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特開2023-30101ロボットマニピュレータを制御するためのコンソール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023030101
(43)【公開日】2023-03-07
(54)【発明の名称】ロボットマニピュレータを制御するためのコンソール
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/37 20160101AFI20230228BHJP
【FI】
A61B34/37
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022205069
(22)【出願日】2022-12-22
(62)【分割の表示】P 2021544935の分割
【原出願日】2020-10-21
(31)【優先権主張番号】1915269.3
(32)【優先日】2019-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】516210894
【氏名又は名称】シーエムアール・サージカル・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CMR SURGICAL LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【弁理士】
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100142608
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 由佳
(74)【代理人】
【識別番号】100155963
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100150566
【弁理士】
【氏名又は名称】谷口 洋樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213470
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100220489
【弁理士】
【氏名又は名称】笹沼 崇
(74)【代理人】
【識別番号】100187469
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 由子
(74)【代理人】
【識別番号】100225026
【弁理士】
【氏名又は名称】古後 亜紀
(72)【発明者】
【氏名】カスバートソン・レベッカ・アン
(72)【発明者】
【氏名】ヘアーズ・ルーク・デイビット・ロナルド
(72)【発明者】
【氏名】マーシャル・キース
(57)【要約】      (修正有)
【課題】エンドエフェクタを有するロボットマニピュレータを制御するためのコンソールを提供する。
【解決手段】コンソールは、ジンバルアセンブリに接続されたハンドコントローラ301と、関節リンク機構409であって、その近位端で硬質支持構造に接続され、遠位端でジンバルアセンブリに接続された関節リンク機構とを備える。ジンバルアセンブリは、3つの関節のみによって提供される3つの自由度のみを含み、3つの関節のうちの第1の関節401は、ジンバルアセンブリが、第1の軸404を中心として、関節リンク機構の遠位端に対して回転することを可能にする。関節リンク機構およびジンバルアセンブリが、その全ての構成で、第1の軸が支持構造に対して同じ配向を有するように配置されている。関節リンク機構は、平行四辺形の輪郭を有し、関節リンク機構の全ての構成で支持構造に対して同じ配向を有するように、第1の軸を機械的に制約する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンドエフェクタを有するロボットマニピュレータを制御するためのコンソールであって、前記コンソールが、
ジンバルアセンブリに接続されたハンドコントローラと、
関節リンク機構であって、その近位端で硬質支持構造に接続され、その遠位端で前記ジンバルアセンブリに接続された、関節リンク機構と、を備え、
前記ジンバルアセンブリが、3つの関節のみによって提供される3つの自由度のみを含み、前記3つの関節のうちの第1の関節は、前記ジンバルアセンブリが、第1の軸を中心として、前記関節リンク機構の前記遠位端に対して回転することを可能にし、
前記関節リンク機構およびジンバルアセンブリが、前記関節リンク機構およびジンバルアセンブリの全ての構成で、前記第1の軸が、前記支持構造に対して同じ配向を有するように、配置され、前記関節リンク機構が、平行四辺形の輪郭を有し、それによって、前記関節リンク機構の全ての構成で前記支持構造に対して同じ配向を有するように、前記第1の軸を機械的に制約する、コンソール。
【請求項2】
前記コンソールが水平表面上に位置するとき、前記第1の軸が、前記関節リンク機構およびジンバルアセンブリの全ての構成で垂直であるように構成されている、請求項1に記載のコンソール。
【請求項3】
前記ジンバルアセンブリの前記3つの関節の関節接続によって前記ハンドコントローラの回転に完全に適応するように構成された、請求項1または2に記載のコンソール。
【請求項4】
前記関節リンク機構の関節接続によって前記ハンドコントローラの並進運動に適応するように構成された、請求項1~3のいずれか一項に記載のコンソール。
【請求項5】
前記ジンバルアセンブリが、
第1のリンクおよび第2のリンクと、
前記第1のリンクが第2の軸を中心として前記第2のリンクに対して回転することを可能にする第2の関節であって、前記第2の軸が、前記第1の軸に対して垂直である、第2の関節と、
前記ハンドコントローラが第3の軸を中心として前記第2のリンクに対して回転することを可能にする第3の関節であって、前記第3の軸が、前記第2の軸に対して垂直である、第3の関節と、を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のコンソール。
【請求項6】
前記第1の軸、第2の軸、および第3の軸が全て互いに垂直である、前記ジンバルアセンブリの中心位置から、前記第1の関節の運動の範囲が、前記第1の軸を中心として、いずれかの回転方向に90°超回転することができるように制限されている、請求項5に記載のコンソール。
