(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023030350
(43)【公開日】2023-03-08
(54)【発明の名称】車両用外装部品
(51)【国際特許分類】
F21S 43/20 20180101AFI20230301BHJP
F21S 43/50 20180101ALI20230301BHJP
F21S 45/00 20180101ALI20230301BHJP
F21S 43/27 20180101ALI20230301BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20230301BHJP
F21S 43/14 20180101ALI20230301BHJP
F21S 43/19 20180101ALI20230301BHJP
F21S 43/31 20180101ALI20230301BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230301BHJP
【FI】
F21S43/20
F21S43/50
F21S45/00
F21S43/27
F21V19/00 150
F21V19/00 170
F21S43/14
F21S43/19
F21S43/31
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021135431
(22)【出願日】2021-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】504136889
【氏名又は名称】株式会社ファルテック
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 久典
(72)【発明者】
【氏名】秋山 陽一
【テーマコード(参考)】
3K013
【Fターム(参考)】
3K013AA01
3K013BA01
3K013CA05
3K013CA16
3K013EA13
(57)【要約】
【課題】光源部を備える車両用外装部品において、光源部が点灯されていない状態での外観印象を向上可能とする。
【解決手段】車両に対して取り付けられる車両用イルミネーション外装部品であって、ハーフミラー膜5と、意匠面7aを有する有色塗料層7と、意匠面7aとハーフミラー膜5の表面との角度αが鋭角となるようにハーフミラー膜5と有色塗料層7とを支持する透明埋設部6と、ハーフミラー膜5の背面5b側に配置される光源部3とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に対して取り付けられる車両用外装部品であって、
ビームスプリッタ膜と、
意匠面を有する有色部材と、
前記意匠面と前記ビームスプリッタ膜の表面との配置角度が鋭角となるように前記ビームスプリッタ膜と前記有色部材とを支持する支持部材と、
前記ビームスプリッタ膜の背面側に配置される光源部と
を備えることを特徴とする車両用外装部品。
【請求項2】
前記光源部は、
前記ビームスプリッタ膜の背面と平行に配置されたプリント基板と、
前記プリント基板に実装されたLED素子と
を備えることを特徴とする請求項1記載の車両用外装部品。
【請求項3】
前記光源部から射出された射出光を拡散透過すると共に前記ビームスプリッタ膜の背面に対向して配置された光拡散部材を備えることを特徴とする請求項1または2記載の車両用外装部品。
【請求項4】
前記光源部を収容すると共に開放端が前記光拡散部材で塞がれた光源収容部材を備えることを特徴とする請求項3記載の車両用外装部品。
【請求項5】
前記光源収容部材の内壁面が前記射出光を反射する反射面であることを特徴とする請求項4記載の車両用外装部品。
【請求項6】
ビームスプリッタ膜の表面と前記有色部材の意匠面との間の空間を埋設すると共に光を透過可能な透明埋設部を備えることを特徴とする請求項1~5いずれか一項に記載の車両用外装部品。
【請求項7】
前記透明埋設部が前記支持部材として用いられていることを特徴とする請求項6記載の車両用外装部品。
【請求項8】
前記ビームスプリッタ膜の端部と前記有色部材の意匠面の端部とが接続されていることを特徴とする請求項1~7いずれか一項に記載の車両用外装部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用外装部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、光源を備えるイルミネーショングリルが開示されている。このようなイルミネーショングリルでは、光源から射出された光によってイルミネーショングリルが電飾される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示されたイルミネーショングリルは、光源等の設置スペース確保が比較的容易な大型車のフロントグリル部分として用いられている。一方で、近年においては、電気自動車の普及により、小型車に開口部を必要としないフロントグリルが増加し、小型車のフロントグリルにおいても光源部等の設置が可能となってきている。このため、小型車にも電飾可能な車両用外装部品を設置することが多くなりつつある。
