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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023030606
(43)【公開日】2023-03-08
(54)【発明の名称】チャイルドシート及びその着脱方法
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/28 20060101AFI20230301BHJP
【FI】
B60N2/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021135830
(22)【出願日】2021-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】391021226
【氏名又は名称】株式会社カーメイト
(74)【代理人】
【識別番号】100091306
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 友一
(74)【代理人】
【識別番号】100174609
【弁理士】
【氏名又は名称】関 博
(72)【発明者】
【氏名】田村 尚之
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087CE06
3B087CE09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】車両シートに取り付けたベースに対して、乳幼児が着座するシートが固定位置からスライド(例えば車両のドア側となる左右方向など)するチャイルドシート及びその着脱方法を提供する。
【解決手段】本発明のチャイルドシートは、乳幼児が着座するシート12と、車両シートに取り付けて前記シートを支持するベースと、前記シートとベースの間に前記ベースに対して前記シートの固定位置及び取り付け又は取り外し位置を通る水平方向に前記シートが移動するスライド機構を備え、前記スライド機構は、前記水平方向に沿って形成したT溝と、前記T溝の主面で前記シート12の固定位置に設けた凹部と、前記T溝に嵌るフランジ付き部材30と、前記フランジ付き部材30の主面から前記凹部に向けて突出するように付勢されて係合し前記シート12を前記ベースに固定できる凸部32と、を有することを特徴としている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳幼児が着座するシートと、車両シートに取り付けて前記シートを支持するベースと、前記シートとベースの間に前記ベースに対して前記シートの固定位置及び取り付け又は取り外し位置を通る水平方向に前記シートが移動するスライド機構を備え、
前記スライド機構は、
前記水平方向に沿って形成したT溝と、
前記T溝の主面で前記シートの固定位置に設けた凹部と、
前記T溝に嵌るフランジ付き部材と、
前記フランジ付き部材の主面から前記凹部に向けて突出するように付勢されて係合し前記シートを前記ベースに固定できる凸部と、
を有することを特徴とするチャイルドシート。
【請求項2】
請求項1に記載されたチャイルドシートであって、
前記T溝は、両端に前記フランジ付き部材が嵌らない凹溝を設けたことを特徴とするチャイルドシート。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載されたチャイルドシートであって、
前記凹部は、前記T溝の長手方向に沿って直線状に複数設けたことを特徴とするチャイルドシート。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1に記載されたチャイルドシートであって、
前記T溝は、両端に前記主面から前記フランジ付き部材の主面に向けて進退移動するストッパを設けたことを特徴とするチャイルドシート。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか1に記載されたチャイルドシートであって、
前記フランジ付き部材は、ツバ付き円形状であることを特徴とするチャイルドシート。
【請求項6】
請求項5に記載されたチャイルドシートであって、
前記フランジ付き部材は、主面から前記T溝の主面に向けて進退移動するロックピンを備え、
前記T溝は、主面に前記ロックピンが嵌るピン穴を設けたことを特徴とするチャイルドシート。
【請求項7】
乳幼児が着座するシートと、車両シートに取り付けて前記シートを支持するベースと、前記シートとベースの間に前記ベースに対して前記シートの固定位置及び取り付け又は取り外し位置を通る水平方向に前記シートが移動するスライド機構を備えたチャイルドシートの着脱方法であって、
前記固定位置から前記シートを水平方向に移動させて取り付け又は取り外し位置で取り外す工程を有することを特徴とするチャイルドシートの着脱方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両シートに取り付けたベースに対して、乳幼児が着座するシートが固定位置からスライド(例えば車両のドア側となる左右方向など)するチャイルドシート及びその着脱方法に関する。
