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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023030362
(43)【公開日】2023-03-08
(54)【発明の名称】切断装置、切断方法、除染ライン
(51)【国際特許分類】
   B23D 21/02 20060101AFI20230301BHJP
   B23D 55/04 20060101ALI20230301BHJP
   B23P 13/00 20060101ALI20230301BHJP
   B21D 1/05 20060101ALI20230301BHJP
   G21F 9/30 20060101ALI20230301BHJP
【FI】
B23D21/02 B
B23D55/04 C
B23P13/00
B21D1/05 Q
G21F9/30 531H
G21F9/30 535F
G21F9/30 535C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021135448
(22)【出願日】2021-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】391019658
【氏名又は名称】株式会社中部プラントサービス
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 守孝
【テーマコード(参考)】
3C040
4E003
【Fターム(参考)】
3C040AA16
3C040HH26
4E003AA01
4E003BA12
(57)【要約】
【課題】曲げ管を管軸に沿って2つに切断する。
【解決手段】曲げ管1を管軸Vに沿って2つに切断する切断装置10は、無端状の帯鋸刃と、前記帯鋸刃を上下方向に周回駆動する第1駆動装置37と、前記帯鋸刃35を挟んでその両側に位置し、前記帯鋸刃35による切断位置において、各ローラ51、52の外周面が前記曲げ管1の外周面と内周面にそれぞれ接触する一対のローラ51、52と、前記一対のローラ51、52のうち、少なくとも一方のローラ51、52を回転駆動する第2駆動装置71と、を備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
曲げ管を管軸に沿って2つに切断する切断装置であって、
無端状の帯鋸刃と、
前記帯鋸刃を上下方向に周回駆動する第1駆動装置と、
前記帯鋸刃を挟んでその両側に位置し、前記帯鋸刃による切断位置において、前記曲げ管の外周面と内周面にそれぞれ接触する一対のローラと、
前記一対のローラのうち、少なくとも一方のローラを、回転駆動する第2駆動装置と、を備え、
前記一対のローラを用いて前記帯鋸刃に対して前記曲げ管を位置決めしつつ送り出し、前記帯鋸刃により2つに切断する、切断装置。
【請求項2】
請求項1に記載の切断装置であって、
前記一対のローラのうち、
一方は駆動ローラ、他方は従動ローラであり、
前記駆動ローラは、ローラ外周面に、前記従動ローラに比べて、摩擦が高いコーティング層を有し、
前記従動ローラは、ローラ軸の位置を調整可能な可動ローラである、切断装置。
【請求項3】
曲げ管を管軸に沿って2つに切断する切断方法であって、
帯鋸刃を挟んでその両側に位置する一対のローラを用いて、前記帯鋸刃に対して曲げ管を位置決めしつつ送り出し、前記帯鋸刃により2つに切断する、切断方法。
【請求項4】
汚染配管の除染ラインであって、
U字状の汚染配管を管軸に沿って2つに切断する切断装置と、
管軸に沿って2つに切断された汚染配管を圧延する圧延装置と、
圧延後の汚染配管の管軸に沿った湾曲を矯正する矯正装置と、
湾曲矯正後の汚染配管の表面を除染する除染装置と、を備える、除染ライン。
【請求項5】
請求項4に記載の除染ラインであって、
前記切断装置は、請求項1又は請求項2に記載の切断装置である、除染ライン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、曲げ管を切断する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
BWR型原子力発電所等で使用される高圧給水加熱器の取り替えや廃棄において、細管を長手方向に開いて除染を行う必要がある。特許文献1は、管軸が直線の直管部(ストレート管)を切断する切断装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4035083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
配管は、直管部だけなく、曲管部を有する場合がある。現在、管軸が曲線形状をした曲げ管を切断する装置は実用化に至っていない。そのため、曲管部の除染が困難であり、廃棄作業に支障を来す場合があった。また、汚染管の廃棄作業に限らず、他の配管を再利用する場合にも同様の課題があった。こうした背景から、管軸が曲線形状をした曲げ管を切断する装置の開発が要望されていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
曲げ管を管軸に沿って2つに切断する切断装置であって、無端状の帯鋸刃と、前記帯鋸刃を上下方向に周回駆動する第1駆動装置と、前記帯鋸刃を挟んでその両側に位置し、前記帯鋸刃による切断位置において、前記曲げ管の外周面と内周面にそれぞれ接触する一対のローラと、前記一対のローラのうち、少なくとも一方のローラを回転駆動する第2駆動装置と、を備え、前記一対のローラを用いて前記帯鋸刃に対して前記曲げ管を位置決めしつつ送り出し、前記帯鋸刃により2つに切断する。
