(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023030541
(43)【公開日】2023-03-08
(54)【発明の名称】作業車両
(51)【国際特許分類】
B60R 11/02 20060101AFI20230301BHJP
B60P 3/22 20060101ALN20230301BHJP
【FI】
B60R11/02 C
B60P3/22 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021135725
(22)【出願日】2021-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】秋山 優二
(72)【発明者】
【氏名】尾原 歩希
【テーマコード(参考)】
3D020
【Fターム(参考)】
3D020BA04
3D020BB07
3D020BC19
3D020BE01
(57)【要約】
【課題】エンジンと、エンジンの駆動力によって稼働される作業装置と、作業装置の状態を表示するパネルとを備える作業車両であって、エンジンを駆動させることが問題視されるような状況下であっても、一旦エンジンを駆動させることなく、パネルを作動させることができる作業車両を提供する。
【解決手段】液晶画面71と供給電源13とを電気的に接続する接続状態、及び切断する切断状態に切替え可能なリレー回路78と、PTOスイッチ12の操作に基づきPTO6の動作を制御するとともに、確認スイッチ75の操作に基づきリレー回路78の動作を制御する制御装置76とを備え、制御装置76は、PTOスイッチ12がオン操作されたことを示す信号が入力されるとPTO6を伝達状態に切り替えるとともに、リレー回路78を接続状態に切り替え、確認スイッチ75がオン操作されたことを示す信号が入力されるとリレー回路78を接続状態に切り替える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、
前記エンジンの駆動力によって稼働される作業装置と、
前記作業装置に前記駆動力を伝達する伝達状態と、前記作業装置への前記駆動力の伝達を遮断する遮断状態とを切替え可能な駆動切替え装置とを備える作業車両であって、
前記駆動切替え装置の伝達状態と遮断状態とを切替え操作するための切替えスイッチと、
前記作業装置の状態を表示するパネルと、
前記パネルに電力を供給する供給電源と、
前記パネルと前記供給電源とを電気的に接続する接続状態と、前記パネルと前記供給電源とを電気的に切断する切断状態とを切替え可能なリレー回路と、
前記リレー回路の接続状態と切断状態とを切り替え操作するための確認スイッチと、
前記切替えスイッチの操作に基づいて前記駆動切替え装置の動作を制御するとともに、前記確認スイッチの操作に基づいて前記リレー回路の動作を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記切替えスイッチがオン操作されたことを示す信号が入力されると前記駆動切替え装置を伝達状態に切り替えるとともに、前記リレー回路を接続状態に切り替え、
前記確認スイッチがオン操作されたことを示す信号が入力されると前記リレー回路を接続状態に切り替える、
ことを特徴とする作業車両。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記確認スイッチがオン操作されてから所定時間が経過すると、前記リレー回路を切断状態に切り替える、
ことを特徴とする、請求項1に記載の作業車両。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記切替えスイッチがオン操作されたことを示す信号が入力された場合、
前記所定時間の経過後であっても、前記リレー回路を接続状態に保持する、
ことを特徴とする、請求項2に記載の作業車両。
【請求項4】
前記確認スイッチは、モーメンタリ動作型のスイッチにより構成され、
前記制御装置は、
前記所定時間の経過前において、
前記確認スイッチがオン操作されたことを示す信号が再び入力されると、
前記所定時間の経過を待たずに前記リレー回路を切断状態に切り替える、
ことを特徴とする、請求項2または請求項3に記載の作業車両。
【請求項5】
前記作業車両は、
前記エンジンが駆動状態となるON状態と、前記エンジンが停止状態となるOFF状態とを切替え操作するためのキースイッチを備え、
前記確認スイッチは、モーメンタリ動作型のスイッチにより構成され、
前記制御装置は、
キースイッチがON状態にあることを示す信号が入力され、且つ前記駆動切替え装置が遮断状態にあることを示す信号が入力されている場合、
前記確認スイッチがオン操作されたことを示す信号が入力されている間だけ、前記リレー回路を接続状態に切り替える、
ことを特徴とする、請求項1~請求項4の何れか一項に記載の作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば粉粒体運搬車等のような、特殊な運搬物である粉粒体を収容可能なタンクと、当該タンク内を加圧可能なコンプレッサとを有する架装物(作業装置)を備える作業車両が知られている。
上記作業車両においては、PTO(駆動切替え装置)を介して、エンジンと作業装置(より具体的には、コンプレッサ)とが連結されており、当該駆動切替え装置を操作してエンジンの駆動力を作業装置に伝達することにより、コンプレッサが駆動され、当該作業装置が稼働する。
そして、このような作業車両においては、一般的に、作業装置の状態(より具体的には、タンク内の圧力)を表示するメータパネル(パネル)が設けられている(例えば、「特許文献1」を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のパネルについては、近年、表示画面のデジタル化が普及しており、当該パネルを作動させるためには、電力の供給が必要となる。
ここで、パネルの表示が必要となるのは、主に作業装置が稼働状態の場合であることから、一般的に、当該パネルへの電力の供給は、上記駆動切替え装置を操作するPTOスイッチ(切替えスイッチ)を用いて行われる。
具体的には、エンジンの駆動状態において、切替えスイッチを用いて、エンジンの駆動力が作業装置に伝達されるように駆動切替え装置を操作すると、電力の供給源であるバッテリがパネルと接続され、当該パネルに電力が供給される。
そのため、例えば、エンジンが停止しており、作業装置が稼働していない状態において、当該作業装置の状態(タンク内の圧力)をパネルによって確認する必要が生じた場合、パネルを表示させるには、一旦エンジンを駆動させた後に切替えスイッチを操作して、当該パネルに電力を供給しなければならない。
従って、例えば、アイドリングが禁止されている作業場所や、夜間で騒音が問題視されるような場所であっても、パネルを作動させる必要が生じた場合には、余儀なくエンジンを駆動させなければならなかった。
【0005】
