(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023030808
(43)【公開日】2023-03-08
(54)【発明の名称】光制御部材、光デバイス、及びレーザ装置
(51)【国際特許分類】
G02B 6/028 20060101AFI20230301BHJP
G02B 6/036 20060101ALI20230301BHJP
G02B 6/42 20060101ALI20230301BHJP
G02B 6/26 20060101ALI20230301BHJP
G02B 6/02 20060101ALI20230301BHJP
H01S 3/23 20060101ALI20230301BHJP
H01S 3/067 20060101ALN20230301BHJP
【FI】
G02B6/028
G02B6/036
G02B6/42
G02B6/26
G02B6/02 B
H01S3/23
H01S3/067
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021136146
(22)【出願日】2021-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(74)【代理人】
【識別番号】100109896
【弁理士】
【氏名又は名称】森 友宏
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 究
【テーマコード(参考)】
2H137
2H250
5F172
【Fターム(参考)】
2H137AB06
2H137BA13
2H137BA19
2H137BB02
2H137BB08
2H137CC11
2H137DB07
2H137FA01
2H137HA01
2H250AC13
2H250AC18
2H250AC33
2H250AC37
2H250AD15
2H250AD18
2H250AD36
2H250AH42
5F172AM08
5F172DD06
5F172NR30
5F172ZZ01
(57)【要約】
【課題】光を順方向に効率的に伝搬するとともに、逆方向に伝搬する光を効果的に制御することが可能な光制御部材を提供する。
【解決手段】光コンバイナ3は、コア11と、コア11の周囲を覆う内側クラッド12と、内側クラッド12の周囲を覆う外側クラッド13とを有する入力光ファイバ10と、光制御部材20と、光制御部材20の下流側に接続されるブリッジファイバ30とを備える。光制御部材20は、一定の屈折率を有するコア21と、コア21の屈折率よりも低い屈折率を有し、コア21の周囲を覆うクラッド部22とを備える。コア21は、順方向に伝搬する光の光導波路として機能する。クラッド部22は、逆方向に伝搬する光を半径方向内側に曲げるように半径方向外側に向かって次第に屈折率が低下する屈折率変化部24を含む。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定の屈折率を有するコアであって、第1の方向に伝搬する光の光導波路としてのコアと、
前記コアの屈折率よりも低い屈折率を有し、前記コアの周囲を覆うクラッド部であって、前記第1の方向とは反対の第2の方向に伝搬する光を半径方向内側に曲げるように半径方向外側に向かって次第に屈折率が低下する屈折率変化部を含むクラッド部と
を備える、光制御部材。
【請求項2】
前記クラッド部は、前記コアの外周から半径方向外側に前記コアの半径以上の範囲にわたって一定の屈折率を有する屈折率一定部をさらに含む、請求項1に記載の光制御部材。
【請求項3】
前記クラッド部の最大屈折率と最小屈折率との間の比屈折率差が0.05%以上1%以下である、請求項1又は2に記載の光制御部材。
【請求項4】
入力コアと、前記入力コアの屈折率よりも低い屈折率を有し、前記入力コアの周囲を覆う内側入力クラッドと、前記内側入力クラッドの屈折率よりも低い屈折率を有し、前記内側入力クラッドの周囲を覆う外側入力クラッドとを有する少なくとも1つの入力光ファイバと、
前記少なくとも1つの入力光ファイバの前記第1の方向側に接続される、請求項1から3のいずれか一項に記載の少なくとも1つの光制御部材と、
前記少なくとも1つの光制御部材の前記第1の方向側に接続される出力光ファイバであって、少なくとも1つの出力コアと、前記少なくとも1つの出力コアの屈折率よりも低い屈折率を有し、前記少なくとも1つの出力コアの周囲を覆う出力クラッドとを有する出力光ファイバと
を備え、
前記少なくとも1つの光制御部材の一端における前記コアは、前記少なくとも1つの入力光ファイバの前記入力コアに光学的に結合され、
前記少なくとも1つの光制御部材の他端における前記コアは、前記出力光ファイバの前記少なくとも1つの出力コアに光学的に結合される、
光デバイス。
【請求項5】
前記光制御部材の前記コアの径は、前記入力光ファイバの前記入力コアの径の±1%の範囲内にある、請求項4に記載の光デバイス。
【請求項6】
前記出力光ファイバは、
中心に形成されるセンタコアと、
