(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023030829
(43)【公開日】2023-03-08
(54)【発明の名称】駆動装置
(51)【国際特許分類】
H02K 9/19 20060101AFI20230301BHJP
H02K 7/116 20060101ALI20230301BHJP
F16H 57/04 20100101ALI20230301BHJP
【FI】
H02K9/19 Z
H02K7/116
F16H57/04 K
F16H57/04 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021136177
(22)【出願日】2021-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】日本電産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】大菅 祥平
(72)【発明者】
【氏名】青野 嘉之
【テーマコード(参考)】
3J063
5H607
5H609
【Fターム(参考)】
3J063AA01
3J063AB02
3J063AC01
3J063BA11
3J063BA15
3J063XD03
3J063XD17
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3J063XD72
3J063XE15
3J063XE18
3J063XF13
3J063XF14
3J063XH02
3J063XH12
3J063XH23
5H607AA02
5H607BB01
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5H607BB26
5H607CC01
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5H607DD04
5H607DD08
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5H607EE31
5H609BB03
5H609BB16
5H609BB19
5H609PP02
5H609PP05
5H609PP06
5H609PP07
5H609PP09
5H609PP10
5H609PP17
5H609QQ05
5H609QQ08
5H609RR31
5H609RR48
(57)【要約】 (修正有)
【課題】流体を各部に供給する効率を向上できる構造を有する駆動装置を提供する。
【解決手段】駆動装置100は、ロータ21および、ロータ21と隙間を介して対向するステータ22を有するモータ20と、ロータ21に接続されたギヤ機構30と、モータ20を内部に収容するモータハウジング11、およびギヤ機構30を内部に収容するギヤハウジング12を有するハウジング10と、流体が内部に流れる流路90と、を備える。ロータ21は、軸方向に延びる中空のモータシャフト23を有する。ギヤ機構30は、中空のギヤシャフト33を有する。流路90は、ギヤハウジング12の内部とギヤシャフト33の内部とを繋ぐ第1流路部91と、第1流路部91に繋がる第2流路部92と、第2流路部92のうち軸方向他方側の部分に繋がる第3流路部93と、第3流路部93に繋がり、ステータ22の鉛直方向上側に位置する第1流体供給部94と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸を中心として回転可能なロータおよび、前記ロータと隙間を介して対向するステータを有するモータと、
前記ロータに接続されたギヤ機構と、
前記モータを内部に収容するモータハウジング、および前記モータハウジングの軸方向一方側に位置し、前記ギヤ機構を内部に収容するギヤハウジングを有するハウジングと、
流体が内部に流れる流路と、
を備え、
前記ロータは、軸方向に延びる中空のモータシャフトを有し、
前記ギヤ機構は、前記モータシャフトの軸方向一方側に繋がる中空のギヤシャフトを有し、
前記ギヤハウジングは、前記流体を内部に収容し、
前記流路は、
前記ギヤハウジングの内部と前記ギヤシャフトの内部とを繋ぐ第1流路部と、
少なくとも一部が前記ギヤシャフトの内部と前記モータシャフトの内部とによって構成され、前記第1流路部に繋がる第2流路部と、
前記第2流路部のうち軸方向他方側の部分に繋がる第3流路部と、
前記第3流路部に繋がり、前記ステータの鉛直方向上側に位置する第1流体供給部と、
を有する、駆動装置。
【請求項2】
前記流体を送るポンプを備え、
前記ポンプは、前記流体が前記第2流路部から前記第3流路部を介して前記第1流体供給部に流れる向きに、前記流路内に前記流体を流す、請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記ギヤハウジングの内部に設けられ、前記流体を貯留可能な第1貯留部および第2貯留部を備え、
前記第1貯留部の一部は、前記ギヤハウジングの底部によって構成され、
前記第2貯留部は、前記第1貯留部よりも鉛直方向上側に位置し、かつ、前記流路に設けられている、請求項1または2に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記第1流路部は、前記第2貯留部と前記第2流路部とを繋ぎ、
前記第2貯留部は、鉛直方向上側に開口し、
前記ギヤ機構の鉛直方向下側の端部は、前記第1貯留部内に位置する、請求項3に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記モータシャフトは、前記第2流路部の内周面から前記モータシャフトの外周面まで前記モータシャフトの壁部を径方向に貫通する貫通孔を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項6】
前記第2流路部の流路断面積は、前記第3流路部の流路断面積よりも大きい、請求項5に記載の駆動装置。
【請求項7】
前記第2流路部の流路断面積は、前記第3流路部の流路断面積よりも小さい、請求項5に記載の駆動装置。
【請求項8】
前記モータシャフトと前記ギヤシャフトとは、互いに別体であり、かつ、スプライン嵌合により互いに連結されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項9】
前記モータシャフトを回転可能に支持するベアリングを備え、
前記流路は、前記ベアリングに前記流体を供給する第2流体供給部を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項10】
前記第1流体供給部は、軸方向に延びる管状の部材である、請求項1から9のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項11】
前記第1流体供給部は、鉛直方向上側に開口する樋状の部材である、請求項1から9のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項12】
前記流体を冷却するクーラを備え、
前記クーラは、前記第1流路部に設けられている、請求項1から11のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項13】
中心軸を中心として回転可能なロータおよび、前記ロータと隙間を介して対向するステータを有するモータと、
前記ロータに接続されたギヤ機構と、
前記モータを内部に収容するモータハウジング、および前記モータハウジングの軸方向一方側に位置し、前記ギヤ機構を内部に収容するギヤハウジングを有するハウジングと、
前記ギヤ機構に接続され、軸方向に延びる中空のドライブシャフトと、