【背景技術】
【0002】
乳幼児を車両に乗せて運転するときは必ずチャイルドシートを使用することが法令で義務づけられている。
従来、種々のチャイルドシートが提案されている。特許文献1に開示のチャイルドシートは、シート(座席)がベース(受台)に対して回転及びリクライニング可能であるとともに、ベースから取り外し(ベースに対し着脱)できる。
しかしながら、乳幼児の乗車時や、シートの着脱時にベースに対するシートの固定位置で行うため、ドア側から離れたシートの固定位置にある体重のある乳幼児や重量のあるシートの乗せ降ろしのときに大人の両腕に過剰な負荷がかかってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-54360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、上記従来技術の問題点に鑑み、車両シートに取り付けたベースに対して、乳幼児が着座するシートが固定位置からスライド(例えば車両のドア側となる左右方向など)するチャイルドシートを提供することにある。
またシートの固定位置とは異なる位置で着脱可能なチャイルドシートの着脱方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するための第1の手段として、乳幼児が着座するシートと、車両シートに取り付けて前記シートを支持するベースと、前記シートとベースの間に前記ベースに対して前記シートの固定位置及び取り付け又は取り外し位置を通る水平方向に前記シートが移動するスライド機構を備え、
前記スライド機構は、
前記水平方向に沿って形成したT溝と、
前記T溝の主面で前記固定位置に設けた凹部と、
前記T溝に嵌るフランジ付き部材と、
前記フランジ付き部材の主面から前記凹部に向けて突出するように付勢されて係合し前記シートを前記ベースに固定できる凸部と、
を有することを特徴とするチャイルドシートを提供することにある。
上記第1の手段によれば、ベース上の固定位置からシートを水平方向にスライド移動することができる。またシートの固定位置と取り付け又は取り外し位置が異なり、シートの着脱時の作業者の負担を軽減できる。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するための第2の手段として、第1の手段において、前記T溝は、両端に前記フランジ付き部材が嵌らない凹溝を設けたことを特徴とするチャイルドシートを提供することにある。
上記第2の手段によれば、シートをベース上に取り付ける際に、凹溝の上面にフランジ付き部材の下面を接触させた後、T溝に向けて水平方向にスライドするだけでフランジ付き部材とT溝を嵌めることができ、位置合わせが極めて容易となる。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するための第3の手段として、第1又は第2の手段において、前記凹部は、前記T溝の長手方向に沿って直線状に複数設けたことを特徴とするチャイルドシートを提供することにある。
上記第3の手段によれば、シートの固定位置の他にも、固定位置からスライド移動した複数の位置にシートを固定することができる。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するための第4の手段として、第1ないし第3のいずれか1の手段において、前記T溝は、両端に前記主面から前記フランジ付き部材の主面に向けて進退移動するストッパを設けたことを特徴とするチャイルドシートを提供することにある。
上記第4の手段によれば、シートのスライド移動中に、取付け又は取り外し位置からシートが脱落することを防止できる。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するための第5の手段として、第1ないし第4のいずれか1の手段において、前記フランジ付き部材は、ツバ付き円形状であることを特徴とするチャイルドシートを提供することにある。
上記第5の手段によれば、ベース上でシートを凸部回りに自由回転することができる。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するための第6の手段として、第5の手段において、前記フランジ付き部材は、主面から前記T溝の主面に向けて進退移動するロックピンを備え、
前記T溝は、主面に前記ロックピンが嵌るピン穴を設けたことを特徴とするチャイルドシートを提供することにある。
上記第6の手段によれば、ベースに回転自在に取り付けたシートを任意の向きで固定することができる。
【0011】
本発明は、上記課題を解決するための第7の手段として、乳幼児が着座するシートと、車両シートに取り付けて前記シートを支持するベースと、前記シートとベースの間に前記ベースに対して前記シートの固定位置及び取り付け又は取り外し位置を通る水平方向に前記シートが移動するスライド機構を備えたチャイルドシートの着脱方法であって、
前記固定位置から前記シートを水平方向に移動させて取り付け又は取り外し位置で取り外す工程を有することを特徴とするチャイルドシートの着脱方法を提供することにある。
