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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023030336
(43)【公開日】2023-03-08
(54)【発明の名称】カールコードホルダ
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/15 20060101AFI20230301BHJP
【FI】
H04M1/15
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021135403
(22)【出願日】2021-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菅野 赳史
(72)【発明者】
【氏名】藤原 孝之
(72)【発明者】
【氏名】鳥越 義明
【テーマコード(参考)】
5K023
【Fターム(参考)】
5K023BB26
5K023CC01
5K023DD02
5K023JJ02
5K023JJ04
5K023PP02
5K023PP12
5K023PP13
5K023RR01
(57)【要約】
【課題】 カールコードの取り外しや組み込みが容易でカールコードに負荷をかけないカールコードホルダを提供する。
【解決手段】 カールコードホルダは、カールコードの螺旋伸縮方向に交差する方向に開閉可能な一対の保持部と、一対の保持部のそれぞれの対向する面に立設されカールコードを保持する少なくとも一対の板状突起と、を有し、一対の板状突起は、カールコードの螺旋伸縮方向に関して互いに回転対称に傾斜している。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カールコードの螺旋伸縮方向に交差する方向に開閉可能な一対の保持部と、
前記一対の保持部のそれぞれの対向する面に立設され前記カールコードを保持する少なくとも一対の板状突起と、を有し、
前記一対の板状突起は、前記カールコードの螺旋伸縮方向に関して互いに回転対称に傾斜している
ことを特徴とするカールコードホルダ。
【請求項2】
前記一対の保持部は前記カールコードの螺旋伸縮方向に交差する両端にヒンジ部及びラッチ部を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のカールコードホルダ。
【請求項3】
前記一対の板状突起は、前記カールコードのピッチ角と同等の傾斜角で傾斜している
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のカールコードホルダ。
【請求項4】
前記一対の板状突起は、その先端が、前記一対の保持部の閉状態の際に、対向する前記一対の板状突起の先端に当たらない高さを有する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のカールコードホルダ。
【請求項5】
前記一対の保持部の少なくとも一方は、前記一対の板状突起の一方から前記カールコードの幅と同等の距離で離れた平行な更なる板状突起を有する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のカールコードホルダ。
【請求項6】
前記一対の保持部の一部は物理的に固定するための接続部を有する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のカールコードホルダ。
【請求項7】
前記一対の保持部及び前記一対の板状突起は同一材質の一体成形体である
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のカールコードホルダ。
【請求項8】
前記カールコードは電話器本体と送受話器とを接続する接続コードである
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のカールコードホルダ。
【請求項9】
カールコードの螺旋伸縮方向に交差する方向に開閉可能な一対の保持部と、
前記一対の保持部のそれぞれの対向する面に立設され前記カールコードを保持する少なくとも一対の突起と、を有し、
