(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023030338
(43)【公開日】2023-03-08
(54)【発明の名称】成形装置
(51)【国際特許分類】
B29C 45/76 20060101AFI20230301BHJP
B29C 45/18 20060101ALI20230301BHJP
【FI】
B29C45/76
B29C45/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021135410
(22)【出願日】2021-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】000219912
【氏名又は名称】東京インキ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】502246975
【氏名又は名称】株式会社タマキ
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】井上 敦志
(72)【発明者】
【氏名】西中 裕雅
(72)【発明者】
【氏名】牧野 尚子
(72)【発明者】
【氏名】赤澤 和裕
【テーマコード(参考)】
4F206
【Fターム(参考)】
4F206AR06
4F206AR11
4F206JA07
4F206JF02
4F206JF23
4F206JF41
4F206JF47
4F206JL02
4F206JP13
4F206JP14
(57)【要約】
【課題】成形装置において樹脂材料に添加する液状添加剤の供給量の正確性と安定性を両立させる技術を提供する。
【解決手段】射出成形装置1は、液状添加剤98を樹脂ペレット99に供給する液体供給装置50と、液体供給装置50による液状添加剤98の供給を制御する制御盤80(液体供給制御部)と、ホッパー13またはホッパー13とシリンダ11との間の経路に液状添加剤89を吐出する液滴供給口17と、液体供給装置50に供給する液状添加剤98を貯留する受取容器54と、受取容器54に貯留されている液状添加剤98を計量するロードセル57とを有し、制御盤80は、樹脂ペレット99をシリンダ11に供給するタイミングと液体供給装置50が液状添加剤98を供給するタイミングとを同期させる同期制御部と、ロードセル57による液状添加剤98の計量結果をもとに液体供給装置50による液状添加剤98の供給量を制御する供給制御部とを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、その内部にスクリュが回転方向と軸方向とに駆動可能に設けられているシリンダを有する押出機と、前記シリンダに樹脂材料を供給するホッパーとを備えた成形装置において、
前記樹脂材料に混合させる液状添加剤を前記樹脂材料に供給する液滴供給装置と、
前記液滴供給装置による前記樹脂材料への前記液状添加剤の供給を制御する制御部と、
前記ホッパーまたは前記ホッパーと前記シリンダとの間の経路に前記液状添加剤を吐出する供給口と、
前記液滴供給装置に供給する前記液状添加剤を貯留する容器と、
前記容器に貯留されている前記液状添加剤を計量する計量部を有し、
前記制御部は、
前記樹脂材料を前記シリンダに供給するタイミングと前記液滴供給装置が前記液状添加剤を供給するタイミングとを同期させる同期制御機能と、
前記計量部による前記液状添加剤の計量結果をもとに前記液滴供給装置による前記液状添加剤の供給量を制御する供給制御機能と、
を有する成形装置。
【請求項2】
前記供給制御機能は、前記液滴供給装置に設定された前記液状添加剤の供給量と、前記計量部が計量した前記液状添加剤の供給に伴う前記容器における前記液状添加剤の変動量との差をもとに、前記液滴供給装置による前記液状添加剤の供給量を校正する、請求項1に記載の成形装置。
【請求項3】
前記液滴供給装置は前記制御部の前記供給制御機能を備える、請求項1または2に記載の成形装置。
【請求項4】
前記同期制御機能は、前記液滴供給装置からの前記液状添加剤の供給のタイミングを、前記押出機を動作させる動作信号と連動させる、請求項1から3までのいずれか1項に記載の成形装置。
【請求項5】
前記供給口は、前記ホッパー内または前記経路内において水平方向に延出する管状部材である、請求項1から4までのいずれか1項に記載の成形装置。
【請求項6】
前記ホッパーまたは前記経路は、前記樹脂材料の移動方向に対して垂直な面による断面形状が円形を呈しており、
前記供給口は、前記円形の中心に設けられている、請求項1から5までのいずれか1項に記載の成形装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記液滴供給装置が前記容器から前記液状添加剤を吸い込むときの吸い込み口が、前記容器内に貯留している前記液状添加剤の内部にあることを監視する液切れ防止機能を有する、請求項1から6までのいずれか1項に記載の成形装置。
【請求項8】
前記液状添加剤が充填されたパックを装着可能であって、
前記パックから前記容器に供給する経路の開閉弁を有し、
前記制御部は前記開閉弁のオンオフを制御する、請求項1から7までのいずれか1項に記載の成形装置。
【請求項9】
前記液滴供給装置は、前記液状添加剤を前記供給口へ輸送するチューブポンプを有する
請求項1から8までのいずれか1項に記載の成形装置。
【請求項10】
前記供給口は、ガラス転移温度Tgが100℃以上である樹脂材料による構成された管状部材である、請求項1から9までのいずれか1項に記載の成形装置。
