(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023030538
(43)【公開日】2023-03-08
(54)【発明の名称】建物のオートロックシステム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04M 9/00 20060101AFI20230301BHJP
【FI】
H04M9/00 H
H04M9/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021135721
(22)【出願日】2021-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】309006039
【氏名又は名称】株式会社アーキテクト・ディベロッパー
(74)【代理人】
【識別番号】100166464
【弁理士】
【氏名又は名称】山元 真人
(72)【発明者】
【氏名】井村 航
【テーマコード(参考)】
5K038
【Fターム(参考)】
5K038AA06
5K038CC12
5K038DD22
5K038FF01
5K038FF11
5K038GG06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】建物の内外を仕切るエントランス扉の開閉を管理する共用部オートロック、建物への出入り等を管理する情報処理機器及び居住者が所持する情報処理端末などの各装置が物理的な配線を伴わずに別々に設置されていながら、インターネット経由でつながってデバイス相互間で情報等をやりとりして全体として機能するオートロックシステムを実現し、複数の建物を同時に管理するシステムを提供する。
【解決手段】施錠されたオートロック式ドアの開錠を行う建物システム10は、居住者が持ち歩く情報処理端末40と、訪問者が訪問したい居室番号を入力する情報処理機器30と、該情報処理端末と該情報処理機器が接続し、居室番号と該居室番号の居住者の該情報処理端末の連絡先とが対応している情報を格納しているサーバ20と、を有し、居住者が該情報処理端末を操作し、訪問者と連絡を取り会うこと及び/又は建物全体の内外を仕切る扉を開錠することを行う。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施錠されたオートロック式ドアの開錠を行うシステムであって、
居住者が持ち歩くことができる情報処理端末と、
訪問者が訪問したい居室番号を入力する情報処理機器と、
該情報処理端末と該情報処理機器が接続し、居室番号と該居室番号の居住者の該情報処理端末の連絡先とが対応している情報を格納しているサーバとがあり、
居住者が該情報処理端末を操作し、訪問者と連絡を取りあったり建物全体の内外を仕切る扉を開錠したりすることができることを特徴とするシステム。
【請求項2】
訪問者が訪問したい居室の内外を仕切るドア前に設置されているインターホン端末をさらに有し、
該情報処理端末は、さらに、居住者の居室の内外を仕切るドアを開錠でき、
該サーバは、さらに、該インターホン端末と接続し、
居住者が該情報処理端末を操作し、訪問者と連絡を取りあったり居室のドアを開錠したりすることができることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
該サーバは、さらに、複数の建物を識別するための建物番号を格納していて、複数の建物について同時に処理することができることを特徴とする請求項1ないし2に記載のシステム。
【請求項4】
コンピューターを、
訪問者が訪問したい居室番号を取得する居室番号取得手段と、
該居室番号の居住者と訪問者とが連絡を取り合う連絡手段と、
建物全体の内外を仕切る扉を開錠する開錠手段、
として機能させるためのオートロック式ドア開錠プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物理的な配線を伴わずにインターネット経由でサーバを介してつながりを持って、相互間で情報等をやりとりして全体として機能するとともに、複数の建物を同時に管理することができる建物のオートロックシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物集合エントランス扉、建物集合インターホン、居住者住戸内親機、居住者住戸玄関前インターホンなどの装置が1つのオートロックシステムとして機能するためには、これら全てが相互に物理的な配線でつないで連結されている必要があった。そこで、特許文献1にあるような無線とインターネット回線を使用する試みがされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された発明は、来訪者があることを居住者へ連絡するために無線とインターネット回線を使った携帯端末が使用されているものの、建物の集合インターホンとオートロック機能付きドアは相互に物理的な配線でつないで連結されており、また、居住者の連絡先の電話番号は集合インターホンおよび共用玄関装置のメモリ内に記憶されており、容易に情報を更新したり、一括して情報を管理したりすることができなかった。
