(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023030931
(43)【公開日】2023-03-08
(54)【発明の名称】品質向上支援システム、品質向上支援方法、及び品質向上支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230301BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021136357
(22)【出願日】2021-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】520180437
【氏名又は名称】株式会社indent
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】釜形 勇気
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】原作の品質向上を支援する品質向上支援システム、品質向上支援方法、及び品質向上支援プログラムを提供する。
【解決手段】原作の品質向上を支援する品質向上支援システムであって、原作の原作情報と、原作情報に対する読者の読書進捗を含む複数種類の指標を表す指標情報と、を関連付けて記憶する内部データベースと、原作の原作者の第1端末からの指示に応じて、前記指標情報を確認可能な画面を前記第1端末に提供するサーバと、を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原作の品質向上を支援する品質向上支援システムであって、
前記原作の原作情報と、前記原作情報に対する読者の読書進捗を含む複数種類の指標を表す指標情報と、を関連付けて記憶するデータベースと、
前記原作の原作者の第1端末からの指示に応じて、前記指標情報を確認可能な画面を前記第1端末に提供するサーバと、
を含む品質向上支援システム。
【請求項2】
前記サーバは、前記指標の指標値に基づいて、前記指標情報の少なくとも一部を前記品質向上につながる助言を表す文章情報又は画像情報に変換し、前記指標情報と前記文章情報又は前記画像情報とを確認可能な画面を前記第1端末に提供する、
ことを特徴とする請求項1に記載の品質向上支援システム。
【請求項3】
前記指標は、前記原作に対する前記読者の複数種類の評価項目の評価数を含み、
前記サーバは、前記評価項目を感情的に表現した図柄と前記評価数の組合せを前記読者の感想と共に確認可能な画面を前記第1端末に提供する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の品質向上支援システム。
【請求項4】
前記サーバは、前記原作の商業的利用者の第2端末からの指示に応じて、前記指標情報を選択する選択肢と、前記選択肢に対する選択に応じて表示された前記原作情報の一部とを含む画面を前記商業的利用者の第2端末に提供し、前記原作情報の一部に対する前記商業的利用者からのアクセスを検出すると、前記アクセスのアクセス種別に基づいて、前記商業的利用者による前記原作の取り扱いを特定し、特定した前記取り扱いを、前記データベースの前記原作情報と関連付けるとともに、前記第1端末に通知する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の品質向上支援システム。
【請求項5】
前記サーバは、前記第1端末からの指示に応じて、前記原作情報を部分的に引用して前記読者の前記原作情報に対する指摘及び/又は感想を前記読者に依頼する指摘依頼情報を前記読者の第3端末に送信し、前記第3端末からの前記指摘依頼情報に基づく指示又は前記第3端末からの前記指摘依頼情報から独立した指示に応じて、前記原作情報と前記指摘及び/又は前記感想の入力欄とを含む画面を前記第3端末に提供し、前記入力欄に入力された前記指摘及び/又は前記感想を前記第1端末に通知する、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の品質向上支援システム。
【請求項6】
前記サーバは、前記原作者が前記原作を創作するために使用する、前記指標情報と前記指標情報の少なくとも一部を前記品質向上につながる助言を表す文章情報又は画像情報とを確認可能な画面と異なる創作用画面に前記指標情報、前記読者の前記原作情報に対する指摘及び/又は感想、前記原作の創作活動の記録、前記創作活動に対する前記原作者と前記原作者と異なる別の原作者との文字情報での交流の少なくとも1つを表示する、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の品質向上支援システム。
【請求項7】
前記サーバは、前記第1端末からの指示に基づく、前記原作、前記原作に登場する登場人物、前記登場人物の人物像、前記登場人物の相関関係、前記原作のプロット、前記原作のタイトル、前記原作のあらすじ、前記原作が含む物語のテーマのいずれかに含まれる文字列の削除を検出した場合、前記文字列を削除する前に、削除対象になる前記文字列の対象数と、前記文字列を含む前記原作の対象部分とを前記第1端末に表示する、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の品質向上支援システム。
【請求項8】
前記サーバは、前記第1端末から前記原作の創作活動の記録を要求する指示を検出した場合、前記原作情報の中の計数可能な項目を所定期間毎に集計したグラフを含む活動記録画面を前記第1端末に表示する、
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の品質向上支援システム。
【請求項9】
前記サーバは、前記活動記録画面に含まれる所定領域に対する指示を検出した場合、前記原作者に前記創作活動の入力を要求する入力画面を前記第1端末に提供し、前記創作活動が入力された場合、入力された前記創作活動に対する前記原作者と前記原作者と異なる別の原作者との文字情報での交流を図れる交流画面を前記第1端末に提供する、
ことを特徴とする請求項8に記載の品質向上支援システム。
【請求項10】
前記原作情報を前記読者からの閲覧が制限された状態で記憶する別のデータベースをさらに含み、
前記サーバは、前記第1端末からの指示に基づいて、前記原作情報に含まれる前記原作に登場する登場人物、前記登場人物の人物像、前記登場人物の相関関係、前記原作のプロットを前記別のデータベースから前記データベースに登録するか否か選択する、