【請求項11】
前記供給口は、金属部材により構成された管状部材である、請求項1から9までのいずれか1項に記載の成形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂材料を押出機で金型に射出して成形する成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
射出成形やブロー成形を行う成形装置では、一例として、1ショット毎の成形時に、樹脂材料(樹脂ペレットあるいは樹脂粉)と、液状添加剤(高濃度の顔染料分散液またはプラスチック添加剤分散液)とを混合する技術が知られている。
例えば、射出成形機の材料供給用ホッパーに、原料樹脂と着色剤としてのマイクロカプセル化されたリキッドカラーとを一定割合で供給し、着色成形品を製造する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
樹脂材料に液状添加剤を添加する際の計量の正確性が求められている。例えば、液状添加剤が着色剤の場合には、僅かな供給量の変動で、製品に色の違いが生じてしまうことがあった。さらに、当初の適切な供給量が設定されていても、徐々に変化してしまうこともあり、液状添加剤の供給量の安定性を向上させることが求められていた。
特許文献1に開示の技術では、液状添加剤の供給量の安定性を向上させる観点の技術の開示がなく新たな技術が求められていた。
【0005】
本発明はこのような状況に鑑みなされたものであって、樹脂材料を押出機で成形する成形装置において、樹脂材料に添加する液状添加剤の供給量の正確性と安定性を両立させる技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、少なくとも、その内部にスクリュが回転方向と軸方向とに駆動可能に設けられているシリンダを有する押出機と、前記シリンダに樹脂材料を供給するホッパーとを備えた成形装置において、
前記樹脂材料に混合させる液状添加剤を前記樹脂材料に供給する液滴供給装置と、
前記液滴供給装置による前記樹脂材料への前記液状添加剤の供給を制御する制御部と、
前記ホッパーまたは前記ホッパーと前記シリンダとの間の経路に前記液状添加剤が吐出する供給口と、
前記液滴供給装置に供給する前記液状添加剤を貯留する容器と、
前記容器に貯留されている前記液状添加剤を計量する計量部を有し、
前記制御部は、
前記樹脂材料を前記シリンダに供給するタイミングと前記液滴供給装置が前記液状添加剤を供給するタイミングとを同期させる同期制御機能と、
前記計量部による前記液状添加材の計量結果をもとに前記液滴供給装置による前記液状添加物の供給量を制御する供給制御機能と、
を有する成形装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、樹脂材料を押出機で成形する成形装置において、樹脂材料に添加する液状添加剤の供給量の正確性と安定性を両立させる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る射出成形装置の概略構成を示す模式図である。
【
図2】実施形態に係る射出ユニットの概略構成を示す模式図である。
【
図3】実施形態に係る供給管に設置されるアダプタの概略構成を示す模式図である。
【
図4】実施形態に係る液体供給装置の概略構成を示す模式図である。
【
図5】実施形態に係る制御盤の機能ブロック図である。
【
図6】実施形態に係る射出成形の動作例を示すフローチャートである。
【
図7】実施形態に係るスクリュの回転時間、樹脂ペレットのシリンダへの供給時間およびポンプ稼働時間のタイミングチャートである。
【
図8】実施形態の変形例に係るホッパーとアダプタの構成の変形例を示す図である。
【
図9】実施形態の変形例に係るホッパーとアダプタの構成の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
<射出成形装置1の概要>
図1は、射出成形装置1の概略構成を示す模式図であって、内部構造が分かるように断面図として示している。本実施形態では、いわゆるインジェクションブロー成形を行う射出成形装置1を例示しているが、これに限定せず、一般的な射出成形や押出成形、圧縮成形、プレス成形など押出機で射出して成形を行う装置に適用することができる。
まず、射出ユニット10及び射出成形工程の概要を説明する。
【0010】
射出成形装置1は、射出ユニット10と、型締めユニット30と、液体供給装置50と、それらを制御する制御盤80とを有する。射出ユニット10において、ホッパー13に供給された樹脂ペレット99と液状添加剤98とがシリンダ11内で混練され、射出ノズル12から型締めユニット30に射出される。
【0011】
樹脂ペレット99は、熱可塑性プラスチック(樹脂)の成形原料であって、樹脂材料と各種複資材(添加剤)を溶融し練り合わせてなり、一般には小さな球状や円柱状の形状を有している。
【0012】
液状添加剤98は、リキッドカラー等の着色剤であるが、その他に、樹脂ペレット99に添加する各種の液状添加材、または固体添加材を分散させた液状添加剤であってもよい。
【0013】
