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  • 特開-モルタル組成物及びその使用方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023030817
(43)【公開日】2023-03-08
(54)【発明の名称】モルタル組成物及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   C04B 28/02 20060101AFI20230301BHJP
   C04B 14/48 20060101ALI20230301BHJP
   C04B 14/38 20060101ALI20230301BHJP
   C04B 16/06 20060101ALI20230301BHJP
   C04B 14/44 20060101ALI20230301BHJP
   C04B 20/00 20060101ALI20230301BHJP
   C04B 18/14 20060101ALI20230301BHJP
   C04B 111/72 20060101ALN20230301BHJP
【FI】
C04B28/02
C04B14/48 A
C04B14/38 A
C04B16/06 A
C04B16/06 B
C04B14/44 Z
C04B20/00 B
C04B18/14 Z
C04B111:72
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021136161
(22)【出願日】2021-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】521297587
【氏名又は名称】UBE三菱セメント株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100145012
【弁理士】
【氏名又は名称】石坂 泰紀
(72)【発明者】
【氏名】富井 孝喜
(72)【発明者】
【氏名】青木 峻二
(72)【発明者】
【氏名】石関 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】川西 貴士
(72)【発明者】
【氏名】玉滝 浩司
(72)【発明者】
【氏名】藤野 由隆
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 隆紘
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 智章
【テーマコード(参考)】
4G112
【Fターム(参考)】
4G112PA17
4G112PA19
4G112PA20
4G112PA24
4G112PB31
(57)【要約】
【課題】低温環境下において適切な流動性を有し、短時間での強度発現性に優れるモルタル組成物を提供すること。
【解決手段】セメント、高張力繊維、急硬材、遅延剤、及び減水剤を含み、モルタル組成物1m当たりの急硬材の単位量をA[kg/m]、遅延剤の単位量をB[kg/m]、減水剤の単位量をC[kg/m]としたとき、Aは100~180kg/m、Bは1~10kg/m、Cは5~30kg/mであり、A/Bは22.0~55.0であり、C/Bは2.1~5.5である、モルタル組成物を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セメント、高張力繊維、急硬材、遅延剤、及び減水剤を含み、
モルタル組成物1m当たりの前記急硬材の単位量をA[kg/m]、前記遅延剤の単位量をB[kg/m]、前記減水剤の単位量をC[kg/m]としたとき、
Aは100~180kg/m、Bは1~10kg/m、Cは5~30kg/mであり、
A/Bは22.0~55.0であり、
C/Bは2.1~5.5である、モルタル組成物。
【請求項2】
前記セメントの鉱物組成は、CS含有量が25.0~75.0質量%、及びCA含有量が4.0質量%未満であり、前記セメントの45μmふるい残分は25.0質量%未満である、請求項1に記載のモルタル組成物。
【請求項3】
前記高張力繊維は、金属繊維、炭素繊維、アラミド繊維、PP繊維、PVA繊維、PE繊維、ガラス繊維、ナイロン繊維及びPBO繊維からなる群より選ばれる少なくとも一種の繊維を含む、請求項1又は2に記載のモルタル組成物。
【請求項4】
前記高張力繊維の引張強度は100~10000N/mm、及び、前記高張力繊維のアスペクト比は40~250であり、
前記高張力繊維の単位量が10~500kg/mである、請求項1~3のいずれか一項に記載のモルタル組成物。
【請求項5】
細骨材と無機質微粉末とをさらに含み、
前記無機質微粉末のブレーン比表面積が3000~5000cm/gである、請求項1~4のいずれか一項に記載のモルタル組成物。
【請求項6】
シリカフュームをさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のモルタル組成物。
