0041】
オプションで、本方法が、第2通路に沿って位置する採取所へ、第2車両とアイテムとを運搬するステップと、採取所で動作者にアイテムを提示するステップと、を含む。
【0042】
オプションで、アイテムが、解放可能なコネクタを有する第1格納コンテナを備え、本方法が、第1格納コンテナを、第2格納ラック内に位置する第2格納コンテナに解放可能に接続するステップを含む。
また、本方法は、第1格納コンテナに接続されている前記第2格納コンテナを移動させることにより、格納ラック内で第1格納コンテナを移動させるステップを含んでもよい。
さらに、本方法は、第2格納コンテナを、第2格納コンテナから切り離すステップを含んでもよい。
前記切り離すステップが、第2格納コンテナに対して第1格納コンテナを移動させるステップを含んでもよい。
【0043】
オプションで、第1車両から第2格納ラック上の1つの格納場所へアイテムを輸送する前記ステップが、第2格納ラック上の1つの格納場所に対して第1車両を倣わせるステップと、第1車両上の第1輸送機構を動作させることで、アイテムを1つの格納場所へと輸送する、第1車両上の第1輸送機構を動作させるステップと、を含んでもよい。
さらに、第2格納ラック上の1つの格納場所からアイテムを輸送するステップが、1つの格納場所に対して前記第2車両を倣わせるステップと、第2車両上の第2輸送機構を動作させることで、アイテムを第2車両へと輸送する、第2車両上の第2輸送機構を動作させるステップと、を含んでもよい。
【0044】
オプションで、第1通路を通って第1車両を運搬するステップが、第1車両を第1通路内の移動に限定するステップを含んでもよく、第2通路を通って第2車両を運搬するステップが、第2車両を第2通路内の移動に限定するステップを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
上述の概要と本発明の実施形態の詳細な説明とは、添付の図面を参照する。
【0046】
図1は、本発明の実施形態による、単一通路を有する自動格納及び取得システムの斜視図。
【0047】
図2Aは、
図1の基準面IIA-IIAから観た単一通路を有する自動格納及び取得システムの上面図であって、格納場所の左右の配列をその配列間に延在する通路内のアイテムの格納コンテナの水平移動と共に示す図。
【0048】
図2Bは、
図1の基準面IIB-IIBに高さ方向に沿う、単一通路を有する自動格納及び取得システムの側面図であって、格納場所の2つの配列における、格納場所の垂直配置を示す図。
【0049】
図3Aは、
図1の基準面III-IIIに高さ方向に沿う、単一通路を有する自動格納及び取得システムの側面図であって、通路の各側に沿って配置された垂直軌道と水平軌道とのネットワークを示す図。
【0050】
図3Bは、
図1に示す単一通路を有する自動格納及び取得システムの通路内で(例えば、
図3Aに示す軌道に沿って)独立して移動するように寸法形成及び配置がなされた車両の拡大斜視図。
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
図8は、
図1に示す装置の複数の格納場所の概略側面図。
【0057】
図9は、
図1に示す装置の格納場所内の格納コンテナの概略側面図。
【0058】
図10Aは、
図9に示す格納コンテナをある場所から別の場所に移動するプロセスのステップを示す概略図。
【0059】
図10Bは、
図9に示す格納コンテナをある場所から別の場所に移動するプロセスのステップを示す概略図。
【0060】
図10Cは、
図9に示す格納コンテナをある場所から別の場所に移動するプロセスのステップを示す概略図。
【0061】
図10Dは、
図9に示す格納コンテナをある場所から別の場所に移動するプロセスのステップを示す概略図。
【0062】
図10Eは、
図9に示す格納コンテナをある場所から別の場所に移動するプロセスのステップを示す概略図。
【0063】
図10Fは、
図9に示す格納コンテナをある場所から別の場所に移動するプロセスのステップを示す概略図。
【0064】
図10Gは、
図9に示す格納コンテナをある場所から別の場所に移動するプロセスのステップを示す概略図。
【0065】
図10Hは、
図9に示す格納コンテナをある場所から別の場所に移動するプロセスのステップを示す概略図。
【0066】
図11は、
図1に示す装置の格納ラックの一部の部分斜視図。
【0067】
図12は、
図1に示す装置の格納ラックの一部であって、車両を含む部分斜視図。
【0068】
図13は、
図1に示す装置の複数の格納コンテナ間の解放可能な接続部であって、複数の格納コンテナが接続されている部分斜視図。
【0069】
図14は、
図1に示す装置の複数の格納コンテナ間の解放可能な接続部の部分側面図であり、複数の格納コンテナが切り離されている。
【0070】
図15Aは、本発明の複数通路を有する自動格納及び取得システムにおける第1通路の車両上の第1格納コンテナを示す側面図。
【0071】
図15Bは、
図15Aに示す複数通路を有する自動格納及び取得システムにおける第1通路の第2の位置にある第1格納コンテナを示す側面図。
【0072】
図15Cは、
図15Bに示す複数通路を有する自動格納及び取得システムにおける格納場所に輸送された第1格納コンテナを示す側面図。
【0073】
図15Dは、
図15Cに示す複数通路を有する自動格納及び取得システムにおける格納場所に輸送された第2格納コンテナを示す側面図。
【0074】
図15Eは、
図15Dに示す複数通路を有する自動格納及び取得システムにおける第2通路内の第2車両に倣って輸送される第1格納コンテナを示す側面図。
【0075】
図15Fは、
図15Eに示す複数通路を有する自動格納及び取得システムにおける第2通路内の第2車両に輸送される第1格納コンテナを示す側面図。
【0076】
図16は、本発明である別の複数通路を有する自動格納及び取得システムの側面図。
【0077】
図17は、本発明である別の複数通路を有する自動格納及び取得システムの側面図。
【発明を実施するための形態】
【0078】
本発明の実施形態は、自動格納及び取得システム並びにその方法を対象とし、これらの自動格納及び取得システム及び方法では、取り外し可能に連結された複数の格納コンテナが互いに連続して接続されることで、n個の格納コンテナからなるグループを形成する。
ここで、各グループは、格納場所の少なくとも1つの配列内の、同一の格納場所内に格納される。
格納コンテナの連結グループ内の1つの格納コンテナが、格納場所から取得される際、選択した格納コンテナを第2の場所(例えば、採取所)へ移送する準備ができるまでの間に、1つ以上の切り離し動作と、オプションで格納コンテナの引き出し動作とが実行される。
【0079】
本発明のいくつかの実施形態による連結をすることで、n個の格納コンテナ(nは、1より大きい整数)を有するグループを、隣接する複数の格納ラック内に効率的に格納可能になる。
これらの格納ラックのそれぞれによって、格納場所の対応する配列を定義され、隣接する複数の格納ラック内の格納場所は通路で隔てられている。
格納ラックの格納場所の1つから通路に面した格納コンテナを引き出すと、同じ引き出し動作の一部として、同じグループ内の連結された任意の格納コンテナが通路に向かって前進する。
通路に面した、引き出された格納コンテナが、取得用に選択された格納コンテナである場合、その格納コンテナは、格納場所内に残っている格納コンテナから切り離された後、たとえば、採取所へと直接移送される。
採取所では、取得された格納コンテナから1つ以上のアイテムが取り出される。
最初に引き出され切り離された、通路に面した格納コンテナが取得用に選択された格納コンテナでない場合、代替の格納場所(たとえば、同じ配列内又は異なる配列内の異なる格納場所)に移送される。
引き出しと切り離しプロセスとは、取得用に選択された格納コンテナが引き出され、かつ、格納場所に依然として残っている他のいかなる格納コンテナからも切り離されるまで、繰り返される。
したがって、複数の格納コンテナを同時に把持、引き出し、並べ替え、及び/又は格納場所に戻すための複雑で費用のかかる把持構造は、不要である。
【0080】
ここで、
図1を参照すると、本発明の実施形態による、単一通路を有する自動格納及び取得(ASR)システム10の斜視図が示されている。
この単一通路を有する自動格納及び取得システム10は、例えば、1つ以上の格納場所の間、格納場所とアイテムの採取所との間、及び/又は格納場所とコンテナ輸送所との間で、格納コンテナ80を移送するコンベヤを含む。
採取所は、参照番号300で示される。
【0081】
図1の実施形態では、コンベヤは、複数の独立移動可能な車両200を含む。
これらの車両200は、動的な経路に沿ってそれぞれ移動可能であり、自動格納及び取得システム10の格納場所50へのアイテムの格納及び/又はそこからのアイテムの取得を行う。
本発明の実施形態に適したコンベヤの他の非限定的な例には、ガントリー構造、関節グリッパー、及び、個々の格納コンテナを3つの直交方向(すなわち、通路内での垂直及び水平方向と、通路20に隣接する選択された格納場所50へと向かい離れる方向)に移動可能な他の任意のシステムが含まれる。
【0082】
格納コンテナ80は、在庫として管理されるアイテムを自動格納及び取得システム10を使用して受け取るように寸法形成及び配置がなされる。
1つ以上の(不図示の)仕切りを格納コンテナ80の一部又はすべての内部に配置して、各格納コンテナ80の内部空間を個別の区画に分割してもよい。
格納コンテナ80は、均一な幅W、高さH、及び長さLを有してもよい。
しかしながら、(不図示の)実施形態では、格納コンテナ80の第1のサブセットは、第1の長さL1を有し、格納コンテナ80の第2のサブセットは、第2の長さL2を有してもよい。
L2は、L1より大きくても小さくてもよい。
<格納ラックについて>
【0083】
格納コンテナ80は、格納場所50の1つ以上の配列内から選択可能な格納場所50へと導入(及び引き出し)が可能なように、寸法形成及び配置がなされている。
図1に示す格納ラック35と格納ラック40のそれぞれは、平行レール又はLチャネルのネットワーク(不図示)を含んでもよい。
平行レール又はLチャネルのネットワーク(不図示)は、格納コンテナ80の1つ以上の面に整列可能な、重量支持面を定義するように寸法形成及び配置がなされている。
このような実施形態では、複数の格納コンテナ80を有する連結グループ内の第1格納コンテナ80に押圧力又は引張力を加えることで、連結グループ内の格納コンテナ80のすべてが、加えられた力と同じ方向にスライドする。
【0084】
格納ラックの少なくとも1つ(例えば、格納ラック40)では、格納場所50は、n個の格納コンテナ80を収容するように寸法形成及び配置がなされている。