【0005】
そこで、本発明は、建物の内外を仕切るエントランス扉の開閉を管理する共用部オートロック、建物への出入り等を管理する情報処理機器、居住者が所持する情報処理端末などの各装置が物理的な配線を伴わずに別々に設置されていながら、インターネット経由でつながって、デバイス相互間で情報等をやりとりして全体として機能するオートロックシステムを実現するとともに、複数の建物を同時に管理することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
施錠されたオートロック式ドアの開錠を行うシステムであって、居住者が持ち歩くことができる情報処理端末と、訪問者が訪問したい居室番号を入力する情報処理機器と、該情報処理端末と該情報処理機器が接続していて、居室番号と該居室番号の居住者の該情報処理端末の連絡先とが対応している情報を格納しているサーバとがあり、居住者が該情報処理端末を操作し、訪問者と連絡を取りあったり建物全体の内外を仕切る扉を開錠したりすることができることを特徴とする。
【0007】
また、訪問者が訪問したい居室の内外を仕切るドア前に設置されているインターホン端末をさらに有し、該情報処理端末は、さらに、居住者の居室の内外を仕切るドアを開錠でき、該サーバは、さらに、該インターホン端末と接続し、居住者が該情報処理端末を操作し、訪問者と連絡を取りあったり居室のドアを開錠したりすることができることを特徴とする。
【0008】
該サーバは、さらに、複数の建物を識別するための建物番号を格納していて、複数の建物について同時に処理することができることを特徴とする。
【0009】
そして、オートロック式ドア開錠プログラムは、コンピューターを、訪問者が訪問したい居室番号を取得する居室番号取得手段と、該居室番号の居住者と訪問者とが連絡を取り合う連絡手段と、建物全体の内外を仕切る扉を開錠する開錠手段、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
このオートロックシステムは、物理的な配線が必要ないので安価に実現でき、サーバで様々な情報及びシステム全体を一括管理できるとともに、複数の建物が存在する場合でも包括して管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】複数の建物システムをサーバが管理する、システムの全体構成を示した図である。
【
図2】建物システムの構成とサーバとの接続を示した図である。
【
図3】建物システムの構成の一例を示した図である。
【
図4】建物システムの構成の一例を示した図である。
【
図5】一実施形態における建物全体の内外を仕切る扉の開錠処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】一実施形態における居室ドアの開錠処理の一例を示すフローチャートである
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態の詳細について図面を参照しながら説明する。ただし、以下に説明する実施形態は一例にすぎず、本開示にかかるオートロックシステムを以下に説明している構成に限定するものではない。また、実施にあたっては実施形態に応じた具体的構成が適宜採用され、種々の改良や変形が行われてもよい。
【0013】
一実施形態におけるシステム1について説明する。建物の訪問者対応システムの一例である。なお、以下の説明は、建物の来訪者が建物に居住している居住者と対話して建物の中に入り、居住者の居室まで行き、居住者と対話して訪問することを想定している。また、システム1は建物が複数あることとして以下で説明しているが、複数でなく1棟の建物だけであってもよいことは言うまでもない。
【0014】