流体が内部に流れる流路と、
を備え、
前記ギヤハウジングは、前記流体を内部に収容し、
前記流路は、
前記ギヤハウジングの内部と前記ドライブシャフトの内部とを繋ぐ第1流路部と、
少なくとも一部が前記ドライブシャフトの内部によって構成され、前記第1流路部に繋がる第2流路部と、
前記第2流路部のうち軸方向他方側の部分に繋がる第3流路部と、
前記第3流路部に繋がり、前記ステータの鉛直方向上側に位置する第1流体供給部と、
を有する、駆動装置。
【請求項14】
前記ロータは、軸方向に延びる中空のモータシャフトを有し、
前記ドライブシャフトは、前記モータシャフトの内部に通されている、請求項13に記載の駆動装置。
【請求項15】
前記ギヤ機構は、
前記ロータに接続された第1ギヤと、
前記中心軸に対して径方向位置が異なる中間軸を中心として回転可能であり、前記第1ギヤに噛み合う第2ギヤと、
前記第2ギヤと共に前記中間軸回りに回転可能である第3ギヤと、
前記第3ギヤに噛み合う第4ギヤを有し、差動軸回りに前記ドライブシャフトを回転させる差動装置と、
を有し、
前記差動軸は、前記中心軸と一致している、請求項14に記載の駆動装置。
【請求項16】
前記流体を送るポンプと、
前記流体を冷却するクーラと、
を備え、
前記ポンプおよび前記クーラは、前記ギヤハウジングに取り付けられている、請求項13から15のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項17】
前記第3流路部は、前記モータハウジングに設けられている、請求項13から16のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項18】
前記モータハウジングは、前記ステータの軸方向他方側に位置する軸方向壁部を有し、
前記第3流路部は、前記軸方向壁部に設けられている、請求項17に記載の駆動装置。
【請求項19】
前記第3流路部は、前記第2流路部の軸方向他方側の端部と前記第1流体供給部の軸方向他方側の端部とを繋いでいる、請求項13から18のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項20】
前記流路は、前記モータハウジングの内部と前記第1流体供給部とを繋ぐ第4流路部を有する、請求項13から19のいずれか一項に記載の駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オイルを供給する供給油路を備える駆動装置が知られている。例えば、特許文献1には、そのような駆動装置として、電気自動車に搭載される駆動装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような駆動装置においては、例えば、ステータへオイルを供給する供給油路、および中空のシャフト内へオイルを供給する供給油路など、各部へオイルを供給する複数の供給油路が設けられる場合がある。このような場合において、各部に対してより効率よくオイルを供給できることが求められていた。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて、流体を各部に供給する効率を向上できる構造を有する駆動装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の駆動装置の一つの態様は、中心軸を中心として回転可能なロータおよび、前記ロータと隙間を介して対向するステータを有するモータと、前記ロータに接続されたギヤ機構と、前記モータを内部に収容するモータハウジング、および前記モータハウジングの軸方向一方側に位置し、前記ギヤ機構を内部に収容するギヤハウジングを有するハウジングと、流体が内部に流れる流路と、を備える。前記ロータは、軸方向に延びる中空のモータシャフトを有する。前記ギヤ機構は、前記モータシャフトの軸方向一方側に繋がる中空のギヤシャフトを有する。前記ギヤハウジングは、前記流体を内部に収容する。前記流路は、前記ギヤハウジングの内部と前記ギヤシャフトの内部とを繋ぐ第1流路部と、少なくとも一部が前記ギヤシャフトの内部と前記モータシャフトの内部とによって構成され、前記第1流路部に繋がる第2流路部と、前記第2流路部のうち軸方向他方側の部分に繋がる第3流路部と、前記第3流路部に繋がり、前記ステータの鉛直方向上側に位置する第1流体供給部と、を有する。
【0007】
本発明の駆動装置の一つの態様は、中心軸を中心として回転可能なロータおよび、前記ロータと隙間を介して対向するステータを有するモータと、前記ロータに接続されたギヤ機構と、前記モータを内部に収容するモータハウジング、および前記モータハウジングの軸方向一方側に位置し、前記ギヤ機構を内部に収容するギヤハウジングを有するハウジングと、前記ギヤ機構に接続され、軸方向に延びる中空のドライブシャフトと、流体が内部に流れる流路と、を備える。前記ギヤハウジングは、前記流体を内部に収容する。前記流路は、前記ギヤハウジングの内部と前記ドライブシャフトの内部とを繋ぐ第1流路部と、少なくとも一部が前記ドライブシャフトの内部によって構成され、前記第1流路部に繋がる第2流路部と、前記第2流路部のうち軸方向他方側の部分に繋がる第3流路部と、前記第3流路部に繋がり、前記ステータの鉛直方向上側に位置する第1流体供給部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一つの態様によれば、駆動装置において、流体を各部に供給する効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1実施形態の駆動装置を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態の駆動装置を模式的に示す断面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態の駆動装置を模式的に示す断面図であって、駆動装置を軸方向一方側から見た図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態の駆動装置の一部を示す断面図である。
【
図5】
図5は、第2実施形態の駆動装置の一部を示す断面図である。
【
図6】
図6は、第3実施形態の駆動装置を模式的に示す断面図である。
【
図7】
図7は、第4実施形態の駆動装置を模式的に示す断面図である。
【
図8】
図8は、第5実施形態の駆動装置を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明では、実施形態の駆動装置が水平な路面上に位置する車両に搭載された場合の位置関係を基に、鉛直方向を規定して説明する。つまり、以下の実施形態において説明する鉛直方向に関する相対位置関係は、駆動装置が水平な路面上に位置する車両に搭載された場合に少なくとも満たしていればよい。
【0011】
図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、Z軸方向は、鉛直方向である。Z軸の矢印が向く側(+Z側)は、鉛直方向上側であり、Z軸の矢印が向く側と逆側(-Z側)は、鉛直方向下側である。以下の説明では、鉛直方向上側を単に「上側」と呼び、鉛直方向下側を単に「下側」と呼ぶ。X軸方向は、Z軸方向と直交する方向であって駆動装置が搭載される車両の前後方向である。以下の実施形態において、X軸の矢印が向く側(+X側)は、車両における前側であり、X軸の矢印が向く側と逆側(-X側)は、車両における後側である。Y軸方向は、X軸方向とZ軸方向との両方と直交する方向であって、車両の左右方向、すなわち車幅方向である。以下の実施形態において、Y軸の矢印が向く側(+Y側)は、車両における左側であり、Y軸の矢印が向く側と逆側(-Y側)は、車両における右側である。前後方向および左右方向は、鉛直方向と直交する水平方向である。