ここで、n個の格納コンテナ80は、互いに連結されて前後に配置されることで個々のグループを形成している。
nは、2以上の整数であり、格納場所50の有効長LEは、nxLとなる。
さらに、又はあるいは、1つ又は両方の格納ラックによって定義される格納場所50の有効長LEは、(rxL1)+(s+L2)であってもよく、rとsのそれぞれは、1以上の整数である。
【0085】
図2Aを見ると、
図1の基準面IIA-IIAから観た単一通路を有する自動格納及び取得システム10の上面図が示されている。
図2Aの実施形態では、通路20で隔てられた格納場所50の左右の配列が示され、通路20からアクセス可能な最上部の格納場所50のみが示されている。
図2Aの各格納場所50は、通路20に面する第1格納領域と、第1格納領域のすぐ後ろに位置する、遠位の第2格納領域との2つの格納領域を定義する。
したがって、格納ラック構造35によって定義される配列の最上層は、通路20に面する第1格納領域L1A-1からLnA-1と、遠位の第2格納領域L1B-1からLnB-1と、を含む。
同様に、格納ラック構造40によって定義される配列の最上層は、通路に面する第1格納領域R1A-1からRnA-1と、遠位の第2格納領域R1B-1からRnB-1と、を含む。
【0086】
図2Aを参照すると、移送経路が、採取所300から、選択される格納場所50へと延在している。
ここで、採取所300は、アイテムが採取され、仕分けされ、及び/又は格納コンテナ80から、もしくは、格納コンテナ80へ輸送される場所である。
また、選択される格納場所50とは、通路20に面する第1格納領域UA-Iと格納ラック35の遠位の格納領域UB-Iとを含む格納場所50などである。
以下に説明するように、
図2Aは、前方及び後方の垂直軌道区画130によって少なくとも部分的に定義される、格納コンテナ/車両輸送経路の一部もまた示す。
複数の垂直軌道区画130が協働することで、車両200の垂直方向下向きの移動を案内する。
案内された車両200は、格納ラック35によって定義される配列の4列目(すなわち、格納領域UA-I及び格納領域UB-Iを含む列)の通路20に面する格納領域の1つに隣接する位置に移動されてもよいし、又は、格納ラック40によって定義される配列の4列目(つまり、格納領域R4A-1及び格納領域R4B-1を含む列)の通路20に面する格納領域の1つに隣接する位置に移動されてもよい。
【0087】
ここで、
図2Bを参照すると、
図1の基準面IIB-IIBの高さ方向で観た単一通路を有する自動格納及び取得システム10の側面図が示されて、格納ラック35及び格納ラック40によって定義される、格納場所50の各配列の格納場所50の垂直配置が示されている。
図2Bは、上方水平軌道区画135、垂直軌道区画130、及び、下方水平軌道区画140によって少なくとも部分的に定義される、格納コンテナ/車両移送経路の一部も示している。
これらの区画は、例えば、通路20に面する格納領域UA-1と格納領域FUA-Lとに隣接する位置に、協働して車両200の移動を案内する。
図2Bの実施形態では、空の車両200は、点線位置P1から、通路20に面する格納領域Uiから取得する位置P2へと格納コンテナ80を移動する。
<コンベヤ配置>
【0088】
ここで、
図3Aを参照すると、
図1に示す単一通路を有する自動格納及び取得システム10の側面図が示されている。
この図は、基準面III-IIIに高さ方向に沿ったコンベヤシステムを示している。
このコンベヤシステムは、1つ以上の実施形態に従って、通路20の各側に沿って配置された垂直軌道区画130と、上方水平軌道区画135と、移動軌道区画315と、移送経路の動的構成のためのゲート機構と、独立移動可能な車両200と、を備える軌道ネットワーク(「軌道」)110を含む。
<軌道について>
【0089】
軌道110は、通路20(
図1及び
図2)内の1つ以上の経路を提供し、車両200を格納ラック35及び格納ラック40内の格納場所に移動するためのものである。
例えば、実施形態には、通路20の片側で格納ラック35に隣接する前方軌道115が含まれていてもよい。
格納ラック40に隣接する後方軌道120は、前方軌道115から離れて位置することで、通路20を形成してもよい。
車両200は、軌道110に沿って通路20内を移動してもよい。
例えば、車両200は、前方軌道115に係合する1つ以上の前方車輪と、後方軌道120に係合する1つ以上の後方車輪とによって支持されてもよい。
【0090】
上述のように、格納ラック35及び格納ラック40のそれぞれは、様々なアイテムを格納する格納コンテナ80を格納するための複数の格納場所50を提供する。
車両200は、軌道110に沿って格納場所50に移動する。
格納場所50で、車両200は、格納コンテナ80を車両200から格納場所の1つに輸送することができる。
同様に、車両200は、格納場所の1つから車両200上に格納コンテナ80を輸送することができる。
さらに、システムは、車両200がこの車両200から格納場所50に格納コンテナ80を輸送すると同時に、異なる格納場所50から車両200上に格納コンテナ80を輸送するように構成されてもよい。
格納場所50は、通路に隣接する複数の場所の配列として配置されてもよい。
さらに、以下でより説明するように、格納ラック35、格納ラック40は、これらの格納ラック35、格納ラック40内での格納コンテナ80の格納密度を高めるために、格納コンテナ80を2つ以上の奥行きで格納できるよう、格納のための奥行きを提供してもよい。
<独立移動可能な車両について>
【0091】
図3Bは、
図1に示す自動格納及び取得システム10の通路20内で(例えば、
図2A、2B及び3Aに示す軌道110に沿って)独立して移動するように寸法形成及び配置がなされた車両200を拡大した斜視図である。
図3Bに示すように、車両200の各々は、2つの前方車輪と2つの後方車輪の計4つの車輪220を含む。
前方車輪220は、前方軌道115に乗り、後方車輪は、後方軌道120に乗る。
前方軌道115及び後方軌道120は、車両200の前方車輪220及び後方車輪220を支持する、同様に構成された対向する軌道である。
よって、前方軌道115及び後方軌道120のいずれか一方の一部についての説明は、対向する前方軌道115又は後方軌道120にも当てはまる。
【0092】
本発明の実施形態では、各車両200は、車載駆動システム及び車載電源を含む準自動型の車両である。
各車両200は、格納場所50(
図1)の1つに格納コンテナ80のようなアイテムの格納コンテナを挿入するための、又は、格納場所50の1つからアイテムの格納コンテナを引き出すための機構をさらに含む。
図4から
図6に示すように、各車両200は、ゲート180(
図4から
図6)を選択的に作動させて車両200を選択的に方向転換させるゲートアクチュエータ230をオプションで含んでもよい。
【0093】
車両200は、車両200上へのアイテムの積み込みと、車両200からいずれかの容器へのアイテムの排出とを行うためのさまざまな機構のいずれかを含んでもよい。
加えて、積み込み/積み下ろし機構210は、特定の用途向けに特別に調整されてもよい。
積み込み/積み下ろし機構210は、格納場所50に格納された格納コンテナ80に係合してアイテムを車両200上に引き込むように構成される移動可能要素を含んでもよい。
より詳細には、車両200は、満載の格納場所50の格納コンテナ80に向かって移動するように構成された移動可能要素を含む。
【0094】
移動可能要素が格納コンテナ80に係合した後、移動可能要素は、満載の格納場所50から離れるように移動し、それにより、通路20に面する満載の格納領域から車両200上に格納コンテナ80を引き出すのに充分な大きさと方向の引張力を加える。
以下に詳述するように、引き出された格納コンテナ80が同じ格納場所50内の別の格納コンテナ80に既に連結されている場合、取得された格納コンテナ80が別の場所(例えば、採取所300や、同じ又は異なる配列内の代替の格納場所50)に輸送される前に、事前連結動作が実行される。
逆に、移動可能要素を逆方向に動かすことで、車両200の耐荷重面から通路に面する格納場所50に格納コンテナ80を輸送するのに充分な大きさと時間の押圧力がかけられる。
ある格納場所50の通路20に面する格納場所50がすでに満載である一方でその背後の格納領域はそうではない場合、事前連結動作が実行される。
【0095】
積み込み/積み下ろし機構210は、移動可能なロッド又はバー212を含んでもよい。
ロッド又はバー212は、車両200の幅にまたがって延在し、車両200の側面に沿って延在している駆動チェーン214に両端が連結されていてもよい。
モーターが駆動チェーン214を駆動して、駆動チェーン214を格納場所に向かう方向又は離れる方向に選択的に動かしてもよい。
たとえば、車両200が格納場所50に近づいて格納コンテナ80を取得する際、駆動チェーン214が、ロッド又はバー212を格納場所50に向けて駆動し、それによって、格納コンテナ80の底部の溝又はノッチ88にロッド又はバー212を係合させることができる。
その後、駆動チェーン214は、反転して、ロッド又はバー212が格納場所50から移動する。
ロッド又はバー212は、格納コンテナ80のノッチ88に係合しているため、ロッド又はバー212が格納場所50から離れるときに、ロッド又はバー212は、格納コンテナ80を車両200上に引っ張る。
これにより、積み込み/積み下ろし機構210は、アイテムを格納場所50から取得することができる。
同様に、格納コンテナ80を格納場所50に格納するには、積み込み/積み下ろし機構210の駆動チェーン214が、格納コンテナ80が格納場所50内の通路に面する領域に位置するまで、ロッド又はバー212を格納場所50に向けて駆動する。
その後、車両200は、下方に移動してロッド又はバー212を格納コンテナ80から係合解除し、それによって、格納コンテナ80を解放する。
あるいは、積み込み/積み下ろし機構210は、ノッチ88との係合を外して、ロッド又はバー212が下方に駆動されるように構成されてもよい。
【0096】
加えて、単一通路を有する自動格納及び取得システム10は、軌道110の前方側に隣接する格納場所50の配列と、軌道110の後方側に隣接する格納場所50の第2配列とを備えているため、積み込み/積み下ろし機構210は、前方側の配列と後方側の配列内の格納コンテナ80を取得及び格納するように動作可能である。
図3Bに示すように、積み込み/積み下ろし機構210は、相互に離間した2本のロッド又はバー212を含む。
一方のロッド又はバー212は、前方側の配列の格納コンテナ80と係合可能な一方で、第2のロッド又はバー212は、格納場所50の後方の配列の格納コンテナ80と係合可能である。
【0097】
