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特開2023-30865スイング種別判定装置、方法、プログラムおよび記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023030865
(43)【公開日】2023-03-08
(54)【発明の名称】スイング種別判定装置、方法、プログラムおよび記録媒体
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/36 20060101AFI20230301BHJP
   A63B 60/46 20150101ALI20230301BHJP
   A63B 102/32 20150101ALN20230301BHJP
【FI】
A63B69/36 541P
A63B60/46
A63B102:32
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021136241
(22)【出願日】2021-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】390005175
【氏名又は名称】株式会社アドバンテスト
(74)【代理人】
【識別番号】100097490
【弁理士】
【氏名又は名称】細田 益稔
(74)【代理人】
【識別番号】100113354
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 総
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 周作
(57)【要約】
【課題】ダウンスイング中のゴルフクラブのシャフトのしなりが戻る過程を判定する。
【解決手段】スイング種別判定装置1が、スイング中のゴルフクラブ2のシャフト2bにおける第一方向Hおよび第二方向Vの歪みを、歪みを測定した時点t1、t2、t3、…ごとに記録する歪み記録部14と、第二方向Vの歪みが最大値Vmaxをとった時点tm以降に、ダウンスイング中のゴルフクラブ2のシャフト2bのしなりが戻る過程Sd2が行われていると判定するダウンスイング種別判定部18とを備える。第一方向Hが、ゴルフクラブ2のスイングによってゴルフボール4を飛ばす方向である。第二方向Vが、シャフト2bと第一方向Hとに直交する方向である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイング中のゴルフクラブのシャフトにおける第一方向および第二方向の歪みを、該歪みを測定した時点ごとに記録する歪み記録部と、
前記第二方向の歪みが最大値をとった時点以降に、ダウンスイング中の前記ゴルフクラブのシャフトのしなりが戻る過程が行われていると判定するダウンスイング種別判定部と、
を備え、
前記第一方向が、前記ゴルフクラブのスイングによってゴルフボールを飛ばす方向であり、
前記第二方向が、前記シャフトと前記第一方向とに直交する方向である、
スイング種別判定装置。
【請求項2】
スイング中のゴルフクラブのシャフトにおける第一方向および第二方向の歪みを、該歪みを測定した時点ごとに記録する歪み記録工程と、
前記第二方向の歪みが最大値をとった時点以降に、ダウンスイング中の前記ゴルフクラブのシャフトのしなりが戻る過程が行われていると判定するダウンスイング種別判定工程と、
を備え、
前記第一方向が、前記ゴルフクラブのスイングによってゴルフボールを飛ばす方向であり、
前記第二方向が、前記シャフトと前記第一方向とに直交する方向である、
スイング種別判定方法。
【請求項3】
スイング種別判定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記スイング種別判定処理が、
スイング中のゴルフクラブのシャフトにおける第一方向および第二方向の歪みを、該歪みを測定した時点ごとに記録する歪み記録工程と、
前記第二方向の歪みが最大値をとった時点以降に、ダウンスイング中の前記ゴルフクラブのシャフトのしなりが戻る過程が行われていると判定するダウンスイング種別判定工程と、
を備え、
前記第一方向が、前記ゴルフクラブのスイングによってゴルフボールを飛ばす方向であり、
前記第二方向が、前記シャフトと前記第一方向とに直交する方向である、
プログラム。
【請求項4】
スイング種別判定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体であって、
前記スイング種別判定処理が、
スイング中のゴルフクラブのシャフトにおける第一方向および第二方向の歪みを、該歪みを測定した時点ごとに記録する歪み記録工程と、
前記第二方向の歪みが最大値をとった時点以降に、ダウンスイング中の前記ゴルフクラブのシャフトのしなりが戻る過程が行われていると判定するダウンスイング種別判定工程と、
を備え、
前記第一方向が、前記ゴルフクラブのスイングによってゴルフボールを飛ばす方向であり、
前記第二方向が、前記シャフトと前記第一方向とに直交する方向である、
記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフクラブのスイング種別の判定に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ゴルフクラブのスイング動作を分析する装置が知られている(例えば、特許文献1の要約を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-058302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、ゴルフクラブのスイング種別(特に、ダウンスイング中のゴルフクラブのシャフトのしなりが戻る過程)を判定できれば、ゴルフの練習およびゴルフクラブの開発に有益である。