【0012】
なお、前後方向の位置関係は、以下の実施形態の位置関係に限られず、X軸の矢印が向く側(+X側)が車両の後側であり、X軸の矢印が向く側と逆側(-X側)が車両の前側であってもよい。この場合には、Y軸の矢印が向く側(+Y側)は、車両の右側であり、Y軸の矢印が向く側と逆側(-Y側)は、車両の左側である。また、本明細書において、「平行な方向」は略平行な方向も含み、「直交する方向」は略直交する方向も含む。
【0013】
適宜図に示す中心軸J1は、鉛直方向と交差する方向に延びる仮想軸である。より詳細には、中心軸J1は、鉛直方向と直交するY軸方向、つまり車両の左右方向に延びている。以下の説明においては、特に断りのない限り、中心軸J1に平行な方向を単に「軸方向」と呼び、中心軸J1を中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸J1を中心とする周方向、つまり中心軸J1の軸回りを単に「周方向」と呼ぶ。以下の実施形態においては、左側(+Y側)を「軸方向一方側」と呼び、右側(-Y側)を「軸方向他方側」と呼ぶ。
【0014】
<第1実施形態>
図1に示す本実施形態の駆動装置100は、車両に搭載され、図示しない車輪に繋がるドライブシャフト39を回転させる駆動装置である。駆動装置100が搭載される車両は、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)などのモータを動力源とする車両である。
図1に示すように、駆動装置100は、ハウジング10と、インバータユニット50と、を備える。
図2に示すように、駆動装置100は、モータ20と、ギヤ機構30と、ポンプ71と、クーラ72と、を備える。
【0015】
ハウジング10は、モータ20を内部に収容するモータハウジング11と、ギヤ機構30を内部に収容するギヤハウジング12と、モータハウジング11の内部とギヤハウジング12の内部とを仕切る隔壁部13と、を有する。本実施形態においてギヤハウジング12は、モータハウジング11の軸方向一方側(+Y側)に繋がっている。つまり、ギヤハウジング12は、モータハウジング11の軸方向一方側に位置する。隔壁部13は、モータハウジング11の内部とギヤハウジング12の内部とを軸方向に隔てている。隔壁部13は、隔壁部13を軸方向に貫通する孔部13aを有する。隔壁部13は、モータハウジング11の内部とギヤハウジング12の内部とを繋ぐ隔壁開口13bを有する。
【0016】
モータハウジング11は、軸方向に延びる略円筒状である。モータハウジング11は、モータハウジング本体11aと、モータカバー14と、を有する。本実施形態においてモータハウジング本体11aとモータカバー14とは、互いに別体である。なお、モータハウジング本体11aとモータカバー14とは、同一の単一部材の一部であってもよい。
【0017】
モータハウジング本体11aは、モータ20を中心軸J1回りに囲む周壁部である。モータカバー14は、モータハウジング11を構成する壁部のうち軸方向他方側(-Y側)の壁部である。モータカバー14は、モータ20の軸方向他方側に位置する。本実施形態においてモータカバー14は、隔壁部13との間でモータハウジング11の内部空間を挟んで配置されている。モータカバー14の軸方向一方側(+Y側)の面には、軸方向他方側に窪む保持穴部14aが設けられている。
【0018】
ギヤハウジング12は、ギヤハウジング本体12aと、ギヤカバー15と、を有する。本実施形態においてギヤハウジング本体12aとギヤカバー15とは、互いに別体である。なお、ギヤハウジング本体12aとギヤカバー15とは、同一の単一部材の一部であってもよい。
【0019】
ギヤハウジング本体12aは、ギヤ機構30を中心軸J1回りに囲む周壁部である。ギヤカバー15は、ギヤハウジング12を構成する壁部のうち軸方向一方側(+Y側)の壁部である。ギヤカバー15は、ギヤ機構30の軸方向一方側に位置する。本実施形態においてギヤカバー15は、隔壁部13との間でギヤハウジング12の内部空間を挟んで配置されている。ギヤハウジング12のうち下側に位置する底部12bは、モータハウジング11のうち下側に位置する底部11bよりも下側に位置する。ギヤカバー15は、ギヤカバー15の軸方向他方側(-Y側)の面から軸方向一方側(+Y側)に窪む保持穴部15aを有する。
【0020】
ギヤハウジング12は、流体としてのオイルOを収容する。ギヤハウジング12の内部には、オイルOを貯留可能な第1貯留部16が設けられている。つまり、駆動装置100は、第1貯留部16を備える。第1貯留部16は、ギヤハウジング12の下側部分によって構成されている。第1貯留部16の内部は、ギヤハウジング12の内部における下部領域である。第1貯留部16の一部は、ギヤハウジング12の底部12bによって構成されている。第1貯留部16にオイルOが貯留されることで、ギヤハウジング12の内部における下部領域には、オイル溜りPが設けられる。
【0021】
オイルOは、後述する流路90内を流れる。本実施形態においてオイルOは、モータ20を冷却する冷媒として使用される。また、オイルOは、ギヤ機構30および後述する各ベアリングに対して潤滑油として使用される。オイルOとしては、例えば、冷媒および潤滑油の機能を奏するために、比較的粘度の低いオートマチックトランスミッション用潤滑油(ATF:Automatic Transmission Fluid)と同等のオイルを用いることが好ましい。
【0022】
モータ20は、中心軸J1を中心として回転可能なロータ21と、ロータ21と隙間を介して対向するステータ22と、を有する。ロータ21は、軸方向に延びる中空のモータシャフト23と、モータシャフト23の外周面に固定されたロータコア24aと、ロータコア24aに固定されたマグネット24bと、を有する。モータシャフト23は、中心軸J1を中心とし、軸方向両側に開口する円筒状である。モータシャフト23は、モータシャフト23の内周面からモータシャフト23の外周面までモータシャフト23の壁部を径方向に貫通する貫通孔23aを有する。貫通孔23aは、周方向に間隔を空けて複数設けられている。貫通孔23aが設けられたモータシャフト23の内周面は、後述する第2流路部92の内周面の一部である。
【0023】
モータシャフト23の軸方向他方側(-Y側)の端部は、ベアリング41を介して、モータカバー14に支持されている。モータシャフト23の軸方向一方側(+Y側)の端部は、ベアリング42を介して、隔壁部13に支持されている。ベアリング41,42によって、ロータ21が中心軸J1回りに回転可能に支持されている。つまり、本実施形態において駆動装置100は、モータシャフト23を回転可能に支持するベアリング41,42を備える。ベアリング41は、モータカバー14の保持穴部14a内に保持され、モータシャフト23における軸方向他方側の端部を支持している。ベアリング42は、隔壁部13の孔部13a内に保持され、モータシャフト23の軸方向一方側の端部を支持している。ベアリング41,42は、例えば、ボールベアリングである。
【0024】
ステータ22は、ロータ21の径方向外側に位置する。ステータ22は、モータハウジング11の内部に固定されている。ステータ22は、ロータ21を囲む環状のステータコア25と、ステータコア25に取り付けられた複数のコイル26と、を有する。
【0025】
ギヤ機構30は、ロータ21に接続されている。より詳細には、ギヤ機構30は、モータシャフト23の軸方向一方側(+Y側)の端部に接続されている。ギヤ機構30は、減速装置31と、差動装置32と、を有する。減速装置31は、モータシャフト23の軸方向一方側の端部に接続されている。減速装置31は、第1ギヤシャフト33と、第1ギヤ34と、第2ギヤ35と、第3ギヤ36と、第2ギヤシャフト37と、を有する。つまり、ギヤ機構30は、第1ギヤシャフト33と、第1ギヤ34と、第2ギヤ35と、第3ギヤ36と、第2ギヤシャフト37と、を有する。
