(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023030892
(43)【公開日】2023-03-08
(54)【発明の名称】力判定装置、方法、プログラムおよび記録媒体
(51)【国際特許分類】
A63B 60/46 20150101AFI20230301BHJP
A63B 69/36 20060101ALI20230301BHJP
【FI】
A63B60/46
A63B69/36 541P
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021136287
(22)【出願日】2021-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】390005175
【氏名又は名称】株式会社アドバンテスト
(74)【代理人】
【識別番号】100097490
【弁理士】
【氏名又は名称】細田 益稔
(74)【代理人】
【識別番号】100113354
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 総
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 周作
(57)【要約】
【課題】スイング中のゴルフクラブのシャフトに加わる力を判定する。
【解決手段】力判定装置1は、スイング中のゴルフクラブ2におけるシャフト2bの第一方向Hおよび第二方向Vの歪みH1、H2、V1、V2を、歪みを測定した時点t1、t2ごとに記録する歪み記録部14と、ある時点t1の歪みと、別の時点t2の歪みとの差分ΔH2、ΔV2を導出する歪み差分導出部16と、差分ΔH2、ΔV2に基づき、ゴルフクラブ2のシャフト2bに加わる力を判定する力判定部18とを備える。ただし、第一方向Hが、ゴルフクラブ2のスイングによってゴルフボール4を飛ばす方向である。第二方向Vが、第一方向Hとシャフト2bとに直交する方向である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイング中のゴルフクラブにおけるシャフトの第一方向の歪みを、該歪みを測定した時点ごとに記録する歪み記録部と、
ある時点の前記歪みと、別の時点の前記歪みとの差分を導出する歪み差分導出部と、
前記差分に基づき、前記ゴルフクラブのシャフトに加わる力を判定する力判定部と、
を備え、
前記第一方向が、前記ゴルフクラブのスイングによってゴルフボールを飛ばす方向である、
力判定装置。
【請求項2】
スイング中のゴルフクラブにおけるシャフトの第二方向の歪みを、該歪みを測定した時点ごとに記録する歪み記録部と、
ある時点の前記歪みと、別の時点の前記歪みとの差分を導出する歪み差分導出部と、
前記差分に基づき、前記ゴルフクラブのシャフトに加わる力を判定する力判定部と、
を備え、
前記第二方向が、前記ゴルフクラブのスイングによってゴルフボールを飛ばす方向と前記シャフトとに直交する方向である、
力判定装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の力判定装置であって、
前記力判定部は、前記差分の大きさが大きい程、前記ゴルフクラブのシャフトに加わる力が大きいと判定する、
力判定装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の力判定装置であって、
前記歪みが、所定のサンプリング周期で記録され、
前記ある時点と前記別の時点との差が、前記サンプリング周期である、
力判定装置。
【請求項5】
スイング中のゴルフクラブにおけるシャフトの第一方向の歪みを、該歪みを測定した時点ごとに記録する歪み記録工程と、
ある時点の前記歪みと、別の時点の前記歪みとの差分を導出する歪み差分導出工程と、
前記差分に基づき、前記ゴルフクラブのシャフトに加わる力を判定する力判定工程と、
を備え、
前記第一方向が、前記ゴルフクラブのスイングによってゴルフボールを飛ばす方向である、
力判定方法。
【請求項6】
スイング中のゴルフクラブにおけるシャフトの第二方向の歪みを、該歪みを測定した時点ごとに記録する歪み記録工程と、
ある時点の前記歪みと、別の時点の前記歪みとの差分を導出する歪み差分導出工程と、
前記差分に基づき、前記ゴルフクラブのシャフトに加わる力を判定する力判定工程と、
を備え、
前記第二方向が、前記ゴルフクラブのスイングによってゴルフボールを飛ばす方向と前記シャフトとに直交する方向である、
力判定方法。
【請求項7】
力判定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記力判定処理が、
