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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023030641
(43)【公開日】2023-03-08
(54)【発明の名称】空気調和装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/36 20180101AFI20230301BHJP
   F25B 49/02 20060101ALI20230301BHJP
【FI】
F24F11/36
F25B49/02 520M
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021135877
(22)【出願日】2021-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水間 聖人
(72)【発明者】
【氏名】橋本 俊一
(72)【発明者】
【氏名】渡部 岳志
(72)【発明者】
【氏名】庄山 直芳
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AB02
3L260BA32
3L260BA52
3L260CB04
3L260CB12
3L260HA01
(57)【要約】
【課題】安全性を確保しつつ、冷媒検出センサを長期間使用可能とすることができる空気調和装置を提供する。
【解決手段】空気調和装置は、圧縮機を備えた室外機と、室内機と、前記室内機に設けられて冷媒の漏洩を検出する冷媒検出センサと、前記冷媒検出センサの動作を制御する制御部と、を備える空気調和装置において、前記制御部は、前記冷媒検出センサへの通電時間比率を制御する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機を備えた室外機と、室内機と、前記室内機に設けられて冷媒の漏洩を検出する冷媒検出センサと、前記冷媒検出センサの動作を制御する制御部と、を備える空気調和装置において、
前記制御部は、前記冷媒検出センサへの通電時間比率を制御する
空気調和装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記冷媒検出センサを間欠的に通電する間欠通電制御を実行し、
前記間欠通電制御における前記冷媒検出センサの非通電時間は、冷媒配管から冷媒が漏洩してから冷媒の漏洩を検出する必要がある規定時間以内とする
請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項3】
前記冷媒検出センサへの通電が開始してから前記冷媒検出センサが冷媒を検出可能な状態となるまでの時間をウオームアップ時間とした場合、
前記制御部は、前記間欠通電制御における前記冷媒検出センサの非通電時間を、前記規定時間から前記ウオームアップ時間を引いた時間以内の時間として制御する
請求項2に記載の空気調和装置。
【請求項4】
前記冷媒検出センサは、センサ素子と、前記センサ素子を加熱するヒータと、前記センサ素子及び前記ヒータを収容し、冷媒が流入する開口が形成される筐体を備え、
前記制御部は、前記筐体に断熱材が設けられている前記冷媒検出センサの方が、前記筐体に断熱材が設けられていない前記冷媒検出センサよりも、前記間欠通電制御における前記非通電時間が長くなるよう制御する
請求項3に記載の空気調和装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記冷媒検出センサの積算通電時間が長い程、前記間欠通電制御における前記非通電時間が短くなるよう制御する
請求項3に記載の空気調和装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記室内機内の冷媒配管に冷媒が流れている場合の方が、前記室内機内の冷媒配管に冷媒が流れていない場合よりも、前記通電時間比率が大きくなるよう制御する
請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記室内機内の冷媒配管に冷媒が流れている場合、前記冷媒検出センサに連続的に通電させる連続通電制御を実行し、前記室内機の冷媒配管に冷媒が流れていない場合、前記冷媒検出センサを間欠的に通電する間欠通電制御または冷媒検出センサへの通電を停止する通電停止制御を実行する
請求項6に記載の空気調和装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記圧縮機が駆動している場合に前記連続通電制御を実行し、前記圧縮機が駆動していない場合に前記間欠通電制御または前記冷媒検出センサへの通電を停止する通電停止制御を実行する
請求項7に記載の空気調和装置。
【請求項9】
前記制御部は、空調運転停止中、サーモオフ運転中、または送風運転中の場合に、前記間欠通電制御または前記冷媒検出センサへの通電を停止する通電停止制御を実行する
請求項7に記載の空気調和装置。
【請求項10】
