特開 2023-30877 掃除機用の吸込ノズル及び吸込ノズルを備えた掃除機

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2023030877

(43)【公開日】2023-03-08

(54)【発明の名称】掃除機用の吸込ノズル及び吸込ノズルを備えた掃除機

(51)【国際特許分類】

   A47L 9/04 20060101AFI20230301BHJP

【ＦＩ】

A47L9/04 A

【審査請求】未請求

【請求項の数】7

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2021136260

(22)【出願日】2021-08-24

(71)【出願人】

【識別番号】314012076

【氏名又は名称】パナソニックＩＰマネジメント株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100115381

【弁理士】

【氏名又は名称】小谷 昌崇

(74)【代理人】

【識別番号】100157808

【弁理士】

【氏名又は名称】渡邉 耕平

(72)【発明者】

【氏名】布施野 裕介

(72)【発明者】

【氏名】羽田野 剛

(72)【発明者】

【氏名】貞広 政紀

【テーマコード（参考）】

3B061

【Ｆターム（参考）】

3B061AA06

3B061AD05

3B061AD06

(57)【要約】

【課題】掻取ローラに巻き付いた塵埃の除去を更に促すように改善された吸込ノズルを提供することを目的とする。
【解決手段】本出願は、塵埃を吸い込むための吸込空間を区画しているノズルケースと、吸込空間に開口した流路をノズルケースに形成するとともに塵埃管路に接続可能に構成された連通部と、左右方向に間隔を空けて対向配置された先端を有しているとともに、吸込空間内で回転しながら塵埃を掻き取りつつ、巻き付いた塵埃を先端に向けて送り出すように構成された一対の掻取ローラと、を備えた吸込ノズルを開示する。一対の掻取ローラの先端は、一対の掻取ローラの軸に対して傾斜した傾斜面を含み、一対の掻取ローラが駆動部により回転しているときに、傾斜面間の空間の幅が流路の開口側において広く、開口とは反対側において狭くなった状態になることを許容する。
【選択図】図６

【特許請求の範囲】

【請求項1】

掃除機本体の吸引源が発生する吸引力により塵埃を吸引する塵埃管路に接続可能に構成された吸込ノズルであって、
塵埃を吸い込むための吸込空間を区画しているノズルケースと、
前記吸込空間に開口した流路を前記ノズルケースに形成するとともに前記塵埃管路に接続可能に構成された連通部と、
駆動力を発生させる駆動部と、
左右方向に間隔を空けて対向配置された先端を有しているとともに、前記駆動部の前記駆動力によって前記吸込空間内で回転しながら塵埃を掻き取りつつ、巻き付いた塵埃を前記先端に向けて送り出すように構成された一対の掻取ローラと、を備え、
前記一対の掻取ローラの前記先端は、前記一対の掻取ローラの軸に対して傾斜した傾斜面を含み、前記一対の掻取ローラが前記駆動部により回転しているときに、前記傾斜面間の空間の幅が前記流路の開口側において広く、前記開口とは反対側において狭くなった状態になることを許容する、吸込ノズル。

【請求項2】

前記駆動部は、前記一対の掻取ローラを個別に回転駆動して、前記一対の掻取ローラのうち一方の掻取ローラの回転位相が他方の掻取ローラの回転位相に対して遅れることを許容するように構成されており、
前記傾斜面間の最も幅狭になる位置は、前記一対の掻取ローラの前記回転位相の相対的関係の変化によって変わる、請求項１に記載の吸込ノズル。

【請求項3】

前記駆動部は、前記一方の掻取ローラに対する負荷が前記他方の掻取ローラに対する負荷が高くなった場合に、前記一方の掻取ローラの回転位相が前記他方の掻取ローラの回転位相に対して遅れることを許容するように構成されている、請求項２に記載の吸込ノズル。

【請求項4】

前記一対の掻取ローラは、前記傾斜面間の前記空間が前記流路の前記開口と対向するように構成されている、請求項１乃至３のいずれか１項に記載の吸込ノズル。

【請求項5】

前記一対の掻取ローラそれぞれは、前記先端に向けて細くなるテーパ形状を有しており、
前記ノズルケースは、前記流路の前記開口とは反対側において前記一対の掻取ローラの外周部が前記ノズルケースの内面に沿うように前記一対の掻取ローラを傾斜した姿勢で保持するように構成されている、請求項１乃至４のいずれか１項に記載の吸込ノズル。

【請求項6】

前記一対の掻取ローラそれぞれは、前記左右方向に延びるローラ本体と、前記ローラ本体とは別体に設けられて、前記ローラ本体の先端に取り付け可能に構成された先端部材と、を有し、
前記傾斜面は、前記先端部材に形成されている、請求項１乃至５のいずれか１項に記載の吸込ノズル。

【請求項7】

請求項１乃至６のいずれか１項に記載の吸込ノズルと、
塵埃を吸引する吸引力を発生する吸引源を内蔵した掃除機本体と、
前記掃除機本体から延設されて、前記吸引源の前記吸引力により吸い込まれた塵埃が流れる塵埃管路と、を備え、
前記塵埃管路は、前記吸込ノズルに接続される、掃除機。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、掃除機用の吸込ノズル及び吸込ノズルを備えた掃除機に関する。

