(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023030568
(43)【公開日】2023-03-08
(54)【発明の名称】サービス提案支援システム及びサービス提案支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230301BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021135776
(22)【出願日】2021-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001678
【氏名又は名称】藤央弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】野本 悦子
(72)【発明者】
【氏名】足立 哲朗
(72)【発明者】
【氏名】大嶺 智子
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】顧客が認識している目的と一致しないソリューション及び顧客の現状のシステムでは実現できないソリューションの少なくとも一方も含めて、顧客に受け入れられやすいソリューションを使用したサービスの提案を支援する。
【解決手段】サービス提案支援システムであって、演算装置と、記憶装置と、を備え、演算装置は、提案元が提案可能なソリューションの各々について、当該ソリューションに必要なシステム要素と、現状の顧客のシステム要素との一致度を計算し、一致度に基づいて、顧客に提案する1以上のソリューションの候補を出力し、1以上のソリューションの候補のうち少なくともいずれかについて、当該ソリューションの候補に必要なシステム要素に対して、現状の顧客のシステム要素に不足がある場合、不足しているシステム要素を示す情報を出力する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービス提案支援システムであって、
演算装置と、記憶装置と、を備え、
前記記憶装置は、提案元が顧客にサービスを提供するために提案可能なソリューションに必要なシステム要素を示すソリューション情報と、現状の前記顧客のシステム要素を示すシステム構成情報と、を保持し、
前記演算装置は、
前記提案元が提案可能な前記ソリューションの各々について、当該ソリューションに必要なシステム要素と、前記現状の顧客のシステム要素との一致度を計算し、
前記一致度に基づいて、前記顧客に提案する1以上の前記ソリューションの候補を出力し、
前記1以上のソリューションの候補のうち少なくともいずれかについて、当該ソリューションの候補に必要なシステム要素に対して、前記現状の顧客のシステム要素に不足がある場合、不足している前記システム要素を示す情報を出力することを特徴とするサービス提案支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載のサービス提案支援システムであって、
前記ソリューションは、前記顧客の事業において取得されるデータを利用するソリューションであり、
前記記憶装置は、現状の顧客のシステムにおけるデータの取得状況を示す現場システム情報と、データの取得状況に基づくシステムのレベルの判定基準を示すシステムレベル情報とをさらに保持し、
前記ソリューション情報は、前記システムのレベルごとに、提案元が顧客にサービスを提供するために提案可能なソリューションに必要なシステム要素を示す情報を含み、
前記演算装置は、
前記現場システム情報と、前記システムレベル情報と、に基づいて、前記現状の顧客のシステムのレベルを判定し、
前記ソリューション情報のうち、前記顧客の現状のシステムのレベルに対応する前記必要なシステム要素と、前記現状の顧客のシステム要素との一致度を計算し、
さらに、前記ソリューション情報のうち、前記顧客の現状のシステムのレベルより上のレベルに対応する前記必要なシステム要素と、前記現状の顧客のシステム要素との一致度を計算することを特徴とするサービス提案支援システム。
【請求項3】
請求項2に記載のサービス提案支援システムであって、
前記システムのレベルは、前記システムにおける情報のデジタル化のレベルであり、
前記システムのレベルの判定基準は、デジタル化されたデータの収集単位と前記システムのレベルとを対応付ける情報を含むことを特徴とするサービス提案支援システム。
【請求項4】
請求項1に記載のサービス提案支援システムであって、
前記ソリューションは、前記顧客の事業において取得されるデータを利用するソリューションであり、
前記記憶装置は、前記顧客の前記データの利用目的を示すデータ利用目的情報と、前記データの利用目的と前記ソリューションとを対応付ける目的ソリューション対応情報と、をさらに保持し、
前記演算装置は、
前記提案元が提案可能な前記ソリューションのうち、前記顧客の前記データの利用目的に対応する前記ソリューションに必要なシステム構成と、前記現状の顧客のシステム要素との一致度に、所定の第1の重みを付け、
前記提案元が提案可能な前記ソリューションのうち、前記顧客の前記データの利用目的に対応しない前記ソリューションに必要なシステム構成と、前記現状の顧客のシステム要素との一致度に、前記第1の重み以下の所定の第2の重みを付け、
重み付けされた前記一致度が上位の1以上の前記ソリューションを、前記1以上のソリューションの候補として出力することを特徴とするサービス提案支援システム。
【請求項5】
請求項1に記載のサービス提案支援システムであって、
前記ソリューション情報は、前記ソリューションに必要なシステム要素を示す情報として、システムにおけるデータ取得対象及びデータ取得手段に対応する複数の項目の各々の要否を示す情報を含むことを特徴とするサービス提案支援システム。
【請求項6】
請求項1に記載のサービス提案支援システムであって、
前記ソリューションに必要なシステム要素と、前記現状の顧客のシステム要素との一致度は、前記ソリューションに必要なシステム要素の数に対する、前記ソリューションに必要なシステム要素であって前記現状の顧客のシステムに含まれるシステム要素の数の割合であることを特徴とするサービス提案支援システム。
【請求項7】
請求項1に記載のサービス提案支援システムであって、
入出力装置をさらに備え、
前記ソリューションは、前記顧客の事業において取得されるデータを利用するソリューションであり、
前記記憶装置は、前記顧客の前記データの利用目的を示すデータ利用目的情報と、前記データの利用目的と前記ソリューションとを対応付ける目的ソリューション対応情報と、をさらに保持し、
前記演算装置は、
前記提案元が前記顧客にサービスを提供するために提案可能な全てのソリューションと、前記各ソリューションに必要なシステム要素と、前記各ソリューションに対応するデータの利用目的と、を含むシステム構成図を前記入出力装置に表示させ、
前記顧客のシステム要素が入力されると、前記顧客のシステム要素以外のシステム要素を削除した前記システム構成図を前記入出力装置に表示させ、
前記顧客の前記データの利用目的が入力されると、前記顧客の前記データの利用目的以外の前記データの利用目的、及び、前記顧客の前記データの利用目的に対応する前記ソリューション以外の前記ソリューションを削除した前記システム構成図を前記入出力装置に表示させることを特徴とするサービス提案支援システム。
【請求項8】
計算機システムが実行するサービス提案支援方法であって、
前記計算機システムは、演算装置と、記憶装置と、を備え、
前記記憶装置は、提案元が顧客にサービスを提供するために提案可能なソリューションに必要なシステム要素を示すソリューション情報と、現状の前記顧客のシステム要素を示すシステム構成情報と、を保持し、
前記サービス提案支援方法は、
前記演算装置が、前記提案元が提案可能な前記ソリューションの各々について、当該ソリューションに必要なシステム要素と、前記現状の顧客のシステム要素との一致度を計算する第1手順と、
前記演算装置が、前記一致度に基づいて、前記顧客に提案する1以上の前記ソリューションの候補を出力する第2手順と、
前記演算装置が、前記1以上のソリューションの候補のうち少なくともいずれかについて、当該ソリューションの候補に必要なシステム要素に対して、前記現状の顧客のシステム要素に不足がある場合、不足している前記システム要素を示す情報を出力する第3手順と、を含むことを特徴とするサービス提案支援方法。
【請求項9】
請求項8に記載のサービス提案支援方法であって、
前記ソリューションは、前記顧客の事業において取得されるデータを利用するソリューションであり、
前記記憶装置は、現状の顧客のシステムにおけるデータの取得状況を示す現場システム情報と、データの取得状況に基づくシステムのレベルの判定基準を示すシステムレベル情報とをさらに保持し、
前記ソリューション情報は、前記システムのレベルごとに、提案元が顧客にサービスを提供するために提案可能なソリューションに必要なシステム要素を示す情報を含み、
前記第1手順において、前記演算装置は、
前記現場システム情報と、前記システムレベル情報と、に基づいて、前記現状の顧客のシステムのレベルを判定し、
前記ソリューション情報のうち、前記顧客の現状のシステムのレベルに対応する前記必要なシステム要素と、前記現状の顧客のシステム要素との一致度を計算し、
さらに、前記ソリューション情報のうち、前記顧客の現状のシステムのレベルより上のレベルに対応する前記必要なシステム要素と、前記現状の顧客のシステム要素との一致度を計算することを特徴とするサービス提案支援方法。
【請求項10】
請求項9に記載のサービス提案支援方法であって、
前記システムのレベルは、前記システムにおける情報のデジタル化のレベルであり、
前記システムのレベルの判定基準は、デジタル化されたデータの収集単位と前記システムのレベルとを対応付ける情報を含むことを特徴とするサービス提案支援方法。
【請求項11】
請求項8に記載のサービス提案支援方法であって、
前記ソリューションは、前記顧客の事業において取得されるデータを利用するソリューションであり、
前記記憶装置は、前記顧客の前記データの利用目的を示すデータ利用目的情報と、前記データの利用目的と前記ソリューションとを対応付ける目的ソリューション対応情報と、をさらに保持し、
前記第1手順において、前記演算装置は、
前記提案元が提案可能な前記ソリューションのうち、前記顧客の前記データの利用目的に対応する前記ソリューションに必要なシステム構成と、前記現状の顧客のシステム要素との一致度に、所定の第1の重みを付け、
前記提案元が提案可能な前記ソリューションのうち、前記顧客の前記データの利用目的に対応しない前記ソリューションに必要なシステム構成と、前記現状の顧客のシステム要素との一致度に、前記第1の重み以下の所定の第2の重みを付け、
前記第2手順において、前記演算装置は、重み付けされた前記一致度が上位の1以上の前記ソリューションを、前記1以上のソリューションの候補として出力することを特徴とするサービス提案支援方法。
【請求項12】
請求項8に記載のサービス提案支援方法であって、
前記ソリューション情報は、前記ソリューションに必要なシステム要素を示す情報として、システムにおけるデータ取得対象及びデータ取得手段に対応する複数の項目の各々の要否を示す情報を含むことを特徴とするサービス提案支援方法。
【請求項13】
請求項8に記載のサービス提案支援方法であって、
前記ソリューションに必要なシステム要素と、前記現状の顧客のシステム要素との一致度は、前記ソリューションに必要なシステム要素の数に対する、前記ソリューションに必要なシステム要素であって前記現状の顧客のシステムに含まれるシステム要素の数の割合であることを特徴とするサービス提案支援方法。
【請求項14】
請求項8に記載のサービス提案支援方法であって、
前記計算機システムは、入出力装置をさらに備え、