車両200は、この車両200を軌道110に沿って移送するために使用される4つの車輪220を備えてもよい。
車輪220は、2つの車輪220が車両200の前端に沿って設置され、2つの車輪220が車両200の後端に沿って設置されるように、2本の平行に離間した軸215に取り付けられてもよい。
【0098】
車両200は、車輪220を駆動する車載モーターを備えてもよい。
駆動モーターは、軸215に動作可能に連結されて軸を回転させて、車輪220の歯車222を回転させてもよい。
車両200の駆動システムは、車両200を軌道110に沿って同期的に駆動するように構成されてもよい。
駆動システムは、各歯車222が同期的な態様で駆動されるように構成されている。
【0099】
車両200は、この車両200を駆動するために必要な電力を提供するレール沿いの接触子などの、外部の電源により動かすこともできる。
しかし、本例では、車両200は、駆動モーターと積み込み/積み下ろし機構210を駆動するモーターとの両方に必要な電力を提供する車載電源を備える。
さらに、電源は、再充電可能である。
電源は、再充電可能な電池等の電源を含んでもよいが、電源は、1つ又は複数のウルトラキャパシタで構成される。
ウルトラキャパシタは、きわめて高いアンペア数を受け入れてウルトラキャパシタを再充電できる。
高い電流を使用することで、ウルトラキャパシタを数秒以下等の極めて短い時間で再充電できる。
【0100】
車両200は、電源を再充電するための1つ又は複数の接触子を含む。
車両200は、外側に付勢されるようにばね加圧された銅ブラシ等の複数のブラシを含む。
ブラシは、充電レールと連動して、電源を再充電する。
【0101】
各車両200は、格納コンテナ80が車両200上に積み込まれたことを検出する積み込みセンサを含んでもよい。
この積み込みセンサを使用することで、アイテムが車両200に適切に配置されているかどうかを検出する。
たとえば、積み込みセンサは、重量の変化を検出する力検出器又はアイテムの存在を検出する赤外線センサを含んでもよい。
【0102】
車両200は、システムの中央プロセッサから受信した信号に応じて車両200の動作を制御するプロセッサをさらに含んでもよい。
さらに、車両200は、車両200が軌道に沿って移動する際に中央プロセッサと継続的に通信できるようにする無線トランシーバを含んでもよい。
あるいは、一部の用途では、軌道沿いに配置された複数のセンサ又は指示器を組み込むことが望ましい場合がある。
車両200は、センサ信号及び/又は指示器を感知する読み取り装置と、センサ又は指示器に応じて車両200の動作を制御する中央プロセッサとを含んでもよい。
<ゲート機構について>
【0103】
図4から
図6は、それぞれ
図3Aの軌道110のゲートを示す斜視図であり、
図7は、
図3Bに示す車両200の車輪及び
図3Aに示す軌道の一部の拡大図である。
図4から
図7を参照して、格納コンテナを格納場所へ、又は、格納場所から運搬するための移送経路を定義するよう、動的に構成可能な軌道110をより詳しく説明する。
しかし、上述のように、図示された軌道110は、コンベアシステムで使用可能な軌道にすぎない。
正確な構成は、用途に応じて様々であってもよく、上述のように、コンベアシステムは、軌道又は独立して移動可能な車両200を含まない場合がある。
【0104】
軌道110は、外壁152と、この外壁152から平行に離間する内壁154とを含んでもよい。
さらに、軌道110は、内壁154と外壁152との間に延在している後壁160を含んでもよい。
図7からわかるように、外壁152と内壁154と後壁160とは、チャネルを形成する。
車両200の車輪220は、このチャネルに乗る。
軌道110は、駆動面156と、案内面158とを含んでもよい。
駆動面156は、車両200に積極的に係合して、車両200を軌道110に沿って移動可能にする。
案内面158は、車両200を案内して、車両200と駆動面156との動作可能な係合を維持する。
この駆動面156は、以下にさらに説明するように、車両200の車輪に係合するラック歯を形成する一連の歯で形成される。
案内面158は、ラック歯156に隣接する略平坦な面である。
ラック歯156は、軌道110の約半分に延在し、案内面158は、軌道の残り半分に延在している。
図4から
図7に示すように、ラック歯156は、軌道110の内壁154に形成されてもよい。
対向する外壁152は、内壁の案内面158に対して平行な略平坦な面であってもよい。
【0105】
上述したように、軌道110は、上方水平レール135と下方水平レール140との間に延在している複数の垂直区間を含んでもよい。
いずれかの垂直区画といずれかの水平区画とが交差する軌道110の各区画に、交差部170が形成されてもよい。
各交差部170は、湾曲した内側分岐172と、略直線の外側分岐176とを含んでもよい。
垂直区画が下方レールと交差する部分は、同様の交差部170を含んでいるが、これらの交差部は、反転している。
【0106】
各交差部170は、滑らかに湾曲した内側レースと、軌道110の駆動面156の歯に対応する歯を備えた平坦な外側レースとを有する枢動可能なゲート180を含んでよい。
ゲート180は、第1の位置と、第2の位置との間で枢動してもよい。
第1の位置では、ゲート180は、閉じられ、ゲート180の直線状の外側レース184が、交差部170の直線状の外側分岐176と揃う。
第2の位置では、ゲート180が開き、ゲート180の湾曲した内側レース182が、交差部170の湾曲した分岐172と揃う。
【0107】
よって、閉位置では、ゲート180が下方に枢動して、ゲート180の外側レース184が、駆動面156と揃う。
この位置では、ゲート180は、車両200が湾曲部で下方に曲がるのを阻止し、車両200は、交差部170を直進する。
これに対し、
図6に示すように、ゲート180が開位置に枢動した場合、ゲート180は、車両200が、交差部170を直進するのを阻止する。
代わりに、ゲート180の湾曲した内側レース182が内側分岐172の湾曲面と揃い、車両200は、交差部170で曲がる。
言い換えると、ゲート180が閉じている場合、交差部170の位置に応じて、車両200は、上方レール130又は下方レールのいずれかに沿って交差部170を直進する。
ゲート180が開いている場合、交差部170の位置に応じて、ゲート180は、車両200を垂直レールから水平レールに、又は、水平レールから垂直レールに送る。
【0108】
上述した説明では、ゲート180により、いずれかの車両200が、同じ方向(たとえば、水平)に進み続けるか、又は、一方向(たとえば、垂直)に曲がる。
ただし、一部の用途では、自動格納及び取得システムは、垂直列と交差する3つ以上の水平レールを含んでもよい。
そのような構成では、車両200を複数の方向に曲がらせる異なるレールを含むことが望ましい場合がある。
たとえば、車両200が列を下方に移動している場合、ゲート180によって車両200を水平レールに沿って左方向又は右方向に曲がらせるか、又は、垂直列に沿って直進させることができる。
車両200は、上方に移動してもよい。
【0109】
単一通路を有する自動格納及び取得システム10は、複数の車両200を含むため、車両200どうしが衝突しないように、車両200の位置が制御される。
本発明の実施形態では、単一通路自動格納及び取得システム10は、各車両200の位置を追跡し、各車両200に制御信号を提供して車両200の軌道に沿った進行を制御する中央制御装置を使用する。
中央制御装置は、ゲート180など、軌道に沿ったさまざまな要素の動作も制御してもよい。
あるいは、車両200が、ゲート180を動作してもよい。
例えば、
図4から
図5を参照すると、ゲート180は、車両200上のゲートアクチュエータ230に応答する受動アクチュエータ190を含んでもよい。
車両200のゲートアクチュエータ230が、受動アクチュエータ190に係合すると、ゲート180は、第1の位置から第2の位置に移動する。
例えば、
図4に示すように、車両200を水平レール135に沿ったままにするために、ゲート180は、第1の位置をとる。
車両200のゲートアクチュエータ230がゲート180の受動アクチュエータ190に係合すると、ゲート180は、第2の位置に上向きに枢動し、車両200は、方向転換して垂直レール130に沿って下向きに移動する。
【0110】
ゲート180上の受動アクチュエータ190は、リンケージによってゲート180に接続された、移動可能な作動面192であってもよい。
例えば、この作動面192は、枢動可能なアーム193に取り付けられてもよい。
ゲート180を作動させて第1の位置から第2の位置に動かすために、車両200のゲートアクチュエータ230は、作動面192に接触する。
この作動面192は、傾斜面の様に角度付き、車両200が、ゲート180に向かって前進すると、車両200のゲートアクチュエータ230が、作動面に係合し、アーム193を徐々に上方に移動させる。
アーム193は、リンケージによってゲート180に接続されてもよい。
したがって、アーム193が枢動すると、ゲート180も枢動する。
このようにして、
図4から
図5に示すように、車両200のゲート アクチュエータ230は、ゲート180上の受動アクチュエータ190と係合して、ゲート180を第1の位置から第2の位置に移動させる。
車両200が
図5に示すような開いたゲート180を通過した後、ゲート180は、
図4に示す閉じた位置に戻ってもよい。
ゲート180は、付勢要素又はゲート180及び/もしくはアクチュエータの重量などにより、自動で閉じてもよい。
【0111】
ここで、
図8から
図12を参照して、格納ラック35、格納ラック40の格納場所50への格納コンテナ80の挿入について、及び/又は、例えば、格納場所もしくは採取所への再配置のための格納コンテナ80の引き出しについて、より詳細に説明する。
格納場所50は、様々な構成のうちの任意のものであってもよい。
たとえば、最も単純な構成は、アイテム又はアイテムを保持する格納コンテナ80を支持するための棚である。
同様に、格納場所50は、格納機構と協働することで格納場所で格納機構を支持する、1つ以上のブラケットを含んでもよい。
【0112】
図8及び
図11から
図12に示すように、格納ラック35は、水平梁のような複数の水平支持体と相互接続されている、垂直梁のような複数の垂直支持体130を含んでもよい。
本例では、軌道110は、垂直支持梁及び水平支持梁の一部を形成してもよい。
例えば、格納ラック35は、コラムの配列を備えていてもよい。
ここで、各コラムは、複数の支持体によって形成されている。
各コラムは、2つの前方垂直支持梁と2つの後方垂直支持梁によって定義されてもよい。
図11に示されるように、前方垂直支持梁は、軌道110の垂直軌道区画130を備えてもよい。
各コラムは、複数の格納領域を含んでもよい。