前記センタコアの屈折率よりも低い屈折率を有し、前記センタコアの周囲を覆う内側クラッドと、
前記内側クラッドの屈折率よりも高い屈折率を有し、前記内側クラッドの周囲を覆うリングコアと、
前記リングコアの屈折率よりも低い屈折率を有し、前記リングコアの周囲を覆う外側クラッドと
を有し、
前記少なくとも1つの光制御部材は、
前記コアが前記出力光ファイバの前記少なくとも1つの出力コアとしての前記センタコアに光学的に結合される少なくとも1つの第1の光制御部材と、
前記コアが前記出力光ファイバの前記少なくとも1つの出力コアとしての前記リングコアに光学的に結合される少なくとも1つの第2の光制御部材と
を含む、
請求項4又は5に記載の光デバイス。
【請求項7】
レーザ光を生成する少なくとも1つのレーザ光源と、
請求項4から6のいずれか一項に記載の光デバイスと
を備え、
前記光デバイスの前記少なくとも1つの入力光ファイバの前記入力コアは、前記少なくとも1つのレーザ光源に光学的に結合される、
レーザ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光制御部材、光デバイス、及びレーザ装置に係り、特に高パワーのレーザ光が伝搬する光デバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ファイバレーザなどを用いたレーザ加工の分野においては、レーザ光の出力を増大させることによって、加工速度の向上や厚い材料の加工が期待できることから、レーザ光の高出力化が求められている。例えば、レーザ光の出力を高めるために、複数本の光ファイバと1本の光ファイバとを接続することで複数のレーザ光源からの出力光を合成する光コンバイナを用いることもなされている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようにレーザ光を高出力化すると、例えば加工対象物で反射して装置内に戻ってくる反射光の量も多くなるため、このような反射光が上流側の光ファイバのクラッドに入射することも考えられる。反射光が上流側の光ファイバのクラッドに入射すると、クラッドを覆う樹脂やクラッドに付着した塵などに入射して発熱を引き起こしたり、上流側のクラッドモードストリッパによって除去すべき光の量を増加させたりするため、光ファイバやクラッドモードストリッパの信頼性が低下することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、光を順方向に効率的に伝搬するとともに、逆方向に伝搬する光を効果的に制御することが可能な光制御部材を提供することを第1の目的とする。
【0006】
また、本発明は、入力光ファイバから出力光ファイバに向かう光を効率的に伝搬するとともに、出力光ファイバから入力光ファイバに向かって伝搬する光が入力光ファイバに悪影響を与えることを低減することができる光デバイスを提供することを第2の目的とする。
【0007】
さらに、本発明は、高出力のレーザ光を出力することができる信頼性の高いレーザ装置を提供することを第3の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様によれば、光を順方向に効率的に伝搬するとともに、逆方向に伝搬する光を効果的に制御することが可能な光制御部材が提供される。この光制御部材は、一定の屈折率を有するコアと、上記コアの屈折率よりも低い屈折率を有し、上記コアの周囲を覆うクラッド部とを備える。上記コアは、第1の方向に伝搬する光の光導波路として機能する。上記クラッド部は、上記第1の方向とは反対の第2の方向に伝搬する光を半径方向内側に曲げるように半径方向外側に向かって次第に屈折率が低下する屈折率変化部を含む。
【0009】
本発明の第2の態様によれば、入力光ファイバから出力光ファイバに向かう光を効率的に伝搬するとともに、出力光ファイバから入力光ファイバに向かって伝搬する光が入力光ファイバに悪影響を与えることを低減することができる光デバイスが提供される。この光デバイスは、入力コアと、上記入力コアの屈折率よりも低い屈折率を有し、上記入力コアの周囲を覆う内側入力クラッドと、上記内側入力クラッドの屈折率よりも低い屈折率を有し、上記内側入力クラッドの周囲を覆う外側入力クラッドとを有する少なくとも1つの入力光ファイバと、少なくとも1つの上述した光制御部材と、上記少なくとも1つの光制御部材の上記第1の方向側に接続される出力光ファイバとを備える。上記光制御部材は、上記少なくとも1つの入力光ファイバの上記第1の方向側に接続される。上記出力光ファイバは、少なくとも1つの出力コアと、上記少なくとも1つの出力コアの屈折率よりも低い屈折率を有し、上記少なくとも1つの出力コアの周囲を覆う出力クラッドとを有する。上記少なくとも1つの光制御部材の一端における上記コアは、上記少なくとも1つの入力光ファイバの上記入力コアに光学的に結合される。上記少なくとも1つの光制御部材の他端における上記コアは、上記出力光ファイバの上記少なくとも1つの出力コアに光学的に結合される。
【0010】