前記ソリューションは、前記顧客の事業において取得されるデータを利用するソリューションであり、
前記記憶装置は、前記顧客の前記データの利用目的を示すデータ利用目的情報と、前記データの利用目的と前記ソリューションとを対応付ける目的ソリューション対応情報と、をさらに保持し、
前記サービス提案支援方法は、
前記演算装置が、前記提案元が前記顧客にサービスを提供するために提案可能な全てのソリューションと、前記各ソリューションに必要なシステム要素と、前記各ソリューションに対応するデータの利用目的と、を含むシステム構成図を前記入出力装置に表示させる手順と、
前記顧客のシステム要素が入力されると、前記演算装置が、前記顧客のシステム要素以外のシステム要素を削除した前記システム構成図を前記入出力装置に表示させる手順と、
前記顧客の前記データの利用目的が入力されると、前記演算装置が、前記顧客の前記データの利用目的以外の前記データの利用目的、及び、前記顧客の前記データの利用目的に対応する前記ソリューション以外の前記ソリューションを削除した前記システム構成図を前記入出力装置に表示させる手順と、をさらに含むことを特徴とするサービス提案支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、企業等の営業活動におけるサービスの提案を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
企業の営業活動におけるソリューションの提案を支援する技術として、例えば特開2019-212082号公報(特許文献1)に記載の技術がある。特許文献1には、「デジタルソリューション提案支援装置において、ソリューション情報とデジタル化成熟度の情報とを格納した記憶装置と、所定のインターフェイスを介して指定を受けた所定顧客における課題に関し、デジタルソリューションおよびその導入時の顧客価値の算定ロジックをソリューション情報から特定し、特定した算定ロジックの入力値として当該顧客に関し保持している所定の属性値を適用して顧客価値を試算し、デジタル化成熟度の情報が示すレベルの高さに応じた所定係数を試算結果に適用することで、顧客提示用の顧客価値を特定し、特定したデジタルソリューションおよび顧客提示用の顧客価値の情報を出力する演算装置を含む構成とする。」と記載されている。
【0003】
また、企業が顧客の要求に適合する解決策を提供する技術の例として、例えば特開2005-056070号公報(特許文献2)に記載の技術がある。特許文献2には、「例えば販売製品の製造会社である本社に、インターネット等のネットワークと接続されるWebサーバ装置が設けられ、顧客の基にある端末装置がネットワークに接続されることにより、情報が表示手段に表示される。また、Webサーバ装置には、提案マスタ、製品マスタ、顧客マスタの設けられたデータベースサーバーが接続される。ここで、提案マスタには、例えば数万に及ぶ「提案」が登録され、それぞれの提案について、複数項目の課題ごとに、それぞれ提示適合度としてのポイント及び偏差値が設定されている。そして各課題に対する顧客の要求レベルの情報から、的確な解決策を抽出する処理が行われ、解決策が顧客に提示されると共に、顧客マスタに基づく情報が解決策と共に販売会社へ電子メール送信される。」と記載されている。
【0004】
また、セキュリティ対策の提案を支援する技術として、例えば特開2006-235692号公報(特許文献3)に記載の技術がある。特許文献3には、「情報処理装置に、製品/サービス毎に、導入コスト、満足度、セキュリティ対策項目と製品/サービスとの関連度と、を対応付けた製品/サービス情報DBと、製品/サービス毎にソリューションを対応付けたソリューション情報DBと、各セキュリティ対策項目の重要度、導入済み製品/サービス、許容コストの入力を受付ける手段と、入力された重要度、導入済み製品/サービス、許容コストと、製品/サービス情報DBおよびソリューション情報DBに格納されているデータとを用いて、受付けた重要度に適合するソリューションを決定する手段と、決定したソリューションを導入した場合の対策効果を提示する手段とを設ける。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-212082号公報
【特許文献2】特開2005-056070号公報
【特許文献3】特開2006-235692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1には、提案元の担当者が顧客の課題と、顧客の現状のシステムにおけるデジタル化の程度とをヒアリングし、顧客の課題と現状のシステムとに適合したソリューションの提案を支援することが開示されている。
【0007】
特許文献2には、予め多数の提案が登録された提案マスタと顧客の入力情報との適合度を評価し、適合度の順に解決策を提示することが開示されている。
【0008】
特許文献3には、セキュリティ対策の項目ごとの現状達成度と重要度との差分の総和を過不足度として計算し、過不足度が最小となる組み合わせを最適な組み合わせとすることが開示されている。
【0009】
上記の特許文献に開示された技術は、いずれも、顧客が認識している目的、及び、顧客の現状のシステムに合致した提案を行うものである。しかし、実際には、顧客が自身の目的(例えば解決しようとする課題)を正確に把握しているとは限らないため、提案したソリューションが顧客に認識されている目的を超えていても、実際にはそれが顧客に有用と判断され、受け入れられる場合もある。また、提案したソリューションが顧客の現状のシステムでは実現できないものであっても、システムの不足を補うためのコストと、ソリューションが実現した場合の利益とを考慮して、顧客に受け入れられる場合もある。しかし、従来は、顧客が認識している目的を超えた提案を支援したり、顧客の現状のシステムで実現可能な範囲を超えた提案を、当該提案を実現可能とするためのシステムの改善の提案と合わせて支援したりすることはできなかった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題の少なくとも一つを解決するため、本発明は、サービス提案支援システムであって、演算装置と、記憶装置と、を備え、前記記憶装置は、提案元が顧客にサービスを提供するために提案可能なソリューションに必要なシステム要素を示すソリューション情報と、現状の前記顧客のシステム要素を示すシステム構成情報と、を保持し、前記演算装置は、前記提案元が提案可能な前記ソリューションの各々について、当該ソリューションに必要なシステム要素と、前記現状の顧客のシステム要素との一致度を計算し、前記一致度に基づいて、前記顧客に提案する1以上の前記ソリューションの候補を出力し、前記1以上のソリューションの候補のうち少なくともいずれかについて、当該ソリューションの候補に必要なシステム要素に対して、前記現状の顧客のシステム要素に不足がある場合、不足している前記システム要素を示す情報を出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、顧客が認識している目的と一致しないソリューション及び顧客の現状のシステムでは実現できないソリューションの少なくとも一方も含めて、顧客に受け入れられやすいソリューションを使用したサービスの提案を支援することができる。なお、上記した以外の目的、構成、効果は、以下の実施形態において明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施例のサービス提案支援システムを使用した営業活動における主要な処理の一例を示すフローチャートである。
【
図2】本発明の実施例のサービス提案支援システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施例のサービス提案支援システムが表示するシステム構成図の一例を示す説明図である。
【
図4】本発明の実施例のサービス提案支援システムを使用して現場のデータ状況を聞き取る処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の実施例のサービス提案支援システムが表示する対象手段対応テーブルの一例を示す説明図である。
【
図6】本発明の実施例のサービス提案支援システムが表示する工程ごとデータ取得対象テーブルの一例を示す説明図である。
【
図7A】本発明の実施例のサービス提案支援システムが顧客の現状のデータ取得状況を表示する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7B】本発明の実施例のサービス提案支援システムが顧客の現状のデータ取得状況を表示する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の実施例のサービス提案支援システムを使用して現場システムを聞き取る処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】本発明の実施例のサービス提案支援システムが保持する現場システム選択テーブルの一例を示す説明図である。
【
図10】本発明の実施例のサービス提案支援システムが顧客の現状の現場システムを表示する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】本発明の実施例のサービス提案支援システムを使用して現場の通信手段を聞き取る処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12】本発明の実施例のサービス提案支援システムが保持する現場通信選択テーブルの一例を示す説明図である。
【
図13】本発明の実施例のサービス提案支援システムを使用して顧客の利用方法及び利用目的を聞き取る処理の一例を示すフローチャートである。
【
図14】本発明の実施例のサービス提案支援システムが保持する利用方法選択テーブルの一例を示す説明図である。
【
図15】本発明の実施例のサービス提案支援システムが保持するデータ利用目的選択テーブルの一例を示す説明図である。
【
図16】本発明の実施例のサービス提案支援システムが顧客のデータ利用方法及び利用目的を表示する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図17】本発明の実施例のサービス提案支援システムが保持する目的アプリ対応テーブルの一例を示す説明図である。
【
図18】本発明の実施例のサービス提案支援システムを使用して、課題マップに基づいて顧客の現場の課題を聞き取る処理の一例を示すフローチャートである。
【
図19】本発明の実施例のサービス提案支援システムが表示する課題マップの一例を示す説明図である。
【
図20】本発明の実施例のサービス提案支援システムを使用して顧客のシステムレベルを確認し、サービスを提案する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図21】本発明の実施例のサービス提案支援システムが保持するシステムレベルごと提案テーブルの一例を示す説明図である。
【
図22】本発明の実施例のサービス提案支援システムが保持するシステムレベル対応テーブルの一例を示す説明図である。
【
図23】本発明の実施例のサービス提案支援システムを使用して顧客の将来のシステム構成及びそのシステム構成を対象とするサービスを提案する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図24A】本発明の実施例のサービス提案支援システムの入出力装置が表示する画面の一例を示す説明図である。
【
図24B】本発明の実施例のサービス提案支援システムの入出力装置が表示する画面の一例を示す説明図である。
【
図25A】本発明の実施例のサービス提案支援システムの入出力装置が表示する画面の別の例を示す説明図である。