スイング中のゴルフクラブにおけるシャフトの第一方向の歪みを、該歪みを測定した時点ごとに記録する歪み記録工程と、
ある時点の前記歪みと、別の時点の前記歪みとの差分を導出する歪み差分導出工程と、
前記差分に基づき、前記ゴルフクラブのシャフトに加わる力を判定する力判定工程と、
を備え、
前記第一方向が、前記ゴルフクラブのスイングによってゴルフボールを飛ばす方向である、
プログラム。
【請求項8】
力判定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記力判定処理が、
スイング中のゴルフクラブにおけるシャフトの第二方向の歪みを、該歪みを測定した時点ごとに記録する歪み記録工程と、
ある時点の前記歪みと、別の時点の前記歪みとの差分を導出する歪み差分導出工程と、
前記差分に基づき、前記ゴルフクラブのシャフトに加わる力を判定する力判定工程と、
を備え、
前記第二方向が、前記ゴルフクラブのスイングによってゴルフボールを飛ばす方向と前記シャフトとに直交する方向である、
プログラム。
【請求項9】
力判定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体であって、
前記力判定処理が、
スイング中のゴルフクラブにおけるシャフトの第一方向の歪みを、該歪みを測定した時点ごとに記録する歪み記録工程と、
ある時点の前記歪みと、別の時点の前記歪みとの差分を導出する歪み差分導出工程と、
前記差分に基づき、前記ゴルフクラブのシャフトに加わる力を判定する力判定工程と、
を備え、
前記第一方向が、前記ゴルフクラブのスイングによってゴルフボールを飛ばす方向である、
記録媒体。
【請求項10】
力判定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体であって、
前記力判定処理が、
スイング中のゴルフクラブにおけるシャフトの第二方向の歪みを、該歪みを測定した時点ごとに記録する歪み記録工程と、
ある時点の前記歪みと、別の時点の前記歪みとの差分を導出する歪み差分導出工程と、
前記差分に基づき、前記ゴルフクラブのシャフトに加わる力を判定する力判定工程と、
を備え、
前記第二方向が、前記ゴルフクラブのスイングによってゴルフボールを飛ばす方向と前記シャフトとに直交する方向である、
記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイング中のゴルフクラブのシャフトに加わる力の判定に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ゴルフクラブのスイング動作を分析する装置が知られている(例えば、特許文献1の要約を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、スイング中のゴルフクラブのシャフトに加わる力(例えば、力の大小)を正確に判定できれば、ゴルフの練習およびゴルフクラブの開発に有益である。
【0005】
そこで、本発明は、スイング中のゴルフクラブのシャフトに加わる力の判定を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる第一の力判定装置は、スイング中のゴルフクラブにおけるシャフトの第一方向の歪みを、該歪みを測定した時点ごとに記録する歪み記録部と、ある時点の前記歪みと、別の時点の前記歪みとの差分を導出する歪み差分導出部と、前記差分に基づき、前記ゴルフクラブのシャフトに加わる力を判定する力判定部とを備え、前記第一方向が、前記ゴルフクラブのスイングによってゴルフボールを飛ばす方向であるように構成される。
【0007】
上記のように構成された第一の力判定装置によれば、歪み記録部が、スイング中のゴルフクラブにおけるシャフトの第一方向の歪みを、該歪みを測定した時点ごとに記録する。歪み差分導出部が、ある時点の前記歪みと、別の時点の前記歪みとの差分を導出する。力判定部が、前記差分に基づき、前記ゴルフクラブのシャフトに加わる力を判定する。前記第一方向が、前記ゴルフクラブのスイングによってゴルフボールを飛ばす方向である。
【0008】
本発明にかかる第二の力判定装置は、スイング中のゴルフクラブにおけるシャフトの第二方向の歪みを、該歪みを測定した時点ごとに記録する歪み記録部と、ある時点の前記歪みと、別の時点の前記歪みとの差分を導出する歪み差分導出部と、前記差分に基づき、前記ゴルフクラブのシャフトに加わる力を判定する力判定部とを備え、前記第二方向が、前記ゴルフクラブのスイングによってゴルフボールを飛ばす方向と前記シャフトとに直交する方向であるように構成される。
