(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023030611
(43)【公開日】2023-03-08
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
H05K 5/02 20060101AFI20230301BHJP
H01M 50/289 20210101ALI20230301BHJP
H01M 50/296 20210101ALI20230301BHJP
H01M 50/55 20210101ALI20230301BHJP
H01M 50/244 20210101ALI20230301BHJP
【FI】
H05K5/02 H
H01M50/289 101
H01M50/296
H01M50/55
H01M50/244 A
H05K5/02 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021135835
(22)【出願日】2021-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】000101879
【氏名又は名称】イーグル工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391053836
【氏名又は名称】株式会社バルコム
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100195833
【弁理士】
【氏名又は名称】林 道広
(72)【発明者】
【氏名】越智 聡
(72)【発明者】
【氏名】山本 健太郎
【テーマコード(参考)】
4E360
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
4E360AA03
4E360AB02
4E360AB34
4E360AB42
4E360AD01
4E360BA02
4E360BB22
4E360BC04
4E360CA02
4E360EA12
4E360ED02
4E360ED03
4E360FA12
4E360FA14
4E360FA17
4E360GA23
4E360GB91
4E360GB95
4E360GC02
4E360GC08
5H040AA19
5H040AS22
5H040AY03
5H040CC12
5H043AA19
5H043BA17
5H043FA06
5H043HA09
(57)【要約】
【課題】端子同士の電気的な接触の安定性と、密封性を両立した電子機器を提供する。
【解決手段】電源調整基板10および電源調整基板10を保持するホルダ100から構成される電源ユニット101と、開口20aから挿入された電源ユニット101を収容する収容部材20と、開口20aを塞ぐキャップ部材23と、を備え、収容部材20においては、正極端子42および負極端子43が並んで配置され、電源ユニット101においては、一端側に正極端子14および負極端子15が並んで配置され、収容部材20の正極端子42および負極端子43に電源ユニット101の正極端子14および負極端子15を電気的に接触させた状態で収容部材20に電源ユニット101を係止する係止機構Pが設けられ、電源調整基板10に外部電源を接続可能な電源供給ライン27,29がキャップ部材23を密封状態で貫通している。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源調整基板および前記電源調整基板を保持するホルダから構成される電源ユニットと、開口から挿入された前記電源ユニットを収容する収容部材と、前記開口を塞ぐキャップ部材と、を備え、
前記収容部材においては、正極端子および負極端子が並んで配置され、
前記電源ユニットにおいては、一端側に正極端子および負極端子が並んで配置され、
前記収容部材の前記正極端子および前記負極端子に前記電源ユニットの前記正極端子および前記負極端子を電気的に接触させた状態で前記収容部材に前記電源ユニットを係止する係止機構が設けられ、
前記電源調整基板に外部電源を接続可能な電源供給ラインが前記キャップ部材を密封状態で貫通している電子機器。
【請求項2】
前記電源調整基板は、前記電源ユニットの前記正極端子および前記負極端子が設けられる取付部材に固定された状態で前記ホルダに着脱可能に保持されている請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記取付部材は、前記ホルダに対して該ホルダの前記収容部材への挿入方向に直交する方向から取り付けられる請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記電源供給ラインは、少なくとも一部が可撓性を有している請求項1ないし3のいずれかに記載の電子機器。
【請求項5】
前記ホルダは、把持部を備えている請求項1ないし4のいずれかに記載の電子機器。
【請求項6】
ホルダおよび前記ホルダにより保持される電源供給部から構成される電源ユニットと、開口から挿入された前記電源ユニットを収容する収容部材と、前記開口を塞ぐキャップ部材と、を備え、
前記収容部材においては、正極端子および負極端子が並んで配置され、
前記電源ユニットにおいては、一端側に正極端子および負極端子が並んで配置され、
前記収容部材の前記正極端子および前記負極端子に前記電源ユニットの前記正極端子および前記負極端子を電気的に接触させた状態で前記収容部材に前記電源ユニットを係止する係止機構が設けられ、