具体的には、各コラムは、通路20に面する複数の第1格納領域(又はセル)と複数の遠位の第2格納領域(又はセル)とに分けられる。
各セルは、格納コンテナ80をセルに格納できるように格納コンテナ80を支持する支持要素を含む。
支持要素は、格納場所50で格納コンテナ80を支持するための様々な要素のうちの任意のものであってもよい。
たとえば、各格納場所50には、格納コンテナ80を置くことができる、棚又は他の水平支持体が含まれてもよい。
例えば、
図8及び
図11から
図12に示すように、格納ラック35は、垂直軌道区画となる垂直支持体130に取り付けられたLチャネル52などの複数のブラケットを含んでもよい。
ブラケット52は、各格納場所50の奥行きまで実質的に延在してもよい。
このようにして、各格納場所50は、隣接する複数の垂直支持体130間で延在し、一対の水平支持要素52に隣接する位置から、一対の上方水平支持体に隣接する位置又は格納ラック35の上部に隣接する位置まで、上方に延在する領域として定義されてもよい。
【0113】
さらに、
図11に示すように、各格納場所50は、格納コンテナ80が通路20に向かって内側に突出し、格納コンテナ80の内側端部が垂直支持体130を越えて内側に突出するように構成されてもよい。
言い換えると、格納コンテナ80は、(通路20に対して)格納コンテナ80の内側端部が通路20内に超えて出るように、格納場所50に格納されてもよい。
【0114】
ここで、
図9を参照すると、軌道110は、1つ以上の格納場所50が複数の格納コンテナ80を収容するのに充分な奥行きとなるように構成されてもよい。
例えば、1つ以上の格納場所50は、格納コンテナ80の少なくとも約2倍の奥行きを有し、2つの格納コンテナ80を格納することができ、一方の格納コンテナ80は、他方の格納コンテナ80の後ろに格納される。
格納場所50は、任意の数の格納コンテナ80を収容するように構成されてもよい。
例えば、格納ラック35、格納ラック40は、1つ以上の格納場所50が3つの格納コンテナ80を収容できるように構成されてもよく、その結果、格納コンテナ80は、3層の奥行きで配置される。
そのような実施形態では、格納場所50は、格納コンテナ80の長さの約3倍の奥行きがある。
同様に、格納ラック35、格納ラック40の奥行きを、格納コンテナ80の長さの約「n」倍と増大させると、奥行き「n」に格納される「n」個の格納コンテナ80を収容することができる。
ここで、「n」は、整数である。
【0115】
図9は、単一通路を有する自動格納及び取得システムにおける「n」の奥行き配置で格納コンテナ80を格納する配置を示している。
ここでは、「n」=2である。
片側に1つの格納ラックのみを含んでいてもよいが、
図9では、単一通路を有する自動格納及び取得システムは、2つの格納ラック、つまり、前方の格納ラック35と後方の格納ラック40とを有するように示されている。
さらに、格納ラック35、格納ラック40は、格納コンテナ80を2層の奥行き配置で収容するように構成されているものとして示されている。
ただし、前方の格納ラック35、後方の格納ラック40を、同じ数の格納コンテナ80を収容するように構成する必要はない。
例えば、前方の格納ラック35は、奥行き2の格納ラックとして構成されてもよく、後方の格納ラック40は、奥行き1の格納ラックとして構成されてもよい。
【0116】
以下の説明では、
図8から
図9に示す配置に関連して格納場所50を説明する。
各格納場所50は、(通路側又は内側の)第1格納領域55及び(外側の)第2格納領域57を含む。
内側の第1格納領域55及び外側の第2格納領域57のそれぞれは、格納コンテナ80を収容するように構成される。
内側の第1格納領域55は、通路20に隣接している。
外側の第2格納領域57は、内側の第1格納領域55の後方にあり、したがって、内側格納場所は、外側格納場所を通路20及び車両200から隔てている。
内側の第1格納領域55は、格納コンテナ80の長さとほぼ同じ奥行きを有する。
同様に、外側の第2格納領域57は、格納コンテナ80の長さとほぼ同じ奥行きを有する。
外側の第2格納領域57は、内側の第1格納領域55によって通路20から隔てられているため、遠隔した第2格納領域57又は遠位の第2格納領域57とみなすことができる。
奥行きが2を超える単一通路を有する自動格納及び取得システムでは、遠隔した第2格納領域57には、内側の第1格納領域55と1つ以上の外側の第2格納領域57によって通路20から隔てられた格納領域が含まれる。
【0117】
前述のように、単一通路を有する自動格納及び取得システムは、格納場所50に運搬され、格納場所50との間でアイテムを輸送する複数の車両200を含んでもよい。
特に、車両200は、アイテムを格納場所50に輸送するか、又は、格納場所50から格納コンテナ80を引き出すための積み込み/積み下ろし機構210を含んでもよい。
格納コンテナ80が2つ以上の奥行きに格納される実施形態では、単一通路を有する自動格納及び取得システムは、車両200が格納場所50の遠隔した第2格納領域57の1つに格納された格納コンテナ80を取り出すことができるように構成される。
たとえば、各車両200は、遠隔した第2格納領域57に外向きに伸びて遠隔した第2格納領域57の格納コンテナ80に係合し、格納コンテナ80を内側の第1格納領域55に移動する、かつ/又は格納コンテナ80を遠隔した第2格納領域57から車両200に積み込む、積み込み要素を含んでもよい。
あるいは、別の機構を利用して、格納コンテナ80を遠隔した第2格納領域57から内側の第1格納領域55に移動してもよい。
例えば、格納ラックは、遠隔した第2格納場所から通路20に向かって格納コンテナ80を駆動するように動作可能な駆動機構を含んでもよい。
この駆動機構は、別個に動力を供給されてもよいし、車両200の1つの駆動機構と相互作用してもよい。
さらに、別の代替案は、格納コンテナ80の一方を移動すると両方の格納コンテナ80が移動するように、遠隔した第2格納領域57内の格納コンテナ80を隣接する格納コンテナ80と相互接続することである。
例えば、遠隔した第2格納領域57内の格納コンテナ80は、内側の第1格納領域55内の格納コンテナ80と解放可能に接続されてもよい。
内側の第1格納領域55内の格納コンテナ80が、通路20に向かって移動すると、遠隔した第2格納領域57内の格納コンテナ80は、内側の第1格納領域55に向かって移動する。
【0118】
ここで
図11から
図14を参照すると、格納コンテナ80は、隣接する格納コンテナ80と接続するよう構成されている。
具体的には、格納コンテナ80は、1つ以上の隣接する格納コンテナ80と解放可能に接続するように構成される。
例えば、
図13に示されるように、解放可能なコネクタ90が、2つの隣接する格納コンテナ80A、格納コンテナ80Bを接続する。
解放可能なコネクタ90は、2つの格納コンテナ80を選択的に接続する。
このようにすることで、格納コンテナ80Aを水平方向に移動させると、格納コンテナ80Bも移動する。
加えて、解放可能なコネクタ90は、1つの方向の相対運動を阻止する一方で、第2の方向又は横方向の相対運動を可能にしてもよい。
例えば、接続部は、一方の格納コンテナ80が水平方向に変位することで、他方の格納コンテナ80も変位するように、格納コンテナ80Aと格納コンテナ80Bを接続してもよい。
同時に、一方の格納コンテナ80を他方の格納コンテナ80に対して垂直に移動できるように、解放可能なコネクタ90を構成してもよい。
図11及び
図13から
図14に示す実施形態では、解放可能なコネクタ90は、以下でさらに説明するように、2つの隣接する格納コンテナ80を接続又は切り離すための相対的な垂直移動を可能にするように構成される。
【0119】
以下の議論では、格納コンテナ80の詳細が説明される。
格納コンテナ80は、蓋のないカートン又は箱のようなものであってもよく、動作者は、採取所300で格納コンテナ80に容易に手を伸ばしてアイテムを取得できる。
本単一通路を有する自動格納及び取得システムは、格納コンテナ80を使用するものとして説明されるが、パレットや類似のプラットフォームなど、さまざまな格納機構の任意のものを使用できることを理解する必要がある。
したがって、以下の説明では、格納コンテナという用語は、パレット、プラットフォーム、トレイ、カートン、ボックス、レセプタクル又は同様の構造を含むがこれらに限定されない、アイテムを格納及び/又は支持することを目的とするアイテムを含むことが意図される。
【0120】
格納コンテナ80は、ほぼ平坦な底部83を有する直方体であってもよい。
格納コンテナ80の底部83は、実質的に水平であり、アイテムを取得するためのプラットフォームを形成する。
容器は、底部83から上方に延在する複数のほぼ垂直な壁も含んでいてもよい。
例えば、格納コンテナ80は、ほぼ平行な複数の側壁82を含んでもよい。
容器は、底部83から上方に突出する前壁84を含んでもよい。
前壁84は、側壁82を接続するために複数の側壁82の間を延在していてもよい。
さらに、容器は、底部83から上方に突出する後壁86を含んでもよい。
後壁86は、前壁84とほぼ平行であってもよい。
後壁86は、複数の側壁82の間を延在し、側壁82を接続してもよい。
したがって、格納コンテナ80の壁(82、83、84、86)は、アイテムを格納可能な内部空間を定義する。
【0121】
格納コンテナ80は、車両200と協働して格納コンテナ80を車両200の内外に輸送するように構成される、1つ以上の要素を含んでもよい。
例えば、格納コンテナ80は、車両200と協働するよう構成されるフックや、戻り止めや、ソケットや、他の物理的構造を含んでもよい。
本例では、格納コンテナ80は、車両200の積み込み/積み下ろし要素212と協働するように構成される、保持スロット又は保持溝88を含んでもよい。
保持溝88は、格納コンテナ80の下側で、底部83のよりも下に形成されてもよい。
保持溝88は、
図11及び
図13に示されるように、格納コンテナ80の前面84の後方に位置していてもよい。
保持溝88は、格納コンテナ80の幅全体に広がるよう延在してもよい。
また、保持溝88は、
図11及び
図13に示されるように、保持溝88が貫通溝となるように、両側壁82に開放端部を有してもよい。
図13に示されるように、保持溝88は、車両200の積み込み/積み下ろし機構210のバー212の厚さよりも深くてもよく、したがって、積み込み/積み下ろし機構210のバー212が水平方向に移動する際、積み込み/積み下ろし機構210のバー212は、保持溝88内に入れ子状に留まり、格納コンテナ80を内側又は外側に駆動してもよい。
また、格納コンテナ80は、後壁86の近くに第2の溝又はスロット88を含んでもよい。
第2の溝88は、第1の壁と実質的に同様に構成されてもよく、後壁86の近傍で、この後壁86の前方に位置して形成されていてもよい。
