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特開2023-30123内部ガスシールモジュールおよびそのためのフィルタ付きチューブセットを備えた外科手術用ガス送達デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023030123
(43)【公開日】2023-03-07
(54)【発明の名称】内部ガスシールモジュールおよびそのためのフィルタ付きチューブセットを備えた外科手術用ガス送達デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/94 20060101AFI20230228BHJP
   A61B 17/34 20060101ALI20230228BHJP
【FI】
A61B17/94
A61B17/34
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022206324
(22)【出願日】2022-12-23
(62)【分割の表示】P 2020570924の分割
【原出願日】2019-06-06
(31)【優先権主張番号】16/015,462
(32)【優先日】2018-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500103074
【氏名又は名称】コンメッド コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シルバー ミキヤ
(72)【発明者】
【氏名】アウゲリ マイケル ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】スターンズ ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】ケイン マイケル ジェイ.
(57)【要約】      (修正有)
【課題】患者の外科手術腔内で内視鏡外科手術処置を実施するためのシステムを提供する。
【解決手段】加圧ガスの流れをそこから延在するガス送達腔管34に送達するように構成されたガス送達デバイス12、ガス送達腔管の遠位端と連通し、そこから延在するガスシール腔管44内にガスシールを生成するように構成されたガスシールモジュール40、および外科手術腔にシールされた器具のアクセスを提供し、外科手術腔内の安定圧力を維持するように、ガスシール腔管の遠位端と連通するアクセスポートを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科手術腔内で内視鏡外科手術処置を実施するためのシステムであって、
a)加圧ガスを、ポンプから延在する内部ガス送達腔管に送達するように構成された前
記ポンプを収容するガス送達デバイス、
b)前記ガス送達デバイス内に収容され、前記ガス送達腔管と連通し、そこから延在す
る内部ガスシールチューブ内でガスシールを生成するように構成されるガスシールモジュ
ールであって、前記ガスシールチューブが、前記ガス送達デバイスから外部に延在するガ
スシール腔管と連通するよう適合および構成される、ガスシールモジュール、および、
c)前記外科手術腔にシールされた器具のアクセスを提供し、前記外科手術腔内で安定
圧力を維持するように、前記ガスシール腔管の遠位端と連通するアクセスポートを含む、
システム。
【請求項2】
前記ガスシールモジュールから延在して前記ガスシールを形成するために使用したガス
を再循環して前記ガス送達デバイス内のポンプに戻す内部ガス戻り腔管をさらに含む、請
求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記内部ガスシールチューブと前記外部ガスシール腔管との間のフィルタ処理された連
通を提供する一次フィルタ構成要素をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記一次フィルタ構成要素が、前記ガス送達デバイスの前面の外部受入ポートに取り付
けられた取り外し可能なフィルタカートリッジである、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記一次フィルタ構成要素が、前記ガス送達デバイス内の内側位置に取り付けられた交
換可能なフィルタ要素である、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記ガス送達デバイスが、送気腔管を通して第二のアクセスポートに送気ガスを送達す
るための送気装置を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記送気腔管が、前記第二のアクセスポートの上流に位置するフィルタ構成要素と連通
する、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記第二のアクセスポートが、前記外科手術腔へのシールされた器具のアクセスを提供
するためのバルブシール近位ハウジングを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
雰囲気から前記ガスシールモジュール内に混入した空気をフィルタ処理するため、およ
び前記ガスシールモジュールから雰囲気に放出されたガスをフィルタ処理するための、前
記ガス送達デバイスの前記ハウジング内に含まれた双方向フィルタ構成要素をさらに含む
、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記ガスシールモジュールが、ガスを加速させて前記ガスシールを生成するための、そ
の中に形成された、少なくとも一つの径方向内向きに角度付けられたノズルとともに金属
ディスクによって形成された一体型アセンブリ、および前記ガスシール腔管内への空気混
入および前記ガスシール腔管からのガス放出に対応するための円筒状ボアを含む、請求項
1に記載のシステム。
【請求項11】
前記少なくとも一つの径方向内向きに角度付けられたノズルが、前記ディスクの中心軸
からオフセットされた前記円筒状ボアから径方向に離間している、請求項10に記載のシ
ステム。
【請求項12】
前記少なくとも一つの径方向内向きに角度付けられたノズルが、前記ディスクの外周か
ら延在する径方向入口通路を通して加圧ガスを受ける、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記ディスクが、前記ディスクの中央軸からオフセットされた前記円筒状ボアから径方
向に離間している、その中に形成された複数の径方向内向きに角度付けられたノズルを有
する、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記ディスクが、前記ディスクの中央軸と整列している前記円筒状ボアを囲む、その中