【0026】
第1ギヤシャフト33は、モータシャフト23の軸方向一方側(+Y側)に繋がっている。第1ギヤシャフト33は、軸方向に延びる中空のシャフトである。第1ギヤシャフト33は、中心軸J1と中心とし、軸方向両側に開口する円筒状である。第1ギヤシャフト33の軸方向他方側(-Y側)の端部は、モータシャフト23の内部に嵌め合わされている。本実施形態において第1ギヤシャフト33の軸方向他方側の端部は、モータシャフト23の軸方向一方側の端部に、スプライン嵌合により連結されている。つまり、本実施形態においてモータシャフト23と第1ギヤシャフト33とは、互いに別体であり、かつ、スプライン嵌合により互いに連結されている。第1ギヤシャフト33は、隔壁部13の孔部13aに保持されたベアリング43とギヤカバー15の保持穴部15aに保持されたベアリング44とによって、中心軸J1回りに回転可能に支持されている。ベアリング43,44は、例えば、ボールベアリングである。
【0027】
第1ギヤ34は、第1ギヤシャフト33の外周面に固定されている。これにより、第1ギヤ34は、第1ギヤシャフト33を介して、ロータ21に接続されている。第1ギヤシャフト33および第1ギヤ34は、ロータ21と共に中心軸J1回りに回転する。
【0028】
第2ギヤシャフト37は、軸方向に延びている。第2ギヤシャフト37は、軸方向に延びる中間軸J2を中心とする円柱状である。中間軸J2は、中心軸J1と平行な仮想軸である。中間軸J2は、例えば、中心軸J1よりも下側に位置する。本実施形態において第2ギヤシャフト37は、ギヤ機構30に設けられ第2ギヤ35と共に回転するシャフトである。
【0029】
第2ギヤ35および第3ギヤ36は、第2ギヤシャフト37の外周面に固定されている。第2ギヤ35は、第1ギヤ34に噛み合っている。第3ギヤ36は、差動装置32の後述するリングギヤ38に噛み合っている。第1ギヤシャフト33の回転数および第1ギヤ34の回転数は、ロータ21の回転数と同じである。第2ギヤ35の回転数、第3ギヤ36の回転数、および第2ギヤシャフト37の回転数は、ロータ21の回転数よりも小さい。
【0030】
差動装置32は、リングギヤ38を有する。リングギヤ38には、モータ20から出力されるトルクが減速装置31を介して伝えられる。リングギヤ38の下側の端部は、第1貯留部16の内部に位置する。リングギヤ38の下側の端部は、ギヤ機構30における下側の端部である。つまり、本実施形態においてギヤ機構30の下側の端部は、第1貯留部16内に位置する。これにより、リングギヤ38の下側の端部は、第1貯留部16に設けられたオイル溜りPに浸漬される。リングギヤ38が回転することで、オイル溜りPのオイルOがかき上げられる。かき上げられたオイルOは、例えば、減速装置31および差動装置32に潤滑油として供給される。差動装置32は、差動軸J3回りにドライブシャフト39を回転させる。差動軸J3は、中心軸J1と平行に延びる仮想軸である。
【0031】
本実施形態において駆動装置100は、オイルOが内部に流れる流路90を備える。本実施形態において流路90は、オイルOが流れる油路である。流路90は、第1流路部91と、第2流路部92と、第3流路部93と、第1流体供給部94と、ロータコア内流路部95と、を有する。
【0032】
第1流路部91は、ギヤハウジング12の内部と第1ギヤシャフト33の内部とを繋ぐ流路部である。本実施形態において第1流路部91は、ギヤカバー15に設けられている。第1流路部91は、第1貯留部16の内部とポンプ71とを繋ぐ第1接続流路部91aと、ポンプ71とクーラ72とを繋ぐ第2接続流路部91bと、クーラ72と第1ギヤシャフト33の内部とを繋ぐ第3接続流路部91cと、を有する。
【0033】
図3に示すように、第1接続流路部91aの一端部は、第1貯留部16の内部に繋がっている。第1接続流路部91aの他端部は、第1接続流路部91aの一端部よりも上側かつ後側(-X側)に位置し、ポンプ71に繋がっている。第3接続流路部91cは、クーラ72から前側(+X側)かつ斜め上方に延びて第1ギヤシャフト33の内部に繋がっている。
【0034】
図2に示すように、第2流路部92は、少なくとも一部が第1ギヤシャフト33の内部とモータシャフト23の内部とによって構成される流路部である。本実施形態において第2流路部92の全体は、第1ギヤシャフト33の内部とモータシャフト23の内部とによって構成されている。第2流路部92は、軸方向に延びている。第2流路部92は、第1流路部91に繋がっている。より詳細には、第2流路部92の軸方向一方側(+Y側)の端部がギヤカバー15に設けられた保持穴部15aを介して第3接続流路部91cの上端部に繋がっている。
【0035】
第3流路部93は、第2流路部92のうち軸方向他方側(-Y側)の部分に繋がる流路部である。本実施形態において第3流路部93は、モータカバー14に設けられた保持穴部14aを介して第2流路部92の軸方向他方側の端部に繋がっている。本実施形態において第3流路部93は、モータカバー14に設けられている。第3流路部93は、鉛直方向に延びている。第3流路部93は、第2流路部92の軸方向他方側の端部から上側に延びている。
図4に示すように、第3流路部93の流路断面積は、第2流路部92の流路断面積よりも小さい。つまり、本実施形態において第2流路部92の流路断面積は、第3流路部93の流路断面積よりも大きい。
【0036】
図2に示すように、第1流体供給部94は、モータハウジング11の内部に位置する。第1流体供給部94は、ステータ22の鉛直方向上側に位置する。本実施形態において第1流体供給部94は、軸方向に延びる管状の部材である。第1流体供給部94は、例えば、軸方向両側に開口する円筒状のパイプである。第1流体供給部94の軸方向一方側(+Y側)の端部は、隔壁部13に保持されている。第1流体供給部94の軸方向他方側(-Y側)の端部は、モータカバー14に保持されている。第1流体供給部94は、第3流路部93に繋がっている。より詳細には、第1流体供給部94の軸方向他方側の端部は、第3流路部93の上側の端部に繋がっている。
図4に示すように、第1流体供給部94の流路断面積は、例えば、第3流路部93の流路断面積と同じである。
【0037】
第1流体供給部94は、複数の供給口94aを有する。供給口94aは、下側に開口している。本実施形態において各供給口94aは、第1流体供給部94を構成する管部材の壁部のうち下側に位置する部分に設けられた孔によって構成されている。第1流体供給部94内のオイルOは、複数の供給口94aから吐出され、ステータ22に上側から供給される。これにより、第1流体供給部94は、ステータ22にオイルOを供給する。
【0038】
ロータコア内流路部95は、ロータコア24aに設けられている。ロータコア内流路部95は、貫通孔23aを介して、第2流路部92に繋がっている。ロータコア内流路部95は、ロータコア24aの軸方向両端部に開口している。
【0039】
流路90は、モータシャフト23を回転可能に支持するベアリング41にオイルOを供給する第2流体供給部96を有する。本実施形態において第2流体供給部96は、モータシャフト23の内周面からモータシャフト23の外周面までモータシャフト23の壁部を径方向に貫通する孔によって構成されている。第2流体供給部96は、周方向に間隔を空けて複数設けられている。第2流体供給部96は、モータシャフト23のうちベアリング41によって保持された部分に設けられている。第2流体供給部96は、第2流路部92と繋がっている。第2流体供給部96は、保持穴部14a内に開口する。
