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  • 特開-盗難防止機能を備えた駐車装置 図1
  • 特開-盗難防止機能を備えた駐車装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023030261
(43)【公開日】2023-03-08
(54)【発明の名称】盗難防止機能を備えた駐車装置
(51)【国際特許分類】
   E04H 6/42 20060101AFI20230301BHJP
【FI】
E04H6/42 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021135300
(22)【出願日】2021-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】521297738
【氏名又は名称】イーグル設計株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087169
【弁理士】
【氏名又は名称】平崎 彦治
(72)【発明者】
【氏名】柳原 智
(57)【要約】
【課題】 車両が盗難に遭わないように駐車する駐車装置の提供。
【解決手段】 所定の幅寸法と長さ寸法を有す枠体には複数本のローラを配列し、各ローラは回転自在に軸支されているが、必要に応じて回転することなくロックすることが出来るストッパーを有し、
枠体の付近にはタッチパネルを備えたスタンドを起立し、
該タッチパネルに携帯電話機をかざすことで上記ストッパーが作動してローラの回転及びロックを制御することが出来るように構成され、
上記ローラが回転したならば、その旨を携帯電話機へメッセージが送信されるようにしている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が盗難に遭わないように駐車する駐車装置において、所定の幅寸法と長さ寸法を有す枠体には複数本のローラを配列し、各ローラは回転自在に軸支されているが、必要に応じて回転することなくロックすることが出来るストッパーを有し、枠体の付近にはタッチパネルを備えたスタンドを起立し、該タッチパネルに携帯電話機をかざすことで上記ストッパーが作動してローラの回転及びロックを制御することが出来るように構成され、駐車している車両のローラが回転したならば、その旨を携帯電話機へメッセージが送信されるようにしたことを特徴とする盗難防止機能を備えた駐車装置。
【請求項2】
複数本の上記ローラは連結手段にて間隔が調整されるように連結し、ローラの先端から延びるローラ軸が嵌るローラ軸受けは枠体の縦桟に設けたガイド溝に沿って移動可能に遊嵌し、該ローラ軸の先端にはクラッチ板を設け、該クラッチ板に押圧・密着してローラの回転をロックすることが出来るクラッチ板を縦桟に取付けた請求項1記載の盗難防止機能を備えた駐車装置。
【請求項3】
上記連結手段として隣り合うローラ軸受けを繋ぐ調整バネを用いた請求項2記載の盗難防止機能を備えた駐車装置。
【請求項4】
駐車した車両が駐車料金を支払わないで退出することを防止する駐車装置において、所定の幅寸法と長さ寸法を有す枠体には複数本のローラを配列し、各ローラは回転自在に軸支されているが、必要に応じて回転することなくロックすることが出来るストッパーを有し、枠体の付近には料金投入器を備えたスタンドを起立し、駐車料金を支払わないで車両が退出しようとする場合には、ローラが回転して警報音を発するようにしたことを特徴とする駐車装置。

















【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両が盗難に遭わないように、盗難防止機能を備えた駐車装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両を駐車する方法は色々あり、最も簡単な駐車装置としてはアスファルトを敷設した地面に白線で区画(駐車スペース)を形成し、この駐車スペース内に車両を駐車することが出来る。
このように、白線で区画を形成した駐車スペースに車両を駐車する方法は最も手軽であり、駐車装置としての設置費用は安くなる。
【0003】
白線で区画した駐車スペースの場合、他人が無断で駐車することが出来、また、無断で退出することが可能であり、しかも駐車した車両は盗難に遭うこともあるが、盗難を防止する機能は備わっていない。
