IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社アイケイエスの特許一覧

<>
  • 特開-電力制御装置 図1
  • 特開-電力制御装置 図2
  • 特開-電力制御装置 図3
  • 特開-電力制御装置 図4
  • 特開-電力制御装置 図5
  • 特開-電力制御装置 図6A
  • 特開-電力制御装置 図6B
  • 特開-電力制御装置 図7A
  • 特開-電力制御装置 図7B
  • 特開-電力制御装置 図8A
  • 特開-電力制御装置 図8B
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023030704
(43)【公開日】2023-03-08
(54)【発明の名称】電力制御装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/14 20060101AFI20230301BHJP
   H02J 3/00 20060101ALI20230301BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20230301BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20230301BHJP
【FI】
H02J3/14 130
H02J3/00 130
H02J3/32
H02J7/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021135972
(22)【出願日】2021-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】500091520
【氏名又は名称】株式会社アイケイエス
(74)【代理人】
【識別番号】100160727
【弁理士】
【氏名又は名称】石津 縁
(72)【発明者】
【氏名】今井 尊史
(72)【発明者】
【氏名】後藤 隆雄
【テーマコード(参考)】
5G066
5G503
【Fターム(参考)】
5G066AA02
5G066HB09
5G066JA01
5G066JB03
5G066KA01
5G066KA06
5G066KA12
5G066KB01
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA10
5G503DA04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】デマンド値を維持するための充放電方法を提供する。
【解決手段】電力系統の需要家設備に設置される蓄電池に充放電制御を行う電力制御装置であって、電力系統からの受電点で計測される電力を受信する通信部と、電力変換装置を制御して、第1の周期において蓄電池に対する充放電制御を行うとともに、第1の周期より短い第2の周期毎に電力を取得して保持するとともに、最大デマンド値を保持するプロセッサと、を備える。プロセッサは、現在の第1の周期の終わりの時刻t3における第1の予測電力W1を、算出し、現在の第1の周期において計測した第2の周期で取得した電力の統計的ばらつきを算出し、第1の予測電力と統計的ばらつきとを加算して得られる時刻t3における修正予測電力W3を算出し、修正予測電力が、最大デマンド値を超える場合、蓄電池に対して放電するように制御指示を出力する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力系統の需要家設備に設置される蓄電池に対して電力変換装置を介して充放電制御を行う電力制御装置であって、
電力系統から電力が入力する受電点で計測される電力を受信する通信部と、
前記電力変換装置を制御して、第1の周期において前記蓄電池に対する充放電制御を行うとともに、前記第1の周期より短い第2の周期毎に電力を取得して保持するとともに、最大デマンド値を保持するプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
現在の第1の周期の終わりの時刻t3における第1の予測電力(W1)を、以下の式で、算出し、
【数1】
ここで、t2は現在の時間を示し、P2はt2で測定した電力を示し、t1は現在の第1の周期の始まりより後で時間であり且つt2より先の時間を示し、P1はt1で測定した電力を示すものであり、
現在の第1の周期において計測した第2の周期で取得した電力の統計的ばらつきを算出し、
前記第1の予測電力と前記統計的ばらつきとを加算して得られる時刻t3における修正予測電力を算出し、
前記修正予測電力が、前記最大デマンド値を超える場合、前記蓄電池に対して放電するように制御指示を出力する、電力制御装置。
【請求項2】
前記蓄電池への放電電力は、前記修正予測電力から前記最大デマンド値を減算した値である、請求項1に記載の電力制御装置。
【請求項3】
前記修正予測電力が、前記最大デマンド値を超えない場合、現在の第1の周期の終わりの時刻t3における第2の予測電力(W2)を、以下の式で、算出し、
【数2】
ここで、t4は現在の第1の周期の始まりの時間を示し、P4はt4で測定した電力を示すものであり、
前記最大デマンド値から、前記統計的ばらつきと、前記第2の予測電力とを、減算した電力を、前記蓄電池に対して放電するように制御指示を出力する、請求項1または2に記載の電力制御装置。
【請求項4】