【請求項7】
前記ジンバルアセンブリの前記中央位置から、前記第1の関節が、前記第1のリンクを前記関節リンク機構の前記遠位端に向かって移動させる回転方向で90°~115°の最大回転角度に制限されている、請求項6に記載のコンソール。
【請求項8】
前記ジンバルアセンブリの前記中央位置から、前記第1の関節が、前記第1のリンクを前記関節リンク機構の前記遠位端から離れて移動させる回転方向で90°~100°の最大回転角度に制限されている、請求項6または7に記載のコンソール。
【請求項9】
前記第1の軸、第2の軸、および第3の軸が全て互いに垂直である、前記ジンバルアセンブリの中心位置から、前記第2の関節の運動の範囲が、前記第2の軸を中心として、い
ずれかの回転方向に90°未満回転することができるように制限されている、請求項5~8のいずれか一項に記載のコンソール。
【請求項10】
前記ジンバルアセンブリの前記中心位置から、前記第2の関節が、前記第2のリンクを前記第1のリンクに向かって移動させる回転方向で80°~90°の最大回転角度に制限されている、請求項9に記載のコンソール。
【請求項11】
前記ジンバルアセンブリの前記中心位置から、前記第2の関節が、前記第2のリンクを前記第1のリンクから離れて移動させる回転方向で80°~90°の最大回転角度に制限されている、請求項8または9に記載のコンソール。
【請求項12】
前記第1の軸、第2の軸、および第3の軸が全て互いに垂直である、前記ジンバルアセンブリの中心位置から、前記第3の関節の運動の範囲が、前記第3の軸を中心として、いずれかの回転方向に90°以下回転することができるように制限されている、請求項5~11のいずれか一項に記載のコンソール。
【請求項13】
前記ジンバルアセンブリの前記中央位置から、前記第3の関節が、前記第3の軸を中心として、いずれかの回転方向で90°の最大回転角度に制限されている、請求項12に記載のコンソール。
【請求項14】
前記第1の軸を中心とした前記第1の関節の回転を感知することのみによって前記ハンドコントローラのヨー運動を測定するために、前記第1の関節に位置する位置センサをさらに備える、請求項1~13のいずれか一項に記載のコンソール。
【請求項15】
前記第2の軸を中心とした前記第2の関節の回転を感知することのみによって前記ハンドコントローラのピッチ運動を測定するために、前記第2の関節に位置する位置センサをさらに備える、請求項5~14のいずれか一項に記載のコンソール。
【請求項16】
前記第3の軸を中心とした前記第3の関節の回転を感知することのみによって前記ハンドコントローラのロール運動を測定するために、前記第3の関節に位置する位置センサをさらに備える、請求項5~15のいずれか一項に記載のコンソール。
【請求項17】
前記コンソールが、外科用器具を担持する手術ロボットを制御するための外科医のコンソールである、請求項1~16のいずれか一項に記載のコンソール。
【請求項18】
さらなるエンドエフェクタを有するさらなるロボットマニピュレータを制御するために、前記コンソールが、
さらなるジンバルアセンブリに接続されたさらなるハンドコントローラと、
さらなる関節リンク機構であって、その近位端で前記硬質支持構造に接続され、その遠位端で前記ジンバルアセンブリに接続された、さらなる関節リンク機構と、をさらに備え、
前記さらなるジンバルアセンブリが、3つの関節のみによって提供される3つの自由度のみを含み、前記3つの関節のうちの第1の関節が、前記さらなるジンバルアセンブリが、第4の軸を中心として、前記さらなる関節リンク機構の前記遠位端に対して回転することを可能にし、
前記さらなる関節リンク機構および前記さらなるジンバルアセンブリが、前記さらなる関節リンク機構および前記さらなるジンバルアセンブリの全ての構成で、前記第4の軸が前記支持構造に対して同じ配向を有するように配置されている、請求項1~17のいずれか一項に記載のコンソール。
【請求項19】
前記ハンドコントローラが、ユーザの一方の手による操作のために構成され、前記さらなるハンドコントローラが、前記ユーザの他方に手による操作のために構成されている、請求項18に記載のコンソール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスタスレーブマニピュレータなどのロボットシステムを制御するためのコンソールに関する。
【背景技術】
【0002】
マスタスレーブマニピュレータは、典型的には、アクションを実施するためのスレーブデバイスと、ユーザによって直接操作されるマスタ装置と、を含む。マスタデバイスおよびスレーブデバイスは、ユーザのマスタデバイスの操作が、スレーブデバイスに対応するアクションを実施させるように、動作可能に結合される。マスタスレーブマニピュレータは、多くの技術分野、例えば、手術ロボットの分野で一般的であり、コンソールにおいて外科医は、ハンドコントローラを操作して、手術ロボットに手術を行わせる。
【0003】
図1は、一対の可動顎を備えるエンドエフェクタを有するマスタスレーブマニピュレータのための既知のコントローラを例示する。コントローラは、一次入力ステム101を有する。一次入力ステムは、ジンバルアセンブリ102の遠位端を構成する。ジンバルアセンブリの近位端は、リンク機構によってコンソールの支持構造に取り付けられ、その一部が103で示されている。一次入力ステムは、ループ106によってユーザの指に縛られ得る、2つの回転可能な要素104、105を備える。ユーザは、一次入力ステム101を移動させて、エンドエフェクタの位置の変化を指令し得、要素104、105を移動させて、エンドエフェクタの顎の開閉を指令し得る。ジンバルアセンブリ102は、4つの回転自由度を有する。これは、ジンバルアセンブリが、運動学的冗長性を有する3つの回転自由度で一次入力ステムの運動に適応することを可能にする。冗長な関節の使用は、ジンバルアセンブリが運動学的特異性を回避することを可能にし、回避しない場合、運動学的特異性は、一次入力ステムの運動がジンバルアセンブリの回転軸の2つを整列させるときに結果的に生じることになる。このコントローラは、比較的大きく、コントローラのワークスペースが制限されているときに問題を含み得る。この問題は、ユーザが、共通のワークスペースにある2つのそのようなコントローラを、各手に1つ操作しているときに悪化する。
【発明の概要】
【0004】