上記第7の手段によれば、シートの固定位置から離れた箇所でシートを取り外すことができ、重量のあるシートの乗せ降ろしのときに大人の両腕に過剰な負荷がかかることを防止できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ベース上の固定位置と取り付け又は取り外し位置の間でシートを水平方向にスライド移動することができる。
またシートの固定位置から離れた取り付け又は取り外し位置でシートを取り外すことができ、体重のある乳幼児や重量のあるシートの乗せ降ろしのときに大人の両腕に過剰な負荷がかかることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施例1のチャイルドシートのシートの斜視図である。
図2】実施例1のチャイルドシートのシートの側面図である。
図3】実施例1のチャイルドシートのベースの斜視図である。
図4】実施例1のチャイルドシートのベースの側面図である。
図5】実施例1のチャイルドシートのシートをベースに取り付ける斜視図である。
図6】実施例1のチャイルドシートのシートをベースに取り付ける正面の断面図である。
図7】実施例1のチャイルドシートのスライド移動中の斜視図である。
図8】実施例1のチャイルドシートのスライド移動中の正面の断面図である。
図9】実施例1のチャイルドシートの固定位置の斜視図である。
図10】実施例1のチャイルドシートの固定位置の正面の断面図である。
図11】実施例2のチャイルドシートのベースの斜視図である。
図12】実施例2のチャイルドシートのシートをベースに取り付ける斜視図である。
図13】実施例2のチャイルドシートのシートをベースに取り付ける正面の断面図である。
図14】実施例2のチャイルドシートの固定位置の斜視図である。
図15】実施例2のチャイルドシートの固定位置の正面の断面図である。
図16】実施例3のチャイルドシートのベースの斜視図である。
図17】実施例3のチャイルドシートの固定位置の斜視図である。
図18】実施例3のチャイルドシートの固定位置の正面の断面図である。
図19】実施例3のチャイルドシートの固定位置と別の凹部の斜視図である。
図20】実施例3のチャイルドシートの固定位置と別の凹部の正面の断面図である。
図21】実施例4のチャイルドシートのベースの斜視図である。
図22】実施例4のチャイルドシートの固定位置の斜視図である。
図23】実施例4のチャイルドシートの固定位置の正面の断面図である。
図24】実施例4のチャイルドシートのスライド移動中の斜視図である。
図25】実施例4のチャイルドシートのスライド移動中の正面の断面図である。
図26】実施例5のチャイルドシートの斜視図である。
図27】実施例5のチャイルドシートのシートをベースに取り付ける斜視図である。
図28】実施例5のチャイルドシートのシートをベースに取り付ける正面の断面図である。
図29】実施例5のチャイルドシートの固定位置の斜視図である。
図30】実施例5のチャイルドシートの固定位置の正面の断面図である。
図31】実施例5のチャイルドシートのシートが右向きの斜視図である。
図32】実施例5のチャイルドシートのシートが背面向きの斜視図である。
図33】実施例5のチャイルドシートのシートが左向きの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明のチャイルドシート及びその着脱方法の実施形態について、図面を参照しながら、以下詳細に説明する。本実施形態で前後方向(前方・後方)とは、車両のフロント・リア方向を示し、左右方向、水平方向とは車両のドア間、換言すると車両の前後方向と直交する方向を示している。
本発明のチャイルドシートは、乳幼児が着座するシート12と、車両シートに取り付けて前記シート12を支持するベース14と、前記シート12とベース14の間に前記ベース14に対して前記シート12の固定位置及び取り付け又は取り外し位置を通る水平方向に前記シート12が移動するスライド機構を備え、前記スライド機構は、前記水平方向に沿って形成したT溝20と、前記T溝20の主面で前記シート12の固定位置に設けた前記凹部22と、前記T溝20に嵌るフランジ付き部材30と、前記フランジ付き部材30の主面から前記凹部22に向けて突出するように付勢されて係合し前記シート12を前記ベース14に固定できる凸部32と、を有している。
【0015】
(実施例1)
図1は実施例1のチャイルドシートのシートの斜視図、図2はシートの側面図、図3はベースの斜視図、図4はベースの側面図である。図5は実施例1のチャイルドシートのシートをベースに取り付ける斜視図である。図6は実施例1のチャイルドシートのシートをベースに取り付ける正面の断面図である。図7は実施例1のチャイルドシートのスライド移動中の斜視図である。図8は実施例1のチャイルドシートのスライド移動中の正面の断面図である。図9は実施例1のチャイルドシートの固定位置の斜視図である。図10は実施例1のチャイルドシートの固定位置の正面の断面図である。実施例1に示すチャイルドシートは、シート12にフランジ付き部材30と凸部32を備え、ベース14にT溝20と凹部22を備えている。