【0006】
この構成では、管軸が曲線形状をした曲げ管を、曲げ半径の大きさに関係なく管軸に沿って2つに切断することが出来る。そのため、例えば、汚染配管について、直管部だけでなく曲げ管の除染が可能となるので、汚染配管の廃棄を効率的に行うことが出来る。
【0007】
この発明の一実施態様として、前記一対のローラのうち、一方は駆動ローラ、他方は従動ローラでもよい。前記駆動ローラは、ローラ外周面に、前記従動ローラに比べて、摩擦が高いコーティング層を有してもよい。前記従動ローラは、ローラ軸の位置を調整可能な可動ローラでもよい。このような構成とすることで、搬送中、駆動ローラと曲げ管の接触状態を保つことが可能となり、曲げ管の円滑な送り動作及び切断が可能となる。
【0008】
この発明の一実施態様として、曲げ管の送出機能を持つローラは、一対のローラのみで、他に送出用のローラを持たない構成でもよい。このような構成とすることで、曲げ管の円滑な送り動作が可能となる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、管軸が曲線形状をした曲げ管を、曲げ半径の大きさに関係なく管軸に沿って切断することが出来る。曲げ半径に沿った菅軸で切断することで、後工程で真直ぐの平板状にできるため、効率的に除染できるだけでなく、除染後の保管スペースを小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】U字管の除染作業の工程図
図2】除染ラインの平面図
図3】U字管切断装置の斜視図
図4】U字管切断装置の要部斜視図
図5】切断装置本体の模式図
図6】位置決め装置の拡大図
図7】位置決め装置の拡大図
図8】U字管1の切断過程を示す図
図9】U字管1の切断過程を示す図
図10】圧延装置の正面図
図11】圧延装置の平面図
図12】圧延装置の要部斜視図
図13】圧延装置の内部構造を示す斜視図
図14】圧延装置の内部構造を示す斜視図
図15】圧延ローラの配置を示す図
図16】圧延装置を図12のA方向から見た図
図17】レベラの正面図
図18】レベラの平面図
図19図18をA方向から見た図
図20】レベラの内部構造を示す斜視図
図21】レベラの内部構造を示す斜視図
図22】矯正ローラの配置を示す図
図23】除染装置の側面図
図24】除染装置の平面図
図25】除染装置の斜視図
図26】除染装置の要部斜視図
図27】搬送部の斜視図
図28】除染装置本体の斜視図
図29図28の垂直断面図
図30】エアブラスト装置の概念図
図31】ブラストヘッドと連結部の斜視図
図32】外壁部の構造を示す分解斜視図
図33図31の分解斜視図
図34図31の垂直断面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態>
本発明の実施形態を、図1図34によって説明する。
原子力発電所の解体工事を行うにあたり、高圧給水加熱器や復水器から金属製の配管(以下、細管)を撤去・解体する必要がある。細管は、直管部分とU字管1に分けて、撤去される。この実施形態は、「U字管切断装置10」を、高圧給水加熱器や復水器から撤去したU字管1の除染ラインLに用いたものである。U字管1は、円弧形状をした曲管部分のみに限らず、直管部分を含むものでもよい。
【0012】
1.U字管1の除染作業手順
図1は、U字管1の除染作業の工程図である。
除染作業は、以下の工程より、実施される。
(a)熱交換器や復水器からU字管1(細管のU字部分)を切り出す工程
(b)切り出したU字管1を管軸Vに沿って2つに切断する工程
(c)2つの切断したU字管1Aを圧延する工程
(d)圧延後のU字管1Bについて、管軸Vに沿った湾曲を矯正する工程
(e)湾曲矯正後のU字管1Cを除染する工程
【0013】
(a)~(e)の工程により、撤去したU字管1を除染することが出来、廃棄物として処理することが出来る。尚、符号1Aは、2つに切断後のU字管、符号1Bは、圧延後のU字管、符号1Cは湾曲矯正後のU字管、符号1Dは、除染後のU字管である。
【0014】
この実施形態では、図2に示すように、除染ラインLを、U字管切断装置10、圧延装置100、レベラ200、除染装置300の4つの装置から構成しており、(b)~(e)の工程を、流れ作業により行うことが出来る。尚、符号Uは、作業者の作業スペースを示す。
【0015】
以下、U字管切断装置10、圧延装置100、レベラ200、除染装置300を順に説明する。また、方向は、U字管1の搬送方向をX方向とし、X方向に直交する方向をY方向、上下方向をZ方向とする。
【0016】
2.U字管切断装置10の説明
図3はU字管切断装置10の斜視図、図4はU字管切断装置10の要部斜視図、図5は切断装置本体の模式図である。
【0017】
U字管切断装置10は、図3図4に示すように、切断装置本体20と、U字管1を支える支持スタンド23とを備える。この実施形態では、2つの支持スタンド23A、23Bにより、U字管1の2か所を支える構成になっている。
【0018】
切断装置本体20は、縦型バンドーソー切断機であり、図5に示すように、作業台25と、上下一対のプーリー31、33と、2つのプーリー31、33間に渡された無端状の帯鋸刃35と、駆動モータ37と、ギヤG1、G2を備える。
【0019】