【0122】
図13及び
図14を参照すると、隣接する格納コンテナ80A、格納コンテナ80Bを解放可能に接続するための解放可能なコネクタ90が示されている。
コネクタ90を用いることで、遠隔した第2格納場所57から内側の第1格納場所55への容器の移動を容易にすることができる。
解放可能なコネクタ90は、協働するフック又はラッチであってもよい。
例えば、解放可能なコネクタ90は、一対の協働可能な前方コネクタ92B、後方コネクタ96Aから形成されてもよい。
前方コネクタ92Bは、格納コンテナ80Bの前方端部84と接続されていてもよく、後方コネクタ96Aは、格納コンテナ80Aの後方端部と接続されていてもよい。
このように、第1の格納コンテナ80Bの前方コネクタ92Bは、第2の格納コンテナ80Aの後方コネクタ96Aに解放可能に接続可能であることで、2つの格納コンテナ80Aと格納コンテナ80Bとを接続する。
実施形態では、前方コネクタ92Bは、ほぼ垂直に下向きに延びる舌状のフックである(
図14の92Bを参照)。
前方コネクタ92Bは、格納コンテナ80Bの前方端部に隣接する凹部から下方に突出している。
この例では、前方コネクタ92Bは、L字型ブラケットである。
L字型ブラケットは、格納コンテナ80Bの底部83Bにしっかりと固定接続された本体部分を有してもよい。
例えば、前方コネクタ92Bの本体部分は、実質的に水平に延びていてもよく、コネクタ92を通って格納コンテナ80B内に延びる留め具によって格納コンテナ80Bに固定されてもよい。
前方コネクタ92Bの舌部94Bは、この舌部94Bが下方に突出することで第2コネクタ96Aと係合する垂直フック又はフランジを形成するように、本体部分を横切って突出してもよい。
図13に示すように、前方コネクタ92Bは、保持溝88の前方で、格納コンテナ80Bに接続されてもよい。
保持溝88は、車両200の積み込み/積み下ろし機構210のバー212と係合するために使用される。
【0123】
後方コネクタ96Aは、第1フック92と協働する第2フックであってもよい。
後方コネクタ96Aは、格納コンテナ80Aの後方端部から後方に突出してもよい。
本例では、第2コネクタ96Aは、垂直上向きに突出するフック又はフランジを組み込んでいる。
具体的には、第2コネクタ96Aは、第1コネクタ92Bの舌部94Bを受け入れるように構成される溝又はチャネル98Aを含んでもよい。
チャネル98Aは、このチャネル98Aが後方端部86Aから後方に突出するように格納コンテナ80Aの後方端部86Aに接続していてもよい。
第2コネクタ96Aは、格納コンテナ80Aの底部83Aにしっかりと固定接続された本体部分を有してもよい。
例えば、後方コネクタ96Aの本体部分は、実質的に水平に延在するほぼ平坦な部分であり、後方コネクタ96Aを通って格納コンテナ80A内に延在する留め具によって格納コンテナ80Aに固定されてもよい。
【0124】
図14に示すように、第1格納コンテナ80Bの前方コネクタ92Bの舌部94Bは、第2格納コンテナ80Aの後方コネクタ96Aのスロット98Aに挿入され、第1格納コンテナ及び第2格納コンテナを接続する。
以下でさらに説明するように、これら2つの格納コンテナ80Aと格納コンテナ80Bとの間の接続により、格納コンテナ80の1つが移動した際にこれらの格納コンテナ80が一緒に移動できるようになる。
このようにして、第1格納コンテナ80Bを内側の第1格納場所から車両200に引っ張ると、接続された格納コンテナ80Aが遠隔した第2格納場所から内側の第1格納場所に向かって引っ張られる。
<採取所について>
【0125】
前述のように、
図1に示す本発明の単一通路を有する自動格納及び取得システム10は、車両200が格納場所50からアイテムを取得し、アイテムを採取所300に移送するように構成されてもよい。
図1、
図2A及び
図2Bを参照して、採取所300をより詳細に説明する。
【0126】
動作の1様式では、単一通路を有する自動格納及び取得システム10は、注文の履行に必要なアイテムを取得するために使用される。
注文は、異なる部署での製造工程に必要な部品等の内部注文である場合や、顧客に対して履行及び出荷される顧客注文である場合がある。
いずれの場合も、単一通路を有する自動格納及び取得システムは、格納領域からアイテムを自動的に取得し、採取所300にアイテムを運んで、動作者が必要な数のアイテムを格納コンテナ80から採取できるようにする。
アイテムが格納コンテナから採取された後、車両200は、前進し、注文に必要な次のアイテムを前進させる。
単一通路を有する自動格納及び取得システムは、この態様で動作を継続して、動作者が注文に必要なすべてのアイテムを採取できるようにする。
【0127】
本例では、採取所300は、格納場所の配列の一端に配置される。
しかし、複数の採取所300を軌道110に沿って配置するのが望ましい場合がある。
たとえば、第2の採取所を、格納場所の配列の他端に沿って配置することができる。
あるいは、複数の採取所を一端に設けることもできる。
例えば、第2採取所が、通路の一端の第1採取所の上に位置していてもよい。
【0128】
採取所300は、車両200が上方に移動して動作者に中身を提示し、それによって動作者が格納コンテナ80からアイテムを容易に取得できるように構成されていてもよい。
図1を参照すると、採取所300では、上方に湾曲して動作者から離間する湾曲の移動軌道区画315が軌道に含まれている。
これにより、車両200は、上方に移動し、動作者が格納コンテナ80からアイテムを取り出しやすい高さで停止する。
動作者が格納コンテナ80からアイテムを取り出した後、車両200は、横方向で動作者から離間し、垂直方向で上方水平レール(上方水平軌道区画)135に向けて移動する。
【0129】
単一通路を有する自動格納及び取得システムは、車両200が採取所300で傾斜し、それによって、動作者が格納コンテナ80からアイテムを取得しやすくするように構成可能である。
たとえば、車両200が採取所300に近づいたときに、制御装置で、前方の車輪が停止した後も、後方の車輪が移動し続けるように車両200を制御できる。
これにより、(動作者の視点で)車両200の後端が持ち上がる。
動作者がアイテムを格納コンテナ80から採取した後、(動作者に対して)前方の車輪が、まず、移動して、車両200を水平にする。
水平になった後、4つの車輪は、同期して駆動する。
【0130】
車両200の動作を制御することにより車両200を傾けることが可能であるが、車両200の車輪が、上述したように軌道の歯にかみ合う歯付き車輪220のように、軌道の駆動要素にしっかりと噛み合っている場合、後輪車輪が前方車輪と異なる速度で駆動されると、車輪220が動かなくなる可能性がある。
よって、軌道が移動して格納コンテナ80を動作者の方へ傾けるように、軌道システムを改良してもよい。
【0131】
図1及び
図2を参照し続けながら、採取所300における軌道システムの詳細について、より詳しく説明する。
格納場所のコラムの端部で、軌道が軌道システムの垂直コラムから外側に向けて湾曲し、採取所300の湾曲移動軌道区画315を形成する。
採取所300のこの軌道区画は、車両200の前方の軸215を支持及び案内する平行な前方軌道区画と、車両200の後方の軸215を支持及び案内する平行な後方軌道区画と、を含む。
前方軌道区画は、上方に垂直に延在し、次に湾曲して格納場所の垂直コラムに戻る。
後方軌道区画は、前方軌道区画と略平行であり、前方軌道区画と略同様に湾曲する。
これにより、前方軌道区画及び後方軌道区画は、車両200が湾曲移動軌道区画315に沿って移動するときに略水平な向きを維持できるように車両200を案内する。
【0132】
後方軌道区画は、車両200が採取所300で停止している間に、車両200の後方の軸を上昇させることができるように構成される。
車両200の後方の軸を上昇させることで、車両200の格納コンテナ80が傾斜して、動作者の採取作業を容易にするように格納コンテナ80の中身が提示される。
【0133】
採取所300は、この採取所300の効率を向上させるために、複数のアイテムを備えてもよい。
たとえば、採取所300は、動作者を支援するために、情報を表示するモニタを備えてもよい。
車両200が採取所300に近づくときに、単一通路を有する自動格納及び取得システム10は、注文に対して格納コンテナ80から取得する必要があるアイテムの数などの情報を表示してもよい。
加えて、動作者は複数の注文のアイテムを取得する場合があるため、単一通路を有する自動格納及び取得システムは、各注文に対して取得する必要があるアイテムの数に加えて、取得するアイテムの対象の注文を表示してもよい。
さらに、単一通路を有する自動格納及び取得システムは、動作者が適切な数のアイテムを格納コンテナ80から取得した後に格納コンテナ80に残っているべきアイテムの数などの情報もまた表示してもよい。
【0134】
上述した単一通路を有する自動格納及び取得システムの利点の1つは、車両200が(上方レール又は下方レールに沿った)水平移動から(いずれかの列を下降する)垂直移動に移行する際に、車両200の向きが、実質的に変わらないことである。
詳細には、車両200が水平に移動しているとき、前方の2つの歯付き車輪220は、前方軌道115の上方水平レール135又は下方水平レール140と連携し、後方の2つの歯付き車輪220は、後方軌道120の対応する上方水平レール135又は下方水平レール140と連携する。
車両200がゲートを通過してコラムに入ると、前方の2つの歯付き車輪220が、前方軌道115の一対の垂直区間130と係合し、後方の2つの歯付き車輪220が、後方軌道120の対応する垂直区間130と係合する。
なお、車両200の水平方向に対する向きが変化しないというのは、車両200が軌道に沿って移動することを意味している。
車両200は、採取所で水平方向に対して傾斜していても、軌道110に沿って移動する際は、水平方向に対して実質的に一定の向きを維持する。
【0135】
車両200が、水平レールから垂直コラムへ、又は垂直コラムから水平レールへ移動するとき、軌道110は、4つの歯付き車輪220のすべてを同じ高さに位置させる。
これにより、車両200が軌道110を移動して水平移動と垂直移動とを移行するときに、歪んだり傾斜したりしない。
加えて、車両200を単一の軸で構成するのが望ましい場合がある。
そのような構成では、車両200は、上述した実質的に水平な向きではなく、実質的に垂直な向きになる。
単一軸の構成では、車両200の重量により、車両200の向きが維持される。
ただし、単一軸の車両200を使用する場合、格納場所の向きは、車両200の垂直の向きに合わせて再構成される。
<動作について>
【0136】