本発明の第3の態様によれば、高出力のレーザ光を出力することができる信頼性の高いレーザ装置が提供される。このレーザ装置は、レーザ光を生成する少なくとも1つのレーザ光源と、上述した光デバイスとを備える。上記光デバイスの上記少なくとも1つの入力光ファイバの上記入力コアは、上記少なくとも1つのレーザ光源に光学的に結合される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施形態におけるレーザ装置の構成を示す模式的ブロック図である。
【
図2】
図2は、
図1のレーザ装置における光コンバイナ(光デバイス)を示す分解斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2の光コンバイナにおける入力光ファイバの1つの断面を屈折率分布とともに示す図である。
【
図4】
図4は、
図2の光コンバイナにおける光制御部材の1つの断面を屈折率分布とともに示す図である。
【
図5】
図5は、
図2の光コンバイナの一部を模式的に示す断面図である。
【
図6】
図6は、本発明の第2の実施形態における光コンバイナ(光デバイス)を示す分解斜視図である。
【
図7】
図7は、
図6の光コンバイナにおける出力光ファイバの断面を屈折率分布とともに示す図である。
【
図8】
図8は、光制御部材のクラッド部の最大屈折率と最小屈折率との間の比屈折率差を変化させた場合における光制御部材の長さと入力光ファイバの外側クラッドの表面のパワー密度との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る光デバイス及びレーザ装置の実施形態について
図1から
図8を参照して詳細に説明する。
図1から
図8において、同一又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。また、
図1から
図8においては、各構成要素の縮尺や寸法が誇張されて示されている場合や一部の構成要素が省略されている場合がある。以下の説明では、特に言及がない場合には、「第1」や「第2」などの用語は、構成要素を互いに区別するために使用されているだけであり、特定の順位や順番を表すものではない。
【0013】
図1は、本発明の第1の実施形態におけるレーザ装置1の構成を示す模式的ブロック図である。
図1に示すように、本実施形態におけるレーザ装置1は、レーザ光を生成する複数のレーザ光源2と、それぞれのレーザ光源2からのレーザ光を合波する光デバイスとしての光コンバイナ3と、光コンバイナ3の下流側の端部に設けられたレーザ出力部4とを備えている。それぞれのレーザ光源2と光コンバイナ3とは光ファイバ5により互いに接続されており、光コンバイナ3とレーザ出力部4とは光ファイバ6により互いに接続されている。レーザ光源2としては例えばファイバレーザや半導体レーザを用いることができる。なお、本明細書では、特に言及がない場合には、レーザ光源2からレーザ光が光ファイバ5及び光ファイバ6を通ってレーザ出力部4に向かう方向を「下流側」又は「順方向」といい、それとは逆の方向を「上流側」又は「逆方向」ということとする。
【0014】
このようなレーザ装置1においては、それぞれのレーザ光源2において生成されたレーザ光が光ファイバ5を伝搬して光コンバイナ3に導入される。この光コンバイナ3では、複数のレーザ光源2からのレーザ光が結合されて光ファイバ6に出力される。光ファイバ6に出力された高出力のレーザ光Lはレーザ出力部4から例えば被加工物に向けて出射される。なお、レーザ光Lは必ずしもレーザ出力部4から出射されるように構成されていなくてもよく、レーザ出力部4に光ファイバを接続してさらに下流側にレーザ光Lを導くようにしてもよい。
【0015】
図2は、光コンバイナ3を示す分解斜視図である。
図2においては、理解を容易にするために、光コンバイナ3の構成要素が光軸方向に沿って互いに離間して示されているが、これらの構成要素は、以下に述べるように互いに融着接続されている。
図2に示すように、本実施形態における光コンバイナ3は、上述した光ファイバ5の少なくとも一部を構成する入力光ファイバ10と、入力光ファイバ10の下流側に配置される光制御部材20と、光制御部材20の下流側に配置される出力光ファイバとしてのブリッジファイバ30と、上述した光ファイバ6の少なくとも一部を構成する出力光ファイバ40とを含んでいる。
【0016】
図2に示すように、本実施形態においては、中心の入力光ファイバ10の周囲を6本の入力光ファイバ10が取り囲むように入力光ファイバ10が配置されている。
図3は、入力光ファイバ10の1つの断面を屈折率分布とともに示す図である。本実施形態における入力光ファイバ10は、ダブルクラッドファイバであり、
図3に示すように、コア11(入力コア)と、コア11の周囲を覆う内側クラッド12(内側入力クラッド)と、内側クラッド12の周囲を覆う外側クラッド13(外側入力クラッド)とを有している。
【0017】