本発明は、以上に示した現状の問題点に鑑みてなされたものであり、エンジンと、当該エンジンの駆動力によって稼働される作業装置と、当該作業装置の状態を表示するパネルとを備える作業車両であって、エンジンを駆動させることが問題視されるような状況下であっても、一旦エンジンを駆動させることなく、パネルを作動させることができる作業車両を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、本発明に係る作業車両は、エンジンと、前記エンジンの駆動力によって稼働される作業装置と、前記作業装置に前記駆動力を伝達する伝達状態と、前記作業装置への前記駆動力の伝達を遮断する遮断状態とを切替え可能な駆動切替え装置とを備える作業車両であって、前記駆動切替え装置の伝達状態と遮断状態とを切替え操作するための切替えスイッチと、前記作業装置の状態を表示するパネルと、前記パネルに電力を供給する供給電源と、前記パネルと前記供給電源とを電気的に接続する接続状態と、前記パネルと前記供給電源とを電気的に切断する切断状態とを切替え可能なリレー回路と、前記リレー回路の接続状態と切断状態とを切り替え操作するための確認スイッチと、前記切替えスイッチの操作に基づいて前記駆動切替え装置の動作を制御するとともに、前記確認スイッチの操作に基づいて前記リレー回路の動作を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記切替えスイッチがオン操作されたことを示す信号が入力されると前記駆動切替え装置を伝達状態に切り替えるとともに、前記リレー回路を接続状態に切り替え、前記確認スイッチがオン操作されたことを示す信号が入力されると前記リレー回路を接続状態に切り替えることを特徴とする。
このように、本発明においては、確認スイッチがオン操作されるだけで、パネルと供給電源とが、リレー回路を介して接続状態となることから、エンジンを駆動させることが問題視されるような状況下であっても、一旦エンジンを駆動させる必要もなく、パネルを作動させて作業装置の状態を表示することができる。
【0008】
また、本発明に係る作業車両において、前記制御装置は、前記確認スイッチがオン操作されてから所定時間が経過すると、前記リレー回路を切断状態に切り替えることが好ましい。
このような構成を有することにより、長時間に亘ってパネルの作動状態が保持されることで、当該パネルに電力を供給する供給電源が、バッテリ切れ(電力浪費)となるのを抑制することができる。
【0009】
また、本発明に係る制御装置は、前記切替えスイッチがオン操作されたことを示す信号が入力された場合、前記所定時間の経過後であっても、前記リレー回路を接続状態に保持することが好ましい。
このような構成を有することにより、切替えスイッチがオン操作された場合には、上記所定時間の経過に関わらずパネルの作動状態が保持され、作業装置の状態を表示することから、不意にパネルの作動が停止するのを気にすることなく、作業者は作業を進めることができる。
【0010】
また、本発明に係る作業車両において、前記確認スイッチは、モーメンタリ動作型のスイッチにより構成され、前記制御装置は、前記所定時間の経過前において、前記確認スイッチがオン操作されたことを示す信号が再び入力されると、前記所定時間の経過を待たずに前記リレー回路を切断状態に切り替えることが好ましい。
このような構成を有することにより、パネルを作動させて作業装置の状態を表示する必要が無くなった場合には、上記所定時間の経過を待たずに、直ちにパネルへの電力の供給を遮断することができるため、供給電源の省エネ化が図られ経済的である。
【0011】
また、本発明に係る作業車両は、前記エンジンが駆動状態となるON状態と、前記エンジンが停止状態となるOFF状態とを切替え操作するためのキースイッチを備え、前記確認スイッチは、モーメンタリ動作型のスイッチにより構成され、前記制御装置は、キースイッチがON状態にあることを示す信号が入力され、且つ前記駆動切替え装置が遮断状態にあることを示す信号が入力されている場合、前記確認スイッチがオン操作されたことを示す信号が入力されている間だけ、前記リレー回路を接続状態に切り替えることが好ましい。
このように、本発明においては、エンジンが駆動され、且つ駆動切替え装置が遮断状態(即ち、エンジンの駆動力が作業車両の走行車輪に伝達可能な状態)にある場合、確認スイッチをオン操作している間に限り、パネルを作動させて作業装置の状態を表示することとしている。
従って、作業車両の走行時においては、作業者の手が確認スイッチから離れていることから、当該確認スイッチがオン操作されてパネルが作動することはなく、当該パネルの表示画面の明かりが、作業車両の表示ランプ(例えば、ブレーキランプやウインカー等)と誤認される虞がない。
また、このような、作業車両が走行可能な状態であっても、例えば不意に、作業装置の状態を確認する必要が生じた場合には、確認スイッチをオン操作することにより、直ちにパネルを作動させて作業装置の状態を表示させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、本発明に係る作業車両によれば、エンジンを駆動させることが問題視されるような状況下であっても、一旦エンジンを駆動させることなく、パネルを作動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係る作業車両の全体的な構成を示した側面図である。
【
図3】メータパネルを制御する制御装置の構成を示したブロック図である。
【
図4】エンジンが停止状態である場合のメータパネルの作動手順を説明するための図であって、(a)はエンジンがOFF状態に切替え操作されている状態を示した回路図であり、(b)は確認スイッチをオン操作した直後の状態を示した回路図であり、(c)は確認スイッチを再び非操作時の状態に復帰させた状態を示した回路図である。
【
図5】エンジンが停止状態である場合のメータパネルの作動手順を説明するための図であって、確認スイッチを再び非操作時の状態に復帰させた後、所定の出力時間の経過を待たずに、再び確認スイッチをオン操作した直後の状態を示した回路図である。
【
図6】PTOが伝達状態である場合のメータパネルの作動手順を説明するための回路図である。
【
図7】エンジンが駆動状態であり、且つPTOが遮断状態である場合のメータパネルの作動手順を説明するための回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の一実施形態について、
図1乃至
図7を用いて説明する。
なお、以下の説明においては便宜上、
図1中に示す矢印の方向によって、作業車両1の前後方向、及び上下方向を規定して記述する。
【0015】
[作業車両1の全体構成]
先ず、本発明を具現化する作業車両1の全体構成について、
図1及び
図3を用いて説明する。
本実施形態における作業車両1は、例えば、特殊な運搬物である粉粒体(例えば、セメント、石灰、または化学薬品等)を運搬する粉粒体運搬車である。
【0016】
なお、作業車両1の構成については、本実施形態に限定されることはなく、エンジン3が停止しており、作業装置が稼働していない状態において、当該作業装置の状態を確認可能であることが望まれる車両であれば、何れのものであってもよい。
【0017】
例えば、作業車両1は、運搬物である土砂を積載する場合に、エンジン3を停止させて計量器を確認可能であることが望まれる計量器付きダンプトラック等であってもよい。
また、作業車両1は、夜間において、運搬物であるゴミ等を積載する場合に、騒音防止のためにエンジン3を停止させて積載作業を行うことが必要であり、積込装置を稼働させることなくホッパにゴミを投入させた状態で計量器を視認可能であることが望まれる計量器付き塵芥車等であってもよい。
さらに、作業車両1は、運搬物がガソリンなどの可燃物であり、エンジン3を停止させてタンク内に運搬物を積載する必要があるものの、計量器を確認しつつ運搬物の積載作業を行うことが望まれる計量器付きタンクローリ等であってもよい。
【0018】
作業車両1は、
図1に示すように、進行方向(本実施形態においては、前後方向)に延びるシャシ2を備え、当該シャシ2には、走行用駆動源であるエンジン3(
図3を参照)、粉粒体を収容可能なタンク4、タンク4内に加圧空気を供給可能なコンプレッサ5、並びにコンプレッサ5に対してエンジン3の駆動力を伝達及び遮断可能なPTO6(
図3を参照)などが搭載されている。
【0019】
ここで、タンク4及びコンプレッサ5は、本発明に係る作業装置の一例であって、エンジン3の駆動力によってコンプレッサ5が駆動されることにより稼働される。