【0040】
なお、本明細書において「或る2つの流路部同士が繋がる」とは、或る2つの流路部のうち一方の流路部から他方の流路部へと流体が流れることが可能になっていればよい。
【0041】
図2に示すように、ポンプ71およびクーラ72は、ギヤハウジング12のギヤカバー15に取り付けられている。本実施形態においてポンプ71は、オイルOを送る電動ポンプである。クーラ72は、第1流路部91に設けられている。より詳細には、クーラ72は、第2接続流路部91bと第3接続流路部91cとの間に設けられている。クーラ72には、冷媒循環路60の一部が通っている。冷媒循環路60は、冷媒が循環する流路である。冷媒循環路60内を流れる冷媒は、例えば、水である。冷媒循環路60は、図示しないラジエータから、インバータユニット50およびクーラ72をこの順に通って、当該ラジエータに戻る。クーラ72は、冷媒循環路60内を流れる冷媒との熱交換により、第1流路部91を流れるオイルOを冷却する。
【0042】
ポンプ71が駆動されると、第1流路部91の下側の端部から、オイル溜りP内のオイルOが流路90内に吸入される。流路90内に吸入されたオイルOは、第1接続流路部91a、ポンプ71、第2接続流路部91b、クーラ72、および第3接続流路部91cをこの順に流れて、第2流路部92の軸方向一方側(+Y側)の端部に流入する。第2流路部92に流入したオイルOは、第2流路部92内を軸方向他方側向き(-Y向き)に流れて、ギヤハウジング12内からモータハウジング11内へと流れる。
【0043】
第2流路部92に流入したオイルOの一部は、モータシャフト23と第1ギヤシャフト33とがスプライン嵌合された部分に供給される。第2流路部92に流入したオイルOの他の一部は、貫通孔23aを介してロータコア内流路部95に流入する。ロータコア内流路部95に流入したオイルOは、ロータコア24aの軸方向両端部から径方向外側に飛散し、コイル26に供給される。これにより、ロータ21およびステータ22をオイルOで冷却できる。第2流路部92に流入したオイルOのさらに他の一部は、第2流体供給部96からベアリング41に供給される。これにより、ベアリング41に潤滑油としてオイルOを供給できる。第2流路部92に流入したオイルOの残りの一部は、第3流路部93に流入する。第3流路部93に流入したオイルOは、第1流体供給部94に流入する。
【0044】
第1流体供給部94に流入したオイルOは、複数の供給口94aからモータハウジング11の内部に吐出される。複数の供給口94aから吐出されたオイルOは、ステータ22に供給される。これにより、ステータ22をオイルOでより冷却できる。ロータコア内流路部95からステータ22に供給されたオイルO、第2流体供給部96からベアリング41に供給されたオイルO、および供給口94aからステータ22に供給されたオイルOは、下側に落下して、モータハウジング11内の下部領域に溜まる。モータハウジング11内の下部領域に溜ったオイルOは、隔壁部13に設けられた隔壁開口13bを介してギヤハウジング12内に戻る。
【0045】
本実施形態によれば、流路90は、ギヤハウジング12の内部と第1ギヤシャフト33の内部とを繋ぐ第1流路部91と、少なくとも一部が第1ギヤシャフト33の内部とモータシャフト23の内部とによって構成され、第1流路部91に繋がる第2流路部92と、第2流路部92のうち軸方向他方側の部分に繋がる第3流路部93と、第3流路部93に繋がり、ステータ22の鉛直方向上側に位置する第1流体供給部94と、を有する。つまり、第1流路部91と第2流路部92と第3流路部93と第1流体供給部94とが一繋がりとなっている。そのため、1つのポンプ71によって、モータシャフト23の内部およびステータ22の上側に位置する第1流体供給部94などを含む各流路部に、オイルOを順次供給していくことができる。これにより、ポンプ71を複数用いる場合に比べて、駆動装置100の各部に効率よくオイルOを供給していくことができる。
【0046】
また、例えば、第1流体供給部94からステータ22に供給された後のオイルOが第2流路部92内に流入されるような場合に比べて、第1流路部91または第3流路部93を介して各シャフトで構成される第2流路部92内にオイルOを流しやすくできる。また、ステータ22に供給された後のオイルOの温度は、ステータ22の発熱量などによって異なる。そのため、ステータ22に供給された後のオイルOの粘性は、ステータ22の発熱量などによって異なる。これにより、ステータ22に供給された後のオイルOを第2流路部92に流す場合には、ステータ22に供給された後のオイルOの粘性によって、第2流路部92に流れるオイルOの流量にバラつきが生じる。これに対して、本実施形態では、ステータ22に供給される前のオイルOが第2流路部92に供給されるため、第2流路部92に供給されるオイルOの流量を安定させることができる。
【0047】
また、例えば、第2流路部92と第1流体供給部94とに分岐してオイルOが流れる場合、オイルOの粘性が変化することによって、第2流路部92に供給されるオイルOの流量と第1流体供給部94に供給されるオイルOの流量との比が変化する恐れがある。具体的に、例えば、第1流体供給部94から供給口94aを介してステータ22に供給されるオイルOの流量は、オイルOの粘性によって変化しやすい。そのため、第2流路部92と第1流体供給部94とに分岐してオイルOが流れる場合、オイルOの粘性が変化することで、第1流体供給部94に流れるオイルOの流量が変化して、第2流路部92に流れるオイルOの流量がバラつく恐れがある。これに対して、本実施形態によれば、第2流路部92と第1流体供給部94との間は第3流路部93で繋がれて一繋がりとなっているため、オイルOの粘性が変化しても第2流路部92に供給されるオイルOの流量がバラつくことを抑制できる。
【0048】
以上により、駆動装置100において、オイルOを各部に供給する効率を向上できる。また、駆動装置100の各部に供給されるオイルOの流量を好適に制御しやすくできる。また、ポンプ71を複数設けなくてよいため、駆動装置100の部品点数を少なくできる。また、分岐する流路部を設けるような場合に比べて、流路90が複雑化することを抑制できる。そのため、流路90を作る作業に要する工数を低減できる。これにより、駆動装置100の製造コストを低減できる。
【0049】
また、本実施形態によれば、ポンプ71は、オイルOが第2流路部92から第3流路部93を介して第1流体供給部94に流れる向きに、流路90内にオイルOを流す。そのため、ポンプ71によって送られるオイルOは、第1流体供給部94よりも先に第2流路部92を流れる。これにより、本実施形態のようにポンプ71の近くにクーラ72が設けられる場合などに、クーラ72によって冷却された比較的低温のオイルOを第2流路部92内に流しやすくできる。したがって、モータシャフト23内に比較的低温のオイルOを流しやすくでき、ロータ21を冷却しやすくできる。そのため、ロータ21のマグネット24bを冷却しやすく、マグネット24bの温度が高温になることを抑制できる。これにより、マグネット24bが減磁することを抑制できる。したがって、モータ20の出力トルクが低下することを抑制できる。これにより、マグネット24bとして磁力が比較的小さい安価なマグネットを用いても、モータ20の出力トルクを維持することが可能となる。したがって、駆動装置100の出力を維持しつつ、安価なマグネット24bを用いて駆動装置100の製造コストを低減できる。本実施形態では、第2流路部92に繋がるロータコア内流路部95が設けられているため、第2流路部92から比較的低温のオイルOをロータコア内流路部95に流して、ロータコア24aに固定されたマグネット24bをより好適に冷却できる。
【0050】
