IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セフテック株式会社の特許一覧 ▶ 株式会社セックの特許一覧

<>
  • 特開-規制領域内への進入車両検出装置 図1
  • 特開-規制領域内への進入車両検出装置 図2
  • 特開-規制領域内への進入車両検出装置 図3
  • 特開-規制領域内への進入車両検出装置 図4
  • 特開-規制領域内への進入車両検出装置 図5
  • 特開-規制領域内への進入車両検出装置 図6
  • 特開-規制領域内への進入車両検出装置 図7
  • 特開-規制領域内への進入車両検出装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023030398
(43)【公開日】2023-03-08
(54)【発明の名称】規制領域内への進入車両検出装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/04 20060101AFI20230301BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20230301BHJP
   G08B 21/00 20060101ALI20230301BHJP
【FI】
G08G1/04 C
G08B21/02
G08B21/00 U
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021135499
(22)【出願日】2021-08-23
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】000220963
【氏名又は名称】セフテック株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】501493358
【氏名又は名称】株式会社セック
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】弁理士法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡▲埼▼ 太一
(72)【発明者】
【氏名】戸津 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】杉江 卓哉
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 祐貴
【テーマコード(参考)】
5C086
5H181
【Fターム(参考)】
5C086AA53
5C086BA22
5C086CA28
5C086CB36
5C086DA08
5C086DA33
5C086EA40
5C086EA45
5C086FA02
5C086FA11
5H181AA01
5H181BB20
5H181CC04
5H181MB04
(57)【要約】
【課題】従来に比べて装置構成が複雑化することを抑制することができるとともに、設置が容易で広範囲に亘り正確に進入車両の検出を行うことのできる規制領域内への進入車両検出装置及び検出方法を提供する。
【解決手段】画像データを取得するための撮像カメラと、画像データを解析して規制領域内への進入車両を検出する画像解析部と、画像解析部にて規制領域内への進入車両が検出された場合、警報を発して作業員に知らせる警報発信部とを具備し、画像解析部は、道路上に並べられた前記車両誘導体の列を検出して規制領域の境界線を検出する境界線検出部と、境界線検出部にて検出された規制領域の境界線のどちらが規制領域側であるかを検出する規制領域側検出部と、規制領域の境界線を越えて規制領域側に進入する車両の有無を監視する進入車両監視部と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路上に車両誘導体を並べて通行車両の進入を禁止する規制領域を設け、当該規制領域内にて作業員による作業を実施する際に使用する規制領域内への進入車両検出装置であって、
画像データを取得するための撮像カメラと、
前記画像データを解析して前記規制領域内への進入車両を検出する画像解析部と、
前記画像解析部にて前記規制領域内への進入車両が検出された場合、警報を発して作業員に知らせる警報発信部とを具備し、
前記画像解析部は、
道路上に並べられた前記車両誘導体の列を検出して規制領域の境界線を検出する境界線検出部と、
前記境界線検出部にて検出された前記規制領域の境界線のどちらが規制領域側であるかを検出する規制領域側検出部と、
前記規制領域の境界線を越えて前記規制領域側に進入する車両の有無を監視する進入車両監視部と、