前記電源供給部は、電池または外部電源が接続される電源調整基板を有している電子機器。
【請求項7】
前記電源供給部は、前記電池と前記電池の形状に対応するスペーサとから構成されている請求項6に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部電源を利用可能な電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
外部電源を電源とする電子機器は、電源プラグ等が外部電源に接続されることにより、外部電源から電源供給される。また、電池を電源とする電子機器は、電子機器の内部に電池を収容することにより、該電池から電源供給される。従来、電子機器の設置場所や使用環境等に応じて、外部電源または電池を電源として選択的に利用できるようにした電子機器が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に示される電子機器は、電池または電源アダプタを収容可能な電源収容部を備え、該電源収容部の開口近傍には回動式の開閉蓋が設けられている。電源アダプタは、特許文献1の電子機器で使用可能な直方体形状のニッケル・カドミウム電池と外形寸法および形状が同一に形成され、その一端側に正極端子、他端側に負極端子が設けられている。開閉蓋の裏面には、電池の正極または電源アダプタの正極端子が接触する正極端子が設けられている。また、電源収容部の底面には、電池の負極または電源アダプタの負極端子が接触する負極端子が設けられている。すなわち、電源収容部に電池または電源アダプタを収容して開閉蓋を閉じることにより、開閉蓋によって電池または電源アダプタが押圧され、電池の正極および負極、または電源アダプタの正極端子および負極端子がそれぞれ開閉蓋の裏面に設けられる正極端子および電源収容部の底面に設けられる負極端子に圧接される。
【0004】
また、電源アダプタの側面には、外部電源供給用のジャックが設けられている。電源収容部の側面には、外部と連通する孔が設けられている。この孔は、電源収容部に収容された電源アダプタの側面に設けられるジャックの位置と合致している。これにより、電源収容部の側面に設けられる孔からプラグを差し込むことで、電源収容部の内部において電源アダプタの側面に設けられるジャックにプラグが接続され、外部電源から電源アダプタに電源供給が可能になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実願昭62-91664(実開昭63-200297号)のマイクロフィルム(第4頁~第6頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の電子機器においては、回動式の開閉蓋を閉じて電池または電源アダプタを押圧することにより、電源収容部内における電池または電源アダプタの移動を規制するとともに、開閉蓋の裏面に設けられる正極端子および電源収容部の底面に設けられる負極端子との電気的な接触が確保されている。しかしながら、このような開閉蓋では、電池収容部を閉じて十分に密封性を高めることができなかった。また、電源収容部の側面には、外部電源を電源収容部に収容された電源アダプタのジャックと接続するための孔が設けられており、当該孔から液体や蒸気等が電源収容部内に侵入してしまう虞があった。
【0007】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、端子同士の電気的な接触の安定性と、密封性を両立した電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明の電子機器は、
電源調整基板および前記電源調整基板を保持するホルダから構成される電源ユニットと、開口から挿入された前記電源ユニットを収容する収容部材と、前記開口を塞ぐキャップ部材と、を備え、
前記収容部材においては、正極端子および負極端子が並んで配置され、
前記電源ユニットにおいては、一端側に正極端子および負極端子が並んで配置され、
前記収容部材の前記正極端子および前記負極端子に前記電源ユニットの前記正極端子および前記負極端子を電気的に接触させた状態で前記収容部材に前記電源ユニットを係止する係止機構が設けられ、
前記電源調整基板に外部電源を接続可能な電源供給ラインが前記キャップ部材を密封状態で貫通している。
これによれば、係止機構により収容部材に電源ユニットを係止することにより、収容部材の正極端子および負極端子に電源ユニットの正極端子および負極端子を電気的に接触させた状態を確保できる。また、収容部材の開口をキャップ部材で塞ぐことにより、電源ユニットが収容される収容部材の内部を密封空間としながら、キャップ部材を密封状態で貫通する電源供給ラインにより収容部材に収容された電源調整基板に外部電源を接続することができる。よって、端子同士の電気的な接触の安定性と、密封性を両立した電子機器を提供することができる。
【0009】
前記電源調整基板は、前記電源ユニットの前記正極端子および前記負極端子が設けられる取付部材に固定された状態で前記ホルダに着脱可能に保持されていてもよい。
これによれば、取付部材により電源調整基板を保護することができる。
【0010】
前記取付部材は、前記ホルダに対して該ホルダの前記収容部材への挿入方向に直交する方向から取り付けられてもよい。
これによれば、収容部材の正極端子および負極端子に電源ユニットの正極端子および負極端子を電気的に接触させた状態が確実に維持される。
【0011】