近年、駐車装置は色々存在していて、有料の駐車装置の場合、車両は駐車すると遮蔽板が起立して料金を支払うことなく退出することが出来ないようになっている。
しかし、地面から起立する遮蔽板ではその高さも限られ、4輪駆動車などの大きなタイヤを装着している車両は、料金を支払うことなく退出することが出来る。
【0004】
特開2013-217096号に係る「駐車装置」は、車両の盗難対策や駐車代金の回収等を確実に行うことができる。
該駐車装置は、筐体と、筐体の前方で回転自在に支承され横方向に延在するフロントローラと、筐体の後方で回転自在に支承されフロントローラと平行に延在するリアローラと、フロントローラの外周面に当接してフロントローラの回転を規制する規制部材と、フロントローラの外周面と規制部材の当接または離脱を切り替える切替手段とを備えている。この駐車装置は、比較的シンプルで信頼性が高く、小型化や軽量化も図り易く、携帯も可能である。このため、本発明の駐車装置を車両に積載しておけば、種々の駐車場所で車両の盗難対策を行うことができる。
【0005】
特開2012-172359号に係る「無断退出防止機構を備えた駐車設備」は、駐車設備を設置費用が安く、車の盗難、無断駐車、あるいは駐車場からの無断退出等を未然に防止することができる。
駐車設備を構成するフレームに両端を回転可能に軸支され、軸端近傍直径方向に凸部を有して車両進退方向に直交するよう設けた複数の回転ロック可能ローラと、フレーム内をアクチュエータにより車両進退方向に移動し、前記回転ロック可能ローラに設けた凸部と接触して回転を阻止する回転阻止部を有したローラ回転ロック部材とを設け、アクチュエータによるローラ回転ロック部材の車両進退方向への移動により、回転ロック可能ローラを少なくとも車両駐車中はフリー回転可能としている。
【特許文献1】特開2013-217096号に係る「駐車装置」
【特許文献2】特開2012-172359号に係る「無断退出防止機構を備えた駐車設備」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
今日、色々な型式の駐車装置が知られていて、夫々に特徴がある。
本発明が解決しようとする課題は、車両が駐車料金を支払わないで無断で退出することを防止し、また、駐車車両が盗難に遭わないようにすることが出来る駐車装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る駐車装置は所定の縦・横(長さ×幅)寸法を有す枠体を有し、該枠体には複数本のローラが軸支され、これら各ローラは長さ方向に所定の間隔をおいて配列している。ローラは枠体を構成する縦桟に軸支され、各ローラの間隔は調整することが出来る。
ローラの間隔が変化することで、枠体の長さは調整され、車両の長さに合うように設定することが出来るように構成している。
【0008】
ところで、各ローラは回転することが出来ないようにロックされ、必要に応じてロックが解除されて回転することが可能となる。ここで、ローラが回転しないように固定する具体的なロック機能は特に限定しない。
複数本のローラで構成される本発明の駐車装置には車両が進入して駐車し、勝手に退出出来ないようにしている。すなわち、車両が進入する際にはローラは回転しないようにロックされ、車輪は各ローラの上を移動することが出来る。所定の位置に駐車するならばローラは回転し、車両の無断退出を防止する。勿論、盗難も防止される。
【0009】
駐車装置の付近にはポール(スタンド)が起立し、該ポール上端にはコントロール機器が取り付けられている。
ここで、該コントロール機器が備えている機能は限定せず、駐車装置が個人所有の装置であるならば、盗難が防止されるように制御することが出来る。すなわち、駐車する際にはコントロール機器にスマホ(携帯電話機)をかざすならばローラは回転しないようにロックされる。
そして、車両が無断で退出しようとするならばローラは回転して車両は所定の位置から移動することが出来ず、該ローラの回転は警報としてスマートホン(携帯電話機)に送信される。すなわち、車両の盗難を知ることができる。
【0010】
該駐車装置が一般多数人の使用を目的としたものであれば、駐車料金を投入して清算することができる機能を備えている。すなわち、所定の料金を投入するならば、ローラの回転は阻止されてロックする。したがって、車両は駐車装置から退出することが出来る。