また、本実施形態によれば、モータシャフト23は、第2流路部92の内周面からモータシャフト23の外周面までモータシャフト23の壁部を径方向に貫通する貫通孔23aを有する。そのため、第2流路部92を流れるオイルOの一部を、貫通孔23aを介して、モータシャフト23の径方向外側に供給することができる。これにより、モータシャフト23に固定されたロータコア24aおよびマグネット24bをオイルOによってより冷却しやすくできる。
【0051】
また、本実施形態によれば、第2流路部92の流路断面積は、第3流路部93の流路断面積よりも大きい。そのため、第2流路部92内を流れるオイルOの流量を大きくできる。これにより、貫通孔23aを介して第2流路部92内からモータシャフト23の径方向外側へと流れるオイルOの流量を大きくできる。したがって、ロータコア24aおよびマグネット24bをオイルOによってより冷却しやすくできる。
【0052】
また、本実施形態によれば、モータシャフト23と第1ギヤシャフト33とは、互いに別体であり、かつ、スプライン嵌合により互いに連結されている。そのため、第2流路部92を流れるオイルOの一部をモータシャフト23と第1ギヤシャフト33とのスプライン嵌合部分に供給することができる。これにより、モータシャフト23と第1ギヤシャフト33とが好適に連結された状態を維持しやすい。また、モータシャフト23と第1ギヤシャフト33とのスプライン嵌合部分に供給されたオイルOを、各シャフトを支持するベアリングに供給することもできる。具体的に、本実施形態においてモータシャフト23と第1ギヤシャフト33とのスプライン嵌合部分に供給されたオイルOは、孔部13a内に流入し、孔部13aに保持されたベアリング42,43に供給される。
【0053】
また、本実施形態によれば、流路90は、ベアリング41にオイルOを供給する第2流体供給部96を有する。そのため、ベアリング41に対してオイルOを潤滑剤として好適に供給できる。なお、流路90は、他のベアリング42,43,44にオイルOを供給する第2流体供給部を有してもよいし、第2ギヤシャフト37を支持するベアリングにオイルOを供給する第2流体供給部を有してもよい。
【0054】
また、本実施形態によれば、第1流体供給部94は、軸方向に延びる管状の部材である。そのため、第1流体供給部94を作りやすい。また、第1流体供給部94内にオイルOを圧送しやすい。そのため、第1流体供給部94へと好適にオイルOを送りやすくできる。
【0055】
また、本実施形態によれば、クーラ72は、第1流路部91に設けられている。そのため、クーラ72によって第1流路部91を流れるオイルOを冷却できる。これにより、本実施形態のように第1流路部91から第2流路部92に向かう向きにオイルOが流される場合、第1流路部91においてクーラ72で冷却されたばかりのオイルOを第2流路部92に流すことができる。そのため、モータシャフト23内を流れるオイルOの温度を好適に低くすることができる。これにより、ロータ21をより好適に冷却できる。したがって、マグネット24bをより好適に冷却できる。
【0056】
<第2実施形態>
以下、上述した実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付すなどにより、説明を省略する場合がある。
図5に示すように、本実施形態の駆動装置200において中空のモータシャフト223の内径は、第1実施形態のモータシャフト23の内径よりも小さい。流路290における第2流路部292の流路断面積は、第1実施形態の第2流路部92の流路断面積よりも小さい。第3流路部293の流路断面積は、第1実施形態の第3流路部93の流路断面積よりも大きい。第1流体供給部294の流路断面積は、第1実施形態の第1流体供給部94の流路断面積よりも大きい。
【0057】
第2流路部292の流路断面積は、第3流路部293の流路断面積よりも小さい。そのため、第2流路部292を流れるオイルOの流量を小さくしやすく、第2流路部292から貫通孔23aを通ってロータコア内流路部95へと流れるオイルOの流量を小さくすることができる。これにより、相対的に第3流路部293から第1流体供給部294へ流れるオイルOの流量を大きくできる。したがって、第1流体供給部294からステータ22に供給されるオイルOの流量を大きくできる。駆動装置200のその他の構成は、第1実施形態の駆動装置100のその他の構成と同様である。
【0058】
<第3実施形態>
以下、上述した実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付すなどにより、説明を省略する場合がある。
図6に示すように、本実施形態の駆動装置300の流路390において、第1流体供給部394は、鉛直方向上側に開口する樋状の部材である。そのため、オイルOの粘性が高くオイルOを圧送しにくい場合など、管状の部材からステータ22へとオイルOを供給しにくいような場合であっても、第1流体供給部394の供給口394aからステータ22へと好適にオイルOを供給しやすい。
【0059】
第3流路部393のうち第2流路部92に繋がる側と逆側の端部は、モータハウジング11内に開口する開口部393aである。開口部393aは、モータハウジング11を構成する壁部のうち上側に位置する壁部に設けられている。開口部393aは、第1流体供給部394の上側に位置する。開口部393aは、下側に開口している。開口部393aから吐出された第3流路部393内のオイルOは、上側から第1流体供給部394内に供給される。第1流体供給部394内にはオイルOが貯留される。第1流体供給部394内に貯留されたオイルOは、樋状の第1流体供給部394に沿って流れ、供給口394aからステータ22に供給される。駆動装置300のその他の構成は、第1実施形態の駆動装置100のその他の構成と同様である。
【0060】
<第4実施形態>
以下、上述した実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付すなどにより、説明を省略する場合がある。
図7に示すように、本実施形態の駆動装置400は、ギヤハウジング12内に設けられた第2貯留部480を備える。第2貯留部480は、第1貯留部16よりも上側に位置する。本実施形態において第2貯留部480は、ギヤ機構30よりも上側に位置する。第2貯留部480は、上側に開口している。第2貯留部480は、例えば、樋状である。第2貯留部480の内部には、リングギヤ38によってかき上げられたオイルOの少なくとも一部が貯留される。第2貯留部480は、供給口481を有する。
【0061】
第2貯留部480は、流路490に設けられている。第2貯留部480の供給口481には、流路490の第1流路部491が繋がっている。本実施形態において第1流路部491は、第2貯留部480と第2流路部92とを繋いでいる。
【0062】
本実施形態においてポンプ471は、メカニカルポンプである。ポンプ471は、モータシャフト23の軸方向他方側(-Y側)の端部に接続されている。ポンプ471は、モータシャフト23の外周面に固定された環状のインナーロータ471aと、インナーロータ471aを径方向外側において囲む環状のアウターロータ471bと、を有する。インナーロータ471aおよびアウターロータ471bは、モータカバー14に設けられたポンプ室471c内に設けられている。インナーロータ471aとアウターロータ471bとは、図示しない歯部を介して互いに噛み合っている。
【0063】