前記電源供給ラインは、少なくとも一部が可撓性を有していてもよい。
これによれば、キャップ部材の着脱時において、電源供給ラインが撓むことにより、電源調整基板との接触不良の発生を抑制することができるとともに、キャップ部材の着脱作業性に優れる。
【0012】
前記ホルダは、把持部を備えていてもよい。
これによれば、キャップ部材を取り外してホルダの把持部を把持することにより、収容部材に電源ユニットが係止された状態から電源ユニットの取り外しを行いやすい。
【0013】
本発明の電子機器は、
ホルダおよび前記ホルダにより保持される電源供給部から構成される電源ユニットと、開口から挿入された前記電源ユニットを収容する収容部材と、前記開口を塞ぐキャップ部材と、を備え、
前記収容部材においては、正極端子および負極端子が並んで配置され、
前記電源ユニットにおいては、一端側に正極端子および負極端子が並んで配置され、
前記収容部材の前記正極端子および前記負極端子に前記電源ユニットの前記正極端子および前記負極端子を電気的に接触させた状態で前記収容部材に前記電源ユニットを係止する係止機構が設けられ、
前記電源供給部は、電池または外部電源が接続される電源調整基板を有している。
これによれば、係止機構により収容部材に電源ユニットを係止することにより、収容部材の正極端子および負極端子に電源ユニットの正極端子および負極端子を電気的に接触させた状態を確保できる。また、収容部材の開口をキャップ部材で塞ぐことにより、電源ユニットが収容される収容部材の内部を密封空間とすることができる。よって、端子同士の電気的な接触の安定性と、密封性を両立した電子機器を提供することができる。また、設置場所や使用環境等に応じて電池または外部電源を電源として選択的に使用することができる。
【0014】
前記電源供給部は、前記電池と前記電池の形状に対応するスペーサとから構成されてもよい。
これによれば、電源ユニットにおいて使用される電池の形状に対応するスペーサを用いることで、ホルダにより形状の異なる電池とスペーサを保持することが可能となり、並んで配置される電源ユニットの正極端子および負極端子を収容部材の正極端子および負極端子に接触させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】(a),(b)は、本発明に係る実施例1の圧力センサを示す斜視図である。
【
図2】実施例1の圧力センサの構造を示す断面図である。
【
図3】内ケースとホルダの構造を示す斜視図である。尚、説明の便宜上、
図3は外ケースを取り外した状態を示している。
【
図4】内ケースの構造を示す斜視図である。尚、説明の便宜上、
図4は外ケースを取り外した状態を示している。
【
図6】(a)は、実施例1の電源ユニットの構造を示す分解斜視図であり、(b)は、同じく斜視図である。
【
図7】実施例1の取付部材の構造を示す斜視図である。
【
図8】(a),(b)は、本発明に係る実施例2の圧力センサを示す斜視図である。
【
図9】実施例2の圧力センサの構造を示す断面図である。
【
図10】本発明に係る実施例3の圧力センサを示す斜視図である。
【
図11】実施例3の圧力センサの構造を示す断面図である。
【
図12】(a)は、実施例3の電源ユニットの構造を示す分解斜視図であり、(b)は、同じく斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る電子機器を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例0017】
実施例1に係る電子機器につき、
図1から
図7を参照して説明する。以下、
図2の正面側から見て左右側を電子機器の左右側として説明する。詳しくは、センサユニット30が設けられる紙面左側を電子機器の左側、キャップ部材23が取り付けられる紙面右側を電子機器の右側として説明する。
【0018】
本発明の電子機器は、
図1に示されるように、測定対象の圧力を検出可能に構成され、図示しない外部電源を電源とする圧力センサ1である。圧力センサ1は、図示しない配管、ダクト、タンク等の被設置部に固定され、被設置部の内部における測定対象の圧力を検出する。測定対象は、液体や気体等の流体である。
【0019】
図1に示されるように、圧力センサ1は、収容部材としてのハウジング20と、センサユニット30と、ホルダ100(
図2参照)および回路ユニット40(
図2参照)から主に構成されている。センサユニット30は、ハウジング20の左端部に取り付けられている。ホルダ100は、ハウジング20の右端部に形成される開口(詳しくは、後述するカバー部材22の開口部22a)からハウジング20内に収容される。尚、ハウジング20の開口は、キャップ部材23により閉塞される。また、ホルダ100は、電源供給部としての電源調整基板10が固定された取付部材13を保持する。すなわち、本実施例1において、電源供給部は、電源調整基板10と取付部材13により構成される。また、電源調整基板10は、外部電源から供給された電圧を調整するコンバータ回路を有している。
【0020】
圧力センサ1は、例えば、図示しない配管の取付口にハウジング20におけるネジ部20aを螺合させることにより固定されて使用される。尚、ネジ部20aは、ハウジング20の外周面の左端部に形成されている。これにより、センサユニット30に設けられた図示しないセンサ素子が配管内における測定対象の流体から印加される圧力に応じた電圧を出力する。処理チップ31(
図2参照)は、この電圧を圧力信号に変換処理する。
【0021】