図3に示すように、入力光ファイバ10の内側クラッド12の屈折率はコア11の屈折率よりも低くなっており、外側クラッド13の屈折率は内側クラッド12の屈折率よりも低くなっている。これにより、入力光ファイバ10のコア11の内部には、レーザ光源2からのレーザ光が伝搬する光導波路が形成される。例えば、入力光ファイバ10のコア11の外径は28μmであり、内側クラッド12の外径は60μm、外側クラッド13の外径は125μmである。
【0018】
光制御部材20は、入力光ファイバ10に対応して入力光ファイバ10と同数だけ設けられている。
図4は、光制御部材20の1つの断面を屈折率分布とともに示す図である。
図4に示すように、本実施形態における光制御部材20は、屈折率が一定の部分を有するコア21と、コア21の周囲を覆うクラッド部22とを有している。
【0019】
図4に示すように、コア21は中心から半径R
Cの範囲の領域を占めており、この領域は一定の屈折率を有している。本明細書において「一定の屈折率」というときは、特定の屈折率に対して±0.05%の範囲内にある屈折率を意味するものとする。
図4に示すように、光制御部材20のクラッド部22の領域は、コア21の屈折率よりも低い屈折率を有している。これにより、光制御部材20のコア21の内部には、入力光ファイバ10のコア11からの光が伝搬する光導波路が形成される。
【0020】
クラッド部22は、コア21の外周から半径方向外側に距離T1にわたって一定の屈折率Δ1を有する屈折率一定部23と、屈折率一定部23の半径方向外側に位置し、半径方向外側に向かって次第に屈折率が低下する屈折率変化部24とを含んでいる。屈折率変化部24の屈折率の勾配は、半径方向外側に向かって次第に大きくなっており、屈折率変化部24の外縁部において屈折率が最も低く(Δ2)なっている。このように、本実施形態における光制御部材20は、中心に一定の屈折率を有するコア21を有する点において、いわゆるGRIN(Graded Index又はGradient Index)レンズと異なっている。例えば、光制御部材20のコア21の外径(2RC)は28μm、屈折率一定部23の外径は60μm、屈折率変化部24の外径は125μmである。
【0021】
入力光ファイバ10の下流側端面には、対応する光制御部材20の上流側端部が融着接続される。これにより、それぞれの入力光ファイバ10のコア11を伝搬する光の大部分が、対応する光制御部材20のコア21に光学的に結合するようになっている。ここで、光制御部材20のコア21の外径が入力光ファイバ10のコア11の外径と1%を超えて異なる場合には、入力光ファイバ10のコア11から光制御部材20のコア21に光が導入される際の光損失が大きくなるとともにビーム品質が劣化するため、光制御部材20のコア21の外径は、入力光ファイバ10のコア11の外径の±1%の範囲内にあることが好ましい。また、入力光ファイバ10のコア11から光制御部材20のコア21にレーザ光が入射する際の反射を抑えるために、光制御部材20のコア21の屈折率は、入力光ファイバ10のコア11の屈折率と略同一であることが好ましい。
【0022】
図2に戻って、ブリッジファイバ30は、コア31(出力コア)と、コア31の周囲を覆うクラッド32(出力クラッド)とを有している。クラッド32の屈折率はコア31の屈折率よりも低くなっており、コア31の内部には、光制御部材20のコア21からの光が伝搬する光導波路が形成される。例えば、コア31の周囲に空気の層を形成し、この空気の層をクラッド32の代わりに用いることも可能である。
【0023】
このようなコア-クラッド構造を内部に有するブリッジファイバ30は、光軸に沿って一定の外径で延びる第1の円筒部51と、第1の円筒部51から光軸に沿って次第に外径が小さくなる縮径部52と、縮径部52から光軸方向に沿って一定の外径で延びる第2の円筒部53とを含んでいる。なお、本実施形態においては、第2の円筒部53に向かって縮径部52の外径が次第に小さくなっているが、縮径部52が第1の円筒部51と同一の一定の径で延びていてもよい。この場合には、第2の円筒部53は、第1の円筒部51と同一の径を有することになる。
【0024】
ブリッジファイバ30の第1の円筒部51の上流側端面には、光制御部材20の下流側端部が融着接続される。ブリッジファイバ30の上流側端面におけるコア31の大きさは、すべての光制御部材20のコア21を内部に包含できるような大きさとなっており、光制御部材20は、光制御部材20のコア21がブリッジファイバ30の上流側端面におけるコア31の領域内に位置するようにブリッジファイバ30に融着接続される。これにより、光制御部材20のコア21を伝搬する光の大部分がブリッジファイバ30のコア31に光学的に結合するようになっている。ここで、光制御部材20のコア21からブリッジファイバ30のコア31にレーザ光が入射する際の反射を抑えるために、光制御部材20のコア21の屈折率は、ブリッジファイバ30のコア31の屈折率と略同一であることが好ましい。
【0025】
出力光ファイバ40は、コア41(出力コア)と、コア41の周囲を覆うクラッド42(出力クラッド)とを有している。クラッド42の屈折率はコア41の屈折率よりも低くなっており、コア41の内部には、ブリッジファイバ30のコア31からの光が伝搬する光導波路が形成される。