中央制御装置がアイテムの適切な格納場所50を決定すると、採取所300を離れる車両200の経路が決定されてもよい。
具体的には、中央制御装置は、車両200の経路を決定し、アイテムの運搬先の格納場所に関する情報を車両200に伝えてもよい。
次に、中央制御装置は、車両200の動作を制御し、アイテムの運搬先となる格納場所50に車両200を向かわせるために必要になる、軌道110に沿うゲート180を動作させる。
車両200が、適切な格納場所50に到着すると、車両200は、格納場所50で停止し、格納コンテナ80は、適切な格納場所50に移動する。
例えば、車両200が適切な格納場所50で停止し、車両200上の車載コントローラが、バー212を前進させる駆動チェーン214を駆動する適切な信号を車両200に送ってもよい。
バー212は、格納コンテナ80のスロット88に係合するので、バー212は、格納コンテナ80を車両200から離れる方向に駆動し、適切な格納場所50へと駆動する。
【0137】
アイテムを排出した後、車両200は、第2の格納場所に移動して、採取所300に運ぶ次のアイテムを取得してもよい。
アイテムを取得した後、車両200は、コラムの垂直軌道区間130を下方に移動して下方レール140に到達してもよい。
ゲート180が、車両200を下方レール140に沿って送ってもよく、車両200は、下方レール140をたどって採取所300に戻って別のアイテムを運搬してもよい。
【0138】
車両200が空の格納場所に格納コンテナ80を配送する場合、車両200は、上述のように動作する。
同様に、別の格納コンテナ80に接続されていない格納コンテナ80を車両200が取得する場合にも、車両200は、上述のように動作する。
具体的には、車両200は、格納コンテナ80に隣接して停止する。
積み込み/積み下ろし機構210が前進して格納コンテナ80と係合した後、格納コンテナ80を車両200上に引き寄せる。
反対に、既に格納コンテナ80を収容している格納場所50に置かれる格納コンテナ80を車両200が運ぶ場合、車両200の動作が変更される。
同様に、車両200が遠隔格納場所の格納コンテナ80に接続されている格納コンテナ80を取得中である場合、車両200の動作が変更される。
【0139】
ここで、
図9及び
図10Aから
図10Hを参照して、格納コンテナ80「n」個分の奥行きを有する格納場所50から格納コンテナ80を取得する際の車両200の動作について説明する。
図9は、格納コンテナ80の2つの格納ラック35、格納ラック40が示されている実施形態を示す。
これらの格納ラック35、格納ラック40は、通路20によって互いに隔てられており、車両200は、格納ラック間の空間内を移動する。
図示の実施形態では、格納ラック35、格納ラック40は、2つの格納コンテナ80を格納するのに充分な奥行きを有する格納場所50を含む。
格納コンテナ80を収容する格納場所50の、通路20に隣接する部分を、この説明では、内側セルと呼び、55で示す。
内側セル55の背後の格納場所50の部分を、遠隔セルと呼び、57で示す。
【0140】
図示された実施形態では、各格納コンテナ80は、格納コンテナ80の前端部に接続された前方コネクタ92と、格納コンテナ80の後端部に接続された後方コネクタ96とを含む。
遠隔セル57内の格納コンテナ80の前方コネクタ92は、内側セル55内の格納コンテナ80の後方コネクタ96と接続して、90で示される解放可能な接続を形成する。
【0141】
図9では、格納コンテナ80Bは、内側セル55に格納されている格納コンテナ80Aの後ろの遠隔セル57に格納されている。
格納コンテナ80A、格納コンテナ80Bは、コネクタ90などのコネクタによって互いに解放可能に接続されている。
格納コンテナ80A、格納コンテナ80Bは、一般的に、水平方向から見て整列している。
車両200は、格納コンテナ80Aを収容している格納場所に隣接する位置で停止する。
車両200は、空である(すなわち、車両200には、格納コンテナが搭載されていない)。
積み込み/積み下ろし機構210は、
図9に示されるように、格納コンテナ80Aに係合する。
例えば、
図11及び
図12に示されるように、格納コンテナ80の前端部は、軌道(例えば、垂直軌道区間130)を越えて通路20内に延在してもよい。
特に、格納コンテナ80の輸送溝88は、通路20内に延在してもよい。
積み込みバー212は、この積み込みバー212が輸送溝88に挿入されるまで、車両200のプラットフォームから離れて、格納コンテナ80に向かって外向きに延伸する。
【0142】
図10Aを参照すると、積み込み/積み下ろし機構210は、格納コンテナ80Aを車両200上に引っ張る。
内側セル55の格納コンテナ80Aが第1セルから車両200上に引っ張られると、格納コンテナ80Aは、遠隔セル57である第2セルの格納コンテナ80Bを内側セル55である第1セルに向かって引っ張る。
具体的には、コネクタ90が、内側の格納コンテナ80Aと遠隔した格納コンテナ80Bとを接続しているので、格納コンテナ80Aと格納コンテナ80Bは、共に水平に移動する。
【0143】
図10Bを参照すると、格納コンテナ80Aが、その上部の格納場所内の格納コンテナ80Bから離れるまで、車両200は、格納コンテナ80Aを車両200のプラットフォーム上に移動し続ける。
格納コンテナ80Aが移動することで、遠隔セル57の格納コンテナ80Bが、内側セル55内に引き込まれる。
その結果、格納ラック内で格納コンテナ80Aが占めていた場所を、格納コンテナ80が占めるようにする。
図10Bでは、格納コンテナ80Bを内側セル55に引き込むことにより、格納コンテナ80Bの背後の遠隔セル57が空になっていることが分かる。
【0144】
上述のように、車両200の積み込み/積み下ろし機構210は、内側の格納コンテナ80Aを車両200上に積み込み、次に、遠隔セル57の格納コンテナ80Bが異なる格納場所(この場合は、内側セル55)に移動するまで遠隔セル57の格納コンテナ80Bを水平に移動させる。
格納コンテナ80Aを車両200上に移動し続けると、2つの格納コンテナは、接続されたままであるため、格納コンテナ80Bを通路20内に、場合によっては、車両200上に引き込む。
したがって、格納コンテナ80Bを新しい格納場所(すなわち、内側セル55)に移動すると、解放可能な接続90を切り離し、それにより、2つの格納コンテナ80A、第2格納コンテナ80Bが切り離される。
【0145】
格納コンテナ80A、格納コンテナ80Bは、格納コンテナ80を相互接続する機構に応じて、さまざまな方法で切り離されてもよい。
前述のように、コネクタ92、コネクタ96は、2つの格納コンテナ80間の解放可能な接続を提供するさまざまなコネクタのいずれでもよい。
コネクタは、機械式でも電気機械式でもよい。
例えば、コネクタ92、96は磁気素子であってもよく、その一方は、電磁石を含んでもよい。
電磁石は、消磁して格納コンテナ80を切り離すことで、第2の格納コンテナに対する第1の格納コンテナの相対運動を容易にしてもよい。
あるいは、上述のように、コネクタ92、コネクタ96は、一対のフック又は舌部と溝部による構成などの機械的コネクタであってもよい。
したがって、格納コンテナ80A、格納コンテナ80Bを切り離すために、コネクタ92、コネクタ96の係合が解除される。
実施形態では、格納コンテナ80の1つを他の格納コンテナ80に対して垂直に変位させることにより、コネクタ92、コネクタ96の係合が解除される。
【0146】
図10Cを参照すると、第1の格納コンテナ80Aが、車両200上に積み込まれ、格納コンテナ80Aが、コラム内の直上又は下の格納コンテナから離れると、格納コンテナ80Aは、垂直に移動して格納コンテナ80Aを格納コンテナ80Bから切り離す。
図13から
図14に示されるように、コネクタ92Bの舌部94Bは、コネクタ96Aの溝98A内に下向きに突出してもよい。
したがって、
図14に示すように、コネクタ92Bの舌部94Bが、溝98Aから外れるまで、車両200は、下方に移動して第1格納コンテナ80Aを垂直方向下方に変位させる。
このように、車両200を変位させると、第1格納コンテナ80Aが第2格納コンテナ80Bから垂直方向に切り離される。
コネクタ92B、コネクタ96Aは、車両200を下降させるのではなく、車両200を上方に移動させることによりコネクタを切り離すように、異なる構成が可能である。
【0147】
ここで、
図10Dを参照すると、第1の格納コンテナ80Aが、第2の格納コンテナ80Bから切り離された後、格納コンテナ80Aは、第2の格納コンテナ80Bから離れて車両200上で水平に移動する。
車両200がコラム内で垂直方向に上下に移動するときに、格納コンテナ80が、格納ラック内の車両200のいずれにも干渉又は係合しないように、第1の格納コンテナ80Aは、通路20内の中央にくるまで水平に移動する。
格納コンテナ80Aが車両200に完全に搭載されると、車両200は、採取所300又は他の輸送場所に、又は異なる格納場所に進んでもよい。
例えば、車両200は、下方水平レールまで下降し、次に、下方水平レールに沿って移動することで、格納コンテナ80Aを採取所300に配送してもよい。
あるいは、格納コンテナ80Aを別の格納場所に移送し、その格納場所に積み下ろしてもよい。
【0148】
車両200上の第1格納コンテナ80Aを、80Cで示される第3格納コンテナが位置する格納場所に積み下ろすステップが、
図10Eから
図10Hに関連して以下に説明される。
車両200は、第3格納コンテナ80Cが格納されている格納ラック40の内側セル55である第3セルに隣接する位置に移動する。
格納コンテナ80Aは、車両200から第3格納コンテナ80Cに積み下ろされる。
格納コンテナ80Aが積み下ろされると、格納コンテナ80Aは、第3格納コンテナ80Cを格納ラック内の格納場所のより奥に押し込む。
そうすることにより、格納コンテナ80Cが、内側セル55である第3セルから遠隔セル57に水平に移動する。
第1格納コンテナ80Aを下ろし、格納コンテナ80Cを移動するプロセスの間、第1格納コンテナ80Aは、第3格納コンテナ80Cに接続される。
前述のように、2つの格納コンテナ80のコネクタは、さまざまな方法で接続されてもよい。
本例では、格納コンテナ80は、格納コンテナ80の一方を他方に対して移動することで接続される。
具体的には、第1格納コンテナ80Aが、第3格納コンテナ80Cに対して垂直に変位することで、2つの容器を接続する。
【0149】
再び、
図10Eを参照すると、第1格納コンテナ80Aを積み下ろすために、第1格納コンテナ80Aが第3格納コンテナ80Cよりも垂直に高く配置されるまで、車両200は、軌道に沿って移動する。
具体的には、第1格納コンテナ80Aの前方コネクタが第3格納コンテナ80Cの後方コネクタの上に位置するように、車両200は、格納コンテナ80に隣接する位置に駆動される。