に形成された複数の径方向内向きに角度付けられたノズルを有する、請求項10に記載の
システム。
【請求項15】
外科手術腔内で内視鏡外科手術処置を実施するためのガス送達デバイスと使用するため
のフィルタ付きチューブセットであって、
a)その中に形成された第一および第二の流路を有するフィルタカートリッジアセンブ
リ、
b)前記フィルタカートリッジから延在し、前記外科手術腔と連通して安定圧力を維持
し、その中で排煙を促進するための前記第一の流路と連通する第一の腔管、
c)前記フィルタカートリッジから延在し、前記第二の流路と連通して前記外科手術腔
に送気ガスを送達し、腔内圧力を検出する第二の腔管を備える、フィルタ付きチューブセ
ット。
【請求項16】
フィッティングが、第一のバルブシールアクセスポートと接続するための前記第一の腔
管の遠位端と動作可能に関連付けられる、請求項15に記載のフィルタ付きチューブセッ
ト。
【請求項17】
フィッティングが、第二のバルブシールアクセスポートと接続するための前記第二の腔
管の遠位端と動作可能に関連付けられる、請求項15に記載のフィルタ付きチューブセッ
ト。
【請求項18】
少なくとも一つのフィルタ要素が、前記フィルタカートリッジの前記第一のフィルタ付
き流路内に配置される、請求項15に記載のフィルタ付きチューブセット。
【請求項19】
少なくとも一つのフィルタ要素が、前記フィルタカートリッジの前記第二のフィルタ付
き流路内に配置される、請求項15に記載のフィルタ付きチューブセット。
【請求項20】
前記第一の腔管が、前記外科手術腔内の安定圧力を促進し、前記外科手術空洞からの排
煙を促進するように、双方向ガス流のために構成される、請求項15に記載のフィルタ付
きチューブセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年6月22日に出願された米国特許出願第16/015,462号
の優先権の利益を主張するものであり、この開示は参照によりその全体が本明細書に組み
込まれる。
【0002】
発明の分野
本発明は、内視鏡外科手術、より具体的には、外科手術腔内で安定圧力を維持するため
に機械的に封止された外科手術アクセスポートと通信する、内腔から延在する内腔内でガ
スシールを生成するための内部または遠隔ガスシールモジュールを含む内視鏡外科手術処
置において使用するための外科手術用ガス送達デバイスを対象とする。
【背景技術】
【0003】
同一出願人による、米国特許第7,854,724号および第8,795,223号に
開示されているものなどの、気密封止外科手術アクセスデバイスまたはトロカールを、同
一出願人による、米国特許第8,715,219号、8,961,451号、9,295
,490号および9,375,539号に開示されているものなどのマルチモードガス送
達デバイスと組み合わせて使用することは、多数の利点が実証されている。これらの利点
は、外科手術腔(例えば、腹腔または胸腔)への弁を要しないアクセス、排煙の促進、お
よび外科手術腔内の圧力の安定した維持、ならびにいくつかの医療上および臨床上利点を
含む。
【0004】
これらのデバイスの組み合わせは、トロカールの本体内にガスシール領域を生成するた
めにガス送達デバイスから加圧ガスを受け取るためにトロカール内に収容された環状ジェ
ットアセンブリの存在に依存する外科手術システムを形成する。環状ジェットアセンブリ
は、同一出願人よる米国特許第9,907,569号に開示されており、ガスシール領域
を生成するために、ガスの速度を上昇させる狭い通路に加圧ガスを流し込むノズルに似た
静的機構を提供するよう設計される。
【0005】
同一出願人による米国特許第9,387,295号および第9,387,296号、な
らびに同一出願人による米国特許出願公開第2016/0287817号において、環状
ジェットアセンブリ(または類似したノズル設計)の位置をトロカールデバイスから、ガ
ス送達デバイスに連動した動作のために構成された関連するフィルタ付きチューブのフィ
ルタカートリッジハウジング内に移動させることを提案した。これにより、上述の気密封
止されたトロカールの代わりに、より従来的な市販のアクセスデバイスの使用が可能とな
った。
【0006】
環状ジェットアセンブリ(または類似のノズル設計)の位置を、フィルタ付きチューブ
セットのチューブ内、またはマルチモードガス送達デバイス自体のハウジング内に移動さ
せることによって、さらなる利点を達成できることが決定されている。これにより、この
技術は、多数の新しい独自仕様および市販のエンドエフェクタおよびアクセスデバイスと
互換性を有することができる。実際に、特定の外科手術シナリオでは、処置で使用される
全てのアクセスポートが一種類であることが要求される場合がある。例えば、これらは、
特定のタイプまたはブランドの再利用可能なカニューレにのみ対応するロボット支援外科
手術を含み得る。
【0007】
本発明のガス管理システムの別の利点は、市場またはコスト主導であり、病院は、(例
えば、金融契約により)特定のブランドの使い捨てカニューレまたは再利用可能なカニュ
ーレを使用して、経費節減する方針を有する。これらの実施例では、本発明のシステムは
、外科医が、低コストのアクセスポートのうちの一つを置換する必要なく、圧力安定性お
よび排煙機能を得ることを可能にする。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、外科手術腔内で内視鏡外科手術処置を実施するための新しく、かつ有用なシ
ステムを対象とし、加圧ガスの流れをそこから延在するガス送達腔管に送達するように構
成されたガス送達デバイス、ガス送達腔管の遠位端と連通し、そこから延在するガスシー
ル腔管内にガスシールを生成するように構成されたガスシールモジュール、および外科手
術腔に機械的にシールされた器具のアクセスを提供し、外科手術腔内の安定圧力を維持す
るように、ガスシール腔管の遠位端と連通するアクセスポートを含む。アクセスポートは
、機械的にシールされた器具の外科手術腔へのアクセスを提供するためのバルブシール近
位ハウジングを含む。
【0009】
システムはさらに、ガスシールモジュールからガス送達デバイスに戻るガス戻り腔管を
含む。ガス送達デバイスは、加圧ガスをガス送達腔管に送達し、ガス戻り腔管からガスを
吸引するためのポンプを含む。ガス送達腔管およびガス戻り腔管は、ガス送達デバイス内
に受容するために寸法設定されかつ構成されたフィルタアセンブリと連通する。
【0010】
システムはさらに、送気腔管を通して第二のアクセスポートに送気ガスを送達するため
に、ガス送達デバイス内に送気装置を含む。アクセスポートは、シールされた器具の外科
手術腔へのアクセスを提供するための機械的にシールされた近位ハウジングを含む。