また、PTO6は、本発明に係る駆動切替え装置の一例であって、
図3に示すように、エンジン3とコンプレッサ5とを連結する駆動連結機構部(図示せず)の間に設けられ、コンプレッサ5にエンジン3の駆動力を伝達する伝達状態と、コンプレッサ5へのエンジン3の駆動力の伝達を遮断する遮断状態とを切替え可能に構成されている。
【0020】
そして、
図1に示すように、作業車両1には、上記作業装置の状態(本実施形態においては、後述するタンク本体41や排出管45の内部の圧力、及びコンプレッサ5の回転数など)を表示可能なメータパネル7が備えられ、シャシ2の上面の側方に配置されている。
なお、メータパネル7の詳細な構成については、後述する。
【0021】
タンク4は、前後方向に延びる略中空円筒形状のタンク本体41、タンク本体41の上部において前後方向に離間して固設される複数(本実施形態においては3個)のマンホール形成筒42・42・42、及びタンク本体41の後端下部に設けられる円環状の排出口形成体43などを備える。
また、排出口形成体43の内周側には、タンク本体41の内側と外側とを連通する排出口(図示せず)が設けられており、タンク4は、当該排出口を開閉可能な略円錐テーパ状のハッチ44、及びハッチ44の突出端部に接続されて後方に延びる排出管45などを備える。
なお、上記排出口と排出管45とは、ハッチ44の内部空間を介して連通されている。
【0022】
各マンホール形成筒42は、その内周部を介して、タンク本体41内への粉粒体の投入や、当該タンク本体41のメンテナンスを行うためのマンホールを構成するとともに、マンホール蓋46によって適宜開閉可能な構成となっている。
【0023】
排出管45は、ハッチ44とともに、剛性の高い鋼材によって形成されている。
排出管45の一端部(ハッチ44側の端部)には、例えばバタフライ弁等からなる開閉弁47が設けられており、タンク本体41の外部において、付属の操作レバー47aを用いて、開閉弁47の開閉操作を適宜実行可能な構成となっている。
【0024】
そして、排出管45は、例えば作業車両1が走行状態である平常時においては、開閉弁47が閉弁状態に操作されて閉塞される。
また、排出管45は、タンク本体41から粉粒体を排出する排出時においては、開閉弁47が開弁状態に操作されて開放される。
【0025】
なお、上記排出時において、排出管45の他端部(ハッチ44側との反対側の端部)には、例えばデリバリーホースからなる排出ホース8の一端部が着脱可能に接続されるとともに、当該排出ホース8の他端部は、例えばサイロ等からなる粉粒体収容容器9に接続される。
【0026】
シャシ2の後端部には、軸方向を水平方向(本実施形態においては、左右方向)とするタンク用回動支軸21が設けられており、タンク本体41は、後端部における、ハッチ44に対して前側且つ下側において、当該タンク用回動支軸21を中心にして、後斜め上方に向かって傾動、即ちダンプするように、シャシ2と揺動可能に連結されている。
【0027】
また、シャシ2の前端部において、当該シャシ2の上面と、タンク本体41の前端部との間には、例えばテレスコ(登録商標)ピック式のリフトシリンダからなる傾動用アクチュエータ10が介装されており、当該傾動用アクチュエータ10が伸長することにより、タンク本体41が後斜め上方に向かって傾動(ダンプ)するように構成されている。
なお、シャシ2の適所には、傾動用アクチュエータ10に対して作動油圧を適宜供給可能な、油圧ポンプを含む油圧供給系(図示せず)が搭載されている。
【0028】
さらに、シャシ2の適所(本実施形態においては、シャシ2の前後方向中途部、且つ下部)には、タンク本体41の内部、及び排出管45の内部に加圧空気を各々供給する、コンプレッサ5が搭載される。
また、コンプレッサ5と、タンク本体41及び排出管45とは、コンプレッサ5から後方に向かって延びるコンプレッサ配管51、並びに、当該コンプレッサ配管51の下流側(即ち、加圧空気の流動方向の下流側)に設けられるエゼクタ配管52及びエア配管53によって連通されており、上記コンプレッサ配管51は、図示せぬ支持部材等を介して、シャシ2より支持されている。
【0029】
具体的には、コンプレッサ配管51は、下流側の端部において二股に分岐しており、一方の分岐部(以下、「第1分岐部51a」と記載する)が、エゼクタ配管52の上流側(即ち、加圧空気の流動方向の上流側)の端部と接続されるとともに、他方の分岐部(以下、「第2分岐部51b」と記載する)が、エア配管53の上流側の端部と接続されている。
【0030】
そして、エゼクタ配管52の下流側の端部は、排出管45と接続されるとともに、エア配管53の下流側の端部は、タンク本体41と接続される。
これにより、コンプレッサ5と、タンク本体41及び排出管45とは、コンプレッサ配管51、エゼクタ配管52、及びエア配管53によって、加圧空気を供給可能に連通される。
【0031】
なお、エゼクタ配管52の上流側には、コンプレッサ配管51から当該エゼクタ配管52の下流側へと向かう、圧縮空気の流動のみを許容する第1チェック弁54が、設けられている。
また、エア配管53の上流側には、コンプレッサ配管51から当該エア配管53の下流側へと向かう、圧縮空気の流動のみを許容する第2チェック弁55が、設けられている。
【0032】
排出口形成体43の上端部には、軸方向を水平方向(本実施形態においては、左右方向)とするハッチ用回動支軸48が設けられており、ハッチ44は、当該ハッチ用回動支軸48を介して、排出口形成体43と揺動可能に連結されるとともに、ハッチ用回動支軸48を中心として後斜め上方に向かって揺動することにより、排出口形成体43の内周側に設けられる、図示せぬ排出口を開放可能な構成となっている。
【0033】
また、排出口形成体43の周縁部には、複数のクランプ手段(図示せず)が各々等間隔に離間して配置されており、ハッチ44は、これらのクランプ手段によって、排出口形成体43に保持されることにより、上記排出口を確実に閉塞可能な構成となっている。
なお、上記のクランプ手段としては、例えば、粉粒体運搬車のハッチを保持するのに用いられる、従来周知のワンタッチ式のクランプ手段などを採用することができる。
【0034】
上記のハッチ用回動支軸48は、排出口形成体43の側端部(右端部または左端部)、或いは下端部等に設けられていてもよく、ハッチ44は、ハッチ用回動支軸48を中心として側方(右側または左側)、或いは後斜め下方に向かって揺動することにより、上記排出口を開放可能な構成としてもよい。
また、ハッチ44は、上記のクランプ手段やハッチ用回動支軸48を有すことなく、例えば複数のボルト等からなる締結部材を介して、排出口形成体43に対して着脱可能に、固定される構成としてもよい。
【0035】
エゼクタ配管52は、下流側に向かって加圧空気を流動させ、排出管45内に当該加圧空気を噴射することにより、当該排出管45からの粉粒体の排出作業を、助勢、及び促進させるものであり、その下流側の端部が、排出管45側に向って傾斜し、当該排出管45の周壁に挿入されることにより、排出管45の内部と連通する連通孔(図示せず)を形成する。
【0036】
なお、エゼクタ配管52は、図示しないが、可撓性を有するホース部材からなる中間配管部、並びに当該中間配管部の上流側の端部と接続される上流側配管部、及び下流側の端部と接続される下流側配管部などにより構成され、当該上流側配管部を介して、コンプレッサ配管51の第1分岐部51aと接続されるとともに、当該下流側配管部を介して、排出管45と接続される。
また、上記の上流側配管及び下流側配管は、剛性の高い鋼材によって形成されており、例えば、ワンタッチ操作でロック及びロック解除が可能な従来周知のカップリングからなるジョイント部材(図示せぬ)によって、上記の中間部材と着脱可能に接続される。
【0037】