【0005】
このような電飾可能な車両用外装部品の普及に合わせて、このような車両用外装部品に対する意匠性に対する要求も高まりつつある。例えば、電飾可能な車両用外装部品は、外光が強い日中等においては電飾をせず、外光が弱くなる夜間等においてのみ電飾を行うことが一般的である。また、電飾可能な車両用外装部品は、駐車場等において車両が長時間停車されている場合には、電飾を行わないことが一般的である。このため、電飾を行わない期間において、電飾を行うことが可能な部分が周囲のパーツと一体性を欠くと、車両全体の外観印象を損なう恐れがある。したがって、光源部を備える車両用外装部品は、光源が点灯されていない状態であっても車両の外観印象を損なうことを抑止できることが好ましい。
【0006】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、光源部を備える車両用外装部品において、光源部が点灯されていない状態での外観印象を向上可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
【0008】
本発明の第1の態様は、車両に対して取り付けられる車両用外装部品であって、ビームスプリッタ膜と、意匠面を有する有色部材と、上記意匠面と上記ビームスプリッタ膜の表面との配置角度が鋭角となるように上記ビームスプリッタ膜と上記有色部材とを支持する支持部材と、上記ビームスプリッタ膜の背面側に配置される光源部とを備えるという構成を採用する。
【0009】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様において、上記光源部が、上記ビームスプリッタ膜の背面と平行に配置されたプリント基板と、上記プリント基板に実装されたLED素子とを備えるという構成を採用する。
【0010】
本発明の第3の態様は、上記J第1または第2の態様において、上記光源部から射出された射出光を拡散透過すると共に上記ビームスプリッタ膜の背面に対向して配置された光拡散部材を備えるという構成を採用する。
【0011】
本発明の第4の態様は、上記第3の態様において、上記光源部を収容すると共に開放端が上記光拡散部材で塞がれた光源収容部材を備えるという構成を採用する。
【0012】
本発明の第5の態様は、上記第4の態様において、上記光源収容部材の内壁面が上記射出光を反射する反射面であるという構成を採用する。
【0013】
本発明の第6の態様は、上記第1~第5いずれかの発明において、ビームスプリッタ膜の表面と上記有色部材の意匠面との間の空間を埋設すると共に光を透過可能な透明埋設部を備えるという構成を採用する。
【0014】
本発明の第7の態様は、上記第6の態様において、上記透明埋設部が上記支持部材として用いられているという構成を採用する。
【0015】
本発明の第8の態様は、上記第1~第7いずれかの態様において、上記ビームスプリッタ膜の端部と上記有色部材の意匠面の端部とが接続されているという構成を採用する。
【発明の効果】
【0016】
本発明においては、光源部からの射出光は、ビームスプリッタ膜を透過し、車両用外装部品の外部に射出される。このため、本発明によれば、光源部を点灯することによって電装等を行うことが可能となる。また、本発明においては、外光がビームスプリッタ膜に反射されると、有色部材の意匠面に入射する。また、有色部材の意匠面からの戻り光は、ビームスプリッタ膜の表面で反射されて車両用外装部品の外部に射出される。このため、本発明によれば、光源部を点灯していない状態では、外光に照らされることによって、外部の者には有色部材の意匠面が視認される。したがって、本発明によれば、光源部が点灯していない場合には、外部の者に対して光源部が有色部材の意匠面によって隠される。よって、本発明によれば、光源部を備える車両用外装部品において、光源部が点灯されていない状態での外観印象を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1実施形態における車両用イルミネーション外装部品を備える車両の正面図である。
【
