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  • 特開-溶接用低熱膨張合金 図1
  • 特開-溶接用低熱膨張合金 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023030847
(43)【公開日】2023-03-08
(54)【発明の名称】溶接用低熱膨張合金
(51)【国際特許分類】
   C22C 38/00 20060101AFI20230301BHJP
   C22C 38/52 20060101ALI20230301BHJP
   B23K 35/30 20060101ALI20230301BHJP
【FI】
C22C38/00 302R
C22C38/52
B23K35/30 320A
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021136215
(22)【出願日】2021-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】000231855
【氏名又は名称】日本鋳造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099944
【弁理士】
【氏名又は名称】高山 宏志
(72)【発明者】
【氏名】半田 卓雄
(72)【発明者】
【氏名】大山 伸幸
(72)【発明者】
【氏名】大江 耕一郎
(72)【発明者】
【氏名】朝比奈 允暉
(57)【要約】
【課題】溶接時の高温割れを防止するための合金元素を必要量添加しても、溶接母材となるFe-Ni系低熱膨張合金との熱膨張係数の差を極めて小さくすることができる溶接用低熱膨張合金を提供する。
【解決手段】質量%で、C:0.05~0.14%、Si:0.1~0.3%、Mn:0.2~0.4%、Ni:30~40%を含有し、さらに、7.74×[C]≦[Nb]≦1.1%、[CoM]+(0.8×[Nb]-4.494×[C]+0.1)/(0.25-0.0004×[T])≦[Co]≦[CoM]+(0.8×[Nb]-4.494×[C]+0.1)/(0.25-0.0004×[T])+0.5%を満たし、Ni当量が、35.945-0.00025×[T]+0.0000375×[T]2.026-0.5~35.945-0.00025×[T]+0.0000375×[T]2.026+0.5%の範囲であり、残部がFeおよび不可避的不純物からなる。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Fe-Ni系低熱膨張合金からなる溶接母材を溶接する溶接用低熱膨張合金であって、
質量%で、
C:0.05~0.14%、
Si:0.1~0.3%、
Mn:0.2~0.4%、
Ni:30~40%
を含有し、
さらに、
Cの含有量(質量%)を[C]、Nbの含有量(質量%)を[Nb]、Coの含有量(質量%)を[Co]、前記溶接母材のCo含有量(質量%)を[CoM]、Niの含有量(質量%)を[Ni]、前記溶接母材のFe-Ni系低熱膨張合金が所期の低熱膨張性を示す上限温度T(℃)を[T]と表した場合に、
7.74×[C]≦[Nb]≦1.1%を満たすようにNbを含有し、
[CoM]+(0.8×[Nb]-4.494×[C]+0.1)/(0.25-0.0004×[T])≦[Co]≦[CoM]+(0.8×[Nb]-4.494×[C]+0.1)/(0.25-0.0004×[T])+0.5%を満たすようにCoを含有し、
[Ni]+0.8×[Co]で表されるNi当量が、35.945-0.00025×[T]+0.0000375×[T]2.026-0.5~35.945-0.00025×[T]+0.0000375×[T]2.026+0.5%の範囲であり、
残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする溶接用低熱膨張合金。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば半導体製造装置等の超精密機器に適用される低熱膨張部材の溶接に用いられる、溶接用低熱膨張合金に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、超精密機器の精度維持、向上のために、室温付近の熱膨張係数が極めて小さい36%Ni-残部Feの合金や32%Ni-5%Co-残部Feの合金、および高温で低熱膨張性を発揮する42%Ni-残部Feの合金等(以下、Fe-Ni系低熱膨張合金と記載)の圧延材、鍛造材ならびに鋳造材が商品化、市販され、機器の構成部材として用いられている(例えば非特許文献1)。
【0003】
これらのFe-Ni系低熱膨張合金による部材の製造工程において、組み立て、補修の目的で溶接を行う場合がある。その場合、溶接部の熱膨張係数が母材と同等でないと、低熱膨張部材としての特性を十分発揮できない。
【0004】
また、Fe-Ni系低熱膨張合金は、付加加工に際して凝固および再加熱を受けた場合に高温割れが発生しやすいことから、溶加材料は高温割れのない合金材料である必要がある。