冷媒の流れを遮断する冷媒遮断弁を備え、
前記制御部は、冷媒漏洩検知以外の要因により前記冷媒遮断弁が閉止した場合、前記冷媒検出センサへの通電を停止する前記通電停止制御を実行する
請求項7に記載の空気調和装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気調和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空気調和装置において、冷媒の漏洩を検出する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の空気調和機は、冷媒の漏洩を検知する半導体式の第1冷媒検出センサと、第1冷媒検出センサとは異なる検知方式によって冷媒の漏洩を検知する第2冷媒検出センサと、第1冷媒検出センサ及び第2冷媒検出センサの動作を制御する制御部とを備える。特許文献1では、制御部が、空気調和機の運転中には第1冷媒検出センサを加熱して動作させ、空気調和機の停止中には第2冷媒検出センサを動作させるように制御する。これにより、特許文献1では、半導体式の第1冷媒検出センサの経時劣化を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-180927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、安全性を確保しつつ、冷媒検出センサを長期間使用可能とすることができる空気調和装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示における空気調和装置は、圧縮機を備えた室外機と、室内機と、前記室内機に設けられて冷媒の漏洩を検出する冷媒検出センサと、前記冷媒検出センサの動作を制御する制御部と、を備える空気調和装置において、前記制御部は、前記冷媒検出センサへの通電時間比率を制御する。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、安全性を確保しつつ、冷媒検出センサを長期間使用可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施の形態1に係る室内機を示す側面断面図
図2】実施の形態1に係る室内機を示す平面図
図3】実施の形態1に係る冷媒検出センサを模式的に示す図
図4】実施の形態1に係る空気調和装置を示す冷凍サイクル図
図5】実施の形態1に係る制御構成を示すブロック図
図6】圧縮機の運転と冷媒検出センサの通電する制御のタイミングチャート
図7】非通電時間を説明する図
図8】制御部の処理の流れを示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0008】
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、冷媒の漏洩を検知する冷媒検出センサを室内機に複数設け、複数の冷媒検出センサを適宜に使い分けることにより、一つ当たりの冷媒検出センサの積算通電時間を抑制し、冷媒検出センサの経時劣化を抑制する技術があった。
【0009】
しかしながら、従来の技術では、複数の冷媒検出センサが必要であるため、単一の冷媒検出センサを利用して冷媒の漏洩を検知する場合については長寿命化を果たせる技術ではないという課題を発明者らは発見し、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
本開示は、安全性を確保しつつ、冷媒検出センサを長期間使用可能とすることができる空気調和装置を提供する。
【0010】
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0011】
(実施の形態1)
以下、図1図8を用いて、実施の形態1を説明する。
図1は、実施の形態1における空気調和装置の側面断面図である。図2は、実施の形態1における空気調和装置の平面図である。
【0012】
[1-1.室内機の構成]
図1および図2に示すように、本実施の形態における空気調和装置1は、室内機5を備えている。室内機5は、箱型の筐体10を備えている。筐体10は、天板11と底板12とを備えている。
筐体10の図1において左側は、送風室13とされており、筐体10の図1において右側は、室内熱交換器20を収容する熱交換器室14とされている。送風室13と熱交換器室14とは、仕切壁15によって区画されている。
【0013】
送風室13の後方には、室内空気を取り込む吸込口16が設けられており、送風室13の内部には、室内ファンとしてのシロッコファン30をそれぞれ収容する複数(本実施の形態では3つ)のスクロールケーシング31が設けられている。熱交換器室14の室内熱交換器20よりも前方側には、吹出口17が設けられている。
【0014】
スクロールケーシング31は、スクロールケーシング31の両端部に形成され、シロッコファン30の回転により吸込口16から流入した空気を吸入するファン開口部32と、ファン開口部32より吸入した空気を熱交換器室14に向けて吐出する送風路33と、を備えている。