図2】本発明の第1実施形態における車両用イルミネーション外装部品の概略構成を示す模式図であり、(a)が正面図であり、(b)が(a)のA-A断面図である。
【
図3】本発明の第2実施形態における車両用イルミネーション外装部品の概略構成を示す模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明に係る車両用外装部品の一実施形態について説明する。
【0019】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態の車両用イルミネーション外装部品1(車両用外装部品)を備える車両100の正面図である。本実施形態の車両用イルミネーション外装部品1は、後述する光源部3が点灯している場合には外部から電飾されて視認され、光源部3が外部から視認されることを防止して周囲と一体化される外装部品である。
【0020】
図1に示すように、本実施形態の車両用イルミネーション外装部品1は、車両100の前部に設けられており、フードHの下方でエンブレムEの上方に配置されている。本実施形態の車両用イルミネーション外装部品1は、車両100の車幅方向(水平方向)に直線状に延伸する長尺状の部材である。
【0021】
図2は、本実施形態の車両用イルミネーション外装部品1の概略構成を示す模式図であり、(a)が正面図であり、(b)が(a)のA-A断面図である。これらの図に示すように、本実施形態の車両用イルミネーション外装部品1は、光源収容容器2(光源収容部材)と、光源部3と、光拡散部材4と、ハーフミラー膜5(ビームスプリッタ膜)と、透明埋設部6と、有色塗料層7(有色部材)とを備えている。
【0022】
光源収容容器2は、光源部3を収容する容器状の部材であり、車幅方向に直線状に延伸する長尺状の容器である。光源収容容器2は、
図2(b)に示すように、開放端2aが設けられた断面C字状に形成されている。光源収容容器2は、開放端が車両100の前方かつ斜め上方に向かうように車体Bに対して固定される。また、光源収容容器2は、光源部3の他、光拡散部材4と、ハーフミラー膜5と、透明埋設部6と、有色塗料層7とを、直接的あるいは間接的に支持している。
【0023】
光源部3は、不図示の制御部に基づいて点灯あるいは消灯する。この光源部3は、プリント基板3aと、複数のLED(Light Emitting Diode)素子3bとを備えている。プリント基板3aは、LED素子3bが実装される配線基板である。本実施形態においてプリント基板3aは、ハーフミラー膜5の背面5bと平行に配置されている。なお、プリント基板3aは、単一であっても複数であっても良い。つまり、プリント基板3aには、単一あるいは複数のLED素子3bが実装される。
【0024】
各々のLED素子3bは、不図示の制御部の制御の下、駆動電力が供給されることで発光する素子である。つまり、LED素子3bは、供給された電力を光に変換し、生成した光を射出光として射出する。これらのLED素子3bは、車幅方向に間隔を空けて配列されている。また、本実施形態において、LED素子3bは、白色の射出光を生成して射出する。
【0025】
光拡散部材4は、光源部3から射出された射出光を拡散して透過する部材であり、例えば樹脂により形成されている。この光拡散部材4は、板状に形成されており、光源収容容器2の開放端2aを塞ぐように、光源収容容器2に固定されている。また、光拡散部材4は、表面4aを車両の外側に向け、背面4bを光源収容容器2側(車両の内側)に向けるように配置されている。
【0026】
このような光源収容容器2と光拡散部材4とによって、光源部3が収容される閉空間が形成されている。光源部3が光源収容容器2と光拡散部材とによって形成された閉空間に収容されているため、光源部3が雨水や外気に暴露されることが抑止される。このため、光源部3の劣化を抑制することができる。
【0027】
ハーフミラー膜5は、表面5aを透明埋設部6側に向け、背面5bを光拡散部材4側に向け、光源部3の前方に配置された膜部材である。つまり、光源部3は、ハーフミラー膜5の背面側に配置されている。このハーフミラー膜5は、光の一部を透過すると共に残部を反射するビームスプリッタ膜である。
【0028】
本実施形態において、ハーフミラー膜5は、透明埋設部6に貼付されている。また、ハーフミラー膜5は、光拡散部材4の表面4aと背面5bが接触した状態で対向配置されている。このようなハーフミラー膜5は、光拡散部材4の表面4aの全体を覆うように設けられている。
【0029】
ハーフミラー膜5は、光源部3から射出された射出光の一部を透過すると共に残部を反射する。また、ハーフミラー膜5は、外部から入射する外光の一部を透過すると共に残部を反射する。
【0030】