【
図25B】本発明の実施例のサービス提案支援システムの入出力装置が表示する画面の別の例を示す説明図である。
【
図26A】本発明の実施例のサービス提案支援システムの営業活動における利用場面の一例を示す説明図である。
【
図26B】本発明の実施例のサービス提案支援システムの営業活動における利用場面の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に基づいて、本発明の実施例を説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施例のサービス提案支援システムを使用した営業活動における主要な処理の一例を示すフローチャートである。
【0015】
処理が開始されると(ステップ101)、提案元事業者の担当者(以下、提案元事業者又は提案元事業者の担当者を単に提案元と記載する場合がある)は、サービス提案支援システム200(
図2参照)によって提供されるヒアリングナビゲーションに従って、提案先である顧客事業者の担当者(以下、顧客事業者又は顧客事業者の担当者を単に顧客と記載する場合がある)からデータ準備状況及び目的を聞き取り、その結果をサービス提案支援システム200に入力する(ステップ102)。
【0016】
次に、サービス提案支援システム200は、入力された聞き取り結果に基づいて、現状の顧客のシステム構成及びデジタル化レベルを表示し、その内容を顧客に確認する(ステップ103)。
【0017】
次に、提案元は、現状の顧客のシステムで実現可能な分析の提案をする(ステップ104)。さらに、提案元は、将来の顧客のシステム構成案を提示し、顧客に確認する(ステップ105)。そして、提案元は、将来の顧客のシステム構成案を実現するために不足してるシステム構成を提案する(ステップ106)。サービス提案支援システム200は、後述する処理を実行して、上記のステップ104~106の提案を支援する。
【0018】
提案が受け入れられた場合、提案元は、提案したサービスを構築して(ステップ107)、処理を終了する(ステップ108)。
【0019】
【0020】
図2は、本発明の実施例のサービス提案支援システム200の構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
本実施例のサービス提案支援システム200は、演算装置201、入出力装置202、通信装置205及び記憶装置206を有する。演算装置201は、例えば、プロセッサと、DRAM(Dynamic Random Access Memory)のような半導体の主記憶装置とを含み、記憶装置206に格納されているプログラム207に従って、様々な処理を実行する。後述するサービス提案支援システム200の処理は、演算装置201がプログラム207を実行することによって実現される。
【0022】
記憶装置206は、例えば、ハードディスクドライブ又はソリッドステートドライブなどの大容量の補助記憶装置によって構成され、プログラム及びデータを保持するために利用される。例えば、記憶装置206には、プログラム207、対象手段対応テーブル208、工程ごとデータ取得対象テーブル209、現場システム選択テーブル210、現場通信選択テーブル211、利用方法選択テーブル212、データ利用目的選択テーブル213、目的アプリ対応テーブル214、システムレベルごと提案テーブル215、システムレベル対応テーブル216、プラットフォームテーブル217、ソリューション情報テーブル218、ソリューション導入事例テーブル219、顧客価値構造テーブル220及び利用目的・提案対応テーブル221を保持する。演算装置201がプログラム207に従って実行する処理及び各テーブルの詳細については後述する。
【0023】
入出力装置202は、入力操作部203及び表示部204を有する。入力操作部203は、サービス提案支援システム200に入力される情報を受け付ける装置であり、例えば文字入力装置及びポインティングデバイス等を含んでもよい。表示部204は、サービス提案支援システム200によって処理された情報を出力する装置であり、例えば画像表示装置等を含んでもよい。
【0024】
通信装置205は、通信ネットワーク(図示省略)に接続され、当該通信ネットワークに接続された機器との間で情報の送受信を行うことができる。
【0025】
なお、演算装置201は、単一の処理ユニット又は複数の処理ユニットによって構成することができ、単一もしくは複数の演算ユニット、又は複数の処理コアを含むことができる。演算装置201は、1又は複数の中央処理装置、マイクロプロセッサ、マイクロ計算機、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、ステートマシン、ロジック回路、グラフィック処理装置、チップオンシステム、及び/又は制御指示に基づき信号を操作する任意の装置として実装することができる。
【0026】
また、サービス提案支援システム200の機能は、1以上のプロセッサ及び非一時的記憶媒体を含む1以上の記憶装置を含む1以上の計算機からなる計算機システムに実装することができる。サービス提案支援システム200が複数の計算機からなる計算機システムに実装される場合、当該複数の計算機は通信ネットワークを介して通信する。例えば、サービス提案支援システム200の複数の機能の一部が一つの計算機に実装され、他の一部が他の計算機に実装されてもよい。また、入出力装置202は、ネットワーク及び通信装置205を介して演算装置201と通信するタブレット端末又はノートPC(Personal Computer)などの端末装置であってもよい。
【0027】
図3は、本発明の実施例のサービス提案支援システム200が表示するシステム構成図の一例を示す説明図である。
【0028】
システム構成
図300は、サービス提案支援システム200の表示部204によって表示される。提案元は、顧客に対してシステム構成
図300を提示し、それに基づいて顧客からの聞き取りを行い、その結果をサービス提案支援システム200に入力する。サービス提案支援システム200は、聞き取りの結果に応じてシステム構成
図300を変更する。
図3には、聞き取りを開始するときに表示される初期状態のシステム構成
図300の一例を示す。
【0029】
図3に示すシステム構成
図300は、現場データ欄301、OT(Operational Technology)系システム欄302、プラットフォーム・データ解析基盤欄303、利用方法・目的欄304、現場通信ボタン305、システムレベルボタン306及び外部通信ボタン307を含む。
【0030】
現場データ欄301には、現場からデータを取得する手段及び取得対象を示す情報が表示される。これは、提案元が顧客に対して提案できる(すなわち顧客からの求めがあれば提供できる)サービスにおいて利用可能なデータの取得手段及び取得対象を示す情報である。例えば、取得手段として認証(例えばバーコードの読み取り等)、センサ及びカメラ等が表示され、取得対象として人、物、設備及び環境等が表示される。ここに表示された取得手段及び取得対象から、後述するように、顧客の現状のシステムにおいて保有される取得手段及び取得対象が選択される。
【0031】
OT系システム欄302には、現場の運用及び制御のためのシステムを示す情報が表示される。これは、提案元が顧客に対して提案できるサービスにおいて対応可能なシステムを示す情報である。例えば、PLC(Programmable Logic Controller)等のデータ収集基盤、ERP(Enterprise Resource Planning)等の業務系システム、スケジューラ、MES(Manufacturing Execution System)、DCS(Distributed Control System)、WCS(Warehouse Control System)、WMS(Warehouse Management System)等の現場系システム等が表示される。ここに表示されたシステムから、後述するように、顧客の現状のシステムに該当するものが選択される。
【0032】
プラットフォーム・データ解析基盤欄303には、提案元が顧客へのサービス提供のために用意しているプラットフォーム及びデータ解析基盤を示す情報が表示される。
図3の例では、顧客のOT系システムから取り込んだデータをデータレイクに格納して、データ解析基盤によって解析されたデータを統合し、顧客が求める形に可視化してWebサーバ等を介して提供する、といったプラットフォームが表示されている。また、データレイクから取得したデータをデータマートとして一旦保持し、その中で解析に必要なデータをAI(人工知能)アプリケーションによって解析し、その結果をデータレイクに返す、といったデータ解析基盤が表示されている。また、データ解析のために利用可能なAIアプリケーション(例えば品質AI、省エネAI、予兆AI及び生産性AIなど)が表示されてもよい。
【0033】
利用方法・目的欄304には、提案元が顧客に対して提供するサービスを顧客側が利用する方法及び目的を示す情報が表示される。これは、例えば、サービスの具体的な利用者が誰であるのか(言い換えると、サービスによって出力されるデータを誰が見るのか)、サービスがどのようなツールを介して利用されるか、サービスがどのような目的で利用されるか、といった情報である。
図3の例では、サービスの具体的な利用者として顧客事業者の幹部、生産技術者、現場管理者及び作業者が表示され、サービスを利用するためのツールとしてPC、タブレット端末、スマートフォン及び電子掲示板が表示され、サービスの利用目的としてデータの可視化、データの分析及び多拠点のデータの統合管理が表示されている。
【0034】
現場通信ボタン305は、現場(例えば工場内)の通信に関する情報を入力するために操作される。システムレベルボタン306は、システムレベルに関する情報を入力するために操作される。外部通信ボタン307は、外部との通信に関する情報を入力するために操作される。ただし、システムレベルボタン306は初期状態では表示されず、後述する所定の処理が終了すると表示される(
図16参照)。
【0035】
なお、
図3のシステム構成
図300は一例であり、実際には提案元が用意しているシステムの内容及びそれを用いて提供できるサービスの内容等に応じたシステム構成
図300が表示される。
【0036】
図4は、本発明の実施例のサービス提案支援システム200を使用して現場のデータ状況を聞き取る処理の一例を示すフローチャートである。
【0037】
図4に示す処理は、
図1のステップ102に相当する。
【0038】
処理が開始されると、提案元事業者の担当者は、顧客の現場データからアプローチするかを判断する(ステップ401)。顧客の現場データからアプローチする場合(ステップ401:YES)、提案元は、サービス提案支援システム200にシステム構成
図300を表示させ(ステップ402)、これを顧客に提示してシステム構成
図300を説明し(ステップ403)、顧客にシステム化したい現場を具体的に決めるように依頼する(ステップ404)。
【0039】
これに対して顧客から具体的な現場が示された場合(ステップ405:YES)、提案元は、対象手段対応テーブル208及び工程ごとデータ取得対象テーブル209を用いて、顧客の現状のデータ取得状況を聞き取る(ステップ406)。例えば提案元がシステム構成
図300の現場データ欄301をクリックすると、サービス提案支援システム200が対象手段対応テーブル208及び工程ごとデータ取得対象テーブル209を表示してもよい。これらのテーブルについては後述する(
図5及び
図6参照)。
【0040】
提案元は、ステップ406の聞き取りの結果、各テーブルの現場のデータが取得できている項目にチェックを入力して、その結果を保存する(ステップ407)。その後、サービス提案支援システム200は、テーブルの表示を終了して、再びシステム構成