図2に示されるように、ハウジング20は、外ケース121および内ケース122(
図3および
図4参照)から構成されている。外ケース121は、接続部材21とカバー部材22とキャップ部材23により構成されている。接続部材21の左端部には、ネジ部20a(
図1参照)が形成されている。カバー部材22は、接続部材21の右端部に取り付けられる。カバー部材22の右側の開口部22aは、キャップ部材23により閉塞される。内ケース122は、接続部材21に固定され、カバー部材22およびキャップ部材23により被覆されている。
【0022】
図2に示されるように、接続部材21は、筒状の基部21aと、基部21aから左方に延びる小径部21bと、基部21aの外周面の右端部から外径側に突出するフランジ部21cと、基部21aから右方に延びる大径部21dとを備えている。
【0023】
小径部21bは、その外周面に前述したネジ部20a(
図1参照)が形成されている。また、小径部21bの外周面の右端部には、環状の凹部21eが形成されており、この凹部21eにはOリング24が装着されている。尚、小径部21bの外周面に形成されるネジ部20aを図示しない配管の取付口に螺合させることで、配管と接続部材21との間でOリング24が挟圧され、密封性が確保される。
【0024】
また、小径部21bの左端部には右方に凹む凹部21fが形成されており、この凹部21fにセンサユニット30が左方から挿嵌され溶接固定されている。詳細を省略するが、処理チップ31が配置される貫通孔21m側には測定対象の流体が進入しないように密封性が確保されている。
【0025】
大径部21dは、その外周面にネジ部21g(
図3および
図4参照)が形成されている。また、大径部21dの外周面の左端部には、環状の凹部21hが形成されており、この凹部21hにはOリング25が装着されている。尚、大径部21dの外周面に形成されるネジ部21gにカバー部材22の左端部の内周面に形成される図示しないネジ部を螺合させることで、接続部材21とカバー部材22との間でOリング25が挟圧され、密封性が確保される。
【0026】
また、大径部21dの右端部には左方に凹む段状の凹部21kが形成されており、この凹部21kに回路ユニット40の一部が収容されている。尚、小径部21bに形成される凹部21fと大径部21dに形成される凹部21kは、基部21aを左右方向に貫通する貫通孔21mにより連通されている。また、貫通孔21m内を延びる図示しないフレキシブルプリント配線板によりセンサユニット30と回路ユニット40が電気的に接続されている。
【0027】
ここで、回路ユニット40について説明する。
図2に示されるように、回路ユニット40は、円板状の回路基板41と、正極端子42および負極端子43と、処理チップ44および無線チップ46が搭載された矩形板状の回路基板45(
図4参照)から主に構成されている。回路基板41は、接続部材21における大径部21dの凹部21kに収容されている。正極端子42および負極端子43は、回路基板41を厚み方向に貫通し並んで配置されている。回路基板45は、後述する内ケース122の第1板部122dの外面に保持されている。処理チップ44は、外部電源に接続された電源調整基板10から供給される電力の調整、センサユニット30から入力される信号の処理等を行う。無線チップ46は、回路基板45上に設けられ外部との通信を行う。尚、回路基板41と回路基板45は、フレキシブルフラットケーブル47により電気的に接続されている。また、正極端子42および負極端子43は、回路基板41を厚み方向に貫通していなくてもよい。また、本実施例1において、収容部材であるハウジング20の正極端子および負極端子は、回路ユニット40の正極端子42および負極端子43である。
【0028】
図2および
図3に示されるように、正極端子42および負極端子43は、いわゆるプローブピンであって、図示しない付勢手段を有し正極端子42および負極端子43の電気接点は軸方向に伸縮可能であって伸び出す方向に付勢されている。詳しくは、正極端子42および負極端子43は、内ケース122の基部122aを厚み方向に貫通し並んで形成される貫通孔122b,122cに挿通され、該貫通孔122b,122cから電気接点をそれぞれ突出させた状態で左方向に縮み込み可能に支持されている。尚、
図2に示されるように、ホルダ100が装着された状態で、正極端子42および負極端子43は左方向に僅かに縮んでいる。すなわち、正極端子42および負極端子43は、ホルダ100に保持された取付部材13に設けられる正極端子14および負極端子15にそれぞれ弾発的に接触かつ電気的に接触している。
【0029】
このように、回路ユニット40は、正極端子42および負極端子43にホルダ100に保持される取付部材13の正極端子14および負極端子15が接触することにより、外部電源からセンサユニット30への電源の供給を行うことが可能となる。また、回路ユニット40は、センサユニット30から圧力信号の入力を受けて、処理チップ44により信号処理され、無線チップ46により外部との通信を行うことが可能となる。
【0030】
図2に示されるように、外ケース121を構成するカバー部材22は、円筒状を成し、その左端部が接続部材21の大径部21dの外周面に形成されるネジ部21g(
図3および
図4参照)に螺合されることにより略密封状に取り付けられる。また、カバー部材22の右端部には、同じく外ケース121を構成するキャップ部材23のネジ部23dが螺合されることにより、開口部22aが略密封状に閉塞される。
【0031】