ここで、ハーフミラー膜5を透過する光源部3からの射出光の強度が、ハーフミラー膜5に反射される外光の強度に対して想定的に強い場合には、外部の者に光源部3の射出光による色調が視認される。一方で、ハーフミラー膜5を透過する光源部3からの射出光の強度が、ハーフミラー膜5に反射される外光の強度に対して想定的に弱い場合には、外部の者には外光による色調が視認される。
【0031】
つまり、夜間等の外光の強度が弱い場所では、光源部3の光が外部の者に明確に視認される。一方で、昼間等の外光の強度が強い場所では、光源部3の光が外部の者に視認され難い。このため、昼間等の外光の強度が強い場所では、一般的に光源部3が消灯された状態となる。ただし、昼間等の外光の強度が強い場所で光源部3を点灯させておいても構わない。
【0032】
透明埋設部6は、ハーフミラー膜5と有色塗料層7との間の空間を埋設する透明な部材であり、車幅方向に直線状に延伸して設けられている。この透明埋設部6は、例えばアクリル樹脂によって形成されている。本実施形態においては、透明埋設部6は、ハーフミラー膜5と有色塗料層7とを支持する支持部材として機能する。
【0033】
透明埋設部6は、後述する有色塗料層7の意匠面7aと、ハーフミラー膜5の表面5aとが成す角度α(配置角度)が鋭角(例えば45°)となるようにハーフミラー膜5と有色塗料層7とを支持している。
【0034】
透明埋設部6は、ハーフミラー膜5が固着されるハーフミラー固着面6aと、有色塗料層7が固着された塗料層固着面6bとを有している。ハーフミラー固着面6aには、ハーフミラー膜5の表面5aが密着されている。また、塗料層固着面6bには、有色塗料層7の意匠面7aが密着されている。
【0035】
これらのハーフミラー固着面6aと塗料層固着面6bとは、有色塗料層7の意匠面7aとハーフミラー膜5の表面5aとが成す角度αにて接続されている。つまり、このような角度αで接続されたハーフミラー固着面6aと塗料層固着面6bとに、ハーフミラー膜5と有色塗料層7とが設けられることによって、有色塗料層7の意匠面7aとハーフミラー膜5の表面5aとが成す角度が上述の角度αとなる。
【0036】
また、ハーフミラー固着面6aの後端部と有色塗料層7の後端部とが接続されているとすると、
図2(b)に示すように、ハーフミラー固着面6aの前端部と有色塗料層7の前端部とは離れている。透明埋設部6は、ハーフミラー固着面6aの前端部と有色塗料層7の前端部とを接続する接続湾曲面6cを有している。
【0037】
接続湾曲面6cは、上下方向における中央部が前方(ハーフミラー固着面6aの後端部と有色塗料層7の後端部との接続箇所と反対側)に向けて膨出する湾曲して形成されている。このように接続湾曲面6cが湾曲されていることで、接続湾曲面6cに換えて平面とする場合よりも、より広角から透明埋設部6を視認することができる。
【0038】
このような透明埋設部6は、ハーフミラー膜5を介して光拡散部材4と接続されている。このため、透明埋設部6は、光拡散部材4を介して光源収容容器2に支持されている。ただし、透明埋設部6を車体Bに直接固定することで、透明埋設部6を支持することも可能である。
【0039】
有色塗料層7は、有色の塗料によって形成された層である。このような有色塗料層7は、例えば有色塗料層7の形成材料である塗料を透明埋設部6の塗料層固着面6bに塗布し、この塗料を乾燥させることによって形成される。有色塗料層7の塗料層固着面6b側の面は、外部から視認される意匠面7aである。
【0040】
本実施形態においては、有色塗料層7は、黒色塗装によって形成された黒色とされている。つまり、有色塗料層7は、黒色の意匠面7aを有している。なお、有色塗料層7の意匠面7aは必ずしも黒色である必要はなく、他の色であっても良い。また、意匠面7aには、模様等が描かれていても良い。
【0041】
有色塗料層7の後端部は、ハーフミラー膜5の後端部と接続されている。つまり、本実施形態においては、有色塗料層7とハーフミラー膜5との間に隙間が設けられることなく、有色塗料層7とハーフミラー膜5とが直接的に接続されている。
【0042】
このような本実施形態の車両用イルミネーション外装部品1において、光源部3から射出光が射出されると、光源部3から射出された射出光が光拡散部材4の背面4bから光拡散部材4に入射する。光拡散部材4に射出光が入射すると、射出光が光拡散部材4の内部で拡散されて光拡散部材4を透過する。光拡散部材4で拡散された射出光は、光拡散部材4の表面4aの全体から様々な方位に射出される。
【0043】
光拡散部材4を透過する射出光は、光拡散部材4の表面4aからハーフミラー膜5の背面5bに入射する。ハーフミラー膜5の背面5bに入射した射出光は、一部がハーフミラー膜5を透過し、残部がハーフミラー膜5の背面5bに反射される。ハーフミラー膜5の背面5bに反射された射出光の一部は、光源部3側に戻る。