前記一対の突起は、前記一対の保持部の閉状態の際に前記一対の突起が前記カールコードの螺旋部分の間隙に介入するように前記対向する面上の位置に配置されている
ことを特徴とするカールコードホルダ。
【請求項10】
前記一対の突起は、前記螺旋伸縮方向に交差する方向でオフセットして対向するように、前記対向する面上の位置に、配置されている
ことを特徴とする請求項9に記載のカールコードホルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカールコードを保持するカールコードホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
カールコードとして、例えば、プラスチックコードにコイル状に巻かれた形状すなわちカールを施して伸縮自在に形成した紐体が知られている。カールコードを保持するカールコードホルダとして、特許文献1において、身の回りの小さな備品や作業用の小道具類等を機能的に保持することができる整理ホルダが記載されている。
【0003】
また、カールコードには、プラスチック被覆した導線のカール電気コードも知られている。特許文献2には、電話器用治具として、カールコードが自重によって垂れ下がってしまい周囲に投げ出されることがないカールコードホルダが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】登録実用新案第3031223号公報
【特許文献2】特開平9-284372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示の技術の場合、カールコードをパイプ等にて完全に覆ってしまう構造であるため、取り外しや組み込みが容易ではない問題点がある。また、パイプ内部にカールコードを組み込む際に、カールコードに負荷を生じさせてしまい、カールコードの劣化を招いてしまうという問題点があった。
【0006】
また、特許文献2に記載の従来技術の場合、電話器用治具の先端のリングにカールコードを通して保持するために、リングがカールコードに負荷を生じさせてしまい、断線やカールコードの劣化を招いてしまうという問題点があった。
【0007】
本発明は、以上の従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、カールコードの取り外しや組み込みが容易でカールコードに負荷をかけないカールコードホルダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のカールコードホルダは、カールコードの螺旋伸縮方向に交差する方向に開閉可能な一対の保持部と、前記一対の保持部のそれぞれの対向する面に立設され前記カールコードを保持する少なくとも一対の板状突起と、を有し、前記一対の板状突起は、前記カールコードの螺旋伸縮方向に関して互いに回転対称に傾斜していることを特徴とする。
【0009】
また、本発明のカールコードホルダは、カールコードの螺旋伸縮方向に交差する方向に開閉可能な一対の保持部と、前記一対の保持部のそれぞれの対向する面に立設され前記カールコードを保持する少なくとも一対の突起と、を有し、前記一対の突起は、前記一対の保持部の閉状態の際に前記一対の突起が前記カールコードの螺旋部分の間隙に介入するように前記対向する面上の位置に配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明のカールコードホルダによれば、カールコードを、コードに沿う板状突起を一対の保持部に立設することで、コードに負荷を掛けることなくカールコードを傷つけずに保持でき、断線対策に効果が期待できる。また、保持部を容易に開閉できる小型のサイズのホルダにできるため、取り付け箇所の変更も容易なカールコードホルダとなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明による第1の実施例のカールコードホルダがカールコードを保持しつつカールコードが電話器本体と送受話器とを電気的に接続する様子を概念的に示す斜視図である。
図2】本実施例におけるカールコードの一部の螺旋部分を拡大した拡大部分斜視図である。
図3】本実施例のカールコードホルダを示す斜視図である。
図4】本実施例のカールコードホルダがカールコードを保持する様子を示す斜視図である。