【0011】
好ましくは、ガスシールモジュールは、ガスシールを生成するためにガス送達腔管から
加圧ガスを受けるためのジェットアセンブリを支持するハウジングを含み、ガスシールを
生成することに費やされたガスは、ガス戻り腔管を通してガス送達デバイス内のポンプに
吸引される。本発明の一実施形態では、ガスシールモジュールは、雰囲気から外科手術腔
への空気の混入および外科手術腔から雰囲気へのガス放出を促進するための通気孔付きハ
ウジングを含む。ガスシールモジュールはまた、双方向のろ過要素と連通して、混入した
空気および/または外科手術腔から雰囲気に放出されたガスを濾過することも想定されて
いる。
【0012】
一実施形態では、ガスシールモジュールのハウジングは、ガス送達腔管とガス戻り腔管
との接続部がガスシール腔管の接続部に垂直に配置されるように構成される。別の実施形
態では、ガスシールモジュールのハウジングは、ガス送達腔管とガス戻り腔管との接続部
がガスシール腔管の接続部と一列に配置されるように構成される。さらに別の実施形態で
は、ガスシールモジュールのハウジングは、ガス送達腔管とガス戻り腔管との接続部がガ
スシール腔管の接続部に対して平行に配置されるように構成される。
【0013】
これらの実施形態では、ガス送達腔管およびガス戻り腔管は、並列構成または同心円構
成でガスシールモジュールのハウジングと接続するように配置され得ることが想定される
。あるいは、ガスシールモジュールは、ガス送達腔管およびガス戻り腔管に接続された近
位サブアセンブリ、およびガスシール腔管に接続された遠位サブアセンブリを有する二つ
の部分から成るハウジングアセンブリを含み得る。
【0014】
本発明はまた、体腔内で内視鏡外科手術処置を実施するためのシステムを対象とし、そ
れは、それから延在するガス送達腔管に加圧ガスを送達するためのポンプを有するガス送
達デバイス、および、それから延在する送気ガスを送気腔管に送達するための送気装置を
有する。ガスシールモジュールは、ガス送達デバイスの外側のガス送達腔管の遠位端と連
通し、そこから延在するガスシール腔管内にガスシールを生成するように構成される。ガ
スシールスリーブは、ガスシール腔管の遠位端部分と連通する近位端部分、およびガスシ
ールスリーブ内で同軸上に取り付けられるように構成された管状アクセスポートを有し、
送気腔管の遠位端と連通する外科手術腔への機械的にシールされた器具のアクセスを提供
するバルブシール近位ハウジングを有する。
【0015】
環状チャネルは、ガスシール腔管が外科手術腔と連通して外科手術腔内の安定圧力を維
持するように、スリーブの内面とアクセスポートの外面との間に形成される。シールリン
グは、環状チャネルの近位端をシールするためにガスシールスリーブの近位端部分に関連
付けられ、環状チャネルと外科手術腔との間の連通を促進するために、複数の円周方向に
離間した流路がガスシールスリーブの遠位端部分に形成される。システムはさらに、ガス
シールモジュールからガス送達デバイス内のポンプに戻るガス戻り腔管を含む。ガス送達
腔管およびガス戻り腔管は、ガス送達デバイス内に受容するために寸法設定されかつ構成
されたフィルタアセンブリと連通する。
【0016】
本発明はまた、ガスシールスリーブを提供するステップ、バルブシールトロカールをガ
スシールスリーブ内に取り付けるステップ、および取り付けられたバルブシールトロカー
ルと共にガスシールスリーブを患者の外科手術腔内に導入するステップを含む、患者の外
科手術腔にアクセスする新規方法を対象とする。方法はさらに、スリーブを、スリーブを
出入りする双方向のガス流のために適合されたガスシール腔管に接続するステップおよび
トロカールを送気腔管および検出管腔に接続するステップを含む。
【0017】
本発明はまた、外科手術腔内で内視鏡外科手術処置を実施するためのシステムであって
、ポンプから延在する内部ガス送達腔管に加圧ガスを送達するように構成されたポンプを
収容するガス送達デバイスを含むシステムを対象とする。ガスシールモジュールは、ガス
送達デバイス内に収容され、ガス送達腔管と連通し、そこから延在する内部ガスシールチ
ューブ内でガスシールを生成するように構成される。ガスシール腔管は、ガス送達デバイ
スから外部に延在するガスシール腔管と連通するように適合および構成され、バルブシー
ルアクセスポートは、外科手術腔への機械的にシールされた器具のアクセスを提供し、外
科手術腔内で安定圧力を維持するように、ガスシール腔管の遠位端と連通する。
【0018】
システムはさらに、ガスシールモジュールから延在し、ガスシールの形成に使用された
ガスを再循環して、ガス送達デバイス内のポンプに戻すための内部ガス戻り腔管を含む。
ガス送達デバイスはさらに、送気腔管を通して第二のバルブシールアクセスポートに送気
ガスを送達するための送気装置を含む。
【0019】
本発明のこの実施形態では、ガスシールモジュールは、好ましくは、ガスシールを生成
するための、少なくとも一つの径方向内向きに角度付けられたノズルが内部に形成された
金属ディスクによって形成される一体型アセンブリ、およびガスシール腔管内への空気の
混入およびガスシール腔管からのガス放出に対応するための円筒状ボアを含む。
【0020】
少なくとも一つの径方向内向きに角度付けられたノズルは、ディスクの中心軸からオフ
セットされ得る円筒状ボアから径方向に離間し得ることが想定される。あるいは、ディス
クの中心軸からオフセットされ得る円筒状ボアから径方向に離間する、その中に形成され
た複数の径方向内向きに角度付けられたノズルを有し得る。または、ディスクは、ディス
クの中心軸と整列され得る、円筒状ボアを囲む、その中に形成される複数の径方向内向き
に角度付けられたノズルを有し得る。
【0021】
本発明はまた、外科手術腔内で内視鏡外科手術処置を実施するためのガス送達デバイス
と使用するためのチューブセットを対象とし、その中に形成される第一および第二の流路
を有するフィルタカートリッジアセンブリ、フィルタカートリッジから延在し、外科手術
腔と連通して、その中で安定圧力を維持し、排煙を促進するための、第一の流路と連通す
る第一の腔管、フィルタカートリッジから延在し、送気ガスを外科手術腔に送達し、腔内
圧を検出するための第二の流路と連通する第二の腔管を含む。
【0022】
フィッティングは、第一の機械的にシールされたアクセスポートと接続するための第一
の腔管の遠位端と動作可能に関連付けられ、フィッティングは、第二の機械的にシールさ
れたアクセスポートと接続するための第二の腔管の遠位端と動作可能に関連付けられる。
フィルタカートリッジの第一の流路内に配置された少なくとも一つのフィルタ要素、およ
び/またはフィルタカートリッジの第二の流路内に配置された少なくとも一つのフィルタ
要素があってもよい。
【0023】