スクロールケーシング31の間には、電動機34が設けられている。電動機34は、シロッコファン30の回転軸35に連結されており、シロッコファン30を回転駆動させる。
【0015】
シロッコファン30は、遠心ファンであり、シロッコファン30の運転により、吸込口16から空気を吸気し、ファン開口部32より、回転軸35方向からスクロールケーシング31の内部に流入させ、送風路33から室内熱交換器20に吹き出され、室内熱交換器20で熱交換された調和空気が吹出口17より室内に吐出される。
熱交換器室14に収容された室内熱交換器20の図1において下部には、ドレンパン21が配置されている。
【0016】
また、図2に示すように、本実施の形態においては、熱交換器室14には、室内熱交換器20の熱交換領域22と、室内熱交換器20の一端側であって室外機40(図4を参照)からの冷媒配管47,48(図4を参照)が接続される配管接続領域とを仕切る第1仕切板23が設けられている。配管接続領域は、第1領域24とされる。
また、熱交換器室14には、熱交換領域22と、室内熱交換器20の他端側であって室内熱交換器20の冷媒配管が折り返されるベンド部領域とを仕切る第2仕切板25が設けられている。ベンド部領域は、第2領域26とされる。
【0017】
熱交換器室14には、冷媒ダクト36が設けられる。冷媒ダクト36は、熱交換器室14の幅方向に延在する。冷媒ダクト36の幅方向の一端部には開口が設けられており、冷媒ダクト36は第1仕切板23から第1領域24に連通するように構成される。また、冷媒ダクト36の幅方向の他端部には開口が設けられており、冷媒ダクト36は第2仕切板25から第2領域26に連通するように構成される。
よって、第1領域24と第2領域26とは、冷媒ダクト36を通じて空間的に接続されている。
【0018】
第1領域24には、冷媒の漏洩を検出する冷媒検出センサ50が配置されている。
冷媒検出センサ50は、第1領域24における冷媒の漏洩を検出可能である。また、冷媒検出センサ50は、第2領域において冷媒の漏洩が生じた場合には、冷媒ダクト36を通じて第1領域24に流入した冷媒に基づいて、冷媒の漏洩を検出可能である。
冷媒検出センサ50は、冷媒ダクト36の内部に設けてもよい。また、冷媒検出センサ50は、第2領域26に設けてもよい。
【0019】
図3は、実施の形態1に係る冷媒検出センサ50を模式的に示す図である。
冷媒検出センサ50は、半導体式センサ、赤外線センサなど、冷媒を検出可能であれば任意のセンサで構成可能である。本実施の形態では、冷媒検出センサ50が半導体式センサで構成された場合を説明する。
冷媒検出センサ50は、制御部に電気的に接続される回路基板51と、回路基板51に設けられたセンサ素子(検知部)52と、センサ素子52を加熱するヒータ53と、センサ素子52およびヒータ53を内部に収容する筒体(筐体)54と、を備える。筒体54の開口54aを通じて筒体54の内部に冷媒が進入可能であり、これにより、センサ素子52には冷媒が到達可能である。
筒体54の外周部には、断熱材55が設けられている。断熱材55は筒体54を覆う。断熱材55により、筒体54の内外が断熱され易くなる。断熱材55によりセンサ素子52は保温される。なお、筒体54の外周部には断熱材55は設けられていることが望ましいが、省略してもよい。
【0020】
[1-2.空気調和装置の構成]
次に、空気調和装置1の構成について説明する。
図4は、実施の形態1に係る空気調和装置1の構成を示す冷凍サイクル図である。
図4に示すように、空気調和装置1は、室外機40と、室内機5とを備えている。室外機40には、圧縮機41、冷媒流路を切り替える四方弁42、室外熱交換器43、室外ファン44、室外絞り装置45が収容されており、これら圧縮機41、四方弁42、室外熱交換器43、室外絞り装置45は、冷媒配管46により順次接続されている。
【0021】
室内機5には、室内熱交換器20、室内絞り装置27、シロッコファン30がそれぞれ収容されており、室内熱交換器20および室内絞り装置27は、冷媒配管28を介して接続されている。
室外機40の圧縮機41と、室内機5の室内熱交換器20とは、液冷媒配管47およびガス冷媒配管48により接続されている。
液冷媒配管47およびガス冷媒配管48の室内機5の近傍には、それぞれ冷媒遮断弁49が設けられている。
【0022】
[1-3.制御構成]
次に、本実施の形態の制御構成について説明する。
図5は、本実施の形態の制御構成を示すブロック図である。
図5に示すように、空気調和装置1は、制御部60を備えている。
制御部60は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-Processing Unit)などのプログラムを実行するプロセッサおよびROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などのメモリを備え、プロセッサが、メモリに記憶された制御プログラムを読み出して処理を実行するように、ハードウェア及びソフトウェアの協働により各種処理を実行する。