図300を表示する(ステップ408)。
【0041】
次に、現状データ取得状況表示処理が実行される。この処理については後述する(
図7A及び
図7B参照)。
【0042】
ステップ401において、顧客の現場データからアプローチしないと判断した場合(ステップ401:NO)、提案元は、サービス提案支援システム200に課題マップを表示させ(ステップ409)、これを顧客に提示して現場課題を聞き取る(ステップ410)。課題マップ及びそれを用いた現場課題の聞き取りについては後述する(
図18及び
図19参照)。その後、処理はステップ402に進む。
【0043】
ステップ404の依頼に対して、顧客から具体的な現場が示されなかった場合(ステップ405:NO)、提案元は、事例を説明し、顧客の業種及びシステム化の想定と近い事例を選択する(ステップ411)。そして、提案元は、顧客が実現したいことに優先順位を付けて、検討する現場を決定する(ステップ412)。その後、処理はステップ406に進む。
【0044】
図5は、本発明の実施例のサービス提案支援システム200が保持する対象手段対応テーブル208の一例を示す説明図である。
【0045】
図5の対象手段対応テーブル208は、データ取得対象(すなわちセンシング対象)とデータ取得手段(すなわちセンシング手段)との組み合わせに基づいて特定される情報の例を示す。具体的には、対象手段対応テーブル208は、それぞれがデータ取得手段に対応する複数の行と、それぞれがデータ取得対象に対応する複数の列と、を含む。
図5の例では、行501がセンサ、行502がカメラ、行503が認証、行504がパラメータ・ログにそれぞれ対応する。また、列511が人(例えば現場が工場である場合に、工場における作業者等)、列512が物(例えば工場における製造物又はその原料等)、列513が設備(例えば工場における製造設備等)、列514が環境・管理(例えば工場内の作業環境等)にそれぞれ対応する。そして、それぞれの行及び列に対応するセルには、それぞれの列に対応するデータ取得対象から、それぞれの行に対応するデータ取得手段によって取得されるデータの項目が保持される。
【0046】
例えば、顧客からの聞き取りの結果、顧客企業の現場に作業者の配置及び動作をセンシングするためのカメラが設置されているという情報が得られた場合、行502及び列511のせるに保持された「配置」及び「動作」の項目がチェックされる。
【0047】
図6は、本発明の実施例のサービス提案支援システム200が保持する工程ごとデータ取得対象テーブル209の一例を示す説明図である。
【0048】
図6の工程ごとデータ取得対象テーブル209は、各データ取得対象について、工程ごとに顧客から聞き取るべき情報を記述した例を示す。具体的には、工程ごとデータ取得対象テーブル209は、それぞれがデータ取得対象に対応する複数の行と、それぞれが顧客の現場の工程対応する複数の列と、を含む。
図6の例では、行601が人、行602が物のID及び検査、行603が物流管理、行604が設備、行605が環境にそれぞれ対応する。また、列611が工場等における原材料又は倉庫等における保管対象物の受入の工程、列612が製造及び設備稼働の工程、列613が品質検査の工程にそれぞれ対応する。そして、それぞれの行及び列に対応するセルには、それぞれの列に対応する工程において、それぞれの行に対応するデータ取得手段によって取得されるデータの項目が保持される。
【0049】
例えば、顧客からの聞き取りの結果、顧客企業の現場において、製造工程における設備の運転パラメータが取得できる場合には、行604及び列612のセルに保持された「運転パラメータ」の項目がチェックされる。
【0050】
図7A及び
図7Bは、本発明の実施例のサービス提案支援システム200が顧客の現状のデータ取得状況を表示する処理の一例を示すフローチャートである。
【0051】
サービス提案支援システム200は、対象手段対応テーブル208又は工程ごとデータ取得対象テーブル209のうち「人」に対応する行又は列(例えば
図5の列511又は
図6の行601のいずれかの項目)にチェックが入った場合(ステップ701:YES)、システム構成
図300の現場データ欄301の「ヒト」の欄を強調表示し(ステップ702)、そうでない場合(ステップ701:NO)、「ヒト」の欄を削除する(ステップ703)。
【0052】
次に、サービス提案支援システム200は、対象手段対応テーブル208又は工程ごとデータ取得対象テーブル209のうち「物」に対応する行又は列(例えば
図5の列512、
図6の行602又は行603のいずれかの項目)にチェックが入った場合(ステップ704:YES)、システム構成
図300の現場データ欄301の「物」の欄を強調表示し(ステップ705)、そうでない場合(ステップ704:NO)、「物」の欄を削除する(ステップ703)。
【0053】
次に、サービス提案支援システム200は、対象手段対応テーブル208又は工程ごとデータ取得対象テーブル209のうち「設備」に対応する行又は列(例えば
図5の列513又は
図6の行604のいずれかの項目)にチェックが入った場合(ステップ707:YES)、システム構成
図300の現場データ欄301の「設備」の欄を強調表示し(ステップ708)、そうでない場合(ステップ707:NO)、「設備」の欄を削除する(ステップ709)。
【0054】
次に、サービス提案支援システム200は、対象手段対応テーブル208又は工程ごとデータ取得対象テーブル209のうち「環境」に対応する行又は列(例えば
図5の列514又は
図6の行605のいずれかの項目)にチェックが入った場合(ステップ710:YES)、システム構成
図300の現場データ欄301の「環境」の欄を強調表示し(ステップ711)、そうでない場合(ステップ710:NO)、「環境」の欄を削除する(ステップ712)。
【0055】
次に、サービス提案支援システム200は、対象手段対応テーブル208のうち「センサ」に対応する行(例えば
図5の行501のいずれかの項目)にチェックが入った場合(ステップ713:YES)、システム構成
図300の現場データ欄301の「センサ」の欄を強調表示し、さらに、現場システム選択テーブル210のデータ取得(ハード)欄903(
図9参照、後述)の「センサ」の項目にチェックを入れる(ステップ714)。一方、そうでない場合(ステップ713:NO)、サービス提案支援システム200は、現場データ欄301の「センサ」の欄を削除する(ステップ715)。
【0056】
次に、サービス提案支援システム200は、対象手段対応テーブル208のうち「カメラ」に対応する行(例えば
図5の行502のいずれかの項目)にチェックが入った場合(ステップ716:YES)、システム構成
図300の現場データ欄301の「カメラ」の欄を強調表示し、さらに、現場システム選択テーブル210のデータ取得(ハード)欄903の「カメラ」の項目にチェックを入れる(ステップ717)。一方、そうでない場合(ステップ716:NO)、サービス提案支援システム200は、現場データ欄301の「カメラ」の欄を削除する(ステップ718)。
【0057】
次に、サービス提案支援システム200は、対象手段対応テーブル208のうち「認証」に対応する行(例えば
図5の行503のいずれかの項目)にチェックが入った場合(ステップ719:YES)、システム構成
図300の現場データ欄301の「認証」の欄を強調表示し、さらに、現場システム選択テーブル210のデータ取得(ハード)欄903の「認証」の項目にチェックを入れる(ステップ720)。一方、そうでない場合(ステップ719:NO)、サービス提案支援システム200は、現場データ欄301の「認証」の欄を削除する(ステップ721)。
【0058】
次に、サービス提案支援システム200は、対象手段対応テーブル208のうち「パラメータ・ログ」に対応する行(例えば
図5の行504のいずれかの項目)にチェックが入った場合(ステップ722:YES)、システム構成
図300のOT系システム欄302の「PLC」の欄を強調表示し、さらに、現場システム選択テーブル210のデータ取得(ハード)欄903の「PLC(シーケンサ)」の項目にチェックを入れる(ステップ723)。一方、そうでない場合(ステップ722:NO)、サービス提案支援システム200は、OT系システム欄302の「PLC」の欄を削除する(ステップ724)。
【0059】
次に、サービス提案支援システム200は、上記のような強調表示及び削除が反映されたシステム構成
図300を表示する(ステップ725)。
【0060】
次に、現場システムを聞き取る処理が実行される。この処理については後述する(
図8参照)。
【0061】
上記のような強調表示及び削除といった表示の変更によって、最初にシステム構成
図300に表示した現場におけるデータ取得手段及び取得対象のうち、顧客の現状のシステムに対応するものが残り、他が削除される。その結果、システム構成
図300のうち、現場データ欄301が顧客の現状のシステムに対応したものとなる。
【0062】
なお、上記の強調表示及び削除は、チェックが入ったか否かに応じた表示の変更方法の一例であり、他の方法を採用してもよい。例えばチェックが入った場合には表示を変更せずに、チェックが入らなかった場合に表示を削除してもよいし、チェックが入らなかった場合に表示を削除する代わりに例えばいわゆるグレー表示などの表示を行ってもよい。以下に説明する他の表示部の変更についても同様である。
【0063】
図8は、本発明の実施例のサービス提案支援システム200を使用して現場システムを聞き取る処理の一例を示すフローチャートである。
【0064】
最初に、提案元が、現場システム選択テーブル210を用いて、顧客の現状のデータ取得状況を聞き取る(ステップ801)。例えば提案元がシステム構成
図300のOT系システム欄302をクリックすると、サービス提案支援システム200が現場システム選択テーブル210を表示してもよい。現場システム選択テーブル210については後述する(
図9参照)。
【0065】
提案元は、ステップ801の聞き取りの結果、現場システム選択テーブル210において現場のデータ取得システムに対応する項目にチェックを入力して、その結果を保存する(ステップ802)。その後、サービス提案支援システム200は、テーブルの表示を終了して、再びシステム構成
図300を表示する(ステップ803)。
【0066】
次に、現状現場システム表示処理が実行される。この処理については後述する(
図10参照)。
【0067】
図9は、本発明の実施例のサービス提案支援システム200が保持する現場システム選択テーブル210の一例を示す説明図である。
【0068】
現場システム選択テーブル210は、業務・現場系システム欄901、データ収集単位欄902、データ取得(ハード)欄903、データ取得(ソフト)欄904及びデータ量欄905を含む。
【0069】
業務・現場系システム欄901には、顧客の業務系システム及び現場系システムの選択肢として複数の項目が保持される。
図9の例では、ERP、スケジューラ、MES、DCS、WCS、WMS及びその他の項目が保持される。提案元が顧客から聞き取った結果に基づいて、顧客の現状のシステムに相当する1以上の項目にチェックが入力される。
【0070】
データ収集単位欄902には、データの収集単位、言い換えると、現場のどの範囲ごとにデータが収集されるかを示す複数の項目が保持される。
図9の例では、設備ごと、ラインごと、システムごと及びその他の項目が保持される。提案元が顧客から聞き取った結果に基づいて、顧客の現状のシステムにおけるデータ収集単位に該当する項目にチェックが入力される。
【0071】
データ取得(ハード)欄903には、データ取得に用いられるハードウェアを示す複数の項目が保持される。