図5】本実施例のカールコードホルダがカールコードを保持する様子を示す側面図である。
図6図5のA-A矢視断面図である。
図7】本実施例のカールコードホルダの開放動作を示す斜視図である。
図8】本実施例のカールコードホルダの開放動作を示す斜視図である。
図9】本実施例のカールコードホルダの開放動作を示す斜視図である。
図10】本実施例の第1の変形例のカールコードホルダの断面図である。
図11】本実施例の第2の変形例のカールコードホルダの断面図である。
図12】本実施例の第3の変形例のカールコードホルダの側面図である。
図13】本実施例の第3の変形例のカールコードホルダの側面図である。
図14】本発明による第2の実施例のカールコードホルダの側面図である。
図15図14のA-A矢視断面図である。
図16】第2の実施例の変形例のカールコードホルダの側面図である。
図17図16のA-A矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ本発明による実施例のカールコードホルダについて説明する。なお、実施例において、実質的に同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【実施例0013】
(第1の実施例)
(構成の説明)
図1は、カールコード11が電話器本体12と送受話器13とを電気的に接続して、本発明の第1の実施例であるカールコードホルダ14がカールコード11の中程を挟んで保持する様子を概念的に示す斜視図である。図2はカールコード11の一部の螺旋部分HPを拡大した拡大部分斜視図である。図3は本実施例のカールコードホルダ14を示す斜視図である。図4は本実施例のカールコードホルダ14がカールコード11を保持する様子を示す斜視図である。図5は本実施例のカールコードホルダ14がカールコード11を保持する様子を示す側面図である。図6は本実施例のカールコードホルダ14の正面から見た図5のA-A矢視断面図である。なお、図2以降の図においては、直交軸として上下、左右及び前後の各方向を示している。
【0014】
図1に示すように、本実施例における保持対象の一例のカールコード11は電話器本体12と送受話器13とを接続する接続コードである。カールコード11は、送受話器13の不使用時にはカールコード11に保持され短く保たれるが、送受話器13を使用するとき手の指(図示せず)によりカールコード11が固定解除(開放)され、伸縮自在に使用できるようになる。
【0015】
本実施例のカールコードホルダ14は電話器本体12の側面に物理的に固定するため接続例えば貼着されている。カールコードホルダ14を固定する位置は、送受話器13に近い部分の電話器本体12の外面で邪魔にならない部分がよく、本体側面の他に例えば、本体上面等が考えられる。
【0016】
図2に示すように、カールコード11は、両端の電話器本体と送受話器のコネクタ(図示せず)部分を除き螺旋部分HPを含み、その長さ方向(螺旋伸縮方向HD)に伸縮自在である。カールコード11の螺旋部分HPは基本の螺旋部分ピッチLP(カールコード11の縮められた状態の最小ピッチであって略カールコード幅Wに等しい)の右巻きカールを有し、使用状態に応じて螺旋部分ピッチは長くなる。
【0017】
図3に示すように、本実施例のカールコードホルダ14は、その閉状態で、一対の保持部Ka、Kbからなり左右に開口のある略長方形筒体の形状を有し、その正面部分の保持部Kaの上下両端にヒンジ部HG及びラッチ部RTを有する。
【0018】
すなわち、カールコードホルダ14は、図4に示すカールコード11の螺旋伸縮方向HDに交差する方向CD(前後方向)に開閉可能な一対の保持部Ka、Kbを有し、これらはカールコード11の螺旋伸縮方向HDに交差する両端にヒンジ部HG及びラッチ部RTを有する。カールコードホルダ14は、ラッチ部RTの操作に応じて、ヒンジ部HGの周りで保持部Ka、Kbが開閉可能となるように構成されている。
【0019】
