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特開2023-30457マーケティング支援情報提示システム及びマーケティング支援情報提示方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023030457
(43)【公開日】2023-03-08
(54)【発明の名称】マーケティング支援情報提示システム及びマーケティング支援情報提示方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0203 20230101AFI20230301BHJP
   G06F 40/117 20200101ALI20230301BHJP
【FI】
G06Q30/02 312
G06F40/117
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021135600
(22)【出願日】2021-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】520026892
【氏名又は名称】ノウンズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 啓志朗
【テーマコード(参考)】
5B109
5L049
【Fターム(参考)】
5B109NH02
5B109VC03
5L049BB02
(57)【要約】
【課題】ユーザが低コストで幅広いマーケティングを行うために有用な情報を取得することのできるマーケティング支援情報提示システムを提供する。
【解決手段】情報提示システムSは、予め、複数の質問の各々について、質問に付与された第1タグ、質問に対する回答、及び、その回答に対応する回答者情報を紐づけて格納する関連情報格納部1gと、支援要求を認識する支援要求認識部1hと、支援要求に応じて、第1タグに基づいて質問を抽出してアンケート及びその回答を生成するアンケート・回答生成部1nと、生成されたアンケート及び回答とともに、その回答に対応する回答者情報を提示する情報提示部1oとを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マーケティングを実施するためにユーザが用いる情報を提示するためのコンピュータシステムによるマーケティング支援情報提示システムにおいて、
第1タグ付与部と、回答認識部と、回答者情報認識部と、関連情報格納部と、支援要求認識部と、第2タグ認識部と、対応タグ認識部と、関連情報取得部と、アンケート・回答生成部と、情報提示部とを備え、
前記第1タグ付与部は、予め、キーワード又は目的を第1タグとして、複数の質問の各々に付与し、
前記回答認識部は、予め、実施された前記複数の質問の各々について、該質問に対して複数の回答者の各々が行った回答を認識し、
前記回答者情報認識部は、予め、前記複数の回答者の各々の属性を含む回答者情報を認識し、
前記関連情報格納部は、予め、前記複数の質問の各々について、該質問に付与された前記第1タグ、該質問に対する前記回答、及び、前記複数の回答者のうち該回答に対応する回答者に関する前記回答者情報を紐づけて格納し、
前記支援要求認識部は、前記ユーザからの前記マーケティングに関する支援要求を認識し、
前記第2タグ認識部は、前記支援要求に応じて、該支援要求に関する前記マーケティングに対応するキーワード又は目的を第2タグとして認識し、
前記対応タグ認識部は、前記支援要求に応じて、前記第2タグに一致する又は関連する前記第1タグを対応タグとして認識し、
前記関連情報取得部は、前記支援要求に応じて、前記対応タグに基づいて、前記第1タグのうち前記対応タグとして認識された第1タグを付与された前記質問、該質問に対する前記回答、及び、該質問に対応する前記回答者情報を、前記関連情報格納部から取得し、
前記アンケート・回答生成部は、前記支援要求に応じて、前記関連情報取得部が取得した前記質問に基づいて、該支援要求に関する前記マーケティングに関する前記アンケートを生成するとともに、前記関連情報取得部が取得した前記回答者による前記回答に基づいて、該アンケートを構成している質問に対する回答を生成し、
前記情報提示部は、前記アンケート・回答生成部によって生成された前記アンケート及び該アンケートを構成している質問に対する回答とともに、前記関連情報取得部が取得した該アンケートを構成している質問に対する回答に対応する前記回答者に関する前記回答者情報を提示することを特徴とするマーケティング支援情報提示システム。
【請求項2】
第1タグ付与部と、回答認識部と、回答者情報認識部と、関連情報格納部と、支援要求認識部と、第2タグ認識部と、対応タグ認識部と、関連情報取得部と、アンケート・回答生成部と、情報提示部とを備えているコンピュータシステムによるマーケティング支援情報提示システムが、マーケティングを実施するためにユーザが用いる情報を提示するために実行するマーケティング支援情報提示方法において、
前記第1タグ付与部が、予め、キーワード又は目的を第1タグとして、複数の質問の各々に付与する工程と、
前記回答認識部が、予め、実施された前記複数の質問の各々に対して、該質問に対して複数の回答者の各々が行った回答を認識する工程と、
前記回答者情報認識部が、予め、前記複数の回答者の各々の属性を含む回答者情報を認識する工程と、
前記関連情報格納部が、予め、前記複数の質問の各々について、該質問に付与された前記第1タグ、該質問に対する前記回答、及び、前記複数の回答者のうち該回答に対応する回答者に関する前記回答者情報を紐づけて格納する工程と、
前記支援要求認識部が、前記ユーザからの前記マーケティングに関する支援要求を認識する工程と、
前記第2タグ認識部が、前記支援要求に応じて、該支援要求に関する前記マーケティングに対応するキーワード又は目的を第2タグとして認識する工程と、
前記対応タグ認識部が、前記支援要求に応じて、前記第2タグに一致する又は関連する前記第1タグを対応タグとして認識する工程と、
前記関連情報取得部が、前記支援要求に応じて、前記対応タグに基づいて、前記第1タグのうち前記対応タグとして認識された第1タグを付与された前記質問、該質問に対する前記回答、及び、該質問に対応する前記回答者情報を、前記関連情報格納部から取得する工程と、
前記アンケート・回答生成部が、前記支援要求に応じて、前記関連情報取得部が取得した前記質問に基づいて、該支援要求に関する前記マーケティングに対応する前記アンケートを生成するとともに、前記関連情報取得部が取得した前記回答者による前記回答に基づいて、該アンケートを構成している質問に対する回答を生成する工程と、