【0026】
ブリッジファイバ30の第2の円筒部53の下流側端面には、出力光ファイバ40の上流側端部が融着接続される。出力光ファイバ40のコア41の外径は、ブリッジファイバ30の第2の円筒部53のコア31の外径以上であり、ブリッジファイバ30は、ブリッジファイバ30のコア31が出力光ファイバ40の上流側端面におけるコア41の領域内に位置するように出力光ファイバ40に融着接続される。これにより、ブリッジファイバ30のコア31を伝搬する光の大部分が出力光ファイバ40のコア41に光学的に結合するようになっている。ここで、ブリッジファイバ30のコア31から出力光ファイバ40のコア41にレーザ光が入射する際の反射を抑えるために、出力光ファイバ40のコア41の屈折率は、ブリッジファイバ30のコア31の屈折率と略同一であることが好ましい。
【0027】
このような構成において、レーザ光源2で生成されたレーザ光は、光ファイバ5を通って光コンバイナ3の入力光ファイバ10のコア11に導入される。
図5に示すように、入力光ファイバ10のコア11の内部を順方向(第1の方向)に伝搬するレーザ光L
Fは、光制御部材20のコア21に導入され、光制御部材20のコア21の内部を伝搬し、ブリッジファイバ30のコア31に導入される。このように、一定の屈折率を有するコア21を中心に有する光制御部材20を用いることで、順方向に伝搬するレーザ光をコア21の内部に閉じ込めて、このレーザ光を下流側のブリッジファイバ30のコア31に効率的に伝搬することができる。
【0028】
ブリッジファイバ30のコア31に導入されたレーザ光は、コア31の内部を伝搬して縮径部52によりそのビーム径が縮小された状態で、出力光ファイバ40のコア41に導入される。出力光ファイバ40のコア41に導入されたレーザ光は、光ファイバ6を介してレーザ出力部4からレーザ光Lとして出力され、例えば加工対象物に照射されて加工が行われる。
【0029】
ここで、レーザ光源2により生成されるレーザ光のパワーが大きくなると、加工対象物から反射した反射光などがレーザ出力部4から光ファイバ5に戻ってくることが考えられる。そのような反射光の一部が例えば入力光ファイバ10に至り、外側クラッド13に入射すると、この反射光が外側クラッド13を覆う樹脂(図示せず)や外側クラッド13に付着した塵などに入射して発熱を引き起こしたり、あるいは入力光ファイバ10の上流側に設けられたクラッドモードストリッパ(図示せず)によって除去すべき光の量を増加させたりすることが考えられる。
【0030】
本実施形態では、入力光ファイバ10とブリッジファイバ30との間に光制御部材20が接続されているため、例えばブリッジファイバ30のコア31を逆方向(第2の方向)に伝搬してきた反射光が光制御部材20のクラッド部22に入射した場合には、
図5に示すように、この反射光L
Bは、クラッド部22の屈折率変化部24の半径方向外側に向かって次第に屈折率が低下する屈折率分布によって半径方向内側に曲げられることになる。このため、反射光L
Bが入力光ファイバ10の外側クラッド13に入射しにくくなり、入力光ファイバ10の外側クラッド13に入射される反射光の量を低減することが可能となる。
【0031】
このような効果は、光制御部材20に代えてGRINレンズを用いた場合にも得られるが、光制御部材20に代えてGRINレンズを用いた場合には、入力光ファイバ10のコア11の内部を順方向に伝搬するレーザ光がGRINレンズによって半径方向外側に広がるため、下流側のブリッジファイバ30のコア31は、すべてのGRINレンズを内部に包含できるような大きさとする必要がある。これに対して、光制御部材20は一定の屈折率を有するコア21を有しているため、順方向に伝搬するレーザ光をコア21の内部に閉じ込めて、このレーザ光を下流側のブリッジファイバ30のコア31に効率的に伝搬することができるので、下流側のブリッジファイバ30のコア31は、光制御部材20のコア21を内部に包含できるような大きさで足り、GRINレンズを用いる場合に比べてブリッジファイバ30のコア31を小さくすることができる。
【0032】
ここで、クラッド部22の屈折率一定部23の半径方向の厚さT
1(
図4参照)は、コア21の半径R
C以上であることが好ましい。このように、コア21の周囲に厚さT
1の屈折率一定部23を形成することにより、コア21の内部を順方向に伝搬するレーザ光のエバネッセント成分をクラッド部22の屈折率一定部23に閉じ込めることができ、出力されるレーザ光のビーム品質を維持することができる。
【0033】
また、光制御部材20の長手方向に沿った長さは5mm以下であることが好ましい。これは、光制御部材20の長手方向に沿った長さが5mmを超えると、光制御部材20の断面内での光パワー密度が均一化して、逆方向に伝搬する光(反射光)を半径方向内側に曲げる効果が得られにくくなるためである。
【0034】
図6は、本発明の第2の実施形態における光コンバイナ103を示す分解斜視図である。
図6に示すように、本実施形態における光コンバイナ103は、第1の実施形態におけるブリッジファイバ30及び出力光ファイバ40に代えて、複数のコアを有する出力光ファイバ140を含んでいる。