【0009】
上記のように構成された第二の力判定装置によれば、歪み記録部が、スイング中のゴルフクラブにおけるシャフトの第二方向の歪みを、該歪みを測定した時点ごとに記録する。歪み差分導出部が、ある時点の前記歪みと、別の時点の前記歪みとの差分を導出する。力判定部が、前記差分に基づき、前記ゴルフクラブのシャフトに加わる力を判定する。前記第二方向が、前記ゴルフクラブのスイングによってゴルフボールを飛ばす方向と前記シャフトとに直交する方向である。
【0010】
なお、本発明にかかる第一および第二の力判定装置は、前記力判定部は、前記差分の大きさが大きい程、前記ゴルフクラブのシャフトに加わる力が大きいと判定するようにしてもよい。
【0011】
なお、本発明にかかる第一および第二の力判定装置は、前記歪みが、所定のサンプリング周期で記録され、前記ある時点と前記別の時点との差が、前記サンプリング周期であるようにしてもよい。
【0012】
本発明は、スイング中のゴルフクラブにおけるシャフトの第一方向の歪みを、該歪みを測定した時点ごとに記録する歪み記録工程と、ある時点の前記歪みと、別の時点の前記歪みとの差分を導出する歪み差分導出工程と、前記差分に基づき、前記ゴルフクラブのシャフトに加わる力を判定する力判定工程とを備え、前記第一方向が、前記ゴルフクラブのスイングによってゴルフボールを飛ばす方向である力判定方法である。
【0013】
本発明は、スイング中のゴルフクラブにおけるシャフトの第二方向の歪みを、該歪みを測定した時点ごとに記録する歪み記録工程と、ある時点の前記歪みと、別の時点の前記歪みとの差分を導出する歪み差分導出工程と、前記差分に基づき、前記ゴルフクラブのシャフトに加わる力を判定する力判定工程とを備え、前記第二方向が、前記ゴルフクラブのスイングによってゴルフボールを飛ばす方向と前記シャフトとに直交する方向である力判定方法である。
【0014】
本発明は、力判定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記力判定処理が、スイング中のゴルフクラブにおけるシャフトの第一方向の歪みを、該歪みを測定した時点ごとに記録する歪み記録工程と、ある時点の前記歪みと、別の時点の前記歪みとの差分を導出する歪み差分導出工程と、前記差分に基づき、前記ゴルフクラブのシャフトに加わる力を判定する力判定工程とを備え、前記第一方向が、前記ゴルフクラブのスイングによってゴルフボールを飛ばす方向であるプログラムである。
【0015】
本発明は、力判定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記力判定処理が、スイング中のゴルフクラブにおけるシャフトの第二方向の歪みを、該歪みを測定した時点ごとに記録する歪み記録工程と、ある時点の前記歪みと、別の時点の前記歪みとの差分を導出する歪み差分導出工程と、前記差分に基づき、前記ゴルフクラブのシャフトに加わる力を判定する力判定工程とを備え、前記第二方向が、前記ゴルフクラブのスイングによってゴルフボールを飛ばす方向と前記シャフトとに直交する方向であるプログラムである。
【0016】
本発明は、力判定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体であって、前記力判定処理が、スイング中のゴルフクラブにおけるシャフトの第一方向の歪みを、該歪みを測定した時点ごとに記録する歪み記録工程と、ある時点の前記歪みと、別の時点の前記歪みとの差分を導出する歪み差分導出工程と、前記差分に基づき、前記ゴルフクラブのシャフトに加わる力を判定する力判定工程とを備え、前記第一方向が、前記ゴルフクラブのスイングによってゴルフボールを飛ばす方向である記録媒体である。
【0017】
本発明は、力判定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体であって、前記力判定処理が、スイング中のゴルフクラブにおけるシャフトの第二方向の歪みを、該歪みを測定した時点ごとに記録する歪み記録工程と、ある時点の前記歪みと、別の時点の前記歪みとの差分を導出する歪み差分導出工程と、前記差分に基づき、前記ゴルフクラブのシャフトに加わる力を判定する力判定工程とを備え、前記第二方向が、前記ゴルフクラブのスイングによってゴルフボールを飛ばす方向と前記シャフトとに直交する方向である記録媒体である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態にかかる力判定装置1の構成を示す機能ブロック図である。
【