を有することを特徴とする規制領域内への進入車両検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の規制領域内への進入車両検出装置であって、
前記画像解析部は、人工知能(AI)によって、前記画像データを解析する
ことを特徴とする規制領域内への進入車両検出装置。
【請求項3】
請求項2に記載の規制領域内への進入車両検出装置であって、
前記画像解析部の前記人工知能(AI)は、ディープラーニングによって解析する画像を学習する
ことを特徴とする規制領域内への進入車両検出装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項記載の規制領域内への進入車両検出装置であって、
前記規制領域側検出部は、前記境界線検出部にて検出された境界線のどちら側に前記撮像カメラが位置するかによって、前記規制領域の境界線のどちら側が規制領域側であるかを検出する
ことを特徴とする規制領域内への進入車両検出装置。
【請求項5】
請求項1乃至3の何れか一項記載の規制領域内への進入車両検出装置であって、
前記規制領域側検出部は、前記境界線検出部にて検出された境界線のどちら側に車両が走行しているかによって、前記規制領域の境界線のどちら側が規制領域側であるかを検出する
ことを特徴とする規制領域内への進入車両検出装置。
【請求項6】
道路上に車両誘導体を並べて通行車両の進入を禁止する規制領域を設け、当該規制領域内にて作業員による作業を実施する際に、前記規制領域内への進入車両を検出する方法であって、
撮像カメラで画像データを取得するステップと、
前記画像データを解析し、道路上に並べられた前記車両誘導体の列を検出して規制領域の境界線を検出する境界線検出ステップと、
前記画像データを解析し、前記境界線検出ステップにて検出された前記規制領域の境界線のどちらが規制領域側であるかを検出する規制領域検出ステップと、
前記画像データを解析し、前記規制領域の境界線を越えて前記規制領域側に進入する車両の有無を監視する進入車両監視ステップと
を有することを特徴とする規制領域内への進入車両検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、規制領域内への進入車両検出装置及び検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両が通行する高速道路等では、例えば、道路の補修工事を行う場合や、事故発生時の処理を行う場合など、車線を規制し、規制領域内に車両が進入しないようにして、これらの作業を実施することが行われている。このような車線の規制は、例えば、カラーコーン(登録商標)などの車両誘導体を一定間隔で並べて規制領域を囲み、規制領域外の車両が通行可能な車線に車両を導くようにして行われている。
【0003】
上記のように高速道路等で車線を規制し、規制領域内に車両が進入しないようにして作業を実施する場合、例えば、居眠り運転や脇見運転等によって規制領域内に車両が進入し、作業員に被害が発生することが想定される。このため、規制領域内への進入車両を検知し、規制領域内への進入車両が検知された場合は警報等によって危険を知らせる、規制領域内への進入車両検出装置が従来から提案されている。
【0004】
このような従来の技術としては、例えば、カラーコーン等に赤外線によって車両を検知可能な赤外線センサをそれぞれ設け、これらのカラーコーンに設けられた赤外線センサによって進入車両を検出する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、カラーコーン等に振動センサや転倒センサをそれぞれ設け、これらのカラーコーンに設けられた振動センサや転倒センサによって進入車両を検出する技術が知られている(例えば、特許文献2参照。)。さらに、道路脇に設置した超音波の送受信機を用いて、その近傍における進入車両を検出する技術が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010-65402号公報
【特許文献2】特開2006-243855号公報
【特許文献3】特開2002-133582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、車線を規制するための各カラーコーン等に赤外線センサや振動センサ或いは転倒センサ等を設けると、センサの数が多くなるため装置構成が複雑になり、その設置に時間を要するという課題がある。また、超音波の送受信機を用いて進入車両を検出する場合、一台の送受信機で賄える範囲が限られるので、広範囲をカバーするためには複数台の送受信機が必要になるためこちらも同様な課題があった。
【0007】