前記情報提示部が、前記アンケート・回答生成部によって生成された前記アンケート及び該アンケートを構成している質問に対する回答とともに、前記関連情報取得部が取得した該アンケートを構成している質問に対する回答に対応する前記回答者に関する前記回答者情報を提示する工程とを備えていることを特徴とするマーケティング支援情報提示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マーケティングを実施するためにユーザが用いる情報を提示するためのマーケティング支援情報提示システム及びマーケティング支援情報提示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、個人からの直接的なリアクションデータを大量に取得し、そのリアクションデータをマーケティングに利用する方法が採用されている。そのように利用されるリアクションデータとしては、例えば、アンケートを構成している質問に対する回答といったものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-119563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載のアンケートシステムでは、アンケートを構成している質問の内容は、所定のマーケティング対象(例えば、ブランド等)に関する情報の取得・分析を目的として、設計されている。
【0005】
すなわち、このアンケートシステムでは、アンケートは、データを取得したいユーザ(例えば、企業等)が自ら又は他社に委託して、ユーザ自身の目的のために個別に設計したものであって、そのアンケートによって取得したデータは、ユーザ自身のみのために利用するということを前提したものとなっている。
【0006】
そのため、このアンケートシステムでは、自ら又は他社に委託してアンケートを設計することのできる資本を持っていないユーザは、コスト的に利用しにくいという問題があった。
【0007】
また、このアンケートシステムでは、アンケートの設計時に予め設定した範囲内における情報しか取得することができないので、幅広い分析を行うためには複数回のアンケート又は多数の質問を含むアンケートを実施しなければならず、その実施のために多額のコストが必要になるという問題があった。
【0008】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、ユーザが低コストで幅広いマーケティングを行うために有用な情報を取得することのできるマーケティング支援情報提示システム及びマーケティング支援情報提示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のマーケティング情報提示システムは、
マーケティングを実施するためにユーザが用いる情報を提示するためのコンピュータシステムによるマーケティング支援情報提示システムにおいて、
第1タグ付与部と、回答認識部と、回答者情報認識部と、関連情報格納部と、支援要求認識部と、第2タグ認識部と、対応タグ認識部と、関連情報取得部と、アンケート・回答生成部と、情報提示部とを備え、
前記第1タグ付与部は、予め、キーワード又は目的を第1タグとして、複数の質問の各々に付与し、
前記回答認識部は、予め、実施された前記複数の質問の各々について、該質問に対して複数の回答者の各々が行った回答を認識し、
前記回答者情報認識部は、予め、前記複数の回答者の各々の属性を含む回答者情報を認識し、
前記関連情報格納部は、予め、前記複数の質問の各々について、該質問に付与された前記第1タグ、該質問に対する前記回答、及び、前記複数の回答者のうち該回答に対応する回答者に関する前記回答者情報を紐づけて格納し、
前記支援要求認識部は、前記ユーザからの前記マーケティングに関する支援要求を認識し、
前記第2タグ認識部は、前記支援要求に応じて、該支援要求に関する前記マーケティングに対応するキーワード又は目的を第2タグとして認識し、
前記対応タグ認識部は、前記支援要求に応じて、前記第2タグに一致する又は関連する前記第1タグを対応タグとして認識し、
前記関連情報取得部は、前記支援要求に応じて、前記対応タグに基づいて、前記第1タグのうち前記対応タグとして認識された第1タグを付与された前記質問、該質問に対する前記回答、及び、該質問に対応する前記回答者情報を、前記関連情報格納部から取得し、
前記アンケート・回答生成部は、前記支援要求に応じて、前記関連情報取得部が取得した前記質問に基づいて、該支援要求に関する前記マーケティングに対応する前記アンケートを生成するとともに、前記関連情報取得部が取得した前記回答者による前記回答に基づいて、該アンケートを構成している質問に対する回答を生成し、
前記情報提示部は、前記アンケート・回答生成部によって生成された前記アンケート及び該アンケートを構成している質問に対する回答とともに、前記関連情報取得部が取得した該アンケートを構成している質問に対する回答に対応する前記回答者に関する前記回答者情報を提示することを特徴とする。
【0010】
ここで、回答者の「属性」とは、回答者と他の回答者との共通点を示す情報である。そのため、例えば、属性となる情報は、マーケティング支援情報提示システムの設計者等により、提供するサービスの目的等に応じて、適宜設定される。
【0011】
属性としては、例えば、年齢、性別、出身地、居住地、家族構成、職業、収入・所得、浪費しがちといった心理傾向、メディアとの接触傾向等といった特定の商品・サービスとは独立している属性の他、特定の商品・サービスを知ったきっかけ、それに対する好悪及びその理由等といった特定の商品・サービスに関連している属性が挙げられる。
【0012】
また、ここで、「支援要求」とは、ユーザが自らの使用する端末等を介して、マーケティング支援情報提示システムに対して、自らの実施するマーケティングの支援を要求したことを認識し得る信号等を指す。
【0013】
支援要求としては、例えば、ユーザが、自らの実施するマーケティングに関する商品又はサービスについて、マーケティング支援情報提示システムに対して送信したデータ等が挙げられる。
【0014】
このように、本発明のマーケティング支援情報提示システム(以下、単に「情報提示システム」ということがある。)は、予め、複数の質問の各々について、その質問に付与された第1タグ、その質問に対する回答、及び、その質問に対して回答した回答者に関する回答者情報を紐づけて格納しておく。なお、第1タグは、質問の実施の前に付与してもよいし、質問に付与してもよい。
【0015】