前記統計的ばらつきは、標準偏差である、請求項1~3の何れか1項に記載の電力制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電池を充放電制御する電力制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電力会社と電力需要家で契約される電気料金の基本料金は、過去1年間の最大デマンド値に基づき決定される。なお、最大デマンド値は、30分間の平均の電力のことをいう。そのため、電力需要家は、消費電力の傾向から、デマンド時限における予測デマンド値を算出し、予測デマンド値が、基本料金の基準値を超えることが予測される場合には、負荷を調整して消費電力を低減する対策を図っている。
【0003】
さらに、近年では、再生可能エネルギーが系統に接続され、需要側も系統の出力の急激な変化に応じて、需要を変化させることが要求される(デマンドレスポンスと呼ばれる)。例えば、太陽光発電の予測が外れて、曇り空となった場合、供給が不足するので、需要側の需要を下げることが要求される(下げデマンドレスポンスと呼ばれる)。そのような場合、従来は、基本料金を下げることが目的として設定されていたデマンド値は、下げデマンド値まで、一定期間下げる必要がある。そのような場合、デマンド値は、基本料金の算定対象であることに加えて、下げデマンド用の値として用いられて、消費電力を低減する対策が取られる。
【0004】
例えば、特許文献1は、デマンドカットの実行対象となる需要家における各デマンドカット期間(以下、DC期間)の開始時点からの系統電力の積算受電量が、前記各DC期間内において所定の目標値を超過しないように、前記需要家の蓄電池システムに蓄電されている電力の放電を制御する蓄電池制御システムであって、前記DC期間の長さを均等に細分化した第1単位時間毎の前記各DC期間の開始時点からの経過時間のそれぞれにおける前記積算受電量に対して、前記蓄電池システムを放電させるか否かを判定する基準となる第1基準受電量を記録したデータ記憶部と、前記蓄電池システムとの間で、データの送受信を行うデータ通信部と、前記データ通信部を介して所定の受信タイミングで受信した前記開始時点から前記経過時間までの前記積算受電量を示す受電量データに基づいて、前記第1単位時間毎に、前記積算受電量と前記第1基準受電量との大小関係を判定し、前記積算受電量が前記第1基準受電量以上または超過であると判定した場合に、前記データ通信部を介して前記蓄電池システムに向けて放電指令データを送信する蓄電池制御部と、を備えてなり、前記各DC期間内において、前記第1基準受電量が、前記経過時間が前記第1単位時間毎に増加するのに伴い、下限値から上限値まで単調に増加するように設定されており、前記経過時間の前記DC期間の開始時点から終了時点までの増加に対して、前記目標値の0%から100%まで線形に増加する前記積算受電量を目標積算受電量と定義した場合、前記目標積算受電量から前記第1基準受電量を差し引いた差分が、前記各DC期間の開始時点から所定時間経過するまでの第1初期期間、単調に増加し、前記第1初期期間の終了時点において正値の最大値となり、前記第1初期期間の終了時点から、前記第1基準受電量が前記上限値に到達するまで、単調に減少するように設定されていることを特徴とする蓄電池制御システムが提供される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-167756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、従来は、デマンド値を維持するため、デマンドカット期間での蓄電池放電制御がなされている。しかし、デマンドカット期間において、充電を行うことで、蓄電池の容量を最小化するという課題は開示されていない。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、効率的に蓄電池に充電することで、電力デマンド以下に制御するための充電池容量を最小化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明の実施形態は、以下の構成1~nを有する。
[項目1]
電力系統の需要家設備に設置される蓄電池に対して電力変換装置を介して充放電制御を行う電力制御装置であって、
電力系統から電力が入力する受電点で計測される電力を受信する通信部と、
前記電力変換装置を制御して、第1の周期において前記蓄電池に対する充放電制御を行うとともに、前記第1の周期より短い第2の周期毎に電力を取得して保持するとともに、最大デマンド値を保持するプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
現在の第1の周期(P1a)の終わりの時刻t3における第1の予測電力(W1)を、以下の式で、算出し、
【数1】
ここで、t2は現在の時間を示し、P2はt2で測定した電力を示し、t1は現在の第1の周期の始まりより後で時間であり且つt2より先の時間を示し、P1はt1で測定した電力を示すものであり、
現在の第1の周期(P1a)において計測した第2の周期で取得した電力の統計的ばらつきを算出し、
前記第1の予測電力と前記統計的ばらつきとを加算して得られる時刻t3における修正予測電力を算出し、
前記修正予測電力が、前記最大デマンド値を超える場合、前記蓄電池に対して放電するように制御指示を出力する、電力制御装置。
[項目2]
前記蓄電池への放電電力は、前記修正予測電力から前記最大デマンド値を減算した値である、項目1に記載の電力制御装置。
[項目3]
前記修正予測電力が、前記最大デマンド値を超えない場合、現在の第1の周期(P1a)の終わりの時刻t3における第2の予測電力(W2)を、以下の式で、算出し、