本発明は、上記した従来の事情に対処してなされたもので、その目的は、従来に比べて装置構成が複雑化することを抑制することができるとともに、設置が容易で広範囲に亘り正確に進入車両の検出を行うことのできる規制領域内への進入車両検出装置及び検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態の規制領域内への進入車両検出装置は、道路上に車両誘導体を並べて通行車両の進入を禁止する規制領域を設け、当該規制領域内にて作業員による作業を実施する際に使用する規制領域内への進入車両検出装置であって、画像データを取得するための撮像カメラと、前記画像データを解析して前記規制領域内への進入車両を検出する画像解析部と、前記画像解析部にて前記規制領域内への進入車両が検出された場合、警報を発して作業員に知らせる警報発信部とを具備し、前記画像解析部は、道路上に並べられた前記車両誘導体の列を検出して規制領域の境界線を検出する境界線検出部と、前記境界線検出部にて検出された前記規制領域の境界線のどちらが規制領域側であるかを検出する規制領域側検出部と、前記規制領域の境界線を越えて前記規制領域側に進入する車両の有無を監視する進入車両監視部と、を有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の実施形態の規制領域内への進入車両検出方法は、道路上に車両誘導体を並べて通行車両の進入を禁止する規制領域を設け、当該規制領域内にて作業員による作業を実施する際に、前記規制領域内への進入車両を検出する方法であって、撮像カメラで画像データを取得するステップと、前記画像データを解析し、道路上に並べられた前記車両誘導体の列を検出して規制領域の境界線を検出する境界線検出ステップと、前記画像データを解析し、前記境界線検出ステップにて検出された前記規制領域の境界線のどちらが規制領域側であるかを検出する規制領域検出ステップと、前記画像データを解析し、前記規制領域の境界線を越えて前記規制領域側に進入する車両の有無を監視する進入車両監視ステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の規制領域内への進入車両検出装置及び検出方法によれば、従来に比べて装置構成が複雑化することを抑制することができるとともに、設置が容易で広範囲に亘り正確に進入車両の検出を行うことのできる規制領域内への進入車両検出装置及び検出方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係る規制領域内への進入車両検出装置の全体構成を示すブロック図。
図2】実施形態に係る規制領域内への進入車両検出装置及びカラーコーンの位置関係を上側から見た状態を示す図。
図3】実施形態に係る規制領域内への進入車両検出装置及びカラーコーンの別の位置に置ける位置関係を上側から見た状態を示す図。
図4】実施形態に係る規制領域内への進入車両検出の画像例を模式的に示す図。
図5】実施形態に係る規制領域内への進入車両検出装置の動作例を示すフロー図。
図6】実施形態に係る規制領域内への進入車両検出の他の画像例を模式的に示す図。
図7】実施形態に係る規制領域内への進入車両検出の画像例を模式的に示す図。
図8】実施形態に係る規制領域内への進入車両検出装置及びカラーコーンの位置関係の他の例を上側から見た状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、実施形態に係る規制領域内への進入車両検出装置及び検出方法について詳細に説明する。本実施形態に係る規制領域内への進入車両検出装置100は、道路上にカラーコーン(登録商標)等の車両誘導体を並べて通行車両の進入を禁止する規制領域を設け、当該規制領域内にて作業員による作業を実施する際に、規制領域内への進入車両を検出して作業員に知らせることにより、作業員の安全を図るために使用されるものである。なお、以下の説明では、車両誘導体としてカラーコーンを使用した場合を例にして説明する。
【0013】
図1は、実施形態に係る規制領域内への進入車両検出装置100の全体構成を示すブロック図である。図1に示すように、規制領域内への進入車両検出装置100は、画像データを取得するための撮像カメラ101と、画像データを解析して規制領域内への進入車両を検出する画像解析部102と、画像解析部にて規制領域内への進入車両が検出された場合に警報を発して作業員に知らせる警報発信部103とを具備している。これらの撮像カメラ101と、画像解析部102と、警報発信部103とは、一体に構成されてもよく、別体に構成されて有線又はワイヤレスの通信手段等によって接続された構成としてもよい。
【0014】