T溝20は、断面形状がT字型の溝であり、ベース14の水平方向に沿ってベース14の両側面に跨るようにベース14の上面に形成している。T溝20の中心となるシート12の固定位置には凹部22を設けている。
フランジ付き部材30は、断面形状がT字型の矩形部材であり、T溝20に嵌るフランジを備えている。フランジ付き部材30の中心には、凸部32を設けている。凸部32は、シート12の下面からベース14の凹部22に向けて突出するように付勢されて係合しシート12をベース14に固定できる。
シート12の両側面には操作部材34を設けている。操作部材34は、凸部32に連結され反付勢方向に操作することによってシート12下面から凸部32の突出量を0に減少できる操作レバーである。本実施形態の操作部材34は、どちらか一方の操作で凸部32の突出量を0にできる。
【0016】
このようなチャイルドシートは、シート12の側面に設けたどちらか一方の操作部材34を操作して凸部32の突出量を0にする。操作部材34を操作したままの状態でシート12を持ち上げて車両シートに固定したベース14の側方まで移動させる(図5,6参照)。そしてベース14のいずれか一方のT溝20側面からT溝20にフランジ付き部材30を嵌め合わせてから水平移動させる。フランジ付き部材30下面がT溝20上面に接触した後は、操作部材34から手を離しても凸部32がT溝20の上面に抑えられた状態となる(図7,8参照)。そのままベース14の中心の固定位置まで水平方向にスライド移動させると、固定位置の凹部22で付勢状態の凸部32が突出して嵌り、ベース14にシート12を固定できる(図9,10参照)。
シート12の取り外し操作は、どちらの操作部材34を操作しても凸部32の突出量が0になり、凹部22から凸部32が外れた状態で水平方向にスライド移動させる。スライド移動中は、操作部材34から手を離しても、凸部32がT溝20の上面に抑えられた状態となる。そのままT溝20側面の取り付け又は取り外し位置まで水平方向にスライド移動させると、T溝20とフランジ付き部材30の嵌め合いが外れてシート12を取り外すことができる。
【0017】
(実施例2)
図11は実施例2のチャイルドシートのベースの斜視図である。図12は実施例2のチャイルドシートのシートをベースに取り付ける斜視図である。図13は実施例2のチャイルドシートのシートをベースに取り付ける正面の断面図である。図14は実施例2のチャイルドシートの固定位置の斜視図である。図15は実施例2のチャイルドシートの固定位置の正面の断面図である。実施例2に示すチャイルドシートは、ベース14のT溝20Aの構成が実施例1の構成と異なる。その他の構成は実施例1の構成と同一であり、詳細な説明は省略する。実施例2のT溝20Aは、両端に前記フランジ付き部材が嵌らない凹溝24を設けている。T溝20Aは両端の凹溝24に挟まれた形態となり、シート14の側面はフランジのない凹状に形成される。
このようなチャイルドシートは、シート12の側面に設けたどちらか一方の操作部材34を操作して凸部32の突出量を0にする。操作部材34を操作したままの状態でシート12を持ち上げて車両シートに固定したベース14のいずれか一方の凹溝24まで移動させる(図12,13参照)。そして凹溝24上面にフランジ付き部材30下面を接触させる。フランジ付き部材30下面がT溝20A上面に接触した後は、操作部材34から手を離しても凸部32がT溝20Aの上面に抑えられた状態となる。凹溝24からT溝20Aに向けて水平方向にスライド移動させるとT溝20Aにフランジ付き部材30を容易に嵌め合わせることができる。そのままベース14の中心の固定位置まで水平方向にスライド移動させると、固定位置の凹部22で付勢状態の凸部32が突出して嵌り、ベース14にシート12を固定できる(図14,15参照)。
シート12の取り外し操作は、どちらの操作部材34を操作しても凸部32の突出量が0になり、凹部22から凸部32が外れた状態で水平方向にスライド移動させる。スライド移動中は、操作部材34から手を離しても、凸部32がT溝20Aの上面に抑えられた状態となる。そのまま凹溝24まで水平方向にスライド移動させると、T溝20Aとフランジ付き部材30の嵌め合いが外れてシート12を取り外すことができる。
【0018】
(実施例3)
図16は実施例3のチャイルドシートのベースの斜視図である。図17は実施例3のチャイルドシートの固定位置の斜視図である。図18は実施例3のチャイルドシートの固定位置の正面の断面図である。図19は実施例3のチャイルドシートの固定位置と別の凹部の斜視図である。図20は実施例3のチャイルドシートの固定位置と別の凹部の正面の断面図である。実施例3に示すチャイルドシートは、ベース14の凹部22Aの構成が実施例1の構成と異なる。その他の構成は実施例1の構成と同一であり、詳細な説明は省略する。実施例3の凹部22Aは、T溝20Bの長手方向に沿って直線状に複数(図16-20では3つ)設けている。
このようなチャイルドシートは、実施例1と同様の操作でシートの取り付け及び取り外しが実現できる。そして水平方向のスライド移動中に操作部材34から手を離すと、複数の凹部22A上で凸部32が突出して、任意の凹部22A位置でシートを固定することができる。
【0019】
(実施例4)