【0035】
図7は、出力光ファイバ140の断面を半径方向に沿った屈折率分布とともに示す図である。
図7に示すように、出力光ファイバ140は、センタコア141(出力コア)と、センタコア141の周囲を覆う内側クラッド142(出力クラッド)と、内側クラッド142の周囲を覆うリングコア143(出力コア)と、リングコア143の周囲を覆う外側クラッド144(出力クラッド)とを有している。内側クラッド142の屈折率はセンタコア141及びリングコア143の屈折率よりも低くなっており、外側クラッド144の屈折率はリングコア143の屈折率よりも低くなっている。これにより、センタコア141の内部にレーザ光が伝搬する光導波路が形成され、リングコア143の内部にレーザ光が伝搬する光導波路が形成される。このように、本実施形態では、それぞれ独立した光導波路であるセンタコア141とリングコア143とが出力光ファイバ140の内部に同心状に配置されている。また、本実施形態では、リングコア143の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率媒質として、リングコア143の周囲に外側クラッド144が形成されているが、このような低屈折率媒質は、外側クラッド144のような被覆層に限られるものではなく、例えばリングコア143の周囲に空気の層を形成し、この空気の層を低屈折率媒質として用いてもよい。
【0036】
出力光ファイバ140のセンタコア141の外径、内側クラッド142の外径、リングコア143の外径、及び外側クラッド144の外径はレーザ出力部4(
図1参照)から出射されるレーザ光Lの強度分布を決定する重要なファクターであるが、レーザ装置の用途や出力仕様に応じて任意に設定することができる。また、内側クラッド142の屈折率と外側クラッド144の屈折率とは同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0037】
図6において中央に配置される光制御部材20A(第1の光制御部材)の下流側端部は、光制御部材20Aのコア21が出力光ファイバ140のセンタコア141の領域内に位置するように出力光ファイバ140の上流側端部に融着接続される。また、光制御部材20Aの周囲に配置される光制御部材20B(第2の光制御部材)の下流側端部は、すべての光制御部材20Bのコア21が出力光ファイバ140のリングコア143の領域内に位置するように出力光ファイバ140の上流側端部に融着接続される。このとき、6本の光制御部材20Bは、中央の光制御部材20Aを取り囲んでその外周面に接するように配置され、光制御部材20Bは互いに接した状態となっている。ここで、光制御部材20Aのコア21から出力光ファイバ140のセンタコア141にレーザ光が入射する際の反射を抑えるために、光制御部材20Aのコア21の屈折率は、出力光ファイバ140のセンタコア141の屈折率と略同一であることが好ましい。また、光制御部材20Bのコア21から出力光ファイバ140のリングコア143にレーザ光が入射する際の反射を抑えるために、光制御部材20Bのコア21の屈折率は、出力光ファイバ140のリングコア143の屈折率と略同一であることが好ましい。
【0038】
例えば、このような出力光ファイバ140のセンタコア141に結合されている光制御部材20Aのコア21を伝搬するレーザ光の強度とリングコア143に結合されている光制御部材20Bのコア21を伝搬するレーザ光の強度の割合を変化させたり、センタコア141に結合されている光制御部材20Aのコア21を伝搬するレーザ光の波長とリングコア143に結合されている光制御部材20Bのコア21を伝搬するレーザ光の波長とを変化させたりすることで、レーザ出力部4から出力されるレーザ光のプロファイルを所望の形状に変化させることができる。
【0039】
このような構成を有する光コンバイナ103においても、第1の実施形態と同様に、入力光ファイバ10のコア11の内部を順方向(第1の方向)に伝搬するレーザ光は、光制御部材20のコア21に導入され、光制御部材20のコア21の内部を伝搬する。このとき、光制御部材20Aのコア21を伝搬するレーザ光は出力光ファイバ140のセンタコア141に導入され、光制御部材20Bのコア21を伝搬するレーザ光は出力光ファイバ140のリングコア143に導入される。このように、一定の屈折率を有するコア21を中心に有する光制御部材20を用いることで、順方向に伝搬するレーザ光をコア21の内部に閉じ込めて、このレーザ光を下流側の出力光ファイバ140のセンタコア141とリングコア143にそれぞれ効率的に伝搬することができる。
【0040】
また、入力光ファイバ10と出力光ファイバ140との間に光制御部材20が接続されているため、例えば出力光ファイバ140のセンタコア141やリングコア143を逆方向(第2の方向)に伝搬してきた反射光が光制御部材20のクラッド部22に入射した場合には、この反射光がクラッド部22の屈折率変化部24によって半径方向内側に曲げられることになる。このため、反射光が入力光ファイバ10の外側クラッド13に入射しにくくなり、入力光ファイバ10の外側クラッド13に入射される反射光の量を低減することが可能となる。