図9の例では、センサ、カメラ、認証、PLC及びその他の項目が保持される。また、PLCについては、提案元事業者の製品が使用されているかを示す項目が含まれてもよい。提案元が顧客から聞き取った結果に基づいて、顧客の現状のシステムにおいてデータの取得に用いられているハードウェアに該当する項目にチェックが入力される。
【0072】
データ取得(ソフト)欄904には、データ取得に用いられるソフトウェアに関する複数の項目が保持される。
図9の例では、ダイレクト取得であるか否かを示す項目、一次取得であるか否かを示す項目、及びソフトウェア名を入力する項目が含まれる。提案元が顧客から聞き取った結果に基づいて、顧客の現状のシステムにおいてデータの取得に用いられているソフトウェアに該当する項目にチェックが入力される。
【0073】
データ量欄905は、取得されるデータ量に関する情報の項目を含む。
図9の例では、データ取得の周期を示す情報の項目、及び、データのアーカイブ期間を示す情報の項目が含まれる。提案元が顧客から聞き取った結果に基づいて、これらの項目の情報が入力される。
【0074】
図10は、本発明の実施例のサービス提案支援システム200が顧客の現状の現場システムを表示する処理の一例を示すフローチャートである。
【0075】
サービス提案支援システム200は、現場システム選択テーブル210の業務・現場系システム欄901のいずれかの項目にチェックが入った場合(ステップ1001:YES)、システム構成
図300に含まれる項目のうち、チェックが入った項目と同じ名称の欄を強調表示し、それ以外は削除する(ステップ1002)。業務・現場系システム欄901のいずれの項目にもチェックが入っていない場合(ステップ1001:NO)、システム構成図の現場系システム及び業務系システムに含まれる項目を削除する(ステップ1007)。
【0076】
次に、サービス提案支援システム200は、現場システム選択テーブル210のデータ取得(ハード)欄903の「PLC」の項目にチェックが入った場合(ステップ1003:YES)、システム構成
図300の「PLC」の欄を強調表示し(ステップ1004)、そうでない場合(ステップ1003:NO)、「PLC」の欄を削除する(ステップ1005)。
【0077】
次に、サービス提案支援システム200は、上記のような強調表示及び削除が反映されたシステム構成
図300を表示する(ステップ1006)。
【0078】
次に、現場の通信手段を聞き取る処理が実行される。
【0079】
図11は、本発明の実施例のサービス提案支援システム200を使用して現場の通信手段を聞き取る処理の一例を示すフローチャートである。
【0080】
最初に、提案元が、現場通信選択テーブル211を用いて、顧客の現状のデータ通信手段を聞き取る(ステップ1101)。例えば提案元がシステム構成
図300の現場通信ボタン305をクリックすると、サービス提案支援システム200が現場通信選択テーブル211を表示してもよい。現場通信選択テーブル211については後述する(
図12参照)。
【0081】
提案元は、ステップ1101の聞き取りの結果、現場通信選択テーブル211において現場の通信手段に該当する項目にチェックを入力して、その結果を保存する(ステップ1102)。その後、サービス提案支援システム200は、テーブルの表示を終了して、再びシステム構成
図300を表示する(ステップ1103)。
【0082】
さらに、サービス提案支援システム200は、システム構成
図300の現場通信ボタン305の表示を、ステップ1102においてチェックされた項目と同じ名前の表示に変更する(ステップ1104)。
【0083】
次に、顧客の利用方法及び利用目的を聞き取る処理が実行される。この処理については後述する(
図13参照)。
【0084】
図12は、本発明の実施例のサービス提案支援システム200が保持する現場通信選択テーブル211の一例を示す説明図である。
【0085】
現場通信選択テーブル211は、有線通信欄1201、無線通信欄1202及び制限事項欄1203を含む。さらに、上記の欄は、それぞれ、現状欄1211及び将来希望欄1212を含む。
【0086】
有線通信欄1201の現状欄1211には、現場の有線通信手段に対応する複数の項目が保持される。
図12の例では、専用線、公衆線、VPN(仮想専用線)及び光通信線といった項目が保持されている。これらのうち、提案元が顧客から聞き取った結果に基づいて、顧客の現場で現在使用されている有線通信手段に該当する項目にチェックが入力される。
【0087】
有線通信欄1201の将来希望欄1212に保持される項目は、有線通信欄1201の現状欄1211に保持されるものと同様であってもよいが、将来利用可能になると予想される有線通信手段に対応する項目が追加されてもよい。これらのうち、提案元が顧客から聞き取った結果に基づいて、顧客が将来現場で使用することを希望している有線通信手段に該当する項目にチェックが入力される。
【0088】
無線通信欄1202の現状欄1211には、現場の無線通信手段に対応する複数の項目が保持される。
図12の例では、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、携帯電話(4G等)、トランシーバ及びその他といった項目が保持されている。これらのうち、提案元が顧客から聞き取った結果に基づいて、顧客の現場で現在使用されている無線通信手段に該当する項目にチェックが入力される。
【0089】
無線通信欄1202の将来希望欄1212に保持される項目は、無線通信欄1202の現状欄1211に保持されるものと同様であってもよいが、将来利用可能になると予想される無線通信手段に対応する項目が追加されてもよい。
図12の例では、Wi-Fi6、パブリック5G、ローカル5G及びLPWA(Low Power Wide Area)が追加されている。これらのうち、提案元が顧客から聞き取った結果に基づいて、顧客が将来現場で使用することを希望している無線通信手段に該当する項目にチェックが入力される。
【0090】
制限事項欄1203には、提案元が顧客から聞き取った結果に基づいて、現場における通信の制限事項が保持される。例えば障害物のために現場の特定のエリアで無線通信ができない場合には、そのことを示す情報が制限事項欄1203に保持されてもよい。
【0091】
図13は、本発明の実施例のサービス提案支援システム200を使用して顧客の利用方法及び利用目的を聞き取る処理の一例を示すフローチャートである。
【0092】
最初に、提案元は、利用方法選択テーブル212を用いて、顧客のデータ利用方法を聞き取る(ステップ1301)。次に、提案元は、データ利用目的選択テーブル213を用いて、顧客のデータ利用目的を聞き取る(ステップ1302)。例えば提案元がシステム構成
図300の利用方法・目的欄304をクリックすると、サービス提案支援システム200が利用方法選択テーブル212及びデータ利用目的選択テーブル213を表示してもよい。これらのテーブルについては後述する(
図14及び
図15参照)。
【0093】
ステップ1302においてデータ利用目的選択テーブル213に一つ以上のチェックが入力された場合(ステップ1303:YES)、サービス提案支援システム200は、データ利用目的選択テーブル213に入力されたチェックを含めて保存し(ステップ1304)、テーブルの表示を終了して、再びシステム構成
図300を表示する(ステップ1305)。この場合、次に、利用方法及び利用目的を表示する処理が実行される。この処理については後述する(
図16参照)。
【0094】
ステップ1302においてデータ利用目的選択テーブル213に一つもチェックが入力されなかった場合(ステップ1303:NO)、サービス提案支援システム200は、課題マップを表示する(ステップ1306)。この場合、次に、課題マップを用いて現場の課題を聞き取る処理が実行される。課題マップ及びそれを用いた聞き取りの処理については後述する(
図18及び
図19参照)。
【0095】
図14は、本発明の実施例のサービス提案支援システム200が保持する利用方法選択テーブル212の一例を示す説明図である。
【0096】
利用方法選択テーブル212は、利用目的(行1401)、利用者(行1402)、端末(行1403)、利用頻度(行1404)及び提供形態(行1405)のそれぞれに関する利用形態を示す項目を含む。さらに、利用方法選択テーブル212は、利用の制約条件を示す項目(行1406)を含む。
【0097】
図14の例では、利用目的に関して可視化及び分析、利用者に関して幹部、生産技術者、現場管理者、作業者及びその他、端末に関してPC、タブレット端末、スマートフォン、電子掲示板及びその他、利用頻度に関してリアルタイム、1日につき指定回数及びその他、提供形態に関して買い取り(オンプレミス)、サービス及び顧客側での分析といった利用形態の項目が保持されている。さらに、制約条件として、自社内での利用、自社開発、外部データの参照、海外拠点との接続が必要、及びその他の項目が保持されている。
【0098】
例えば、ステップ1301における聞き取りの結果、顧客が現場から取得されたデータの分析を望んでおり、さらに、その結果を、1か月に1回程度、PCを介して、顧客事業者の幹部が利用することを望んでいるという情報が得られた場合、利用目的に関しては「分析」、利用者に関しては「幹部」、端末に関しては「PC」、利用頻度に関しては「その他」にチェックが入力され(すなわちそれらの項目が選択され)、利用頻度に関してはさらに1か月に1回程度という情報が入力される。
【0099】
図15は、本発明の実施例のサービス提案支援システム200が保持するデータ利用目的選択テーブル213の一例を示す説明図である。
【0100】
データ利用目的選択テーブル213には、事業のそれぞれの段階における複数のデータ利用目的を示す項目が保持されており、それらの中から顧客が望むものを選択することができる。
図15には、例として、製造業の開発から保守までのそれぞれの段階における品質、コスト及びデリバリ(納期等)を管理するためのデータ利用目的を示す項目が保持される。
【0101】
具体的には、
図15の例では、製造の段階が計画・管理、材料・製品、人、及び設備に分類される。そして、開発段階(行1501)、製造段階の計画・管理(行1502)、製造段階の材料・製品(行1503)、製造段階の人(行1504)、製造段階の設備(行1505)、及び保守段階(行1506)のそれぞれについて、品質管理(列1511)、コスト管理(列1511)及びデリバリ管理(列1511)に対応する1以上の項目が保持されている。ステップ1302において、顧客からの聞き取りの結果に基づいて特定される顧客のデータ利用目的に対応する項目にチェックが入力される(すなわちそれらの項目が選択される)。
【0102】
図16は、本発明の実施例のサービス提案支援システム200が顧客のデータ利用方法及び利用目的を表示する処理の一例を示すフローチャートである。
【0103】
前述の顧客の利用方法及び利用目的を聞き取る処理(
図13)、又は、後述の課題マップを用いて現場課題を聞き取る処理(
図18)が実行された後に、
図16の処理が実行される。
【0104】
最初に、サービス提案支援システム200は、システム構成
図300の利用方法・目的欄304の項目のうち、利用方法選択テーブル212においてチェックが入力された項目と同じ名前の項目のアイコンを強調表示し(ステップ1601)、それ以外の項目のアイコンを削除する(ステップ1602)。
【0105】
次に、サービス提案支援システム200は、ステップ1601で強調表示したアイコンを整列して、利用方法・目的欄304の枠の大きさを適切に変更する(ステップ1603)。
【0106】
次に、サービス提案支援システム200は、目的アプリ対応テーブル214を参照して、システム構成