【0005】
そこで、本発明は、ダウンスイング中のゴルフクラブのシャフトのしなりが戻る過程を判定することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかるスイング種別判定装置は、スイング中のゴルフクラブのシャフトにおける第一方向および第二方向の歪みを、該歪みを測定した時点ごとに記録する歪み記録部と、前記第二方向の歪みが最大値をとった時点以降に、ダウンスイング中の前記ゴルフクラブのシャフトのしなりが戻る過程が行われていると判定するダウンスイング種別判定部とを備え、前記第一方向が、前記ゴルフクラブのスイングによってゴルフボールを飛ばす方向であり、前記第二方向が、前記シャフトと前記第一方向とに直交する方向であるように構成される。
【0007】
上記のように構成されたスイング種別判定装置によれば、歪み記録部が、スイング中のゴルフクラブのシャフトにおける第一方向および第二方向の歪みを、該歪みを測定した時点ごとに記録する。ダウンスイング種別判定部が、前記第二方向の歪みが最大値をとった時点以降に、ダウンスイング中の前記ゴルフクラブのシャフトのしなりが戻る過程が行われていると判定する。前記第一方向が、前記ゴルフクラブのスイングによってゴルフボールを飛ばす方向である。前記第二方向が、前記シャフトと前記第一方向とに直交する方向である。
【0008】
本発明は、スイング中のゴルフクラブのシャフトにおける第一方向および第二方向の歪みを、該歪みを測定した時点ごとに記録する歪み記録工程と、前記第二方向の歪みが最大値をとった時点以降に、ダウンスイング中の前記ゴルフクラブのシャフトのしなりが戻る過程が行われていると判定するダウンスイング種別判定工程とを備え、前記第一方向が、前記ゴルフクラブのスイングによってゴルフボールを飛ばす方向であり、前記第二方向が、前記シャフトと前記第一方向とに直交する方向であるスイング種別判定方法である。
【0009】
本発明は、スイング種別判定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記スイング種別判定処理が、スイング中のゴルフクラブのシャフトにおける第一方向および第二方向の歪みを、該歪みを測定した時点ごとに記録する歪み記録工程と、前記第二方向の歪みが最大値をとった時点以降に、ダウンスイング中の前記ゴルフクラブのシャフトのしなりが戻る過程が行われていると判定するダウンスイング種別判定工程とを備え、前記第一方向が、前記ゴルフクラブのスイングによってゴルフボールを飛ばす方向であり、前記第二方向が、前記シャフトと前記第一方向とに直交する方向であるプログラムである。
【0010】
本発明は、スイング種別判定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体であって、前記スイング種別判定処理が、スイング中のゴルフクラブのシャフトにおける第一方向および第二方向の歪みを、該歪みを測定した時点ごとに記録する歪み記録工程と、前記第二方向の歪みが最大値をとった時点以降に、ダウンスイング中の前記ゴルフクラブのシャフトのしなりが戻る過程が行われていると判定するダウンスイング種別判定工程とを備え、前記第一方向が、前記ゴルフクラブのスイングによってゴルフボールを飛ばす方向であり、前記第二方向が、前記シャフトと前記第一方向とに直交する方向である記録媒体である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態にかかるスイング種別判定装置1の構成を示す機能ブロック図である。
図2】ゴルフクラブ2の正面図である。
図3】シャフト2bの断面図である。
図4】歪み記録部14の記録内容を示す図である。
図5】スイング中のゴルフクラブ2におけるシャフト2bの歪みの一例を、第一方向Hを横軸に、第二方向Vを縦軸にとって図示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施形態にかかるスイング種別判定装置1の構成を示す機能ブロック図である。本発明の実施形態にかかるスイング種別判定装置1は、歪み測定結果受信部12、歪み記録部14、第二方向歪み最大値取得部16、ダウンスイング種別判定部18を備える。
【0014】
歪み測定結果受信部12は、歪み測定結果送信器8から送信された、歪みの測定結果を受信する。歪み測定結果送信器8は、ゴルフクラブ2のシャフト2bに取り付けられている。
【0015】
図2は、ゴルフクラブ2の正面図である。ゴルフクラブ2は、ヘッド2a、シャフト2b、グリップ2cを有する。ただし、図2においては、グリップ2cを握る者(プレーヤー)の手は図示省略する。ヘッド2aの前方にはゴルフボール4が置かれている。ヘッド2aは、シャフト2bを介して、グリップ2cに接続されている。プレーヤーは、グリップ2cを握り、ゴルフクラブ2をスイングさせ、ヘッド2aをゴルフボール4に当てて、ゴルフボール4を飛ばす。
【0016】
第一方向Hは、ゴルフクラブ2のスイングによってゴルフボール4を飛ばす方向である。第二方向Vは、第一方向Hとシャフト2bとに直交する方向である。
【0017】