第1の態様によると、エンドエフェクタを有するロボットマニピュレータを制御するためのコンソールが提供され、コンソールは、ジンバルアセンブリに接続されたハンドコントローラと、関節リンク機構であって、その近位端で硬質支持構造に接続され、その遠位端でジンバルアセンブリに接続された、関節リンク機構と、を備え、ジンバルアセンブリが、3つの関節のみによって提供される3つの自由度のみを含み、3つの関節のうちの第1の関節は、ジンバルアセンブリが、第1の軸を中心として、関節リンク機構の遠位端に対して回転することを可能にし、関節リンク機構およびジンバルアセンブリが、関節リンク機構およびジンバルアセンブリの全ての構成で、第1の軸が、支持構造に対して同じ配向を有するように配置されている。
【0005】
コンソールは、コンソールが水平表面上に位置するとき、第1の軸が、関節リンク機構およびジンバルアセンブリの全ての構成で垂直であるように構成され得る。
【0006】
コンソールは、ジンバルアセンブリの3つの関節の関節接続によってハンドコントローラの回転に完全に適応するように構成され得る。
【0007】
コンソールは、関節リンク機構の関節接続によってハンドコントローラの並進運動に適
応するように構成され得る。
【0008】
ジンバルアセンブリは、第1のリンクおよび第2のリンクと、第1のリンクが第2の軸を中心として第2のリンクに対して回転することを可能にする第2の関節であって、第2の軸が、第1の軸に対して垂直である、第2の関節と、ハンドコントローラが第3の軸を中心として第2のリンクに対して回転することを可能にする第3の関節であって、第3の軸が、第2の軸に対して垂直である、第3の関節と、を備え得る。
【0009】
第1の軸、第2の軸、および第3の軸が全て互いに垂直である、ジンバルアセンブリの中心位置から、第1の関節の運動の範囲が、第1の軸を中心として、いずれかの回転方向に90°超回転することができるように制限され得る。
【0010】
ジンバルアセンブリの中央位置から、第1の関節が、第1のリンクを関節リンク機構の遠位端に向かって移動させる回転方向で90°~115°の最大回転角度に制限され得る。
【0011】
ジンバルアセンブリの中央位置から、第1の関節が、第1のリンクを関節リンク機構の遠位端から離れて移動させる回転方向で90°~100°の最大回転角度に制限され得る。
【0012】
第1の軸、第2の軸、および第3の軸が全て互いに垂直である、ジンバルアセンブリの中心位置から、第2の関節の運動の範囲が、第2の軸を中心として、いずれかの回転方向に90°未満回転することができるように制限され得る。
【0013】
ジンバルアセンブリの中心位置から、第2の関節が、第2のリンクを第1のリンクに向かって移動させる回転方向で80°~90°の最大回転角度に制限され得る。
【0014】
ジンバルアセンブリの中心位置から、第2の関節が、第2のリンクを第1のリンクから離れて移動させる回転方向で80°~90°の最大回転角度に制限され得る。
【0015】
第1の軸、第2の軸、および第3の軸が全て互いに垂直である、ジンバルアセンブリの中心位置から、第3の関節の運動の範囲が、第3の軸を中心として、いずれかの回転方向に90°以下回転することができるように制限され得る。
【0016】
ジンバルアセンブリの中央位置から、第3の関節が、第3の軸を中心として、いずれかの回転方向で90°の最大回転角度に制限され得る。
【0017】
関節リンク機構は、平行四辺形の輪郭を有し得、それによって、関節リンク機構の全ての構成で支持構造に対して同じ配向を有するように、第1の軸を機械的に制約する。
【0018】
コンソールは、第1の軸を中心とした第1の関節の回転を感知することのみによってハンドコントローラのヨー運動を測定するために、第1の関節に位置する位置センサをさらに備え得る。
【0019】
コンソールは、第2の軸を中心とした第2の関節の回転を感知することのみによってハンドコントローラのピッチ運動を測定するために、第2の関節に位置する位置センサをさらに備え得る。
【0020】
コンソールは、第3の軸を中心とした第3の関節の回転を感知することのみによってハンドコントローラのロール運動を測定するために、第3の関節に位置する位置センサをさ
らに備え得る。
【0021】
コンソールは、外科用器具を担持する手術ロボットを制御するための外科医のコンソールであり得る。
【0022】
コンソールは、さらなるエンドエフェクタを有するさらなるロボットマニピュレータをさらに制御し得る。コンソールは、さらなるジンバルアセンブリに接続されたさらなるハンドコントローラと、さらなる関節リンク機構であって、その近位端で硬質支持構造に接続され、その遠位端でさらなるジンバルアセンブリに接続された、さらなる関節リンク機構と、を備え、さらなるジンバルアセンブリが、3つの関節のみによって提供される3つの自由度のみを含み、3つの関節のうちの第1の関節は、さらなるジンバルアセンブリが、第4の軸を中心として、さらなる関節リンク機構の遠位端に対して回転することを可能にし、さらなる関節リンク機構およびさらなるジンバルアセンブリが、さらなる関節リンク機構およびさらなるジンバルアセンブリの全ての構成で、第4の軸が、支持構造に対して同じ配向を有するように配置されている。
【0023】
ハンドコントローラが、ユーザの一方の手による操作のために構成され、さらなるハンドコントローラが、ユーザの他方に手による操作のために構成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
ここで、添付図面を参照して、本発明を例として説明する。図は、以下の通りである。
図1】マスタスレーブマニピュレータ用の既知のコントローラを例示する。
図2】マスタスレーブマニピュレータを例示する。
図3】ロボットマニピュレータを制御するためのコンソールの入力デバイスを例示する。