その後、情報提示システムは、ユーザからの支援要求を認識した場合に、そのユーザが支援を求めているマーケティングについて第2タグを認識し、その第2タグに対応する対応タグを質問に付与された第1タグから認識するとともに、その対応タグを付与された質問、その質問に対する回答、及び、その質問に対して回答した回答者に関する回答者情報を、予め格納していた情報から取得する。
【0016】
そのうえで、情報提示システムは、取得した内容に基づいて、改めて、支援要求に関するマーケティングに対応するアンケート、及び、そのアンケートを構成している質問に対する回答を生成するとともに、生成されたアンケート及びその回答、並びに、取得した回答者情報を、提示する。
【0017】
これにより、この情報提示システムでは、ユーザがマーケティングを実施する際に、その都度に複数の質問によって構成されるアンケートを設計して実施しなくても、既に収集済みの情報からそのマーケティングに有用な情報を取得することができる。
【0018】
したがって、本発明のマーケティング支援情報提示システムによれば、ユーザは、アンケートの設計及び実施のたびに必要となっていたコストの削減を図ることができる。ひいては、本発明のマーケティング支援情報提示システムによれば、ユーザの規模が小さくても容易に利用することができ、また、幅広い範囲のマーケティングをリーズナブルに実施することができる。
【0019】
また、本発明のマーケティング支援情報提示方法は、
第1タグ付与部と、回答認識部と、回答者情報認識部と、関連情報格納部と、支援要求認識部と、第2タグ認識部と、対応タグ認識部と、関連情報取得部と、アンケート・回答生成部と、情報提示部とを備えているコンピュータシステムによるマーケティング支援情報提示システムが、マーケティングを実施するためにユーザが用いる情報を提示するために実行するマーケティング支援情報提示方法において、
前記第1タグ付与部が、予め、キーワード又は目的を第1タグとして、複数の質問の各々に付与する工程と、
前記回答認識部が、予め、実施された前記複数の質問の各々に対して、該質問に対して複数の回答者の各々が行った回答を認識する工程と、
前記回答者情報認識部が、予め、前記複数の回答者の各々の属性を含む回答者情報を認識する工程と、
前記関連情報格納部が、予め、前記複数の質問の各々について、該質問に付与された前記第1タグ、該質問に対する前記回答、及び、前記複数の回答者のうち該回答に対応する回答者に関する前記回答者情報を紐づけて格納する工程と、
前記支援要求認識部が、前記ユーザからの前記マーケティングに関する支援要求を認識する工程と、
前記第2タグ認識部が、前記支援要求に応じて、該支援要求に関する前記マーケティングに対応するキーワード又は目的を第2タグとして認識する工程と、
前記対応タグ認識部が、前記支援要求に応じて、前記第2タグに一致する又は関連する前記第1タグを対応タグとして認識する工程と、
前記関連情報取得部が、前記支援要求に応じて、前記対応タグに基づいて、前記第1タグのうち前記対応タグとして認識された第1タグを付与された前記質問、該質問に対する前記回答、及び、該質問に対応する前記回答者情報を、前記関連情報格納部から取得する工程と、
前記アンケート・回答生成部が、前記支援要求に応じて、前記関連情報取得部が取得した前記質問に基づいて、該支援要求に関する前記マーケティングに対応する前記アンケートを生成するとともに、前記関連情報取得部が取得した前記回答者による前記回答に基づいて、該アンケートを構成している質問に対する回答を生成する工程と、
前記情報提示部が、前記アンケート・回答生成部によって生成された前記アンケート及び該アンケートを構成している質問に対する回答とともに、前記関連情報取得部が取得した該アンケートを構成している質問に対する回答に対応する前記回答者に関する前記回答者情報を提示する工程とを備えていることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態に係る情報提示システムの概略構成を示す説明図。
図2図1の情報提示システムの処理部の構成を示すブロック図。
図3図1の情報提示システムが支援要求を認識する前に実行する処理を示すフローチャート。
図4図1の情報提示システムが支援要求を認識する際に実行する処理を示すフローチャート。
図5図1の情報提示システムが支援要求を認識した後に実行する処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図1図5を参照して、実施形態に係る情報提示システムS(マーケティング支援情報提示システム)、及び、それを用いて実施されるマーケティング支援情報提示方法について説明する。
【0022】
なお、以下の説明においては、情報提示システムSを用いて提供されるサービスを受けるメーカ等を「ユーザ」という。また、そのサービスに用いられる情報に対応する個人を「対象者」といい、対象者のうち、後述する一次アンケートに回答した者を「回答者」という。
【0023】
また、以下の説明において、回答者の「属性」とは、回答者と他の回答者との共通点を示す情報であればよい。そのため、情報提示システムSの設計者等は、提供するサービスの目的等に応じて、属性となる情報を、適宜設定してよい。
【0024】
属性としては、例えば、年齢、性別、出身地、居住地、家族構成、職業、収入・所得、浪費しがちといった心理傾向、メディアとの接触傾向等といった特定の商品・サービスとは独立している属性の他、特定の商品・サービスを知ったきっかけ、それに対する好悪及びその理由等といった特定の商品・サービスに関連している属性が挙げられる。
【0025】
また、以下の説明において、「支援要求」とは、ユーザが自らの使用する端末等を介して、情報提示システムSに対して、自らの実施するマーケティングの支援を要求したことを認識し得る信号等を指す。
【0026】
支援要求としては、例えば、ユーザが、自らの実施するマーケティングに関する商品又はサービスについて、マーケティング支援情報提示システムに対して送信したデータ等が挙げられる。
【0027】
[情報提示システムを用いて提供されるサービスの概要]
情報提示システムSの構成及び情報提示システムSが実行する処理の詳細を説明するに先立ち、情報提示システムSを用いて提供されるサービスの概要について説明する。
【0028】
このサービスにおいて、情報提示システムSは、まず、複数の質問により構成されているアンケート(以下、このアンケートを「一次アンケート」という。)を、無作為に又は所定のルールに従って定められた複数の対象者に実施する。このとき、その質問に回答した場合には、その回答を行った回答者に対して、商品の購入に使用できるポイント等のインセンティブが対価として与えられる。