【請求項7】
前記シリカフュームの平均粒子径が0.05~2.0μmである、請求項6に記載のモルタル組成物。
【請求項8】
前記シリカフュームの単位量が30~350kg/mである、請求項6又は7に記載のモルタル組成物。
【請求項9】
20℃未満の環境下、道路の補修に用いられる、請求項1~8のいずれか一項に記載のモルタル組成物。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載のモルタル組成物を用いて道路を補修する工程を有し、
20℃未満の環境下で前記モルタル組成物を前記道路に打設する、モルタル組成物の使用方法。
【請求項11】
気温に応じて、前記急硬材、前記遅延剤、及び前記減水剤からなる群より選ばれる少なくとも一つの配合割合を調節する工程を有する、請求項10に記載のモルタル組成物の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モルタル組成物及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
道路の補修材として、補強用繊維を含むセメント複合材料が知られている。例えば、特許文献1では、補強用繊維、細骨材、減水剤、収縮低減剤、消泡剤及び水を混錬して生成された超高強度繊維補強コンクリートを打ち継ぎ面に打設する施工方法が提案されている。この施工方法によれば、従来の補修材に比べて硬化体の強度が高いため薄肉化を図ることができる旨が述べられている。
【0003】
特許文献2では、道路及び橋梁等の補修に使用される補修材として、セメント、シリカフューム、石灰石フィラーからなる結合材に、水、減水剤、消泡剤、チクソ剤および急硬材を添加したセメントペーストと、補強用繊維を混合して得られるセメント系補修材が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-133344号公報
【特許文献2】特開2020-175600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、高速道路の床版の補修の需要が増大している。補修は計画的に行う必要があるため、補修の順番が回ってくるまで、一時的に高速道路の損傷を低減して高速道路の運用を継続できるようにする技術が求められる。このような技術として、防水剤を塗布しなくてもひび割れを抑制できる程度の強度及びじん性および耐久性と、補修工事の封鎖期間を短縮するために、施工時には適切な流動性を発現しつつ、短時間での強度発現性に優れる材料が有効であると考えられる。例えば、高速道路には横断勾配と縦断勾配があるため、短時間での強度発現性に優れつつも適切な流動性を有する材料を用いることによって、補修工事を円滑に行うことができる。
【0006】
ところが、夏場では好適な流動性を有するモルタル組成物であっても、冬場では流動性が必ずしも十分ではない場合があり、その場合、補修工事を円滑に進めることができなくなることが懸念される。また、適切な流動性、及び短時間での強度発現性は、勾配のある高速道路のみならず、様々な構造物の補修、及び被覆にも求められる可能性がある。そこで、本発明は、勾配のある高速道路の補修のみならず、道路、橋梁、港湾構造物、河川構造物及び地下構造物等の構造物の補修、被覆等の種々の場面で、低温環境下においても適切な流動性を有し、短時間での強度発現性に優れるモルタル組成物を提供する。また、同様の場面で低温環境下においても円滑に補修作業を行うことが可能なモルタル組成物の使用方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、一つの側面において、セメント、高張力繊維、急硬材、遅延剤、及び減水剤を含み、モルタル組成物1m当たりの急硬材の単位量をA[kg/m]、遅延剤の単位量をB[kg/m]、減水剤の単位量をC[kg/m]としたとき、Aは100~180kg/m、Bは1~10kg/m、Cは5~30kg/mであり、A/Bは22.0~55.0であり、C/Bは2.1~5.5である、モルタル組成物を提供する。
【0008】
上記モルタル組成物は、高張力繊維とともに、急硬材、遅延剤、及び減水剤を含む。そして、急硬材、遅延剤、及び減水剤を所定量含み、遅延剤に対する急硬材の比(A/B)及び遅延剤に対する減水剤の比(C/B)が、それぞれ所定の範囲にある。このように、これらの三成分をバランスよく含むため、低温環境下においても施工の際のモルタル組成物の流動性を適度な範囲にすることができる。また、流動性が適度な範囲にあるため充填性が向上し、短時間での強度発現性にも優れる。すなわち、上記モルタル組成物は、高張力繊維とともに、急硬材、遅延剤、及び減水剤をバランスよく含有するため、低温環境下において適度な流動性を有しつつ、短時間での強度発現性に優れる。なお、本明細書における「低温環境下」とは、気温が20℃未満の環境下にあることを意味する。
【0009】