図4】コンソールのハンドコントローラおよびジンバルアセンブリを例示する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図2は、概ね201で示されるロボットが、概ね202で示されるコンソールによって制御される、マスタスレーブマニピュレータの一般的なアーキテクチャを概略的に例示する。ロボット202は、基部204から延在するロボットアーム203を備える。ロボットアームは、その長さに沿って一連の回転関節205によって関節接続される。ロボットアーム203の遠位端は、器具206に接続される。器具206は、エンドエフェクタ207で終端する。この例では、エンドエフェクタは、一対の対向する顎を有する。これらは、顎の間に位置する物体を掴むか、または切断するために、互いに対して移動し得る。エンドエフェクタは、ロボットアームの遠位端でモータ208によって、移動するように駆動される。モータ208は、器具のシャフトの内部に沿って延在するケーブルによってエンドエフェクタに結合される。ロボットアームの関節は、モータ209によって、移動するように駆動される。これらのモータは、アームに沿って分配され得る。各モータは、それが駆動している関節の近位に位置し得る。位置センサおよび力/トルクセンサ210が、関節の位置および関節205に作用する力/トルクを感知するために、ロボットアーム上に位置し得る。
【0026】
コンソール202は、ロボットアーム203および器具206の操作を引き起こすようにユーザによって操作される入力デバイス211を備える。コンソールはまた、第2の入力デバイス212を備え得る。1つの入力デバイスは、1つのロボットアームを操作するためのユーザの一方の手による操作のために構成され得、他方の入力デバイスは、別のロボットアームを操作するためのユーザの他方の手による操作のために構成され得る。コンソールは、ユーザが器具206によって実施される操作を表示することを可能にするディスプレイ画面213をさらに備え得る。
【0027】
制御ユニット214は、制御入力に応答してロボットアーム203を制御する。制御ユニット214は、入力デバイス211から制御入力を受信する。制御ユニット214はまた、位置センサおよび力/トルクセンサ210などの他のソースから制御入力を受信し得る。制御ユニット214は、メモリ216内に非一時的形態で記憶されたコードを実行するプロセッサ215を備える。コードの実行時に、プロセッサ215は、ロボットの関節の動きを指令するための、および入力デバイス211およびロボットアーム位置/力センサ210からの入力に依存して、器具のエンドエフェクタ207を移動させるための、一連の信号を決定する。制御ユニット214は、コンソール202、ロボットアーム203、またはシステム内の他の場所に位置し得る。
【0028】
図2に例示されたマスタスレーブマニピュレータシステムは、例えば、手術ロボットシステムであり得る。この例では、コンソール202は、外科医のコンソールであり、ロボット201は、手術を実施するための外科用器具206を担持する手術ロボットである。手術は、低侵襲手術であってもよく、その場合、外科医は、手術部位を示すディスプレイ画面213上で内視鏡からのビデオフィードを見ることができる。
【0029】
図3は、図2の例示的な入力デバイス211をより詳細に例示する。入力デバイス211は、一連の関節リンクによってコンソールの硬質支持構造302に接続されたハンドコントローラ301を備える。その一連の関節リンクは、ジンバルアセンブリ303および関節リンク機構304を備える。ハンドコントローラ301は、ジンバルアセンブリ303に接続される。ジンバルアセンブリ303は、その遠位端でハンドコントローラ301に接続され、その近位端で関節リンク機構304に接続される。関節リンク機構304は、その遠位端でジンバルアセンブリ303に接続され、その近位端で支持構造302に接続される。
【0030】
ジンバルアセンブリは、図4により詳細に示されている。ジンバルアセンブリは、3つの自由度のみを備える。これら3つの自由度は、配向である。3つの自由度は、第1の関節401、第2の関節402、および第3の関節403の3つの関節によって提供される。これら3つの関節の各々は、回転関節である。第1の関節401は、関節リンク機構304の終端リンク409をジンバルアセンブリの第1のリンク407に接続する。第1の関節401は、ジンバルアセンブリの第1のリンク407が、第1の軸404を中心として関節リンク機構304の終端リンク409に対して回転することを可能にする。第2の関節402は、ジンバルアセンブリの第1のリンク407をジンバルアセンブリの第2のリンク408に接続する。第2の関節402は、ジンバルアセンブリの第2のリンク408が、第2の軸405を中心としてジンバルアセンブリの第1のリンク407に対して回転することを可能にする。第2の軸405は、第1の軸404に対して垂直である。第3の関節403は、ジンバルアセンブリの第2のリンク408をハンドコントローラ301に接続する。第3の関節403は、ハンドコントローラ301が、第3の軸406を中心としてジンバルアセンブリの第2のリンク408に対して回転することを可能にする。第3の軸406は、第2の軸405に対して垂直である。
【0031】
第1のリンク407は、第1の部分407aおよび第2の部分407bから形成され得る。第1の部分407aは、第1の関節401に接続される。第2の部分407bは、第2の関節402に接続される。第1の部分407aおよび第2の部分407bは、互いに堅固に接続される。第1の部分407aおよび第2の部分407bは、整列されなくてもよい。例えば、図4に示されるように、第1の部分407aの長手方向軸410aは、第2の部分407bの長手方向軸410bに対して横断してもよい。軸410aおよび410bは、垂直であってもよい。したがって、第1のリンク407は、全体としてL字形を形成する。
【0032】
同様に、第2のリンク408は、第1の部分408aおよび第2の部分408bから形成され得る。第1の部分408aは、第2の関節402に接続される。第2の部分408bは、第3の関節403に接続される。第1の部分408aおよび第2の部分408bは、互いに堅固に接続される。第1の部分408aおよび第2の部分408bは、整列されなくてもよい。例えば、図4に示されるように、第1の部分408aの長手方向軸411aは、第2の部分408bの長手方向軸411bに対して横断してもよい。軸411aおよび411bは、垂直であってもよい。したがって、第2のリンク408は、全体としてL字形を形成する。
【0033】
関節リンク機構304およびジンバルアセンブリ303は、関節リンク機構およびジンバルアセンブリの全ての構成で、第1の軸404が支持構造302に対して同じ配向を有するように配置される。例えば、コンソールが水平表面上に位置する場合、第1の軸は、関節リンク機構およびジンバルアセンブリの全ての構成で垂直である。関節リンク機構は、第1の軸404に支持構造に対して同じ配向を保持させるように機械的に拘束され得る。図3は、この具体的な例を例示する。