図1に示すように、1棟の建物の出入りを管理する建物システム10があり、システム1は、複数の建物システム10とこれらを同時に管理し処理するサーバ20とから構成され、建物システム10とサーバ20は互いに種々の情報についてネットワークを通じてやり取りする。なお、サーバ20は、建物や建物の居住者などに関する種々の情報を複数の建物について管理する。
【0015】
次に
図2に示すように、建物システム10は、建物への出入り等を管理する情報処理機器30と、手軽に持ち運びできて様々な連絡を取ったりサーバ20と種々の情報をやり取りしたりすることができる情報処理端末40と、建物の内外を仕切るエントランス扉の開閉を管理する共用部オートロック50と、建物内に複数存在する各居室のドアの外側の横付近に設置されている各居室の居住者と連絡を取ることができるインターホン端末60と、各居室の内外を仕切っているドアの鍵の開錠・施錠を制御等するドアロック70とを有する。
【0016】
各々について簡単に説明すると、サーバ20には、建物番号、当該建物の居室番号、居住者と連絡を取ることができる情報処理端末40の電話番号(電話番号でなくても、LINEのIDなどでも良い)など種々の情報が格納されている。また、連絡を取ることができるアプリケーションなど、種々のアプリケーションがインストールされている。
【0017】
またサーバ20は、情報処理機器30、情報処理端末40、共用部オートロック50、インターホン端末60、ドアロック70とネットワークでデータ等の情報を送受信する。なお、サーバ20と情報処理機器30、情報処理端末40、共用部オートロック50、インターホン端末60、ドアロック70との情報のやり取りの詳細については後述する。
【0018】
情報処理機器30は建物の訪問者が連絡を取りたい居住者の居室番号の入力を受け付けるほか、サーバ20と様々な情報のやり取りを行う。
【0019】
情報処理端末40は建物の居住者が所持していて、外部と連絡を取ることができたり、サーバ20と様々な情報のやり取りをしたりすることができる。ここで言う情報処理端末は、スマートホンなどが例として挙げられる。
【0020】
共用部オートロック50は建物の内外を仕切る鍵付きの扉であり、サーバ20と様々な情報のやり取りを行うとともに、指示に従って鍵の開錠や施錠をしてエントランス扉を開閉するなどの種々の動作を行う。
【0021】
インターホン端末60は建物の居室の訪問者が当該居室の居住者と会話するほか、サーバ20と様々な情報のやり取りを行う。
【0022】
ドアロック70は居室の内外を仕切るドアの鍵の開錠や施錠をしてドアを開閉するほか、サーバ20と様々な情報のやり取りを行う。
【0023】
以下に一連の流れを大まかに説明する。図示していない建物の来訪者は、建物の入り口共用部にある建物全体の内外を仕切っているオートロック50の前、エントランス扉の前まで来て、設置されている情報処理機器30を操作して来訪したい建物居住者の居室番号を指定し、建物居住者を呼び出す。呼び出された建物居住者の情報処理端末40には、来訪者がいることが通知される。建物居住者は自己の情報処理端末40を操作し、情報処理機器30と情報処理端末40との回線が確立されたのち、来訪者とのやり取りを開始する。建物居住者は、来訪者と通話等でやりとりをして、来訪者を建物内部に招き入れて良いと判断して、自己の情報処理端末40を操作して共用部オートロック50へ鍵の開錠指示を送信し、開錠指示を受け取った共用部オートロック50は鍵を開錠してエントランス扉が開くようになり、来訪者は建物内部に入ることができるようになる。
【0024】
そして、建物内部に入った来訪者は、訪問したい居室のドアの前まで来て、ドアの横に設置されているインターホン端末60を操作して当該居室の居住者を呼び出す。呼び出された居住者の情報処理端末40には、居室のドアの前に来訪者がいることが通知される。居住者は自己の情報処理端末40を操作し、情報処理端末40とインターホン端末60との回線が確立されたのち、来訪者とのやり取りを開始する。居住者は、来訪者と通話等でやりとりをして、来訪者を居室の中に招き入れて良いと判断して、自己の情報処理端末40を操作してドアロック70へ鍵の開錠指示を送信し、開錠指示を受け取ったドアロック70は鍵を開錠してドアが開くようになり、来訪者は居室の中へ入ることができるようになる。
【0025】
次に、
図3と