図4】歪み記録部14の記録内容を示す図であり、第一方向Hの歪みを記録した内容(
図4(a))、第二方向Vの歪みを記録した内容(
図4(b))を示す。
【
図5】歪み差分導出部16の導出結果を示す図であり、第一方向Hの歪みに基づく導出結果(
図5(a))、第二方向Vの歪みに基づく導出結果(
図5(b))を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施形態にかかる力判定装置1の構成を示す機能ブロック図である。本発明の実施形態にかかる力判定装置1は、歪み測定結果受信部12、歪み記録部14、歪み差分導出部16、力判定部18を備える。
【0021】
歪み測定結果受信部12は、歪み測定結果送信器8から送信された、歪みの測定結果を受信する。歪み測定結果送信器8は、ゴルフクラブ2のシャフト2bに取り付けられている。
【0022】
図2は、ゴルフクラブ2の正面図である。ゴルフクラブ2は、ヘッド2a、シャフト2b、グリップ2cを有する。ただし、
図2においては、グリップ2cを握る者(プレーヤー)の手は図示省略する。ヘッド2aの前方にはゴルフボール4が置かれている。ヘッド2aは、シャフト2bを介して、グリップ2cに接続されている。プレーヤーは、グリップ2cを握り、ゴルフクラブ2をスイングさせ、ヘッド2aをゴルフボール4に当てて、ゴルフボール4を飛ばす。
【0023】
第一方向Hは、ゴルフクラブ2のスイングによってゴルフボール4を飛ばす方向である。第二方向Vは、ゴルフクラブ2のスイングによってゴルフボールを飛ばす方向(すなわち、第一方向H)とシャフト2bとに直交する方向である。
【0024】
図3は、シャフト2bの断面図である。シャフト2bには、歪みゲージ9H、9Vが取り付けられている。シャフト2bの断面は円形であり、その円の中心(図示省略)を通って第一方向Hに延伸する直線(H軸)とシャフト2bの外周との交点(シャフト2bの外周における最も右の点)近傍に、歪みゲージ9Hが配置されている。シャフト2bの断面は円形であり、その円の中心(図示省略)を通って第一方向Hと直交する方向(図示省略)に延伸する直線とシャフト2bの外周との交点(シャフト2bの外周における最も下の点)近傍に、歪みゲージ9Vが配置されている。
【0025】
歪みゲージ9Hは、スイング中のゴルフクラブ2におけるシャフト2bの第一方向Hの歪みを、歪みを測定した時点t1、t2、t3、…ごとに測定する。
【0026】
歪みゲージ9Vは、スイング中のゴルフクラブ2におけるシャフト2bの第二方向Vの歪みを、歪みを測定した時点t1、t2、t3、…ごとに測定する。
【0027】
歪み測定結果送信器8は、歪みゲージ9Hおよび歪みゲージ9Vの測定結果を送信する。
【0028】
歪み記録部14は、歪み測定結果受信部12の受信結果を受けて記録する。すなわち、歪み記録部14は、スイング中のゴルフクラブ2におけるシャフト2bの第一方向Hおよび第二方向Vの歪みを、歪みを測定した時点t1、t2、t3、…ごとに記録する。
【0029】
なお、歪み記録部14は、第一方向Hまたは第二方向Vの歪みを記録するようにしてもよい。ただし、以下、歪み記録部14が、第一方向Hおよび第二方向Vの歪みを記録しているものとして説明する。
【0030】
図4は、歪み記録部14の記録内容を示す図であり、第一方向Hの歪みを記録した内容(
図4(a))、第二方向Vの歪みを記録した内容(
図4(b))を示す。
【0031】
図4(a)を参照して、歪み記録部14は、(t1、H1)、(t2、H2)、(t3、H3)を記録する。ただし、H1、H2、H3は、第一方向(H軸方向)の歪みである。t1、t2、t3は、それぞれ、歪みH1、H2、H3を測定した時点である。ここで、H2-H1=ΔH2とし、H3-H2=ΔH3とする。また、歪みH1、H2、H3が、所定のサンプリング周期Δt(=t2-t1=t3-t2)で、歪み記録部14に記録されている。
【0032】
図4(b)を参照して、歪み記録部14は、(t1、V1)、(t2、V2)、(t3、V3)を記録する。ただし、V1、V2、V3は、第二方向(V軸方向)の歪みである。t1、t2、t3は、それぞれ、歪みV1、V2、V3を測定した時点である。ここで、V2-V1=ΔV2とし、V3-V2=ΔV3とする。また、歪みV1、V2、V3が、所定のサンプリング周期Δt(=t2-t1=t3-t2)で、歪み記録部14に記録されている。
【0033】
歪み差分導出部16は、歪み記録部14の記録内容に基づき、ある時点t1の歪みH1と別の時点t2の歪みH2との差分ΔH2を導出し、ある時点t2の歪みH2と別の時点t3の歪みH3との差分ΔH3を導出する。
【0034】