画像解析部102は、道路上に並べられたカラーコーンの列を検出して規制領域の境界線を検出する境界線検出部121と、境界線検出部121にて検出された規制領域の境界線のどちらが規制領域側であるかを検出する規制領域側検出部122と、規制領域の境界線を越えて規制領域側に進入する車両の有無を監視する進入車両監視部123とを具備している。
【0015】
撮像カメラ101は、所定の画像サイズ、所定のフレームレートで画像データを取得し、この画像データを、画像解析部102に送る。
【0016】
画像解析部102は、人工知能(AI)から構成され、ディープラーニング(Deep Learning)などに代表される機械学習によって認識する画像を予め学習させたものを用いている。具体的には、予め大量に用意したカラーコーン及び矢印板等の車両誘導体の画像、予め大量に用意した車両画像等を用いて学習させ、物体検出AIモデルを構築する。そして、これを用いて画像データからカラーコーン及び矢印板等の車両誘導体や車両とその位置を認識できるようにしておく。
【0017】
そして、画像解析部102の進入車両監視部123において、規制領域の境界線を越えて規制領域側に進入する車両が検出された際は、画像解析部102から警報発信部103に対して信号が送られ、警報発信部103から警報が発せられる。警報は、警報音の発出、回転灯等の点灯による光、無線による各作業員が携帯する携帯端末への通信等によって行われる。また、ドライバー向け表示板、警告機器などが存在する場合は、同時にドライバーに向けて警告するようにしてもよい。
【0018】
図2図3は、高速道路等において車線規制が行われる際の様子を模式的に示すものである。図2図3に示す例では、片側2車線の高速道路の場合を示しており、図中左側に追い越し車線201、右側に通行車線202が設けられており、追い越し車線201及び通行車線202の外側には、夫々路側帯203が設けられている。なお、図2図3において204は、追い越し車線201と通行車線202とを区切る破線のラインを示している。
【0019】
図2図3に示す例では、通行車線202側を規制領域として、追い越し車線201側に車両230を誘導する場合を示している。この場合、カラーコーン210を規制領域となる通行車線202側に並べ、図2に示す車線規制が始まる最初の部分においては、道路に対して斜めにカラーコーン210が並べられ、テーパ状に徐々に通行可能な領域が狭められる。
【0020】
また、このテーパ状の部分を過ぎた後は、図3に示すように、道路に沿って直線状にカラーコーン210が並べられる。そして、図2図3中に示す点線が、車両が通行可能な領域と車両が通行してはいけない規制領域とを区切る仮想的な境界線221となる。図2に示す車線規制が始まる最初の部分から、実際に規制領域内で作業が行われる場所までは、例えば、数百メートル、長い場合は数キロにも至る。そしてこの間は、図3に示すように道路に沿って直線状にカラーコーン210が並べられた領域が続く。カラーコーン210同士の間隔は、例えば10メートルから20メートルである。本実施形態の規制領域内への進入車両検出装置100は、図2に示すような規制部分、図3に示すような規制部分の双方に使用することができる。
【0021】
規制領域内への進入車両検出装置100は、規制領域内に配置され、特に撮像カメラ101は、例えば、図2図3に示すように境界線221の内側近傍に設置される。この場合の撮像カメラ101における撮像画像の中心線222を一点鎖線で示す。
【0022】
図4は、図2に示す位置に設置された撮像カメラ101による撮像画像データの例を模式的に示す図である。また、図5は、画像解析部102における規制領域内への進入車両検出の工程を示すフロー図である。
【0023】
画像解析部102では、図4に示すような撮像カメラ101による撮像画像データから、境界線検出部121により、学習したAIモデルを利用してカラーコーン210を検出する。そして、検出したカラーコーン210の下部中央を繋ぐ仮想線を生成して境界線221とする(図5のステップ501)。この場合、撮像された一番手前側(撮像カメラ101側)のカラーコーン210より手前側は生成した仮想線を延長する。奥側は最後のカラーコーン210までとする。
【0024】
画像解析部102では、上記のように境界線検出部121により境界線221を認識した後、規制領域側検出部122によって、境界線221のどちら側が規制領域側であるかを検出する(図5のステップ502)。本実施形態では、撮像カメラ101が規制領域側に配設されていることを利用して、撮像カメラ101における撮像画像の中心線222の撮像カメラ101側の端部(手前側端部)が入っている側が、規制領域側であると認識する。
【0025】