次に、
図10Fに示すように、第1格納コンテナ80Aを第3格納コンテナ80Cに向かって水平に移動させることで、車両200から格納コンテナを部分的に積み下ろす。
本例では、第1格納コンテナ80Aの前方コネクタが、第3格納コンテナ80Cの後方コネクタに倣うまで、第1格納コンテナ80Aを移動する。
特に、車両200の積み込み/積み下ろし機構210は、前方コネクタ92の舌部94が、第3格納コンテナ80Cの後方コネクタ96の溝98に倣うまで、第1格納コンテナ80Aを水平方向に移動させる。
【0150】
格納コンテナ80Aと格納コンテナ80Cのコネクタが位置合わせされると、車両200は、格納コンテナ80を接続するために垂直に移動する。
具体的には、
図10Gを参照すると、車両200は、下方に移動することで、第1格納コンテナ80Aと第3格納コンテナ80Cを水平方向に整列させ、2つの格納コンテナ80を相互接続する。
第1格納コンテナ80Aが格納場所と水平に整列すると、
図10Hに示すように、第1格納コンテナ80Aは、車両200から格納場所に積み下ろされる。
例えば、本実施形態では、車両200の積み込み/積み下ろし機構210は、第1格納コンテナ80Aを車両200から動かし、第3格納コンテナ80Cが配置されていた内側セル55に移動させる。
第1格納コンテナ80Aが内側セル55内に移動させると、第1格納コンテナ80Aは、第3格納コンテナ80Cを格納場所の奥に押し込み、第3格納コンテナ80Cが(
図10Gに57で示される)遠隔セル57内に移動する。
【0151】
上述のように、第1格納コンテナ80Aは、第3格納コンテナ80Cに隣接する位置に移動される。
そして、第1格納コンテナ80Aを格納ラックに積み下ろす前に、2つの格納コンテナを接続する。
このようにして、その後、第1格納コンテナ80Aが取得される際、遠隔セル57内の第3格納コンテナ80を通路20に向かって引っ張ることが可能になるように、格納コンテナ80は、接続される(例えば、
図10Aから
図10D及び上記の説明を参照)。
しかしながら、第1格納コンテナ80Aを積み下ろして第3格納コンテナ80Cを遠隔セル57に移動するために格納コンテナ80を接続する必要がない。
具体的には、第1格納コンテナ80Aが、第3格納コンテナ80Cを後方セルに後方に押し込むので、第1格納コンテナ80Aを積み下ろす前に格納コンテナ80を接続する必要はない。
したがって、前方コネクタと後方コネクタの構成によっては、第1格納コンテナ80Aが車両200から積み下ろされた後に、格納コンテナが互いに接続される場合がある。
【0152】
したがって上述のように、システムは、複数奥行きの格納場所を組み込むよう構成されてもよい。
複数奥行きの格納場所で、複数の格納コンテナ80が共通の水平格納場所で、前後に格納される。
共通の水平格納場所にある格納コンテナ80は、相互接続されてもよく、共通の格納場所にある格納コンテナ80の1つを取得すると、共通の格納場所にある他の格納コンテナ80が車両200に向かって前方に移動する。
上述の説明では、第1格納コンテナ80Aが運搬車両上に積み込まれ、それにより、格納コンテナ80を遠隔セル57から内側セル55に引き込むことで、その格納コンテナ80が内側セルから取得可能になる動作を説明した。
その後、車両200は、第1格納コンテナ80Aを別の格納場所に配送し、その後に戻って内側セル55に移動した第2格納コンテナを取得可能である。
あるいは、特定の例では、(
図9に示す格納コンテナ80A及び格納コンテナ80Bのような)2つの格納コンテナ80を収容する格納場所は、その2つの格納コンテナ80と垂直及び水平に整列した空の格納場所の向かい側に位置してもよい。
そのような場合、第1格納コンテナ80Aは、車両200上に積み込まれ、それにより、第2格納コンテナ80Bを車両200に引っ張ってもよい。
上述のように、2つの格納コンテナ80を切り離すのではなく、第1格納コンテナ80Aをさらに水平方向に移動させて、格納コンテナ80を対向する格納ラックの格納場所に積み下ろす。
第1格納コンテナ80Aが格納場所に積み下ろされると、第2格納コンテナ80Bが車両200上に引っ張られる。
次に、車両200が、採取所300又は別の格納場所に第2格納コンテナ80Bを配送できるように、第2格納コンテナ80Bを第1格納コンテナ80Aから切り離すことができる。
たとえば、車両200を垂直方向に移動して、第2格納コンテナ80Bを第1格納コンテナ80Aから切り離すことができる。
【0153】
前述の説明では、格納コンテナ80が複数奥行きの格納場所に格納されるシステムについて説明した。
遠隔セル57内の格納コンテナ80の前にある格納コンテナ80を最初に取得する格納コンテナ80によって、複数奥行きの格納場所の遠隔セル57内の格納コンテナ80が取得されてもよい。
取得された格納コンテナ80は、その後、車両200によって移送される。
取得された格納コンテナ80は、次に別の場所に格納され、車両200が戻って来て遠隔セル57にあった格納コンテナ80を取得可能であってもよい。
あるいは、第1車両が、遠隔セル57内の格納コンテナ80の前にある格納コンテナ80を取得し、第2車両が来て、遠隔セル57内に位置していた車両200を取得してもよい。
<複数の通路構成について>
【0154】
ここで、
図15Aから
図15Fを参照すると、本発明の実施形態である複数通路を有する自動格納及び取得システム1500の側面図が示されている。
図15Aから
図15Fによって、通路間のコンテナ輸送動作が示されている。
このような輸送動作により、格納ラック1510、格納ラック1512、格納ラック1514、又は、格納ラック1514の任意の格納ラックの任意の格納場所から任意の格納コンテナ1580を取り出すことが可能になり、位置PS1及び位置PS2にそれぞれ位置する既存の採取所1530及び採取所1532や、例えば、位置PS3に位置する任意の採取所に配送可能である。
【0155】
図15Aから
図15Fには、採取所1532で取得する必要がある1つ以上のアイテムを含む格納コンテナ1580Aが、通路1520A内で移動可能な車両200Aのような車両のみにアクセス可能な格納領域から、通路1520B内を移動可能な車両200Bのような車両のみにアクセス可能な格納領域へと輸送される動作が示されている。
この目的のために、
図15Aに示される車両200Aは、通路1520Aの上部付近の最初の実線の位置から、完全に空の格納場所1550の近くの点線の位置へと格納コンテナ1580Aを運ぶよう示される。
ここで、完全に空の格納場所1550は、空の格納場所1555と格納場所1557とを有する。
格納場所1550のように完全に空の格納場所を選択すると、通路1520Aと通路1520Bとの間の輸送に影響する、必要なコンテナ配置動作の数が最小限になる。
【0156】
図15Bに示されるように、格納コンテナ1580Aは、通路1520Aに面する格納領域1550に最初に輸送される。
図1から
図14に関連して説明され、
図15Cに示すように、格納コンテナ1580Bは、格納ラック1510内の、通路1520Aに面する格納場所から引き出される。
より迅速な輸送動作のために、格納コンテナ1580Bは、格納領域1550からの近さと、格納コンテナ1580Bをその背後で接続された(格納コンテナ1580Cのような)格納コンテナからまず切り離す必要がなく移動可能かどうかと、に基づいて選択される。
本実施例では、格納コンテナ1580B及び格納コンテナ1580Cそれぞれを
図15Dに示す位置に移動する前に格納コンテナ1580Bを格納コンテナ1580Cから切り離すよう、
図9から
図10Gに関連して説明した切り離し動作が実行される。
このプロセスでは、格納コンテナ1580Aは、通路1520Aに面する格納領域1555から通路1520Bに面する格納領域1557に進む。
【0157】
図15Eでは、第2車両200Bが格納領域1557と整列していることが分かる。
前述のコンテナ抽出システムの動作により、格納コンテナ1580Aは、格納領域1557から引き出され、同時に、その背後の格納コンテナ1580Bが、格納領域1557に進む。
その後、
図15Fに示すように、第2車両200Bは、格納コンテナ1580Aを採取所1532に移動する。
当業者は容易に理解するように、逆方向(例えば、採取所1532から格納ラック1510の格納場所へ)の移動は、上記の動作を逆にすることにより達成される。
同様に、位置PS3の採取所への格納コンテナ1580Aの配送を可能にするために、プロセスが繰り返されてもよい。
【0158】
図16は、1600で示されるさらに別の複数通路を有する自動格納及び取得システムを示している。
格納コンテナの通路から通路への輸送は、奥行きn及び1の格納場所を交互に配置することで簡略化される。
この配置は、背中合わせの2つの格納領域を定義する格納ラック1610、格納ラック1614及び格納ラック1618と、1つ分の奥行きの格納領域を定義する格納ラック1612及び格納ラック1616と、を有する。
格納コンテナ1680Aのように、格納コンテナは、これらの格納ラックを通過して輸送可能であり、採取所1630、採取所1632、採取所1634又は採取所1636のいずれかで採取可能である。
図16に示すように、各格納ラックは、格納ラック1610、格納ラック1614、及び格納ラック1618のように、複数の格納コンテナ1680を収容するのに充分な奥行きの格納場所を含んでもよい。
あるいは、各格納ラックは、格納ラック1612及び格納ラック1616のように、単一の格納コンテナ1680を収容するのに充分な奥行きの格納場所を含んでもよい。
各格納ラックの奥行きは、特定の用途に応じて様々であってもよい。
しかしながら、格納ラックの奥行きに関係なく、各通路は、車両200を支持及び案内するための軌道110を各側に含む。
したがって、2つの通路の間にある格納ラックは、格納ラックの各側に軌道を含む。
例えば、通路1620Aは、格納ラック1610と格納ラック1612との間に形成される。
格納ラック1610は、端部の格納ラックであり、したがって、通路1620Aに面する格納ラック1610の片側に第1の軌道110Aが取り付けられている。
格納ラック1612は、通路1620Aと通路1620Bの間にある内部ラックであり、したがって、格納ラック1612は、通路1620Aに面する側に取り付けられた第1軌道110Bと、通路1620Bに面する側に取り付けられた第2軌道とを含む。
図16に示される軌道は、
図3Aに示されている垂直軌道区間130のような垂直区間の一部の部分図であることに留意されたい。
図16の軌道110A、軌道100B、軌道110C、軌道110Dは、複数の水平軌道を相互接続する複数の垂直軌道を有する、
図3aに示す軌道と同様に、構成されてもよい。
さらに、前述のように、軌道は、さまざまな構成で設計されてもよい。