詳しくは、キャップ部材23は、円板状の基部23aと、基部23aの左側面から左方に突出する大径部23bと、大径部23bの左端面の内径側から左方に突出する小径部23cと、を備えている。小径部23cの外周面にはネジ部23dが形成されている。また、小径部23cの外周面の右端部には、環状の凹部23eが形成されており、この凹部23eにはOリング26が装着されている。尚、カバー部材22の右端部の内周面に形成される図示しないネジ部にキャップ部材23のネジ部23dを螺合させることで、カバー部材22とキャップ部材23との間でOリング26が挟圧され、密封性が確保される。
【0032】
また、基部23aには、左右方向に貫通する貫通孔23gが形成されており、この貫通孔23gには、左側から電源供給ラインとしての防水仕様のコネクタ27(
図1参照)が挿通されている。コネクタ27は、キャップ部材23に対して相対回転可能となっている。また、コネクタ27は、貫通孔23gに挿通された状態で、コネクタ27の外周面に形成される図示しないネジ部に右側から防水ナット28を螺合させることで、キャップ部材23に対してコネクタ27が略密封状に固定される。このように、ホルダ100が収容されるハウジング20の内部空間は略密封状に区画されている。
【0033】
尚、コネクタ27は、電源調整基板10の左右略中央に設けられる上下一対の端子部10a,10bと電源供給ラインとしての電線29によりそれぞれ電気的に接続されている。尚、電源調整基板10の端子部10aは、図示しないコンバータ回路を介して取付部材13の正極端子14と電気的に接続されている。電源調整基板10の端子部10bは、取付部材13の負極端子15と電気的に接続されている(
図5および
図7参照)。すなわち、圧力センサ1は、コネクタ27に外部電源に接続された図示しない雄コネクタを接続することにより、外部電源からセンサユニット30への電源の供給を行うことができる。
【0034】
また、キャップ部材23の左端部には、右方に凹む凹部23fが形成されており、この凹部23fには、ホルダ100の右端部に形成される把持部100dやコネクタ27の左端部が収容されるようになっている。
【0035】
図2~
図5に示されるように、内ケース122は、樹脂材料から形成され、基部122aと、基部122aからキャップ部材23が配置される方向、すなわち右方(
図3では左方)に延びる第1板部122dおよび第2板部122eとを備えている。尚、内ケース122は、基部122aがネジ123(
図3参照)によって接続部材21に固定される。
【0036】
基部122aには、上述したように貫通孔122b,122cが並んで形成されている。また、
図2に示されるように、基部122aの左面における外径側には、左方に突出する複数の凸部122fが形成されている。これらの凸部122fは、内ケース122を接続部材21に固定する際に、その先端によって回路ユニット40を構成する回路基板41の外径部を接続部材21の凹部21k内に形成される段部との間で左右方向に挟持する。これにより、回路基板41を内ケース122と接続部材21との間に安定して支持できるようになっている(
図2参照)。
【0037】
また、基部122aの右面(
図3では左面)には、ネジ123が挿入される貫通孔が形成されたボス122gが設けられている。
【0038】
図3および
図5に示されるように、第1板部122dは、その内面が湾曲している。また、第1板部122dの内面の左端部(
図3では右端部)には、矩形状の凸部122hが形成されている。
【0039】
また、
図4および
図5に示されるように、第1板部122dの外面は上下略中央部が平坦面を成し、上下端部には、左右方向の2箇所にそれぞれ回路ユニット40を構成する回路基板45を保持可能な上下一対の鉤状の突起122kが設けられている。尚、回路基板45は、第1板部122dの右側から上下の突起122kの間に挿入される。また、第1板部122dの上下の側面は、外ケース121を構成するカバー部材22の内周面に沿って湾曲している。
【0040】
図3および
図5に示されるように、第2板部122eは、第1板部122dよりも上下方向、すなわち短手方向の寸法が小さく形成されている。また、第2板部122eは、上下端部の内面側にホルダ100の挿脱方向である左右方向、すなわち長手方向に沿って延びる一対の凸条部122mが形成されている。尚、凸条部122mは、断面半円形状を成している。
【0041】
また、第2板部122eの内面には、右端部(
図3では左端部)に上下一対の半球状の凸部122nが形成されている。
【0042】
また、第2板部122eには、右端部(
図3では左端部)の上下略中央部に略矩形状の切り欠き部122sが形成されている。尚、第2板部122eに切り欠き部122sが形成されることにより、ドライバー等の工具が第2板部122eに干渉することが防止されている。これにより、基部122aに形成されるボス122gの貫通孔にネジ123を締め込みやすくなっている。
【0043】
次いで、ホルダ100について説明する。尚、本実施例1においては、ホルダ100の長手方向一端側に電源調整基板10が固定された取付部材13の正極端子14および負極端子15が並んで配置された状態で取付部材13を保持する態様について説明する。また、本実施例1において、ホルダ100は、電源調整基板10が固定された取付部材13を保持することにより電源ユニット101を構成している。また、本実施例1において、電源ユニット101の正極端子および負極端子は、取付部材13の正極端子14および負極端子15である。
【0044】