図3に示すように、一対の保持部Ka、Kbのそれぞれは、対向する面FSa、FSbに立設されカールコード11を保持する一対の薄い板状突起BPa、BPbを有する。板状突起BPa、BPbの各々は先端に向けてテーパが付与され、コード間に進入しやすい形状となっている。図5に示すように、一対の保持部Ka、Kbの対向面FSa、FSbの前後方向の寸法(間隔)はカールコード11の螺旋部分HPの直径より大きい。一対の板状突起BPa、BPbは、それ等の先端BPaT、BPbTが、一対の保持部Ka、Kbの閉状態の際に、対向する一対の板状突起BPa、BPbの先端BPaT、BPbTに当たらない高さH(対向面FSa、FSbからの各高さ)を有する。すなわち、カールコード11を対向して挟まないように、一対の板状突起BPa、BPbの先端BPaT、BPbTが互いに対向する位置にある(閉状態の)場合、先端BPaT、BPbT同士はカールコード11のコード幅Wを超える距離で離れるように構成されている。
【0020】
図4、6に示すように、板状突起BPa、BPbは、保持部Ka、Kbの閉状態の際に、それらがカールコード11の螺旋部分HPの間隙GPに介入するように対向する面FSa、FSb上の位置に配置されている。
【0021】
図6に示すように、保持部Kbは、対向面FSb上において板状突起BPbからカールコード11のコード幅Wと同等の距離W2(≧W)で離れた平行な更なる板状突起BPc(板状突起BPbと同一形状のもの)を有する。すなわち、板状突起BPb、BPcの間隔は例えばカールコード11のコード幅(直径)以上の寸法とする。また、板状突起BPb、BPcは、カールコード11の螺旋伸縮方向HDに関してカールコード11の螺旋部分HPのピッチ角θP(カールコード11の縮められた状態の最小ピッチ角度θP)と略等しい傾斜角θ2(≧θP)を有する平行な板状突起である。
【0022】
図6に示すように、一対の板状突起BPa、BPbは、カールコード11の螺旋伸縮方向HDに関して互いに回転対称に傾斜して形成される故に、板状突起BPaもカールコード11のピッチ角θPと同等の傾斜角θ2(≧θP)を有している。
【0023】
このようにカールコード11の螺旋角度に合わせて、ホルダ上下に相互に板状突起BPa、BPbを付加して、カールコード11が板状突起BPa、BPb間の間隙GPに嵌ることで、カールコード11を傷つけることなく保持可能な構造となっている。
【0024】
また、図3に示すように、カールコードホルダ14の背面側(保持部Kbの背面)は平滑な形状であり、その背面に両面テープ等を用いて電話器本体12(図1、参照)への貼付が可能である。また、ホルダ背面側の中央部には孔(図示せず)を開けてもよく、ネジでの電話器本体12(図1、参照)への締結も可能な構造としてもよい。すなわち、カールコードホルダ14の背面の保持部Kbの一部は物理的に固定するための接続部CSとして機能する。
【0025】
カールコードホルダ14は、一対の保持部Ka、Kb(ヒンジ部HG及びラッチ部RTを含め、板状突起BPa、BPb、BPc)は、射出成形により同一材質で一体に形成された一体成形体である。
【0026】
カールコードホルダ14のヒンジ部HGは、一体成形用樹脂からなる破損せずに折り曲げられる薄いバンド形状のリビングヒンジとして形成される。ヒンジ部HGは何回も繰り返し開閉する保持部Kaを蓋として使用できるようにする。一体成形用樹脂としては、薄肉部分のヒンジ部HGにまで十分に流動し、複数回の曲げ運動に耐える強度を備えた、例えばPP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)等を用いてもよい。
【0027】
カールコードホルダ14のラッチ部RTは、保持部Kaをヒンジ部HG中心に外方向にスイングさせて、カールコード11を保持できるようにしている。保持部Kaを閉める際には、保持部Kaの下端にあるラッチ部RTのつまみ部のフックが、保持部Kb下側の壁部の開口縁部に引っかかって固定される。保持部Kaを開ける場合には、ラッチ部RTのつまみ部を上に押すとつまみ部のフックが当該開口縁部から外れて、保持部Kaを開けることができるようになる。この場合、ラッチ部RTのつまみ部がU字断面形状に折り曲げられていることで、ごく小さなスペースの中で、つまみ部の必要な曲げの量を確保することができる。
【0028】
以上の構成によって、カールコードホルダ14の開状態で、カールコード11を板状突起BPb上に置き保持部Kaを軽く押し込んだときに、カールコード11が弾性変形して板状突起BPa、BPb内に嵌入係止し、そのまま保持される。つまり、板状突起BPa、BPbの側面間に適度な保持力が作用するので、カールコードの安定的な固定、保持が可能となる。この保持状態(閉状態)はカールコードホルダのラッチ部RTを手の指(図示せず)で開くことによって容易にカールコード11の固定を解除することができる。