作業台25の概ね中央には、帯鋸刃35が貫通する貫通孔26が形成されている。駆動モータ37が駆動すると、ギヤG1、G2を介して、プーリー31に動力が伝達され、2つのプーリー31、33が回転駆動する。その結果、作業台25の貫通孔26を上下に貫通しつつ、帯鋸刃35が上下方向に周回移動する。2つのプーリー31、33と、駆動モータ37は、本発明の「第1駆動装置」に相当する。
【0020】
図4に示すように、切断装置本体20は、更に、作業台25に対して固定される金属製のベース40と、位置決め装置50と、ローラ駆動装置70と、を有している。
【0021】
位置決め装置50は、帯鋸刃35に対してU字管1を位置決めする装置であり、図5図7に示すように、第1ローラ51と、第2ローラ52と、調整装置55と、金属製のガイドプレート60と、金属製のロックプレート65と、からなる。
【0022】
第1ローラ51と第2ローラ52は、図5図6に示すように、帯鋸刃35を間に挟んで、その両側(Y方向の両側)に位置している。2つのローラ51、52は、回転軸C1、C2が上下方向を向いた水平ローラである。第1ローラ51は、回転軸C1の位置が固定された固定ローラ、第2ローラ52は、回転軸C2の位置がY方向において調整可能な可動ローラである。
【0023】
ガイドプレート60は、ベース40の上方に位置しており、ボス43、固定壁57Aを介して、ベース40に固定されている。ガイドプレート60は、帯鋸刃35の通過位置に対応して、円形の逃がし溝66を有している。
【0024】
ベース40とガイドプレート60には、それぞれ、Y方向に長い長方形状のガイド孔41、61が形成されている。
【0025】
調整装置55は、第2ローラ52のY方向の位置を調整する装置である。この実施形態では、図6に示すように、調整装置55を、ローラガイド56とネジ機構57と、から構成している。
【0026】
ローラガイド56は、コの字型であり、上部プレート56A、下部プレート56B、連結プレート56Cを備える。連結プレート56Cは、上下のプレート56A、56Bを連結している。上下のプレート56A、56Bは、第2ローラ52のローラ軸C2を回転可能に保持している。
【0027】
上部プレート56Aは、ガイドプレート60のガイド孔61にスライド可能に嵌合し、下部プレート56Bは、ベース40のガイド孔41にスライド可能に嵌合している。これら2つのガイド孔41、61の案内作用により、ローラガイド56及び第2ローラ52が、Y方向にスライドする構造となっている。
【0028】
ネジ機構57は、図6に示すように、ベース40上に固定された固定壁57Aと、固定壁57Aに取り付けられたナット57Bと、ナット57Bに螺合する調整ねじ57Cとからなる。調整ねじ57Cの先端は、ローラガイド56の連結プレート56Cに結合している。
【0029】
以上のことから、調整ねじ57Cを用いて、ローラガイド56及び第2ローラ52のY方向の位置を調整することが出来る。第2ローラ52の位置調整により、2つのローラ51、52のローラ管ピッチを調整することができる。
【0030】
ロックプレート65は、図7に示すように、ガイドプレート60の上面に取り付けられる。ロックプレート65は、4つの貫通孔を有している。4つの貫通孔には、ボルトBが取り付けられる。各ボルトBをローラガイド56の4つのボルト孔Dにそれぞれ螺合させることで、第2ローラ52の位置調整後、ローラガイド56をロックできるようになっている。尚、ロックプレート65をガイドプレート60に対して締め込むためのボルト孔には、遊びが設けられている。これにより、ローラガイド56の位置に応じて、ロックプレート65の位置を調整できるようになっている。
【0031】
図6に示すように、ローラ駆動装置70は、駆動モータ71と、モータギヤ73と、ローラギヤ75からなる。この実施形態では、1対のローラ51、52のうち、第1ローラ51を駆動ローラ、第2ローラ52を従動ローラとしており、ローラ駆動装置70により、第1ローラ51を駆動する構造になっている。ローラ駆動装置70は、本発明の「第2駆動装置」に相当する。
【0032】
具体的に説明すると、駆動モータ71は、ガイドプレート60の上面に取り付けられている。駆動モータ71は電動駆動式でもいいし、エア駆動式でもよい。
【0033】
モータギヤ73は、駆動モータ71のモータ軸に取り付けられ、ローラギヤ75は、第1ローラ51の回転軸に取り付けられている。そのため、駆動モータ71を駆動すると、2つのギヤ73、75を介して動力が伝達して、第1ローラ51が回転する。
【0034】
また、第1ローラ51と第2ローラ52は、いずれも金属製(ローラ本体部分)である。第1ローラ51は、ローラ外周面(U字管1との接触面)にコーティング層51Aを有しており、第2ローラ52に比べて、ローラ外周面の摩擦が高い関係となっている。コーティング層51Aは、一例として、ウレタンコーティングである。
【0035】
このようにすることで、U字管1に対する第1ローラ51の滑りを抑えることが可能となり、U字管1の円滑な送り動作及び切断が可能となる。
【0036】
また、第2ローラ52は先に説明したように可動ローラであることから、第1ローラ51にU字管1を押し当てるように、ローラ間ピッチを調整することで、搬送中、第1ローラ51とU字管1の接触状態を保つことが可能となり、より一層、U字管1の円滑な送り動作及び切断が可能となる。
【0037】
U字管1を切断する場合、まず、2つのローラ51、52間の距離が、U字管1の外径寸法に一致するように、調整装置55を用いて、ローラガイド56の位置を調整する。その後、ロックプレート65により、ローラガイド56の位置をロックする。