図2、
図5および
図6(a)に示されるように、ホルダ100は、基部100aと、壁部100b,100cと、把持部100dから主に構成されている。基部100aは、その内面が湾曲している。壁部100bは、基部100aの左端部から内面側に立ち上がる略三角形状に形成されている。壁部100cは、基部100aの右端部から内面側に立ち上がる矩形状に形成されている。把持部100dは、壁部100cから右方に屈曲して延びている。
【0045】
図6(a),(b)に示されるように、壁部100bは略三角形状を成し、ホルダ100に取付部材13が保持された状態で、取付部材13の長手方向一端、すなわち後述する取付部材13の壁部13bに当接している。これにより、ホルダ100の切り欠き状の空間100k,100mから取付部材13の正極端子14および負極端子15が露出する。尚、壁部100bは、正極端子42および負極端子43をそれぞれ挿通可能であるとともに、取付部材13の正極端子14および負極端子15を正極端子42および負極端子43とそれぞれ接触可能に露出させることができれば、形状は自由に構成されてよく、切り欠き形状に代えて壁部に貫通孔が形成されてもよい。
【0046】
基部100aの上下端部には、左右方向の3箇所に上下一対の爪部100eが設けられている。本実施例1においては、左右両端に設けられる上下一対の爪部100eにより、取付部材13が保持されている。
【0047】
また、
図5に示されるように、基部100aの外面は上下略中央部が平坦面を成し、挿入凹部100fが形成されている。挿入凹部100fは、壁部100bが形成される左側(
図3では右側)に開放し、内ケース122の第2板部122eが右方(
図3では左方)から挿入可能となっている。挿入凹部100fの上下の内壁には、その内面側にホルダ100の挿脱方向である左右方向、すなわち長手方向に沿って延び、上下方向、すなわち短手方向に対向する一対の凹条溝100gが形成されている。尚、凹条溝100gは、断面半円形状を成し、前述した内ケース122に形成される一対の凸条部122mと共にホルダ100の挿脱方向への移動をガイドする一対のガイド部Gを構成している。
【0048】
また、挿入凹部100fの底面には、左端部(
図3では右端部)に上下一対の貫通孔100hが形成されている。尚、貫通孔100hには、前述した内ケース122に形成される一対の凸部122nが嵌合可能となっており、ホルダ100が意図せず左右方向に移動しないようにロックする係止機構Pを構成しているとともに、ホルダ100を位置決めすることができる。詳しくは、ホルダ100の壁部100bは、貫通孔100hに内ケース122の凸部122nが嵌合した状態で、内ケース122の基部122aの右面に当接している(
図2参照)。
【0049】
図2および
図6(b)に示されるように、取付部材13がホルダ100に保持された状態で、取付部材13は、左端部、すなわち壁部13bに正極端子14および負極端子15が並んで配置されている。尚、ホルダ100の壁部100b,100c間の左右方向の距離は、取付部材13の左右方向の寸法の和と同じか僅かに短くなるように構成されている。
【0050】
図2、
図6および
図7に示されるように、取付部材13は、樹脂材料により形成され、基部13aと、壁部13b,13cから主に構成されている。特に
図7に示されるように、取付部材13において、基部13aには、右端部(
図6では左端部)に上下一対の略矩形状の取付部13d、13eが形成されている。取付部13d、13eには、基部13aの内面側から正極端子14および負極端子15の長尺部14a,15aがそれぞれ配置されインサート成型されている。
【0051】
尚、本実施例1において、正極端子14および負極端子15は、金属片を略L字形状に折り曲げ形成されたものである。また、取付部13d、13eの上下端部には、左右方向の2箇所にそれぞれ上下一対の鉤状の突起13gが形成されている。突起13gは、正極端子14および負極端子15の長尺部14a,15aに当接することにより、取付部13d、13e内において正極端子14および負極端子15の長尺部14a,15aの挿入進度を規定することができる。
【0052】
また、正極端子14および負極端子15の長尺部14a,15aには、
図2の紙面奥側の電源調整基板10の裏面が電気的に接続されている。このようにして、正極端子14および負極端子15と電源調整基板10の端子部10a,10bとがコンバータ回路を介して電気的に接続されている。
【0053】
また、取付部材13において、壁部13bは、基部13aの左端部から内面側に立ち上がる略楕円形状に形成されている。壁部13bには、左右方向に貫通する上下一対の切り欠き13h,13kが形成されている。尚、正極端子14および負極端子15は、切り欠き13h,13kの左右方向中央部に形成されるスリットに挿入された状態で、上述したように長尺部14a,15aを基部13aに形成される取付部13d、13eにそれぞれ配置されインサート成型される。
【0054】
また、取付部材13において、壁部13cは、基部13aの右端部から内面側に立ち上がる略楕円形状に形成されている。壁部13cの上下略中央には、左右方向に貫通する切り欠き13mが形成されている。
図2に示されるように、切り欠き13mには、電源調整基板10の端子部10a,10bとコネクタ27を接続する電線29が挿通されている。尚、本実施例1において、電線29は、取付部材13の切り欠き13mを挿通させた状態で、電源調整基板10の端子部10a,10bと壁部13cとの間で十分な撓み代を持つように配線されている。