【0023】
制御部60は、制御プログラムに基づいて、室外機40の圧縮機41、室外絞り装置45、室外ファン44、室内機5のシロッコファン30、室内絞り装置27をそれぞれ制御する。
制御部60は、室内機5の冷媒検出センサ50の検出信号に基づいて、冷媒の漏洩を検出する。また、制御部60は、冷媒検出センサ50の検出信号に基づいて、冷媒遮断弁49、室内絞り装置27の開閉制御を行う。
【0024】
本実施の形態の制御部60は、冷媒検出センサ50の動作を制御する。制御部60は、冷媒検出センサ50への通電、非通電を制御することにより、冷媒検出センサ50の動作を制御する。
【0025】
一般に、冷媒検出センサ50は、通電された時間の累計である積算通電時間が長くなればなるほど劣化する。そこで、制御部60は、室内機5内の冷媒配管28に冷媒が流れている場合の方が、室内機5内の冷媒配管28に冷媒が流れていない場合よりも、冷媒検出センサ50の通電時間比率が大きくなるよう制御する。冷媒検出センサ50の通電時間比率は、例えば、「冷媒検出センサ50への通電時間÷(冷媒検出センサ50への通電時間+冷媒検出センサ50への非通電時間)」である。
【0026】
室内機5内の冷媒配管28に冷媒が流れている場合、室内機5内の冷媒圧力が高くなり、冷媒配管28が破損した場合の漏洩冷媒の濃度上昇速度が速くなるため、冷媒検出センサ50の通電時間比率を長くすることで、漏洩冷媒を迅速に検知できる。一方、室内機5内の冷媒配管28に冷媒が流れていない場合、室内熱交換器20の冷媒圧力が低くなり、冷媒配管28が破損した場合の漏洩冷媒の濃度上昇速度が遅くなる。そこで、制御部60は、室内機5内の冷媒配管28に冷媒が流れていない場合、冷媒検出センサ50の通電時間比率を小さくすることで、冷媒検出センサ50の積算通電時間を抑制しながら、冷媒の漏洩を検出可能としている。
【0027】
ここで、室内機5内の冷媒配管28に冷媒が流れている場合とは、例えば、冷房運転または暖房運転がある。また、室内機5内の冷媒配管28に冷媒が流れていない場合とは、例えば、空調運転停止状態、サーモオフ運転、送風運転がある。サーモオフ運転とは、室温が設定温度に達したため、冷房運転や暖房運転を行わず、シロッコファン30を駆動させる運転である。
【0028】
また、冷媒検出センサ50の通電時間比率を大きくする方法として、例えば、冷媒検出センサ50を連続的に通電させる連続通電制御がある。また、冷媒検出センサ50の通電時間比率を小さくする方法として、例えば、冷媒検出センサ50の通電と非通電を繰り返す間欠通電制御がある。
【0029】
本実施の形態では、制御部60は、圧縮機41の運転中に連続通電制御を実行し、圧縮機41の停止中に間欠通電制御を実行する構成について説明する。
【0030】
図6は、圧縮機41の運転と冷媒検出センサ50の通電制御のタイミングチャートである。
本実施の形態の間欠通電制御は、通電と非通電とを周期的に繰り返す。具体的には、制御部60は、間欠通電制御を開始すると、所定の通電時間Tonだけ、冷媒検出センサ50に連続的に通電する。制御部60は、通電時間Tonが経過すると、所定の非通電時間Toffだけ、冷媒検出センサ50への通電を停止する。また、制御部60は、非通電時間Toffが経過すると、通電時間Tonだけ、冷媒検出センサ50に連続的に通電する。
このようにして、制御部60は、圧縮機41の停止中(OFF)には、通電時間Tonの通電と非通電時間Toffの非通電を周期Pで周期的に繰り返すことにより、間欠通電制御を実行する。周期Pは、通電時間Tonと、非通電時間Toffとの和である。図6において、圧縮機41の運転(ON)と圧縮機41の停止(OFF)とにより、連続通電制御を実行する期間C1と、間欠通電制御を実行する期間C2が切り替わる。
【0031】
図7は、非通電時間Toffを説明する図である。
非通電時間Toffは種々の要件に基づいて設定される。
具体的には、空気調和装置1では、一定濃度以上の冷媒の漏洩が生じた場合に、冷媒の漏洩が発生してから、所定の規定時間(第1時間)T1内に冷媒の漏洩を検出することが要求される。規定時間T1は、例えば、JRA(日本冷凍空調工業会)やEN(欧州通信規格協会)により予め定められた時間である。
【0032】
また、冷媒検出センサ50では、冷媒の漏洩を検出可能となるまでには、ウオームアップが要求される。つまり、冷媒検出センサ50は、通電の開始と同時に冷媒の漏洩が検出可能にはならず、通電が開始されてからウオームアップ時間(第2時間)T2が経過しないと、冷媒の漏洩を検出できる状態とはならない。ウオームアップ時間T2は、冷媒検出センサ50の仕様、特性に基づく値である。
【0033】
非通電時間Toffは、図7の矢印B1~B3で示すように、冷媒が漏洩してから冷媒の漏洩を検出する必要のある予め設定された規定時間T1と、冷媒検出センサ50に通電を開始してから冷媒検出センサ50が冷媒の漏洩を検出可能となるまでのウオームアップ時間T2と、の差分T1-T2に基づいて設定される。本実施の形態では、非通電時間Toffは、差分T1-T2から、所定のマージンΔを引いた値に設定される。ただし、非通電時間Toffは、差分T1-T2から、マージンΔを引かずに設定してもよい。