図300のプラットフォーム・データ解析基盤欄303に含まれるAIアプリケーション群のうち、データ利用目的選択テーブル213においてチェックが入力された項目に対応するアプリケーションを決定する(ステップ1604)。目的アプリ対応テーブル214については後述する(
図17参照)。
【0107】
次に、サービス提案支援システム200は、システム構成
図300上で、ステップ1604で決定されたアプリケーションを強調表示し(ステップ1605)、それ以外のアプリケーションを削除する(ステップ1606)。
【0108】
次に、サービス提案支援システム200は、システム構成
図300のプラットフォーム・データ解析基盤欄303のAIアプリケーション群表示領域の枠の大きさを適切に変更する(ステップ1607)。このとき、例えば枠が横長になる場合に「AIアプリ群」の表記を横書きに変更するなど、適切に表示を変更してもよい。
【0109】
次に、サービス提案支援システム200は、システム構成
図300のプラットフォーム・データ解析基盤欄303のデータマートからAIアプリケーション群への矢印の数を、表示されているAIアプリケーションの数と一致させる(ステップ1608)。すなわち、ステップ1606においてAIアプリケーションが削除された場合には、それに対応する矢印を削除する。
【0110】
次に、サービス提案支援システム200は、システム構成
図300にシステムレベルボタン306を表示する(ステップ1609)。
【0111】
以上で処理が終了する。
【0112】
図17は、本発明の実施例のサービス提案支援システム200が保持する目的アプリ対応テーブル214の一例を示す説明図である。
【0113】
目的アプリ対応テーブル214は、データ利用目的選択テーブル213に含まれる項目とAIアプリケーションとを対応付ける情報を含む。
図17の例では、開発段階及び製造段階の品質に関する項目は、品質AIアプリケーションに対応付けられる。開発段階及び製造段階のコストに関する項目及びデリバリに関する項目のうち、「省エネ」の項目は省エネAIアプリケーションに、「故障予兆」の項目は予兆AIアプリケーションに、その他の項目は生産性AIアプリケーションに、それぞれ対応付けられる。また、保守段階の品質に関する項目、コストに関する項目及びデリバリに関する項目は、予兆AIアプリケーションに対応付けられる。
【0114】
例えば、
図13のステップ1302において、データ利用目的選択テーブル213の項目のうち、開発段階の品質向上に対応する「最適化」の項目が選択された場合、
図16のステップ1604では、目的アプリ対応テーブル214が参照され、「最適化」の項目に対応する品質AIアプリケーションが決定される。本実施例において、ここで決定されるアプリケーションは、顧客の課題に対して提案元が提案するソリューションの候補となる。ステップ1302において複数の項目が選択されていれば、選択されたそれぞれの項目について、上記と同様に対応するアプリケーションが決定され、提案ソリューションの候補として保持される。
【0115】
図18は、本発明の実施例のサービス提案支援システム200を使用して、課題マップに基づいて顧客の現場の課題を聞き取る処理の一例を示すフローチャートである。
【0116】
図18に示す処理は、現場のデータ状況を聞き取る処理(
図4)のステップ409の次(ステップ410)、及び、顧客の利用方法及び利用目的を聞き取る処理(
図13)のステップ1306の次に実行される。
【0117】
最初にサービス提案支援システム200が課題マップ1900を表示して(ステップ1801)、提案元が表示された課題マップ1900を説明し(ステップ1802)、課題マップ1900の中に顧客の課題に近い項目があるかを聞き取る(ステップ1803)。なお、課題マップ1900については後述する(
図19参照)。
【0118】
聞き取りの結果、課題マップ1900の中に顧客の課題に近い項目があるか、又は、顧客が興味を持った項目がある場合(ステップ1804:YESかつステップ1805:YES)、提案元は、該当する項目を選択して、サービス提案支援システム200に保存する(ステップ1806)。
【0119】
次に、提案元は、課題マップ1900から選択された項目に対応するデータ利用目的選択テーブル213の項目にチェックを入力して保存する(ステップ1807)。
【0120】
この時点で提案元が顧客に対して既にシステム構成
図300について説明済みである場合(ステップ1808:YES)、次に、利用方法及び利用目的を表示する処理(
図16)が実行される。システム構成
図300について説明済みでない場合(ステップ1808:NO)、次に、現場のデータ状況を聞き取る処理(
図4)のステップ402以降の処理が実行される。
【0121】
一方、聞き取りを行ってもなお、顧客の課題がわからない場合(ステップ1804:YESかつステップ1805:NO)、提案元は、いくつかの事例を顧客に説明して、解決したい課題を決定し、サービス提案支援システム200に保存する(ステップ1809)。その後、処理はステップ1807に進む。
【0122】
顧客の課題はわかっているが、その課題が課題マップ1900になく、他に顧客が興味を持った項目もない場合、顧客の課題及び興味がサービス提案支援システム200によって支援できる範囲を超えているため、当該顧客に対する活動においては、サービス提案支援システム200の使用を停止する(ステップ1810)。
【0123】
図19は、本発明の実施例のサービス提案支援システム200が表示する課題マップ1900の一例を示す説明図である。
【0124】
課題マップ1900には、事業のそれぞれの段階における複数の課題を示す項目が表示されており、それらの中から顧客が自身の事業における課題と認識しているものを選択することができる。
図19には、例として、製造業の開発から保守までのそれぞれの段階における品質、コスト及びデリバリに対応する課題を示す項目が表示される。
【0125】
具体的には、
図19の例では、製造の段階が計画・管理及びオペレーションに分類され、オペレーションはさらに材料、人、及び設備・システムに分類される。そして、開発段階、製造段階の計画・管理、製造段階の材料、製造段階の人、製造段階の設備・システム、及び保守段階のそれぞれについて、品質管理、生産性・デリバリ管理及びコスト管理に対応する1以上の項目が表示されている。ステップ1806又は1809において、顧客からの聞き取りの結果に基づいて特定される顧客の課題に対応する項目にチェックが入力される。
【0126】
なお、課題マップ1900の各項目は、データ利用目的選択テーブル213の項目と予め対応付けられていてもよい。その場合、課題マップ1900に基づいて顧客の課題が特定されると、それに対応するデータ利用目的選択テーブル213の項目が一意に特定される。
【0127】
図20は、本発明の実施例のサービス提案支援システム200を使用して顧客のシステムレベルを確認し、サービスを提案する処理の一例を示すフローチャートである。
【0128】
最初に、提案元は、システム構成
図300のシステムレベルボタン306を操作し、サービス提案支援システム200にシステムレベルごと提案テーブル215を表示させる(ステップ2001)。システムレベルごと提案テーブル215については後述する(
図21参照)。
【0129】
次に、サービス提案支援システム200は、現場システム選択テーブル210のデータ収集単位欄902の入力値とシステムレベル対応テーブル216とを参照して、顧客の現状のシステムレベル、すなわち、顧客のシステムの現状のデジタル化レベルを決定する(ステップ2002)。システムレベル対応テーブル216については後述する(
図22参照)。
【0130】
次に、サービス提案支援システム200は、データ利用目的選択テーブル213の入力値と、目的アプリ対応テーブル214とを参照して、選択されたデータ利用目的に対応するアプリケーションを決定する(ステップ2003)。
【0131】
次に、サービス提案支援システム200は、システムレベルごと提案テーブル215を参照して、ステップ2003で決定されたアプリケーションに対応する行とステップ2002で決定されたシステムレベルに対応する列との交点に記載された解決策を強調表示する(ステップ2004)。
【0132】
次に、サービス提案支援システム200は、データ利用目的選択テーブル213において選択された項目に対応するソリューション事例に関して、ソリューション情報テーブル218からソリューションスコアを呼び出す(ステップ2005)。
【0133】
ソリューション情報テーブル218は、システム構成
図300に含まれる各項目(すなわちシステム要素)のソリューションスコアを定義する情報である。ここで、ソリューションスコアとは、各項目が各ソリューションの提供のために必要であるか否かを示すスコアであり、例えば必要である場合に「1」、必要でない場合に「0」が設定されてもよい。
【0134】
また、システム構成
図300に含まれる項目のうち、現場データ欄301については、対象手段対応テーブル208及び工程ごとデータ取得対象テーブル209の少なくとも一方に対応する情報が含まれてもよい。例えば、対象手段対応テーブル208のデータ取得対象とデータ取得手段との組に対応する項目ごとに、その項目のデータがソリューションの提供のために必要であれば「1」、そうでなければ「0」のスコアが設定されてもよい。あるいは、工程ごとデータ取得対象テーブル209に含まれる取得対象のデータの項目ごとに、その項目のデータがソリューションの提供のために必要であれば「1」、そうでなければ「0」のスコアが設定されてもよい。
【0135】
なお、システムレベルによって使用されるデータ等の要件が異なる場合があるため、同一のソリューションに関する同一のデータ項目のソリューションスコアとして、システムレベルによって異なる値が設定されてもよい。
【0136】
次に、サービス提案支援システム200は、工程ごとデータ取得対象テーブル209に保存されている顧客の現状のデータ取得対象を呼び出し、それに基づいて顧客スコアを設定する(ステップ2006)。
【0137】
ここで、顧客スコアとは、顧客の解析の目的、顧客の現状のシステム、及び顧客の現状のデータ取得対象等の項目を示すものであり、例えば該当する項目の顧客スコアが「1」、該当しない顧客スコアが「0」と設定される。例えば、工程ごとデータ取得対象テーブル209に含まれる項目のうち、顧客からの聞き取りの結果、現状の取得対象である項目の顧客スコアは「1」、そうでない項目の顧客スコアは「0」と設定される。
【0138】
次に、サービス提案支援システム200は、システム構成の各要素について、該当のシステムレベルにおけるソリューションスコアと顧客スコアとに基づいて不足項目スコアを算出する(ステップ2007)。
【0139】
不足項目スコアは、顧客の現状のシステムレベルにおけるソリューションの提供のために必要な項目であって、顧客の現状のシステム及び現状のデータ取得対象等には含まれない項目、言い換えると、顧客の現状のシステムレベルにおけるソリューションの提供のために顧客の現状システムでは不足している項目を示すスコアである。具体的には、各項目の不足項目スコアは、当該項目のソリューションスコアが「1」かつ顧客スコアが「0」の場合に「1」となり、それ以外の場合には「0」となる。
【0140】
次に、サービス提案支援システム200は、一致度スコアを算出する(ステップ2008)。
【0141】
一致度スコアは、顧客の現状のシステムレベルに対応するソリューションスコアが「1」である項目の数に対する、ソリューションスコアが「1」かつ不足項目スコアが「0」である項目の数の割合(言い換えると、ソリューションに必要なシステム要素の数に対する、ソリューションに必要なシステム要素であって現状の顧客のシステムに含まれるシステム要素の数の割合)である。この一致度スコアが「1」であることは、顧客の現状のシステムにおいて当該ソリューションを提供できることを意味する。また、一致度スコアが「1」より小さい値であっても、「1」に近い値であるほど、ソリューションの提供のために顧客のシステムに追加すべき項目が少ないため、ソリューションを提供しやすいと言える。すなわち、一致度スコアが大きいソリューションほど、顧客がそのソリューションのサービス提案を受け入れやすいであろうと予測される。