一方、エア配管53は、下流側の端部が、タンク本体41の後端部の下部側に向って傾斜し、当該タンク本体41の周壁に挿入されることにより、タンク本体41の内部と連通する連通孔(図示せず)を形成するとともに、当該タンク本体41に固定(例えば溶接)される。
【0038】
ここで、タンク本体41の内部において、その内側壁下部には、エア配管53から流入された加圧空気をタンク本体41内の前側へと導くための第1空気通路41aが、前後方向に長く伸びる扁平な空間部として画設されている。
また、タンク本体41の底部には、第1空気通路41aの側壁41a1によって支持されるようにして、通気性を有する板状のキャンバス41bが、略水平姿勢の状態で架設されている。
【0039】
そして、上記キャンバス41bと、タンク本体41の底面との間には、第2空気通路41cが、前後方向に長く延びる扁平な空間部として画設されており、第1空気通路41aと第2空気通路41cとは、側壁41a1の前部に設けられた複数の貫通孔41a2・41a2・・・を介して、互いに連通されている。
【0040】
このような内部構成からなるタンク本体41において、コンプレッサ配管51及びエア配管53を介して、コンプレッサ5から当該タンク本体41の後端部に圧縮空気が供給されると、供給された圧縮空気は、第1空気通路41a内を流動してタンク本体41の前側へと導かれ、複数の貫通孔41a2・41a2・・・を介して、第2空気通路41c内に流入された後、再び第2空気通路41c内を流動してタンク本体41の後側へと導かれるとともに、キャンバス41bの略全面を通して、タンク本体41内にて上方に向かって噴出される。
これにより、キャンバス41bを通して吹き上がり噴出する圧縮空気によって、タンク本体41の内部は加圧されることとなり、タンク本体41内に貯溜された粉粒体を排出管45側へ排出する際において、キャンバス41b上に存在する当該粉粒体の、タンク本体41の後方側へのスライド流動が助勢、及び促進され、排出管45側に向って粉粒体を効率よく排出できるようになっている。
【0041】
なお、上記のエゼクタ配管52と同様に、エア配管53は、図示しないが、可撓性を有するホース部材からなる中間配管部、並びに当該中間配管部の上流側の端部と接続される上流側配管部、及び下流側の端部と接続される下流側配管部などにより構成され、当該上流側配管部を介して、コンプレッサ配管51の第2分岐部51bと接続されるとともに、当該下流側配管部を介して、タンク本体41の後端部の下部側と接続される。
また、上記の上流側配管及び下流側配管は、剛性の高い鋼材によって形成されており、例えば、ワンタッチ操作でロック及びロック解除が可能な従来周知のカップリングからなるジョイント部材(図示せぬ)によって、上記の中間部材と着脱可能に接続される。
【0042】
以上のような構成からなる作業車両1において、タンク本体41に収容された粉粒体を排出する排出作業を行う場合、以下の手順に従い実施される。
即ち、タンク本体41の内部に所定量の粉粒体が収容された作業車両1が、所定の目的地に到着すると、排出管45の下流側の端部に排出ホース8を接続し、当該排出ホース8を介して、タンク本体41と粉粒体収容容器9(例えばサイロ等)とを連結する。
なお、排出管45と排出ホース8との接続作業を行う際、エンジン3は、駆動状態または停止状態の何れの状態であってもよい。
【0043】
エンジン3が停止状態にある場合、タンク本体41と粉粒体収容容器9とが連結された後、先ず始めに、後述するキースイッチ11(
図3を参照)を操作してエンジン3を駆動させ、その後、後述するPTOスイッチ12を操作して、PTO6を伝達状態(コンプレッサ5にエンジン3の駆動力を伝達可能な状態)に切替え、コンプレッサ5を作動させる。
また、エンジン3が駆動状態にある場合、タンク本体41と粉粒体収容容器9とが連結された後、直ちにPTOスイッチ12を操作して、PTO6を伝達状態に切替え、コンプレッサ5を作動させる。
【0044】
コンプレッサ5が作動されると、コンプレッサ配管51からエア配管53を経て、タンク本体41内に圧縮空気が供給される。
タンク本体41内に供給された圧縮空気は、上述したように、第1空気通路41a、複数の貫通孔41a2・41a2・・・、及び第2空気通路41c内を順に流動し、キャンバス41bの略全面を通して、タンク本体41内にて上方に向かって噴出する。
これにより、タンク本体41の内部が加圧されるとともに、当該タンク本体41内における粉粒体の後方へのスライド流動が助勢、促進される。
【0045】
また、コンプレッサ5が作動されると、コンプレッサ配管51からエゼクタ配管52を経て、排出管45内に圧縮空気が供給される。
排出管45内に供給された圧縮空気は、当該排出管45の内部を加圧するとともに、上述したように、当該排出管45内を下流側に向かって流動する。
【0046】
一方、PTO6が伝達状態に切替わると、メータパネル7は作動を開始し、コンプレッサの回転数やタンク本体41及び排出管45の内部の圧力などを表示する。
そして、メータパネル7によって表示された、これらの情報が所定のレベルに到達していることを確認し、操作レバー47aを操作して、開閉弁47を開弁状態にする。
これにより、タンク本体41及び排出管45の内部において高められた圧縮空気が開放され、当該圧縮空気とともに、タンク本体41内に貯溜された粉粒体は、排出管45を介して、排出ホース8内へと効率よく排出される。
【0047】
また、必要に応じて傾動用アクチュエータ10を作動させ、後斜め上方に向かって、タンク本体41を適宜傾動(ダンプ)させることにより、タンク本体41内における粉粒体の後方流動や、排出管45からの粉粒体排出を更に促進することができる。
【0048】
なお、タンク本体41内のメンテナンス作業時においては、各マンホール蓋46を開き、更にハッチ44を開くことで、マンホール形成筒42によって構成されるマンホール、及び排出口形成体43の内周部に位置する排出口を開放状態とすることができ、これらのマンホール及び排出口を通して、タンク本体41内のメンテナンス作業を、支障なく行うことができる。
【0049】
上記メンテナンス作業時においては、ハッチ44を開く前に、ジョイント部材(図示せず)を用いて、エゼクタ配管52における、ホース部材からなる中間配管部(図示せず)を、鋼材からなる下流側配管(図示せず)から分離しておくとともに、ハッチ44と連結される排出管45と、排出ホース8とを分離しておくことが好ましい。
これにより、ハッチ44の開閉操作の際に、エゼクタ配管52における上記中間配管部や、排出ホース8によって、作業が妨げられるのを防止することができる。
【0050】
また、タンク本体41内への粉粒体の投入作業時においては、ハッチ44を閉じた状態で各マンホール蓋46を開き、例えば、当該粉粒体が収容されている施設等の排出口と繋がる排出ホース(図示せず)を、マンホール形成筒42によって構成されるマンホール内に挿入することにより、支障なく行うことができる。
【0051】
そして、これらのメンテナンス作業や投入作業を行う場合には、一般的に、エンジン3の駆動を停止させた状態にて実施されるところ、各マンホール蓋46を開く際には、タンク本体41内の残圧が十分に排出されていることを確認したうえで行う必要がある。
本実施形態における作業車両1においては、後述するように、エンジン3を一旦駆動させる必要もなく、直ちにメータパネル7を作動させて、タンク本体41及び排出管45の内部の圧力などを表示することができるため、これらのメンテナンス作業や投入作業を、より支障なく確実に行うことができる。
【0052】
[メータパネル7の構成]
次に、メータパネル7の構成について、
図2乃至
図4用いて説明する。
メータパネル7は、作業車両1(