【0055】
次いで、電源ユニット101の着脱方法について説明する。まず、電源ユニット101の装着時においては、ホルダ100に保持される取付部材13に固定された電源調整基板10の端子部10a,10bに対してコネクタ27から延びる電線29をそれぞれ接続する。
【0056】
次に、ハウジング20を構成するカバー部材22の開口部22aから電源ユニット101を挿入する。詳しくは、ホルダ100に形成される凹条溝100gと内ケース122に形成される一対の凸条部122mにより構成されるガイド部G(
図5参照)によってガイドさせながら挿入し、ホルダ100に形成される貫通孔100hに内ケース122に形成される凸部122nを嵌合させることにより、係止機構P(
図5参照)によりハウジング20に電源ユニット101を係止する。
【0057】
次に、キャップ部材23の貫通孔23gに電源ユニット101に接続されたコネクタ27の右端部を挿通した状態で、カバー部材22の右端部の内周面に形成される図示しないネジ部にキャップ部材23のネジ部23dを螺合させる。このとき、コネクタ27に対してキャップ部材23が相対回転するため、ハウジング20内で電線29のねじれが防止される。
【0058】
最後に、キャップ部材23の貫通孔23gから外部に露出するコネクタ27の外周面に形成される図示しないネジ部に右側から防水ナット28を螺合させる。
【0059】
電源ユニット101の取り外し時においては、まず、キャップ部材23にコネクタ27を固定している防水ナット28を回して取り外し、その後、キャップ部材23を回してカバー部材22の右端部からキャップ部材23を取り外す。このとき、装着時と同様にコネクタ27に対してキャップ部材23が相対回転するため、ハウジング20内で電線29のねじれが防止される。
【0060】
次に、ホルダ100の把持部100dを把持して電源ユニット101を引き抜くことにより、電源ユニット101をコネクタ27や電線29と共に取り外す。このとき、ホルダ100の把持部100dを把持することにより、電源ユニット101に対して引き抜き方向に力を作用させやすい。これにより、係止機構P(
図5参照)によりハウジング20に電源ユニット101が係止された状態が容易に解除されるため、電源ユニット101の取り外しを行いやすい。
【0061】
これによれば、圧力センサ1は、係止機構P(
図5参照)によりハウジング20に電源ユニット101を係止することにより、ハウジング20の正極端子42および負極端子43に電源ユニット101の正極端子および負極端子、すなわちホルダ100に保持される取付部材13の正極端子14および負極端子15を電気的に接触させた状態を確保できる。また、ハウジング20の開口、すなわちカバー部材22の開口部22aをキャップ部材23で塞ぐことにより、電源ユニット101が収容されるハウジング20の内部を密封空間としながら、キャップ部材23を密封状態で貫通するコネクタ27および電線29によりハウジング20に収容された電源調整基板10に外部電源を接続することができる。よって、ハウジング20の正極端子42および負極端子43とホルダ100に保持される取付部材13の正極端子14および負極端子15との電気的な接触の安定性と、ハウジング20の内部の密封性を両立することができる。言い換えると、本実施例では、電気接続と密封とを個別の手段で実現していることから、これら機能を精度よく達成できる。
【0062】
また、係止機構Pによりハウジング20に電源ユニット101を係止することにより、ハウジング20の正極端子42および負極端子43とホルダ100に保持される取付部材13の正極端子14および負極端子15とは、弾発的に接触している状態となるため、電気的な接触が確保され、確実に電源を供給することができる。
【0063】
また、電源調整基板10は、取付部材13に固定された状態でホルダ100に着脱可能に保持されている。そのため、取付部材13により電源調整基板10を保護することができる。
【0064】
また、
図6(a)に示されるように、取付部材13は、ホルダ100に対して該ホルダ100のハウジング20への挿入方向に直交する方向から取り付けられている。そのため、電源ユニット101のハウジング20への挿入操作によるホルダ100に対する取付部材13の保持状態への影響が少なく、取付部材13がホルダ100により安定して保持される。そのため、係止機構Pによりハウジング20に電源ユニット101を係止することにより、ハウジング20の正極端子42および負極端子43とホルダ100に保持される取付部材13の正極端子14および負極端子15を電気的に接触させた状態が確実に維持される。
【0065】
また、電源供給ラインを構成する電線29は、可撓性を有しており、キャップ部材23の着脱時において、電線29が撓むことにより、電源調整基板10の端子部10a,10bやコネクタ27との接触不良の発生を抑制することができるとともに、キャップ部材23の着脱作業性に優れる。
【0066】
また、電線29は、取付部材13の切り欠き13mを挿通させた状態で、電源調整基板10の端子部10a,10bと壁部13cとの間で撓みを持つように配線されることにより、キャップ部材23の着脱やホルダ100の挿脱に伴って電線29が引っ張られても接触不良や短絡が発生しにくい。
【0067】
また、
図6に示されるように、ホルダ100の壁部100b,100cは、いずれも上下に切り欠き状の空間が形成されることにより、基部100aの左右両端部から起立する片持ちされた板である片形状となっている。これによれば、ホルダ100の壁部100b,100cにより取付部材13を長手方向に弾性的に挟持しやすくなっている。