【0029】
そして、情報提示システムSは、一次アンケートを構成している複数の質問の各々に対し、その質問に対する回答、及び、その回答等から把握された回答者に関する回答者情報を、紐づけて格納しておく。
【0030】
その後、ユーザからの支援要求を認識した際に、情報提示システムSは、それまでに実施された一次アンケートを構成している複数の質問、及び、その質問に対する回答から、ユーザのマーケティングに適した質問、及び、その質問に対する回答を取得する。このとき、その回答に対応する回答者の回答者情報も取得する。
【0031】
そして、情報提示システムSは、その取得した質問、及び、その質問に対する回答に基づいて、事後的に、ユーザの実施しようとしているマーケティングに適したアンケート(以下、このアンケートを「二次アンケート」いう。)、及び、その二次アンケートを構成している質問に対する回答を生成する。
【0032】
そのうえで、情報提示システムSは、生成された二次アンケート(具体的には、二次アンケートを構成している質問)、及び、二次アンケートを構成している質問に対する回答、並びに、取得した回答者情報(すなわち、二次アンケートに対して回答したとみなすことのできる回答者に関する回答者情報)を、提示する。
【0033】
この情報システムSを用いたサービスによれば、ユーザに対し、ユーザのマーケティングに適したアンケートである二次アンケートを実際に設計したり、実施したりしなくても、二次アンケートに基づく情報(すなわち、ユーザの実施しようとしているマーケティングに適した情報)が提示される。
【0034】
[システムの概略構成]
以下、図1を参照して、情報提示システムSの概略構成について説明する。
【0035】
図1に示すように、情報提示システムSは、マーケティングを実施するためにユーザが用いる情報を提示するためのコンピュータシステムであり、情報提示システムSによるサービスの提供者が保有するサーバ1によって構成されている。
【0036】
サーバ1は、インターネット網、公衆回線等を通じて、ユーザの保有するパソコン、タブレット等のユーザ端末2、及び、対象者の保有するスマートフォン、タブレット等の対象者端末3と、相互に情報通信可能に構成されている。
【0037】
なお、本発明のマーケティング支援情報提示システム(以下、単に「情報提示システム」ということがある。)は、このような構成に限定されるものではなく、ユーザが何らかの端末に入力した情報、及び、対象者が何らかの端末に入力した情報を、認識することができるように構成されていればよい。
【0038】
そのため、例えば、ユーザ端末又は対象者端末を介して入力された情報をサーバに直接送信するのではなく、その情報を別途データ化して、そのデータを、情報提示システムサーバが読み込むように構成してもよい。
【0039】
また、本発明の情報提示システムは、1つのサーバによって構成されるものに限定されるものではなく、情報提示システムを構成しているいずれかの端末が後述する処理部を備えているように構成されていればよい。
【0040】
そのため、例えば、複数のサーバによって情報提示システム全体を構成してもよい。また、ユーザ端末及び対象者端末に処理部の少なくとも1つ又はその処理部の機能の少なくとも一部を実装して、そのそれらの端末とサーバとで協働して、又は、それらの端末のみでシステムを構成してもよい。
【0041】
[各処理部の構成]
図2に示すように、サーバ1は、実装されたハードウェア構成及びプログラムの少なくとも一方により実現される機能(処理部)として、アンケート実施部1aと、質問認識部1bと、タグ情報格納部1cと、第1タグ付与部1dと、回答認識部1eと、回答者情報認識部1fと、関連情報格納部1gと、支援要求認識部1hと、マーケティング情報認識部1iと、候補タグ提示部1jと、第2タグ認識部1kと、対応タグ認識部1lと、関連情報取得部1mと、アンケート・回答生成部1nと、情報提示部1oとを備えている。
【0042】
情報提示システムSでは、支援要求認識部1hによって支援要求が認識される以前から、予め、アンケート実施部1aによる処理、質問認識部1bによる処理、第1タグ付与部1dによる処理、回答認識部1eによる処理、回答者情報認識部1fによる処理、及び、関連情報格納部1gによる処理が実行される。
【0043】
また、情報提示システムSでは、支援要求認識部1hによって支援要求が認識されたことをキーとして(すなわち、支援要求に応じて)、第2タグ認識部1kによる処理、対応タグ認識部1lによる処理、関連情報取得部1mによる処理、アンケート・回答生成部1nによる処理、及び、情報提示部1oによる処理が実行される。
【0044】
アンケート実施部1aは、複数の質問からなる一次アンケートを、複数の対象者に対して、個々の対象者が使用している対象者端末3の各々にそれらの質問に対する回答を入力可能な形式で提示することによって、実施する。
【0045】
情報提示システムSでは、一次アンケートを構成している質問には、質問に回答した対象者である回答者に関する回答者情報を把握するために、その回答者の属性を把握することができる質問、及び、その回答者の嗜好を把握することができる質問が含まれている。
【0046】
回答者の属性を把握することができる質問としては、例えば、回答者の年齢、性別、家族構成、収入、買い物の頻度、使用しているメディアの種類と使用頻度等を、直接的又は間接的に問う質問である。
【0047】
回答者の嗜好を把握することができる質問としては、例えば、何らかの商品・サービスに対する回答者の印象を確認するための状態質問(例えば、マインドフローに基づく質問)を、直接的又は間接的に問う質問等である。
【0048】
なお、本発明における回答者情報は、少なくとも回答者の属性を含む情報であればよい。すなわち、一次アンケートを構成している質問は、少なくとも回答者の属性を把握できる質問であればよい。そのため、その質問は、回答者の嗜好を把握できない質問であってもよく、属性及び嗜好以外の回答者に関する情報(例えば、個人識別子等)を把握できる質問であってもよい。
【0049】
質問認識部1bは、実施された一次アンケートを構成している複数の質問の各々を認識する。
【0050】
なお、本発明の情報提示システムは、自らが実施した一次アンケートを構成している質問のみを認識する構成に限定されるものではなく、二次アンケートを設計する際に必要となる質問を認識できるものであればよい。そのため、例えば、情報提示システムは、別のシステム等で実施された一次アンケートを構成している質問を、取り込んで認識するように構成されていてもよい。その場合、アンケート実施部は省略してもよい。