図1を参照)において、前述した排出作業、投入作業、及びメンテナンス作業等を行う際に用いられるものであり、タンク4及びコンプレッサ5によって構成される作業装置の状態(タンク本体41や排出管45の内部の圧力、及びコンプレッサ5の回転数など)を表示する。
また、メータパネル7は、コンプレッサ5の回転数の上限値及び下限値のうち、少なくとも一方を設定する際に用いられるものである。
【0053】
メータパネル7は、例えば
図2に示すように、表示画面を構成する液晶画面71と、当該液晶画面71の側方において上から順に配置されるメインスイッチ72、回転数調整スイッチ73、画面切り替えスイッチ74、及び確認スイッチ75と、メータパネル7の作動を制御する制御装置76(
図3を参照)などを備える。
【0054】
液晶画面71は、本発明に係るパネルの一例であって、画面切り替えスイッチ74によってメータ画面に切替えられることにより、作業装置の状態、即ちタンク本体41内の圧力計の計測値、排出管45内の圧力計の測定値、及びエンジン3(
図3を参照)の駆動力によって駆動されるコンプレッサ5の回転数を表示する。
また、液晶画面71は、画面切り替えスイッチ74によってメンテナンス画面に切替えられることにより、コンプレッサ5の通算稼働時間、本日のコンプレッサ5の稼働時間、コンプレッサ5の温度、及びエラー表示やエラー履歴などを表示する。
【0055】
メインスイッチ72は、上側または下側に操作レバーを傾倒すことにより、ON状態またはOFF状態に切替わるとともに、当該状態を維持するオルタネイト動作型のトグルスイッチにより構成されている。
【0056】
本実施形態においては、メインスイッチ72の操作レバーを上側に傾倒すると、回転数調整スイッチ73を用いてコンプレッサ5の回転数を調整可能な状態(ON状態)に切替わるとともに、その後、次の操作(操作レバーを下側に傾倒する操作)が行われるまで、当該状態を維持する。
また、メインスイッチ72の操作レバーを下側に傾倒すると、回転数調整スイッチ73を用いてコンプレッサ5の回転数を調整不可能な状態(OFF状態)に切替わるとともに、その後、次の操作(操作レバーを上側に傾倒する操作)が行われるまで、当該状態を維持する。
【0057】
回転数調整スイッチ73は、非操作時においては、水平姿勢となるニュートラル位置にて付勢された状態(OFF状態)に、操作レバーが常に復帰するようになっており、操作時においては、上側または下側に操作レバーを傾倒している間に限り、コンプレッサ5の回転数を調整するON状態に切替わる、モーメンタリ動作型のトグルスイッチにより構成されている。
【0058】
本実施形態においては、回転数調整スイッチ73の操作レバーを上側に傾倒すると、コンプレッサ5の回転数が上がる。
また、回転数調整スイッチ73の操作レバーを下側に傾倒すると、コンプレッサ5の回転数が下がる。
なお、コンプレッサ5の回転数を、連続して大幅に変更する(上げる、または下げる)場合には、操作レバーを上側または下側に傾倒させた状態を保持することで、行うことができる。
【0059】
画面切り替えスイッチ74は、非操作時においては、水平姿勢となるニュートラル位置にて付勢された状態(OFF状態)に、操作レバーが常に復帰するようになっており、操作時においては、上側に操作レバーを傾倒することにより、液晶画面71の表示内容を切替えるON状態となる、モーメンタリ動作型のトグルスイッチにより構成されている。
【0060】
本実施形態においては、画面切り替えスイッチ74の操作レバーを上側に傾倒する度に、作業装置の状態(タンク本体41や排出管45の内部の圧力、及びコンプレッサ5の回転数など)を表示するメータ画面と、コンプレッサ5の回転数を調整する際に表示されるメンテナンス画面とに、表示画面が交互に切替わる。
【0061】
確認スイッチ75は、非操作時においては、下側に傾倒した姿勢となるニュートラル位置にて付勢された状態(OFF状態)に、操作レバーが常に復帰するようになっており、操作時においては、上側に操作レバーを傾倒してオン操作することにより、液晶画面71を点灯させるON状態となる、モーメンタリ動作型のトグルスイッチにより構成されている。
【0062】
本実施形態においては、例えば作業車両1の投入作業時やメンテナンス作業時などのように、エンジン3の駆動が停止している場合、確認スイッチ75の操作レバーを上側に傾倒することにより液晶画面71を点灯させ、その後、所定時間の経過を待って当該液晶画面71を消灯するようになっている。
また、上記所定時間の経過を待たずに、一旦ニュートラル位置に復帰した操作レバーを再び上側に傾倒すると、液晶画面71を強制的に消灯するようになっている。
【0063】
一方、例えば作業車両1の排出作業時などのように、エンジン3が駆動しており、後述するPTOスイッチ12(
図3を参照)がオン操作されている場合には、確認スイッチ75の操作レバーがニュートラル位置に復帰した後においても、上記所定時間の経過に関わらず、継続して液晶画面71を点灯させるようになっている。
また、例えば作業車両1の走行時などのように、エンジン3が駆動しており、PTOスイッチ12がオフ操作されている場合には、確認スイッチ75の操作レバーを上側に傾倒している間に限り、液晶画面71を継続して点灯させるようになっている。
【0064】
なお、本実施形態における確認スイッチ75は、モーメンタリ動作型のトグルスイッチにより構成されているが、これに限定されることはなく、例えば、オルタネイト動作型のトグルスイッチにより構成されていてもよい。
【0065】
制御装置76は、
図3に示すように、上述した液晶画面71、メインスイッチ72、回転数調整スイッチ73、画面切り替えスイッチ74、及び確認スイッチ75と電気的に接続されている。
また、制御装置76は、ワイヤハーネス77(
図2を参照)等を介して、メータパネル7の外部に配置されるキースイッチ11、PTOスイッチ12、及び供給電源13(
図4を参照)と電気的に接続されている。
【0066】
ここで、例えば
図4(a)に示すように、キースイッチ11は、第1配線a1を介して、制御装置76の第1入力端子76aと接続されている。
【0067】
また、供給電源13は、第2配線b1を介して、確認スイッチ75の第1入力端子75aと接続されるとともに、当該第2配線b1より分岐する第3配線b2を介して、後述するリレー回路78の接点側入力端子78aと接続されている。
【0068】
一方、確認スイッチ75は、第2入力端子75bと繋がる第4配線c1を介して、制御装置76の第2入力端子76bと接続され、且つ出力端子75cと繋がる第5配線d1を介して、制御装置76の電源端子76cと接続されている。
また、リレー回路78は、接点側出力端子78bと繋がる第6配線d2が第5配線d1と合流することにより、制御装置76の電源端子76cと接続されるとともに、作動部側の端子(本実施形態においてはダイオードと繋がる端子)と繋がる第7配線e1を介して、制御装置76の出力端子76dと接続されている。
【0069】
従って、供給電源13は、並列に接続される確認スイッチ75及びリレー回路78を介して、制御装置76と接続されている。
【0070】
また、PTOスイッチ12は、第8配線f1を介して、リレー回路78の作動部側(ダイオード側)と接続されることにより、リレー回路78を介して、制御装置76と接続されている。
【0071】
なお、キースイッチ11は、エンジン3が駆動状態となるON状態と、エンジン3が停止状態となるOFF状態とを切替え操作するためのスイッチである。
キースイッチ11は、一般的に、エンジン3が停止状態であり、且つ運転席内の電装機器が非通電状態である停止モード、エンジン3が停止状態であり、且つ運転席内の電装機器が通電状態であるアクセサリーモード、及びエンジン3が駆動状態であり、且つ運転席内の電装機器が通電状態である運転モードからなる3種類のモードに切替え可能であるが、本実施形態において、「エンジン3がON状態に切替わる」とは、「エンジン3が運転モードに切替わる」ことを意味し、「エンジン3がOFF状態に切替わる」とは、「エンジン3が停止モード、またはアクセサリーモードに切替わる」ことを意味する。