【0005】
従来、Fe-Ni系低熱膨張合金の溶接に適した合金材料としては、以下の特許文献1~3に示すような溶接加工に関する提案がなされている。特許文献1には、FeおよびNiをベースとして、Cを0.12~0.50%、Nbを0.5~3%含有し、さらにMn、Cu、Ti、Al、Mg、Ce、Zr、S、SiおよびPを所定量以下にした溶接材料が開示されている。特許文献2には、FeおよびNiをベースとして、Cを0.03~0.5%、Mnを0.7%以下、[Nb+Zr]を0.05~4%含有し、さらにSiおよびSの量を[Nb+Zr]の関係式で、P、SおよびAlを所定量以下にそれぞれ規制した溶接材料が開示されている。また、特許文献3には、FeおよびNiをベースとして、Cを0.08~0.30%、
Siを0.01~0.30%、Mnを0.10~1.0%、Tiを0.05~0.50%、Taを0.10~1.50%含有し、さらにP、S、Nb、Cu、Cr、Mo、AlおよびO(酸素)を所定量以下に規制とした溶接材料が開示されている。
【0006】
上記特許文献1~3はいずれも、Fe-Ni合金をベースとすることにより、低熱膨張性を付与し、さらに、Nb、Ti、TaおよびZrの中の複数の元素を添加し、それらの炭化物の作用を活用することにより、溶接加工に伴う高温割れ防止を目的としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平4-231194号公報
【特許文献2】国際公開2000/20160号
【特許文献3】特開2003-19593号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】マテリア、第36巻、第11号(1997)インターネット<URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/materia1994/36/11/36_11_1080/_pdf
【非特許文献2】インターネット<URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/tetsutohagane1955/80/12/80_12_944/_pdf/-char/ja
【非特許文献3】PHYSICS AND APPLICATIONS OF INVAR ALLOYS、P518~537、丸善、1978
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述のように、特許文献1~3は、Fe-Ni系合金をベースとすることにより、低熱膨張性を付与したものであり、特許文献2および3には、「母材と同等の線膨張係数を有する溶接材料の使用が望ましい」との記載がある。しかし、いずれの実施例にも溶接金属を含む接合部のαについて記載されていない。Fe-Ni系低熱膨張合金のαは、非特許文献2および非特許文献3に見られるように、Fe-Ni合金をベースとして、それ以外の元素を添加すると、αが増大することが知られている。したがって、特許文献1~3において、耐高温割れ性向上の目的で添加されているC、Nb、Zr、Ti、Ta等の元素を添加しているため、接合部のαは母材より大きくなることは自明であり、接合部のαを母材と同等に低熱膨張とすることは、原理的に実現できない。
【0010】
なお、特許文献1の段落0023~0025には、実施例のヒートNo.13、No.14の熱膨張係数が記載されており、母材の低熱膨張合金に近い低熱膨張であることが示されているが、C、Mn、Nbの合計量は、ヒートNo.13では2.78%、ヒートNo.14では2.56%であり、非特許文献2、3を参照すれば、ヒートNo.13、No.14の実際の熱膨張係数は、実施例に記載されている数値より大きくなることは明らかである。
【0011】
本発明は、溶接時の高温割れを防止するための合金元素を必要量添加しても、溶接母材となるFe-Ni系低熱膨張合金との熱膨張係数の差を極めて小さくすることができる溶接用低熱膨張合金を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討を重ねた結果、以下の点を見出した。溶加材として用いる溶接用低熱膨張合金の組成を、母材(例えばインバー、スーパーインバー、42Ni等)組成に加えて、高温割れ防止に有効な合金元素を必要量添加したものにすると、添加する合金元素の種類および添加量に応じて熱膨張係数が増大する。しかし、高温割れ防止に有効な合金元素の種類および添加量に応じて、合金組成を一定の関係式に基づいて調整することにより、熱膨張係数の増大を防止することができる。
【0013】
本発明は上記知見に基づいて完成されたものであり、以下の手段を提供する。
【0014】
Fe-Ni系低熱膨張合金からなる溶接母材を溶接する溶接用低熱膨張合金であって、
質量%で、
C:0.05~0.14%、
Si:0.1~0.3%、
Mn:0.2~0.4%、
Ni:30~40%
を含有し、
さらに、