【0142】
次に、サービス提案支援システム200は、解析の目的に沿ったソリューションの中から、一致度スコアが所定の条件を満たす1以上のソリューションを表示する(ステップ2009)。例えば、一致度スコアが最大のソリューションのみを表示してもよいし、一致度スコアが所定の基準より大きい1以上のソリューションを表示してもよい。ここで、解析の目的とは、顧客のデータ利用目的に対応するものであり、例えば、目的アプリ対応テーブル214に基づいて特定されるアプリケーションに対応するものであってもよい。
【0143】
提案元は、利用目的・提案対応テーブル221に従い、現在の顧客のシステムレベルに対応したサービスの提案(以下、現在システム提案とも記載する)を実施する(ステップ2010)。
【0144】
図21は、本発明の実施例のサービス提案支援システム200が保持するシステムレベルごと提案テーブル215の一例を示す説明図である。
【0145】
システムレベルごと提案テーブル215の各行は、解析の目的に対応する。
図21の例では、行2101が製品品質の向上に、行2102が省エネルギーに、行2103が設備状態保全に、行2104が生産性に、それぞれ対応する。これらは、例えば、AIアプリケーション群に含まれる品質AI、省エネAI、予兆AI及び生産性AIにそれぞれ対応する。実際にはさらに他のアプリケーションに対応する解析の目的が含まれてもよい。
【0146】
システムレベルごと提案テーブル215の各列は、システムレベル(すなわちシステムのデジタル化レベル)に対応する。
図21の例では、列2111から列2115がシステムレベル1からシステムレベル5にそれぞれ対応する。ここで、システムレベル2は、システムレベル1よりシステムのデジタル化が進行したレベル(すなわち一段高いレベル)であり、システムレベル3及び4はさらにそれぞれ順次一段ずつ高いレベルであり、システムレベル5が最もデジタル化が進行した(すなわち最も高い)レベルである。
【0147】
この例において、システムレベル1は、システム内の情報がアナログで扱われるレベルである。システムレベル2は、システム内の情報がデジタル化され、データとして扱われるレベルである。システムレベル3は、デジタルデータが可視化され、管理者等に提示されるレベルである。システムレベル4は、デジタルデータに基づいて、推奨される操作が特定され、提示されるレベルである。システムレベル5は、システムの運用がデジタルデータに基づいて自動化されるレベルである。
【0148】
上記のようなシステムのデジタル化レベルの設定は一例であり、例えばより細分化されたレベル、より粗いレベル又は異なる観点によるレベルなど、上記以外のレベルが設定されてもよい。
【0149】
図22は、本発明の実施例のサービス提案支援システム200が保持するシステムレベル対応テーブル216の一例を示す説明図である。
【0150】
システムレベル対応テーブル216は、現場システム選択テーブル210のデータ収集単位欄902の入力値と顧客の現状のシステムレベルとを対応付ける情報を含む。現場システムデータ収集単位欄2201にはデータ収集単位欄902において選択できる保持され、現状システムレベル欄2202にはそれぞれの値が選択された場合のシステムレベルが保持される。
【0151】
図22の例では、データ収集単位欄902としていずれの値も選択されなかった場合には顧客の現状のシステムレベルが1であると判定される。データ収集単位欄902として「設備ごと」が選択された(すなわちその項目にチェックが入力された)場合には、顧客の現状のシステムレベルが2であると判定される。データ収集単位欄902として「ラインごと」又は「システムごと(複数のライン)」が選択された場合には、顧客の現状のシステムレベルが3であると判定される。
【0152】
図23は、本発明の実施例のサービス提案支援システム200を使用して顧客の将来のシステム構成及びそのシステム構成を対象とするサービスを提案する処理の一例を示すフローチャートである。
【0153】
最初に、サービス提案支援システム200は、顧客の目的に沿った提案を希望する度合いを示す値aの入力を受けて、調整係数bを算出する(ステップ2301)。例えば、顧客の目的に沿った提案を顧客自身が希望する度合いが大きいほど調整係数bが大きくなるように、調整係数bが計算される。
【0154】
ここで、調整係数bの計算方法の一例を説明する。例えば、提案元が顧客からの聞き取りに基づいて、顧客が目的に沿った提案を希望する度合いを判断し、その度合いの大きさに応じて、最小値0から最大値5までの値aをサービス提案支援システム200に入力してもよい。そして、サービス提案支援システム200は、顧客の目的に該当するソリューションに関しては、調整係数b=1+a/5を、それ以外のソリューションに関しては、調整係数b=1を設定してもよい。
【0155】
次に、サービス提案支援システム200は、全てのソリューション事例に関して、ソリューション情報テーブル218からソリューションスコアを呼び出す(ステップ2302)。この処理は、データ利用目的選択テーブル213を用いて選択されたソリューションに限らず、全てのソリューションに関するソリューションスコアを呼び出すという点を除いて、
図20のステップ2005と同様である。
【0156】
なお、このとき、サービス提案支援システム200は、顧客の現状のシステムレベルに対応するソリューションスコアだけでなく、それより高い(例えば1段階上位の)システムレベルに対応するソリューションスコアも呼び出す。ここで呼び出された上位のシステムレベルに対応するソリューションスコアは、後述するステップ2304で使用される。
【0157】
次に、サービス提案支援システム200は、工程ごとデータ取得対象テーブル209に保存されている顧客の現状のデータ取得対象を呼び出し、それに基づいて顧客スコアを設定する(ステップ2303)。この処理は、
図20のステップ2006と同様である。
【0158】
次に、サービス提案支援システム200は、システム構成の各要素について、該当のシステムレベルの上のレベルにおけるソリューションスコアと顧客スコアとに基づいて不足項目スコアを算出する(ステップ2304)。この処理は、
図20のステップ2002で決定された現状のシステムレベルより上のシステムレベルに対応するソリューションスコアを用いて、全てのソリューションの各々に関する不足項目スコアを算出する点を除いて、
図20のステップ2007と同様である。
【0159】
次に、サービス提案支援システム200は、一致度スコアを算出する(ステップ2305)。具体的には、サービス提案支援システム200は、ステップ2303で設定された顧客スコアと、ステップ2304で算出された各ソリューションに関する不足項目スコアとに基づいて、全てのソリューションの各々について、
図20のステップ2008と同様の方法で一致度スコアを算出する。
【0160】
次に、サービス提案支援システム200は、各ソリューションの調整係数bを一致度スコアに乗算することで、新しい一致度スコアを算出する(ステップ2306)。具体的には、サービス提案支援システム200は、顧客の目的に該当するソリューションについて算出された一致度スコアについては、調整係数b=1+a/5を乗算し、それ以外のソリューションについて算出された一致度スコアについては、調整係数b=1を乗算することで、新しい一致度スコアを算出する。
【0161】
次に、サービス提案支援システム200は、一致度スコアが大きい順にソリューションを表示し、提案元がそれを顧客に提示する(ステップ2307)。
【0162】
表示したソリューションのいずれかを選択する情報が入力された場合(ステップ2308:YES)、サービス提案支援システム200は、選択されたソリューションに対応するシステム構成
図300を表示する(ステップ2309)。
【0163】
次に、サービス提案支援システム200は、選択されたソリューションを適用するために現状で不足しているデータを、現状で取得されるデータとは区別して、システム構成
図300上に強調表示する(ステップ2310)。
【0164】
提案元は、表示されたソリューションと、不足しているデータの取得手段とを含む将来のシステムの提案を実施する(ステップ2311)。
【0165】
ステップ2307で表示されたいずれのソリューションを選択する情報も入力されなかった場合(ステップ2308:NO)、提案活動が終了する(ステップ2312)。
【0166】
上記の
図23の処理によれば、顧客から聞き取った目的に該当しないソリューションであっても、顧客の現状のシステムとの一致度が高い(すなわち現状のシステムで実現できるか、又は、比較的少ない項目の追加によって実現できる)ソリューションを提案の候補として挙げることができる。このような候補は、顧客が明確に認識している目的には該当しなくても、潜在的な必要性があれば、実現のために追加すべき項目が少ないことによって顧客に受け入れられる可能性があると考えられる。
【0167】
また、上記の通り、
図23の処理では、顧客の現状のシステムレベルより上位のシステムレベルのソリューションスコアに基づく一致度スコアの計算を行うこともできる。これによって、顧客から聞き取った目的に該当するが、顧客の現状のシステムでは実現できないソリューションであっても、実現のために追加すべき項目と合わせて提案の候補として挙げることができる。このような候補は、顧客が明確に認識している目的に該当するものであるので、その実現のために不足している項目があっても、それを充足するための負担を許容できれば、提案が受け入れられる可能性があると考えられる。
【0168】
また、
図23の処理によれば、顧客から聞き取った目的に該当せず、かつ、顧客の現状のシステムでは実現できないソリューションであっても、一致度スコアが高ければ候補に含まれることがありうる。上記と同様の理由で、そのようなソリューションの提案が顧客に受け入れられる可能性があると言える。
【0169】
図24A及び
図24Bは、本発明の実施例のサービス提案支援システム200の入出力装置202が表示する画面の一例を示す説明図である。
【0170】
具体的には、
図24Aは、
図20に示す処理が行われるときにシステムレベルごと提案テーブル215を表示する画面の一例であり、
図24Bは、
図20に示す処理の結果を利用して、顧客の目的に沿って、顧客の現状のシステムに基づいた提案を行うときに表示される画面の一例である。
【0171】
図24Aには、顧客の目的が製品品質の向上であり、顧客の現状のシステムレベルがレベル2である場合の画面例を示す。この例では、解析の目的が「製品品質」である行と、システムレベルが「レベル2」である列との交点に相当する「検査データを収集」という項目が強調表示される。この条件で
図20に示す処理を行った結果として、例えば
図24Bに示すように、現状の顧客のシステムにおいて取得されるデータを用いて、品質AIアプリケーションによる品質管理のための品質管理分析サービスが提案される。
【0172】
図25A及び
図25Bは、本発明の実施例のサービス提案支援システム200の入出力装置202が表示する画面の別の例を示す説明図である。
【0173】
具体的には、
図25Aは、
図23に示す処理が行われるときにシステムレベルごと提案テーブル215を表示する画面の一例であり、
図25Bは、
図23に示す処理の結果を利用して、顧客の目的に該当しないサービス及び顧客の将来のシステムも考慮した提案を行うときに表示される画面の一例である。