図3は、シャフト2bの断面図である。シャフト2bには、歪みゲージ9H、9Vが取り付けられている。シャフト2bの断面は円形であり、その円の中心(図示省略)を通って第一方向Hに延伸する直線(H軸)とシャフト2bの外周との交点(シャフト2bの外周における最も右の点)近傍に、歪みゲージ9Hが配置されている。シャフト2bの断面は円形であり、その円の中心(図示省略)を通って第一方向Hと直交する方向(図示省略)に延伸する直線とシャフト2bの外周との交点(シャフト2bの外周における最も下の点)近傍に、歪みゲージ9Vが配置されている。
【0018】
歪みゲージ9Hは、スイング中のゴルフクラブ2におけるシャフト2bの第一方向Hの歪みを、歪みを測定した時点t1、t2、t3、…ごとに測定する。
【0019】
歪みゲージ9Vは、スイング中のゴルフクラブ2におけるシャフト2bの第二方向Vの歪みを、歪みを測定した時点t1、t2、t3、…ごとに測定する。
【0020】
歪み測定結果送信器8は、歪みゲージ9Hおよび歪みゲージ9Vの測定結果を送信する。
【0021】
歪み記録部14は、歪み測定結果受信部12の受信結果を受けて記録する。すなわち、歪み記録部14は、スイング中のゴルフクラブ2におけるシャフト2bの第一方向Hおよび第二方向Vの歪みを、歪みを測定した時点t1、t2、t3、…ごとに記録する。
【0022】
図4は、歪み記録部14の記録内容を示す図である。歪み記録部14は、時点t1に対応づけて(H1、V1)を、時点t2に対応づけて(H2、V2)を、時点t3に対応づけて(H3、V3)を記録する。ただし、H1、H2、H3は、第一方向(H軸方向)の歪みであり、V1、V2、V3は、第二方向(V軸方向)の歪みである。
【0023】
第二方向歪み最大値取得部16は、歪み記録部14の記録内容に基づき、第二方向Vの歪みの最大値Vmaxを取得する。さらに、第二方向歪み最大値取得部16は、歪み記録部14の記録内容に基づき、第二方向Vの歪みが最大値Vmaxをとった時点tmを取得し、ダウンスイング種別判定部18に与える。
【0024】
ダウンスイング種別判定部18は、第二方向Vの歪みが最大値Vmaxをとった時点tm以降に、ダウンスイング中のゴルフクラブ2のシャフト2bのしなりが戻る過程(第二ダウンスイングSd2)が行われていると判定する。
【0025】
図5は、スイング中のゴルフクラブ2におけるシャフト2bの歪みの一例を、第一方向Hを横軸に、第二方向Vを縦軸にとって図示したグラフである。
【0026】
ゴルフクラブ2のスイングは、バックスイングSbから始まり、切り返しSt、第一ダウンスイングSd1、第二ダウンスイングSd2と続く。なお、第二ダウンスイングSd2は、インパクトIm(時点ti)で終わる。
【0027】
なお、切り返しStは、バックスイングSbから第一ダウンスイングSd1への移行過程である。第一ダウンスイングSd1は、ゴルフクラブ2のシャフト2bがしなっている過程である。第二ダウンスイングSd2は、シャフト2bのしなりが戻る過程である。
【0028】
ここで、ダウンスイングは、第二方向Vの歪みが最大値Vmaxをとった時点tmの前後で、第一ダウンスイングSd1(時点tmより前)および第二ダウンスイングSd2(時点tmより後)に分けることができる。
【0029】
次に、本発明の実施形態の動作を説明する。
【0030】
まず、プレーヤーは、グリップ2cを握り、ゴルフクラブ2をスイングさせ、ヘッド2aをゴルフボール4に当てて、ゴルフボール4を飛ばす(図2参照)。この際のシャフト2bの歪みを歪みゲージ9H、9V(図3参照)が測定し、測定結果が、歪み測定結果送信器8により送信される。
【0031】
歪み測定結果送信器8により送信された歪みの測定結果は、歪み測定結果受信部12により受信され、歪み記録部14に記録される(図4参照)。例えば、(H1、V1)、(H2、V2)、(H3、V3)が、それぞれ、歪みを測定した時点t1、t2、t3に対応付けられて、歪み記録部14に記録される。
【0032】
歪み記録部14の記録内容は、第二方向歪み最大値取得部16により読み出され、第二方向Vの歪みの最大値Vmaxが取得され(図5参照)、さらに、第二方向Vの歪みが最大値Vmaxをとった時点tm(図5参照)も取得され、ダウンスイング種別判定部18に与えられる。
【0033】
さらに、ダウンスイング種別判定部18により、時点tm以降に、ダウンスイング中のゴルフクラブ2のシャフト2bのしなりが戻る過程(第二ダウンスイングSd2)(図5参照)が行われていると判定される。
【0034】
本発明の実施形態によれば、ダウンスイング中のゴルフクラブのシャフトのしなりが戻る過程を判定できる。
【0035】
また、上記の実施形態は、以下のようにして実現できる。CPU、ハードディスク、メディア(USBメモリ、CD-ROMなど)読み取り装置を備えたコンピュータに、上記の各部分、例えば、歪み測定結果受信部12、歪み記録部14、第二方向歪み最大値取得部16およびダウンスイング種別判定部18を実現するプログラムを記録したメディアを読み取らせて、ハードディスクにインストールする。このような方法でも、上記の機能を実現できる。
【符号の説明】
【0036】
1 スイング種別判定装置
12 歪み測定結果受信部
14 歪み記録部
16 第二方向歪み最大値取得部
18 ダウンスイング種別判定部
2 ゴルフクラブ
2a ヘッド
2b シャフト
2c グリップ
4 ゴルフボール
8 歪み測定結果送信器
9H、9V 歪みゲージ
t1、t2、t3、ti、tm 時点
歪み H1、H2、H3、V1、V2、V3
H 第一方向
V 第二方向
Sb バックスイング
St 切り返し
Sd1 第一ダウンスイング
Sd2 第二ダウンスイング
Im インパクト
Vmax 最大値
図1
図2
図3
図4
図5