【0072】
また、供給電源13は、作業車両1に搭載されるバッテリであって、上述したように、確認スイッチ75及びリレー回路78を介して、制御装置76と電気的に接続されるとともに、当該制御装置76を介して、液晶画面71に電力を供給する。
【0073】
また、PTOスイッチ12は、本発明に係る切替えスイッチの一例であって、オン操作することにより、PTO3の状態を、エンジン3の駆動力をコンプレッサ5に伝達する伝達状態に切替え、またオフ操作することにより、コンプレッサ5への当該駆動力の伝達を遮断する遮断状態に切替えることを可能とするスイッチである。
【0074】
また、リレー回路78は、後述するように、確認スイッチ75またはPTOスイッチ12を操作することにより、制御装置76を介して、液晶画面71と供給電源13とを電気的に接続する接続状態と、液晶画面71と供給電源13とを電気的に切断する切断状態とを切替え可能とする制御機器である。
本実施形態においては、接点を有したメカニカルリレー型(有接点型)のリレー回路によって構成されるが、これに限定されるものではなく、例えば、接点を有しないMOS FET型(無接点型)等のリレー回路によって構成されていてもよい。
【0075】
さらに、上述したように、確認スイッチ75の第1入力端子75aは、第2配線b1及び第3配線b2を介して、リレー回路78の接点側入力端子78aと接続されており、且つ確認スイッチ75の出力端子75cは、第5配線d1及び第6配線d2を介して、リレー回路78の接点側出力端子78bと接続されており、確認スイッチ75は、リレー回路78の接続状態と切断状態との切り替え操作を行うスイッチとして機能する。
【0076】
そして、
図3に示すように、制御装置76は、メータパネル7の作動を制御するための所定のプログラムや、任意に設定可能な所定の規定値(例えば後述するように、制御装置76の出力端子76dからリレー回路78に出力される電気信号の出力時間)などが予め格納されている記憶部76eと、当該プログラムに基づき各種演算処理を実行する演算部76fとを備え、以下に示すように、キースイッチ11、PTOスイッチ12、及び確認スイッチ75を操作することにより入力される指示信号(電気信号)に基づき、リレー回路78を操作して、メータパネル7に所定の作動を実行させる。
【0077】
なお、制御装置76は、メインスイッチ72、回転数調整スイッチ73、及び画面切り替えスイッチ74を操作することにより入力される指示信号(電気信号)に基づき、上述した所定の作動(例えば、コンプレッサの回転数の調整等)をメータパネル7に実行させることについては言うまでもない。
【0078】
<エンジン3が停止状態である場合のメータパネル7の作動手順>
先ず、例えば作業車両1の投入作業時やメンテナンス作業時などのように、エンジン3が停止状態である場合におけるメータパネル7の作動手順について、
図4を用いて説明する。
【0079】
図4(a)に示すように、エンジン3(
図3を参照)が停止状態である場合、キースイッチ11は、OFF状態に切替え操作されており、第1配線a1を通じて、制御装置76には、指示信号(電気信号)が入力されていない状態となっている。
【0080】
また、確認スイッチ75は、非操作時の状態であって、ニュートラル位置にて付勢されたOFF状態となっており、第2入力端子75bと出力端子75cとが接触した状態(即ち、第1入力端子75aと出力端子75cとが非接触の状態)となっている。
【0081】
さらに、エンジン3が停止状態であることから、第8配線f1を通じて、PTOスイッチ12からの指示信号(電気信号)がリレー回路78に入力されておらず、当該リレー回路78は、接点側入力端子78aと接点側出力端子78bとが非接触の状態(切断状態)となっている。
【0082】
従って、供給電源13は、確認スイッチ75及びリレー回路78の何れを介しても、制御装置76と電気的に接続されていない状態(以下、「非通電状態」と記載する)となっている。
つまり、供給電源13と液晶画面71とは、電気的に切断された切断状態となっており、液晶画面71は、消灯した状態となっている。
【0083】
このような状態において、
図4(b)に示すように、確認スイッチ75をオン操作して、第1入力端子75aと出力端子75cとが接触した状態(即ち、第2入力端子75bと出力端子75cとが非接触の状態)にすると、第2配線b1と第5配線d1とが繋がり、供給電源13は、当該確認スイッチ75を介して、制御装置76と電気的に接続されている状態(以下、「通電状態」と記載する)となる。
つまり、供給電源13と液晶画面71とは、制御装置76を介して電気的に接続された接続状態となる。
【0084】
その結果、供給電源13の電力が、第2配線b1、確認スイッチ75、及び第5配線d1を通じて、制御装置76の電源端子76cに入力され、制御装置76は、入力された電力を直ちに液晶画面71に供給し、当該液晶画面71を点灯させて、所定の画面を表示させる。
また、制御装置76は、供給電源13の電力が電源端子76cに入力されると、第7配線e1を通じて、直ちに、出力端子76dよりリレー回路78に指示信号(電気信号)を出力する。
【0085】
制御装置76より指示信号(電気信号)が入力されると、リレー回路78は、接点側入力端子78aと接点側出力端子78bとが接触状態(接続状態)となる。
その結果、第3配線b2と第6配線d2とが繋がり、供給電源13は、確認スイッチ75だけでなくリレー回路78を介しても、制御装置76と通電状態となり、供給電源13と液晶画面71とは、制御装置76を介して電気的に接続された接続状態となる。
【0086】
このように、本実施形態における制御装置76は、確認スイッチ75がオン操作されたことを示す信号が、電源端子76cに一旦入力されると、出力端子76dよりリレー回路78に指示信号(電気信号)を出力して、リレー回路78を接続状態に切り替え、液晶画面71を点灯させて、所定の画面を表示させる。
【0087】
従って、
図4(c)に示すように、その後、再び確認スイッチ75を非操作時の状態に戻して、第2入力端子75bと出力端子75cとが接触した状態(即ち、第1入力端子75aと出力端子75cとが非接触の状態)に復帰させたとしても、リレー回路78の接続状態は保持されることから、供給電源13と制御装置76との通電状態は継続し、液晶画面71は点灯したままの状態となる。
【0088】
一方、制御装置76には、出力端子76dよりリレー回路78に指示信号(電気信号)を出力する際の出力時間(例えば、本実施形態においては1時間)が、任意に設定可能な規定値として予め設けられている。
【0089】
具体的には、
図4(c)に示すように、確認スイッチ75が、オン操作された状態から再び非操作時の状態に戻され、第2入力端子75bと出力端子75cとが接触した状態(即ち、第1入力端子75aと出力端子75cとが非接触の状態)に復帰すると、第2入力端子76bに指示信号(電気信号)が入力される。
【0090】
第2入力端子76bに指示信号(電気信号)が入力されると、制御装置76は、直ちに経過時間のカウントを開始する。
そして、上述した出力時間に当該経過時間が到達すると、制御装置76は、出力端子76dからリレー回路78への指示信号(電気信号)の出力を停止する。
【0091】
その結果、
図4(a)に示すように、リレー回路78は、接点側入力端子78aと接点側出力端子78bとが非接触の状態(切断状態)となることから、供給電源13は、再び、確認スイッチ75及びリレー回路78の何れを介しても非通電状態となり、液晶画面71への電力の供給が停止し、当該液晶画面71は消灯する。
【0092】