液状添加剤98は、充填容器60に充填されて、液体供給装置50に供給される。ここでは、液状添加剤98は、充填容器60から受取容器54に一端貯留される。さらに、液体供給装置50のチューブポンプ53が、受取容器54に貯留された液状添加剤98を吸引して、ホッパー13の樹脂ペレット99に供給する。充填容器60は、液状添加剤98を受取容器54に重力で落とせるように、変形可能なパウチ容器や、注ぎ口や通気孔として機能する開口部を持つ容器を用いることが好ましい。本実施形態では充填容器60としてパウチ容器を例示する。
【0014】
型締めユニット30では、プリフォーム金型31に射出ユニット10から射出された樹脂材料(樹脂ペレット99と液状添加剤98が混練された材料)が充填され、プリフォーム71と呼ばれる中間成形品が成形される(射出工程)。
【0015】
つづいて、プリフォーム71がポット金型32に取り付けられ、次のブロー工程に備えて、プリフォーム71の部分的な加熱を行う(温度コントロール工程)。例えば、完成品がボトルであれば、口部分は延伸しないように低温にコントロールし、その他延伸部分は高温にコントロールし、肉厚を薄くしたい箇所はさらに高温により部分的な加熱を行う。最後に、ブロー金型33に温度コントロール後のプリフォーム71を取り付け、エア95をプリフォーム71の内部に吹き付けてブロー金型33の内面に張り付かせることで所望の形状の成形品73が成形され、成形品73が完成品としてブロー金型33から取り出される(ブロー工程)。
【0016】
<射出ユニット10>
図2は、射出ユニット10の概略構成を示す図であって、断面図として示している。
射出ユニット10は、シリンダ11と、射出ノズル12と、ホッパー13と、供給管14と、ヒーター15と、駆動部20とを備える。
【0017】
シリンダ11の内部には、回転方向と軸方向とに駆動可能に軸方向へ沿ってスクリュ19が配置される。スクリュ19は、駆動部20によって回転方向と軸方向とに駆動される。駆動部20は、制御盤80により動作制御される。
【0018】
スクリュ19の周囲にはヒーター15が設けられている。ヒーター15は、図示はしていないが、射出ノズル12や射出ノズル12からプリフォーム金型31までの経路にも適宜設けられる。
【0019】
ホッパー13は、逆錐体のホッパー本体13aとその下側に設けた円筒の筒部13bとを有するいわゆる漏斗型形状を呈しており、上側開口部分から樹脂ペレット99が投入される。錐体(逆錐体)の形状は特に限定しないが、一般的には円錐や四角錐とすることができる。ホッパー13の筒部13bは、供給管14に連通している。
【0020】
図3は供給管14に取り付けられているアダプタ16の模式図であって斜視図として示している。供給管14は、ホッパー13とシリンダ11とを連結して、ホッパー13に投入された樹脂ペレット99をシリンダ11に供給する。供給管14の形状として、例えば、断面が円形の円筒とすることができる。円筒の内部が樹脂供給経路14aとして機能する。一般には、ホッパー13の筒部13bとの連結部分との親和性を考慮した形状とされる。例えば、ホッパー13の筒部13bが円筒であれば、供給管14は円筒とされ、筒部13bが四角筒であれば、供給管14は四角筒とされるが、それら形状に限定されず、その他の多角形の形状とすることもできる。ここでは円筒の供給管14について例示する。
【0021】
ホッパー13とシリンダ11との間の樹脂供給経路中には液状添加剤98を樹脂ペレット99に供給する液滴供給口17が設けられている。樹脂供給経路中とは、ホッパー13(筒部13b)と供給管14の境界部分に設けられてもよいし、供給管14に設けられてもよいことを意味する。ここでは、液滴供給口17が設けられたアダプタ16を供給管14に取り付けている。アダプタ16は金属板で形成されており、上下に連通する円形の連通孔を有する。この連通孔が樹脂供給経路14bとして機能する。供給管14の樹脂供給経路14aと、アダプタ16の樹脂供給経路14bは、垂直に延びる一つの樹脂供給経路を構成する。
【0022】
液滴供給口17は、アダプタ16の外側から樹脂供給経路14bの内部に連通して、さらに樹脂供給経路14b内において水平方向に延出する管状部材である。液滴供給口17のアダプタ16の外部に位置する端部17bに、液体供給装置50から延びるチューブ18の一端18bが接続される。
【0023】
液滴供給口17の先端17aは、樹脂供給経路14b(供給管14の筒内部)が呈する円形の中心となるように配置されている。すなわち、樹脂供給経路14bの中心で、液状添加剤98が樹脂ペレット99に供給される。なお、樹脂供給経路14bが矩形であれば、例えば対角線の交点となる位置が液滴供給口17の先端17aとなるように配置される。これによって樹脂ペレット99と液状添加剤98との混合における片寄りを抑制できる。なお、液滴供給口17が樹脂ペレット99により覆われて液状添加剤98の吐出性能が低下しないように、アダプタ16は液滴供給口17の上側を覆うカバーを有してもよい。カバーとしては、例えば断面逆V字状の形状を採用することができる。
【0024】
液滴供給口17(管状部材)として、金属部材(アルミニウムや銅、ステンレスなど)や樹脂材料、それらの複合材から構成されるが、これに限らず、樹脂ペレット99の流れに対して一定の強度を有し且つ加熱された樹脂ペレット99への耐熱性を有していればよい。樹脂材料の場合、耐熱性の観点から、ガラス転移温度Tgが100℃以上である樹脂材料による構成されることが好ましい。液滴供給口17の内径は、要求される液状添加剤98の供給速度により適宜設定される。
【0025】
<液体供給装置50>
図4は液体供給装置50の概略構成を示す斜視図である。