【0029】
(動作の説明)
(カールコードの取り付け)
図7~9は、本実施例のカールコードホルダ14の開放によるカールコード11の取り付け動作を示す斜視図である。まず、図7に白抜き矢印で示すように、カールコードホルダ14のラッチ部RTのつまみ部を手の指(図示せず)で押すことで、ラッチ部RTのロックが外れる。
【0030】
次に、図8に白抜き矢印で示すように手の指(図示せず)でラッチ部RTのつまみ部を押した状態のまま、上方向に該つまみ部を上げることで、保持部Kaを開けることができる。
【0031】
次に、図9に示すように保持部Kbの板状突起BPb、BPcに沿ってカールコード11の螺旋部分HPを嵌める。
【0032】
次に、保持部Ka、Kbの板状突起BPa、BPbにカールコード11を挟まないよう注意しつつ合わせ保持部Kaを閉めることで、カールコードホルダ14のつまみ部がロックされ、図4に示す状態となり、カールコードホルダ14がカールコード11を保持することができる。
【0033】
(カールコードの取り外し)
カールコードホルダ14からのカールコード11の外しは、前述のカールコード11の取り付けと逆の手順でカールコード11を外すことができる。
【0034】
(効果の説明)
以上のように第1の実施例によれば、カールコード11の螺旋角度に合わせた板状突起BPa、BPbによって保持することで、カールコード11に負荷を与えることなく保持することができる効果がある。
【0035】
本実施例はカールコード11の一部分をカールコードホルダ14に設けた板状突起BPa、BPb部で保持することによって、カールコード11全体を保持できる構造となっている。
【0036】
また、カールコードホルダ14のつまみ部を手の指(図示せず)で操作することで簡単に着脱できる構造となっている。
【0037】
従来技術では、カールコードを完全に覆っていたため、着脱性・メンテナンス性に問題があったが、本実施例を用いることで着脱時間の削減、メンテナンスが容易に行える効果が得られる。
【0038】
使用環境についても、カールコードホルダ14の背面を平面かつ孔を開けた構造にしたことで、両面テープやネジ等を用いることができるため、様々な場所に設置できる。
【0039】
本実施例のカールコードホルダ14は以上のように構成されているので、カールコード11に負担を掛けずに、固定及び固定解除を非常に容易確実に行うことができる。また、カールコードホルダ14は射出成形品である故に、コスト低減を図ることができる。
【0040】
(変形例)
図10は本実施例の第1の変形例のカールコードホルダ14の正面から見た図5のA-A矢視断面図と同様の断面図である。
【0041】
本変形例は、第1の実施例の図3、4及び6に示す保持部Kbの対向面FSb上に設けられた更なる板状突起BPcを省略した以外、第1の実施例と同一である。
【0042】
本変形例によれば、一対の保持部Ka、Kbの一対の薄い板状突起BPa、BPbだけでもカールコード11に負担を掛けずに、固定及び固定解除を非常に容易確実に行うことができ、カールコードホルダ14の射出成形の材料の削減に寄与し、コスト低減を図ることができる。
【0043】
図11は本実施例の第2の変形例のカールコードホルダ14の正面から見た図5のA-A矢視断面図と同様の断面図である。
【0044】
本変形例は、第1の実施例の図3、4及び6に示す構成に加えて、図11に示すように、保持部Kaの対向面FSa上において板状突起BPaからカールコード11のコード幅Wと同等の距離W2(≧W)で離れた平行な更なる板状突起BPd(板状突起BPaと同一形状のもの)を設けた以外、第1の実施例と同一である。
【0045】
本変形例によれば、追加された保持部Kaの板状突起BPdにより、第1の実施例の効果に加え確実なカールコード11の保持を図ることができる。
【0046】
図12、13は本実施例の第3の変形例のカールコードホルダ14の側面図である。
【0047】
本変形例は、第1の実施例の図3~6に示す保持部Kaの下端にあるU字断面形状に折り曲げられたラッチ部RTのつまみ部のフックと保持部Kb下側の壁部の開口縁部との係合構造に代えて、第2のラッチ部RT2としてスナップフィット構造とした以外、第1の実施例と同一である。