【0034】
ここで、本実施の形態では、冷媒検出センサ50は半導体式センサである。よって、冷媒検出センサ50に通電を開始した後、常温から所定の検知可能温度(300℃から400℃の間の温度)に到達するまでに要する時間がウオームアップ時間T2とされる。
【0035】
上述のウオームアップ時間T2は、常温から検知可能温度に到達するまでに要する時間に加えて、マージン時間を含んだ時間としてもよい。マージン時間は、例えば、冷媒の漏洩が生じてから冷媒検出センサ50が冷媒の漏洩を検出可能(漏洩した冷媒がセンサ素子52に到達可能)となるまでの時間である。具体的には、第2領域26で冷媒の漏洩が生じた場合に、漏洩冷媒が冷媒ダクト36を通じて第1領域24に到達するまでの時間をマージン時間としてもよい。
これにより、ウオームアップ時間T2の経過後には、冷媒の漏洩を精度よく検出できる。
【0036】
なお、本実施の形態のように、通電を停止する場合には、冷媒検出センサ50のセンサ素子52の加熱が停止されるため、センサ素子52は一般には冷却される。しかしながら、通電を再開するタイミングによっては、センサ素子52は、常温よりも高い温度から加熱され、冷媒検出センサ50のウオームアップに要する時間が短くなる。特に、本実施の形態のように、冷媒検出センサ50が断熱材55で覆われる場合には、断熱材55の保温効果により、ウオームアップ時間T2が短くなり易い。よって、図7の矢印B2で示すように、常温のウオームアップ時間T2よりも短いウオームアップ時間T2に基づいて、非通電時間Toffを設定し、間欠通電制御を実行してもよい。このウオームアップ時間T2は、例えば、実験に基づいて設定される。
これにより、冷媒検出センサ50の積算通電時間を抑制できる。
【0037】
なお、通電時間Tonは短い方が積算通電時間を抑制し易い。
【0038】
また、積算通電時間が長くなるほど冷媒検出センサ50は劣化し易いため、ウオームアップに要する時間が長くなる場合がある。よって、図7の矢印B3で示すように、積算通電時間が長くなるほど短くなる非通電時間Toffに基づいて、間欠通電制御を実行してもよい。この場合、例えば、制御部60は、冷媒検出センサ50の積算通電時間に基づいて非通電時間Toffを算出する予め設定された関数を記憶しておき、その関数から積算通電時間に基づく非通電時間Toffを算出する。そして、制御部60は、算出された非通電時間Toffだけ、通電を停止してもよい。また、冷媒検出センサ50の積算通電時間を、予め段階的に区分けし、積算通電時間の属する段階に合わせて最適な非通電時間Toffを求める構成にしてもよい。この場合、積算通電時間と非通電時間Toffとの関係はルックアップテーブルにより記憶可能である。
なお、積算通電時間により、冷媒検出センサ50の寿命を判別可能である。このため、空気調和装置1では、積算通電時間は制御部60により計測されている。
【0039】
[1-4.動作]
以上のように構成された空気調和装置1について、以下その動作、作用を説明する。
図8は、制御部60の処理の流れを示すフローチャートである。
制御部60は、空気調和装置1に電力が供給されることにより図8の処理を開始する。
制御部60は、図8の処理を開始すると、圧縮機41が運転中か否かを判別する(ステップST11)。本実施の形態では、圧縮機41の運転中とは、圧縮機41が運転を開始してから圧縮機41が運転を終了するまでの期間を意味する。また、圧縮機41が運転中ではない、すなわち、圧縮機41の停止中とは、圧縮機41が運転を終了してから圧縮機41が運転を開始するまでの期間を意味する。
【0040】
制御部60は、圧縮機41が運転中と判別する場合(ステップST11:YES)には、冷媒検出センサ50に対して連続通電制御を実行する(ステップST12)。すなわち、制御部60は、圧縮機41が運転を開始してから圧縮機41が運転を終了するまで、連続通電制御を実行する。
【0041】
制御部60は、圧縮機41が停止中と判別する場合には(ステップST11:NO)、冷媒検出センサ50に対して間欠通電制御を実行する(ステップST13)。すなわち、制御部60は、圧縮機41が運転を終了してから圧縮機41が運転を開始するまで、間欠通電制御を実行する。
【0042】
一般に、圧縮機41が運転中の場合等、室内機5内の冷媒配管28に冷媒が流れている場合、室内機5における冷媒配管28の圧力は大きい。このため、仮に、冷媒の漏洩が生じた場合には、漏洩冷媒の濃度上昇速度が速い。本実施形態では、圧縮機41が運転中の場合には、冷媒検出センサ50に対して連続通電を行うことにより、冷媒の漏洩を速やかに検出し易くしている。
【0043】