【背景技術】

【0002】

特許文献１は、図１５に示す掃除機９００を開示している。掃除機９００は、塵埃を吸引する吸引力を発生する吸引源を内蔵した掃除機本体９１０と、掃除機本体９１０から延設されて、吸引源の吸引力により吸い込まれた塵埃が流れる塵埃管路９２０と、を備えている。塵埃管路９２０の先端には、床面上の塵埃を広い範囲で吸引するために、塵埃管路９２０よりも幅広の吸込ノズル９３０が取り付けられている。

【0003】

吸込ノズル９３０は、図１６に示すように、幅広のノズルケース９３１と、ノズルケース９３１によって片持ち支持されて、床面上の塵埃を掻き取る一対の掻取ローラ９５１，９５２と、を備えている。

【0004】

ノズルケース９３１は、前方に開口した略Ｃ型のケース本体９３２と、ケース本体９３２によって囲まれた吸込空間９４０を上側及び前側から塞ぐカバー部材９３３と、を有している。ケース本体９３２とカバー部材９３３とによって囲まれた吸込空間９４０は、床面上の塵埃を吸い上げるために設けられており、吸込空間９４０内には、床面上の塵埃を掻き取る左右一対の掻取ローラ９５１，９５２が対向配置されている。一対の掻取ローラ９５１，９５２を回転駆動するために、駆動部がケース本体９３２内に設けられている。

【0005】

ケース本体９３２は、ノズルケース９３１の幅方向に細長い中央ケース部９３４と、中央ケース部９３４の左端から前方に突出した左ケース部９３５と、中央ケース部９３４の右端から前方に突出した右ケース部９３６と、を有している。

【0006】

ノズルケース９３１の幅方向における中央部分（すなわち、中央ケース部９３４の中央部分）には、塵埃管路９２０を吸込空間９４０と連通させる流路を形成する連通部９４１が設けられている。連通部９４１は、中央ケース部９３４内において前後方向に延びる流路部９４２と、流路部９４２の後端から更に後方に延設された連結管部９４３と、を有しており、連結管部９４３の後端に塵埃管路９２０が連結される。

【0007】

左ケース部９３５には、掻取ローラ９５１から突出した回転シャフトが取り付けられており、回転シャフトの基端部は、左ケース部９３５の内部で駆動部に接続されている。右ケース部９３６にも、掻取ローラ９５２から突出した回転シャフトが取り付けられており、この回転シャフトの基端部は、右ケース部９３６内で駆動部に接続されている。

【0008】

左側の掻取ローラ９５１は、吸込空間９４０内で、左ケース部９３５の近傍から右方に延び、掻取ローラ９５１の先端は、幅方向における吸込空間９４０の中央位置の近くに位置している。掻取ローラ９５１は、先端に向けて細くなるテーパ筒状のローラ本体９５３と、ローラ本体９５３の外周面上に設けられた複数のブラシ帯９５４と、を有している。

【0009】

右側の掻取ローラ９５２は、左側の掻取ローラ９５１と左右対称の構造を有している。左右の掻取ローラ９５１，９５２の先端面９５５間には、空間９５６が形成されている。空間９５６は、連通部９４１に対して前側に位置している。

【0010】

掃除機本体９１０の吸引源が吸引力を発生させている間、掻取ローラ９５１，９５２は、駆動部の駆動力によって、吸込空間９４０内で回転する。このとき、掻取ローラ９５１，９５２のブラシ帯９５４は、床面上の塵埃を掻き取る。掻き取られた塵埃は、吸込空間９４０内で吸い上げられて、連通部９４１の連結管部９４３に連結された塵埃管路９２０を通じて掃除機本体９１０内に流入する。

【0011】

掻取ローラ９５１，９５２には、毛髪といった長い塵埃が巻き付くことがあるが、掻取ローラ９５１，９５２のローラ本体９５３は、先端面９５５に向けて細くなるテーパ形状を有しているので、長い塵埃は、先端面９５５に向けて送り出される。先端面９５５に向けて送り出された塵埃は、掻取ローラ９５１，９５２の先端面９５５間の空間９５６を通じて掻取ローラ９５１，９５２から離脱する。その後、当該塵埃は、連通部９４１及び塵埃管路９２０を通じて掃除機本体９１０内に流入する。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0012】

【特許文献1】特開２０２１－２３７０９号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0013】

特許文献１の吸込ノズル９３０は、掻取ローラ９５１，９５２の先端面９５５間の空間９５６を通じて、これらの掻取ローラ９５１，９５２に巻き付いた塵埃を除去することを可能にしているが、当該空間９５６に塵埃が挟まった状態になることがある。この状態では、掻取ローラ９５１，９５２に巻き付いた塵埃の除去が促進されず、掻取ローラ９５１，９５２に巻き付いた塵埃の量が時間とともに増加し得る。

【0014】

本発明は、掻取ローラに巻き付いた塵埃の除去を更に促すように改善された吸込ノズル及び吸込ノズルを備えた掃除機を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0015】