【0034】
図3では、関節リンク機構は、平行四辺形機構を含む。この平行グラム機構は、第1の平行四辺形4連鎖305および第2の平行四辺形4連鎖306を含む。第1の平行四辺形4連鎖305は、関節311a、311b、311cおよび311dを接続するリンク305a、305b、305cおよび305dを含む。リンク305aおよび305cは、同じ長さであり、平行に維持される。リンク305bおよび305dは、同じ長さであり、平行に維持される。関節311a、311b、311cおよび311dの各々は、回転関節である。関節311a、311b、311cおよび311dの回転軸は、平行である。
【0035】
第2の平行四辺形4連鎖306は、関節312a、312b、312cおよび311dを接続するリンク306a、306b、306cおよび306dを含む。リンク306bおよび306dは、同じ長さであり、平行に維持される。リンク306aおよび306cは、同じ長さであり、平行に維持される。関節312a、312b、312cおよび311dの各々は、回転関節である。関節312a、312b、312cおよび311dの回転軸は、平行である。
【0036】
したがって、全ての関節311a、311b、311c、311d、312a、312bおよび312cの回転軸は、平行である。したがって、全体としての平行四辺形機構は、平面である。
【0037】
平行四辺形機構全体が軸308を中心として回転する。軸308は、関節の回転軸に対して垂直であってもよい。リンク305aと軸308との間の角度φは、固定されている。リンク305aは、軸308を中心として回転し得る。好適には、支持構造302が水平表面上にあるとき、軸308は、垂直である。図3では、リンク305aは、リンク310を介して支持構造302に接続される。リンク310の長手方向軸は、軸308である。
【0038】
2つの平行四辺形4連鎖305および306は、三角形固定リンク307によって接続される。三角形固定リンク307は、リンク305cおよび306dを含む。リンク305cとリンク306dとの間の角度Θは、一定のままである。したがって、リンク305aに対するリンク306dの配向は、固定される。したがって、リンク305aに対するリンク306bの配向は、固定される。
【0039】
軸309は、平行四辺形機構の関節の回転軸に対して垂直である。軸309は、リンク306bと交差する。リンク306bと軸309との間の角度Ψは、固定されている。したがって、軸308は、軸309に対して平行に維持される。図3では、リンク306bは、リンク313を介してジンバルアセンブリ303に接続される。リンク313の長手方向軸は、軸309である。図3では、リンク313は、関節リンク機構409の終端リンクを介してジンバルアセンブリ303に接続される。リンク409は、一端でリンク313に接続され、他端でジンバルアセンブリ303に接続される。代替的な配置では、ジンバルアセンブリ303は、リンク313に直接接続され得る。
【0040】
関節リンク機構は、それによって、平行四辺形機構の一端のリンク305aと平行四辺形機構の他端のリンク306bとの間の同じ配向を維持するように機械的に制約される。しかしながら、平行四辺形機構は、軸308に平行および軸308に垂直な、リンク305aに対するリンク306bの動きを可能にし、それによって、ハンドコントローラの対応する動きが適応されることを可能にする。装着構造302が水平表面上にある場合、平行四辺形機構は、ハンドコントローラの垂直および水平の運動が適応されることを可能にする。平行四辺形機構が支持構造302に対して軸308を中心として回転し得るため、関節リンク機構は、全ての3つの並進自由度に適応する。
【0041】
関節リンク機構は、軸308および309を平行に維持させるように制約されるが、一方、関節リンク機構が、軸308および309を互いから離れるように移動させるように移動されることを可能にする。関節リンク機構の全ての構成では、第1の軸404は、支持構造302に対して同じ配向を有する。好適には、支持構造、関節リンク機構、およびジンバルアセンブリは、コンソールが水平表面上に位置するとき、第1の軸404が、常に、関節リンク機構およびジンバルアセンブリの全ての構成で垂直であるように、構成される。
【0042】
任意選択的に、関節リンク機構はまた、追加のリンク機構314を備える。リンク機構314は、リンク314a、314bおよび314cを備える。リンク機構314は、リンク305dと共に平行四辺形を形成する。リンク314aは、関節311dによってリンク306cおよびリンク305dに接続される。リンク314aは、関節315bによってリンク314bに接続される。リンク314aおよび306cは、単一の直線棒であり得る。この場合、リンク306cは、リンク314aに対して高速である。言い換えると、リンク306cは、リンク314aに対して固定される。リンク314bは、関節315aによってリンク314cに接続される。リンク314cは、関節311aによってリンク305dおよびリンク305aに接続される。好適には、関節315aおよび315bは、両方、回転関節であり、平行四辺形機構の他の関節311a、311b、311c、311d、312a、312bおよび312cの回転軸に対して平行である回転軸を有する。リンク314aおよび314cは、同じ長さであり、平行に維持される。リンク305dおよび314bは、同じ長さであり、平行に維持される。したがって、リンク305b、305dおよび314bは、全て平行である。リンク314cは、リンク305aに対して回転し得る。
【0043】
以下でさらに論じられるように、関節リンク機構304が駆動され得る。これを達成するために、第1の平行四辺形4連鎖305の少なくとも1つの関節が駆動され、第2の平行四辺形4連鎖の少なくとも1つの関節が駆動される。好適には、第1の平行四辺形4連鎖305について、関節311aまたは関節311bのいずれかが駆動される。この単一の関節を駆動することは、平行四辺形4連鎖305の全体が移動させる。駆動される関節におけるアクチュエータは、その軸を中心とした関節の回転を駆動する。駆動される関節用のアクチュエータおよび関節コントローラは、その関節の近くに位置し、したがって、軸308および支持構造302の近くに位置する。