また、圧縮機41が停止中の場合等、室内機5内の冷媒配管28に冷媒が流れていない場合、室内機5における冷媒配管28の圧力は小さい。このため、仮に、冷媒の漏洩が生じた場合には、漏洩冷媒の濃度上昇速度が遅い、いわゆる、スローリークとなり易い。よって、冷媒の漏洩を速やかに検出する必要性は圧縮機41の運転中に比べて小さい。また、冷媒の漏洩が検出可能となるまでには時間を要し易い。そこで、本実施の形態では、圧縮機41の停止中の場合には、間欠通電制御を実行することにより、冷媒検出センサ50の積算通電時間を抑制しながら、冷媒の漏洩を検出可能としている。
【0044】
具体的には、図6の矢印A1で示すように、圧縮機41が停止(OFF)すると、通電時間Tonだけ、冷媒検出センサ50に連続的に通電し、その後、非通電時間Toffだけ、冷媒検出センサ50への通電を停止し、圧縮機41が運転するまで、それらが繰り返される。
この際に、例えば、通電時間Tonの終了直後の時期L1に冷媒の漏洩が発生したとすると、冷媒検出センサ50が動作していないため、冷媒の漏洩直後には漏洩を検出できない。しかしながら、本実施の形態では、非通電時間Toffが、規定時間T1とウオームアップ時間T2との差分T1-T2に基づいて設定されるため、時期L1から規定時間T1が経過する前の時期L4には、冷媒検出センサ50のウオームアップが完了する。よって、時期L4には、時期L1に生じた冷媒の漏洩を冷媒検出センサ50が検出可能となるため、冷媒が漏洩してから規定時間T1内に冷媒の漏洩が検出できる。
【0045】
同様に、非通電時間Toff内の時期L2や、ウオームアップ時間T2内の時期L3に冷媒の漏洩が発生した場合、それらの冷媒の漏洩直後には漏洩を検出できない。しかしながら、時期L4には、冷媒検出センサ50が、ウオームアップを完了し冷媒の漏洩を検出可能となるため、冷媒の漏洩の発生から規定時間T1内に冷媒の漏洩が検出できる。
したがって、本実施の形態では、単一の冷媒検出センサ50を使用しながら、安全性を確保しつつ、冷媒検出センサ50を長期間使用可能とすることができる。
【0046】
[1-5.効果等]
以上のように、本実施の形態において、圧縮機41を備えた室外機40と、室内機5と、室内機5に設けられて冷媒の漏洩を検出する冷媒検出センサ50と、冷媒検出センサ50の動作を制御する制御部60と、を備える空気調和装置1において、制御部60は、冷媒検出センサ50への通電時間比率を制御する。
これにより、本実施の形態では、安全性を確保しつつ、冷媒検出センサ50を長期間使用可能とすることができる。
【0047】
本実施の形態のように、制御部60は、冷媒検出センサ50を間欠的に通電する間欠通電制御を実行し、間欠通電制御における冷媒検出センサ50の非通電時間Toffは、冷媒配管28から冷媒が漏洩してから冷媒の漏洩を検出する必要がある規定時間T1以内としてもよい。
これにより、規定時間T1内に冷媒検出センサ50に通電できるようにしながら、冷媒検出センサ50の積算通電時間を抑制することができる。よって、本実施の形態では、安全性を確保しつつ、冷媒検出センサ50を長期間使用可能とすることができる。
【0048】
本実施の形態のように、冷媒検出センサ50への通電が開始してから冷媒検出センサ50が冷媒を検出可能な状態となるまでの時間をウオームアップ時間T2とした場合、制御部60は、間欠通電制御における冷媒検出センサ50の非通電時間Toffを、規定時間T1からウオームアップ時間T2を引いた時間以内の時間として制御してもよい。
これにより、冷媒が漏洩した場合には、冷媒検出センサ50が非通電から復帰した場合であっても、規定時間T1内に冷媒の漏洩を検出することができる。
【0049】
本実施の形態のように、冷媒検出センサ50は、センサ素子52と、センサ素子52を加熱するヒータ53と、センサ素子52及びヒータ53を収容し、冷媒が流入する開口54aが形成される筒体54を備えてもよい。また、制御部60は、筒体54に断熱材55が設けられている冷媒検出センサ50の方が、筒体54に断熱材55が設けられていない冷媒検出センサ50よりも、間欠通電制御における非通電時間Toffが長くなるよう制御してもよい。
これにより、断熱材55の保温効果によりウオームアップ時間T2を短くし易くできる。このため、非通電時間Toffを長くしても規定時間T1内に冷媒の漏洩を検出可能となり、冷媒検出センサ50の積算通電時間を抑制することができる。
【0050】
本実施の形態のように、制御部60は、冷媒検出センサ50の積算通電時間が長い程、間欠通電制御における非通電時間Toffが短くなるよう制御してもよい。
これにより、使用に伴って冷媒検出センサ50のウオームアップに要する時間が長くなっても、非通電時間Toffが短くなるため、規定時間T1内に冷媒の漏洩を検出可能となる。よって、安全性を確保しつつ、冷媒検出センサ50を長期間使用可能とすることができる。
【0051】
本実施の形態のように、制御部60は、室内機5内の冷媒配管28に冷媒が流れている場合の方が、室内機5内の冷媒配管28に冷媒が流れていない場合よりも、通電時間比率が大きくなるよう制御してもよい。