Cの含有量(質量%)を[C]、Nbの含有量(質量%)を[Nb]、Coの含有量(質量%)を[Co]、前記溶接母材のCo含有量(質量%)を[CoM]、Niの含有量(質量%)を[Ni]、前記溶接母材のFe-Ni系低熱膨張合金が所期の低熱膨張性を示す上限温度T(℃)を[T]と表した場合に、
7.74×[C]≦[Nb]≦1.1%を満たすようにNbを含有し、
[CoM]+(0.8×[Nb]-4.494×[C]+0.1)/(0.25-0.0004×[T])≦[Co]≦[CoM]+(0.8×[Nb]-4.494×[C]+0.1)/(0.25-0.0004×[T])+0.5%を満たすようにCoを含有し、
[Ni]+0.8×[Co]で表されるNi当量が、35.945-0.00025×[T]+0.0000375×[T]2.026-0.5~35.945-0.00025×[T]+0.0000375×[T]2.026+0.5%の範囲であり、
残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする溶接用低熱膨張合金。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、溶接時の高温割れを防止するための合金元素を必要量含有しつつ、溶接母材となるFe-Ni系低熱膨張合金との熱膨張係数の差を極めて小さくすることができる溶接用低熱膨張合金が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施例における開先形状を示す概略図である。
図2】実施例における溶接条件を示す図である。
図3】実施例における評価試験片の採取要領を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本実施形態について詳細に説明する。
なお、特に断わらない限り成分における%表示は質量%であり、熱膨張係数(α)は10℃~T℃間の平均熱膨張係数(ppm/℃)である。
【0018】
本発明の溶接用低熱膨張合金は、Ni-Fe系低熱膨張合金からなる溶接母材を溶接するものであり、溶接母材を構成するNi-Fe系低熱膨張合金としては、インバー、スーパーインバー、42Ni合金を挙げることができ、これらは、所定の温度範囲において所期の低熱膨張特性を得ることができる。本発明の溶接用低熱膨張合金は、これらの溶接母材のNi-Fe系低熱膨張合金に対応して規定される。
【0019】
次に、限定理由について説明する。
・C:0.05~0.14%
Cは後述するように、Nbとともにその添加量を調整することにより、適正量のNbCを形成して溶接時の高温割れを防止する元素である。しかし、その含有量が0.05%未満ではその効果が不十分であり、0.14%超では溶接性の低下が無視できなくなる。したがって、C含有量を0.05~0.14%の範囲とする。
【0020】
・Si:0.1~0.3%
Siは溶加材として製造される本発明の溶接用低熱膨張合金の脱酸および湯流れ性改善を目的として添加する元素である。しかし、その含有量が0.1%未満ではその効果が不十分であり、0.3%超ではCと同様に熱膨張係数の増加が無視できなくなる。したがって、Si含有量を0.1~0.3%とする。
【0021】
・Mn:0.2~0.4%
Mnは溶加材として製造される本発明の溶接用低熱膨張合金の脱酸に有効な元素である。しかし、その含有量が0.2%未満ではその効果が少なく、0.4%を超えると熱膨張係数の増加が大きくなる。したがって、Mn含有量を0.2~0.4%の範囲とする。
【0022】
・Ni:30~40%
NiはCoとともにαを決定する重要な元素であり、後述のNi当量およびCo量に基づいて調整することによって、溶接時の割れ防止を目的とする合金添加にともなうαの増加を補償し、Fe-Ni系低熱膨張合金からなる溶接母材(以下、単に母材という)と同等のαにすることができる。しかし、Niが30%未満、または40%超では、αを母材と同等にできなくなる。したがって、Ni含有量を30~40%の範囲とする。
【0023】
・Nb:7.74×[C]~1.1%
Nbは、上述したように、CとともにNbCを形成して溶接時の高温割れを防止する元素である。しかし、Nbが基地に固溶すると溶接割れの防止効果が得られず、かえってαの増大を招くため、NbをNbCの形態で組織に分散させる必要がある。Cの含有量を[C]と表した場合に、Nbの含有量が7.74×[C]未満では固溶Nbが多く、αが増大し、1.1%超ではNbC量が過大になって溶接性の低下が無視できなくなる。したがって、Nb含有量を7.74×[C]~1.1%の範囲とする。
【0024】
・Co:[CoM]+(0.8×[Nb]-4.494×[C]+0.1)/(0.25-0.0004×[T])~[CoM]+(0.8×[Nb]-4.494×[C]+0.1)/(0.25-0.0004×[T])+0.5%