【0051】
タグ情報格納部1cは、質問及びその質問対する回答の少なくとも一方と所定のキーワードとの相関関係を示すキーワード相関データ、質問の形式とその質問の目的との相関関係を示す目的相関データ、及び、キーワード同士の関連度、目的同士の関連度、又は、キーワードと目的との関連度を示す関連度データを、タグに関する情報として格納している。
【0052】
質問に関連するキーワードとしては、例えば、ある商品の名前が含まれている質問であった場合、その商品の名前そのもの又はコンペティターの商品の名前、メーカ、その商品の属する分野等が挙げられる。キーワード相関データは、例えば、所定の質問及びその質問に対する回答の少なくとも一方から連想されるキーワードを示すデータ等である。
【0053】
質問の形式としては、例えば、回答形式が二択回答、複数選択肢回答、5段階評価回答、及び、NPS評価回答のいずれかであるか等が挙げられる。目的相関データとしては、所定の質問の形式がどのような目的の場合に用いられるかを示すデータ等である。
【0054】
キーワード同士の関連度、目的同士の関連度、又は、キーワードと目的との関連度としては、キーワードの属する分野同士の類似の度合い、同時に目的とされる可能性の高さ、キーワードの属する分野においてマーケティングの目的とされる可能性の高さ等が挙げられる。関連度データとしては、その度合い、高さを示すデータ等である。
【0055】
第1タグ付与部1dは、タグ情報格納部1cから取得したキーワード相関データ及び目的相関データの少なくとも一方に基づいて、質問認識部1bが認識した質問に対し、その質問に関するキーワード又は目的である第1タグを付与する。
【0056】
具体的には、例えば、第1タグ付与部1dは、キーワード相関データ及び目的相関データの少なくとも一方を参照することによって、質問認識部1bが認識した質問及びその質問に対する回答の少なくとも一方に関連し得るキーワード又は目的を認識し、それらのキーワード又は目的を、その質問に第1タグとして付与する。
【0057】
このように、情報提示システムSの質問認識部1b及び第1タグ付与部1dでは、一次アンケートの実施後に、その一次アンケートを構成している複数の質問を認識し、それらの質問に対して第1タグを付与している。これは、情報処理量の増加を抑制するためである。
【0058】
しかし、本発明の情報提示システムにおいて第1タグを付与する質問及びその付与のタイミングは、このような質問に限定されるものではなく、情報提示システムを構成している機器の性能等に応じて、システム設計者が適宜設定してよい。
【0059】
そのため、例えば、一次アンケートを構成している質問であるか否かを問わず、認識された質問の全てに対して、第1タグを付与するように設定されていてもよい。また、質問の認識及び第1タグの付与は、一次アンケートの実施と同時に又は実施前に、実行してもよい。
【0060】
また、本発明における第1タグ付与部が第1タグを付与する方法は、キーワード相関データ又は目的相関データの少なくとも一方に基づく方法に限定されるものではなく、情報提示システムを構成している機器の性能等に応じて、システム設計者が適宜設定してよい。
【0061】
そのため、例えば、第1タグ付与部は、質問の文章に対してテキストマイニング等を行ってキーワード又目的を抽出し、そのキーワード又は目的を、その質問についての第1タグとして、その質問に付与してもよい。その場合、タグ情報格納部は省略してもよい。
【0062】
また、第1タグ付与部は、一次アンケートを構成している質問に対して、キーワード及び目的のいずれか一方のみを第1タグとして付与してもよいし、両方を第1タグとして付与してもよい。また、第1タグ付与部は、第1タグは1つだけ付与してもよいし、複数付与してもよい。
【0063】
回答認識部1eは、実施された一次アンケートを構成している複数の質問の各々について、個々の質問に対して複数の回答者の各々が対象者端末3を介して入力した回答を、認識する。
【0064】
なお、本発明の情報提示システムの回答認識部は、このような構成に限定されるものではなく、回答者による回答を認識できるものであればよい。そのため、例えば、回答認識部は、別のシステム等で一次アンケートを構成している質問に対して取得された回答を、取り込んで認識するように構成されていてもよい。
【0065】
回答者情報認識部1fは、複数の回答者の各々について、その回答者の属性及び嗜好を含む回答者情報を、一次アンケートを構成している質問に対する回答に基づいて、認識する。
【0066】
具体的には、前述のように、一次アンケートを構成している質問は、回答者の属性及び嗜好を把握できるものとなっているので、回答者情報認識部1fは、その一次アンケートを構成している質問に対する回答に基づいて、その回答に対応する回答者の属性及び嗜好を推定する。
【0067】
なお、本発明の回答者情報認識部が回答者情報を認識する方法は、アンケートの回答に基づいて認識する方法に限定されるものではなく、情報提示システムを構成している機器の性能等に応じて、システム設計者が適宜設定してよい。そのため、例えば、回答者情報認識部は、別のシステム等で取得された回答者情報、対象者端末から直接取得した回答者情報を、取り込んで認識してもよい。
【0068】
また、本発明における回答者情報は、回答者の属性を含む情報であればよい。そのため、例えば、回答者情報には、回答者の嗜好に関する情報は含まれていなくてもよいし、回答者の嗜好又は属性以外の情報が含まれていてもよい。回答者の嗜好又は属性以外の情報としては、例えば、回答者自身を特定するための情報である個人識別子等が挙げられる。
【0069】
個人識別子としては、例えば、対象者端末を使用している個人を特定する情報が挙げられる。具体的には、回答者の名前、対象者端末の製造番号、対象者端末に紐付けられた電話番号等である。
【0070】
また、個人識別子としては、例えば、対象者端末にインストールされたアプリを使用している個人を特定する情報が挙げられる。具体的には、対象者端末で使用されたアプリに関するCookie(例えば、ID、パスワード、メールアドレス、所定のホームページへの訪問回数等)、対象者端末3の広告識別子(例えば。、広告ID等)等である。
【0071】
関連情報格納部1gは、一次アンケートを構成している複数の質問の各々について、その質問に付与された第1タグ、その質問に対する回答、及び、複数の回答者のうちその回答に対応する回答者に関する回答者情報を紐づけて格納する。格納されている情報は、一次アンケートの実施等に応じて、随時更新される。