これにより、室内機5内の冷媒配管28に冷媒が流れている場合、室内機5内の冷媒圧力が高くなり、冷媒配管28が破損した場合の漏洩冷媒の濃度上昇速度が速くなるため、冷媒検出センサ50の通電時間比率を大きくすることで、漏洩冷媒を迅速に検知できる。一方、室内機5内の冷媒配管28に冷媒が流れていない場合、室内熱交換器20の冷媒圧力が低くなり、冷媒配管28が破損した場合の漏洩冷媒の濃度上昇速度が遅くなるため、冷媒検出センサ50の通電時間比率を小さくすることで、冷媒検出センサ50の積算通電時間を抑制しながら、冷媒の漏洩を検出可能としている。よって、安全性を確保しつつ、冷媒検出センサ50を長期間使用可能とすることができる。
【0052】
本実施の形態のように、制御部60は、室内機5内の冷媒配管28に冷媒が流れている場合、冷媒検出センサ50に連続的に通電させる連続通電制御を実行し、室内機5の冷媒配管28に冷媒が流れていない場合、冷媒検出センサ50を間欠的に通電する間欠通電制御を実行してもよい。
これにより、簡易な制御により、室内機5内の冷媒配管28に冷媒が流れている場合の方が、室内機5内の冷媒配管28に冷媒が流れていない場合よりも、通電時間比率が大きくなるよう制御できる。また、連続通電制御により、室内機5内の冷媒配管28に冷媒が流れている場合には、迅速に冷媒の漏洩を検出することができる。
【0053】
本実施の形態のように、制御部60は、圧縮機41が駆動している場合に連続通電制御を実行し、圧縮機41が駆動していない場合に間欠通電制御を実行してもよい。
これにより、圧縮機41の駆動、停止に合わせて、室内機5内の冷媒配管28に冷媒が流れている場合の方が、室内機5内の冷媒配管28に冷媒が流れていない場合よりも、通電時間比率が大きくなるよう制御できる。
【0054】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
【0055】
実施の形態1の空気調和装置1の室内機5には、単一の冷媒検出センサ50を設ける構成を説明したが、複数の冷媒検出センサを設けてもよい。例えば、第1領域24に冷媒検出センサ50を設けると共に、第2領域26に第2の冷媒検出センサを設けてもよい。この場合、冷媒検出センサ50と第2の冷媒検出センサとのそれぞれは、圧縮機41の運転中には通電制御され、圧縮機41の停止中には間欠通電制御されてもよい。
【0056】
実施の形態1の間欠通電制御では、通電時間Tonの通電と非通電時間Toffの非通電を周期Pで周期的に繰り返す場合に、通電時間Tonの後に非通電時間Toffとなる構成を説明したが、非通電時間Toffとなる時間は、周期P内のいずれのタイミングでもよい。すなわち、例えば、図6の矢印A2で示すように、非通電時間Toffが設定されてもよい。なお、図6の矢印A2では、周期P内の通電時間の合計は通電時間Tonである。
【0057】
実施の形態1では、1台の室内機5を設ける構成で説明したが、本発明はこれに限られず、複数台の室内機を設ける構成であっても良い。この場合、例えば、2台の室内機の内、一方の室内機の冷媒配管28に冷媒が流れており、他方の室内機の冷媒配管28に冷媒が流れていない場合、制御部60は、一方の室内機は連通通電制御を実行し、他方の室内機は間欠通電制御を実行することが好ましい。
【0058】
実施の形態1では、冷媒配管28内の冷媒の流れを遮断する冷媒遮断弁49を設け、制御部60は、冷媒漏洩検出以外の要因で冷媒遮断弁49を閉止している場合、冷媒検出センサ50への通電を停止する通電停止制御を実行しても良い。この場合、例えば、制御部60は、空気調和装置1に電力が供給されることにより、冷媒遮断弁49が閉止されるか否の判別を開始する。このとき、制御部60は、冷媒遮断弁49が閉止されると判別するまで、冷媒遮断弁49が閉止されるか否かの判別を繰り返す。そして、制御部60は、冷媒遮断弁49が閉止されると判別する場合には、冷媒の漏洩が生じているか否かを判別する。そして、制御部60は、冷媒の漏洩が生じていないと判別する場合には、通電停止制御を実行する。このようにして、制御部60は、冷媒漏洩検出以外の要因で冷媒遮断弁49を閉止している場合、冷媒検出センサ50への通電を停止する通電停止制御を実行してもよい。冷媒遮断弁49が閉止している場合、万一冷媒配管28が破損しても、漏洩冷媒量が少ないため、冷媒検出センサ50への通電を停止しても安全性を確保できる。冷媒漏洩検出以外の要因で冷媒遮断弁49が閉止する場合とは、室内機5内の冷媒配管28に冷媒が流れない運転であり、例えば、空調運転停止中、送風運転中、サーモオフ運転である。
【0059】
実施の形態1の空気調和装置1では、制御部60は、冷媒検出センサ50への通電時間比率を長くする一例として、冷媒検出センサ50を連続通電制御とする構成を説明した。本発明はこれに限らず、室内機5内の冷媒配管28に冷媒が流れている場合は、室内機5内の冷媒配管28内に冷媒が流れていない場合よりも、冷媒検出センサ50への通電時間比率が大きければ良い。例えば、室内機5内の冷媒配管28に冷媒が流れている場合、冷媒検出センサ50を基本的には通電し、短時間(例えば5秒間)のみ一時的に非通電とする制御であってもよい。また、制御部60は、室内機5内の冷媒配管28に冷媒が流れている場合、冷媒検出センサ50を間欠通電制御としつつ、室内機5に冷媒が流れている場合の方が、室内機5内の冷媒が流れている場合よりも、非通電時間Toffが短くなるよう制御してもよい。