【数2】
ここで、t4は現在の第1の周期の始まりの時間を示し、P4はt4で測定した電力を示すものであり、
前記最大デマンド値から、前記統計的ばらつきと、前記第2の予測電力とを、減算した電力を、前記蓄電池に対して放電するように制御指示を出力する、項目1または2に記載の電力制御装置。
[項目4]
前記統計的ばらつきは、標準偏差である、項目1~3の何れか1項に記載の電力制御装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、効率的に蓄電池に放電することで、電力デマンド以下に制御するための充電池容量を最小化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る電力制御装置との装置との全体構成を説明する図である。
図2】本発明の一実施形態に係る電力制御装置の詳細を説明する図である。
図3】本発明の一実施形態に係る電力制御装置による充電池への充電制御を説明する図である。
図4】本発明の一実施形態に係る電力制御装置による充電池への放電制御を説明する図である。
図5】本発明の一実施形態に係る電力制御装置の電力制御フローチャートである。
図6A】従来制御の電力消費を示すグラフである。
図6B】従来制御の消費電力変化グラフである。
図7A】一般的なデマンド制御がある電力消費グラフである。
図7B】一般的なデマンド制御がある消費電力変化グラフである。
図8A】本発明にかかるデマンド制御を実施した電力消費グラフである。
図8B】本発明にかかる消費電力変化グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図1~6を用いて、本実施形態に係る電力制御装置を説明する。
【0012】
1.電力制御装置の構成
図1は、本発明の一実施形態に係る電力制御装置との装置との全体構成を説明する図である。需要家7の電力設備11は、外部電力系統(系統)10に接続される受電点12、変圧設備13、負荷14、蓄電池15、蓄電池用の電力変換装置16、電力制御装置20を備えている。電力制御装置20は、受電点12に接続されている電力検出センサー161から受電電力データを受信するように通信で接続されている。電力制御装置20は、さらに、電力変換装置16、蓄電池15とも通信接続している。
【0013】
電力変換装置16は、蓄電池15ごとに対応して備えられるもので、蓄電池15に充電するための電力の交流直流変換または蓄電池15から放電により出力される電力の直流交流変換を行う。電力変換装置16は、スイッチング素子を含む回路を備えており、蓄電池15とは直流で接続しているが、その直流を、所定電圧に昇圧し、交流に変換する直流交流変換を行うとともに、その逆の動作として交流直流変換を行う。
【0014】
蓄電池15は、需要家設備に設けられる定置用蓄電池や、電気自動車の電池であり、充電制御の際に入力される電力を蓄積し、また、蓄積した電力を放電して出力する。この蓄電池15には、例えば、リチウムイオン電池、鉛蓄電池、ニッケル水素電池等の二次電池が含まれる。蓄電池15は、蓄電池残量を監視するバッテリーマネージメントユニットを含み、電池状態の情報(電圧、SOCなど)を、電力制御装置20に送信する。
【0015】
図2は、電力制御装置の構成を説明する図である。電力制御装置20は、プロセッサ22、メモリ24、通信部26、ストレージ28、バス29を含むコンピュータデバイスとして構成されてもよい。各装置は、情報を通信するためのバス29で接続される。
【0016】
プロセッサ22は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ22は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。また、プロセッサ22は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールやデータを、ストレージ28及び/又は通信部26からメモリ24に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、電力制御装置20の各機能部は、メモリ24に格納され、プロセッサ22で動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0017】
メモリ24は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ24は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ24は、本発明の一実施形態に係る方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0018】
ストレージ28は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ28は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
【0019】
通信部26は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。
【0020】
電力制御装置20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよい。
【0021】
2.制御部の制御方法
2.1 蓄電池の放電制御
図3を用いて電力制御装置による充電池への放電制御を説明する。