【0048】
図12に示すように、第2のラッチ部RT2のスナップフィット構造は、保持部Kaの下端部から垂直に突出する舌部KaT(この中程に四角形開口部PPを有する)と保持部Kbの下壁部から突出する突起PPとが係合する構造である。舌部KaTの四角形開口部OPが、保持部Kbにある突起PPに引っかかって、保持部Kaを所定の閉じる位置に固定する。図13に白抜き矢印で示すように、保持部Ka、Kbの開放の際には、手の指(図示せず)で舌部KaTの先端を前下方向に押して、舌部KaTが弾性変形により充分に曲がるため、舌部KaT(四角形開口部PP)と突起PPの分離を比較的簡単に行うことができる。保持部Ka、Kbの固定の際には、開放とは逆に保持部Kaを押せば、四角形開口部OPを有する舌部KaTが、保持部Kbの突起PPに引っかかって保持部Kaが固定される。このように舌部KaTの着脱は、舌部KaTの曲げによって可能になる。
【0049】
本変形例によれば、第2のラッチ部RT2のスナップフィット構造により、第1の実施例の効果に加え、更なるカールコードホルダ14の射出成形の材料の削減に寄与し、コスト低減を図ることができる。
【実施例0050】
図14は本発明による第2の実施例のカールコードホルダの側面図である。図15は本実施例のカールコードホルダ14の正面から見た図14のA-A矢視断面図である。
【0051】
第2の実施例は、第1の実施例の第1及び第3の変形例の組み合わせに加えて、かつ、一対の保持部Ka、Kbの一対の薄い板状突起BPa、BPb(図5、参照)に代えて、図14、15に示すように、略円錐形状の一対の薄い突起Pa、Pbを一対の保持部Ka、Kbの対向面FSa、FSbに形成した以外、第1の実施例と同一である。
【0052】
一対の突起Pa、Pbは、一対の保持部Ka、Kbの閉状態の際に一対の突起Pa、Pbがカールコード11の螺旋部分HPの間隙GPに介入するように対向する面FSa、FSb上の位置に配置されている。
【0053】
一対の突起Pa、Pbは、螺旋伸縮方向HDに交差する方向CDでオフセット(カールコード幅W)して対向するように、対向面FSa、FSb上の位置に、配置されている。なお、図示しないが、一対の突起Pa、Pbは、それぞれ複数設けてもよく、その場合、各突起はカールコード11の螺旋伸縮方向HDにおいてカールコード11の基本ピッチLPの整数倍と同等の距離で周期的に離れて配置される。
【0054】
本実施例によれば、オフセット対向する一対の突起Pa、Pbを板状に長くない形状で形成できるので、右巻きカール螺旋のカールコード11の他に、ピッチが合えば左巻きカールコードにも対応できる。よって、第1の実施例の効果に加え、カールコードホルダ14の射出成形の材料の更なる削減に寄与し、コスト低減を図ることができる。
【0055】
(変形例)
図16は第2の実施例の変形例のカールコードホルダの側面図である。図17は本変形例のカールコードホルダ14の正面から見た図16のA-A矢視断面図と同様の断面図である。
【0056】
本変形例は、第2の実施例の図14図15に示す一対の突起Pa、Pbを剣先状の一対の突起Pa1、Pb1へ変更した以外、第2の実施例と同一である。剣先状突起Pa1、Pb1の各々は先が丸くテーパで側面がカールコード11の側面に沿うような横断面が菱型の形状を有し、該菱型横断面が螺旋伸縮方向HDに対して上下で対称となるように構成されている。
【0057】
本変形例によれば、オフセット対向する一対の剣先状突起Pa1、Pb1を板状に長くない形状で形成できるので、右巻きカール螺旋のカールコード11の他に、ピッチが合えば左巻きカールコードにも対応でき、更に、第2の実施例の効果に加え、確実にカールコード11を保持できる。
【符号の説明】
【0058】
11 カールコード
12 電話器本体
13 送受話器
14 カールコードホルダ
BPa、BPb 板状突起
HD 螺旋伸縮方向
CD 交差する方向
θP ピッチ角
W カールコード幅
HP カールコード螺旋部分
LP 螺旋部分ピッチ
Ka、Kb 保持部
FSa、FSb 対向面
HG ヒンジ部
RT ラッチ部
BPaT、BPbT 板状突起先端
CS 接続部
Pa、Pb、Pa1、Pb1 突起
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17