【0038】
次に、切断装置本体20に設置された始動スイッチを操作して、駆動モータ37と駆動モータ71を駆動する。駆動モータ37の駆動より、帯鋸刃35が周回移動を開始し、駆動モータ71の駆動により、第1ローラ51が回転を開始する。
【0039】
次にU字管1を、切断装置本体20の前方から、第1ローラ51と第2ローラ52の間に差し込む。
【0040】
第1ローラ51と第2ローラ52まで先端が差し込まれると、U字管1は第1ローラ51と第2ローラ52により、Y方向の両側から挟まれて、X方向に送られる。X方向に送られるU字管1は、帯鋸刃35に切断され、左右に2分割される。
【0041】
図8図9は、U字管1の切断過程を示す図である。図8図9において太線で示すCTは、帯鋸刃35によるカットラインである。図8はU字管1の約半分が切断された段階の図である。図9は、U字管1上の点Pが切断位置まで回転した段階の図である。「1AX」は、カットされた一方のU字管、「1AY」はカットされたもう一方のU字管である。
【0042】
図8図9に示すように、この構成では、帯鋸刃35による切断位置において、U字管1の外周面に第1ローラ51が接触し、U字管1の内周面に第2ローラ52が接触する。この構成では、帯鋸刃35の両側に設けた第1ローラ51と第2ローラ52により、U字管1の中心を帯鋸刃35に位置決めしつつ、U字管1を管軸Vに沿って送ることができる。この構成では、帯鋸刃35による切断位置において、管軸Vに対する法線LBが、帯鋸刃35に一致するようにU字管1の姿勢が常に保たれるから、U字管1を帯鋸刃35により管軸Vに沿って2つに切断することが可能である。
【0043】
また、帯鋸刃35による切断は、U字管1のうち円弧部分に限らず、直線部分も2つに切断することが可能である。
【0044】
3.圧延装置100の説明
図10は圧延装置100の正面図、図11は圧延装置100の平面図、図12は圧延装置100の要部の斜視図である。
【0045】
圧延装置100は、作業台110と、圧延装置本体120と、駆動モータ170と、ワークガイド113と、ローラコンベア115と、を備える。
【0046】
図11図12に示すように、圧延装置本体120と駆動モータ170は、作業台110の上面壁110Aに配置されている。
【0047】
図11に示すように、ワークガイド113は、圧延装置本体120の左側面(導入面)に位置し、ローラコンベア115は、圧延装置本体120の右側面(排出面)に位置する。
【0048】
圧延装置本体120は、U字管切断装置10により2分割されたU字管1Aを、断面が平な形状に圧延する装置である。
【0049】
圧延装置本体120は、図12に示すように、導入部121と、本体フレーム130を有する。
【0050】
本体フレーム130は、下部フレーム131と、上部フレーム135とから構成されており、内部に、圧延ローラ150A~150DをX方向に4段配置している(図13参照)。
【0051】
圧延ローラ150は、図14図15に示すように、下部ローラ151と上部ローラ155から構成されている。下部ローラ151と上部ローラ155は金属製である。1段目から4段目の下部ローラ151A~151Dは、下部フレーム131に固定された2枚のローラガイド132、133により両持ち状態で支持されている。
【0052】
下部ローラ151A~151Dのローラ幅は、初段、2段目、3段目の順に広くなっており、3段目と4段目は同じ幅である。U字菅切断装置で切断したU字菅の1AX側を圧延する場合は、下部の、初段、2段目を上部に取り付け、上部の初段、2段目を下部に入れ替えることで、1AX側のU字菅の供給が1AYと同様にスムーズに供給できる。
【0053】
一方、1段目から4段目の上部ローラ155A~155Dは、上部フレーム135に固定された断面コ字状のローラガイド137により、両持ち状態で支持されている。ローラガイド137は、4つの上部ローラ155A~155Dに応じて、4つ設けられている。尚、図14において、ローラガイド137はL字型であるが、ローラを示すため、壁の一部が省略されている。
【0054】
上部ローラ155A~155Dのローラ幅は、1段目から4段目まで同じ幅であり、幅広(3段目と4段目の下部ローラ151C、151Dと同じ幅)である。
【0055】
圧延装置本体120は、ギヤ機構160を、有している。ギヤ機構160は、第1ギヤG1~第8ギヤG8を含む。第1ギヤG1は、下部フレーム131の裏面側に配置されている(図16参照)。第1ギヤG1は、駆動モータ170のモータ軸に噛み合っている。
【0056】
第2ギヤG2~第8ギヤG8は、図13に示すように、ローラガイド132の正面側に配置されている。第2ギヤG2は初段の下部ローラ151Aのローラ軸の軸端に固定されており、第4ギヤG4は2段目の下部ローラ151Bのローラ軸の軸端に固定されている。第4ギヤG4は、第1ギヤG1と同軸の主ギヤ、つまり、2段目の下部ローラ151Bのローラ軸の一方に第1ギヤG1が固定され、もう一方に第4ギヤG4が固定されている。
【0057】
第6ギヤG4は3段目の下部ローラ151Cのローラ軸の軸端に固定され、第8ギヤG8は4段目の下部ローラ151Dのローラ軸の軸端に固定されている。
【0058】
第3ギヤG3は、第2ギヤG2と第4ギヤG4の間に合って両ギヤに噛み合っている。第3ギヤG3は、ギヤ間で動力を伝達するためのアイドルギヤである。第5ギヤG5、第7ギヤG7も、ギヤ間で動力を伝達するためのアイドルギヤである。