【0044】
一方、ハーフミラー膜5を透過した射出光は、透明埋設部6を透過して、透明埋設部6の接続湾曲面6cから外部に向けて射出される。このような射出光は、外光が弱い夜間等においては外部の者に視認される。この結果、外部の者は、光拡散部材4の表面4aの全体が白色に面発光しているように視認する。
【0045】
また、本実施形態の車両用イルミネーション外装部品1において、外光が接続湾曲面6cから透明埋設部6に入射すると、透明埋設部6に入射した外光は、ハーフミラー膜5の表面5aに入射する。ハーフミラー膜5に入射した外光は、一部がハーフミラー膜5を透過し、残部がハーフミラー膜5の表面5aに反射される。ハーフミラー膜5を透過した外光の一部は、光源部3側に進む。
【0046】
一方、ハーフミラー膜5の表面5aで反射された外光は、透明埋設部6の内部を進み、有色塗料層7の意匠面7aに入射する。意匠面7aに入射した外光は、意匠面7aで反射され、再びハーフミラー膜5の表面5aに入射する。意匠面7aからの戻り光となった外光は、一部がハーフミラー膜5の表面5aで反射され、透明埋設部6の接続湾曲面6cから外部に向けて射出される。このような透明埋設部6の接続湾曲面6cから射出された外光は、外光が強い日中や光源部3が点灯されていない場合においては外部の者に視認される。この結果、外部の者は、意匠面7aを視認する。
【0047】
以上のような本実施形態の車両用イルミネーション外装部品1は、車体Bに対して取り付けられる。この本実施形態の車両用イルミネーション外装部品1は、ハーフミラー膜5と、意匠面7aを有する有色塗料層7とを備える。また、本実施形態の車両用イルミネーション外装部品1は、透明埋設部6を備える。透明埋設部6は、意匠面7aとハーフミラー膜5の表面との角度αが鋭角となるようにハーフミラー膜5と有色塗料層7とを支持する。また、本実施形態の車両用イルミネーション外装部品1は、光源部3を備える。光源部3は、ハーフミラー膜5の背面5b側に配置される。
【0048】
このような本実施形態の車両用イルミネーション外装部品1においては、光源部3からの射出光は、ハーフミラー膜5を透過し、本実施形態の車両用イルミネーション外装部品1の外部に射出される。このため、本実施形態の車両用イルミネーション外装部品1によれば、光源部3を点灯することによって電装等を行うことが可能となる。
【0049】
また、本実施形態の車両用イルミネーション外装部品1においては、外光がハーフミラー膜5に反射されると、有色塗料層7の意匠面7aに入射する。また、有色塗料層7の意匠面7aからの戻り光は、ハーフミラー膜5の表面で反射されて車両用イルミネーション外装部品1の外部に射出される。
【0050】
このため、本実施形態の車両用イルミネーション外装部品1によれば、光源部3を点灯していない状態では、外光に照らされることによって、外部の者には有色塗料層7の意匠面7aが視認される。したがって、本実施形態の車両用イルミネーション外装部品1によれば、光源部3が点灯していない場合には、外部の者に対して光源部3が有色塗料層7の意匠面7aによって隠される。よって、本実施形態の車両用イルミネーション外装部品1によれば、光源部3を備える車両用イルミネーション外装部品1において、光源部3が点灯されていない状態での外観印象を向上させることが可能となる。
【0051】
また、本実施形態の車両用イルミネーション外装部品1において、光源部3は、ハーフミラー膜5の背面5bと平行に配置されたプリント基板3aと、プリント基板3aに実装されたLED素子3bとを備えている。プリント基板3aがハーフミラー膜5の背面5bと平行に配置されることによって、LED素子3bからハーフミラー膜5の各部位までの距離が均一化さされる。
【0052】
また、LED素子3bは、一般的に内部構造にリフレクタを備えており、半導体チップの表面と直交する方向に向けて射出光が射出される。本実施形態においては、このLED素子3bの射出方向に対してハーフミラー膜5の背面5bが直交するように配置されている。このため、LED素子3bの射出方向に対してハーフミラー膜5の背面5bが傾斜している場合よりも、射出光のハーフミラー膜5の透過率を高めることが可能となる。したがって、本実施形態の車両用イルミネーション外装部品1によれば、少ない電力で明るい電飾効果を得ることが可能となる。
【0053】
また、本実施形態の車両用イルミネーション外装部品1においては、光源部3から射出された射出光を拡散透過すると共にハーフミラー膜5の背面5bに対向して配置された光拡散部材4を備える。このため、光源部3から射出された射出光が拡散され、面発光されているような電飾効果を得ることが可能となる。