液体供給装置50は、重量測定器51と、チューブポンプ53と、受取容器54と、液状添加剤98の輸送経路として第1液送管55及び第2液送管56と、開閉弁59とを備える。この構成により、液体供給装置50は、充填容器60に充填されている液状添加剤98を一時的に受取容器54に貯留してチューブポンプ53を用いて射出ユニット10に供給する。充填容器60は、受取容器54より上側、ここでは、計量室52より上側の位置に取り付けられ、重力で液状添加剤98が流れ落ちることができるようになっている。
【0026】
重量測定器51は、計量室52を有しており、その内部にロードセル57を有する。ロードセル57の上には受取容器54が設けられている。ロードセル57は、液状添加剤98が貯留された受取容器54の重量を計測し、計測結果を制御盤80に通知する。なお、ロードセル57の下には、制震のための弾性部材(除震ゴム)が配置されてもよい。
【0027】
計量室52の上部には、充填容器60から受取容器54に液状添加剤98を輸送する第1液送管55と、受取容器54からチューブポンプ53に液状添加剤98を輸送する第2液送管56とを有する。
【0028】
第1液送管55の上側の端部55aは充填容器60に取り付けられる。第1液送管55の下側の端部55bは受取容器54の底面から所定の高さにある。第1液送管55には、開閉弁59が設けられており、制御盤80の制御により流路をオンオフ制御することで、充填容器60に充填されている液状添加剤98の受取容器54への供給を制御する。ここでは、開閉弁59(すなわち第1液送管55の流路)は、バネにより通常閉まっている状態となっており、開信号を送信することで開閉弁59が開き液状添加剤98が充填容器60から受取容器54に供給される。開信号の送信が停止(オフ)すると、開閉弁59はバネにより流路を閉まった状態になり、液状添加剤98の供給が停止される。なお、開閉弁59の開閉は、開または閉の信号だけのシンプルな制御で行うことができるが、この制御方法に限らず他の制御が用いられてもよい。開閉弁59として、その他に、ソレノイドとバネ、エアシリンダ、ピンチコック等を組み合わせた構成を用いることができる。
【0029】
第2液送管56の一方の端部56bは受取容器54の底面から所定の高さにある。第2液送管56の他方の端部56aはジョイント58aを介してチューブポンプ53の可撓性チューブ41に取り付けられている。射出工程において、チューブポンプ53が受取容器54から第2液送管56を介して液状添加剤98を取り込み、設定された量をホッパー13に供給する。
【0030】
第1液送管55及び第2液送管56として、それら材料に特に制限は無いが、耐久性や耐薬品性、耐熱性等の観点から、例えばフッ素樹脂チューブを用いることができる。
【0031】
<チューブポンプ53>
チューブポンプ53は、回転可能のロータを有し、ロータの外周に可撓性チューブ41の中間部が掛け回されている。可撓性チューブ41の一方の端部41aはジョイント58aを介して第2液送管56の端部56aに接続される。可撓性チューブ41の他方の端部41bはジョイント58bを介してチューブ18の一方の端部18aに接続される。
【0032】
ロータの外周には、可撓性チューブ41をハウジングの内壁等とで部分的に挟圧する複数個のローラが取り付けられ、ロータの回転により受取容器54内の液状添加剤98をホッパー13に送出する。
すなわち、射出ユニット10の駆動(例えば駆動部20がスクリュ19を駆動させる信号)に同期して、チューブポンプ53が駆動して受取容器54の液状添加剤98(例えばリキッドカラー)がホッパー13に送出される。
【0033】
なお、可撓性チューブ41や上述のチューブ18、第1液送管55及び第2液送管56は、液状添加剤98のコンタミ防止の観点から、使用する液状添加剤98の種類毎に取り替えられる。また、可撓性チューブ41は複数が並列にチューブポンプ53に取り付けられてもよい。その場合は、可撓性チューブ41に接続されるチューブ18、第1液送管55及び第2液送管56を複数としたり、ジョイント機構により途中で合流させたりすることができる。
【0034】
このように、チューブポンプ53を用いることで、液状添加剤98の供給量の正確性と安定性を両立させることができる。また、チューブポンプ53より上流側に設けた受取容器54に液状添加剤98を一時的に貯留して、受取容器54の重量をロードセル57で計測するため、チューブポンプ53より下流側において計量する場合と比較して、樹脂ペレット99に供給する液状添加剤98の量に変動を与えること無く、精度の高い液状添加剤98の計量が可能となる。換言すると、流量計等をチューブポンプ53の下流側に配置する構成と異なり、チューブポンプ53から液滴供給口17までの経路をシンプルにでき、この観点においても、液状添加剤98の供給量の安定性と正確性とを両立させることができる。
また、ロードセル57がチューブポンプ53の上流側に配置されており、熱源となる射出ユニット10から離れているため、液状添加剤98の粘度や密度に対する温度変化を受けることがなく、安定して正確な計量ができる。
【0035】
<制御盤80>
図5は、制御盤80の概略構成を示す機能ブロック図である。制御盤80は、例えば、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサ、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリ、及び、入出力インターフェース回路を介してプロセッサと接続された音声出力装置やディスプレイ装置等の出力装置等により構成することができる。プロセッサが、メモリに記憶されたプログラムや各種情報を用いて処理を実行する。制御盤80の各構成要素は一つの装置として構成されてもよいし、複数の装置に分かれて構成されてもよい。