図21は実施例4のチャイルドシートのベースの斜視図である。図22は実施例4のチャイルドシートの固定位置の斜視図である。図23は実施例4のチャイルドシートの固定位置の正面の断面図である。図24は実施例4のチャイルドシートのスライド移動中の斜視図である。図25は実施例4のチャイルドシートのスライド移動中の正面の断面図である。実施例4に示すチャイルドシートは、ベース14上面にストッパ26を設けた構成が実施例1の構成と異なる。その他の構成は実施例1の構成と同一であり、詳細な説明は省略する。実施例4のストッパ26は、T溝20Cの両端で、T溝20C上面からフランジ付き部材30下面に向けて進退移動する部材である。ストッパ26は、ベース14に設けた操作部材(不図示)のレバー操作により、T溝20C上面から突き出た状態と、先端がT溝20Cの上面と一致する引っ込んだ状態に変えることができる。
このようなチャイルドシートは、実施例1と同様の操作でシート12の取り付け及び取り外しが実現できるが、シート12の脱着の際に、ベース14の操作部材によりストッパ26を引っ込めておく。シート12の取り付け後は、ストッパをT溝20C上面から突出させておくことにより、スライド移動中のシート12が取り付け又は取り外し位置から外れることを防止できる。
【0020】
(実施例5)
図26は実施例5のチャイルドシートの斜視図である。図27は実施例5のチャイルドシートのシートをベースに取り付ける斜視図である。図28は実施例5のチャイルドシートのシートをベースに取り付ける正面の断面図である。図29は実施例5のチャイルドシートの固定位置の斜視図である。図30は実施例5のチャイルドシートの固定位置の正面の断面図である。図31は実施例5のチャイルドシートのシートが右向きの斜視図である。図32は実施例5のチャイルドシートのシートが背面向きの斜視図である。図33は実施例5のチャイルドシートのシートが左向きの斜視図である。実施例5に示すチャイルドシートは、フランジ付き部材30Aがツバ付き円形状である。そしてフランジ付き部材30Aは、下面からT溝20Dの上面に向けて進退移動するロックピン36を備え、T溝20Dは、上面にロックピン36が嵌るピン穴28を設けている。ロックピン36及びピン穴28は凸部32A及び凹部22よりも直径が小さく、凸部32Aがピン穴28に嵌らないように設定している。その他の構成は実施例1の構成と同一であり、詳細な説明は省略する。実施例5のフランジ付き部材30Aは、ツバ付き円形状であり、ツバ部分がT溝20Dのフランジに嵌り合う。このため、矩形のフランジ付き部材30と異なり、シート12を凸部32Aの軸回りで自由に回転させることができる。また、フランジ付き部材30Aの下面から突出し、シート12の前方側に設けたロックピン36は、シート12に設けた操作部材(不図示)のレバー操作により、フランジ付き部材30A下面から突き出た状態と、先端がフランジ付き部材30Aの上面と一致する引っ込んだ状態に変えることができる。ロックピン36が嵌るT溝20D上面のピン穴28は、凹部22を中心として十文字状に4つ設けている。シート12の前方側に設けたロックピン36がベース14上面に十文字状に設けたピン穴に嵌る位置は、シート12が正面、背面、右側面、左側面に向く位置となる。
このようなチャイルドシートは、実施例1と同様の操作でシート12の取り付け及び取り外しが実現できるが、シート12の取付けの際、フランジ付き部材30Aが円形状のため、矩形の部材と比べてベースのT溝側方からの位置合わせが容易に行える。またシート12の固定は、シート12の操作部材(不図示)のレバー操作によりロックピン36の突き出しによりシート12の任意向き(正面、背面、右側面、左側面)で固定できる(図31,32,33参照)。
【0021】
このような本発明によれば、ベース上の固定位置と取り付け又は取り外し位置の間でシートを水平方向にスライド移動することができる。またシートの固定位置から離れた取り付け又は取り外し位置でシートを取り外すことができ、体重のある乳幼児や重量のあるシートの乗せ降ろしのときに大人の両腕に過剰な負荷がかかることを防止できる。
本実施形態では、シート12側にフランジ付き部材30を配置し、ベース14側にT溝20を配置した構成で説明したが、これに限らずシート12側にT溝20を配置し、ベース14側にフランジ付き部材30を配置した構成であっても良い。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明した。しかしながら、本発明は、上記実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能である。
また、本発明は、実施形態において示された組み合わせに限定されることなく、種々の組み合わせによって実施可能である。
【符号の説明】
【0022】
12 シート
14 ベース
20,20A,20B,20C,20D T溝
22 凹部
24 凹溝
26 ストッパ
28 ピン穴
30,30A フランジ付き部材
32,32A 凸部
34 操作部材
36 ロックピン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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