セメントの鉱物組成は、CS含有量が25.0~75.0質量%、及びCA含有量が4.0質量%未満であり、セメントの45μmふるい残分が25.0質量%未満であることが好ましい。これによって、流動性と短時間での強度発現性とを、一層高い水準で両立することができる。
【0010】
高張力繊維は、金属繊維、炭素繊維、アラミド繊維、PP繊維、PVA繊維、PE繊維、ガラス繊維、ナイロン繊維及びPBO繊維からなる群より選ばれる少なくとも一種の繊維を含むことが好ましい。これによって、十分に高い強度と耐久性を有するモルタル硬化体を形成することができる。
【0011】
高張力繊維の引張強度は100~10000N/mm、及び、高張力繊維のアスペクト比は40~250であり、高張力繊維の単位量が10~500kg/mであることが好ましい。このような高張力繊維を含むことによって、モルタル硬化体の靭性、及び引張強度を十分に高くすることができる。
【0012】
上記モルタル組成物は、細骨材と、無機質微粉末と、をさらに含み、無機質微粉末のブレーン比表面積は3000~5000cm/gであることが好ましい。これによって、モルタル組成物の流動性を一層高くすることができる。なお、本明細書における無機質微粉末のブレーン比表面積は、JIS R 5201:1997に記載のブレーン空気透過装置を用いて測定することができる。
【0013】
上記モルタル組成物は、シリカフュームをさらに含むことが好ましい。シリカフュームの平均粒子径は0.05~2.0μmであることが好ましい。上記モルタル組成物1m当たりのシリカフュームの単位量は30~350kg/mであることが好ましい。これによって、モルタル組成物の硬化体の圧縮強度及びモルタル組成物の流動性を一層高くすることができる。
【0014】
上記モルタル組成物は、20℃未満の環境下、道路の補修に用いられることが好ましい。このような環境下において、上記モルタル組成物は適度な流動性を有し、強度発現性にも優れる。したがって、施工性と信頼性に優れる。
【0015】
本発明は、一つの側面において、上述のいずれかのモルタル組成物を用いて道路を補修する工程を有し、20℃未満の低温環境下でモルタル組成物を道路に打設する、モルタル組成物の使用方法を提供する。この使用方法では、低温環境下においても施工の際の流動性に適度な流動性を有するモルタル組成物を用いる。このため、この使用方法によれば、20℃未満という低温環境下でも、円滑に道路の補修作業を行うことができる。
【0016】
上記使用方法では、気温に応じて、急硬材、遅延剤、及び減水剤からなる群より選ばれる少なくとも一つの配合割合を調節する工程を有することが好ましい。モルタル組成物の流動性は、気温に応じて大きく変動する。上記工程を有することによって、気温に見合うようにモルタル組成物の性状を適切な範囲に調整することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、低温環境下においても適切な流動性を有し、短時間での強度発現性に優れるモルタル組成物を提供することができる。また、低温環境下でも円滑に補修作業を行うことが可能なモルタル組成物の使用方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施例で用いた消泡剤のH-NMRスペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について説明する。ただし、以下の実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。
【0020】
一実施形態に係るモルタル組成物は、セメント、高張力繊維、急硬材、遅延剤、及び減水剤を含む。
【0021】
セメントの鉱物組成は、例えば、CS含有量が25.0~75.0質量%であり、CA含有量が4.0質量%未満であってよい。CS含有量は、好ましくは40.0~73.0質量%、より好ましくは48.0~70.0質量%であり、さらに好ましくは50.0~68.0質量%である。CA含有量は好ましくは2.7質量%未満であり、より好ましくは2.3質量%未満である。なお、CA含有量の下限は特に限定されず、例えば、0.1質量%であってよい。このような鉱物組成を有することによって、流動性を十分に高くしつつ、モルタル硬化体の圧縮強度を十分に高くすることができる。
【0022】
S含有量は、好ましくは9.5~40.0質量%であり、より好ましくは10.0~35.0質量%であり、さらに好ましくは12.0~30.0質量%である。CAF含有量は好ましくは9.0~18.0質量%であり、より好ましくは10.0~15.0質量%であり、さらに好ましくは11.0~15.0質量%である。このような鉱物組成を有することによって、流動性を十分に高くしつつ、モルタル硬化体の圧縮強度を十分に高くすることができる。
【0023】
上述の鉱物組成は、下記のボーグ式により算出される値である。ボーグ式に用いられるセメントの各化学成分は、JIS R 5202:2010「セメントの化学分析方法」に準拠して測定することができる。