【0036】
具体的には、制御盤80は、主制御部81と、射出制御部83と、液体供給制御部84と、操作パネル(図示せず)を備える。
【0037】
主制御部81は、制御盤80の各構成要素を統括的に制御するとともに、射出成形装置1の構成要素(射出ユニット10、型締めユニット30及び液体供給装置50)やその他の外部機器(図示せず)と通信し各種処理を連携して射出成形処理を行う。
【0038】
射出制御部83は、射出ユニット10及び型締めユニット30による射出工程及びブロー工程を制御する。
射出制御部83は、駆動部20を制御することでスクリュ19をシリンダ11内で回転及び前進させ、また、ホッパー13に投入された樹脂ペレット99を射出ノズル12から型締めユニット30(プリフォーム金型31)に射出する。このとき、射出制御部83は、ヒーター15を制御してシリンダ11内の樹脂ペレット99を加熱溶融する。
【0039】
さらに、射出制御部83は、型締めユニット30の温度コントロール工程として、射出工程で得られたプリフォーム71の部分的な加熱を行うとともに、ブロー成形工程としてブロー金型33に温度コントロール後のプリフォーム71を取り付け、エア95をプリフォーム71の内部に吹き付けて所望の形状の成形品73を成形する。
【0040】
液体供給制御部84は、同期制御部85と、供給制御部86と、液切れ防止部87とを有する。
【0041】
同期制御部85は、射出ユニット10の射出工程と同期させて、ホッパー13における樹脂ペレット99への液状添加剤98の供給を制御する。
【0042】
供給制御部86は、受取容器54における液状添加剤98の重量変動を監視し、チューブポンプ53からの液状添加剤98の供給量が設定通りの量となるように校正する。
具体的には、制御盤80を操作して成形時の監視頻度を設定するとともに、成形時にはロードセル57による受取容器54の重量変動を監視し、重量変動と設定されている液状添加剤98の供給量とを比較し、比較により得られた誤差をもとにチューブポンプ53のポンプ能力(すなわち1ショット毎の液状添加剤98の吐出量)を調整する。監視頻度(ショット数)として、例えば、「10、20、30、40、50、100ショット」の6段階から選択する。さらに、受取容器54内に満たせる液状添加剤98の重量の上限及び下限を設定する。
これによって、チューブポンプ53に用いられる可撓性チューブ41が、チューブポンプ53の吐出動作にともない摩耗するなどでチューブポンプ53の供給量が設定と異なるようになった場合でも、適切に調整することができ、精度の高い液状添加剤98の供給が実現される。
【0043】
液切れ防止部87は、液切れ防止機能として、液体供給装置50が受取容器54から液状添加剤98を吸い込むときの吸い込み口(すなわち第2液送管56の一方の端部56b)が、受取容器54内に貯留している液状添加剤98の内部に常にあることを監視する。このため、受取容器54に充填する液状添加剤98の液量の監視設定で上限・下限を設定する。設定した下限の量の液状添加剤98を充填したときに、第2液送管56の端部56bが必ず液状添加剤98内にあるようにする。
【0044】
<射出成形装置1の動作>
図6は射出成形装置1の射出成形の動作例を示すフローチャートである。ここでは、射出ユニット10の動作について、特に液体供給装置50による液状添加剤98の供給動作に着目して説明する。
射出成形装置1の動作は、大きく液体供給装置50の初期設定S10と、その設定に基づいた射出ユニット10及び型締めユニット30による射出成形工程S20を有する。以下具体的に説明する。
【0045】
<液体供給装置50の初期設定S10>
液体供給装置50の初期設定S10は、チューブ設置工程S11、液剤充填工程S12、キャリブレーション工程S13及び成形準備工程S14を有する。
【0046】
[チューブ設置工程S11]
チューブポンプ53に洗浄済み(又は新品)の可撓性チューブ41を設置するとともに、チューブ18、第1液送管55及び第2液送管56についても洗浄済み(又は新品)のものを設置する。なお、チューブ18については、アダプタ16の液滴供給口17から取り外した状態とする。
【0047】
[液剤充填工程S12]
つづいて、ロードセル57の上に受取容器54を配置する。このとき、第1液送管55の下側の端部55bと第2液送管56の下側の端部56aは、受取容器54内に配置される。このとき、第2液送管56の端部56bが、成形時の液状添加剤98の液切れ防止の観点から、受取容器54から所定の高さとなるようにする。このとき、端部56bは、チューブポンプ53が吸引する液状添加剤98の流量が安定する位置に設定される。
なお、受取容器54に充填する液状添加剤98の液量の監視設定で上限・下限を設定するが、設定した下限の量を充填したときに、第2液送管56の端部56bが必ず液状添加剤98内にあるようにする。
つづいて、制御盤80を操作し、開閉弁59をオン(開状態)として、液状添加剤98を受取容器54に充填する。さらに、チューブ18をアダプタ16の液滴供給口17から取り外した状態で、チューブポンプ53を回転させて、チューブ18及び可撓性チューブ41に液状添加剤98を満たす。
【0048】
[キャリブレーション工程S13]