【0060】
実施の形態1では、制御部60は、室内機5内の冷媒配管28に冷媒が流れていない場合、間欠制御運転を実行する構成を説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、制御部60は、室内機5内の冷媒配管28に冷媒が流れていても、室内機5内の冷媒配管28の冷媒圧力が比較的小さい場合、漏洩冷媒の濃度上昇速度が比較的遅いため、間欠制御運転を実行してもよい。尚、室内機5内の冷媒配管28の冷媒圧力を取得する方法として、例えば、冷媒圧力センサを用いてもよい。また、圧縮機41の停止状態から圧縮機41の運転開始から所定時間内は、室内機5内の冷媒配管28の冷媒圧力が比較的小さいと推定してもよい。
【0061】
実施の形態1の空気調和装置1では、制御部60は、圧縮機41の停止中は間欠通電制御を実行する構成を説明した。本発明は、室内機5内の冷媒配管28内に冷媒が流れている場合に連続通電制御を実行すればよい。例えば、制御部60は、圧縮機41の停止後も、所定時間は連続通電制御を実行し、圧縮機41の停止から所定時間経過後に間欠通電制御を実行してもよい。圧縮機41が停止しても所定時間は、室内機5内の冷媒配管28に冷媒が流れており、冷媒配管28に冷媒が流れていない状態に比べて、冷媒配管28内の冷媒圧力が高く、漏洩冷媒の濃度上昇速度が速いためである。
【0062】
実施の形態1の空気調和装置1では、制御部60は、圧縮機41の運転中は連続通電制御を実行する構成を説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、圧縮機41の運転開始後所定時間内は、間欠通電制御を実行し、圧縮機41の運転を開始してから所定時間経過後に連続通電制御を実行しても良い。圧縮機41の運転が開始してから所定時間内は、室内機5の冷媒配管28内の流量が少なく、冷媒圧力が比較的小さいため、漏洩冷媒の濃度上昇速度が比較的遅いためである。
【0063】
実施の形態1では、間欠通電制御における非通電時間Toffは、JRAにより予め定められた規定時間T1以内である構成を説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、送風運転等、シロッコファン(室内ファン)30が駆動している場合、間欠通電制御の非通電時間Toffを規定時間T1以上としても良い。シロッコファン30が駆動している場合、万一冷媒が漏洩しても、漏洩冷媒は、シロッコファン30により流れ、漏洩冷媒の濃度上昇を抑制できる。
【0064】
実施の形態1では、制御部60は、室内機5内の冷媒配管28に冷媒が流れている場合、冷媒検出センサ50に連続的に通電させる連続通電制御を実行し、室内機5の冷媒配管28に冷媒が流れていない場合、冷媒検出センサ50を間欠的に通電する間欠通電制御を実行した。しかし、これに代えて、制御部60は、室内機5内の冷媒配管28に冷媒が流れている場合、冷媒検出センサ50に連続的に通電させる連続通電制御を実行し、室内機5の冷媒配管28に冷媒が流れていない場合、冷媒検出センサ50への通電を停止する通電停止制御を実行してもよい。
通電停止制御により、冷媒検出センサ50の積算通電時間を効果的に抑制することができる。
【0065】
また、実施の形態1では、制御部60は、圧縮機41が駆動している場合に連続通電制御を実行し、圧縮機41が駆動していない場合に間欠通電制御を実行する構成を説明した。しかし、これに代えて、制御部60は、圧縮機41が駆動している場合に連続通電制御を実行し、圧縮機41が駆動していない場合に冷媒検出センサ50への通電を停止する通電停止制御を実行してもよい。
【0066】
また、実施の形態1では、制御部60は、空調運転停止中、サーモオフ運転中、または送風運転中の場合に、間欠通電制御を実行したが、制御部60は、空調運転停止中、サーモオフ運転中、または送風運転中の場合に、冷媒検出センサ50への通電を停止する通電停止制御を実行してもよい。
【0067】
実施の形態1の空気調和装置1の室内機5は、いわゆる、2方向天井カセット形の室内機を例示したが、これに限定されず、4方向天井カセット形の室内機でもよく、4方向天井カセット形の室内機に設けられた冷媒検出センサに本開示を適用してもよい。
【0068】
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本開示は、冷媒検出センサを使用する空気調和装置に好適に適用可能である。
【符号の説明】
【0070】
1 空気調和装置
5 室内機
28 冷媒配管
40 室外機
41 圧縮機
50 冷媒検出センサ
52 センサ素子
53 ヒータ
54a 開口
54 筒体(筐体)
55 断熱材
60 制御部
T1 規定時間
T2 ウオームアップ時間
Toff 非通電時間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8