【0044】
第2の平行四辺形4連鎖306は、関節312a、312b、312c、または311dのうちの任意の1つを作動させることによって駆動され得る。これらの関節は、全て、支持構造302の遠位にある。関節を駆動するためのアクチュエータは、その関節に位置することになる。このアクチュエータは、第1の平行四辺形4連鎖305の駆動される関節を駆動するために使用されるアクチュエータによって反応されることになる。これは、第1の平行四辺形4連鎖305のアクチュエータがより大きく、したがってより重いことを必要とすることになる。
【0045】
追加のリンク機構314は、第2の平行四辺形4連鎖306が、より効率的に駆動されることを可能にする。具体的には、関節315aまたは関節311aのいずれかが駆動される。この単一の関節を駆動することは、リンク機構314を移動させ、したがって、リンク306cを移動させ、それによって、第2の平行四辺形4連鎖306の全てを移動させる。駆動される関節315aまたは311aにおけるアクチュエータは、その軸を中心とした関節の回転を駆動する。駆動される関節用のアクチュエータおよび関節コントローラは、その関節の近くに位置し、したがって、軸308および支持構造302の近くに位置する。
【0046】
したがって、追加のリンク機構314は、アクチュエータおよび関連する駆動電子部品のより効率的な場所が、関節リンク機構を駆動することを可能にすることによって、関節リンク機構304が全体的により軽くなることを可能にする。
【0047】
ハンドコントローラの回転は、ジンバルアセンブリの関節の関節接続によって完全に適応される。ロール運動としてハンドコントローラに加えられる力は、第3の軸406を中心とした第2のリンク408に対するハンドコントローラ301の回転によって適応される。ピッチ運動としてハンドコントローラに加えられる力は、第2の軸405を中心とした第1のリンク407に対する第2のリンク408の回転によって適応される。ヨー運動としてハンドコントローラに加えられる力は、第1の軸404を中心とした関節リンク機構の終端リンク409に対する第1のリンク407の回転によって適応される。支持構造302に対して同じ配向に維持される第1の軸404は、ハンドコントローラの回転が関節リンク機構304に伝達され、それによって、関節リンク機構304によって適応されることを防止する。
【0048】
ジンバルアセンブリは、第1の軸404を中心とした第1の関節401の回転を感知するために、第1の関節401に位置する位置センサ416を備え得る。ジンバルアセンブリは、第2の軸405を中心とした第2の関節402の回転を感知するために、第2の関節402に位置する位置センサ417を備え得る。ジンバルアセンブリは、第3の軸406を中心とした第3の関節403の回転を感知するための位置センサ418を備え得る。各位置センサ416、417、418は、その感知された位置データを制御ユニット214に送信するように構成され得る。制御ユニット214は、受信された感知された位置データを使用して、ジンバルアセンブリの構成を決定し、それによって、ハンドコントローラの回転位置(すなわち、ポーズ/姿勢)を決定し得る。具体的には、制御ユニット214は、(i)第1の関節401に位置する位置センサ416の感知された位置データのみからハンドコントローラ301のヨー運動、および/または(ii)第2の関節402に位置する位置センサ417の感知された位置データのみからハンドコントローラ301のピッチ運動、および/または(iii)第3の関節403に位置する位置センサ418の感知された位置データのみからハンドコントローラ301のロール運動を決定し得る。
【0049】
ジンバルアセンブリの3つの自由度は、ジンバルアセンブリの3つの関節を中心として結合解除される。言い換えると、ハンドコントローラのワークスペースの全ての点で、(
i)第1の軸404は、同じ方向(例えば、垂直)にあり、ハンドコントローラのヨー運動のみに適応し、(ii)第2の軸405は、同じ平面(例えば、水平)にあり、ハンドコントローラのピッチ運動のみに適応し、(iii)第3の軸406は、同じ平面(例えば、水平)にあり、ハンドコントローラのロール運動のみに適応する。これは、ハンドコントローラのヨー運動が、第1の関節401上の位置センサ416のみを使用して測定されることを可能にする。同様に、これは、ハンドコントローラのピッチ運動が、第2の関節402上の位置センサ417のみを使用して測定されることを可能にする。同様に、これは、ハンドコントローラのロール運動が、第3の関節403上の位置センサ418のみを使用して測定されることを可能にする。4つの自由度ジンバルアセンブリについて、ハンドコントローラのヨー、ピッチおよびロール運動のうちの1つを検出することは、複数のセンサからの化合物測定を必要とする。したがって、本明細書に説明されるジンバルアセンブリは、ジンバルアセンブリの構成を決定するために、より計算効率の高い計算が制御ユニットによって実施されることを可能にする。
【0050】
ハンドコントローラの並進運動は、関節リンク機構304の関節の関節接続によって適応される。支持構造302に向かって、または軸308に平行にハンドコントローラを直接並進させるためにハンドコントローラに加えられる力は、それらの軸を中心とした平行四辺形機構の関節の回転によって適応される。支持構造302の方向に横断する方向にハンドコントローラを並進させるようにハンドコントローラに加えられる力は、軸308を中心とした関節リンク機構の回転によって適応される。また、ジンバルアセンブリの整列を維持するために、第1の軸404を中心としたジンバルアセンブリの小さい回転によっても適応される。
【0051】
関節リンク機構304は、各関節に位置する位置センサ314を、その軸を中心としたその関節の回転を感知するために備え得る。各位置センサ314は、その感知された位置データを制御ユニット214に送信するように構成され得る。制御ユニット214は、受信された感知された位置データを使用して、関節リンク機構の構成を決定し、それによって、ハンドコントローラの並進位置を決定し得る。具体的には、制御ユニット214は、センサ314から受信された感知された位置データ、ならびに関節リンク機構304およびジンバルアセンブリ303の寸法を使用して、ハンドコントローラ301が移動することを可能にされる、ワークスペース内のハンドコントローラ301の場所を決定し得る。