Coは前述のNiとともにαを決定する重要な元素であり、溶接時の割れ防止を目的とする合金添加にともなうαの増加を補償し、母材と同等のαにするために不可欠な元素である。すなわち、割れ防止を目的として添加する合金の種類、量に応じて後述するNi当量におけるCo/Ni比を大きくすることによって合金の低α化を図る。しかし、Co含有量は母材のCo含有量および合金が低熱膨張性を示す温度範囲と関係があり、母材のCo含有量(質量%)を[CoM]、Cの含有量を[C]、Nbの含有量を[Nb]、溶接母材のFe-Ni系低熱膨張合金が所期の低熱膨張性を示す上限温度T(℃)を[T]と表すとき、Coが[CoM]+(0.8×[Nb]-4.494×[C]+0.1)/(0.25-0.0004×[T])未満、または[CoM]+(0.8×[Nb]-4.494×[C]+0.1)/(0.25-0.0004×[T])+0.5超では、αを母材と同等にできなくなる。したがって、Co含有量を[CoM]+(0.8×[Nb]-4.494×[C]+0.1)/(0.25-0.0004×[T])~[CoM]+(0.8×[Nb]-4.494×[C]+0.1)/(0.25-0.0004×[T])+0.5%の範囲とする。
【0025】
・Ni当量:35.945-0.00025×[T]+0.0000375×[T]2.026-0.5~35.945-0.00025×[T]+0.0000375×[T]2.026+0.5%
Ni含有量(質量%)を[Ni]、Co含有量(質量%)を[Co]とした場合に、Ni当量は、[Ni]+0.8×[Co]で表され、合金が低熱膨張性を示す温度範囲と一定の関係があり、Ni当量を調整することによって合金の低α化を図る。Ni当量が、35.945-0.00025×[T]+0.0000375×[T]2.026-0.5~35.945-0.00025×[T]+0.0000375×[T]2.026+0.5%(ただし、[T]は、上記と同様、溶接母材のFe-Ni系低熱膨張合金が所期の低熱膨張性を示す上限温度T(℃))の範囲で、10~T℃間のαが顕著に小さくなる。しかし、Ni当量がこの範囲を外れる場合には、所望の低熱膨張性が得難くなる。したがって、Ni当量を35.945-0.00025×[T]+0.0000375×[T]2.026-0.5~35.945-0.00025×[T]+0.0000375×[T]2.026+0.5%の範囲とする。
【0026】
本発明において、C、Si、Mn、Ni、Co、Nb以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。
【実施例0027】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0028】
表1に示す各化学組成の合金を高周波誘導炉で大気溶解し、1600℃でCO法珪砂鋳型に鋳造してφ127mm×270mmの鋳塊を製作した。
【0029】
1200℃の加熱炉内で加熱した鋳塊を、エアドロップハンマーによって熱間鍛造して□40mm×1400mmの圧延素材を製作した。
【0030】
1150℃の加熱炉内で加熱した圧延素材を□22mmに1次圧延した後、2次圧延してφ9.6mmの素線を製作し、素線を冷間で線引き加工してφ1.6mmのワイヤーを製作した。
【0031】
表1の、No.31(インバー)、No.32(スーパーインバー)、およびNo.33(42Ni合金)の各母材に、図1に示すU字開先加工を行って、それぞれの母材に対応する本発明合金のNo.1~7のワイヤーと、比較合金のNo.11~21のワイヤーを溶加材として用いて、図2の溶接条件で溶接し、溶接継手を製作した。継手部から、図3の要領でφ6mm×50mmの熱膨張測定試験片および3mm×10mmの溶接欠陥観察試験片を切り出し、評価試験を実施した。
【0032】
評価試験は以下の要領で行った。熱膨張係数は、熱膨張計(NETZSCH製DIL402C)を用いて、10~T℃間の熱膨張を測定し、平均熱膨張係数αを求め、母材がインバーまたは42Ni合金の場合、[溶接部のα]と[母材のα]の差の絶対値が[母材のα]の±10%以下を合格とし、母材がスーパーインバー合金の場合、αが極めて小さく、マイナス膨張もあるため、[溶接部のα]の絶対値が0.15ppm/℃以下を合格とした。溶接欠陥は、光学式の実体顕微鏡を用いて試験片を50倍で観察し、割れ発生の有無を確認した。判定基準は割れが全くなかったものを合格、割れが一つでも発生していたものを不合格とした。
【0033】
表1に示すように、本発明合金であるNo.1~7の10~T℃間の平均熱膨張係数αは、いずれも対応する母材No.31~33と同等の値を有し、かつ溶接欠陥が認められなかった。
【0034】
一方、比較合金No.11、12、14~17、19は、本発明合金と同様に、溶接欠陥防止のためのCとNbを必要量添加したものであり、溶接欠陥は認められなかったが、No.11および16は、Ni当量が上限値超、Coが下限値未満であり、No.12および17はNi当量が下限値未満、Coが上限値超であり、No.15はSiとMnが上限値超であり、No.14および19はC量に対するNb量が本発明範囲外で不足したため、αが母材に比べて増加し、いずれも判定基準を満たさなかった。また、比較合金No.13、18および20は、CまたはCとNbの両方が下限未満であり、No.21はNbが上限超であったため、高温割れが発生した。さらにNo.21は対象とする母材のαとの差が10%を超えた。
【0035】
【表1】
図1
図2
図3