図4を参照しながら本システム1の概略構成について説明する。サーバ20は制御部210、記憶部220、通信部230、入力部240、表示部250から構成され、制御部210は、サーバ20内の各部の動作を制御するとともに、サーバ20で実行されるさまざまな処理を制御する。制御部210は、例えばCPU(Central Processing Unit)によって実現される。記憶部220は、サーバ20で実行される処理に使用されるプログラムやその他の情報を記憶する。記憶部220は、例えばフラッシュメモリによって実現される。また、複数の建物を管理できるように、建物ごとに建物番号を付け、この建物番号や建物が建っている住所等の建物の情報が記憶部220に記憶され、さらに、建物ごとの各居室番号と当該居室の居住者と連絡を取ることができる情報処理端末40の電話番号(電話番号でなくても、LINEのIDなどでも良い)との対応関係に関する情報が記憶部220に記憶されている。通信部230は、例えばアンテナによって実現され、情報処理機器30、情報処理端末40、共用部オートロック50、インターホン端末60、ドアロック70との通信を行う。入力部240は、例えばタッチパネルやカメラ、マイクなどによって実現され、画像入力、手入力、音声入力などを入力情報として受け付ける。表示部250は液晶パネルなどによって実現される。
【0026】
情報処理機器30は制御部310、記憶部320、通信部330、入力部340、表示部350から構成され、制御部310は、情報処理機器30内の各部の動作を制御するとともに、情報処理機器30で実行されるさまざまな処理を制御する。制御部310は、例えばCPU(Central Processing Unit)によって実現される。記憶部320は、情報処理機器30で実行される処理に使用されるプログラムや情報処理機器が設置されている建物の建物番号その他の情報を記憶する。記憶部320は、例えばフラッシュメモリによって実現される。通信部330は、例えばアンテナによって実現され、サーバ20との通信を行う。入力部340は、例えばタッチパネルやカメラ、マイクなどによって実現され、画像入力、手入力、音声入力などを入力情報として受け付ける。例えば具体的には、入力部340は来訪者が訪問したい居室番号の入力を受け付ける。表示部350は液晶パネルなどによって実現され、例えば具体的には、訪問者が居室番号を入力するための数字が表示されている。
【0027】
情報処理端末40は制御部410、記憶部420、通信部430、入力部440、表示部450から構成され、制御部410は、情報処理端末40内の各部の動作を制御するとともに、情報処理端末40で実行されるさまざまな処理を制御する。制御部410は、例えばCPU(Central Processing Unit)によって実現される。記憶部420は、情報処理端末40で実行される処理に使用されるプログラムやその他の情報を記憶する。記憶部420は、例えばフラッシュメモリによって実現される。通信部430は、例えばアンテナによって実現され、サーバ20との通信を行う。入力部440は、例えばタッチパネルやカメラ、マイクなどによって実現され、画像入力、手入力、音声入力などを入力情報として受け付ける。例えば具体的には、共用部オートロック50の開錠を受け付けてエントランス扉を開けたりする。表示部450は液晶パネルなどによって実現され、例えば具体的には、訪問者があることを表示したり共用部オートロック50の開錠ボタンを表示したりする。
【0028】
共用部オートロック50は制御部510、記憶部520、通信部530、操作部540から構成され、制御部510は、共用部オートロック50内の各部の動作を制御するとともに、共用部オートロック50で実行されるさまざまな処理を制御し、特に、建物の内外を仕切る扉の鍵の開錠・施錠を制御等する。制御部510は、例えばCPU(Central Processing Unit)によって実現される。記憶部520は、共用部オートロック50で実行される処理に使用されるプログラムやその他の情報を記憶する。記憶部520は、例えばフラッシュメモリによって実現される。通信部530は、例えばアンテナによって実現され、サーバ20との通信を行う。操作部540は、例えば入力や表示などの操作に必要な様々な装置によって実現される。なお、共用部オートロック50はサーバ20からの指示を中継する機器(例えば、HUBなど)のような簡易なもので構成されていてもよい。
【0029】