【0052】
ハンドコントローラに加えられる力から結果的に生じる任意の複合運動は、上記の6つの力成分、すなわち、ハンドコントローラのロール、ピッチおよびヨー運動、ならびに3つの垂直方向の並進運動に分解され得る。これらの力成分の各々は、上記のように適応され、感知される。
【0053】
ハンドコントローラ(すなわち、ジンバルアセンブリ)の回転運動に適応する関節を、ハンドコントローラ(すなわち、関節リンク機構)の並進運動に適応する関節から結合解除することによって、ハンドコントローラの回転および運動の方向と、エンドエフェクタの回転および運動の方向との間のユーザによって体験される対応(コンソールディスプレイ上に表示される)は、ハンドコントローラのワークスペース内のハンドコントローラの位置とは独立している。
【0054】
図3に示される関節リンク機構配置は、一例である。関節リンク機構は、代替的またはさらなるリンクおよび関節を含み得、第1の軸404に支持構造に対するその配向を保持させるように依然として機械的に制約され得る。例えば、上記の平行四辺形機構の代わりに、関節リンク機構は、回転軸上に装着されたシザーアーム機構、回転軸上に装着されたサラスリンク機構、またはシザーアーム機構およびサラスリンク機構の組み合わせを含み得る。
【0055】
ハンドコントローラ301は、数個の入力を含む。例えば、図4は、プッシュボタン412a、412b、412cおよびジョイスティック413を例示する。ハンドコントローラ301はまた、入力レバーまたはトリガ414を含み得る。ユーザは、ハンドコントローラ301の本体415に向かって入力レバー414を押し得る。さらなる例示的な入力は、回転ノブおよびロッカースイッチを含む。
【0056】
上記のように、制御ユニット214は、入力デバイス211からの、ならびに任意選択的に、ロボットアーム上の位置センサおよび/または力/トルクセンサなどの他のソースからの制御入力に応答して、ロボットアーム203を制御する。入力デバイス211からの制御入力は、(i)ハンドコントローラ上の入力からの制御入力、例えば、ボタンプッシュ、入力レバーの動き、および/または(ii)ハンドコントローラの回転から結果的に生じるジンバルアセンブリからの制御入力、および/または(iii)ハンドコントローラの並進運動から結果的に生じる関節リンク機構からの制御入力を含み得る。
【0057】
制御ユニット214のプロセッサ215によって実行されるコードは、ロボットの運動が、入力デバイス211からの入力によって主に決定されるように構成される。例えば、正常動作モードでは、(i)エンドエフェクタ207の姿勢は、ジンバルアセンブリからの制御入力から決定される、ハンドコントローラのその回転自由度に関する姿勢によって設定され得、(ii)エンドエフェクタ207の位置は、関節リンク機構からの制御入力から決定される、ハンドコントローラのその並進自由度に関する位置によって設定され得、(iii)エンドエフェクタ207の顎の構成は、ハンドコントローラの本体415に対する入力レバー414の位置によって設定され得る。
【0058】
図4に例示されたジンバルアセンブリは、3次元における運動を支配する3つの自由度のみを有する。これは、ジンバルアセンブリが、冗長自由度、すなわち、合計で4つの自由度を有するものよりも小さく、かつ軽くなることを可能にする。しかしながら、冗長自由度は、ジンバルアセンブリが運動学的特異性に到達することを回避する際に有用である。運動学的特異性は、ジンバルアセンブリが、特定の方向に回転することができることを防止する構成を採用するときに生じる。3つの自由度のみのジンバルアセンブリについて、これは、ジンバルアセンブリの2つの軸が整列するときに起こり得る。例えば、図4では、第2のリンク408が第2の軸405を中心として90°回転された場合、第1の軸404は、第3の軸405と整列することになる。この構成では、ハンドコントローラは、3つの軸ではなく2つの軸のみを中心として回転され得る。4つの自由度のジンバルアセンブリは、冗長自由度を提供することによってこの問題を回避する。したがって、2つの軸が整列した場合でも、ハンドコントローラは、依然として3つの軸を中心として回転することができる。
【0059】
ジンバルアセンブリの関節の各々の運動の範囲は、ジンバルアセンブリが運動学的特異性を結果的にもたらす構成を採用することを防止するように、制限され得る。ここで、ジンバルアセンブリの各関節の運動の範囲の限界が、ジンバルアセンブリの中央位置を参照して説明される。図4は、中央位置にあるジンバルアセンブリを例示する。この中央位置では、第1の軸404、第2の軸405および第3の軸406は、全て、互いに垂直である。中央位置では、関節リンク機構の終端リンク409の長手方向軸419は、第3の軸406と平行であり得る。中央位置では、第3の関節403は、その運動の範囲内の中点にあり得る。
【0060】
中央位置から、第1の関節401の運動の範囲は、第1の軸404を中心として、いずれかの回転方向で90°超回転することができるように、制限され得る。中央位置から、第1の関節401の最大回転角度は、第1のリンク407を関節リンク機構の遠位端40
9に向かって移動させる回転方向で90°~125°であり得る。好ましくは、第1の関節の最大回転角度は、この回転方向で90°~115°である。第1の関節401の最大回転角度は、この回転方向で115°であり得る。中央位置から、第1の関節401の最大回転角度は、第1のリンク407を関節リンク機構の遠位端409から離れて移動させる回転方向で90°~110°であり得る。好ましくは、第1の関節の最大回転角度は、この回転方向で90°~100°である。第1の関節401の最大回転角度は、この回転方向で100°であり得る。
【0061】
好適には、回転方向のいずれかにおける第1の軸404を中心とした第1の関節401の運動の範囲は、ハンドコントローラが並進運動を受けるときに、関節リンク機構304の配向の変化に適応するために、90°を越えて増加する。そうすることで、ジンバルアセンブリの運動の角度範囲は、ハンドコントローラのワークスペース内のジンバルアセンブリの場所によって影響を受けない。
【0062】