本開示における吸込ノズルは、掃除機本体の吸引源が発生する吸引力により塵埃を吸引する塵埃管路に接続可能に構成されている。吸込ノズルは、塵埃を吸い込むための吸込空間を区画しているノズルケースと、吸込空間に開口した流路をノズルケースに形成するとともに塵埃管路に接続可能に構成された連通部と、駆動力を発生させる駆動部と、左右方向に間隔を空けて対向配置された先端を有しているとともに、駆動部の駆動力によって吸込空間内で回転しながら塵埃を掻き取りつつ、巻き付いた塵埃を先端に向けて送り出すように構成された一対の掻取ローラと、を備えている。一対の掻取ローラの先端は、一対の掻取ローラの軸に対して傾斜した傾斜面を含み、一対の掻取ローラが駆動部により回転しているときに、傾斜面間の空間の幅が流路の開口側において広く、開口とは反対側において狭くなった状態になることを許容する。

【0016】

本開示における掃除機は、上述の吸込ノズルと、塵埃を吸引する吸引力を発生する吸引源を内蔵した掃除機本体と、掃除機本体から延設されて、吸引源の吸引力により吸い込まれた塵埃が流れる塵埃管路と、を備えている。塵埃管路は、吸込ノズルに接続される。

【発明の効果】

【0017】

上述の吸込ノズル及び掃除機は、一対の掻取ローラの先端の傾斜面間の空間に挟まった塵埃の除去が促されるように構成されているので、掻取ローラの先端に向かう塵埃の移送が促進される。

【図面の簡単な説明】

【0018】

【図1】掃除機の概略的な側面図

【図2】掃除機の吸込ノズルの斜視図

【図3】吸込ノズルの分解斜視図

【図4】吸込ノズルの斜視図

【図5】吸込ノズルの掻取ローラの分解図

【図6】吸込ノズルの底面図

【図7】吸込ノズルの内部構造を表す図

【図8】掻取ローラに巻き付いた塵埃に作用する力を表す図

【図9】一対の掻取ローラ間の空間の形状を表す図

【図10】一対の掻取ローラ間の空間の形状を表す図

【図11】一対の掻取ローラ間の空間の形状を表す図

【図12】一対の掻取ローラ間の空間の形状を表す図

【図13】一対の掻取ローラ間の空間の形状を表す図

【図14】一対の掻取ローラ間の空間の形状を表す図

【図15】従来の掃除機の概略的な側面図

【図16】従来の掃除機の吸込ノズルの斜視図

【発明を実施するための形態】

【0019】

以下、図面を参照しながら、実施形態を詳細に説明するが、当業者の理解を容易にするために、例えば、既によく知られた事項の詳細説明、又は、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。

【0020】

（掃除機の構造）
掃除機１０１は、図１に示すように、掃除機本体１１０と、掃除機本体１１０から延設された塵埃管路１０３と、塵埃管路１０３の先端に取り付けられた吸込ノズル１００と、を備えている。掃除機本体１１０は、塵埃を吸引する吸引力を発生する吸引源１０２を内蔵しており、吸引源１０２の吸引力は、塵埃管路１０３を通じて、吸込ノズル１００に作用する。吸引源１０２の吸引力により吸い込まれた塵埃は、塵埃管路１０３を流れる。

【0021】

塵埃管路１０３は、掃除機本体１１０に接続された可撓性のホース１０５と、吸込ノズル１００に接続された先端管１０６と、ホース１０５と先端管１０６とに接続可能に構成された把持管１０７と、を含んでいる。把持管１０７は、ホース１０５の先端及び先端管１０６の基端に接続可能に形成された管部分１０８と、管部分１０８から分岐して、使用者によって把持可能に形成された棒状の把持部１０９と、を含んでいる。把持部１０９には、掃除機本体１１０及び吸込ノズル１００を作動させるために操作される操作部１０４が設けられている。

【0022】

（吸込ノズルの構造）
塵埃管路１０３によって形成される流路よりも左右方向に幅広の吸込領域を得るために、吸込ノズル１００が塵埃管路１０３の先端管１０６に取り付けられている。吸込ノズル１００は、図２に示すように、左右方向に幅広のノズルケース１２０と、ノズルケース１２０から後方に延設された連結管１３１を有している連通部１３０と、を備えている。連通部１３０の連結管１３１は、塵埃管路１０３に接続可能に構成されている。

【0023】

ノズルケース１２０は、図３に示すように、前方に開口した略Ｃ字形状のケース本体１２１と、ケース本体１２１に上側から取り付けられるカバー部材１２２と、を含んでいる。ケース本体１２１は、左右方向に長い中央ケース部１２３と、中央ケース部１２３の左端から前方に突出するように設けられた左ケース部１２４と、中央ケース部１２３の右端から前方に突出するように設けられた右ケース部１２５と、を含んでいる。カバー部材１２２は、中央ケース部１２３、左ケース部１２４及び右ケース部１２５によって囲まれた空間の上側及び前側を塞ぐように形成されている。カバー部材１２２、中央ケース部１２３、左ケース部１２４及び右ケース部１２５によって区画された空間を、以下の説明において、「吸込空間１２６」と称する。吸込空間１２６は、下方に開口しており、床面上の塵埃は、吸込空間１２６を通じて、掃除機本体１１０へ吸い込まれる。