モータシャフト23が回転してインナーロータ471aが中心軸J1回りに回転するとアウターロータ471bも回転する。これにより、第2貯留部480内のオイルOが第1流路部491内に吸引される。第1流路部491に吸引されたオイルOは、第1流路部491および第2流路部92をこの順に流れて、保持穴部14aを介してインナーロータ471aとアウターロータ471bとの隙間に流入する。インナーロータ471aとアウターロータ471bとの隙間に流入したオイルOは、インナーロータ471aおよびアウターロータ471bの回転に伴って周方向に移動し、第3流路部493内に吐出される。つまり、本実施形態において第3流路部493は、ポンプ471を介して第2流路部92に繋がっている。駆動装置400のその他の構成は、第1実施形態の駆動装置100のその他の構成と同様である。
【0064】
本実施形態によれば、駆動装置400は、ギヤハウジング12の内部に設けられ、オイルOを貯留可能な第2貯留部480を備える。第2貯留部480は、第1貯留部16よりも鉛直方向上側に位置し、かつ、流路490に設けられている。そのため、ギヤハウジング12内に収容されたオイルOの一部を第2貯留部480に貯留しておくことができ、相対的に第1貯留部16内に貯留されるオイルOの量を少なくできる。これにより、第1貯留部16におけるオイル溜りPの液面を下げることができる。したがって、モータハウジング11の底部11bとギヤハウジング12の底部12bとの高低差が小さくても、流路490によってモータハウジング11内に供給されたオイルOをギヤハウジング12内に戻しやすくできる。
【0065】
また、本実施形態によれば、第1流路部491は、第2貯留部480と第2流路部92とを繋いでいる。第2貯留部480は、鉛直方向上側に開口している。ギヤ機構30の鉛直方向下側の端部は、第1貯留部16内に位置する。そのため、ギヤ機構30によってかき上げられた第1貯留部16内のオイルOの一部を第2貯留部480内に貯留させることができる。また、第2貯留部480内に貯留されたオイルOを、第1流路部491を介して第2流路部92に流すことができる。これにより、第1貯留部16におけるオイル溜りPの液面を下げてギヤハウジング12内にオイルOを戻しやすくしつつ、第2流路部92を介してモータハウジング11内に好適にオイルOを送ることができる。
【0066】
<第5実施形態>
以下、上述した実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付すなどにより、説明を省略する場合がある。
図8に示すように、駆動装置500のハウジング510において、モータハウジング511の底部511bは、ギヤハウジング512の底部512bよりも下側に位置する。モータハウジング511において後述する流路部材597の下側にはオイル溜りP1が設けられている。ギヤハウジング512の下部領域には、オイル溜りP2が設けられている。オイル溜りP1とオイル溜りP2とは、隔壁部13の隔壁開口13bを介して互いに繋がっている。モータ20の一部は、オイル溜りP1のオイルOに浸かっていてもよい。
【0067】
ギヤ機構530における減速装置531の第1ギヤシャフト533は、軸方向両側に開口する中空のシャフトである。第2ギヤ535と第3ギヤ536とは、クラッチ機構573により、互いに接続された状態と、互いに切り離された状態とが切り替えられる。第2ギヤ535は、ロータ21に接続された第1ギヤ34に噛み合っている。第2ギヤ535は、中心軸J1に対して径方向位置が異なる中間軸J2を中心として回転可能である。本実施形態において中間軸J2は、中心軸J1よりも上側に位置する。第3ギヤ536は、クラッチ機構573を介して第2ギヤ535と接続された状態において、第2ギヤ535と共に中間軸J2回りに回転可能である。
【0068】
駆動装置500は、ギヤ機構530に接続されるドライブシャフト539を備える。ドライブシャフト539は、軸方向に延びる中空のシャフトである。ドライブシャフト539は、差動装置532の軸方向両側にそれぞれ設けられている。各ドライブシャフト539は、車両の車輪Hにそれぞれ接続されている。差動装置532から軸方向他方側(-Y側)に延びるドライブシャフト539は、第1ギヤシャフト533の内部およびモータシャフト23の内部に通されている。本実施形態において差動装置532の差動軸J3は、モータ20の中心軸J1と一致している。本実施形態において差動装置532のリングギヤ38は、第3ギヤ536に噛み合う第4ギヤに相当する。
【0069】
駆動装置500は、モータハウジング511内に配置された流路部材597を備える。流路部材597は、ステータ22の径方向外側に配置されている。流路部材597は、ステータ22を囲む筒状である。流路部材597は、モータハウジング11の内周面に固定されている。流路部材597には、冷媒が流れる冷媒流路597aが設けられている。冷媒流路597aを流れる冷媒は、例えば、水である。つまり、流路部材597は、例えば、ウォータジャケットである。冷媒流路597aには、図示しないラジエータから延びる冷媒流入路561および冷媒流出路562が接続されている。冷媒流路597a内には、図示しないラジエータによって冷却された冷媒が冷媒流入路561から流入する。冷媒流路597a内を流れる冷媒によって、ステータ22を冷却できる。冷媒流路597a内の冷媒は、冷媒流出路562に流出し、図示しないラジエータに戻る。
【0070】
本実施形態において、オイルOが内部に流れる流路590は、第1流路部591と、第2流路部592と、第3流路部593と、第4流路部594と、第1流体供給部595と、を有する。第1流路部591は、ギヤハウジング12の内部とドライブシャフト539の内部とを繋ぐ流路部である。本実施形態において第1流路部591は、オイル溜りP2が設けられる第1貯留部16の内部と、差動装置532から軸方向一方側(+Y側)に延びるドライブシャフト539の内部とを繋いでいる。第1流路部591は、オイル溜りP2内に開口している。第1流路部591の途中には、ポンプ571とクーラ572とが設けられている。ポンプ571は、電動ポンプである。本実施形態においてポンプ571およびクーラ572は、ギヤハウジング512に取り付けられている。より詳細には、ポンプ571およびクーラ572は、ギヤハウジング512のうち軸方向一方側に位置する壁部、すなわちギヤカバー15に取り付けられている。
【0071】
第2流路部592は、少なくとも一部がドライブシャフト539の内部によって構成される流路部である。本実施形態において第2流路部592は、軸方向一方側(+Y側)のドライブシャフト539の内部と、差動装置532の内部と、軸方向他方側(-Y側)のドライブシャフト539の内部とによって構成されている。第2流路部592の軸方向一方側の端部は、第1流路部591に繋がっている。
【0072】
第3流路部593は、第2流路部592のうち軸方向他方側(-Y側)の部分に繋がる流路部である。本実施形態において第3流路部593は、第2流路部592の軸方向他方側の端部と第1流体供給部595の軸方向他方側の端部とを繋いでいる。本実施形態において第3流路部593は、モータハウジング511に設けられている。より詳細には、第3流路部593は、モータカバー14に設けられている。本実施形態においてモータカバー14は、ステータ22の軸方向他方側に位置する軸方向壁部に相当する。
【0073】
第4流路部594は、モータハウジング511の内部と第1流体供給部595とを繋ぐ流路部である。第4流路部594は、オイル溜りP1内に開口している。本実施形態において第4流路部594は、モータカバー14に設けられている。第4流路部594内を流れるオイルOの一部は、モータシャフト23を回転可能に支持するベアリングに供給される。第4流路部594には、メカニカルポンプ574が設けられている。メカニカルポンプ574は、軸方向他方側(-Y側)のドライブシャフト539に接続されている。
【0074】