図3は、縦軸が受電点における電力を示し、横軸が時間を示す。200aは電力需要を示し、時間経過とともに、サインカーブのように増減しながら需要が上昇している。DVは、デマンド値をしめす受電電力である。
【0022】
電力制御装置20は、第1の周期P1毎に蓄電池の充放電制御を行う。このとき、第1の周期は、電力の取引時間単位である30分間の時間間隔である。さらに、電力制御装置20は、第1の周期より短い第2の周期P2の時刻ごとに電力を取得して、メモリに保持する。第2の周期P2は、例えば、1分単位である。メモリには、最大デマンド値も保持される。図6では、プロセッサが演算処理対象とする第1の周期(P1a)を用いて説明する。
【0023】
電力制御装置20のプロセッサ22は、現在の第1の周期(P1a)の終わりの時刻t3における第1の予測電力(W1)を、以下の式で、算出する。
【0024】
【数1】
ここで、t2は現在の時間を示し、P2はt2で測定した電力を示し、t1は現在の第1の周期の始まりより後で時間であり且つt2より先の時間を示し、P1はt1で測定した電力を示すものである。
【0025】
プロセッサ22は、現在の第1の周期(P1a)において計測した第2の周期で取得した電力の統計的ばらつきを算出し、前記第1の予測電力と前記統計的ばらつきとを加算して得られる時刻t3における修正予測電力W3を算出する。プロセッサ22は、修正予測電力W3が、前記最大デマンド値を超える場合、前記蓄電池に対して放電するように制御指示を出力する。
【0026】
統計的ばらつきは、例えば、標準偏差σであり、σは、以下の数で導かれる。
【0027】
【数3】
ここで、nは、第2周期で取得された電力値の数、xは第2周期で取得された電力値、xバーは、第2周期で取得された電力値の平均値である。
【0028】
前記蓄電池への放電電力は、修正予測電力W3から最大デマンド値DMを減算した値である。
【0029】
2.2 蓄電池の放電制御方法
図4を用いて電力制御装置による充電池への充電制御を説明する。なお、図4では、図3と同じ構成の説明は省略する。
【0030】
修正予測電力W3が、前記最大デマンド値を超えない場合、プロセッサ22は、現在の第1の周期(P1a)の終わりの時刻t3における第2の予測電力(W2)を、以下の式で、算出する。
【0031】
【数2】
ここで、t4は現在の第1の周期の始まりの時間を示し、P4はt4で測定した電力を示すものである。
【0032】
前記プロセッサは、第2の予測電力(W2)と、前記統計的ばらつきを加算した値が、前記最大デマンド値より小さい場合、前記最大デマンド値から、前記統計的ばらつきと、前記第2の予測電力とを、減算した電力を、前記蓄電池に対して放電するように制御指示を出力する。
【0033】
3.電力制御フローチャート
図5を用いて、電力制御装置の電力制御フローチャートを説明する。
S101では、電力制御装置20は、現周期(P1a)の第2周期の電力を、電力検出センサーから取得する。次に、プロセッサ22は、W3が最大デマンド値より多い以下いなか判断する(S102)。W3が最大デマンド値より大きい場合(S102 Y)、蓄電池を制御して、放電処理を行い(S103)、S201により最初の処理(S101)に戻る。W3が最大デマンド値より小さい場合(S102 N)、S111に進む。
【0034】
S111では、プロセッサ22は、「W3+σ」が最大デマンドDRより小さいか否か判断する。「W3+σ」が最大デマンドDRより小さい場合(S112 Y)、プロセッサ22は、蓄電池を制御して充電処理を行う(S112)。「W3+σ」が最大デマンドDRより大きい場合(S112 N)、S101に戻る。S201により最初の処理(S101)に戻る。
【実施例0035】
以下に、図6~8を用いて実施例を説明する。図6Aは、本発明にかかる制御の無い電力消費グラフであり、図6Bは、本発明にかかる制御の無い消費電力変化グラフである。図7Aは、一般的なデマンド制御がある電力消費グラフであり、図7Bは、一般的なデマンド制御がある消費電力変化グラフである。図6Aおよび7Aには、使用電力と、契約電力と、目標電力と、消費電力が示される。図6Aの使用電力は、図6Bおよび図7Bの負荷1~3によってそれぞれ使用される。現在のデマンド制御は予測制御であり万が一、予測以上の電力使用になった際にも予め決定した負荷の遮断しかできず想定外の電力増加には対応ができない。また、予測制御であり契約電力に対して十分なマージンを持ったポイントで電力遮断を行う必要があり、予測次第では契約電力までの十分な電力量を使用できなく利便性を損なう場合がある。
【0036】
図8Aは、本発明にかかるデマンド制御を実施した電力消費グラフであり、図8Bは、本発明にかかる消費電力変化グラフである。図8Aには、使用電力と、契約電力と、目標電力と、消費電力が示される。図8Aの使用電力は、図8Bの負荷1~3によってそれぞれ使用される。図8Aに示されるように、デマンド値を超えずに、電池の放電制御が行われている。
【0037】
以上説明した実施形態は典型例として挙げたに過ぎず、その各実施形態の構成要素の組合せ、変形及びバリエーションは当業者にとって明らかであり、当業者であれば本発明の原理及び請求の範囲に記載した発明の範囲を逸脱することなく上述の実施形態の種々の変形を行えることは明らかである。
【符号の説明】
【0038】
10 外部電力系統
11 電力設備
12 受電点
15 蓄電池
16 電力変換装置
20 電力制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B