【0024】

中央ケース部１２３の前壁１２７は、図４に示すように、吸込空間１２６の後端を区画しており、左右方向における前壁１２７の中央位置には、連通部１３０の開口１２８が形成されている。連通部１３０は、中央ケース部１２３において、開口１２８から後方に延びて連結管１３１に繋がる流路１３２を形成し、吸込空間１２６を塵埃管路１０３の内部空間と連通した状態にしている。連通部１３０は、吸込空間１２６の後側で構成されており、掃除機本体１１０の吸引源１０２が作動すると、吸引源１０２の吸引力により、吸込空間１２６内では連通部１３０に向けて後方に流れる吸込気流が発生する。

【0025】

吸込空間１２６内には、左右方向に長い一対の掻取ローラ１４１，１４２が、左右方向において間隔を空けて配置されている。これらの掻取ローラ１４１，１４２を軸支するために、左ケース部１２４及び右ケース部１２５において吸込空間１２６に臨む壁部には軸受部が設けられている。

【0026】

左側の掻取ローラ１４１は、右側の掻取ローラ１４２と左右対称の構造を有している。したがって、左側の掻取ローラ１４１のみについて、以下に説明する。

【0027】

掻取ローラ１４１は、図３に示すように、ローラ本体１４３と、ローラ本体１４３の外周面に取り付けられる複数のブラシ帯１４４と、を有している。また、掻取ローラ１４１は、図５に示すように、ローラ本体１４３の先端に取り付けられて掻取ローラ１４１の先端を形成する先端部材１４５を有している。

【0028】

ローラ本体１４３は、左右方向における吸込空間１２６の長さの半分よりも短い軸長を有している。ローラ本体１４３の基端からは、回転シャフト１５３が突出しており、回転シャフト１５３は、左ケース部１２４の壁部に設けられた上述の軸受部に嵌入される。この結果、掻取ローラ１４１は、基端側でノズルケース１２０により片持ち支持される。

【0029】

ローラ本体１４３は、基端から先端に向けて細くなるテーパ形状を有している。ローラ本体１４３の先端面には、先端部材１４５を取り付けるための取付穴部１４６が穿設されている。

【0030】

ローラ本体１４３の外周面には、複数の螺旋溝１４７が形成されている。これらの螺旋溝１４７は、ローラ本体１４３の周方向において間隔を空けて形成されている。これらの螺旋溝１４７には、ブラシ帯１４４が取り付けられる。ローラ本体１４３及びブラシ帯１４４は、掻取ローラ１４１の外周部を構成している。螺旋溝１４７の螺旋形状は、図４の矢印の方向に掻取ローラ１４１が回転したときに、螺旋溝１４７に取り付けられたブラシ帯１４４に接触した塵埃が掻取ローラ１４１の先端側へ送り出されるように設定されている。

【0031】

ブラシ帯１４４は、螺旋溝１４７に取り付けられたときにローラ本体１４３の外周面から突出し、掻取ローラ１４２が回転すると床面に擦れる。ブラシ帯１４４は、床面に擦れたときに床面を傷つけない程度の柔らかさを有している。なお、ローラ本体１４３の外周面からのブラシ帯１４４の突出量は、ローラ本体１４３の全長に亘って略一定になっている。

【0032】

先端部材１４５は、ローラ本体１４３の取付穴部１４６と相補的な形状を有している嵌入部１４８と、嵌入部１４８よりも大きな径の先端片１５１と、を含んでいる。嵌入部１４８が取付穴部１４６に嵌入されると、先端部材１４５は、ローラ本体１４３の先端に固定される。先端片１５１において嵌入部１４８と反対側の面は、掻取ローラ１４１の先端を形成しており、掻取ローラ１４１の軸に対して傾斜した傾斜面１４９になっている。

【0033】

掻取ローラ１４１の前側の空間は、図４に示すように、後側の空間よりも連通部１３０の開口１２８から離れており、掃除機本体１１０の吸引源１０２の吸引力が作用しにくい。掻取ローラ１４１の前側の空間が広ければ広いほど、前側の空間に作用する吸引力が小さくなるので、掻取ローラ１４１の前側の空間は、狭くなっていることが好ましい。本実施形態では、ローラ本体１４３がテーパ形状を有しているので、掻取ローラ１４１は、掻取ローラ１４１の外周部がノズルケース１２０の前側部分（すなわち、カバー部材１２２の内面）に沿うように傾斜した姿勢で保持されている。すなわち、掻取ローラ１４１は、図６に示すように、掻取ローラ１４１の前側においてローラ本体１４３の長手方向に沿って一様な空間幅が得られるように、掻取ローラ１４１の基端から先端に向けて前方に傾斜した姿勢で、左ケース部１２４に取り付けられている。また、ブラシ帯１４４がローラ本体１４３の長手方向に亘って一様に床面に接触するように、掻取ローラ１４１は、ローラ本体１４３のテーパ形状に合わせて下方に傾斜した姿勢で保持されている。