【0059】
以上のことから、駆動モータ170の動力を、各ギヤG1~G8を介して、各下部ローラ151A~151Dに伝達することが出来る。
【0060】
2つに切断したU字管1Aを圧延する場合、まず、作業台110の始動スイッチを操作して、駆動モータ170を駆動する。駆動モータ170の駆動により、各下部ローラ151A~151Dが回転する。
【0061】
次に、ワークガイド113上のU字管1Aを、切断面を上に向けつつ、導入部121に差し込む。U字管1Aの先端が、初段の圧延ローラ150Aに到達すると、U字管1Aは、2つのローラ151、155により上下方向から挟まれた状態で、後段の圧延ローラ150B~150Dに順に送られる。
【0062】
U字管1Aは、各段の圧延ローラ150A~150Dにより、管軸に垂直な断面方向の湾曲が矯正され、平板状に圧延される。そして、圧延後のU字管1Bは、圧延装置本体120から、ローラコンベア115上に排出される。
【0063】
4.レベラ200の説明
図17はレベラ200の正面図、図18はレベラ200の平面図、図19は、図18をA方向から見た図である。尚、図19において、駆動モータ290やギヤカバー293、295は図から省いている。
【0064】
レベラ200は、作業台210と、レベラ本体220と、駆動モータ290と、第1ワークガイド213(導入側)と、第2ワークガイド215(排出側)と、を備える。
【0065】
図17図18に示すように、レベラ本体220と駆動モータ290は、作業台210の上面壁210Aに配置されている。
【0066】
レベラ本体220は、圧延後のU字管1Bについて、管軸V方向に沿った湾曲(圧延後のU字管1Bの長手方向の湾曲:図1参照)を矯正する装置である。レベラ200は、本発明の「矯正装置」に相当する。
【0067】
レベラ本体220は、図19図20に示すように、本体フレーム230を有する。本体フレーム230は、一対のサイドプレート231、サイドプレート233と、上部プレート235A~235Cから構成されている。
【0068】
サイドプレート231の外面には、図19に示すように、第1ギヤG1、第2ギヤG2、第3ギヤG3、第4ギヤG4、第5ギヤG5が取り付けられている。第1ギヤG1は、駆動モータ290のモータ軸に取り付けられたモータギヤである。
【0069】
第2ギヤG2、第3ギヤG3は、送りローラ250A、250Bのローラ軸に取り付けられている。
【0070】
第4ギヤG4、第5ギヤG5は、排出ローラ250C、250Dのローラ軸に取り付けられている。
【0071】
図21図22に示すように、本体フレーム230の内部には、送りローラ250A、250Bと、複数の矯正ローラ260、270と、排出ローラ250C、250Dを配置している。
【0072】
送りローラ250A、250Bは、本体フレーム230の導入口側(図22の右側)にあって、上下に向かい合っている。下側の送りローラ250Aは、2枚のサイドプレート231、233により、両持ち状態で支持されている。
【0073】
上側の送りローラ250Bは、断面コ字状のローラガイド255により、両持ち状態で支持されている。
【0074】
ローラガイド255は、上部プレート235Aに対して軸ピン256を介して上下移動可能に支持されている。軸ピン256にはバネ257が取り付けられており、ローラガイド255及び送りローラ250Bを下向きに付勢している。
【0075】
矯正ローラ260、270は、金属製である。矯正ローラ260、270は、上下2段の構成であり、下段に5つの矯正ローラ260A~260Eを配置し、上段に4つの矯正ローラ270A~270Dを配置している。
【0076】
下段に配置された5つの矯正ローラ260A~260Eは、2枚のサイドプレート231、233により、両持ち状態で支持されている。下段に配置された5つの矯正ローラ260A~260Eは、X方向に概ね等間隔で配置されている。
【0077】
上段に配置された4つの矯正ローラ270A~270Dは、断面コ字状のローラガイド275により、両持ち状態で支持されている。ローラガイド275は、上部プレート235Bに取り付けられており、4つの矯正ローラ270A~270Dに応じて、4つ設けられている。
【0078】
上部プレート235Bには、各ローラガイド275に対応して、それぞれ調整ネジ278が取り付けられており、調整ネジ278を用いて、各ローラガイド275及び矯正ローラ270の上下方向の位置を調整できるようになっている。
【0079】
上段に配置された4つの矯正ローラ270A~270Dは、それぞれ下段の矯正ローラ260A~260Eの間に配置されている。
【0080】
具体的には、矯正ローラ270Aは2つの矯正ローラ260A、260Bの中間位置に配置され、矯正ローラ270Bは2つの矯正ローラ260B、260Cの中間の位置に、配置されている。
【0081】
また、矯正ローラ270Cは2つの矯正ローラ260C、260Dの中間位置に配置され、矯正ローラ270Dは2つの矯正ローラ260D、260Eの中間の位置に配置されている。
【0082】
矯正ローラ270A~270Dは、下流側から上流側(図22の左から右)に向かって中心Oの位置が低くなっている。つまり、各矯正ローラ270A~270Dと、下側の矯正ローラ260A~260Eとのラップ代が、下流側から上流側に向かうにつれ、大きくなっている。ラップ代は、下段の矯正ローラ260の上側の頂部と上段の矯正ローラ270の下側の頂部の上下方向の重なりである。