【0024】
S含有量=(4.07×CaO)-(7.60×SiO)-(6.72×Al)-(1.43×Fe)-(2.85×SO
S含有量=(2.87×SiO)-(0.754×CS)
A含有量=(2.65×Al)-(1.69×Fe
AF含有量=3.04×Fe
【0025】
セメントの45μmふるい残分は、例えば25.0質量%未満であってよく、好ましくは20.0質量%未満であり、より好ましくは18.0質量%未満であり、さらに好ましくは16.0質量%未満である。45μmふるい残分は0質量%であってよく、1.0質量%以上であってもよい。セメントの粒度が上述の範囲であれば、高い圧縮強度を確保することができる。また、このようなセメント含むモルタル組成物は適度な粘性を有するため、高張力繊維を含んでいても、十分な分散性を確保することができる。セメントの45μmふるい残分は、セメント協会標準試験方法 JCAS K-02「45μm網ふるいによるセメントの粉末度試験方法」に準拠して測定することができる。
【0026】
セメントのブレーン比表面積は、好ましくは2500~4800cm/g、より好ましくは2800~4000cm/g、さらに好ましくは3000~3600cm/gであり、特に好ましくは3100~3500cm/gである。セメントのブレーン比表面積が過小になるとモルタル組成物の強度が低くなる傾向があり、過大になると低水セメント比での流動性が低下する傾向がある。セメントのブレーン比表面積は、JIS R 5201:1997「セメントの物理試験方法」に準拠して測定することができる。
【0027】
モルタル組成物1m当たりのセメントの単位量は、700~1100kg/mであってよく、750~1000kg/mであってもよい。
【0028】
高張力繊維は、金属繊維、炭素繊維、アラミド繊維、PP(ポリプロピレン)繊維、PVA(ポリビニルアルコール)繊維、PE(ポリエチレン)繊維、ガラス繊維、ナイロン繊維及びPBO(ポリパラフェニレン・ベンゾビズ・オキサゾール)繊維からなる群より選ばれる少なくとも一種の繊維を含む。金属繊維としては、鋼繊維、ステンレス繊維、及びアモルファス合金繊維等が挙げられる。高張力繊維の引張強度は、好ましくは100~10000N/mmであり、より好ましくは500~5000N/mmであり、さらに好ましくは2000~3000N/mmであり、特に好ましくは2000~2500N/mmである。高張力繊維のアスペクト比(繊維長/繊維径)は、好ましくは40~250であり、より好ましくは50~200であり、さらに好ましくは60~170である。このような高張力繊維を含むことによって、モルタル硬化体の靭性、及び引張強度を十分に高くすることができる。
【0029】
高張力繊維の繊維径は、例えば0.05~1.20mmであってよい。高張力繊維の繊維長は3~60mmであってよい。高張力繊維の単位量は、好ましくは10~500kg/mであり、より好ましくは50~300kg/mであり、さらに好ましくは100~200kg/mであり、一層好ましくは120~180kg/mであってよい。
【0030】
急硬材は、モルタル組成物の強度発現を促進する混和剤であり、例えば、カルシウムアルミネートと無機硫酸塩の混合物が挙げられる。このような急硬材は、化学成分として、Al、CaO及びSOを含有する。市販品としては、例えば、デンカ株式会社製のビフォーム(登録商標)等を用いることができる。
【0031】
急硬材は、含有量が過小であるとモルタル組成物が短時間で十分な強度発現をすることができない。一方、含有量が過剰であると短時間で硬化が進行し過ぎて充填性が低下し十分な強度発現をすることができない。また、流動性が低下して施工性も悪化する。そこで、低温環境下においても適度な流動性を有し、短時間での強度発現性に優れるモルタル組成物とする観点から、モルタル組成物1m当たりの急硬材の単位量A[kg/m]は、100~180kg/mである。急硬材の単位量A[kg/m]の下限は、好ましくは110kg/mであり、より好ましくは120kg/mであり、さらに好ましくは125kg/mである。急硬材の単位量A[kg/m]の上限は、好ましくは170kg/mであり、より好ましくは160kg/mであり、さらに好ましくは150kg/mである。
【0032】
遅延剤は、凝結調整剤又は凝結遅延剤とも称される混和剤であり、モルタル組成物の初期硬化を遅延する作用を有する。遅延剤としては、例えば、リグニンスルホン酸、珪弗化物、又は、アルカリ炭酸塩及びクエン酸を主体とするものが挙げられる。市販品としては、例えば、デンカ株式会社製のセッターD-300等を用いることができる。
【0033】