キャリブレーションは、チューブポンプ53のポンプ能力の例えば50%の回転数で一定時間回転させ、受取容器54内の重量の減量、回転数、時間からポンプ能力値を決定する。
【0049】
[成形準備工程S14]
キャリブレーションの終了後、チューブ18をアダプタ16の液滴供給口17と連結するとともに、制御盤80を操作して各種の成形条件を設定する。具体的には、まず、制御盤80を操作して、成形の1ショットに必要とする樹脂量(樹脂ペレット99の量)と液状添加剤98の添加率を入力し、樹脂ペレット99に添加する液状添加剤98の添加量を設定する。より具体的には、スクリュ19が回転する時間に、樹脂ペレット99がホッパー13に投入されるタイミングや液状添加剤98が液滴供給口17から吐出するタイミングなどを勘案した時間と、チューブポンプ53のポンプ能力と、液状添加剤98の添加量とから、チューブポンプ53のポンプ回転数が算出される。この際に、ポンプ回転数を事前に求めておく必要があるため、1回目の射出成形は、事前にスクリュ19が回転する時間を計測し、その値を用いてポンプ回転数を定める。この工程は、射出成形装置1を実際に稼働させて計測し計測結果を反映させることが好ましいが、計測履歴等を有する場合、より具体的には例えば計測履歴にバラツキが少ない場合には、計測せずに設定のみであってもよい。
【0050】
つづいて、成形時の監視頻度を設定する。監視頻度(ショット数)として、例えば、「10、20、30、40、50、100ショット」の6段階から選択する。さらに、受取容器54内に満たせる液状添加剤98の重量の上限及び下限を設定する。
また、射出ユニット10と液体供給装置50との同期タイミングを設定する。ここでは、射出ユニット10(押出機)の動作タイミングに対して何秒後(又は何秒前)にチューブポンプ53を稼働させるかを設定する。射出ユニット10の信号(すなわち樹脂ペレット99の供給)と液体供給装置50の動きを同期させているが、このとき、樹脂ペレット99の供給と供給の信号(スクリュ19の回転信号)にギャップがある場合も想定される。そのような場合に対応するために、液体供給装置50がギャップを例えば0~5.0秒の間で0.1秒単位で設定することができる。
【0051】
図7にスクリュ19の回転時間、樹脂ペレット99(図中「樹脂」と表記する)のシリンダ11への供給時間およびポンプ稼働時間のタイミングチャートを示す。ここでは、スクリュ19の回転時間を10秒で設定して、スクリュ19の回転時間への樹脂ペレット99の供給時間(以下、「樹脂供給時間」という)とポンプ稼働時間の同期タイミングを設定する例を示している。ここでは、樹脂供給時間とポンプ稼働時間は一致するように設定されている。同期タイミングとして、スクリュ19の回転開始からの「遅延時間」と、スクリュ19の回転時間に対する「短縮時間」を設定する。
【0052】
図7(a)では、「遅延時間」を「1.0秒」、「短縮時間」を「1.0秒」と設定した例である。この設定によると、スクリュ19の回転信号と樹脂供給時間とに開始タイミングで1.0秒の遅延ギャップがあることから、チューブポンプ53の稼働開始が1秒遅延するように設定されている。また、チューブポンプ53の停止タイミングがスクリュ19の回転時間に対して1秒短く設定されている。
【0053】
図7(b)では、「遅延時間」を「1.0秒」、「短縮時間」を「0秒」(変更無し)と設定した例である。この設定によると、スクリュ19の回転信号に対してチューブポンプ53の稼働開始が1.0秒遅延するように設定されている。また、チューブポンプ53の停止タイミングがスクリュ19の回転時間と同じタイミングに設定されている。
【0054】
図7(c)では、「遅延時間」を「0秒」(変更無し)、「短縮時間」を「1.0秒」と設定した例である。この設定によると、スクリュ19の回転信号に対してチューブポンプ53の稼働開始が同時になるように設定されている。また、チューブポンプ53の停止タイミングがスクリュ19の回転時間に対して1.0秒短く設定されている。
なお、上記では樹脂供給時間とポンプ稼働時間が一致する例を説明したが、樹脂供給時間とポンプ稼働時間とを個別に設定可能であってもよい。
【0055】
このように、樹脂ペレット99をシリンダ11に供給するタイミングと、液状添加剤98を供給するタイミングを合わせることで、樹脂ペレット99に液状添加剤98が均一に広がり、正確性が向上する。
【0056】
<射出成形工程S20(成形時操作)>
[体積計量工程S21、射出工程S22、温度コントロール工程S23、ブロー工程S24]
射出ユニット10(押出機)の成形射出工程が開始されると(S20)、射出ユニット10は、ホッパー13に供給された樹脂ペレット99と液状添加剤98とをシリンダ11内でスクリュ19を回転させることで溶融混練し、かつシリンダ11の先端部分に集め、溶融混練した原料(すなわち樹脂ペレット99と液状添加剤98)の体積を計量する(体積計量工程S21)。
スクリュ19を前方に押し込むことで、計量された原料(樹脂ペレット99と液状添加剤98)は、射出ノズル12から型締めユニット30のプリフォーム金型31に射出され、プリフォーム71を得る(射出工程S22)。
プリフォーム71がポット金型32に取り付けられ、次のブロー工程に備えて、プリフォーム71の部分的な加熱を行う(温度コントロール工程S23)。例えば、完成品がボトルであれば、口部分は延伸しないように低温にコントロールし、その他延伸部分は高温にコントロールし、肉厚を薄くしたい箇所はさらに高温のように部分的な加熱を行う。最後に、ブロー金型33に温度コントロール後のプリフォーム71を取り付け、エア95をプリフォーム71の内部に吹き付けてブロー金型33の内面に張り付かせることで所望の形状の成形品73が成形され、成形品73が完成品としてブロー金型33から取り出される(ブロー工程S24)。