インターホン端末60は制御部610、記憶部620、通信部630、入力部640、表示部650から構成され、制御部610は、インターホン端末60内の各部の動作を制御するとともに、インターホン端末60で実行されるさまざまな処理を制御する。制御部610は、例えばCPU(Central Processing Unit)によって実現される。記憶部620は、インターホン端末60で実行される処理に使用されるプログラムやその他の情報、特に、当該居室の居室番号や建物番号などの様々な情報を記憶する。記憶部620は、例えばフラッシュメモリによって実現される。通信部630は、例えばアンテナによって実現され、サーバ20との通信を行う。入力部640は、例えばタッチパネルやカメラ、マイクなどによって実現され、画像入力、手入力、音声入力などを入力情報として受け付ける。表示部650は液晶パネルなどによって実現され、例えば具体的には、訪問者が居住者を呼び出すためのボタンが表示されている。
【0030】
ドアロック70は制御部710、記憶部720、通信部730、操作部740から構成され、制御部710は、ドアロック70内の各部の動作を制御するとともに、ドアロック70で実行されるさまざまな処理を制御し、特に、各居室のドアの鍵の開錠・施錠を制御等する。制御部710は、例えばCPU(Central Processing Unit)によって実現される。記憶部720は、ドアロック70で実行される処理に使用されるプログラムやその他の情報を記憶する。記憶部720は、例えばフラッシュメモリによって実現される。通信部730は、例えばアンテナによって実現され、サーバ20との通信を行う。操作部740は、例えば入力や表示などの操作に必要な様々な装置によって実現される。なお、ドアロック70はサーバ20からの指示を中継する機器(例えば、HUBなど)のような簡易なもので構成されていてもよい。
【0031】
次に、
図5を参照しながら、本システム1の共用部オートロック50を開錠等して来訪者を建物内部に招き入れるために実行される処理について説明する。本実施形態では、サーバ20、情報処理機器30、情報処理端末40、共用部オートロック50はいずれも稼働状態にある。
【0032】
図5はサーバ20、情報処理機器30、情報処理端末40、共用部オートロック50によって実行される処理のフローチャートである。なお、サーバ20の制御部210、情報処理機器30の制御部310、情報処理端末40の制御部410、共用部オートロック50の制御部510が、
図5に示すフローチャートの処理を実行する。
【0033】
ステップS11において、建物の来訪者は建物の入り口共用部にある建物全体の内外を仕切っている共用部オートロック50の前まで来て、共用部オートロック50の前に設置されている情報処理機器30を操作し、具体的には、訪問したい居室番号を入力部340から入力する。制御部310は入力部340から入力された居室番号の情報や建物番号を通信部330からサーバ20へ送信する。
【0034】
次に、ステップS12において、サーバ20は情報処理機器30の制御部310が通信部330により送信した居室番号と建物番号を通信部230で受信し、記憶部220に記憶されている建物番号と居室番号に対応する居住者の情報処理端末の情報に基づいて、来訪者があることを当該居住者の情報処理端末40に知らせるため、来訪者があることを表示する指示または/かつ情報処理端末40を鳴動する指示を通信部230により情報処理端末40の通信部430に送信する。
【0035】
次に、ステップS13において、情報処理端末40はサーバ20の制御部210が通信部230により送信した指示を通信部430により受信し、来訪者が建物の入り口共用部にある建物全体の内外を仕切っている共用部オートロック50の前まで来て、共用部オートロック50の前に設置されている情報処理機器30を操作していることを表示部450で表示または/かつ情報処理端末40を鳴動する。そして、図示しない当該居室番号の居住者は情報処理端末40を操作し、具体的には表示部450に表示された来訪者があることを知らせるボタンを押したり、情報処理機器30とのやり取りを開始するボタンを押したりする。情報処理端末40は情報処理機器30と通信を確立し、居住者は来訪者とのやり取りを開始する。図示しない当該居室番号の居住者は、来訪者との通話等のやり取りにより来訪者を建物内部に招き入れて良いかどうか判断し、来訪者を建物内部に招き入れる場合は情報処理端末40を操作して、より具体的には例えば、情報処理端末40に表示されている共用部オートロック50を開錠するボタンを押すなどの開錠操作をする。当該開錠操作がされると、制御部410は建物の共用部オートロック50を開錠する指示を通信部430を通してサーバ20に送信する。
【0036】