【0072】
支援要求認識部1hは、ユーザ端末2に入力された情報に基づいて、ユーザからのマーケティングに関する支援要求を認識する。
【0073】
情報提示システムSでは、候補タグ提示部1jが後述する複数の候補タグをユーザ端末2に選択可能な形式で提示した後において、その複数の候補タグのうちの少なくとも1つが選択された際にユーザ端末2から通知される信号を、支援要求として認識している。
【0074】
なお、本発明における支援要求認識部は、必ずしもそのような構成に限定されるものではなく、ユーザがマーケティングの支援を要求したことを認識し得る信号を認識できるものであればよい。そのため、例えば、そのユーザの実施するマーケティングに関する第2タグが予め把握できていた場合(例えば、同じ目的で複数回のマーケティングが実施される場合等)には、単に支援を要求する旨の信号を、支援要求として認識してもよい。
【0075】
マーケティング情報認識部1iは、ユーザが希望しているマーケティングに関するマーケティング情報を把握するための質問を、その質問に対する回答を入力可能な形式でユーザ端末2に提示することによって、実施する。また、マーケティング情報認識部1iは、その質問に対する回答に基づいて、マーケティング情報を認識する。
【0076】
ここで、「マーケティング情報」とは、ユーザが実施するマーケティングの内容に関する情報である。例えば、マーケティング情報としては、そのマーケティングにおける製品、価格、流通、プロモーションに関する情報(いわゆる4Pに関する情報)、そのユーザ自身、ターゲットとする顧客層、競合に関する情報(いわゆる3Cに関する情報)等が挙げられる。
【0077】
情報提示システムSでは、ユーザが、情報提示システムSを用いて提供されるサービスを利用しようとする際に、まず、質問形式で、マーケティングの目的(例えば、市場調査・分析、広告等のいずれであるのか、どのような商品・サービスに関するものであるのか等)、想定しているターゲット(例えば、年齢、性別、居住地等)といった質問が、ユーザに対して実施される。そして、情報提示システムSは、それらの質問に対する回答そのものを、マーケティング情報として認識する。
【0078】
なお、本発明の情報提示システムがマーケティング情報を認識する方法は、質問に対する回答に基づく方法に限定されるものではなく、情報提示システムによって提供するサービスの内容等に応じて、システム設計者が適宜設定してよい。そのため、例えば、情報提示システムは、ユーザからの依頼文といった文章にテキストマイニング等を行ってキーワードを抽出し、そのキーワードを、マーケティング情報として認識してもよい。
【0079】
候補タグ提示部1jは、タグ情報格納部1cから取得したキーワード相関データ及び目的相関データの少なくとも一方に基づいて、マーケティング情報及びそれに関連する情報から、ユーザが実施しようとしているマーケティングに対応する第2タグとなる可能性のある複数の候補タグを認識する。
【0080】
具体的には、例えば、候補タグ提示部1jは、キーワード相関データ及び目的相関データの少なくとも一方を参照することによって、マーケティング情報認識部1iから取得したマーケティング情報を把握するための質問、それに対する回答、及び、マーケティング情報の少なくとも1つから、それらに関連し得るキーワード又は目的を認識し、それらのキーワード又は目的を、候補タグとして認識する。
【0081】
なお、本発明における情報提示システムは、キーワード及び目的のいずれか一方のみを候補タグとして認識してもよいし、両方を候補タグとして認識してもよい。また、情報提示システムは、候補タグを1つだけ認識してもよいし、複数認識してもよい。
【0082】
また、候補タグ提示部1jは、認識された複数の候補タグから、ユーザ端末2を介して提示する候補タグを選択する。
【0083】
提示する候補タグを選択する方法としては、例えば、候補タグを認識する際にマーケティング情報との関連度を算出しておき、その関連度の高い順に、インターフェースのレイアウトの観点から許容できる提示数だけ、選択するといた方法が挙げられる。その他の方法としては、50音順に基づいて選択する方法、ランダムに選択する方法等が挙げられる。
【0084】
また、候補タグ提示部1jは、選択された候補タグを、選択可能な形式で、ユーザ端末2を介して提示する。
【0085】
情報提示システムSでは、候補タグとともに、候補タグの再選択を要求するためのボタンが、ユーザ端末2を介して提示される。そのボタンが選択された場合には、すでに提示された候補タグとは異なる候補タグが改めて選択され、その選択された候補タグが、改めて、選択可能な形式で、ユーザ端末2を介して提示される。
【0086】
なお、本発明における情報提示システムは、認識した候補タグのうち1つだけ(例えば、マーケティング情報に最も関連性が高いもの等)を提示してもよいし、認識した候補タグの全てを提示してもよい。
【0087】
第2タグ認識部1kは、支援要求に応じて、その支援要求に関するマーケティングに対応するキーワード又は目的を第2タグとして認識する。
【0088】
情報提示システムSでは、前述のように、複数の候補タグのうちの少なくとも1つが選択された際にユーザ端末2から通知される信号を、支援要求としている。また、その候補タグは、ユーザの実施しようとしているマーケティングに関する情報であるマーケティング情報に対応するキーワード又は目的である。
【0089】
そのため、情報提示システムSでは、候補タグ提示部1jによって提示された複数の候補タグのうちの少なくとも1つが選択されると、支援要求認識部1hは、支援要求がなされた旨を認識し、第2タグ認識部1kは、その選択された候補タグを第2タグとして認識する。
【0090】
このように、情報提示システムSでは、候補タグ提示部1jが、候補タグをユーザに選択可能に提示するとともに、第2タグ認識部1kが、ユーザに選択された候補タグに基づいて第2タグ(ひいては、後述する対応タグ)を認識するように構成されている。そのため、その対応タグに基づいて生成されたアンケートは、ユーザの意向に沿ったものになる可能性が高くなっている。
【0091】
これにより、情報提示システムSでは、マーケティングの試行回数の増加を抑制したり、マーケティング範囲を限定したりすることができる。ひいては、マーケティングを実施するためのコストの増加を抑制することができるようになっている。
【0092】
しかし、本発明の情報提示システムの第2タグ認識部は、このような構成に限定されるものではなく、候補タグを用いずに、第2タグを認識するようにしてもよい。