上記のような規制領域側検出部122による規制領域側の検出方法は、一例であり、他の方法により規制領域側を検出してもよい。例えば、図2図3に示したように撮像カメラ101を規制領域側に設定した後、例えば、数分間~数十分間など、一定時間撮像画像データを取得し、車両検出AIモデルを使用して車両のトラッキングを行い、走行領域をモニタリングする。そして、車両通行軌跡を集計し、この一定時間内に通過車両が検出された側とは反対側を規制領域側として、規制領域側と車両通過車線側とを認識するようにしてもよい。
【0026】
また、例えば、図6に示すように、撮像カメラ101で撮像される領域に、矢印板211等を設置いておき、その向きによって、規制領域側と車両通過車線側とを認識するようにしてもよい。矢印板211以外にも、例えば、マーカーを貼り付けた板や他の目印となる物体を用いても良い。
【0027】
次に、画像解析部102では、進入車両監視部123において、規制領域の境界線221を越えて規制領域側に進入する車両230の有無を監視する(図5のステップ503)。そして、例えば、図7に示すように、規制領域側に進入する車両230が検出された際は(図5のステップ504のYes)、画像解析部102から警報発信部103に対して警報発信信号が送られ、警報発信部103から警報が発せられる(図5のステップ505)。規制領域側に進入する車両230の検出は、例えば、車両230と規制領域が重なることをもって車両230の進入有とみなすことができる。また、判定揺らぎを防ぐために、画像データの数フレーム継続して車両230と規制領域とに重複が見られる場合に進入とすることも可能である。
【0028】
以上のように、本実施形態に係る規制領域内への進入車両検出装置及び検出方法によれば、人工知能(AI)から構成され、ディープラーニング(Deep Learning)などの機械学習によって認識する画像を予め学習させた画像認識により、1台の撮像カメラから得られる撮像画像データによって、広範囲に亘り正確に進入車両の検出を行うことができる。また、例えば各カラーコーンに各種のセンサを設ける場合等に比べて装置構成が複雑化することを抑制することができ、その設置も容易に行うことができる。なお、1台の撮像カメラ101で賄えるのは、撮像カメラ101の性能にもよるが、例えば、百メートルから2百メートル程度の範囲となる。このため、より長い区間において監視を行う場合は、例えば、百メートルから2百メートル程度の間隔で複数の撮像カメラ101を設置する。
【0029】
なお、図2図3に示した例では、撮像カメラ101を、境界線221の内側近傍に設置した場合について説明したが、撮像カメラ101の設置位置は、このような例に限定されるものではなく、規制領域内のどこに配置しても良い。例えば、図8に示すように、規制領域内の路側帯203の部分に配置しても良い。また、この場合、カラーコーン210の列に対して平行ではなく、斜めに撮像カメラ101を配置しても良い。なお、図8において図2図3と対応する部分には同一の符号を付して重複した説明は省略する。
【0030】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0031】
100……規制領域内への進入車両検出装置、101……撮像カメラ、102……画像解析部、103……警報発信部、121……境界線検出部、122……規制領域側検出部、123……進入車両監視部、201……追い越し車線、202……通行車線、203……路側帯、204……破線のライン、210……カラーコーン、211……矢印板、221……境界線、222……撮像画像の中心線。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-10-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路上に車両誘導体を並べて通行車両の進入を禁止する規制領域を設け、当該規制領域内にて作業員による作業を実施する際に使用する規制領域内への進入車両検出装置であって、
画像データを取得するための撮像カメラ(但し、距離画像センサを除く。)と、
前記画像データを解析して前記規制領域内への進入車両を検出する画像解析部と、
前記画像解析部にて前記規制領域内への進入車両が検出された場合、警報を発して作業員に知らせる警報発信部とを具備し、
前記画像解析部は、
道路上に並べられた前記車両誘導体の列を検出し、当該車両誘導体を繋ぐ仮想線を生成して当該仮想線を規制領域の境界線として認識する境界線検出部と、
前記境界線検出部にて生成された前記仮想線のどちらが規制領域側であるかを、前記仮想線のどちら側に前記撮像カメラが位置するかによって、検出する規制領域側検出部と、
前記仮想線を越えて前記規制領域側に進入する車両の有無を監視する進入車両監視部と、
を有することを特徴とする規制領域内への進入車両検出装置。
【請求項2】