【0068】
また、壁部100bは、取付部材13の正極端子14および負極端子15の間に位置しているので、電源ユニット101をバランスよく支持できる。さらに、取付部材13の正極端子14と負極端子15とが短絡しにくい。
【0069】
また、取付部材13の正極端子14および負極端子15は壁部100bから外方に突出しないので、電源ユニット101の着脱の際に、取付部材13の正極端子14および負極端子15に他の部材が当たりにくくなっている。
【0070】
また、ホルダ100は、取付部材13の壁部13bに当接する壁部100bを備え、壁部100bには取付部材13の正極端子14および負極端子15を露出させる切り欠きが設けられている。これによれば、壁部100bを取付部材13の壁部13bに当接させつつ、壁部100bに設けられる切り欠きから取付部材13の正極端子14および負極端子15を露出させることができる。すなわち、電源ユニット101の正極端子および負極端子の長手方向位置が所定位置に規制される。これにより、ハウジング20の正極端子42および負極端子43との接触を確実に行うことができる。また、電源ユニット101を長手方向にコンパクトにすることができる。
【0071】
また、ホルダ100は、取付部材13を短手方向、すなわち取付部材13の正極端子14および負極端子15が並んで配置される方向から挟持する上下一対の爪部100eを備えている。これによれば、ホルダ100により取付部材13を長手方向に加え、短手方向からも挟持させることにより、取付部材13をより安定して保持することができる。これにより、ハウジング20の正極端子42および負極端子43との接触をより確実に行うことができる。
【0072】
また、ホルダ100は、圧力センサ1が配管等の被設置部に設置された状態で着脱可能であるため、保守作業等を容易に行うことができる。詳しくは、配管等の被設置部からハウジング20全体を取り外すことなく、キャップ部材23のみを外して取付部材13を保持するホルダ100のみを挿脱して保守作業を容易に行うことができる。これにより、保守作業に伴いセンサユニット30や回路ユニット40に触れたり、動かしたりする必要がないため、圧力センサ1により測定対象を安定してセンシングすることができる。さらに、圧力センサ1を配管等から取り外す必要がないことから、保守作業時に配管を具備する流体システムの動作を止める必要もない。
【0073】
また、ホルダ100には、把持部100dが設けられているため、キャップ部材23を取り外してホルダ100の把持部100dを把持することにより、ハウジング20に電源ユニット101が係止された状態から電源ユニット101の取り外しを行いやすい。
【0074】
尚、ハウジング20を構成する外ケース121は、キャップ部材23を取り外す際に、カバー部材22や接続部材21が共回りしないように逆ネジに構成されていてもよいし、キャップ部材23とカバー部材22との締結力が最も弱くなるように構成されていてもよい。
【0075】
また、電源ユニット101の正極端子および負極端子、すなわちホルダ100に保持される取付部材13の正極端子14および負極端子15は、上下に並んで配置されているものであればよく、左右位置は同じでなくてもよい。
【0076】
また、取付部材13と正極端子14および負極端子15は、一体成型されるものに限らず、例えば正極端子14および負極端子15の長尺部14a,15aが取付部材13の基部13aに形成される取付部13d、13eに挿嵌固定されるものであってもよい。
ここで、キャップ部材223に対するケーブルグランド228の取り付け方法について説明する。まず、キャップ部材223の貫通孔223gにグランド本体228aの左端部を右側から挿入し、グランド本体228aの左端部の外周面に形成される図示しないネジ部に左側からロックナット228bを螺合させる。これにより、キャップ部材223の基部223aがグランド本体228aに形成されるフランジ228dとロックナット228bとの間で挟圧され、キャップ部材223に対してグランド本体228aが略密封状に取り付けられる。尚、この状態では、グランド本体228aを左右方向に貫通する貫通孔228eに挿通されるケーブル227aに対して、キャップ部材223およびグランド本体228aに対して相対回転可能となっている。
次に、グランド本体228aの右端部の外周面に形成される図示しないネジ部に右側からシールナット228cを螺合させる。尚、シールナット228cは、グランド本体228aの貫通孔228eにケーブル227aを挿通する前に、ケーブル227aに予め挿通しておく。このように、ケーブルグランド228を取り付けることより、キャップ部材223に対してケーブル227aが略密封状に固定される。
これによれば、圧力センサ201は、ハウジング20の開口、すなわちカバー部材22の開口部22aをケーブルグランド228が取り付けられるキャップ部材223で塞ぐことにより、電源ユニット101が収容されるハウジング20の内部を密封空間としながら、キャップ部材223を密封状態で貫通するケーブル227aと、コネクタ227および電線229によりハウジング20に収容された電源調整基板10に外部電源を接続することができる。よって、ハウジング20の正極端子42および負極端子43とホルダ100に保持される取付部材13の正極端子14および負極端子15との電気的な接触の安定性と、ハウジング20の内部の密封性を両立することができる。