このように、本実施形態における制御装置76は、確認スイッチ75がオン操作されてから(より具体的には、「オン操作された状態から再び非操作時の状態に戻されてから」、即ち「第2入力端子76bに指示信号(電気信号)が入力されてから」)、所定時間(出力時間)が経過すると、直ちにリレー回路78を切断状態に切り替え、液晶画面71を消灯させる。
【0093】
従って、このような制御を行うことにより、例えば、長時間に亘って液晶画面71の点灯状態が保持されることで、当該液晶画面71に電力を供給する供給電源13が、バッテリ切れ(電力浪費)となるのを抑制することができる。
【0094】
ところで、
図4(c)において、確認スイッチ75を非操作時の状態に戻した後、上記経過時間が所定の出力時間に到達するのを待つことなく、再び確認スイッチ75をオン操作して、第1入力端子75aと出力端子75cとが接触した状態(即ち、第2入力端子75bと出力端子75cとが非接触の状態)にすると、
図5に示すように、制御装置76は、第2入力端子76bに入力されていた指示信号(電気信号)が、遮断されたことを検知する。
【0095】
当該指示信号(電気信号)の入力が遮断されたことを検知すると、制御装置76は、直ちに出力端子76dからの指示信号(電気信号)の出力を停止する。
従って、
図4(a)に示すように、供給電源13は、上記経過時間が所定の出力時間に到達するのを待つことなく、確認スイッチ75及びリレー回路78の何れを介しても非通電状態となり、液晶画面71への電力の供給が停止し、当該液晶画面71は消灯する。
【0096】
このように、本実施形態における制御装置76は、所定時間(出力時間)の経過前において、確認スイッチ75がオン操作されたことを示す信号が再び入力されると、当該所定時間(出力時間)の経過を待たずにリレー回路78を切断状態に切り替え、液晶画面71を消灯させる。
【0097】
従って、このような制御を行うことにより、例えば、液晶画面71を点灯させて作業装置の状態を表示する必要が無くなった場合などには、上記所定時間(出力時間)の経過を待たずに、直ちに電力の供給を遮断し、液晶画面71を消灯させることができるため、供給電源13の省エネ化が図られ経済的である。
【0098】
なお、本発明の別実施形態として、上述したような、出力端子76dよりリレー回路78に指示信号(電気信号)を出力する際の出力時間を、予め設定することなく、制御装置76は、確認スイッチ75がひとたびオン操作されると(より具体的には、「オン操作された状態から再び非操作時の状態に戻されると」、即ち「第2入力端子76bに指示信号(電気信号)が入力されると」)、リレー回路78を接続状態に切り替え、その後、当該接続状態を維持することとしてもよい。
この場合、確認スイッチ75が再びオン操作されることにより、直ちにリレー回路78を切断状態に切り替え、液晶画面71を消灯させることとしてもよい。
【0099】
また、確認スイッチ75を非操作時の状態に戻した後に、当該確認スイッチ75のオン操作が複数回行われた場合、最初のオン操作が行われたタイミングによって、上記経過時間のカウントを開始してもよいし、最後のオン操作が行われたタイミングによって、上記経過時間のカウントを開始してもよい。
【0100】
また、確認スイッチ75がオン操作されたことを示す信号が、電源端子76cに入力され、出力端子76dより指示信号(電気信号)が出力されてから、直ちに上記経過時間のカウントを開始してもよい。
このように、本実施形態における制御装置76は、上述したように、確認スイッチ75がオン操作されてから、所定時間(出力時間)が経過すると、直ちにリレー回路78を切断状態に切り替え、液晶画面71を消灯させるが、この場合の「確認スイッチ75がオン操作されてから」とは、確認スイッチ75のオン操作をオフ操作に切替えた際に立ち上がる指示信号(電気信号)が、(第2入力端子76bに)入力されたタイミングをもって、カウントを開始する場合と、確認スイッチ75をオン操作した際に立ち上がる指示信号(電気信号)が、(電源端子76cに)入力されたタイミングをもって、カウントを開始する場合との、双方の場合を含むものである。
【0101】
このように、本実施形態における制御装置76は、確認スイッチ75がオン操作されてから(より具体的には、「オン操作された状態から再び非操作時の状態に戻されてから」、即ち「第2入力端子76bに指示信号(電気信号)が入力されてから」)、所定時間(出力時間)が経過すると、直ちにリレー回路78を切断状態に切り替え、液晶画面71を消灯させる。
【0102】
さらに、
図5に示すように、確認スイッチ75を非操作時の状態に戻した後、上記経過時間が所定の出力時間に到達するのを待つことなく、再び確認スイッチ75をオン操作した場合であっても、本実施形態のように、出力端子76dからの指示信号(電気信号)の出力を停止することなく、リレー回路78の接続状態を保持し、液晶画面71を点灯させることとしてもよい。
【0103】
<PTO6が伝達状態である場合のメータパネル7の作動手順>
次に、例えば作業車両1の排出作業時などのように、PTO6が伝達状態である場合におけるメータパネル7の作動手順について、
図6を用いて説明する。
【0104】
PTO6(
図3を参照)を伝達状態に切替える前提として、エンジン3は駆動状態であることから、キースイッチ11は、ON状態に切替え操作されており、第1配線a1を通じて、制御装置76には、指示信号(電気信号)が入力された状態となっている。
【0105】
また、確認スイッチ75は、非操作時の状態であって、ニュートラル位置にて付勢されたOFF状態となっており、第2入力端子75bと出力端子75cとが接触した状態(即ち、第1入力端子75aと出力端子75cとが非接触の状態)となっている。
【0106】
このような状態において、PTOスイッチ12をオン操作し、PTO6を伝達状態に切替えると、第8配線f1を通じて、当該PTOスイッチ12よりリレー回路78の作動部側(ダイオード側)に、指示信号(電気信号)が入力される。
【0107】
PTOスイッチ12からの指示信号(電気信号)が入力されると、リレー回路78は、接点側入力端子78aと接点側出力端子78bとが接触状態(接続状態)となる。
その結果、第3配線b2と第6配線d2とが繋がり、供給電源13は、リレー回路78を介して制御装置76と通電状態となることから、供給電源13と液晶画面71とは、制御装置76を介して電気的に接続された接続状態となる。
そして、制御装置76は、入力された電力を直ちに液晶画面71に供給し、当該液晶画面71を点灯させて、所定の画面を表示させる。
【0108】
リレー回路78の接続状態は、PTOスイッチ12が再びオフ操作され、上記作動部側(ダイオード側)への指示信号(電気信号)の入力が遮断されるまで保持される。
従って、確認スイッチ75が、オン操作及びオフ操作の何れの操作を実行されたか、或いは、オフ操作された後に上記経過時間が所定の出力時間に到達したか否かに関わらず、PTOスイッチ12のオン操作が継続される限り、制御装置76は、液晶画面71への供給電源13の電力の供給を保持し、当該液晶画面71を点灯させて、所定の画面を表示させる。
【0109】
このように、本実施形態における制御装置76は、PTOスイッチ12がオン操作されたことを示す信号が入力された場合、少なくとも上述した所定時間(出力時間)の経過後であっても、リレー回路78を接続状態に保持し、液晶画面71を点灯させて、所定の画面を表示させる。
【0110】
ここで一般的に、作業装置(本実施形態においては、タンク4及びコンプレッサ5)が稼働状態にある場合、作業者にとっては、当該稼働状態が継続している間、液晶画面71の点灯状態が保持されていることが、作業を進めるうえでも好ましい。