【0041】
上述した実施形態における光制御部材20のクラッド部22は、一定の屈折率を有する屈折率一定部23を有しているが、このような屈折率一定部23を形成せずに、コア21の外周から半径方向外側に向かって次第に屈折率が低下する屈折率変化部24を形成してもよい。
【0042】
上述した実施形態においては、本発明に係る光デバイスの例として、複数の光制御部材20を備える光コンバイナを説明したが、本発明は、上述した光制御部材20を1つだけ備える光デバイスにも適用できることは言うまでもない。また、上述した実施形態におけるレーザ装置1は光コンバイナ3を含んでいるが、光コンバイナ3を含まないレーザ装置の構成も考えられる。例えば、レーザ光源2からのレーザ光が伝搬する光ファイバ5の少なくとも一部を構成する入力光ファイバ10のコア11を光制御部材20のコア21に結合し、光ファイバ6の少なくとも一部を構成する出力光ファイバのコアを光制御部材20のコア21に結合するようにしてもよい。
【実施例0043】
本発明者は、第2の実施形態における光コンバイナ103の出力光ファイバ140のリングコア143を上流に向かって伝搬する反射光が入力光ファイバ10に与える影響を確かめるために、以下の条件でシミュレーションを行った。
入力光ファイバ10
コア11の外径:28μm
内側クラッド12の外径:60μm
外側クラッド13の外径:125μm
軸方向の長さ:30.0mm
光制御部材20B
コア21の外径:28μm
屈折率一定部23の外径:60μm
屈折率変化部24の外径:125μm
軸方向の長さ:2.0mm
半径方向の位置:出力光ファイバ140の中心から187.5μmずれた位置に中心が位置するように配置
出力光ファイバ140
リングコア143の内径:124μm
リングコア143の外径:300μm
【0044】
このような条件において、出力光ファイバ140のリングコア143を伝搬する反射光のうち入力光ファイバ10の外側クラッド13に入射する光の割合を計算したところ、36.1%となった。一方、光制御部材20Bを介さずに入力光ファイバ10を出力光ファイバ140のリングコア143に直接接続した場合についても、出力光ファイバ140のリングコア143を伝搬する反射光のうち入力光ファイバ10の外側クラッド13に入射する光の割合を計算したところ、66.4%となった。このように、入力光ファイバ10と出力光ファイバ140との間に光制御部材20Bを配置することにより、入力光ファイバ10の外側クラッド13に入射する反射光を半分近くに低減できることがわかった。
【0045】
また、光制御部材20のクラッド部22の最大屈折率と最小屈折率との間の比屈折率差の好適値を求めるために、クラッド部22の最大屈折率n
clad_maxと最小屈折率n
clad_minとの間の比屈折率差Δ
cladを0.1%~1.0%の範囲で変化させた際の光制御部材20の長さと入力光ファイバ10の外側クラッド13の表面のパワー密度との関係を算出したところ、
図8に示すグラフのようになった。
【0046】
なお、クラッド部22の最大屈折率n
clad_maxと最小屈折率n
clad_minとの間の比屈折率差Δ
cladは以下の式(1)で表される。
【数1】
【0047】
図8に示すグラフからクラッド部22の最大屈折率と最小屈折率との間の比屈折率差が大きくなるにつれ、入力光ファイバ10の外側クラッド13の表面のパワー密度も大きくなることがわかる。これは、クラッド部22の最大屈折率と最小屈折率との間の比屈折率差が大きくなると、入力光ファイバ10の反射光の発散角が大きくなるため、入力光ファイバ10のコア11や内側クラッド12に入射した反射光をコア11や内側クラッド12に閉じ込めることができず、外側クラッド13に漏れ出しているためと考えられる。実用的には
図8中の最大値である1.0%が上限であると考えられる。一方、クラッド部22の最大屈折率と最小屈折率との間の比屈折率差が0.05%未満になると、光制御部材20の屈折率変化部24によって反射光を半径方向内側に曲げる効果が十分に発揮されない。したがって、光制御部材20のクラッド部22の最大屈折率と最小屈折率との間の比屈折率差は0.05%以上1.0%以下であることが好ましい。
【0048】
以上述べたように、本発明の第1の態様によれば、光を順方向に効率的に伝搬するとともに、逆方向に伝搬する光を効果的に制御することが可能な光制御部材が提供される。この光制御部材は、一定の屈折率を有するコアと、上記コアの屈折率よりも低い屈折率を有し、上記コアの周囲を覆うクラッド部とを備える。上記コアは、第1の方向に伝搬する光の光導波路として機能する。上記クラッド部は、上記第1の方向とは反対の第2の方向に伝搬する光を半径方向内側に曲げるように半径方向外側に向かって次第に屈折率が低下する屈折率変化部を含む。
【0049】