道路上に車両誘導体を並べて通行車両の進入を禁止する規制領域を設け、当該規制領域内にて作業員による作業を実施する際に使用する規制領域内への進入車両検出装置であって、
画像データを取得するための撮像カメラ(但し、距離画像センサを除く。)と、
前記画像データを解析して前記規制領域内への進入車両を検出する画像解析部と、
前記画像解析部にて前記規制領域内への進入車両が検出された場合、警報を発して作業員に知らせる警報発信部とを具備し、
前記画像解析部は、
道路上に並べられた前記車両誘導体の列を検出し、当該車両誘導体を繋ぐ仮想線を生成して当該仮想線を規制領域の境界線として認識する境界線検出部と、
前記境界線検出部にて生成された前記仮想線のどちらが規制領域側であるかを、どちら側に車両が走行しているかによって、検出する規制領域側検出部と、
前記仮想線を越えて前記規制領域側に進入する車両の有無を監視する進入車両監視部と、
を有することを特徴とする規制領域内への進入車両検出装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の規制領域内への進入車両検出装置であって、
前記画像解析部は、人工知能(AI)によって、前記画像データを解析する
ことを特徴とする規制領域内への進入車両検出装置。
【請求項4】
請求項に記載の規制領域内への進入車両検出装置であって、
前記画像解析部の前記人工知能(AI)は、ディープラーニングによって解析する画像を学習する
ことを特徴とする規制領域内への進入車両検出装置。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、規制領域内への進入車両検出装置に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明は、上記した従来の事情に対処してなされたもので、その目的は、従来に比べて装置構成が複雑化することを抑制することができるとともに、設置が容易で広範囲に亘り正確に進入車両の検出を行うことのできる規制領域内への進入車両検出装置を提供することにある。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明の実施形態の規制領域内への進入車両検出装置は、道路上に車両誘導体を並べて通行車両の進入を禁止する規制領域を設け、当該規制領域内にて作業員による作業を実施する際に使用する規制領域内への進入車両検出装置であって、画像データを取得するための撮像カメラ(但し、距離画像センサを除く。)と、前記画像データを解析して前記規制領域内への進入車両を検出する画像解析部と、前記画像解析部にて前記規制領域内への進入車両が検出された場合、警報を発して作業員に知らせる警報発信部とを具備し、前記画像解析部は、道路上に並べられた前記車両誘導体の列を検出し、当該車両誘導体を繋ぐ仮想線を生成して当該仮想線を規制領域の境界線として認識する境界線検出部と、前記境界線検出部にて生成された前記仮想線のどちらが規制領域側であるかを、前記仮想線のどちら側に前記撮像カメラが位置するかによって、検出する規制領域側検出部と、前記仮想線を越えて前記規制領域側に進入する車両の有無を監視する進入車両監視部と、を有することを特徴とする。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
また、本発明の実施形態の規制領域内への進入車両検出装置は、道路上に車両誘導体を並べて通行車両の進入を禁止する規制領域を設け、当該規制領域内にて作業員による作業を実施する際に使用する規制領域内への進入車両検出装置であって、画像データを取得するための撮像カメラ(但し、距離画像センサを除く。)と、前記画像データを解析して前記規制領域内への進入車両を検出する画像解析部と、前記画像解析部にて前記規制領域内への進入車両が検出された場合、警報を発して作業員に知らせる警報発信部とを具備し、前記画像解析部は、道路上に並べられた前記車両誘導体の列を検出し、当該車両誘導体を繋ぐ仮想線を生成して当該仮想線を規制領域の境界線として認識する境界線検出部と、前記境界線検出部にて生成された前記仮想線のどちらが規制領域側であるかを、どちら側に車両が走行しているかによって、検出する規制領域側検出部と、前記仮想線を越えて前記規制領域側に進入する車両の有無を監視する進入車両監視部と、を有することを特徴とする。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明の規制領域内への進入車両検出装置によれば、従来に比べて装置構成が複雑化することを抑制することができるとともに、設置が容易で広範囲に亘り正確に進入車両の検出を行うことのできる規制領域内への進入車両検出装置を提供することができる。