【0034】

掻取ローラ１４１，１４２の先端の傾斜面１４９は、左右方向に間隔を空けて互いに対向している。これらの傾斜面１４９の間には、空間１５２が形成されている。空間１５２は、連通部１３０の開口１２８の前側に形成されている。当該空間１５２は、掻取ローラ１４１に巻き付いた塵埃を除去するために利用される。

【0035】

掻取ローラ１４１，１４２を駆動するために、図７に示すように、ケース本体１２１内には、駆動部１６０が設けられている。駆動部１６０は、ケース本体１２１の内部空間において左側部分に設けられた駆動機構１６１と、右側部分に設けられた駆動機構１６２と、を含んでいる。駆動機構１６１は、左側の掻取ローラ１４１を駆動するために設けられており、駆動機構１６２は、右側の掻取ローラ１４２を駆動するために設けられている。すなわち、駆動部１６０は、駆動機構１６１，１６２を用いて、一対の掻取ローラ１４１，１４２を個別に回転駆動するように構成されている。左側の駆動機構１６１は、右側の駆動機構１６２と左右対称の構造を有しているので、左側の駆動機構１６１についてのみ説明する。

【0036】

駆動機構１６１は、掻取ローラ１４１を回転させる駆動力を発生するモータ１６３と、駆動力を回転シャフト１５３に伝達する駆動ベルト１６９と、を含んでいる。モータ１６３は、中央ケース部１２３内に配置されたモータ本体１６４と、モータ本体１６４から左ケース部１２４に向けて突出したモータシャフト１６５と、を含んでいる。モータシャフト１６５と掻取ローラ１４１に設けられた回転シャフト１５３とには、プーリが取り付けられており、これらのプーリに駆動ベルト１６９が左ケース部１２４内において掛け回されている。

【0037】

モータ本体１６４の下側には、制御基板１６８が配置されており、制御基板１６８は、モータ１６３と、把持管１０７に設けられた操作部１０４と、に電気的に接続されている。制御基板１６８は、操作部１０４に対する操作に応じて、モータ１６３を作動させたり、停止させたりするように構成されている。

【0038】

駆動機構１６１，１６２のモータ１６３によって、掻取ローラ１４１，１４２は、個別に駆動される。モータ１６３は、掻取ローラ１４１，１４２にかかる負荷が増大すれば、モータシャフト１６５の回転速度を下げるように構成されている。したがって、掻取ローラ１４１にかかる負荷が掻取ローラ１４２にかかる負荷よりも高くなれば、掻取ローラ１４１の回転速度は、掻取ローラ１４２の回転速度よりも低くなる。

【0039】

（掃除機の動作）
使用者が操作部１０４を操作すると、掃除機本体１１０に内蔵された吸引源１０２及び吸込ノズル１００に設けられたモータ１６３が作動する。吸引源１０２が作動すると、吸引源１０２の吸引力は、塵埃管路１０３及び連通部１３０を通じて、吸込空間１２６に作用する。この結果、床面上の塵埃は、吸込空間１２６、連通部１３０及び塵埃管路１０３を通じて、掃除機本体１１０に流入する。

【0040】

塵埃が上述の如く吸い込まれている間、吸込空間１２６内では、掻取ローラ１４１，１４２は、モータ１６３の駆動力によって、吸込空間１２６内で回転駆動されている。掻取ローラ１４１，１４２が回転することにより、ブラシ帯１４４が床面に擦れる。この結果、床面に付着した塵埃は、ブラシ帯１４４によって掻き取られる。

【0041】

掻取ローラ１４１，１４２が床面上の塵埃を掻き取っているとき、図８に示すように、長い塵埃（たとえば、毛髪）が掻取ローラ１４１，１４２に巻き付くことがある。掻取ローラ１４１，１４２は、先端に向けて細くなるテーパ形状を有しているので、長い塵埃の巻き付き力の分力は、掻取ローラ１４１，１４２の先端側に向きやすい。したがって、掻取ローラ１４１，１４２に巻き付いた長い塵埃を掻取ローラ１４１，１４２の先端に向けて移動させることができる。

【0042】

掻取ローラ１４１，１４２の先端に向けて移動した塵埃は、掻取ローラ１４１，１４２の傾斜面１４９間の空間１５２を通じて、これらの掻取ローラ１４１，１４２から離脱し得る。掻取ローラ１４１，１４２から離脱した塵埃は、吸引源１０２の吸引力により、空間１５２の後方の連通部１３０に吸い込まれる。

【0043】

掻取ローラ１４１，１４２に巻き付いた塵埃は、上述の如く、空間１５２を通じて、これらの掻取ローラ１４１，１４２から除去可能であるが、空間１５２において塵埃が挟まった状態が生じ得る。空間１５２に塵埃が挟まった状態になると、掻取ローラ１４１，１４２の先端方向への塵埃の移送が滞り、掻取ローラ１４１，１４２に巻き付いた状態になっている塵埃の量が増える。このような状態では、掻取ローラ１４１，１４２にかかる負荷が高くなったり、掻取ローラ１４１，１４２の掻取能力が低下したりする。このため、空間１５２に挟まった塵埃の除去を促すように、掻取ローラ１４１，１４２の傾斜面１４９は、掻取ローラ１４１，１４２の軸に対して傾斜している。