図16に示すように構成された車両200Aは、通路1620A内を走行し、一方の側が軌道110Aにより、他方の側が軌道110Bにより支持され案内される。
車両200Aは、この車両200Aと格納ラック1610又は格納ラック1612のいずれかとの間で、格納コンテナ1680Aのような格納コンテナを輸送可能である。
同様に、車両200Bは、通路1620B内を移動し、一方の側が軌道110Cにより、他方の側が軌道130Dにより支持及び案内される。
このようにして、車両200Bは、この車両200Bと格納ラック1612又は格納ラック1614との間で、格納コンテナ1680Bなどの格納コンテナを輸送可能である。
さらに、隣接する通路間で格納コンテナを輸送できるため、格納コンテナ1680を第1通路から第2通路に輸送でき、第2通路の採取所にアイテムを配送可能である。
【0159】
ここで、
図17を参照すると、自動材料取り扱いシステム1700の実施形態が示されている。
この自動材料取り扱いシステム1700は、複数の格納ラック1710、格納ラック1712、格納ラック1714、格納ラック1716を含む。
各格納ラック1710、格納ラック1712、格納ラック1714、格納ラック1716は、複数の格納場所1757を含む。
上述のように、格納場所の格納ラックは、コラムの配列や列の配列のように、格納場所の配列として構成されてもよい。
隣接する格納ラックの間に、通路1720A、通路1720B、通路1720Cのような通路が形成される。
自動材料取り扱いシステム1700は、通路内を移動する複数の車両を含む。
前述のように、各車両は、通路内の軌道によって案内される。
例えば、格納ラック1710の第1の側に隣接して位置する第1軌道110Aは、通路1720A内の車両200Aの第1の端部を案内及び支持し、格納ラック1712の第1の側に隣接する第2軌道110Bは、通路1720Aで車両200Aの第2の端部を案内及び支持する。
同様に、格納ラック1712は、格納ラック1712の第2の側に隣接して配置された軌道110Cを含む。
格納ラック1712に隣接して配置された軌道110Cは、通路1720Bの車両200Bを支持する軌道の一部を形成する。
このように、2つの通路の間に配置される格納ラックには、軌道110Bと軌道110Cとの間に配置される格納ラック1712や、軌道110Dと軌道110Eとの間に配置される格納ラック1714のように、格納ラックの両側の軌道が含まれる。
【0160】
図17に示すように、ある通路に格納されている格納コンテナを別の通路に輸送可能なように、隣接する通路間で格納コンテナを移動可能となり、これにより、格納コンテナを採取所に運搬可能である。
このようにすると、各採取所は、すべての通路のすべての格納コンテナにアクセスできる。
例えば、
図17では、格納コンテナ1780は、第3通路1720Cにある位置1757Dに元々格納されている。
車両200Cは、第3通路1720C内で動作する。
したがって、車両200Cは、車両200Cが格納場所1757Dに倣うように、軌道110E、軌道110Fに沿って第3通路1720C内を移動可能である。
次に、格納コンテナ1780は、車両200C上に輸送される(以下に説明するように、格納コンテナ1780が続いて車両200Bに輸送されるため、格納コンテナ1780は、車両200C上に破線で示されることに留意されたい)。
次に、車両200Cは、格納コンテナ1780を、第3通路1720Cと第2通路1720Bとの間にある格納ラック1714の格納場所に輸送する。
状況によっては、車両200Cは、格納コンテナを反対側の格納ラック1714に直接輸送可能であってもよい。
ただし、
図17に示す例では、車両200Cは、格納ラック1714の位置1757Cに向かって上方に移動する。
【0161】
格納コンテナ1780が最初の格納ラック1710から2番目の格納ラック1712に移動した後、第2通路1720B内の車両200Bは、格納コンテナ1780を取得してもよい。
上述のように、車両200Bは、この車両200Bが格納場所1757Cと整列するまで、軌道110C及び軌道110Dに沿って移動することにより格納コンテナ1780を取得する。
次に、
図17に示すように、格納コンテナ1780は、第2車両200B上に輸送される。
車両は、通路1720Bに沿って配置された採取所1732に格納コンテナ1780を移送するように動作可能である。
さらに、車両200Bは、アイテムの格納コンテナ1780を格納場所1757Bに配送することができ、そうすることで、通路1720A内の車両200Aは、位置1757Bから格納コンテナ1780を取得可能である。
このようにして、車両200Aは、格納コンテナ1780を採取所1730に配送可能である。
さらに、アイテムの格納コンテナ1780を採取所1730に配送した後、車両200Aは、格納コンテナ1780を格納ラック1710の空の格納場所1757Aに格納してもよい。
【0162】
上記から、自動格納及び取得システムは、車両が移動する1つ以上の通路を形成する複数の格納ラックを含んでもよい。
自動格納及び取得システムに2つ以上の通路が含まれる場合、1つ以上の格納ラックが2つの通路に隣接するように格納ラックを構成してもよい。
したがって、ある通路の車両からそのような格納ラックに輸送されたアイテムは、隣接する通路の車両によって取得可能である。
2つの通路に隣接する格納ラックは、奥行きnの格納ラックであり、これは、格納ラック内の格納場所が複数の格納コンテナを収容するのに充分な奥行きであることを意味する。
2つの通路に隣接する格納ラックは、単一奥行きの格納ラックであり、これは、格納ラック内の格納場所が単一の格納コンテナを収容するのに充分な奥行きであることを意味する。
【0163】
本発明の発明概念から逸脱することなく、上述の実施形態に変更又は修正を加えることができる。
したがって、本発明は、本明細書に記載の特定の実施形態に限定されない。
【手続補正書】
【提出日】2022-12-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正書】
【提出日】2023-02-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の格納場所からコンテナを格納及び取得する方法であって、
複数の列又は行内に配置されている格納場所の第1グループを提供するステップと、
複数の列又は行内に配置されており、通路によって前記第1グループから隔てられている、格納場所の第2グループを提供するステップと、
格納場所の前記第1グループ又は前記第2グループの第1格納場所へと前記通路内を垂直上方に第1車両を駆動するステップと、
前記第1車両から前記第1格納場所へと前記第1格納コンテナを積み下ろすステップと、
前記第1格納場所で前記第1格納コンテナを第2格納コンテナと解放可能に接続するステップと、
前記第1車両から前記第1格納場所へと前記第1格納コンテナを積み下ろすステップの後に、格納場所の前記第1グループ又は前記第2グループの第3格納場所へ前記第1格納場所から前記第1車両を移動させるステップと、
前記第3格納場所から前記第1車両上へ第3格納コンテナを積み込むステップと、
前記第1格納コンテナと前記第2格納コンテナとを解放可能に接続する前記ステップの後に、第2車両上へ前記第1格納コンテナを積み込むステップであって、該積み込むステップの間、前記第1格納コンテナが前記第2格納コンテナを前記第2車両に向かって引っ張る、第2車両上へ前記第1格納コンテナを積み込むステップと、を含む、複数の格納場所からコンテナを格納及び取得する方法。
【請求項2】
前記第1格納コンテナを前記第2格納コンテナから切り離すステップを含む、請求項1に記載の複数の格納場所からコンテナを格納及び取得する方法。
【請求項3】
前記第1格納コンテナを第2格納コンテナと解放可能に接続するステップが、前記第2格納コンテナに対して垂直に前記第1格納コンテナを移動させるステップを含む、請求項1に記載の複数の格納場所からコンテナを格納及び取得する方法。
【請求項4】
前記第1格納コンテナを前記第2格納コンテナから切り離すステップが、前記第2格納コンテナに対して垂直に前記第1格納コンテナを移動させるステップを含む、請求項1に記載の複数の格納場所からコンテナを格納及び取得する方法。
【請求項5】
前記第1車両から前記第1格納場所へと前記第1格納コンテナを積み下ろすステップが、前記第2格納コンテナに向かって前記第1格納コンテナを押すことで、前記第1格納場所内のさらに奥に前記第2格納コンテナを動かす、前記第2格納コンテナに向かって前記第1格納コンテナを押すステップを含む、請求項1に記載の複数の格納場所からコンテナを格納及び取得する方法。
【請求項6】
前記第3格納場所から前記第1車両上へ第3格納コンテナを積み込むステップが、前記第3格納場所へ第4格納コンテナを移動させるステップを含む、請求項1に記載の複数の格納場所からコンテナを格納及び取得する方法。
【請求項7】
前記第4格納コンテナから前記第3格納コンテナを切り離すステップを含む、請求項6に記載の複数の格納場所からコンテナを格納及び取得する方法。
【請求項8】
前記通路内を、前記通路の端部の出力所へと前記第2車両を駆動するステップを含む、請求項1に記載の複数の格納場所からコンテナを格納及び取得する方法。
【請求項9】
前記通路に平行な経路に沿って前記第1車両を駆動するステップを含む、請求項1に記載の複数の格納場所からコンテナを格納及び取得する方法。
【請求項10】
前記通路内のゲートを移動させることで前記第1車両が前記通路内を移動する前記経路を制御する、ゲートを移動させるステップを含む、請求項9に記載の複数の格納場所からコンテナを格納及び取得する方法。
【請求項11】
前記第1車両上の電力貯蔵要素を再充電するステップを含む、請求項1に記載の複数の格納場所からコンテナを格納及び取得する方法。
【請求項12】
前記通路内を垂直上方に第1車両を駆動するステップが、前記通路の第1の側に隣接している第1駆動要素を駆動することと、前記通路の第2の側に隣接している第2駆動要素を同時に駆動することとを含む、請求項1に記載の複数の格納場所からコンテナを格納及び取得する方法。
【請求項13】
前記通路内を垂直上方に第1車両を駆動するステップが、前記第1駆動要素と前記第2駆動要素とを同期的に駆動すること含む、請求項12に記載の複数の格納場所からコンテナを格納及び取得する方法。
【請求項14】
前記第1格納場所から前記第1車両を駆動するステップが、前記通路内で垂直に前記第1車両を駆動することを含む、請求項1に記載の複数の格納場所からコンテナを格納及び取得する方法。
【請求項15】
前記第1格納場所から前記第1車両を駆動するステップが、前記通路内で水平に前記第1車両を駆動することを含む、請求項14に記載の複数の格納場所からコンテナを格納及び取得する方法。