【0083】
上下の矯正ローラ260、270にラップ代を設けることで、図22に示すように、U字管1Bを管軸Vの湾曲方向とは逆方向に反らすことが出来、U字管1Bの管軸Vに沿った湾曲を矯正することが出来る。
【0084】
レベラ本体220は、図20図21に示すように、サイドプレート233の外面に、第6ギヤG6~第18ギヤG18を有している。
【0085】
第6ギヤG6は、送りローラ250Aのローラ軸に取り付けられている。第8ギヤG8、第10ギヤG10、第12ギヤG12、第14ギヤG14、第16ギヤG16は、それぞれ矯正ローラ260A~260Eのローラ軸に取り付けられている。第18ギヤG18は、排出ローラ250Cのローラ軸に取り付けられている。
【0086】
第7ギヤG7は、第6ギヤG6と第8ギヤG8の間に合って両ギヤに噛み合っている。第7ギヤG7は、ギヤ間で動力を伝達するためのアイドルギヤである。第9ギヤG9は、第8ギヤG8と第10ギヤG10の間に合って両ギヤに噛み合っている。第9ギヤG9は、ギヤ間で動力を伝達するためのアイドルギヤである。
【0087】
第11ギヤG11、第13ギヤG13、第15ギヤG15、第17ギヤG17も、ギヤ間で動力を伝達するためのアイドルギヤである。
【0088】
以上のことから、駆動モータ290の動力を、各ギヤG1~G18を介して、送りローラ250A、250B、下段の各矯正ローラ260A~260E、排出ローラ250C、250Dに伝達することが出来る。
【0089】
U字管1Bの管軸Vに沿った湾曲を矯正する場合、まず、作業台210の始動スイッチを操作して、駆動モータ290を駆動する。駆動モータ290の駆動により、上記した送りローラ250A、250B、下段の矯正ローラ260A~260E、排出ローラ250C、250Dがそれぞれ回転する。
【0090】
次に、第1ワークガイド213上のU字管1Bを、図22に示すように、湾曲面を上に向けつつ、2つの送りローラ250A、250B間に差し込む。送りローラ250A、250B間に先端が到達すると、U字管1Bは、2つの送りローラ250A、250Bにより上下方向から挟まれた状態で、後段の矯正ローラ260、270に送られる。
【0091】
U字管1Bは、各矯正ローラ260、270を通過する過程で、管軸Vに沿った湾曲が矯正される。そして、平板状に矯正されたU字管1Cは、排出ローラ250C、250Dを介して、第2ワークガイド215上に排出される。
【0092】
5.除染装置300の説明
図23は除染装置300の正面図、図24は除染装置300の平面図、図25図26は除染装置300の要部の斜視図である。
【0093】
除染装置300は、作業台310と、除染装置本体320と、ワークガイド313と、ローラコンベア315と、を備える。
【0094】
図24図25に示すように、除染装置本体320は、作業台310の上面壁310Aに配置されている。
【0095】
図24に示すように、ワークガイド313は、除染装置本体320の左側面(導入面)に位置し、ローラコンベア315は、除染装置本体320の右側面(排出面)に位置する。
【0096】
除染装置本体320は、レベラ200により平板状に加工されたU字管1Cの表面を、除染する装置である。
【0097】
除染装置本体320は、図26に示すように、ベース板330、ブラストボックス350、搬送部400、ブラストヘッド500、連結部600及び接続部700を備えている。
【0098】
ベース板330は、作業台310への固定用である。ベース板330の中央部には、ブラスト材Bを通すための貫通孔が形成されている。
【0099】
ブラストボックス350は、底面が開口する箱型であり、4枚の側面壁360A~360Dと天井壁370とから構成されている。天井壁370の中央部には貫通孔371が設けられている(図33参照)。尚、第1側面壁360Aと第2側面壁360Cが対向し、第3側面壁360Bと第4側面壁360Dが対向している。図26図27上では、第2側面壁360Cと、第4側面壁360Dの符号を省略している。
【0100】
ブラストボックス350の底部には、フランジ355が設けられている。ブラストボックス350は、フランジ355を介してベース板330に固定されている。
【0101】
ブラストボックス350の第1側面壁360Aはワークの導入面、第2側面壁360Cはワークの排出面である。第1側面壁360Aは、ワークを導入するための開口(入口)を有しており、第2側面壁360Cは、ワークを排出するための開口(出口)を有している。
【0102】
搬送部400は、第1搬送部400Aと第2搬送部400Cとから構成されている。第1搬送部400Aは、第1側面壁360Aの前方にあって、図26図27に示すように、ローラパネル405と、可動板408と、第1ローラ410と、第2ローラ420と、駆動モータ450を備えている。
【0103】
図27に示すように、ローラパネル405は、L字型であり、第1側面壁360Aの前方に固定されている。可動板408は、ローラパネル405の上面壁407に対して、軸ピン407A、407Bを介して上下動可能に支持されている。上面壁407と可動板408との間にはコイルばね409が設けられている。コイルばね409は、可動板408を下方に付勢する。
【0104】
第1ローラ410は、第1ローラホルダ415を介して、ローラパネル405の前面壁に固定されている。第2ローラ420は、第2ローラホルダ425を介して、可動板408に固定されている。第2ローラ420は上下方向の移動が可能な可動ローラである。2つのローラ410、420は上下に向かい合っている。第2ローラ420は第1ローラ410に接触するように、コイルばね409により付勢されている。