必要とする料金を投入することなく退出しようとするならば、盗難の場合と同じくローラは回転し、駐車装置の管理者へ通報される。また、コントロール機器から警報音が発生する。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る駐車装置は、複数本のローラを配列した構造であり、車両が出入りする際には、ローラは回転することなくロックされる。そして、駐車している車両が盗難にあって退出する場合には、ローラが回転することで駐車装置から出ることはできない。
この場合、無断にローラが回転した場合には車両が盗難される虞があるとして、コントロール機器から警告信号がスマートホン(携帯電話機)に送信される。
【0012】
また、該駐車装置を不特定多数の人が使うことが出来る場合であれば、駐車料金を支払うことなく退出しようとする際には、ローラは回転して車両を動かすことはできない。 ローラが回転する場合には、制御機器から警告音が発生して料金を支払うことなく退出することが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】車両が載っている場合の本発明に係る駐車装置を示す正面図。
図2】車両が載っている場合の本発明に係る駐車装置を示す平面図。
図3】車両が載っている場合の本発明に係る駐車装置を示す側面図。
図4】枠体の縦桟に配列しているローラ。
図5】ローラ軸が軸支されるローラ軸受け間を連結している調整バネ。
図6】ローラ軸受けの先端に設けているストッパー。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1図2図3は本発明に係る駐車装置を示す実施例であり、該駐車装置は個人が所有する型式であり、正面図、平面図、側面図をそれぞれ表している。
同図の1はローラ、2a,2bは枠体,3は固定片、4はコンクリートアンカーをそれぞれ表している。枠体2a,2bは所定の間隔を設けて平行に配置され、枠体2a、2bは両側に延びている固定片3,3・・・にコンクリートアンカー4,4・・・が打ち込まれて所定の位置に固定されている。
【0015】
そして、該枠体2a、2bには複数本のローラ1,1・・・が互いに平行に配列して取付けられ、これら各ローラ1,1・・・は回転可能に軸支され、時には回転することなく支持されている。そして、先端部の2本と後端部の2本は上方へ湾曲し、駐車する車両のタイヤ外周に沿っている。
同図に示す駐車装置は、駐車する車両の車輪が載るように,ローラ1,1・・・を取付けている枠体2a、2bは所定の間隔を設けて平行に配置しているが、分離することなく大きな幅広の枠体を用いることも出来る。
【0016】
図4は枠体2に取付けられているローラ1,1・・・の断面図であり、図5図4のA部拡大図を表している。
図5において、5はローラ軸、6はローラ軸受けを表し、ローラ軸受け6は枠体2に設けているガイド溝7に遊嵌している。ガイド溝7は枠体2の縦桟10に沿って設けられ、このガイド溝7にはローラ軸受け6が遊嵌し、ローラ軸受け6にはローラ軸5が嵌っている。
【0017】
ところで、隣り合うローラ1,1・・・のローラ軸受け6,6・・・の間には調整バネ8,8・・・が介在してローラ軸受け6,6・・・と連結している。
その為に、ローラ1,1・・・の間隔は常に一定ではなく、調整バネ8,8・・・が延びるならば間隔は大きくなり、調整バネ8,8・・・が縮むならば間隔は小さく成る。
ローラ1,1・・・が回転することでローラ軸5,5・・・も回転するが、ローラ軸受け6,6・・・は回転することなく調整バネ8,8・・・と連結している。
【0018】
したがって、一方のローラ1を引張るならば、調整バネ8,8・・・は伸ばされて各ローラ1,1・・・の間隔は大きくなる。枠体2の縦桟10にはスライド部11が設けられ、該スライド部11をスライドさせるならば、スライド部11に止着している後方端のローラ1のローラ軸5は同時にスライドして調整バネ8,8・・・を引張って伸びることが出来る。
縦桟10が適当な長さに成って各ローラ1,1・・・の間隔が均一に変化したところで、固定片3,3・・・をコンクリートアンカー4,4・・・を打ち込んで固定することが出来る。
【0019】
枠体に配列している各ローラ1,1・・・の間隔を調整する手段は、上記調整バネ8,8・・・に限るものではない。