遅延剤は含有量が過小であると、短時間で硬化が促進し過ぎて充填性が低下し十分な強度発現をすることができない。また、流動性が低下して施工性も悪化する。一方、遅延剤の含有量が過剰になると、フローが小さくなり施工性が低下することや短時間で目標強度が得られない傾向にある。低温環境下において適度な流動性を有し、短時間での強度発現性に優れる確保するモルタル組成物とする観点から、モルタル組成物1m当たりの遅延剤の単位量B[kg/m]は、1~10kg/mである。遅延剤の単位量B[kg/m]の下限は、好ましくは2kg/mであり、より好ましくは3kg/mである。遅延剤の単位量B[kg/m]の上限は、好ましくは8kg/mであり、より好ましくは7kg/mであり、さらに好ましくは5kg/mである。
【0034】
減水剤としては、モルタル組成物の流動性を向上する作用を有するものであり、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、アミノスルホン酸系、ポリカルボン酸系の減水剤、高性能減水剤、及び高性能AE減水剤等を使用することができる。モルタル組成物の流動性向上の観点から、減水剤は、ポリカルボン酸系であることが好ましい。このような減水剤は、セメントクリンカ間の立体障害を形成して、モルタル組成物の流動性を向上することができる。
【0035】
減水剤は含有量が過小であると、モルタル組成物の流動性が低下し施工性が悪化する。一方、減水剤の含有量が過剰になると、材料分離が生じることやモルタル組成物が十分な強度発現をすることができない。低温環境下において適度な流動性を有し、短時間での強度発現性に優れるモルタル組成物とする観点から、モルタル組成物1m当たりの減水剤の単位量C[kg/m]は、5~30kg/mである。モルタル組成物1m当たりの減水剤の単位量C[kg/m]の下限は、好ましくは7kg/mであり、より好ましくは9kg/mであり、さらに好ましくは10kg/mである。減水剤の単位量C[kg/m]の上限は、好ましくは25kg/mであり、より好ましくは22kg/mであり、さらに好ましくは20kg/mである。
【0036】
上述のとおり、本実施形態のモルタル組成物は、混和剤として、急硬材、遅延剤及び減水剤を含む。遅延剤の単位量Bに対する急硬材の単位量Aの比(A/B)は、22.0~55.0である。上記比(A/B)の上限は、好ましくは51.0であり、より好ましくは45.0であり、特に好ましくは41.0である。これによって、モルタル組成物が急速に硬化することを抑制し、施工性を向上することができる。上記比(A/B)の下限は、好ましくは23.0であり、より好ましくは25.0である。これによって、モルタル組成物の短時間での強度発現性を十分に高くすることができる。また、横断勾配及び/又は縦断勾配を有する道路等に打設したときに、モルタル組成物が流動し過ぎることを十分に抑制できる。
【0037】
遅延剤の単位量Bに対する減水剤の単位量Cの比(C/B)は、2.1~5.5である。上記比(C/B)の上限は、好ましくは5.2であり、より好ましくは4.5である。これによって、モルタル組成物の流動性を十分に確保することができる。上記比(C/B)の下限は、好ましくは2.2であり、より好ましくは2.3であり、さらに好ましくは2.4である。これによって、水の添加量を減らしても、モルタル組成物の優れた流動性を十分に維持することができる。
【0038】
減水剤の単位量Cに対する急硬材の単位量Aの比(A/C)は、20.0以下であり、好ましくは16.0以下であり、より好ましくは14.0以下である。これによって、モルタル組成物が急速に硬化することを抑制し、流動性を確保して施工性を向上することができる。上記比(A/C)は、好ましくは4.0以上であり、より好ましくは6.0以上である。これによって、モルタル組成物の短時間での強度発現性を十分に高くすることができる。
【0039】
本実施形態のモルタル組成物は、混和剤として、急硬材、遅延剤及び減水剤を、バランスよく含有する。したがって、低温環境下においても施工時に適切な流動性を有しつつ、短時間での強度発現性に優れている。このため、例えば、良好な施工性と短時間での強度発現が求められる高速道路の補修用途に特に有用である。
【0040】
本実施形態のモルタル組成物は、上述の混和剤に加えて、無機質微粉末及び細骨材を含んでよい。無機質微粉末としては、石灰石粉、珪石粉、及び砕石粉等を例示できる。無機質微粉末は、石灰石粉、珪石粉、砕石粉等を、粉砕及び/又は分級した微粉末であってよい。無機質微粉末は、細骨材の微粒分を補う目的で配合されてよい。無機質微粉末のブレーン比表面積は、好ましくは3000~5000cm/gであり、より好ましくは3200~4700cm/gであり、さらに好ましくは3400~4600cm/gである。このような無機質微粉末を含有することによって、モルタル組成物の流動性をさらに向上することができる。モルタル組成物1m当たりの無機質微粉末の単位量は、好ましくは100~300kg/m、より好ましくは150~250kg/mである。
【0041】