【0044】

掻取ローラ１４１，１４２の軸に対して傾斜した傾斜面１４９が掻取ローラ１４１，１４２の先端に設けられることにより、空間１５２には、空間１５２の幅が大きくなっている幅広部分と、空間１５２の幅が狭くなっている幅狭部分と、ができる。連通部１３０の開口１２８に対する幅広部分及び幅狭部分の相対的な位置は、掻取ローラ１４１，１４２の回転により変化する。

【0045】

たとえば、掻取ローラ１４１，１４２が、図９に示す回転位置にあるとき、傾斜面１４９間の空間１５２の幅は、連通部１３０の開口１２８側において狭く、開口１２８とは反対側において広くなる。すなわち、傾斜面１４９間の空間１５２の幅は、後方（すなわち、吸込空間１２６内の吸込気流の方向）に向けて狭くなる。この場合、空間１５２に挟まった塵埃は、吸引源１０２の吸引力により後方に吸われても、傾斜面１４９に引っ掛かり、空間１５２から離脱しにくい。

【0046】

掻取ローラ１４１，１４２が、図９に示す回転位置から１８０°だけ回転すれば、図１０に示す状態になる。この状態では、空間１５２の幅は、連通部１３０の開口１２８側において広く、開口１２８とは反対側において狭くなる。すなわち、空間１５２の幅は、後方（すなわち、吸込空間１２６内の吸込気流の方向）に向けて拡がる。このため、塵埃が吸引源１０２の吸引力を受けると、傾斜面１４９に引っ掛かることなく後方に離脱することができる。この結果、空間１５２に塵埃が挟まった状態は、短期間で解消され得、掻取ローラ１４１，１４２の先端方向への塵埃の移送が促進される。

【0047】

掻取ローラ１４１，１４２の回転速度は、これらの掻取ローラ１４１，１４２にかかる負荷に応じて個別に変化し得る。したがって、掻取ローラ１４１，１４２の回転位相の関係は、これらの掻取ローラ１４１，１４２にかかる負荷によって変化し得る。たとえば、図９及び図１０では、掻取ローラ１４１，１４２の回転位相は、互いに一致した状態であるが、掻取ローラ１４１が掻取ローラ１４２よりも高い負荷を受ければ、掻取ローラ１４１の回転位相は、掻取ローラ１４２の回転位相から遅れ得る。

【0048】

たとえば、掻取ローラ１４１の回転位相が、図９に示す状態から、掻取ローラ１４２の回転位相に対して９０°だけずれた状態を図１１に示す。図９に示す状態では、掻取ローラ１４１の傾斜面１４９において最も先端側にある点Ｐは、掻取ローラ１４２の傾斜面１４９において最も先端側にある点Ｑと左右方向において対向する位置にあり、点Ｐ－Ｑ間において、空間１５２の幅は最も狭くなっている。掻取ローラ１４１，１４２の回転位相の相対的関係が図９に示す状態から図１１に示す状態に変わると、点Ｐ又は点Ｑに対応する位置における空間１５２間の幅は、図９に示す点Ｐ－Ｑ間の幅よりも大きくなる。この結果、空間１５２からの塵埃の除去が促される。

【0049】

上述の実施形態では、掻取ローラ１４１，１４２の先端面の全体が傾斜面１４９により構成されている。代替的に、図１２に示すように、掻取ローラ１４１，１４２の先端面の一部が傾斜面１４９により構成されていてもよい。この場合、先端面において傾斜面１４９以外の部分は、掻取ローラ１４１，１４２の軸に対して直角な面１７１になっていてもよい。この面１７１間に挟まった塵埃は、傾斜面１４９間に挟まった塵埃よりも除去されにくいが、掻取ローラ１４１，１４２間の回転位相の相対的関係が変化することにより除去可能である。

【0050】

上述の実施形態では、傾斜面１４９を構成する先端部材１４５の先端片１５１は、板状であり、傾斜面１４９は平坦である。代替的に、図１３に示すように、先端片１５１は、錘状に形成されていてもよい。この場合、傾斜面１４９は、先端片１５１の周面により形成される。

【0051】

図１３に示す錘状の先端片１５１の頂部は、掻取ローラ１４１，１４２の軸上に形成されているが、好ましくは、図１４に示すように、先端片１５１の頂部は、掻取ローラ１４１，１４２の軸に対して偏心した位置に設けられる。先端片１５１の頂部が掻取ローラ１４１，１４２の軸上に形成されている場合、掻取ローラ１４１，１４２の先端片１５１の頂部間の位置関係は、掻取ローラ１４１，１４２の回転位相によらず一定である。これに対して、先端片１５１の頂部が掻取ローラ１４１，１４２の軸から偏心していれば、掻取ローラ１４１，１４２の先端片１５１の頂部間の位置関係は、掻取ローラ１４１，１４２の回転位相の相対的変化により変わる。したがって、空間１５２において最も狭くなっている部分の位置は、掻取ローラ１４１，１４２の回転位相の相対的関係の変化により変わる。この結果、掻取ローラ１４１，１４２の回転位相の相対的関係の変化前において最も狭くなっていた空間１５２の部分は、掻取ローラ１４１，１４２の回転位相の相対的関係の変化後に広くなり、当該部分に挟まっていた塵埃の除去が促される。