【0054】
また、本実施形態の車両用イルミネーション外装部品1においては、光源部3を収容すると共に開放端2aが光拡散部材4で塞がれた光源収容容器2を備えている。このため、光源部3を囲うことによって保護することができ、光源部3の劣化を防止することが可能となる。
【0055】
また、本実施形態の車両用イルミネーション外装部品1においては、透明埋設部6を備えている。この透明埋設部6は、ハーフミラー膜5の表面5aと有色塗料層7の意匠面7aとの間の空間を埋設する。また、透明埋設部6は、光を透過可能である。このため、本実施形態の車両用イルミネーション外装部品1によれば、ハーフミラー膜5の表面5aと有色塗料層7の意匠面7aとが雨水や埃等で汚れることを防止することができる。このため、優れた意匠性を長期に亘って維持することができる。
【0056】
また、本実施形態の車両用イルミネーション外装部品1においては、透明埋設部6がハーフミラー膜5及び有色塗料層7を支持する支持部材として用いられている。このため、透明埋設部6の他に支持部材を備える必要がなく、小型かつ軽量の車両用イルミネーション外装部品1になる。
【0057】
また、本実施形態の車両用イルミネーション外装部品1においては、ハーフミラー膜5の端部と有色塗料層7の意匠面7aの端部とが接続されている。このため、ハーフミラー膜5と有色塗料層7との間から光が漏出することを防止することが可能となる。
【0058】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0059】
図3は、本実施形態の車両用イルミネーション外装部品1Aの模式的な断面図である。この図に示すように、本実施形態の車両用イルミネーション外装部品1Aでは、上記第1実施形態の光源収容容器2が、容器本体部21と、反射膜22とを備えている。
【0060】
容器本体部21は、光源部3を収容する容器状の部位であり、車幅方向に直線状に延伸する長尺状の容器である。容器本体部21は、断面C字状に形成されている。反射膜22は、容器本体部21の内壁面に設けられている。このような反射膜22は、光源部3から射出された射出光を反射する。
【0061】
つまり、本実施形態の車両用イルミネーション外装部品1Aにおいては、光源収容容器2の内壁面が射出光を反射する反射面に形成されている。このような本実施形態の車両用イルミネーション外装部品1Aによれば、光源部3から射出されてハーフミラー膜5の背面5bで反射された射出光を、反射して再びハーフミラー膜5に向かわせることができる。したがって、本実施形態の車両用イルミネーション外装部品1Aによれば、光源部3から射出された射出光の利用効率を高めることが可能となる。
【0062】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0063】
例えば、上記実施形態においては、ハーフミラー膜5と有色塗料層7とが接続された構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、ハーフミラー膜5と有色塗料層7とが離間した構成を採用することも可能である。
【0064】
また、例えば、透明埋設部6の接続湾曲面6cを粗面として、接続湾曲面6cにて射出光や外光を散乱させる構成を採用することも可能である。このような構成を採用することによって、外部の者が受ける印象を変更することが可能となる。また、同様に、塗料層固着面6bを粗面とすることも可能である。
【0065】
また、上記実施形態においては、車両用イルミネーション外装部品が車両の前部に設置された構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、車両のどの部分に設置することも可能である。
【0066】
また、上記実施形態においては、LED素子3bが白色の射出光を生成して射出する構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、異なる色の射出光を生成して射出するLED素子を設ける構成を採用することもできる。
【符号の説明】
【0067】
1……車両用イルミネーション外装部品、1A……車両用イルミネーション外装部品、2……光源収容容器、2a……開放端、3……光源部、3a……プリント基板、3b……LED素子、4……光拡散部材、4a……表面、4b……背面、5……ハーフミラー膜、5a……表面、5b……背面、6……透明埋設部、6a……ハーフミラー固着面、6b……塗料層固着面、6c……接続湾曲面、7……有色塗料層、7a……意匠面、21……容器本体部、22……反射膜、100……車両、B……車体