【0093】
そのため、例えば、第2タグ認識部は、ユーザ端末に入力された目的又はキーワードを、そのまま第2タグとしてもよい。また、例えば、第2タグ認識部は、ユーザからの依頼文といった文章に基づいてマーケティング情報を認識する場合には、その文章に対してテキストマイニング等を行って、そのマーケティング情報に関するキーワード又は目的を抽出し、そのキーワード又は目的を、第2タグとして認識してもよい。
【0094】
また、情報提示システムが候補タグを用いずに第2タグを認識する構成である場合には、候補タグ提示部及びマーケティング情報認識部は、適宜省略してよい。
【0095】
対応タグ認識部1lは、関連情報格納部1gに格納されている質問に付与された第1タグのうち、第2タグに一致する又は関連する第1タグを対応タグとして認識する。
【0096】
具体的には、例えば、対応タグ認識部1lは、タグ情報格納部1cから関連度データを取得し、その関連度データに基づいて、関連情報格納部1gに格納されている質問に付与された第1タグから、第2タグに一致する又は関連する第1タグを認識し、その第1タグを対応タグとして認識する。
【0097】
さらに具体的には、例えば、対応タグ認識部1lは、関連度データに基づいて、第2タグであるキーワード又は目的に対する第1タグであるキーワード又は目的の関連度を算出し、その関連度の高さに応じて、関連情報格納部1gに格納されている質問に付与された第1タグにスコア付けをする。その後、対応タグ認識部1lは、そのスコアが所定の閾値以上の第1タグを、対応タグとして認識する。なお、ユーザの目的とするマーケティングの内容によっては、スコアが閾値以下の第1タグを、対応タグとしてもよい。
【0098】
関連情報取得部1mは、関連情報格納部1gに格納されている一次アンケートを構成している質問から、第1タグのうち対応タグとして認識された第1タグを付与された質問を取得する。また、関連情報取得部1mは、関連情報格納部1gから、その質問に対する回答、及び、その質問に対応する回答者情報も、取得する。
【0099】
アンケート・回答生成部1nは、関連情報取得部1mが取得した質問に基づいて、二次アンケートを生成する。また、アンケート・回答生成部1nは、関連情報取得部1mが取得した回答者による回答に基づいて、その二次アンケートを構成している質問に対する回答を生成する。アンケート・回答生成部1nが生成する二次アンケート及び回答の形式は、マーケティング情報の種類に応じて決定される。
【0100】
なお、本発明の二次アンケートの形式及び回答の形式を決定する方法は、そのような方法に限定されるものではなく、情報提示システムによって提供するサービスの種類等に応じて、システム設計者が適宜設定してよい。そのため、例えば、直接ユーザの希望する形式を問い合わせ、それに対する回答に基づいて、形式を決定してもよい。
【0101】
情報提示部1oは、アンケート・回答生成部1nによって生成された二次アンケート、及び、その二次アンケートを構成している質問に対する回答、並びに、関連情報取得部1mが取得したその回答に対応する回答者に関する回答者情報を、ユーザ端末2を介して、提示する。
【0102】
[各処理部で実行される処理]
次に、図2図5を参照して、情報提示システムSが実行する処理であるマーケティング情報提示方法について説明する。
【0103】
[支援要求を認識する前に実行する処理]
まず、図2及び図3を参照して、情報提示システムSが支援要求を認識する前に実行する処理について説明する。
【0104】
この処理においては、まず、アンケート実施部1aが、複数の質問からなる一次アンケートを、複数の対象者に対して、個々の対象者が使用している対象者端末3の各々にそれらの質問に対する回答を入力可能な形式で提示することによって、実施する(図3/STEP100)。
【0105】
次に、質問認識部1bが、実施された一次アンケートを構成している複数の質問の各々を認識する(図3/STEP101)。
【0106】
次に、第1タグ付与部1dが、タグ情報格納部1cから取得したキーワード相関データ及び目的相関データの少なくとも一方に基づいて、質問認識部1bが認識した質問に対し、その質問に関するキーワード又は目的である第1タグを付与する(図3/STEP102)。
【0107】
次に、回答認識部1eが、実施された一次アンケートを構成している複数の質問の各々について、個々の質問に対して複数の回答者の各々が対象者端末3を介して入力した回答を、認識する(図3/STEP103)。
【0108】
次に、回答者情報認識部1fが、複数の回答者の各々について、その回答者の属性及び嗜好を含む回答者情報を、一次アンケートを構成している質問に対する回答に基づいて、認識する(図3/STEP104)。
【0109】
次に、関連情報格納部1gは、一次アンケートを構成している複数の質問の各々について、その質問に付与された第1タグ、その質問に対する回答、及び、複数の回答者のうちその回答に対応する回答者に関する回答者情報を紐づけて格納し(図3/STEP105)、情報提示システムSは、今回の処理を終了する。
【0110】
このように、情報提示システムSは、予め、質問を実施するとともに、その質問について、第1タグを付与し、その後、その質問に、付与された第1タグ、その質問に対する回答、及び、その質問に対して回答した回答者に関する回答者情報を、紐づけて格納しておく。
【0111】
なお、質問を認識する処理(STEP101の処理)、質問に第1タグを付与する処理(STEP102の処理)、質問に第1タグを付与して格納する処理(STEP105の一部の処理)は、アンケートを実施する処理(STEP100)の以前に実行してもよい。
【0112】
また、STEP100~STEP105の処理を複数回実行することによって、関連情報格納部1gに格納されている情報が更新されるように構成してもよい。そのように構成した場合、その処理は、支援要求が認識される前までに少なくとも1回実行されていればよく、2回目以降の処理は、支援要求が認識される前であっても、支援要求が認識された後であっても実行してよい。
【0113】
[支援要求を認識する際に実行する処理]
次に、図2及び図4を参照して、情報提示システムSが支援要求を認識する際に実行する処理について説明する。
【0114】
この処理においては、まず、マーケティング情報認識部1iが、ユーザが希望しているマーケティングに関するマーケティング情報を把握するための質問を、その質問に対する回答を入力可能な形式でユーザ端末2に提示することによって、実施する(図4/STEP200)。
【0115】