【0052】

上述の如く、先端片１５１の形状を変えることにより、空間１５２を様々な形状にすることができる。上述の実施形態では、先端片１５１を有している先端部材１４５は、ローラ本体１４３とは別体に形成されているので、先端部材１４５を設計変更することにより、ローラ本体１４３を設計変更することなく、空間１５２を所望の形状にすることができる。なお、空間１５２の形状を変更する必要がなければ、ローラ本体１４３及び先端部材１４５が１つの部材として一体化された構造が採用されてもよい。

【0053】

上述の実施形態では、掻取ローラ１４１，１４２は、駆動機構１６１，１６２のモータ１６３によって個別に回転駆動されている。代替的に、掻取ローラ１４１，１４２は、共通のモータによって駆動されてもよい。この場合、掻取ローラ１４１，１４２の回転位相が互いに一致した状態（すなわち、図９又は図１０に示される状態）で、共通のモータに連結されてもよい。このような状態で掻取ローラ１４１，１４２が回転すれば、空間１５２の幅が後方に拡がった状態が周期的に得られる。

【0054】

上述の実施形態では、空間１５２及び連通部１３０の開口１２８は、前後方向に対向している。代替的に、吸引源１０２からの吸引力が空間１５２に挟まった塵埃を空間１５２から離脱させるように作用する限り、空間１５２が開口１２８に対して左側又は右側にずれた位置に形成されていてもよい。

【0055】

上述の実施形態では、吸込ノズル１００は、キャニスター型の掃除機１０１に用いられている。代替的に、吸込ノズル１００は、スティック型の掃除機又はハンディ型の掃除機に用いられてもよい。

【0056】

（効果等）
上述の実施形態に係る吸込ノズル１００は、以下の特徴を有しているとともに、以下の効果を奏する。

【0057】

上述の実施形態に係る一の局面に係る吸込ノズルは、掃除機本体の吸引源が発生する吸引力により塵埃を吸引する塵埃管路に接続可能に構成されている。吸込ノズルは、吸込ノズルは、塵埃を吸い込むための吸込空間を区画しているノズルケースと、吸込空間に開口した流路をノズルケースに形成するとともに塵埃管路に接続可能に構成された連通部と、駆動力を発生させる駆動部と、左右方向に間隔を空けて対向配置された先端を有しているとともに、駆動部の駆動力によって吸込空間内で回転しながら塵埃を掻き取りつつ、巻き付いた塵埃を先端に向けて送り出すように構成された一対の掻取ローラと、を備えている。一対の掻取ローラの先端は、一対の掻取ローラの軸に対して傾斜した傾斜面を含み、一対の掻取ローラが駆動部により回転しているときに、傾斜面間の空間の幅が流路の開口側において広く、開口とは反対側において狭くなった状態になることを許容する。

【0058】

上述の構成では、駆動部が一対の掻取ローラを回転駆動すると、これらの掻取ローラは塵埃を掻き取る。この間、長い塵埃が掻取ローラに巻き付くことがあるが、掻取ローラに巻き付いた塵埃は、一対の掻取ローラの先端に向けて送り出される。このとき、塵埃の塊が一対の掻取ローラの先端間の空間に挟まることが生じ得る。この空間に挟まった塵埃の塊は、連通部を通じて吸込空間に作用する吸引源の吸引力により吸引される。この吸引力により、塵埃の塊が先端間の空間から離脱できるように、一対の掻取ローラの先端は、一対の掻取ローラの軸に対して傾斜した傾斜面を含んでいる。傾斜面の間の空間は、一対の掻取ローラの回転の間に、連通部によって形成された流路の開口側において狭く、この開口とは反対側において広くなった状態になり得るが、この状態から一対の掻取ローラが１８０°だけ回転すれば、傾斜面間の空間の幅は、流路の開口側において広くなった状態になる。この状態では、傾斜面間の空間に挟まった塵埃の塊は、一対の掻取ローラの傾斜面に邪魔されることなく、当該空間から離脱し、連通部及び塵埃管路を通じて掃除機本体に吸い込まれる。

【0059】

上述の構成において、駆動部は、一対の掻取ローラを個別に回転駆動して、一対の掻取ローラのうち一方の掻取ローラの回転位相が他方の掻取ローラの回転位相に対して遅れることを許容するように構成されていてもよい。傾斜面間の最も幅狭になる位置は、一対の掻取ローラの回転位相の相対的関係の変化によって変わってもよい。