次に、ステップS14において、サーバ20は情報処理端末40の制御部410が通信部430により送信した共用部オートロック50を開錠する指示を通信部230により受信し、開錠操作を開始する。具体的には、受信した共用部オートロック50の開錠指示に基づき、制御部210は共用部オートロック50を開錠する指示を通信部230を通して共用部オートロック50に送信する。
【0037】
次に、ステップS15において、共用部オートロック50はサーバ20の制御部210が通信部230により送信した開錠指示を通信部530により受信し、エントランス扉の開錠操作をする。
【0038】
以上により、来訪者は建物の内部に入ることが可能になる。
【0039】
なお、共用部オートロック50が建物の内外を仕切るエントランス扉の鍵の開錠・施錠を制御等してエントランス扉を開閉するものとして説明したが、共用部オートロック50が建物の内外を仕切るエントランス扉として動作する自動ドアとつながっていて、駆動部等を有する自動ドアの鍵の開錠・施錠を制御等して自動ドアが開閉することとしてもよい。
【0040】
次に、
図6を参照しながら、来訪者が居室前まで来てドア前のインターホン端末60を操作して居住者と連絡を取り、居住者がドアロック70を開錠等して来訪者を居室に招き入れるために実行される処理について説明する。本実施形態では、サーバ20、情報処理端末40、インターホン端末60、ドアロック70はいずれも稼働状態にある。
【0041】
図6はサーバ20、情報処理端末40、インターホン端末60、ドアロック70によって実行される処理のフローチャートである。なお、サーバ20の制御部210、情報処理端末40の制御部410、インターホン端末60の制御部610、ドアロック70の制御部710が、
図6に示すフローチャートの処理を実行する。
【0042】
ステップS21において、建物の来訪者は居室の前まで来てドアの前に設置されているインターホン端末60を操作し、これに対応してインターホン端末60の制御部610は通信部630から、来訪者があることやインターホン端末60が押された居室番号と建物番号等に関する情報をサーバ20へ送信する。
【0043】
次に、ステップS22において、サーバ20はインターホン端末60の制御部610が通信部630により送信された情報を通信部230で受信し、記憶部220に記憶されている建物番号と居室番号に対応する居住者の情報処理端末の情報に基づいて、来訪者が居室のドアの前まで来て居室前のインターホン端末60を操作していることを当該居住者の情報処理端末40に知らせるため、居室前のインターホン端末60が操作されたことを表示する指示または/かつ情報処理端末40を鳴動する指示を通信部230により情報処理端末40の通信部430に送信する。
【0044】
次に、ステップS23において、情報処理端末40はサーバ20の制御部210が通信部230により送信した指示を通信部430により受信し、表示部450で来訪者が居室のドアの前まで来て居室前のインターホン端末60が操作していることを表示または/かつ情報処理端末40を鳴動する。そして、居住者は情報処理端末40を操作し、具体的には、表示部450に表示されている来訪者が居室前のインターホン端末60を操作していることを知らせるボタンを押したり、インターホン端末60とのやり取りを開始するボタンを押したりする。情報処理端末40はインターホン端末60との通信を確立し、居住者は来訪者とのやり取りを開始する。居住者は、来訪者との通話等のやり取りにより来訪者を居室内部に招き入れて良いかどうか判断し、来訪者を居室の中へ招き入れる場合は情報処理端末40を操作して、より具体的には例えば、情報処理端末40に表示されているドアを開錠するボタンを押すなどの開錠操作をする。当該開錠操作がされると、制御部410は居室のドアロック70を開錠する指示を通信部430からサーバ20へ送信する。
【0045】
次に、ステップS24において、サーバ20は情報処理端末40の制御部410が通信部430により送信した居室のドアロック70を開錠する指示を通信部230により受信し、開錠操作を開始する。具体的には、受信した居室のドアロック70の開錠指示に基づき、制御部210はドアロック70を開錠する指示を通信部230からドアロック70へ送信する。
【0046】
次に、ステップS25において、ドアロック70はサーバ20の制御部210が通信部230により送信した開錠指示を通信部730により受信し、居室前のドアの開錠操作をする。
【0047】
以上により、来訪者は居室の内部に入ることが可能になる。
【符号の説明】
【0048】
10:建物システム
20:サーバ
30:情報処理機器
40:情報処理端末
50:共用部オートロック
60:インターホン端末
70:ドアロック