ガス循環システムおよび本発明のシステムのこれらおよびその他の特徴は、以下の図面
の簡単な説明と併せてなされた好ましい実施形態の詳細な説明から、本発明に関連する当
業者にはより容易に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
当業者は、必要以上の実験無しに、本発明のガス循環システムおよびシールされた外科
手術アクセスデバイスを製造および使用する方法を容易に理解するであろうゆえに、好適
な実施形態を、図面を参照しながら以下に詳細に説明する。
【0025】
図1図1は、患者の腹腔内で実施される内視鏡外科手術処置中の本発明のガス送達システムの図であり、システムはガス送達デバイスを含み、ガス送達デバイスと遠隔ガスシールモジュールとの間に延在するガス送達ラインおよび戻りライン、ガスシールモジュールに取り付けられたガスシール腔管と連通する第一のバルブシールアクセスポート、ならびにガス送達デバイスと第二のバルブシールアクセスポートとの間に延在する送気ラインおよび検出ラインを含む。
図2図2は、図1に図示したガス送達システムのフィルタ付きチューブセット、遠隔ガスシールモジュール、およびバルブシールアクセスポートの斜視図である。
図3図3は、ガス送達ラインと戻りライン、遠隔ガスシールモジュール、ガスシール腔管、および第一のバルブシールアクセスポートとの接続を図示する、図1のガス送達システムの一部の分解斜視図である。
図4図4は、図示しやすいように部品が分離された状態の、図1に示すガス送達システムのガスシールモジュールの分解斜視図である。
図5図5および図6は、図4に示すガスシールモジュールの一部を形成するノズルチューブ要素の上面および底面斜視図である。
図6図5および図6は、図4に示すガスシールモジュールの一部を形成するノズルチューブ要素の上面および底面斜視図である。
図7図7および図8は、図3の線7-7および線8-8に沿って切り取られたガスシールモジュールの断面図である。
図8図7および図8は、図3の線7-7および線8-8に沿って切り取られたガスシールモジュールの断面図である。
図9図9は、図1に示されたガス送達デバイスと使用するためのフィルタ付きチューブセットの別の実施形態の図であり、ガス送達デバイスに受容されるように構成されたフィルタカートリッジ、二つの部分から成るハウジングを有する遠隔ガスシールモジュール、ガスシールモジュールに取り付けられたガスシール腔管と連通するバルブシールアクセスポート、および別のバルブシールアクセスポートと連通する送気腔管および検出腔管の間に延在するガス送達および戻りラインを含む。
図10図10は、ガスシールモジュールと第一のバルブシールアクセスポートとの間、および送気腔管と検出腔管および第二のバルブシールアクセスポートとの間に延在するガスシール腔管を図示する、図9のガス送達システムの一部分の拡大斜視図である。
図11図11は、図9に示した遠隔ガスシールモジュールの拡大斜視図である。
図12図12は、図9に示す遠隔ガスシールモジュールの分解斜視図であり、図示の容易さのために部品が分離されており、そこから延在するガスシール腔管内のガスシールを生成するための環状ジェットアセンブリを含む。
図13図13は、図12のガスシールモジュール内に収容された環状ジェットアセンブリの分解斜視図である。
図14図14は、図1に示されたガス送達デバイスと使用するためのフィルタ付きチューブセットの別の実施形態の図であり、ガス送達デバイスに受容されるように構成されたフィルタカートリッジ、遠隔ガスシールモジュール、ガスシールモジュールに取り付けられたガスシール腔管と連通するバルブシールアクセスポート、および別のバルブシールアクセスポートと連通する送気腔管および検出腔管の間に延在するガス送達および戻りラインを含む。
図15図15は、ガスシールモジュールと第一のバルブシールアクセスポートとの間、および送気腔管と検出腔管および第二のバルブシールアクセスポートとの間に延在するガスシール腔管を図示する、図14のガス送達システムの一部分の拡大斜視図である。
図15a図15aは、ガス送達ラインおよび戻りラインがガスシールモジュール上のフィッティングから分離された、コネクタの局所的な図である。
図16図16および図17は、遠隔ガスシールモジュールの内部およびガス送達腔管とガス戻り腔管の接続点を図示する、図15の線16-16に沿って切り取られた断面図である。
図17図16および図17は、遠隔ガスシールモジュールの内部およびガス送達腔管とガス戻り腔管の接続点を図示する、図15の線16-16に沿って切り取られた断面図である。
図18図18は、ガスシール腔管の遠位端部分と連通する近位端部分を有するガスシールスリーブ、およびスリーブ内の同軸受容のために構成されたバルブシール管状アクセスポートを含む、本発明の好ましい実施形態に従って構成された外科手術アクセスアセンブリの斜視図である。
図19図19は、ガスシールスリーブから分離されたバルブシール管状アクセスポートを含む、図18に示す外科手術アクセスアセンブリの分解斜視図である。
図20図20は、図18の外科手術アクセスアセンブリと連動した、図14のフィルタ付きチューブセットの斜視図である。
図21図21は、図20に示すフィルタ付きチューブセットの分解斜視図であり、図示しやすいように部品が分離されている。
図22図22は、図18の線22-22に沿って切り取られた断面図である。
図23図23は、図18に示す外科手術アクセスアセンブリの遠位端部分の局所的な平面図である。
図24図24は、本発明の好ましい実施形態に従って構成された別のガス送達システムの図であり、ガス送達デバイスは、フィルタカートリッジからバルブシールアクセスポートに延在するガスシール腔管と連通する内部ガスシールモジュールを含み、また、フィルタカートリッジから第二のバルブシールアクセスポートに延在する送気腔管および感知腔管も含む。
図25図25は、バルブシールアクセスポートがそれに関連した、図24のガス送達デバイスに採用されたフィルタ付きチューブセットの斜視図である。
図26図26は、図24に示すガス送達デバイス内部の局所的斜視図である。
図27図27は、図24の線27-27に沿って切り取られた断面図である。
図28図28は、図示しやすいように部品が分離された状態の、図24に示すガス送達デバイス内に位置付けられた内部ガスシールモジュールの分解斜視図である。
図29図29は、それに関連したガス流路が図示された、図24のガス送達デバイスの概略図である。
図30図30図37は、図28に示す内部ガスシールモジュールとガスシールを生成するための一つのノズルディスクの四つの異なる実施形態を図示する。
図31図30図37は、図28に示す内部ガスシールモジュールとガスシールを生成するための一つのノズルディスクの四つの異なる実施形態を図示する。