【0060】

上述の構成では、傾斜面は、掻取ローラの軸に対して傾斜しているので、傾斜面間の空間において幅狭になる部分と幅広になる部分とが生ずる。一対の掻取ローラの回転位相が所定の関係になっている場合において最も幅狭になっている部分に挟まった塵埃は、吸引源の吸引力が作用しても除去されにくい。しかしながら、一対の掻取ローラの回転位相の相対的関係が変われば、最も幅狭になっている部分の位置が変わる。すなわち、回転位相の相対的関係の変化の前において最も幅狭になっていた部分の空間幅は大きくなり、当該部分に挟まっていた塵埃は、吸引源の吸引力により除去されやすくなる。

【0061】

上述の構成において、駆動部は、一方の掻取ローラに対する負荷が他方の掻取ローラに対する負荷が高くなった場合に、一方の掻取ローラの回転位相が他方の掻取ローラの回転位相に対して遅れることを許容するように構成されていてもよい。

【0062】

上述の構成では、一方の掻取ローラに対する負荷が他方の掻取ローラに対する負荷が高くなった場合には、一方の掻取ローラの回転位相が他方の掻取ローラの回転位相に対して遅れることが許容されるので、掻取ローラ及び駆動部に無理な負荷が加わりにくくなる。

【0063】

上述の構成において、一対の掻取ローラは、傾斜面間の空間が流路の開口と対向するように構成されていてもよい。

【0064】

上述の構成では、傾斜面間の空間が流路の開口と対向しているので、傾斜面間の空間が流路の開口側において広く、流路の開口とは反対側において狭くなった状態になったときにおいて、当該空間内の塵埃は、流路に吸い込まれやすくなる。

【0065】

上述の構成において、一対の掻取ローラそれぞれは、先端に向けて細くなるテーパ形状を有していてもよい。ノズルケースは、流路の開口とは反対側において一対の掻取ローラの外周部がノズルケースの内面に沿うように一対の掻取ローラを傾斜した姿勢で保持するように構成されていてもよい。

【0066】

上述の構成では、一対の掻取ローラそれぞれが、先端に向けて細くなるテーパ形状を有することにより、これらの掻取ローラに巻き付いた塵埃を先端側に移動させることが可能になる。一対の掻取ローラがテーパ形状を有していても、これらの掻取ローラを傾斜した姿勢で保持することにより、これらの掻取ローラの外周部をノズルケースの内面に沿わせることができる。これにより、流路の開口とは反対側において、掻取ローラの外周部とノズルケースの内面との間に過度に広い空間が形成されることが防止され、掻取ローラの長手方向において塵埃の吸込能力が過度に低くなった部分が発生することを抑制可能になる。

【0067】

このように掻取ローラが傾斜した姿勢で配置された場合において、仮に、掻取ローラの先端が掻取ローラの軸に対して直角な面で構成されれば、一対の掻取ローラの先端間の空間は、流路の開口に向けて狭まる形状を有する。この場合には、これらの掻取ローラの先端間に挟まった塵埃は、掻取ローラの先端面に引っ掛かり、掻取ローラの先端間の空間から除去されにくい。一方、一対の掻取ローラの先端が上述の傾斜面を含んでいれば、傾斜面間の空間が流路の開口に向けて拡がった状態を得ることが可能になり、傾斜面間からの塵埃の除去が促進される。

【0068】

上述の構成において、一対の掻取ローラそれぞれは、左右方向に延びるローラ本体と、ローラ本体とは別体に設けられて、ローラ本体の先端に取り付け可能に構成された先端部材と、を有していてもよい。傾斜面は、先端部材に形成されていてもよい。

【0069】

上述の構成では、傾斜面は、ローラ本体ではなく、ローラ本体とは別体に設けられた先端部材に形成されている。先端部材がローラ本体に取り付けられれば、掻取ローラの先端に傾斜面を設けることができる。このように、傾斜面をローラ本体とは別体に設けられた先端部材に形成することにより、ローラ本体自体の形状を変更しなくても、先端部材の形状を変更するだけで、傾斜面間の空間の形状を変更可能になる。したがって、掻取ローラの設計変更が容易になる。

【0070】

上述の実施形態に係る一の局面に係る掃除機は、上述の吸込ノズルと、塵埃を吸引する吸引力を発生する吸引源を内蔵した掃除機本体と、掃除機本体から延設されて、吸引源の吸引力により吸い込まれた塵埃が流れる塵埃管路と、を備えている。塵埃管路は、吸込ノズルに接続される。

【産業上の利用可能性】

【0071】

本実施形態の原理は、清掃作業に用いられる装置に好適に利用される。

【符号の説明】

【0072】

１００・・・・・吸込ノズル
１０１・・・・・掃除機
１０２・・・・・吸引源
１０３・・・・・塵埃管路
１１０・・・・・掃除機本体
１２０・・・・・ノズルケース
１２６・・・・・吸込空間
１２８・・・・・開口
１３０・・・・・連通部
１３２・・・・・流路
１４１・・・・・掻取ローラ
１４２・・・・・掻取ローラ
１４３・・・・・ローラ本体
１４５・・・・・先端部材
１４９・・・・・傾斜面
１５２・・・・・空間
１６０・・・・・駆動部

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】