また、歪み差分導出部16は、歪み記録部14の記録内容に基づき、ある時点t1の歪みV1と別の時点t2の歪みV2との差分ΔV2を導出し、ある時点t2の歪みV2と別の時点t3の歪みV3との差分ΔV3を導出する。
【0035】
なお、ある時点と別の時点との差が、サンプリング周期Δtであるようにしてもよい。
【0036】
図5は、歪み差分導出部16の導出結果を示す図であり、第一方向Hの歪みに基づく導出結果(
図5(a))、第二方向Vの歪みに基づく導出結果(
図5(b))を示す。
【0037】
図5(a)を参照して、歪み差分導出部16は、差分ΔH2(=H2-H1)を時点t2に対応付けて導出し、差分ΔH3(=H3-H2)を時点t3に対応付けて導出する。
【0038】
図5(b)を参照して、歪み差分導出部16は、差分ΔV2(=V2-V1)を時点t2に対応付けて導出し、差分ΔV3(=V3-V2)を時点t3に対応付けて導出する。
【0039】
力判定部18は、差分ΔH2、ΔH3および差分ΔV2、ΔV3に基づき、ゴルフクラブ2のシャフト2bに加わる力を判定する。例えば、力判定部18は、歪み差分導出部16の導出結果を受け、差分ΔH2、ΔH3(ΔV2、ΔV3)の大きさが大きい程、ゴルフクラブ2のシャフト2bに加わる力が大きいと判定する。
【0040】
例えば、力判定部18は、
図5(a)に示すような導出結果を歪み差分導出部16から受けると、差分ΔH3の大きさが、差分ΔH2の大きさよりも大きいので、ゴルフクラブ2のシャフト2bに加わるH方向の力は、時点t3におけるものの方が、時点t2におけるものの方よりも大きいと判定する。
【0041】
例えば、力判定部18は、
図5(b)に示すような導出結果を歪み差分導出部16から受けると、差分ΔV3の大きさが、差分ΔV2の大きさよりも大きいので、ゴルフクラブ2のシャフト2bに加わるV方向の力は、時点t3におけるものの方が、時点t2におけるものの方よりも大きいと判定する。
【0042】
次に、本発明の実施形態の動作を説明する。
【0043】
まず、プレーヤーは、グリップ2cを握り、ゴルフクラブ2をスイングさせ、ヘッド2aをゴルフボール4に当てて、ゴルフボール4を飛ばす(
図2参照)。この際のシャフト2bの歪みを歪みゲージ9H、9V(
図3参照)が測定し、測定結果が、歪み測定結果送信器8により送信される。
【0044】
歪み測定結果送信器8により送信された歪みの測定結果は、歪み測定結果受信部12により受信され、歪み記録部14に記録される(
図4参照)。例えば、(時点、歪み)として、(t1、H1)、(t2、H2)、(t3、H3)および(または)(t1、V1)、(t2、V2)、(t3、V3)が、歪み記録部14に記録される。
【0045】
歪み記録部14の記録内容は、歪み差分導出部16により読み出され、ある時点の歪みと別の時点歪みとの差分が導出される(
図4および
図5参照)。例えば、ある時点t1の歪みH1と別の時点t2の歪みH2との差分ΔH2、ある時点t2の歪みH2と別の時点t3の歪みH3との差分ΔH3、ある時点t1の歪みV1と別の時点t2の歪みV2との差分ΔV2、ある時点t2の歪みV2と別の時点t3の歪みV3との差分ΔV3が導出される。
【0046】
歪み差分導出部16の導出結果は、力判定部18に与えられ、ゴルフクラブ2のシャフト2bに加わる力が判定される。
図5を参照して、例えば、差分ΔH3(ΔV3)の大きさが、差分ΔH2(ΔV2)の大きさよりも大きいので、ゴルフクラブ2のシャフト2bに加わるH(V)方向の力は、時点t3におけるものの方が、時点t2におけるものの方よりも大きいと判定される。
【0047】
本発明の実施形態によれば、スイング中のゴルフクラブのシャフトに加わる力を判定できる。
【0048】
また、上記の実施形態は、以下のようにして実現できる。CPU、ハードディスク、メディア(USBメモリ、CD-ROMなど)読み取り装置を備えたコンピュータに、上記の各部分、例えば、歪み測定結果受信部12、歪み記録部14、歪み差分導出部16および力判定部18を実現するプログラムを記録したメディアを読み取らせて、ハードディスクにインストールする。このような方法でも、上記の機能を実現できる。
【符号の説明】
【0049】
1 力判定装置
12 歪み測定結果受信部
14 歪み記録部
16 歪み差分導出部
18 力判定部
2 ゴルフクラブ
2a ヘッド
2b シャフト
2c グリップ
4 ゴルフボール
8 歪み測定結果送信器
9H、9V 歪みゲージ
t1、t2、t3 時点
歪み H1、H2、H3、V1、V2、V3
H 第一方向
V 第二方向
ΔH2、ΔH3、ΔV2、ΔV3 差分
Δt サンプリング周期