細骨材としては、川砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂、石灰石骨材、高炉スラグ細骨材、フェロニッケルスラグ細骨材、銅スラグ細骨材、及び電気炉酸化スラグ細骨材等を例示できる。細骨材は、10mmふるいを全部通過し、5mmふるいを85質量%以上通過する粒度を有するものであってよい。JIS A 1102:2014に準拠して測定される細骨材の粒子径は好ましくは5.0mm以下であり、粗粒率は好ましくは2.0~2.5である。JIS A 1103:2014に準拠して測定される細骨材の微粒分量は好ましくは9%以下である。モルタル組成物1m当たりの細骨材の単位量は、好ましくは600~1050kg/m、より好ましくは700~950kg/mであり、さらに好ましくは800~900kg/mである。細骨材は、粒度が異なる複数の細骨材を混合して調製してもよい。
【0042】
モルタル組成物1m当たりの細骨材及び無機質微粉末の合計の単位量は、好ましくは800~1200kg/mであり、より好ましくは900~1150kg/mであり、さらに好ましくは1000~1100kg/mである。
【0043】
本実施形態のモルタル組成物は、シリカフュームを含んでよい。シリカフュームは、金属シリコン、フェロシリコン、又は電融ジルコニア等を製造する際に、発生する排ガス中のダストを集塵して得られる副産物である。シリカフュームは、主成分として、アルカリ溶液中で溶解する非晶質のSiOを含む。シリカフュームの平均粒子径は、好ましくは0.05~2.0μmであり、より好ましくは0.10~1.5μmであり、さらに好ましくは0.18~0.28μmである。このようなシリカフュームを用いることで、モルタル組成物の高い流動性を維持しつつ、モルタル硬化体の圧縮強度を十分に高くすることができる。
【0044】
セメントを基準とするシリカフュームの含有量は、好ましくは3~30質量%であり、より好ましくは5~20質量%であり、さらに好ましくは8~18質量%である。また、モルタル組成物1m当たりのシリカフュームの単位量は、好ましくは30~350kg/mであり、より好ましくは50~250kg/mであり、さらに好ましくは100~130kg/mである。
【0045】
本実施形態のモルタル組成物は、水を含んでもよい。モルタル組成物1m当たりの単位水量は、好ましくは150~280kg/mであり、より好ましくは180~250kg/mであり、さらに好ましくは190~230kg/mである。水結合材比は、適度な流動性とする観点から、好ましくは10~30質量%であり、より好ましくは15~25質量%である。結合材には、セメント、シリカフューム、及び急硬材が含まれる。
【0046】
モルタル組成物は、必要に応じて、上述の成分に加えて、膨張材、消泡剤、収縮低減剤、増粘剤、ガラス繊維、有機繊維、合成樹脂粉末、ポリマーエマルジョン及びポリマーディスパージョンから選ばれる少なくとも一種を含有していてもよい。膨張材は、市販品として入手可能であり、例えばエトリンガイト・石灰複合系又は石灰系のものを用いることができる。モルタル組成物1m当たりの膨張材の単位量は、好ましくは1~50kg/m、より好ましくは2~40kg/m、より好ましくは5~30kg/mである。
【0047】
消泡剤としては、特殊非イオン配合型界面活性剤、ポリアルキレン誘導体、疎水性シリカ、ポリエーテル系等が挙げられる。モルタル組成物1m当たりの消泡剤の単位量は、好ましくは0.1~20kg/m、より好ましくは0.5~10kg/m、より好ましくは1~5kg/mである。
【0048】
本実施形態のモルタル組成物は、気温が20℃未満である低温環境下で用いたときに、適切な流動性を有するとともに短時間での強度発現性に優れる。例えば、流動性はモルタル0打フローで評価することができる。モルタル組成物の練り混ぜ直後のモルタル0打フローは、好ましくは130mm以上であり、より好ましくは140mm以上であり、さらに好ましくは150mm以上である。このようなモルタル組成物は打設時の充填性に優れるため、作業性に優れ、また、圧縮強度を十分に高くすることができる。モルタル組成物の練り混ぜ直後のモルタル0打フローは、好ましくは300mm以下であり、より好ましくは250mm以下である。このようなモルタル組成物であれば、例えば打設箇所に横断勾配及び/又は縦断勾配がある場合に、モルタル組成物が下方に直ぐに流下することを抑制できる。したがって、作業性に優れる。なお、本明細書のモルタル0打フローは、JIS R 5201:1997「セメントの物理試験方法」に準拠して、落下無しの条件で測定される値である。
【0049】
短時間での強度発現性は、例えば、材齢3時間の圧縮強度で評価することができる。モルタル組成物の材齢3時間の圧縮強度は、好ましくは20N/mm以上であり、より好ましくは24N/mm以上である。圧縮強度は、JIS A 1132:2006「コンクリートの強度試験用供試体の作り方」に参考にして5cm×10cmの円柱供試体を作製し、JIS A 1108:2006「コンクリートの圧縮強度試験方法」に参考にして圧縮強度試験を行って測定できる。
【0050】