【0105】
図28に示すように、駆動モータ450は、第1ローラ410の下方に取り付けられている。駆動モータ450のモータ軸には第1ギヤG1が取り付けられている。第1ギヤG1は、第1ローラの軸端に固定された第2ギヤG2に噛み合い、第2ギヤG2は、第2ローラの軸端に固定された第3ギヤG3に噛み合っている。
【0106】
以上のことから、駆動モータ450の動力を、各ギヤG1~G3を介して、第1ローラ410と第2ローラ420に伝達することが出来る。第2搬送部400Cの構造は、第1搬送部400Aの構造と同じである。また、第1搬送部400Aと第2搬送部400Cには、U字管1Cを検出するセンサS1、S2がそれぞれ設けられている(図29参照)。
【0107】
図29に示すように、第1搬送部400Aと第1側面壁360Aの間には、ワーク導入部380Aが設けられ、第2搬送部400Cと第2側面壁360Cの間には、ワーク排出部380Bが設けられている。
【0108】
ワーク導入部380Aは、U字管1Cの導入口を有している。導入口には、ブラシ383とガイドローラ385が設けられている。ブラシ383は、U字管1Cから除染した汚染物質が導入口から外部に漏れないようにする。ガイドローラ385は、U字管1Cのガイド用である。
【0109】
ワーク排出部380Cは、ワーク導入部380Aとほぼ同じ構造である。ワーク排出部380Cは、U字管1Cの排出口を有している。排出口には、ブラシ383とガイドローラ385が設けられている。ブラシ383は、U字管1Cから除染した汚染物質が排出口から外部に漏れないようにする。ガイドローラ385は、U字管1Cのガイド用である。
【0110】
図29図34に示すように、ブラストボックス350の天井壁370には、連結部600を介して、ブラストヘッド500が取り付けられている。ブラストヘッド500は、上下に貫通する軸孔500Aを有する円筒形状であり、先端には、ブラストノズル510が取り付けられている。ブラストノズル510は、先端部が細い筒形状であり、軸線に沿ってノズル孔511を有している。ノズル孔511は、ブラストヘッド500の軸孔500Aと連通しており、ブラスト材Bは、軸孔500A、ノズル孔511を通って、ノズル先端より出射される。
【0111】
ブラストヘッド500は、ブラストホース530を介して、エアブラスト装置550に接続される。エアブラスト装置550は、ブラスト材B(研掃材)を噴射する装置である(図30参照)。エアブラスト装置550は、直圧式でもいいし、バキューム式でもよい。
【0112】
直圧式は、ブラスト材Bを収容したブラストタンク560に圧縮空気を送り込んで、タンク下部にて、ブラスト材Bと圧縮エアを混合させ、ブラスト材Bを圧縮エアと共に、高圧で噴射するタイプである。
【0113】
バキューム式は、霧吹きのようにノズルから圧縮空気を吹き出すことにより、エジェクタ効果でブラスト材Bを吸い上げ、吹き出した圧縮空気にブラスト材Bを混同させるタイプである。
【0114】
この実施形態では、研掃力に優れる直圧式を用いている。尚、ブラスト材Bは、アルミナ質を用いるが、代替的に鉄系(スチールショット、スチールグリッド、還元鉄紛等)、プラスチック系(ポリプラス、ポリエキストラ、ナイロン等)、植物系(クルミ、ピーチ、コーン等)の材料を用いることもできる。
【0115】
また、この実施形態では、図29に示すように、ブラストボックス350の内面に、ゴム製の保護層365を設けている。保護層365は、ブラストボックス350の内側4面に設けられている。保護層365を設けることで、ブラスト材Bからブラストボックス350を保護して、内面が摩耗することを抑制することができる。
【0116】
連結部600は、図31図33に示すように、架台610と、固定板620と、ボス部630と、及び、4枚の外壁部650A~650Dとからなる。
【0117】
架台610は、金属製であって、ブラストボックス350の天井壁370に固定されている。架台610は平面視の形状は四角形であり、中央に貫通孔611を有している。また、架台610には、4枚の周壁615A~615Dが設けられており、全周を囲んでいる。
【0118】
固定板620は、四角形状の金属板である。固定板620の中央部には、円環状の保持部材625が設けられている。保持部材625にはボルト孔627が形成されている。ボルト孔627は、保持部材625の外周面から内周面を貫通するようにして設けられている。
【0119】
ボス部630は、円筒形状であり、固定板620の4隅に対応して、4か所設けられている。ボス部630は、架台610と固定板620との間にあって、固定板620を架台610からボス部630の高さ分、離れた位置で支える。
【0120】
図32に示すように、4枚の外壁部650A~650Dは、金属製の基部660とブラシ部670とから構成されている。ブラシ部670は、合成繊維製、金属繊維製又は天然繊維製のブラシ毛からなり、基部660に固定されている。4枚の外壁部650A~650Dは、固定板620の4側面に対して、留め具680を介してそれぞれボルトで固定されている。
【0121】
図33に示すように、固定板620、ボス部630、架台610は、これらを上下に貫通するボルトBにより、天井壁370に対して固定されている。
【0122】
また、この実施形態では、架台610と天井壁370との間にゴム製のスペーサ375を介在させることで、両間の隙間を無くし密着性を高めている。