本実施形態においては、PTOスイッチ12がオン操作された場合には、上記経過時間が所定の出力時間に到達したか否かに関わらず、液晶画面71の点灯状態が保持され、作業装置の状態を表示することから、不意に液晶画面71が消灯するのを気にすることなく、作業者は作業を進めることができる。
【0111】
また、作業装置が稼働状態にある場合、液晶画面71に電力を供給する供給電源13は、エンジン3の駆動によって常に発電されていることから、たとえ液晶画面71の点灯状態が長時間に亘って保持されていても、当該供給電源13がバッテリ切れ(電力浪費)となることはない。
【0112】
なお、本発明の別実施形態として、キースイッチ11がON状態に切替え操作されており、且つPTOスイッチ12がオン操作されている場合であっても、上述したように、確認スイッチ75がオン操作されたことを示す信号が電源端子76cに入力されてから、所定時間(出力時間)が経過すると、リレー回路78を切断状態に切り替え、液晶画面71を消灯させることとしてもよい。
【0113】
<エンジン3が駆動状態であり、且つPTO6が遮断状態である場合のメータパネル7の作動手順>
次に、例えば作業車両1の走行時などのように、エンジン3が駆動状態であり、且つPTO6が遮断状態である場合におけるメータパネル7の作動手順について、
図7を用いて説明する。
【0114】
エンジン3(
図3を参照)が駆動状態である場合、キースイッチ11は、ON状態に切替え操作されており、第1配線a1を通じて、制御装置76には、指示信号(電気信号)が入力された状態となっている。
【0115】
また、確認スイッチ75は、非操作時の状態であって、ニュートラル位置にて付勢されたOFF状態となっており、第2入力端子75bと出力端子75cとが接触した状態(即ち、第1入力端子75aと出力端子75cとが非接触の状態)となっている。
【0116】
さらに、PTO6が遮断状態である場合、PTOスイッチ12はオフ操作されており、第8配線f1を通じて、当該PTOスイッチ12よりリレー回路78の作動部側(ダイオード側)に、指示信号(電気信号)が入力されていない状態となっている。
従って、リレー回路78は、接点側入力端子78aと接点側出力端子78bとが非接触の状態(切断状態)となっている。
【0117】
このような状態においては、確認スイッチ75がオン操作されている間に限り、液晶画面71は点灯し、所定の画面を表示する。
即ち、確認スイッチ75をオン操作して、第1入力端子75aと出力端子75cとが接触した状態(即ち、第2入力端子75bと出力端子75cとが非接触の状態)にすると、第2配線b1と第5配線d1とが繋がり、供給電源13は、当該確認スイッチ75を介して、制御装置76と通電状態となる。
つまり、供給電源13と液晶画面71とは、制御装置76を介して電気的に接続された接続状態となる。
【0118】
その結果、供給電源13の電力が、第2配線b1、確認スイッチ75、及び第5配線d1を通じて、制御装置76の電源端子76cに入力され、制御装置76は、入力された電力を直ちに液晶画面71に供給し、当該液晶画面71を点灯させて、所定の画面を表示させる。
一方、制御装置76は、供給電源13の電力が電源端子76cに入力されても、第7配線e1を通じて、出力端子76dよりリレー回路78に指示信号(電気信号)を出力しない。
【0119】
従って、その後、確認スイッチ75を再び非操作時の状態に戻して、第2入力端子75bと出力端子75cとが接触した状態(即ち、第1入力端子75aと出力端子75cとが非接触の状態)に復帰させ、確認スイッチ75がオン操作されたことを示す信号(電源端子76cに入力される指示信号(電気信号))を遮断すると、供給電源13は、当該確認スイッチ75を介して、制御装置76と非通電状態となることから、液晶画面71への電力の供給が停止し、当該液晶画面71は消灯する。
【0120】
このように、本実施形態における制御装置76は、キースイッチ11がON状態にあることを示す信号が第1入力端子76aに入力され、且つPTO6が遮断状態にあることを示す信号(即ち、PTOスイッチ12より上記指示信号(電気信号)が入力されていないOFF信号)がリレー回路78の作動部側(ダイオード側)に入力されている場合、確認スイッチ75がオン操作されたことを示す信号が入力されている間だけ、リレー回路78を接続状態に切り替え、液晶画面71を点灯させて、所定の画面を表示させる。
【0121】
従って、作業車両1の走行時においては、作業者の手が確認スイッチ75から離れていることから、当該確認スイッチ75がオン操作されて液晶画面71が点灯することはなく、当該液晶画面71の明かりが、作業車両の表示ランプ(例えば、ブレーキランプやウインカー等)と誤認される虞がない。
また、このような、作業車両1が走行可能な状態であっても、例えば不意に、作業装置の状態を確認する必要が生じた場合には、確認スイッチ75をオン操作することにより、直ちに液晶画面71を点灯させて作業装置の状態を表示させることができる。
【0122】
なお、本発明の別実施形態として、キースイッチ11がON状態に切替え操作されており、且つPTOスイッチ12がオフ操作されている場合であっても、上述したように、確認スイッチ75がオン操作されたことを示す信号が電源端子76cに入力されてから、所定時間(出力時間)が経過すると、リレー回路78を切断状態に切り替え、液晶画面71を消灯させることとしてもよい。
【0123】
以上のように、本実施形態における作業車両1は、エンジン3と、エンジン3の駆動力によって稼働される作業装置(タンク4及びコンプレッサ5)と、当該作業装置に前記駆動力を伝達する伝達状態と、前記作業装置への前記駆動力の伝達を遮断する遮断状態とを切替え可能なPTO(駆動切替え装置)6とを備える。
【0124】
また、作業車両1は、PTO6の伝達状態と遮断状態とを切替え操作するためのPTOスイッチ(切替えスイッチ)12と、上記作業装置の状態(タンク本体41や排出管45の内部の圧力、及びコンプレッサ5の回転数など)を表示する液晶画面(パネル)71と、液晶画面71に電力を供給する供給電源13と、液晶画面71と供給電源13とを電気的に接続する接続状態と、液晶画面71と供給電源13とを電気的に切断する切断状態とを切替え可能なリレー回路78と、リレー回路78の接続状態と切断状態とを切り替え操作するための確認スイッチ75と、PTOスイッチ12の操作に基づいてPTO6の動作を制御するとともに、確認スイッチ75の操作に基づいてリレー回路78の動作を制御する制御装置76とを備える。
【0125】
そして、制御装置76は、PTOスイッチ12がオン操作されたことを示す信号が入力されるとPTO6を伝達状態に切り替えるとともに、リレー回路78を接続状態に切り替え、確認スイッチ75がオン操作されたことを示す信号が入力されるとリレー回路78を接続状態に切り替えることを特徴とする。
【0126】
このように、本実施形態における作業車両1においては、確認スイッチ75がオン操作されるだけで、液晶画面71と供給電源13とが、リレー回路78を介して接続状態となることから、一旦エンジン3を駆動させる必要もなく、液晶画面71を点灯させて上記作業装置の状態を表示することができる。
【0127】
なお、本実施形態においては、PTOスイッチ12がオン操作された場合であっても、液晶画面71と供給電源13とが、リレー回路78を介して接続状態となることから、エンジン3が駆動され、上記作業装置が稼働状態にある場合においても、従来と同様に、液晶画面71を点灯させて上記作業装置の状態を表示することができる。
【符号の説明】
【0128】
1 作業車両
3 エンジン
4 タンク(作業装置)
5 コンプレッサ(作業装置)
6 PTO(駆動切替え装置)
11 キースイッチ
12 PTOスイッチ(切替えスイッチ)
13 供給電源
71 液晶画面(パネル)
75 確認スイッチ
76 制御装置
78 リレー回路