モルタル組成物は、気温が15℃以下、10℃以下又は5℃以下の環境下で用いられてもよい。作業性を良好に維持する観点から、モルタル組成物は、気温が0℃を超える環境下で用いられることが好ましい。モルタル組成物の用途は特に限定されず、例えば、補修材用又は被覆材用であってよい。具体的には、道路(高速道路)、橋梁、港湾構造物、河川構造物及び地下構造物等の補修材又は被覆材として用いてもよい。モルタル組成物は作業性に優れるとともに、初期の強度発現性に優れることから、短期間での施工が求められる高速道路の補修用に好適に使用することができる。
【0051】
モルタル組成物の製造方法は、全ての原材料を同時に配合して混合し調製してもよいし、一部の原材料のみを予め混合し、その後、残りの原材料を同時に又は順次に配合して混合し調製してもよい。例えば、水以外の原材料を配合して混合し、粉末状の混合物に水を添加してミキサに入れて練り混ぜて、モルタル組成物を調製してもよい。練り混ぜに使用するミキサとしては、モルタル用ミキサ、強制練りミキサ、パン型ミキサ、グラウトミキサ等を使用することができる。なお、上述の製造方法は例示であり、上述以外の製造方法で製造してもよい。
【0052】
一実施形態に係るモルタル組成物の使用方法は、モルタル組成物を用いて道路を補修する工程を有する。モルタル組成物は、上記実施形態に係るモルタル組成物を用いることができる。したがって、この使用方法には、上述のモルタル組成物の説明内容を適用することができる。また、この使用方法の説明内容も、上述のモルタル組成物の説明に適用することができる。上記工程では、気温が20℃未満の環境下でモルタル組成物を道路に打設する。道路は、短期間での施工が求められる高速道路であることが好ましい。上記工程は、気温が15℃以下、10℃以下又は5℃以下の環境下で行ってもよい。作業性を良好に維持する観点から、上記工程は、気温が0℃を超える環境下で行うことが好ましい。
【0053】
上記使用方法では、上記工程の前に、モルタル組成物を使用する際の気温に応じて、急硬材、遅延剤、及び減水剤からなる群より選ばれる少なくとも一つの配合割合を調節する工程を有することが好ましい。モルタル組成物の流動性は、気温に応じて大きく変動する。このため、例えば気温の測定値に基づいて、急硬材、遅延剤、及び減水剤の配合割合(単位量)を決定し、当該配合割合(単位量)となるようにモルタル組成物を調製してもよい。このような工程を有することによって、気温に見合った最適な流動性となるようにモルタル組成物の性状を調製することができる。
【0054】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。
【実施例0055】
実施例及び比較例を参照して本発明の内容をより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0056】
[モルタル組成物の調製]
各実施例及び各比較例のモルタル組成物を調製するために、以下に示す原材料を準備した。
【0057】
(1)セメント
セメントの化学成分を、JIS R 5202:2010「セメントの化学分析方法」に準拠して測定し、鉱物組成を上述のボーグ式により算出した。また、セメントの45μmふるい残分を、セメント協会標準試験方法 JCAS K-02「45μm網ふるいによるセメントの粉末度試験方法」に準拠して測定し、セメントのブレーン比表面積をJIS R 5201:1997「セメントの物理試験方法」に準拠して測定した。結果は表1に示すとおりであった。
【0058】
【表1】
【0059】
(2)シリカフューム(SF)
シリカフュームを準備した。このシリカフュームの平均粒子径は0.24μmであった。この平均粒子径は、以下の手順で求めた。まず、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(堀場製作所製、商品名「LA-950V2」)を用いて、このシリカフュームの粒子径分布を測定した。測定結果に基づいて粒子径-通過分積算%曲線を算出し、粒子径-通過分積算%曲線より通過分積算が50体積%となる粒子径を求めた。この粒子径を平均粒子径とした。
【0060】
(3)細骨材
珪砂(栃木県産、粒子径:5.0mm以下、微粒分量:0.62%、粗粒率:2.35)を準備した。
【0061】
(4)無機質微粉末
石灰石微粉末(密度:2.71g/cm、ブレーン比表面積:4570cm/g)を準備した。
【0062】
(5)急硬材
急硬材として、デンカ株式会社製のビフォーム(登録商標)を準備した。この急硬材の化学成分の分析結果は表2に示すとおりであった。
【0063】
【表2】
【0064】
(6)遅延剤
遅延剤として、デンカ株式会社製のセッターD-300(商品名)を準備した。
(7)減水剤
減水剤として、ポリカルボン酸系高性能減水剤(固形分濃度:25質量%)を準備した。
(8)消泡剤