【0123】
図34に示すように、ブラストヘッド500は、先端に段差部501を有している。段差部501を保持部材625に嵌合させることで、ブラストヘッド500を軸方向(上下方向)にて位置決めすることが出来る。そして、ボルト孔627にボルトBSを差し込んで締めることで、ブラストヘッド500を保持部材625に対して抜け止めできる。
【0124】
ブラストノズル510は、固定板620を貫通して、ブラスト材Bを出射するノズル先端510Aを架台610の貫通孔611内に臨ませている。
【0125】
外壁部650A~650Dは、ブラストノズル510の周囲全周を囲んでいる。外壁部650A~650Dは、ブラシ製であることから、ブラストノズル510がブラスト材Bを高圧噴射すると、外周壁650A~650Dを通じて架台610の内部に外気が取り込まれ、ブラストボックス内において、下方に向かう気流が生じる構成となっている(図34)。
【0126】
また、外壁部650の下端部651は、架台610の周壁615の内側に嵌合しており、外壁部650は架台610に対して周壁615の高さだけ重なりが有る。
【0127】
このようにすることで、外壁部650と架台610との間の隙間を小さくすることが可能となり、汚染物質が外部に漏れにくくなる。
【0128】
接続部700は、管状の継手であり、ベース板330の下面に、フランジ結合されている。接続部700は、ベース板330の貫通孔331を介して、ブラストボックス350の内部と連通している。
【0129】
接続部700は、上部から下部に向かうに連れ、内径が小さくなっている。接続部700の先端には、ブラスト材Bを吸引する吸引用のホース750がフランジ結合されている。ホース750には、バキューム装置(図略)が接続されており、ブラストボックス350内のブラスト材Bを回収することが出来る。
【0130】
平板状に加工したU字管1Cを除染する場合、まず、作業台310の始動スイッチを操作して、駆動モータ450を駆動する。駆動モータ450の駆動により、第1搬送部400A、第2搬送部400Bの各ローラ410、420が回転する。
【0131】
次に、ワークガイド313上のU字管1Cを、除染対象面(管内面)を上に向けた状態で、第1搬送部400Aのローラ410、420間に差し込む。U字管1Cの先端が、ローラ間に到達すると、U字管1Cは、2つのローラ410、420により上下方向から挟まれた状態で、ブラストボックス350の内部を移動する。
【0132】
ブラストボックス350を移動中、ブラストヘッド500からブラスト材BがU字管1Cの表面に高圧噴射されることで、表面の汚染物質が除去される。除染後のU字管1Dは、第2搬送部400Bから、ローラコンベア315上に排出される。
【0133】
以上説明したように、除染ラインLの使用により、以下の4つの作業を、流れ作業で行うことが出来るため、作業性がよい。
(1) U字管1を管軸Vに沿って2つに切断する作業
(2) 2つに切断したU字管1Aを圧延する作業
(3) 圧延後のU字管1Bについて、管軸Vに沿った湾曲を矯正する作業
(4) 湾曲矯正後のU字管1Cを除染する作業
【0134】
6.効果説明
この構成では、管軸Vが曲線形状をしたU字管1を、管軸Vに沿って2つに切断することが出来る。そのため、汚染配管について、直管部だけでなく曲げ管の除染が可能となるので、汚染配管の廃棄を効率的に行うことが出来る。
【0135】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0136】
(1)上記実施形態では、U字管切断装置10を、除染ラインLの一部として使用した例を示したが、単独で使用することも可能である。また、用途は、除染配管の撤去解体に限らず、他の用途に使用することもできる。また、切断対象も、U字管1に限らず、曲げ管(特に金属製が好ましいが、樹脂などの材料でもよい。)であれば、広く適用できる。曲げ管は、円弧に限らず、管軸Vが曲線であれば、形状は特に問わない。
【0137】
(2)上記実施形態では、第1ローラ51を駆動、第2ローラ52を従動とした。第1ローラ51、第2ローラ52とも、駆動としてもよい。また、第2ローラ52の表面にもコーティング層を設けてもよい。第1ローラ、第2ローラ共従動とし、手でU字菅を押し込んでもよい。この場合、駆動モータ71を省くことができる。
【0138】
(3)上記実施態様では、U字管1の送出機能を持つローラは、第1ローラ51と第2ローラ52のみで、他に送出用のローラを持たない構成とした。送出用のローラを他に設けてもよい。
【0139】
(4)上記実施態様では、除染ラインLを、U字管切断装置10、圧延装置100、レベラ200、除染装置300の4つの装置から構成した。各装置は、U字管切断装置10は、U字管を管軸に沿って2つに切断することが出来る装置であれば、他の構成でもよい。また、圧延装置100、レベラ200、除染装置300も同様であり、必要とされる機能を果たすことができる装置であれば、他の構成でもよい。
【符号の説明】
【0140】
1 U字管
10 U字管切断装置
35 帯鋸刃
37 駆動モータ
51 第1ローラ(駆動ローラ)
52 第2ローラ(従動ローラ)
56 ローラガイド
71 駆動モータ
100 圧延装置
200 レベラ(矯正装置)
300 除染装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図31
図32
図33
図34