次に、マーケティング情報認識部1iが、マーケティング情報を把握するための質問に対する回答に基づいて、マーケティング情報を認識する(図4/STEP201)。
【0116】
次に、候補タグ提示部1jが、マーケティング情報認識部1iから取得したマーケティング情報を把握するための質問、それに対する回答、及び、マーケティング情報の少なくとも1つから、ユーザが実施しようとしているマーケティングに対応する第2タグとなる可能性のある複数の候補タグを認識する(図4/STEP202)。
【0117】
次に、候補タグ提示部1jが、認識された複数の候補タグから、ユーザ端末2を介して提示する候補タグを選択する(図4/STEP203)。
【0118】
次に、候補タグ提示部1jが、選択された候補タグを、選択可能な形式で、ユーザ端末2を介して提示する(図4/STEP204)。
【0119】
このとき、候補タグとともに、候補タグの再選択を要求するためのボタンも、ユーザ端末2を介して提示される。
【0120】
次に、候補タグ提示部1j及び支援要求認識部1hは、提示された複数の候補タグのうちのいずれか候補タグが選択されたか否かを判断する(図4/STEP205)。
【0121】
具体的には、候補タグ提示部1j及び支援要求認識部1hは、ユーザ端末2から、いずれかの候補タグが選択された旨の信号を受信した場合には、いずれかの候補タグが選択されたと判断する。一方、候補タグ提示部1j及び支援要求認識部1hは、候補タグの再選択を要求するためのボタンが選択された旨の信号を受信した場合には、いずれの候補タグも選択されなかったと判断する。
【0122】
いずれの候補タグも選択されなかった場合(STEP205でNOの場合)、候補タグ提示部1jが、提示する候補タグを変更する(図4/STEP206)。
【0123】
具体的には、候補タグ提示部1jが、一度提示した複数の候補タグの全部又は一部を除外して、残りの候補タグから、改めて提示する候補タグを選択する。なお、除外する候補タグは、システム設計者等が適宜設定してよい。
【0124】
そのため、例えば、候補タグ提示部1jは、候補タグを複数選択する構成である場合には、選択済みの候補タグに類似するか否かに基づいて、除外するか否かを決定するように構成されていてもよい。また、候補タグ提示部1jは、一度提示して選択されなかった提示タグは再度提示しないように構成されていてもよい。
【0125】
その後、STEP204に戻り、候補タグ提示部1jが、STEP204以降の処理を再度実行する。
【0126】
一方、いずれかの候補タグが選択された場合(STEP205でYESの場合)、支援要求認識部1hが、その選択がなされた旨の信号をもって、支援要求がなされた旨を認識し(図4/STEP207)、情報提示システムSは、今回の処理を終了する。
【0127】
[支援要求を認識した後に実行する処理]
次に、図2及び図5を参照して、情報提示システムSが支援要求を認識した後に実行する処理について説明する。
【0128】
この処理においては、まず、第2タグ認識部1kが、STEP205の処理で選択された候補タグを、第2タグとして認識する(図5/STEP300)。
【0129】
次に、対応タグ認識部1lが、関連情報格納部1gに格納されている質問に付与された第1タグのうち、第2タグに一致する又は関連する第1タグを対応タグとして認識する(図5/STEP301)。
【0130】
次に、関連情報取得部1mが、関連情報格納部1gに格納されている一次アンケートを構成している質問から、第1タグのうち対応タグとして認識された第1タグを付与された質問、その質問に対する回答、及び、その質問に対応する回答者情報を取得する(図5/STEP302)。
【0131】
次に、アンケート・回答生成部1nが、関連情報取得部1mが取得した質問及びその質問に対する回答に基づいて、二次アンケート、及び、その二次アンケートを構成している質問に対する回答を生成する(図5/STEP303)。
【0132】
次に、情報提示部1oが、アンケート・回答生成部1nによって生成された二次アンケート、及び、その二次アンケートを構成している質問に対する回答とともに、関連情報取得部1mが取得したその回答に対応する回答者に関する回答者情報を、ユーザ端末2を介して、提示し(図5/STEP304)、情報提示システムSは、今回の処理を終了する。
【0133】
以上説明したように、情報提示システムSは、予め、一次アンケート(すなわち、それに含まれる質問)を実施するとともに、その一次アンケートを構成している複数の質問の各々について、その質問に付与された第1タグ、その質問に対する回答、及び、その質問に対して回答した回答者に関する回答者情報を紐づけて格納しておく。
【0134】
その後、情報提示システムSは、ユーザからの支援要求を認識した場合に、そのユーザが支援を求めているマーケティングについて第2タグを認識し、その第2タグに対応する対応タグを質問に付与された第1タグから認識するとともに、その対応タグを付与された質問、その質問に対する回答、及び、その質問に対して回答した回答者に関する回答者情報を、予め格納していた情報から取得する。
【0135】
そのうえで、情報提示システムSは、取得した内容に基づいて、改めて、支援要求に関するマーケティングに対応するアンケート、及び、そのアンケートを構成している質問に対する回答を生成するとともに、生成されたアンケート及びその回答、並びに、取得した回答者情報を、提示する。
【0136】
これにより、情報提示システムSでは、ユーザがマーケティングを実施する際に、その都度に複数の質問によって構成されるアンケートを設計して実施しなくても、既に収集済みの情報からそのマーケティングに有用な情報を取得することができる。
【0137】
したがって、情報提示システムSによれば、ユーザは、アンケートの設計及び実施のたびに必要となっていたコストの削減を図ることができる。ひいては、情報提示システムSによれば、ユーザの規模が小さくても容易に利用することができ、また、幅広い範囲のマーケティングをリーズナブルに実施することができる。
【符号の説明】
【0138】
1 サーバ
1a アンケート実施部
1b 質問認識部
1c タグ情報格納部
1d 第1タグ付与部
1e 回答認識部
1f 回答者情報認識部
1g 関連情報格納部
1h 支援要求認識部
1i マーケティング情報認識部
1j 候補タグ提示部
1k 第2タグ認識部
1l 対応タグ認識部
1m 関連情報取得部
1n アンケート・回答生成部
1o 情報提示部
2 ユーザ端末
3 対象者端末
S 情報提示システム(マーケティング支援情報提示システム)
図1
図2
図3
図4
図5