消泡剤として、特殊非イオン配合型界面活性剤を準備した。図1は、この消泡剤を重メタノールに溶解し、NMR測定装置(BRUKER製、商品名「AVANCE」)を用いて測定したH-NMRスペクトルである。上記消泡剤の構造単位である、ポリオキシプロピレン(以下、「POP」と略記する)の構造単位、ポリオキシエチレン(以下、「POE」と略記する)の構造単位及びアルキル鎖の構造単位のモル比を、POP中のメチル基に由来するシグナルの積分値を基準に算出した。この内、POPに対するPOEのモル比を、3.5ppm付近に現れるPOPのメチル基以外の炭化水素基に由来するシグナル及びPOEの炭化水素基に由来するシグナルの積分値からPOPのメチル基以外の炭化水素基に由来するシグナルの積分値を差し引くことにより算出した。消泡剤中のPOP、POE及びアルキル鎖の構造単位のモル比を表3に示す。
【0065】
【表3】
【0066】
(9)膨張材
膨張材として、デンカ株式会社製のエトリンガイト・石灰複合系膨張材を準備した。
(10)高張力繊維
高張力繊維として、鋼繊維(東京製綱株式会社製、商品名「CW9416」、密度:7.87g/cm、繊維径:0.16mm、繊維長:13mm、アスペクト比:81.25、引張強度:2200N/mm)を準備した。
(11)練混ぜ水(W)として上水道水を準備した。
【0067】
(実施例1-1~1-9)
気温5℃の環境下において、上述の原材料を表4に示す割合で配合してモルタル組成物を調製した。混合は、ホバートミキサを用いて、セメント、シリカフューム、無機質微粉末及、消泡剤、膨張材、細骨材を30秒間空練りし、水、および高性能減水剤を投入して5分間練り混ぜた。その後、遅延剤を投入し1分間練り混ぜ、鋼繊維を投入してさらに2分間練り混ぜた。さらに急硬材を投入して1分間練り混ぜた。表4の数値の単位はkg/mであり、モルタル組成物1m当たりの質量(単位量)を示している。水/結合材比は、19質量%で一定とした。
【0068】
(実施例2-1~2-14)
気温10℃の環境下において、上述の原材料を表4に示す割合で配合してモルタル組成物を調製した。混合は、実施例1-1と同様にして行った。表4の数値の単位はkg/mであり、モルタル組成物1m当たりの質量(単位量)を示している。水/結合材比は、19質量%で一定とした。
【0069】
(実施例3-1~3-9)
気温15℃の環境下において、上述の原材料を表4に示す割合で配合してモルタル組成物を調製した。混合は、実施例1-1と同様にして行った。表4の数値の単位はkg/mであり、モルタル組成物1m当たりの質量(単位量)を示している。水/結合材比は、19質量%で一定とした。
【0070】
(実施例4-1,比較例4-1,4-2)
気温19℃の環境下において、上述の原材料を表4に示す割合で配合してモルタル組成物を調製した。混合は、実施例1-1と同様にして行った。表4の数値の単位はkg/mであり、モルタル組成物1m当たりの質量(単位量)を示している。水/結合材比は、19%質量で一定とした。
【0071】
【表4】
【0072】
[モルタル組成物の評価]
(1)フレッシュ性状
各実施例及び各比較例で調製したモルタル組成物の各気温環境下における練り混ぜ直後のモルタル0打フローを測定した。モルタル0打フローは、JIS R 5201:1997「セメントの物理試験方法」に準拠し、落下無しの条件で測定した。測定結果は、表5のフロー値の「直後」の欄に示すとおりであった。表5のフロー値の「15分後」及び「30分後」の欄には、練り混ぜ後15分及び30分経過した後のフロー値である。
【0073】
(2)強度試験
JIS A 1132:2006「コンクリートの強度試験用供試体の作り方」を参考にして5cm×10cmの円柱供試体を作製し、JIS A 1108:2006「コンクリートの圧縮強度試験方法」を参考にして、各気温環境下における圧縮強度を測定した。材齢3時間及び材齢7日の測定結果を表5に示す。表5には、遅延剤に対する急硬材の比(A/B)、遅延剤に対する減水剤の比(C/B)、及び、減水剤に対する急硬材の比(A/C)も併せて示した。
【0074】
【表5】
【0075】
表5に示すとおり、各実施例の練り混ぜ「直後」のモルタル0打フローの値は、139~230mmの範囲であり、低温環境下においても適度な流動性を有することが確認された。また、材齢3時間の圧縮強度は24N/mm以上であり、短時間での強度発現性に優れることが確認された。
【0076】
表6には、表4及び表5に示した実施例のうち、配合がほぼ同じである実施例1-1,2-9,3-1のデータを抜粋して示した。
【0077】
【表6】
【0078】
表6に示すとおり、配合がほぼ同じであっても、気温が異なるとモルタル0打ちフローの値が変化することが確認された。このため、施工を行う温度環境に応じて、配合割合を調節することが好ましいといえる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明によれば、低温環境下において適切な流動性を有し、短時間での強度発現性に優れるモルタル組成物を提供することができる。また、低温環境下で円滑に補修作業を行うことが可能なモルタル組成物の使用方法を提供することができる。
図1