図32図30図37は、図28に示す内部ガスシールモジュールとガスシールを生成するための一つのノズルディスクの四つの異なる実施形態を図示する。
図33図30図37は、図28に示す内部ガスシールモジュールとガスシールを生成するための一つのノズルディスクの四つの異なる実施形態を図示する。
図34図30図37は、図28に示す内部ガスシールモジュールとガスシールを生成するための一つのノズルディスクの四つの異なる実施形態を図示する。
図35図30図37は、図28に示す内部ガスシールモジュールとガスシールを生成するための一つのノズルディスクの四つの異なる実施形態を図示する。
図36図30図37は、図28に示す内部ガスシールモジュールとガスシールを生成するための一つのノズルディスクの四つの異なる実施形態を図示する。
図37図30図37は、図28に示す内部ガスシールモジュールとガスシールを生成するための一つのノズルディスクの四つの異なる実施形態を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
ここで、同様の参照番号が、本発明の類似の構造要素および特徴を特定する図面を参照
し、患者の外科手術腔内で内視鏡外科手術処置を実施するためのより具体的には、患者の
腹腔内で腹腔鏡外科手術処置を実施するためのガス循環システムが図1に図示されており
、これは、本開示の好ましい実施形態に従って構築され、概して参照番号10によって指
定される。当業者であれば、本発明のガス循環システム10は、患者の胸腔内で胸腔鏡外
科手術処置、ならびに経肛門および経食道的外科手術処置などの管腔内外科手術処置を実
施するために使用され得ることを容易に理解するであろう。
【0027】
図1を参照すると、本発明のガス循環システム10は、プログラム可能なマルチモード
ガス送達デバイス12と協働するように特に設計される。このタイプのガス送達デバイス
12は、例えば、同一出願人による米国特許第9,375,539号に記載されており、
その開示の全体が参照により本明細書に援用される。ガス送達デバイス12は、動作パラ
メータを設定するためのグラフィカルユーザーインターフェース14、および患者20の
外科手術腔18に対する加圧ガスの循環/再循環を促進するためのポンプ16を含む。ガ
ス送達デバイス12は、内部送気装置15によって患者20の外科手術腔18に送気ガス
を送達するための外科手術ガスの携帯式供給源22に接続される。あるいは、ガスは、常
置式供給源からガス送達デバイス12に供給され得る。
【0028】
図2と併せて図1を引き続き参照すると、システム10は、ガス送達デバイス12と動
作可能に関連付けられるフィルタ付きチューブセット30をさらに含む。フィルタ付きチ
ューブセット30は、同一出願人による、米国特許第9,526,849号に記載される
タイプの使い捨てフィルタカートリッジ32を含み、その開示の全体が参照により本明細
書に援用される。ガス送達腔管34およびガス戻り腔管36は、フィルタカートリッジ3
2と遠隔に配置されたガスシールモジュール40との間に延在し、これは以下でより詳細
に説明する。第一のバルブシールアクセスポート42は、ガスシール腔管44を通してガ
スシールモジュール40と連通し、送気ラインおよび検出ライン46は、フィルタカート
リッジ32と第二のバルブシールアクセスポート48の間に延在する。コネクタ43は、
第一のアクセスポート42上のフィッティングと嵌合するためのガスシール腔管44の遠
位端と関連付けられ、コネクタ47は、第二のアクセスポート48上のフィッティングと
嵌合するための送気ラインおよび検出ライン46の遠位端と関連付けられる。
【0029】
ここで図3を参照すると、ガス送達腔管34および戻り腔管および36、ガスシール腔
管44および第一のバルブシールアクセスポート42とともに、遠隔ガスシールモジュー
ル40(すなわち、アクセスポート42、およびガス送達デバイス12から離れて位置す
る)が示される。概して、遠隔ガスシールモジュール40は、安定圧力を維持し、内視鏡
外科手術処置中に患者20の外科手術腔18内の排煙を促進するために、ガスシール腔管
44を通って第一のバルブシールアクセスポート42に延在するガスシールを生成するよ
うに適合および構成される。
【0030】
図4を参照すると、遠隔ガスシールモジュール40は、略円筒形の近位ハウジング部分
50および近位ハウジング部分50から軸方向に延在する細長い管状ステム部分52を含
む。近位ハウジング部分50は、ガス送達腔管34と連通するための軸方向にオフセット
された入口ポート54、およびガス戻り腔管36と連通するための隣接する軸方向にオフ
セットされた出口ポート56を有する端部キャップ55と関連付けられる。
【0031】
続けて図5および図6と併せて図4を参照し、ガスシールモジュール40は、近位ハウ
ジング部分50とエンドキャップ55との間に挟まれたノズル本体60をさらに含み、ガ
ス送達デバイス12のポンプ16からの加圧ガスを、ガス送達腔管34およびエンドキャ
ップ55の入口54を通して、ガスシールモジュール40内でガスシールを生成するため
の三日月形状の入口プレナム62a、およびガス戻り腔管36を介してポンプ16に戻る
ための出口56を通してガスシールモジュール40内でガスシールを生成するのに使われ
た使用済みガスを受け取るための三日月形状の出口プレナム62bを画定する。三日月形
状のプレナム62aおよび62bは、それぞれの三日月形状のガス導管チャネル63aお
よび63bを有する。
【0032】
ガスシールモジュール40のノズル本体60は、中央ガス輸送プレナム64をさらに含
み、これは両端で雰囲気に対して開放され、入口プレナム62aと62bの間に配置され
る。ノズル本体60はまた、ガス輸送プレナム64と連通する遠位に延在するノズルチュ
ーブ65を含む。ノズルチューブ65は、ガス輸送プレナム64と連通する中央ボア70
を有し、ガスシールガスシール腔管44を出入りするガス交換を促進する双方向の通気経
路を画定し、ガス交換には、限定するものではないが、雰囲気から外科手術腔18内への
空気の混入、および過圧を緩和するための、外科手術腔18から雰囲気へのガス放出が含
まれる。ノズルチューブ65の外周は、複数の円周方向に離間したランド領域66を含み
、これは、ガス送達腔管34からガスシールモジュール40に送達される加圧ガスを加速
させて、ガスシール腔管44内にガスシールを形成するための、円周方向に離間した一組
の埋め込まれたガスジェット68を画定する。
【0033】
図7および図8と併せて図4を引き続き参照すると、ガスシールモジュール40の近
位ハウジング部分50は、ノズル本体60の入口プレナム62aのガス入口チャネル63
aと連通する中央円筒形プレナム領域72、およびガス戻りプレナム62bのガス戻りチ
ャネル63bと連通する取り囲む環状プレナム領域74を含む。環状プレナム領域74は