第1流体供給部595は、ステータ22の上側に位置する。本実施形態において第1流体供給部595は、モータハウジング511のうち上側の壁部に設けられている。第1流体供給部595は、軸方向に延びている。第1流体供給部595は、第3流路部593および第4流路部594に繋がっている。より詳細には、第1流体供給部595の軸方向他方側(-Y側)の端部には、第3流路部593の上端部および第4流路部594の上端部が繋がっている。第1流体供給部595は、ステータ22、およびモータシャフト23を支持するベアリングにオイルOを供給する供給口を有する。
【0075】
ドライブシャフト539が駆動するとメカニカルポンプ574が駆動される。メカニカルポンプ574が駆動されると、モータハウジング511内のオイル溜りP1のオイルOが第4流路部594内に吸入される。第4流路部594内に吸入されたオイルOは、第4流路部594内を上側に向かって流れて、第1流体供給部595に流入する。第1流体供給部595に流入したオイルOは、ステータ22、およびモータシャフト23を支持するベアリングに供給される。
【0076】
ポンプ571が駆動されると、第1貯留部16内のオイルO、すなわちオイル溜りP2のオイルOが第1流路部591内に流入する。第1流路部591内に流入したオイルOは、クーラ572およびポンプ571をこの順に流れて、第2流路部592の軸方向一方側(+Y側)の端部に流入する。第2流路部592内に流入したオイルOは、軸方向他方側(-Y側)に流れ、第3流路部593を通って、第1流体供給部595に流入する。第1流体供給部595に流入したオイルOは、ステータ22、およびモータシャフト23を支持するベアリングに供給される。駆動装置500のその他の構成は、第1実施形態の駆動装置100のその他の構成と同様にできる。
【0077】
本実施形態によれば、流路590は、ギヤハウジング512の内部とドライブシャフト539の内部とを繋ぐ第1流路部591と、少なくとも一部がドライブシャフト539の内部によって構成され、第1流路部591に繋がる第2流路部592と、第2流路部592のうち軸方向他方側の部分に繋がる第3流路部593と、第3流路部593に繋がり、ステータ22の鉛直方向上側に位置する第1流体供給部595と、を有する。つまり、第1流路部591と第2流路部592と第3流路部593と第1流体供給部595とが一繋がりとなっている。そのため、上述した実施形態と同様に、1つのポンプ571によって、ドライブシャフト539の内部などを含む各流路部に、オイルOを順次供給していくことができる。これにより、駆動装置500の各部に効率よくオイルOを供給していくことができる。
【0078】
また、本実施形態によれば、ドライブシャフト539は、中空のモータシャフト23の内部に通されている。そのため、少なくとも一部がドライブシャフト539の内部によって構成される第2流路部592を、ハウジング510内に好適に配置しやすい。これにより、ギヤハウジング512内のオイルOを、第2流路部592を介して第1流体供給部595に好適に送りやすくできる。また、ドライブシャフト539がモータシャフト23の内部に通されない場合に比べて、駆動装置500を小型化しやすい。
【0079】
また、本実施形態によれば、ギヤ機構530は、ロータ21に接続された第1ギヤ34と、中心軸J1に対して径方向位置が異なる中間軸J2を中心として回転可能であり、第1ギヤ34に噛み合う第2ギヤ535と、第2ギヤ535と共に中間軸J2回りに回転可能である第3ギヤ536と、第3ギヤ536に噛み合う第4ギヤとしてのリングギヤ38を有し、差動軸J3回りにドライブシャフト539を回転させる差動装置532と、を有する。差動軸J3は、中心軸J1と一致している。そのため、中空のモータシャフト23の内部に、ドライブシャフト539を容易かつ好適に通すことができる。
【0080】
また、本実施形態によれば、ポンプ571およびクーラ572は、ギヤハウジング512に取り付けられている。そのため、ポンプ571によって、ギヤハウジング512内のオイルOをドライブシャフト539の内部に送りやすい。また、クーラ572によって、ギヤハウジング512の内部からドライブシャフト539の内部に送られるオイルOを冷却しやすい。
【0081】
また、本実施形態によれば、第3流路部593は、モータハウジング511に設けられている。そのため、管部材などの別部材を設けることなく、第3流路部593を作ることができる。これにより、駆動装置500の部品点数が増加することを抑制できる。
【0082】
また、本実施形態によれば、第3流路部593は、ステータ22の軸方向他方側(-Y側)に位置する軸方向壁部としてのモータカバー14に設けられている。そのため、モータカバー14を軸方向に貫通するドライブシャフト539の内部を、第3流路部593に繋ぎやすい。これにより、第2流路部592を第3流路部593に繋ぎやすい。
【0083】
また、本実施形態によれば、第3流路部593は、第2流路部592の軸方向他方側(-Y側)の端部と第1流体供給部595の軸方向他方側の端部とを繋いでいる。そのため、第3流路部593によって第2流路部592と第1流体供給部595とを繋ぎやすい。
【0084】
また、本実施形態によれば、流路590は、モータハウジング511の内部と第1流体供給部595とを繋ぐ第4流路部594を有する。そのため、モータハウジング511内のオイルOを、第4流路部594を介して、第1流体供給部595に送ることができる。これにより、第1流体供給部595に、第3流路部593および第4流路部594の2つの流路部のそれぞれからオイルOを供給することが可能である。したがって、第1流体供給部595に好適にオイルOを供給できる。
【0085】
本発明は上述の実施形態に限られず、本発明の技術的思想の範囲内において、他の構成および他の方法を採用することもできる。
【0086】
流路は、第1流路部と、第2流路部と、第3流路部と、第1流体供給部と、を有していれば、どのような構成であってもよい。流路内において流体は、どのような向きに流れてもよい。例えば、流体を送るポンプは、流体が第1流体供給部から第3流路部を介して第2流路部に流れる向きに、流路内に流体を流してもよい。流路を流れる流体は、どのような種類の流体であってもよい。
【0087】
本発明が適用される駆動装置の用途は、特に限定されない。駆動装置は、例えば、車輪に接続されたドライブシャフトを回転させる用途以外の用途で車両に搭載されてもよいし、車両以外の機器に搭載されてもよい。駆動装置が用いられる際の姿勢は、特に限定されない。モータの中心軸は、鉛直方向と直交する水平方向に対して傾いていてもよいし、鉛直方向に延びてもよい。以上、本明細書において説明した構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0088】
10,510…ハウジング、11,511…モータハウジング、12b,512b…底部、12,512…ギヤハウジング、14…モータカバー(軸方向壁部)、16…第1貯留部、20…モータ、21…ロータ、22…ステータ、23,223…モータシャフト、23a…貫通孔、30,530…ギヤ機構、33…第1ギヤシャフト(ギヤシャフト)、34…第1ギヤ、35,535…第2ギヤ、36,536…第3ギヤ、38…リングギヤ(第4ギヤ)、39,539…ドライブシャフト、41,42,43,44…ベアリング、71,471,571…ポンプ、72,572…クーラ、90,290,390,490,590…流路、91,491,591…第1流路部、92,292,592…第2流路部、93,293,393,493,593…第3流路部、94,294,394,595…第1流体供給部、96…第2流体供給部、100,200,300,400,500…駆動装置、480…第2貯留部、594…第4流路部、J1…中心軸、J2…中間軸、J3…差動軸