例えば、ひし形リンクを繋いで構成し、各ひし形リンクの頂点にローラ1,1・・・を軸支することも出来る。このようにひし形リンクを介してローラ1,1・・・を連結した場合には、リンクのひし形が変化することで、ローラ1,1・・・の間隔は調整される。
【0020】
図6はローラ1のローラ軸5がローラ軸受け6に嵌って軸支されている場合を示している。
ローラ軸5,5はローラ1の両端から水平に延び、該ローラ軸5,5にはローラ軸受け6,6が嵌っている。該ローラ軸受け6,6はガイド溝7,7に遊嵌していて、調整バネ8,8の伸縮に伴ってスライド移動することが出来る。
すなわち、ローラ軸受け6,6には調整バネ8,8が連結し、その為に完全固定されておらず、ガイド溝7,7に遊嵌している適当な位置でローラ軸5,5は軸支される。
【0021】
そして、ローラ軸5、5の先端には該ローラ軸5,5の回転を阻止するストッパー9,9を設けている。ローラ1は回転可能に軸支されているが、必要に応じて回転しないように拘束することが出来、その為のストッパー9,9が設けられている。
ここで、ローラ軸5,5が回転しないように拘束するストッパー9の具体的な手段は色々あり、本発明では手段の構造は限定しない。
【0022】
例えば、ローラ軸5,5の先端にクラッチ板を取着し、一方の枠体2の縦桟10には別のクラッチ板を設け、クラッチ板を上記クラッチ板方向へ移動して密着し、クラッチ板の回転を阻止するように構成することが出来る。
縦桟10に設けているクラッチ板はエアシリンダーの動作で移動し、クラッチ板に押圧・密着することが出来る。車両がローラ1,1・・・の上に駐車している場合にはクラッチ板は解除され、ローラ1,1・・・は回転することが出来る。そして、車両が退出する場合には、ローラ1,1・・・は回転しないようにロックされる。
【0023】
ところで、駐車装置を設置する場合、駐車する車両の長さに合わせてスライド部11を移動し、位置が定まって適当な長さに成ったところで、固定片3,3・・・にコンクリートアンカー4,4・・・を打ち込んで固定される。本発明の駐車装置は、コンクリート面を掘り起こして施行する必要がなく、簡単に設置することが出来る。
車両は駐車装置に乗り上げてローラ1,1・・・の上に駐車する。枠体2の前方部と後方部には傾斜板12,12・・・が設けられ、車両は傾斜板12,12から進入することが出来る。車両が進入する場合には各ローラ1,1・・・は回転しないようにロックされていて、その為に車輪はローラ1,1・・・の上を移動し、所定の位置で停止することが出来る。
【0024】
そして、車両が駐車したならば、コントロール機器のタッチパネル13に携帯電話機をかざしてセットされ、車両の駐車が完了する。携帯電話機をかざしてセットすることで駐車が完了したならば、上記ローラ1,1・・・のロックは解除されて回転するようになる。すなわち、クラッチ板は後退してローラ軸5,5・・・の先端に取着しているクラッチ板から離れる。
ところで、セット時にローラ1,1・・・が回転するならば、携帯電話機にアラームが鳴り響く。すなわち、他人が駐車している車両を盗難しようとして車輪が回転するならば、同時にローラ1,1・・・の回転はスマートホン(携帯電話機)に通報される。
【0025】
本人が駐車している車両を駐車装置から退出する場合、タッチパネル13に携帯電話機をかざしてセットを解除する。セットが解除されるとクラッチ板はローラ軸先端のクラッチ板に押圧されて密着し、その為にローラ1,1・・・は回転しないようになる。
したがって、車両は車輪を回転することで固定された各ローラ1,1・・・の上を移動して駐車装置から退出することが出来る。
【0026】
本発明の駐車装置は盗難防止を第1の目的としているが、不特定多数の人が使う駐車装置として使うことも可能である。
このような目的の駐車装置の場合、駐車料金を支払わないで退出することが出来ないように構成される。基本的な構成は前記実施例の場合と同じであって、料金を支払わないで車両を出すことが出来ないようにローラ1,1・・・は回転し、必要な料金を支払うならば、ローラの回転は固定されて退出することが出来る。
各種車両が駐車することが出来る駐車装置の場合には、枠体にスライド部を設ける必要はなく、普通車用と軽自動車用に区別して設けられる。
【符号の説明】
【0027】
1 ローラ
2 枠体
3 固定片
4 コンクリートアンカー
5 ローラ軸
6 ローラ軸受け
7 ガイド溝
8 調整バネ
9 ストッパー
10 縦桟
11 スライド部
12 傾斜板
13 タッチパネル

図1
図2
図3
図4
図5
図6