、複数の円周方向に離間したガス戻りポート75を含む。
【0034】
ノズルボア76は、中央プレナム領域72内に形成され、図7および図8において最も
よくわかるように、ノズル本体60のノズルチューブ65は、上述のように、ノズルチュ
ーブ65の外周面に埋め込まれた、円周方向に離間したジェット68の径方向外側の境界
を形成するために、ノズルボア76内に係合するように寸法設定され、構成される。
【0035】
図7および図8と併せて図4を参照すると、ガスシールモジュール40の近位ハウジン
グ部分50から軸方向に延在する細長い管状ステム部分52は、ガス戻りポート75を介
して環状プレナム領域74にガスシールを生成するために使われた使用済みガスを案内す
るように構成された、円周方向に離間した複数のフィン82を収容する近位フランジ部分
80を含む。管状ステム部分52はさらに、ガスシールが円周方向に離間したジェット6
8によって生成される、ガスシールモジュール40の内部領域85を画定する、内側スロ
ート部分84を含む。ステム部分52はまた、図3で最も良くわかるように、ガスシール
腔管44と接続するように寸法設定され構成された遠位チューブフィッティング86を含
む。
【0036】
ここで図9~12を参照すると、本発明の好ましい実施形態に従って構成された別のフ
ィルタ付きチューブセットが図示されており、これは、一般に参照番号130によって示
され、ガスシール送達腔管およびガス戻り腔管がガスシール腔管からオフセットされ、か
つそれに対して平行であるという点で、上述の遠隔シールモジュール40とは異なる遠隔
ガスシールモジュール140を含む。
【0037】
より具体的には、チューブセット130は、フィルタカートリッジ132、ガス送達腔
管134、およびフィルタカートリッジ132とガスシールモジュール140との間に延
在するガス戻り腔管136、ガスシールモジュール140から第一のバルブシールアクセ
スポート142に延在するガスシール腔管144、およびフィルタカートリッジ132か
ら第二のバルブシールアクセスポート148に延在する送気腔管および検出腔管146を
含む。本発明のこの実施形態では、ガスシールモジュール140は、ガス送達腔管134
とガス戻り腔管136の接続部が、ガスシール腔管144の接続部に対して平行に、かつ
それからオフセットして配置されるように構成される。
【0038】
ここで図11および12を参照すると、遠隔ガスシールモジュール140は、第一の構
成要素152およびサブアセンブリ157から成る、二つの部分が機械的に相互接続され
たハウジングアセンブリ145を含む。第一の構成要素152は、ガス送達腔管134お
よびガス戻り腔管136に接続され、かつそれらと連通する。サブアセンブリ157は、
ガスシール腔管144に接続され、かつそれと連通する。
【0039】
より具体的には、二つ部分から成るハウジング145の構成要素152は、ガス送達腔
管134との直接連通のための入口ポート154、およびガス戻り腔管136との直接連
通のための隣接する出口ポート156を有する。二つ部分から成るハウジング145のサ
ブアセンブリ157は、内部プレナムチャンバ159を画定する本体部分155、および
ガスシール腔管144と接続するよう寸法設定され、かつ構成された遠位に延在するチュ
ーブフィッティング186を含む。
【0040】
本体部分155の内部プレナムチャンバ159は、図13に図示したタイプの二部品リ
ングジェットアセンブリ190を受容するように寸法設定かつ構成され、これは同一出願
人による米国特許第9,907,569号により詳細に記載されており、その開示の全体
が参照により本明細書に援用される。一般に、図13に示すように、二部品リングジェッ
トアセンブリ190は、Oリングシール193を有する上部部材192、およびOリング
シール195を有する下部リング部材194から成る。
【0041】
ジェットアセンブリ190は、入口ポート163を通してガス送達腔管134から加圧
ガスを受け取り、本体部分155の遠位スロート領域184内でガスシールを生成するよ
うに、そのガスを加速するように機能する(図10参照)。スロート領域184で生成さ
れるガスシールは、安定圧力を維持し、内視鏡外科手術処置中、患者20の外科手術腔1
8内の排煙を促進するように、ガスシール腔管144からアクセスポート142までの長
さを通じて安定圧力を維持する安定圧力バリアを生成する。
【0042】
図12で最も良く分かるように、円周方向に離間されたガイドフィン182が、スロー
ト領域184内でガスシールを生成するのに使用されたガスを、出口フィッティング17
0を介してガス戻り腔管136に戻るように案内するため、本体部分155のプレナムチ
ャンバ159内に提供される。構成要素152はまた、ガスシール腔管144を出入りす
るガス交換を促進する通気経路188を含み、ガス交換には、限定するものではないが、
雰囲気から外科手術腔18内への空気の混入、および過圧を緩和するための、外科手術腔
18から雰囲気へのガス放出が含まれる。
【0043】
ここで図14~17を参照すると、本発明の好ましい実施形態に従って構成されたさら
に別のフィルタ付きチューブセットが図示されており、これは、一般に参照番号230に
よって示され、上述の遠隔シールモジュールのそれぞれとは異なる遠隔ガスシールモジュ
ール240を含む。より具体的には、チューブセット230は、フィルタカートリッジ2
32、ガス送達腔管234、およびフィルタカートリッジ232とガスシールモジュール
240との間に延在するガス戻り腔管236、ガスシールモジュール240から第一のバ
ルブシールアクセスポート242に延在するガスシール腔管244、およびフィルタカー
トリッジ232から第二のバルブシールアクセスポート248に延在する送気腔管および
検出腔管246を含む。
【0044】
本発明のこの実施形態では、ガスシールモジュール240は、ガス送達腔管234およ
びガス戻り腔管236がガスシール腔管244の出口に対して垂直に配置され、ガス送達
腔管234およびガス戻り腔管236が同心円構成でガスシールモジュール240のハウ
ジング250と接続するよう配置されるように構成される。
【0045】
より具体的には、ガス送達腔管234およびガス戻り腔管236は、図15aで最もよ
く分かるように、ガスシール腔管244の接続部に対して垂直方向に、ガスシールモジュ
ール240のハウジング250から延在する、対応するように構成されたフィッティング
245と嵌合する回転可能なデュアルルーメン同心コネクタ235と動作可能に関連付け
られる。このタイプのコネクタは、同一出願人による、米国特許出願公開第2017/0
361084号に開示されており、その開示の全体が参照によって本明細書に援用される
。ガスシールモジュール240のハウジング250は、さらに、雰囲気との双方向のガス