中央位置から、第2の関節402の運動の範囲は、第2の軸405を中心として、いずれかの回転方向で90°未満回転することができるように、制限され得る。中央位置から、第2の関節402の最大回転角度は、第2のリンク408を第1のリンク407に向かって移動させる回転方向で70°~90°の間であり得る。好ましくは、第2の関節の最大回転角度は、この回転方向で80°~90°である。第2の関節402の最大回転角度は、この回転方向で80°であり得る。中央位置から、第2の関節402の最大回転角度は、第2のリンク408を第1のリンク407から離れて移動させる回転方向で70°~90°であり得る。好ましくは、第2の関節の最大回転角度は、この回転方向で80°~90°である。第2の関節402の最大回転角度は、この回転方向で80°であり得る。
【0063】
好適には、回転方向のいずれかにおける第2の軸405を中心とした第2の関節402の運動の範囲は、第1の軸404および第3の軸406が整列し(第2の軸405を中心として90°の回転角度で起こることになる)、それによって、運動学的特異性を引き起こすことを防止するために、90°を下回って制限される。
【0064】
中央位置から、第3の関節403の運動の範囲は、第3の軸406を中心として、いずれかの回転方向で90°以下回転することができるように制限され得る。中央位置から、第3の関節403の最大回転角度は、ハンドコントローラ301を第2のリンク408に向かって移動させる回転方向で80°~90°であり得る。好ましくは、第3の関節の最大回転角度は、この回転方向で90°である。中央位置から、第3の関節403の最大回転角度は、ハンドコントローラ301を第2のリンク408から離れて移動させる回転方向で80°~90°であり得る。好ましくは、第3の関節の最大回転角度は、この回転方向で90°である。
【0065】
上記の関節限界は、関節の運動の範囲を制限するが、その運動は、ヒトの手首の運動の全範囲に適応するために依然として十分である。ハンドコントローラ301が、ヒトの手によって操作されているため、ユーザが、ジンバルアセンブリの関節の運動の範囲の限界に到達する前に、ユーザの手の運動の範囲の限界に達するため、利用可能な運動の範囲に対する制限を経験しない。
【0066】
上述の運動の範囲の限界に加えて、第1の軸404を支持構造302に対して同じ配向(例えば、垂直)に制約することは、ユーザが、第1、第2および第3の軸の各々を中心として両方向にハンドコントローラを回転させることができることを確保する。第1の軸404がこのように制約されていなかった場合、関節リンク機構304のいくつかの構成では、その中心位置から、ジンバルアセンブリは、軸を中心とした一方の回転方向の関節限界に、対向する回転方向よりも近くなり、それによって、運動の範囲を、一方の回転方
向で、軸を中心とした対向する回転方向よりも制限させる。
【0067】
図4は、ユーザの右手による操作のためのハンドコントローラを例示する。コンソールは、代わりに、または追加的に、ユーザの左手による操作のためのハンドコントローラ(ならびに関連するジンバルアセンブリおよび関節リンク機構)を備えてもよい。ユーザの左手用のハンドコントローラ、ジンバルアセンブリ、および関節リンク機構は、ユーザの右手に対する上記の配置の鏡像である。コンソールが2つのハンドコントローラ(および関連するジンバルアセンブリおよび関節リンク機構)を備える場合、ユーザの右手による操作のための一方のハンドコントローラは、制御ユニット214を介して、第1のロボットアームおよび器具の操作を制御し、ユーザの左手による操作のための他方のハンドコントローラは、制御ユニット214を介して、第2のロボットアームおよび器具の操作を制御し得る。
【0068】
本明細書に説明されるジンバルアセンブリは、図1に示される4つの自由度のジンバルアセンブリよりも小さく、かつ軽い。これは、特に2つのハンドコントローラがユーザによって同じワークスペース内で操作されているとき、操作のより容易な使用性およびより優れた柔軟性を可能にする。例えば、同じワークスペース内で本明細書に説明されるように2つのハンドコントローラを操作するユーザは、ワークスペースにわたってユーザの手を交差することができてもよく、これは、図1に示される配置によると不可能である。
【0069】
本明細書に説明される装置では、ジンバルアセンブリ303および関節リンク機構304は、ユーザによってハンドコントローラ301に加えられた力によって直接関節運動される。関節リンク機構304の関節および/またはジンバルアセンブリ303の関節は、追加的に駆動され得る。関節は、(i)関節に作用する重力を補償するために、および/または(ii)関節にポーズを維持させて、ユーザに無重量を感じさせるために、駆動され得る。関節はまた、ユーザに触覚フィードバックを提供するように駆動され得る。この触覚フィードバックは、例えば、ユーザの手を押すハンドコントローラを介した力フィードバックとすることができる。触覚フィードバックは、ハンドコントローラを介してユーザの手に送信される振動、鳴動、またはクリックとすることができる。関節は、そうでない場合、駆動されない。第1の軸404は、関節リンク機構304を機械的に制約することによって、コンソールの支持構造302に対して同じ配向に維持される。代替的な実施態様では、関節リンク機構304の関節は、ハンドコントローラ301に加えられる感知された力に応答して、代わりに駆動され得る。この代替的な実施態様では、関節リンク機構304の関節は、第1の軸404が支持構造302に対して常に同じ配向に維持されるように駆動され得る。
【0070】
本明細書に説明されるロボットは、外科用エンドエフェクタを有する外科用器具取り付けを有する手術ロボットとすることができる。あるいは、ロボットは、産業ロボットまたは別の機能のためのロボットであってもよい。器具は、産業ツールであってもよい。
【0071】
本明細書によって、本出願人は、本明細書に説明される各個々の特徴および2つ以上のかかる特徴の任意の組み合わせを、かかる特徴または組み合わせが、当業者に共通する一般知識に照らして、全体として本明細書に基づいて行うことができるような程度まで、かかる特徴または特徴の組み合わせが、本明細書に開示する任意の問題を解決するかにかかわらず、かつ特許請求の範囲を限定することなく、分離して開示する。本出願人は、本発明の態様が、任意のかかる個々の特徴または特徴の組み合わせからなり得ることを示している。前述の説明を考慮すると、本発明の範囲内で様々な修正を行うことができることは当業者には明らかであろう。
図1
図2
図3
図4