このような光制御部材によれば、第1の方向に伝搬する光をコアの内部に閉じ込めて、この光を光制御部材の第1の方向側に接続される光部品に効率的に伝搬することができる。また、第2の方向に伝搬する光がクラッド部に入射した場合に、この光を屈折率変化部によって半径方向内側に曲げることができるため、この光が光制御部材の第2の方向側に接続される光部品の外周側に入射しにくくなる。このため、光制御部材の第2の方向側に接続される光部品の外周側に入射される光に起因する発熱などを低減することが可能となる。
【0050】
上記クラッド部は、上記コアの外周から半径方向外側に上記コアの半径以上の範囲にわたって一定の屈折率を有する屈折率一定部をさらに含むことが好ましい。この場合には、コアの内部を伝搬するレーザ光のエバネッセント成分をクラッド部の屈折率一定部に閉じ込めることができ、出力されるレーザ光のビーム品質を維持することができる。
【0051】
第2の方向に伝搬する光が光制御部材の第2の方向側に接続される光部品の外周側に入射することを効果的に抑制するために、上記クラッド部の最大屈折率と最小屈折率との間の比屈折率差が0.05%以上1%以下であることが好ましい。
【0052】
本発明の第2の態様によれば、入力光ファイバから出力光ファイバに向かう光を効率的に伝搬するとともに、出力光ファイバから入力光ファイバに向かって伝搬する光が入力光ファイバに悪影響を与えることを低減することができる光デバイスが提供される。この光デバイスは、入力コアと、上記入力コアの屈折率よりも低い屈折率を有し、上記入力コアの周囲を覆う内側入力クラッドと、上記内側入力クラッドの屈折率よりも低い屈折率を有し、上記内側入力クラッドの周囲を覆う外側入力クラッドとを有する少なくとも1つの入力光ファイバと、少なくとも1つの上述した光制御部材と、上記少なくとも1つの光制御部材の上記第1の方向側に接続される出力光ファイバとを備える。上記光制御部材は、上記少なくとも1つの入力光ファイバの上記第1の方向側に接続される。上記出力光ファイバは、少なくとも1つの出力コアと、上記少なくとも1つの出力コアの屈折率よりも低い屈折率を有し、上記少なくとも1つの出力コアの周囲を覆う出力クラッドとを有する。上記少なくとも1つの光制御部材の一端における上記コアは、上記少なくとも1つの入力光ファイバの上記入力コアに光学的に結合される。上記少なくとも1つの光制御部材の他端における上記コアは、上記出力光ファイバの上記少なくとも1つの出力コアに光学的に結合される。
【0053】
このような光デバイスによれば、入力光ファイバの入力コアから光制御部材のコアに導入された光を光制御部材のコアの内部に閉じ込めて、この光を出力光ファイバの出力コアに効率的に伝搬することができる。また、出力光ファイバから光制御部材のクラッド部に光が入射した場合に、この光は、クラッド部の屈折率変化部の屈折率分布によって半径方向内側に曲げられることになるため、この光が入力光ファイバの外側入力クラッドに入射しにくくなる。このため、入力光ファイバの外側入力クラッドに入射される光に起因する発熱を低減することが可能となる。
【0054】
光制御部材のコアの径が入力光ファイバの入力コアの径と異なっている場合には、入力光ファイバの入力コアから光制御部材のコアに光が入射する際に損失が生じやすいため、上記光制御部材の上記コアの径は、上記入力光ファイバの上記入力コアの径の±1%の範囲内にあることが好ましい。
【0055】
上記出力光ファイバは、中心に形成されるセンタコアと、上記センタコアの屈折率よりも低い屈折率を有し、上記センタコアの周囲を覆う内側クラッドと、上記内側クラッドの屈折率よりも高い屈折率を有し、上記内側クラッドの周囲を覆うリングコアと、上記リングコアの屈折率よりも低い屈折率を有し、上記リングコアの周囲を覆う外側クラッドとを有していてもよい。この場合において、上記少なくとも1つの光制御部材は、上記コアが上記出力光ファイバの上記少なくとも1つの出力コアとしての上記センタコアに光学的に結合される少なくとも1つの第1の光制御部材と、上記コアが上記出力光ファイバの上記少なくとも1つの出力コアとしての上記リングコアに光学的に結合される少なくとも1つの第2の光制御部材とを含んでいてもよい。
【0056】
このような出力光ファイバのセンタコアに結合される第1の光制御部材のコアを伝搬する光の強度とリングコアに結合される第2の光制御部材のコアを伝搬する光の強度の割合を変化させたり、センタコアに結合される第1の光制御部材のコアを伝搬する光の波長とリングコアに結合される第2の光制御部材のコアを伝搬する光の波長とを変化させたりすることで、出力光ファイバを伝搬する光のプロファイルを所望の形状に変化させることができる。
【0057】
本発明の第3の態様によれば、高出力のレーザ光を出力することができる信頼性の高いレーザ装置が提供される。このレーザ装置は、レーザ光を生成する少なくとも1つのレーザ光源と、上述した光デバイスとを備える。上記光デバイスの上記少なくとも1つの入力光ファイバの上記入力コアは、上記少なくとも1つのレーザ光源に光学的に結合される。
【0058】
これまで本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。