交換(すなわち、腔管244による空気混入および過圧緩和のための)を促進するルーバ
ー付き通気孔280を含み、図16および17で最もよく分かるように、ガスシール腔管
244と一列に配置される。
【0046】
本発明のこの実施形態では、ガスシールモジュール240は、ハウジング250のスロ
ート部分284の内部領域285とガスシールを生成するために、図13に示され、同一
出願人による米国特許第9,907,569号に記載されたタイプの二部品リングジェッ
トアセンブリ290を含み、これは安定圧力を維持し、内視鏡外科手術処置中に患者20
の外科手術腔18内の排煙を促進するように、アクセスポート242までガスシール腔管
244の長さを通して安定圧力を維持する安定圧力バリアを生成する。
【0047】
ここで図18~23を参照すると、例えば、図14に示すフィルタ付きチューブセット
230など、前述したフィルタ付きチューブセットのいずれか一つと併せて使用するよう
適合および構成された外科手術アクセスアセンブリ300が図示される。外科手術アクセ
スアセンブリ300は、主に、管状ガスシールスリーブ342およびバルブシールアクセ
スポート348を含む。管状ガスシールスリーブ342は、チューブセット230のガス
シール腔管244の遠位端部分上のコネクタ247と連通するためのフィッティング34
7を含む近位端部分343を有する。バルブシールアクセスポート348は、管状スリー
ブ342内に同軸上に取り付けるために構成され、機械的にシールされた器具の外科手術
腔18へのアクセスを提供し、チューブセット230の送気腔管および検出腔管246の
遠位端上のコネクタ249と連通するためのフィッティング349を有する。
【0048】
図22および23で最もよく分かるように、アクセスポート348は、アクセスポート
348の中央腔管369を通して外科手術腔18への気密アクセスを提供するためのダッ
クビルシール367を収容する近位ハウジング365を有する。図22を特に参照すると
、中央腔管369は、システム300に送気腔管および検出腔管を提供し、ガスシール腔
管244が外科手術腔18と連通して安定圧力を維持し、外科手術腔18内の排煙を促進
するように、細長い環状チャネル353がガスシールスリーブ342の内周面とアクセス
ポート348の外周面との間に形成される。
【0049】
シールリング355は、環状チャネル353の近位端を封止するために、スリーブ34
2の近位端部分343と関連付けられ、図23で最もよく分かるように、環状チャネル3
53と患者の外科手術腔の間の連通を促進するために、複数の円周方向に離間した流路3
57が、ガスシールスリーブ342の遠位端部分359に形成され、それによって、外科
手術腔内の安定圧力を維持し、内視鏡外科手術処置中の排煙を促進する。
【0050】
使用時、内視鏡外科手術処置の間にアクセスアセンブリ300を用いて外科手術腔18
にアクセスするために、バルブシールポート348はまずガスシールスリーブ342に取
り付けられ、次に、バルブシールポート348と共にガスシールスリーブ342が患者2
0の外科手術腔18に導入される。バルブシールポート348の角度付き遠位縁363は
、アセンブリ300の経皮的導入を助けるが、これは、当技術分野で周知のように、その
中に配置される典型的なオブチュレータまたはイントロデューサを使用して達成される。
【0051】
方法はさらに、ガスシール腔管244の端部上のフィッティング247を、ガスシール
スリーブ342を出入りする双方向のガス流のために適合されたスリーブ342のフィッ
ティング347に接続するステップ、および送気腔管および検出腔管246の端部上のフ
ィッティング249をバルブシールポート348のフィッティング349に接続するステ
ップを含む。金属アクセスデバイスが本システムで使用される場合、スリーブ342は、
容量性カップリングから生じる電気ショックを防止するために接地される必要があると想
定される。
【0052】
ここで図24を参照すると、本発明の好ましい実施形態に従って構成された固有のガス
送達システム400が図示される。ガス送達システム400は、上述の外部遠隔に位置付
けられたガスシールモジュールとは対照的に、内部ガスシールモジュール440を有する
ガス送達デバイス412を含む。ガス送達デバイス412はまた、動作パラメータを設定
するためのグラフィカルユーザーインターフェース414、ガス源から送気ガスを受け、
そのガスを患者の外科手術腔に送達するための内部送気装置415、および内部ガスシー
ルモジュール440に対する加圧ガスの循環/再循環を促進するためのポンプ416を含
む。送気装置415およびガスシールモジュール440は、図25で最もよく分かるよう
に、固有のフィルタ付きチューブセット430と連通する。
【0053】
図25を参照すると、フィルタ付きチューブセット430は、ガスシール腔管444お
よび送気腔管および検出腔管446が延在するフィルタカートリッジ432を含む。ガス
シール腔管444は、フィルタカートリッジ432から第一のバルブシールアクセスポー
ト442まで延在し、送気腔管および検出腔管446は、第二のバルブシールアクセスポ
ート448まで延在する。内部ガスシールモジュール440は、ガスシール腔管444を
通して第一のアクセスポート442まで安定圧力を維持して安定圧力を維持し、内視鏡外
科手術処置中に患者の外科手術腔内での排煙を促進する、安定圧力バリアを生成するガス
シールを生成する。
【0054】
図29の概略図と併せて図26~27を参照すると、ガス送達デバイス412のハウジ
ング413の内部が図示されており、これは、内部ガスシールチューブ425によって内
部ガスシールモジュール440と連通する、フィルタ付きチューブセット430のカート
リッジ432を取り外し可能に受容するための受容空洞417を含む。フィルタカートリ
ッジ432は、送気導管446への送気ガス流を濾過するための第一のフィルタ要素43
1、およびガスシール腔管444を出入りするガスを濾過するための第二のフィルタ要素
433を含む。フィルタカートリッジ432は、交換可能かつ使い捨て式のチューブセッ
ト430の一部であると説明されてきたが、例えば図29に示すように、フィルタ要素4
31および433のうちの一方または両方が、ガス送達デバイス412のハウジング41
3内の内部区画に取り付けられた取り外し可能なフィルタ要素の形態であり得ることは、
充分に本開示の範囲内であり、想定されている(例えば、内部フィルタ457を参照)。
【0055】
内部送気チューブ419は、送気装置415と受容空洞417との間に延在する。さら
に、内部ガス送達導管421は、ポンプ416の高圧出口側からガスシールモジュール4
40の入口側に延在し、内部ガス戻り導管423は、ガスシールモジュール440の出口