【0174】
図25Aには、顧客の目的が製品品質の向上であり、顧客の現状のシステムレベルがレベル2である場合の画面例を示す。この例では、解析の目的が「製品品質」である行と、システムレベルが「レベル2」である列との交点に相当する「検査データを収集」という項目が強調表示される。さらに、この例では、解析の目的が「製品品質」である行と、システムレベルが「レベル2」の一段上の「レベル3」である行との交点に相当する「検査データを同一書式で表示」という項目が強調表示されてもよい。
【0175】
この条件で
図23に示す処理を行った結果として、例えば
図25Bに示すように、現状の顧客のシステムにおいて取得されるデータを用いて、品質AIアプリケーションによる品質管理のための品質管理分析サービスが提案される。さらに、一段上のレベルのシステムに対応するサービスとして、品質AIアプリケーションによる品質管理のためのデータ統合・可視化システムが提案される。さらに、そのために必要なデータの取得のための組立工程における人の作業の監視カメラの追加、及び、監視カメラからのデータ取得インターフェイスの追加が提案される。
【0176】
図26A及び
図26Bは、本発明の実施例のサービス提案支援システム200の営業活動における利用場面の一例を示す説明図である。
【0177】
図26Aの例では、入出力装置202が、通信装置205を介して演算装置201に接続されるタブレット端末又はノートPC等である。この例では、入出力装置202を持った提案元の担当者(営業担当者又はシステムエンジニア等)が顧客と直接対面して、入出力装置202に表示された画面を提示しながら顧客からの情報の聞き取りを行い、その結果を入力する。そして、演算装置201による処理結果が入出力装置202に表示されると、それに基づいて提案元の担当者が顧客に対してサービスの提案を行う。
【0178】
図26Bの例では、入出力装置202が、通信装置205を介して演算装置201に接続されるタブレット端末又はノートPC等である。この例では、入出力装置202を持った提案元の担当者が顧客と直接対面せず、通信装置205を介して遠隔で会合する。このとき、入出力装置202に表示されるものと同様の画面が顧客の端末装置に表示されてもよい。提案元の担当者は、入出力装置202及び顧客の端末装置に表示された画面を参照しながら顧客からの情報の聞き取りを行い、その結果を入力する。そして、演算装置201による処理結果が入出力装置202等に表示されると、それに基づいて提案元の担当者が顧客に対してサービスの提案を行う。
【0179】
また、本発明の実施形態のシステムは次のように構成されてもよい。
【0180】
(1)サービス提案支援システム(例えばサービス提案支援システム200)であって、演算装置(例えば演算装置201)と、記憶装置(例えば記憶装置206)と、を備え、記憶装置は、提案元が顧客にサービスを提供するために提案可能なソリューションに必要なシステム要素を示すソリューション情報(例えばソリューション情報テーブル218)と、現状の顧客のシステム要素を示すシステム構成情報(例えばステップ101の聞き取りの結果が反映された顧客のシステム構成の情報、特にチェックが入力された対象手段対応テーブル208及び工程ごとデータ取得対象テーブル209の少なくともいずれかを含む情報)と、を保持し、演算装置は、提案元が提案可能な前記ソリューションの各々について、当該ソリューションに必要なシステム要素と、現状の顧客のシステム要素との一致度を計算し(例えば
図20のステップ2008までの処理及び
図23のステップ2306までの処理)、一致度に基づいて、顧客に提案する1以上のソリューションの候補を出力し(例えばステップ2009及びステップ2307)、1以上のソリューションの候補のうち少なくともいずれかについて、当該ソリューションの候補に必要なシステム要素に対して、現状の顧客のシステム要素に不足がある場合、不足しているシステム要素を示す情報を出力する(例えばステップ2310)。
【0181】
これによって、顧客が認識している目的と一致しないソリューション及び顧客の現状のシステムでは実現できないソリューションの少なくとも一方も含めて、顧客に受け入れられやすいソリューションを使用したサービスの提案を支援することができる。
【0182】
(2)上記(1)において、前記ソリューションは、顧客の事業において取得されるデータを利用するソリューションであり、記憶装置は、現状の顧客のシステムにおけるデータの取得状況を示す現場システム情報(例えば聞き取り結果が入力された現場システム選択テーブル210)と、データの取得状況に基づくシステムのレベルの判定基準を示すシステムレベル情報(例えばシステムレベル対応テーブル216)とをさらに保持し、ソリューション情報は、システムのレベルごとに、提案元が顧客にサービスを提供するために提案可能なソリューションに必要なシステム要素を示す情報を含み、演算装置は、現場システム情報と、システムレベル情報と、に基づいて、現状の顧客のシステムのレベルを判定し(例えばステップ2002)、ソリューション情報のうち、顧客の現状のシステムのレベルに対応する必要なシステム要素と、現状の顧客のシステム要素との一致度を計算し(例えば
図20のステップ2008までの処理)、さらに、ソリューション情報のうち、顧客の現状のシステムのレベルより上のレベルに対応する必要なシステム要素と、現状の顧客のシステム要素との一致度を計算する(例えば
図23のステップ2306までの処理)。
【0183】
これによって、現状の顧客のシステムレベルより上のレベルに対応するソリューションも提案の候補に含めることができる。
【0184】
(3)上記(2)において、システムのレベルは、システムにおける情報のデジタル化のレベルであり、システムのレベルの判定基準は、デジタル化されたデータの収集単位とシステムのレベルとを対応付ける情報を含む。
【0185】
これによって、顧客のシステムレベルを考慮した適切なソリューションの提案を支援することができる。
【0186】
(4)上記(1)において、ソリューションは、顧客の事業において取得されるデータを利用するソリューションであり、記憶装置は、顧客の前記データの利用目的を示すデータ利用目的情報(例えば聞き取り結果が入力されたデータ利用目的選択テーブル213)と、データの利用目的とソリューションとを対応付ける目的ソリューション対応情報(例えば目的アプリ対応テーブル214)と、をさらに保持し、演算装置は、提案元が提案可能なソリューションのうち、顧客の前記データの利用目的に対応するソリューションに必要なシステム構成と、現状の顧客のシステム要素との一致度に、所定の第1の重みを付け(例えばステップ2306)、提案元が提案可能なソリューションのうち、顧客の前記データの利用目的に対応しないソリューションに必要なシステム構成と、現状の顧客のシステム要素との一致度に、第1の重み以下の所定の第2の重みを付け(例えばステップ2306)、重み付けされた一致度が上位の1以上の前記ソリューションを、1以上のソリューションの候補として出力する(例えばステップ2307)。
【0187】
これによって、顧客が自身の認識する目的に適合する提案を希望する程度に応じて、適切なソリューションの提案を支援することができる。
【0188】
(5)上記(1)において、ソリューション情報は、ソリューションに必要なシステム要素を示す情報として、システムにおけるデータ取得対象及びデータ取得手段に対応する複数の項目の各々の要否を示す情報(例えばソリューションスコア)を含む。
【0189】
これによって、ソリューションに必要なシステム要素と、現状の顧客のシステム要素との一致度を適切に計算することができる。
【0190】
(6)上記(1)において、ソリューションに必要なシステム要素と、現状の顧客のシステム要素との一致度は、ソリューションに必要なシステム要素の数に対する、ソリューションに必要なシステム要素であって現状の顧客のシステムに含まれるシステム要素の数の割合(例えば、ソリューションスコアが「1」である項目の数に対する、ソリューションスコアが「1」かつ不足項目スコアが「0」である項目の数の割合)である。
【0191】
これによって、ソリューションに必要なシステム要素と、現状の顧客のシステム要素との一致度を適切に計算することができる。
【0192】
(7)上記(1)において、サービス提案支援システムは、入出力装置をさらに備え、ソリューションは、顧客の事業において取得されるデータを利用するソリューションであり、記憶装置は、顧客の前記データの利用目的を示すデータ利用目的情報と、データの利用目的とソリューションとを対応付ける目的ソリューション対応情報と、をさらに保持し、演算装置は、提案元が顧客にサービスを提供するために提案可能な全てのソリューションと、各ソリューションに必要なシステム要素と、各ソリューションに対応するデータの利用目的と、を含むシステム構成図を入出力装置に表示させ(例えばステップ402)、顧客のシステム要素が入力されると、顧客のシステム要素以外のシステム要素を削除したシステム構成図を入出力装置に表示させ(例えばステップ725)、顧客のデータの利用目的が入力されると、顧客のデータの利用目的以外のデータの利用目的、及び、顧客の前記データの利用目的に対応するソリューション以外のソリューションを削除したシステム構成図を入出力装置に表示させる(例えば
図16の処理)。
【0193】
これによって、最初に提供可能なサービスに関する情報を全て表示して顧客に提示され、顧客から聞き取った情報に基づいて不要なものが削除されていくため、顧客からの情報の取得が容易になる。
【0194】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明のより良い理解のために詳細に説明したものであり、必ずしも説明の全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることが可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0195】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によってハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによってソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、不揮発性半導体メモリ、ハードディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)等の記憶デバイス、または、ICカード、SDカード、DVD等の計算機読み取り可能な非一時的データ記憶媒体に格納することができる。
【0196】
また、制御線及び情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線及び情報線を示しているとは限らない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0197】
200 サービス提案支援システム
201 演算装置
202 入出力装置
203 入力操作部
204 表示部
206 記憶部
207 プログラム
208 対象手段対応テーブル
209 工程ごとデータ取得対象テーブル
210 現場システム選択テーブル
211 現場通信選択テーブル
212 利用方法選択テーブル
213 データ利用目的選択テーブル
214 目的アプリ対応テーブル
215 システムレベルごと提案テーブル
216 システムレベル対応テーブル
217 プラットフォームテーブル
218 ソリューション情報テーブル
219 ソリューション導入事例テーブル
220 顧客価値構造テーブル
221 利用目的・提案対応テーブル
300 システム構成図