【0057】
[液状添加剤供給工程S25]
射出成形工程S20が開始されると、体積計量工程S21と同期して、制御盤80の液体供給制御部84は、液状添加剤供給工程S25を実行する。すなわち、液体供給制御部84の同期制御部85は、射出ユニット10の断続運転(1ショット毎の信号)を取得し、ポンプ能力と液体の添加量から換算されるポンプ回転数で液体供給装置50のチューブポンプ53を稼働させ、液状添加剤98をアダプタ16の液滴供給口17を通じてホッパー13へ供給する。
より具体的には、射出成形装置1は、1回の射出成形における樹脂ペレット99の供給の間、液体供給装置50から液状添加剤98を供給し続け、射出成形の樹脂ペレット99の供給が止まると、チューブポンプ53も止まる構成としている。これによって、液体供給装置50は、樹脂ペレット99に対し安定して液状添加剤98を加えることができる。
【0058】
[ポンプ値補正工程S26]
制御盤80の液体供給制御部84は、液体供給装置50による液状添加剤98の供給停止中、すなわちチューブポンプ53が稼働停止中において、ポンプ値補正工程S26を実行する。すなわち、液体供給制御部84の供給制御部86は、ロードセル57による受取容器54の重量の測定結果を取得し、監視頻度毎に受取容器54の重量の減量(すなわち変動量)の履歴を算出し、ポンプ能力値を補正する。重量測定はチューブポンプ53の非稼働時に測定することから測定精度を向上させることができ、液状添加剤98を極めて正確に供給することができる。換言すると、チューブポンプ53の運転後の受取容器54の重量を毎回測定し、設定したショット数で平均した算出値を、ポンプ回転数へフィードバックすることで、正確性と安定性を両立させることができる。また、チューブポンプ53を構成するロータの数が多いと、ポンプ回転あたりの液状添加剤98の最大供給量が小さくなり、ポンプ回転制御時の供給の精度が上がる。一方で、ロータが多いとチューブ(可撓性チューブ41)が摩耗しやすくなる。しかしながら、本実施形態のように重量制御で補正することで、液状添加剤98の樹脂ペレット99への供給の安定性・精度が向上する。
【0059】
[液切れ防止監視工程S27]
供給制御部86は、液切れ防止監視工程S27として、ポンプ非回転時において受取容器54の重量を監視し、受取容器54内の液状添加剤98の重量が設定下限を下回ったと判断すると、開閉弁59を開き、受取容器54に液状添加剤98を設定重量になるまで供給する。なお、ポンプ回転時に受取容器54に液状添加剤98を供給すると、チューブポンプ53のポンプ流量を不安定にさせるため、液切れ防止監視による液状添加剤98の補充は行わない。言い換えると、充填容器60からの液状添加剤98の補充をチューブポンプ53の非稼働時に行うことで、受取容器54に充填される液状添加剤98の重量測定の安定性・精度を向上させることができ、チューブポンプ53による液状添加剤98の供給の安定性・精度を向上させることができる。
【0060】
以上の工程により、射出成形装置1は、樹脂ペレット99に対して設定された液状添加剤98の量を正確かつ安定的に添加することができる。
【0061】
<射出成形装置1の特徴・機能のまとめ>
本実施形態の射出成形装置1の特徴について簡単にまとめて説明する。
(1)少なくとも、その内部にスクリュ19が回転方向と軸方向とに駆動可能に設けられているシリンダ11を有する押出機(射出ユニット10)と、シリンダ11に樹脂材料(樹脂ペレット99)を供給するホッパーとを備えた成形装置(射出成形装置1)において、
樹脂ペレット99に混合させる液状添加剤98を樹脂ペレット99に供給する液体供給装置50と、
液体供給装置50による樹脂ペレット99への液状添加剤98の供給を制御する制御盤80(液体供給制御部84)と、
ホッパー13またはホッパー13とシリンダ11との間の経路(供給管14)に液状添加剤89を吐出する液滴供給口17と、
液体供給装置50に供給する液状添加剤98を貯留する受取容器54と、
受取容器54に貯留されている液状添加剤98を計量する計量部(ロードセル57)を有し、
制御盤80(液体供給制御部84)は、
樹脂ペレット99をシリンダ11に供給するタイミングと液体供給装置50が液状添加剤98を供給するタイミングとを同期させる同期制御部85(同期制御機能)と、
ロードセル57による液状添加剤98の計量結果をもとに液体供給装置50による液状添加剤98の供給量を制御する供給制御部86(供給制御機能)と、
を有する。
液体供給装置50による液状添加剤98の供給動作が、射出ユニット10の動作と同期するので、樹脂ペレット99に対し正確に安定して液状添加剤98を加えることができる。
また、チューブポンプ53より上流側に設けた受取容器54に液状添加剤98を一時的に貯留して、受取容器54の重量をロードセル57で計測するため、チューブポンプ53より下流側において計量する場合と比較して、樹脂ペレット99に供給する液状添加剤98の量を確実に計量でき、液状添加剤98の供給量の調整が的確になる。
(2)供給制御部86は、液体供給装置50に設定された液状添加剤98の供給量と、ロードセル57が計量した液状添加剤98の供給に伴う受取容器54における液状添加剤98の変動量との差をもとに、液体供給装置50による液状添加剤98の供給量を校正する。