側とポンプ416の入口または吸引側との間に延在する。
【0056】
図28と併せて図26を参照すると、ガスシールモジュール440は、ガス交換に対応
するための、ルーバー付き通気プレート429を含む、直立ブラケット427上でガス送
達デバイス412のハウジング413で支持され、ガス交換は、限定するものではないが
、雰囲気からガスシールモジュール440への空気混入およびガスシールモジュール44
0から雰囲気へのガス放出を含む。図29に示すように、ガス送達デバイス412の実施
形態は、ガスシールモジュール440のハウジング450から内部フィルタ要素457に
延在する内部通気管455を含む。内部フィルタ457は、ハウジング413から雰囲気
に延在する出口チューブ459と連通して、ガス交換を促進する。
【0057】
ガスシールモジュール440のハウジング450は、加圧ノズルアセンブリ490を支
持するように寸法設定かつ構成されるが、これは、ハウジング450からガスシールチュ
ーブ425まで延在するスロートセクション484内のガスシールを生成するために加圧
ガスを加速するように適合および構成される。ノズルアセンブリ490は、関連するOリ
ングシール493を有する上部リング構成要素492、および関連するOリングシール4
95を有する下部ノズルディスク494を含む。以下でより詳細に説明するように、ノズ
ルディスク494は、一つまたは複数のガス加速ノズルを含む。
【0058】
図27で最もよく分かるように、ガス入口プレナム497は、内部ガス送達導管421
から加圧ガスを受けるために、上部リング構成要素492の下面と下部ノズルディスク4
94の上面との間に形成される。より具体的には、ハウジング450は、ガス送達導管4
21と連通するための入口ポート451、およびガス戻り導管423と連通するための出
口ポート453を含む。ノズルアセンブリ490は、ルーバー付き通気プレート429に
よる放出によって、雰囲気との双方向のガス交換を促進するための通気経路499を画定
する。
【0059】
ここで図30図37を参照すると、金属ノズルディスクの四つの異なる実施形態が図
示されており、その各々は、上述したように、図28に示す内部ガスシールモジュール4
40内にガスシールを生成するように適合および構成される。これらの実施形態では、各
金属ディスク594は、ガス送達デバイス412の内部ガスシールモジュール444内に
ガスシールを生成するためのポンプ416から受け取った加圧ガスを加速するために、そ
の中に少なくとも一つの径方向内向きに角度付けられたノズル596、ガスシール腔管4
44への空気混入およびそれからのガス放出に対応するための円筒状ボア598、および
モジュール440のハウジング450内のディスク594の高圧側と低圧側を分離して封
止するためのOリングシール595により形成される。
【0060】
まず図30および図31を参照すると、ディスク594の実施形態は、円筒状ボア59
8から径方向に離間した径方向内向きに角度付けられたノズル596を一つ含み、その両
方がディスク594の中心軸からオフセットされている。ディスク594の代替的な実施
形態は、図32および33に図示するように、円筒状ボア598から径方向に離間した、
径方向内向きに角度付けられた複数のノズル596をその中に有し、それらすべてディス
クの中心軸からオフセットされている。
【0061】
別の実施形態では、ディスク594は、図34および図35に図示するように、ディス
ク594の中心軸と軸方向に整列した円筒状ボア598を囲む、その中に形成された径方
向内向き角度付けられた複数のジェットノズル596を有する。ディスク594のさらに
別の実施形態では、図36および37に図示するように、ディスク594の外周から延在
する径方向入口通路597を通して加圧ガスを受ける径方向内向き角度付けられたノズル
596が一つあり、円筒状ボア598は、ディスク594の中心軸と軸方向に整列してい
る。
【0062】
要するに、これらの金属ディスク594のそれぞれにおける円筒状ボア598は、ガス
シールアクセスポートのためのリングジェットアセンブリの中央ボアと同じ機能を提供す
し(米国特許第8,795,223号を参照)、これは、中央に位置し、器具の通過を可
能にする。しかしながら、ジェットディスク594はガス送達デバイス412の内部にあ
り、器具通路を収容する必要がないため、各ディスク594における円筒状ボア598は
それほど大きくなく、中心から外れて位置することができる。これは、アクセスポートを
通過する円筒形器具の周りに気密シールを形成する必要がないためである。このボアは、
製造の容易さのために円筒形であるが、そうである必要はない。
【0063】
対象開示が好ましい実施形態を参照して示され、記述されてきたが、当業者であれば、
変更または修正が、対象開示の範囲から逸脱することなく作成され得ることを容易に理解
するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図15a
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
【手続補正書】
【提出日】2023-01-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科手術腔内で内視鏡外科手術処置を実施するためのガス送達デバイスと使用するためのフィルタ付きチューブセットであって、
a)その中に形成された第一および第二の流路を有するフィルタカートリッジアセンブリ、
b)前記フィルタカートリッジから延在し、前記外科手術腔と連通して安定圧力を維持し、その中で排煙を促進するための前記第一の流路と連通する第一の腔管、
c)前記フィルタカートリッジから延在し、前記第二の流路と連通して前記外科手術腔に送気ガスを送達し、腔内圧力を検出する第二の腔管を備える、フィルタ付きチューブセット。
【請求項2】
フィッティングが、第一のバルブシールアクセスポートと接続するための前記第一の腔管の遠位端と動作可能に関連付けられる、請求項に記載のフィルタ付きチューブセット。
【請求項3】
フィッティングが、第二のバルブシールアクセスポートと接続するための前記第二の腔管の遠位端と動作可能に関連付けられる、請求項に記載のフィルタ付きチューブセット。
【請求項4】
少なくとも一つのフィルタ要素が、前記フィルタカートリッジの前記第一のフィルタ付き流路内に配置される、請求項に記載のフィルタ付きチューブセット。
【請求項5】
少なくとも一つのフィルタ要素が、前記フィルタカートリッジの前記第二のフィルタ付き流路内に配置される、請求項に記載のフィルタ付きチューブセット。
【請求項6】
前記第一の腔管が、前記外科手術腔内の安定圧力を促進し、前記外科手術空洞からの排煙を促進するように、双方向ガス流のために構成される、請求項に記載のフィルタ付きチューブセット。