例えば液体供給装置50(チューブポンプ53)自体の動作に変動(誤差)が無い場合であっても、チューブ18に摩耗等の劣化が進むと、液体供給装置50(チューブポンプ53)から供給する液状添加剤98に変動(増加)することがある。供給制御部86が校正機能を実行することで、チューブ劣化による重量変動を含めた計量変動による影響を排除することができる。
(3)液体供給装置50は制御盤80の供給制御部86の機能を備える。
制御盤80は、一つの装置として構成されてもよいし、機能に応じて異なる装置に設けられてもよい。例えば、制御盤80の供給制御部86は、液体供給装置50に備わるようにしてもよい。その場合、液体供給装置50が、ロードセル57から取得した受取容器54の重量変動をもとに、液状添加剤98の供給量に関する校正機能を実行する。
(4)同期制御部85は、液体供給装置50からの液状添加剤98の供給のタイミングを、射出ユニット10を動作させる動作信号と連動させる。
すなわち、同期制御部85は、射出ユニット10の動作と液体供給装置50の動作を同期させる。例えば、スクリュ19の回転動作(回転指示信号)と液体供給装置50による液状添加剤98の供給動作(チューブポンプ53)の動作信号を同期させる。
(5)液滴供給口17は、ホッパー13内または供給管14内において水平方向に延出する管状部材である。
(6)ホッパー13または供給管14は、樹脂ペレット99の移動方向に対して垂直な面による断面形状が円形を呈しており、
液滴供給口17は、その円形の中心に設けられている。
(7)制御盤80の液体供給制御部84は、液体供給装置50が受取容器54から液状添加剤98を吸い込むときの吸い込み口(すなわち第2液送管56の端部56b)が、受取容器54内に貯留している液状添加剤98の内部にあることを監視する液切れ防止部87を有する。
(8)液状添加剤98が充填された充填容器60(パック)を装着可能であって、
充填容器60から受取容器54に供給する経路を開閉する開閉弁59を有し、
制御盤80は開閉弁59のオンオフ(開閉)を制御する。
(9)液体供給装置50は、液状添加剤98を液滴供給口17へ輸送するチューブポンプ53を有する。
(10)液滴供給口17は、ガラス転移温度Tgが100℃以上である樹脂材料による構成された管状部材からなる。
(11)液滴供給口17は、金属部材により構成された管状部材からなる。
【0062】
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0063】
図8及び
図9を参照して、ホッパー13とアダプタ16の構成の変形例を説明する。以下では、ホッパー本体13aは逆円錐であり、筒部13bや供給管14は円筒として例示する。また、ホッパー13、供給管14及びアダプタ16における樹脂供給経路は破線で示している。
【0064】
図8(a)では、ホッパー13の筒部13bと供給管14との間にアダプタ16を配置した構成を示している。アダプタ16に取り付けられる液滴供給口17の先端17aは、アダプタ16における断面円形の樹脂供給経路の中心から経路面側にズレた位置にある。
図8(b)では、
図8(a)の構成において、液滴供給口17の先端17aを樹脂供給経路の中心とした構成である。
【0065】
図8(c)では、アダプタ16が円盤状のフランジ部16aと、フランジ部16a上側の管部16bと、フランジ部16a下側の16cとを有する。アダプタ16の中心に上下に連通する樹脂供給経路が設けられている。上側の管部16bがホッパー13の筒部13bに接続され、下側の管部16cが供給管14に接続される。液滴供給口17は、フランジ部16aに取り付けられている。
【0066】
図8(d)では、アダプタ16が円盤状のフランジ部16aと、フランジ部16a下側の16cとを有する。アダプタ16の中心には上下に連通する樹脂供給経路が設けられている。フランジ部16aの上面がホッパー13の筒部13bに接続され、下側の管部16cが供給管14に接続される。液滴供給口17は、フランジ部16aに取り付けられている。
【0067】
図8(e)では、アダプタ16を省いて、ホッパー13の筒部13bが供給管14と直接接続されている。液滴供給口17はホッパー13の筒部13bに取り付けられる。
【0068】
図8(f)では、
図8(d)の構成において供給管14を省いた構成となっており、フランジ部16aの下側の管部16cがシリンダ11に直接接続される。
【0069】
図9(a)~
図9(d)は、
図8(a)~
図8(d)で示したホッパー13の構成において、筒部13bを省いてホッパー本体13aがアダプタ16に接続される構成となっている。
【符号の説明】
【0070】
1 射出成形装置
10 射出ユニット
11 シリンダ
12 射出ノズル
13 ホッパー
13a ホッパー本体
13b 筒部
14 供給管
15 ヒーター
16 アダプタ
16a フランジ部
16b、16c 筒部
17 液滴供給口
18 チューブ
19 スクリュ
20 駆動部
30 型締めユニット
31 プリフォーム金型
32 ポット金型
33 ブロー金型
50 液体供給装置
51 重量測定器
52 計量室
53 チューブポンプ
54 受取容器
55 第1液送管
56 第2液送管
57 ロードセル
58a、58b ジョイント
59 開閉弁
60 充填容器
71 プリフォーム
73 成形品
95 エア
98 液状添加剤
99 樹脂ペレット