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の品質向上支援システム。
【請求項11】
原作の品質向上をサーバが支援する品質向上支援方法であって、
前記サーバが、
前記原作の原作情報と、前記原作情報に対する読者の読書進捗を含む複数種類の指標を表す指標情報と、を関連付けて記憶するデータベースを参照して、前記原作の原作者の第1端末からの指示に応じて、前記指標情報を確認可能な画面を前記第1端末に提供する、
ことを特徴とする品質向上支援方法。
【請求項12】
原作の品質向上を支援する処理をサーバに実行させるための品質向上支援プログラムであって、
前記サーバに、
前記原作の原作情報と、前記原作情報に対する読者の読書進捗を含む複数種類の指標を表す指標情報と、を関連付けて記憶するデータベースを参照して、前記原作の原作者の第1端末からの指示に応じて、前記指標情報を確認可能な画面を前記第1端末に提供する、
処理を実行させることを特徴とする品質向上支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、品質向上支援システム、品質向上支援方法、及び品質向上支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザがPC(Personal Computer)や携帯電話等を利用して執筆した小説をWebサイトやサーバ等に登録して公開し、他のユーザが閲覧可能とするいわゆるオンライン小説が知られている(例えば特許文献1参照)。また、ユーザが作成した小説を他のユーザが端末装置から閲覧できる投稿型のコミュニティサイトも知られている。投稿型コミュニティサイトにおいては、「レビュー投稿」などと呼ばれることがある、小説に関する書き込みも知られている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-237986号公報
【特許文献2】特許第5270781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上述したユーザが小説や漫画等のオリジナルである原作の原作者であり、他のユーザがその原作の読者である場合、読者の書き込みが単に原作に対する読者の反応として原作者に提供されても、原作の品質向上に繋がるとは限らない。例えば、読者の書き込みが感想に終始していれば、原作の品質向上に繋げることは難しい。また、読者の書き込みに改善を希望する部分の指摘があっても、その指摘が曖昧であったり具体的でなかったりすれば、原作者は原作の改善部分を正確に把握できず、原作者は原作の品質を向上させることができないという問題がある。
【0005】
そこで、1つの側面では、原作の品質向上を支援する品質向上支援システム、品質向上支援方法、及び品質向上支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの実施態様では、品質向上支援システムは、原作の品質向上を支援する品質向上支援システムであって、前記原作の原作情報と、前記原作情報に対する読者の読書進捗を含む複数種類の指標を表す指標情報と、を関連付けて記憶するデータベースと、前記原作の原作者の第1端末からの指示に応じて、前記指標情報を確認可能な画面を前記第1端末に提供するサーバと、を含んでいる。
【0007】
上記構成において、前記サーバは、前記指標の指標値に基づいて、前記指標情報の少なくとも一部を前記品質向上につながる助言を表す文章情報又は画像情報に変換し、前記指標情報と前記文章情報又は前記画像情報とを確認可能な画面を前記第1端末に提供する構成としてもよい。
【0008】
上記構成において、前記指標は、前記原作に対する前記読者の複数種類の評価項目の評価数を含み、前記サーバは、前記評価項目を感情的に表現した図柄と前記評価数の組合せを前記読者の感想と共に確認可能な画面を前記第1端末に提供する構成としてもよい。
【0009】
上記構成において、前記サーバは、前記原作の商業的利用者の第2端末からの指示に応じて、前記指標情報を選択する選択肢と、前記選択肢に対する選択に応じて表示された前記原作情報の一部とを含む画面を前記商業的利用者の第2端末に提供し、前記原作情報の一部に対する前記商業的利用者からのアクセスを検出すると、前記アクセスのアクセス種別に基づいて、前記商業的利用者による前記原作の取り扱いを特定し、特定した前記取り扱いを、前記データベースの前記原作情報と関連付けるとともに、前記第1端末に通知する構成としてもよい。
【0010】
上記構成において、前記サーバは、前記第1端末からの指示に応じて、前記原作情報を部分的に引用して前記読者の前記原作情報に対する指摘及び/又は感想を前記読者に依頼する指摘依頼情報を前記読者の第3端末に送信し、前記第3端末からの前記指摘依頼情報に基づく指示又は第3端末からの前記指摘依頼情報から独立した指示に応じて、前記原作情報と前記指摘及び/又は前記感想の入力欄とを含む画面を前記第3端末に提供し、前記入力欄に入力された前記指摘及び/又は前記感想を前記第1端末に通知する構成としてもよい。
【0011】
上記構成において、前記サーバは、前記原作者が前記原作を創作するために使用する、前記指標情報と前記指標情報の少なくとも一部を前記品質向上につながる助言を表す文章情報又は画像情報とを確認可能な画面と異なる創作用画面に前記指標情報、前記読者の前記原作情報に対する指摘及び/又は感想、前記原作の創作活動の記録、前記創作活動に対する前記原作者と前記原作者と異なる別の原作者との文字情報での交流の少なくとも1つを表示する構成としてもよい。
【0012】
上記構成において、前記サーバは、前記第1端末からの指示に基づく、前記原作、前記原作に登場する登場人物、前記登場人物の人物像、前記登場人物の相関関係、前記原作のプロット、前記原作のタイトル、前記原作のあらすじ、前記原作が含む物語のテーマのいずれかに含まれる文字列の削除を検出した場合、前記文字列を削除する前に、削除対象になる前記文字列の対象数と、前記文字列を含む前記原作の対象部分とを前記第1端末に表示する構成としてもよい。
【0013】
上記構成において、前記サーバは、前記第1端末から前記原作の創作活動の記録を要求する指示を検出した場合、前記原作情報の中の計数可能な項目を所定期間毎に集計したグラフを含む活動記録画面を前記第1端末に表示する構成としてもよい。
【0014】
上記構成において、前記サーバは、前記活動記録画面に含まれる所定領域に対する指示を検出した場合、前記原作者に前記創作活動の入力を要求する入力画面を前記第1端末に提供し、前記創作活動が入力された場合、入力された前記創作活動に対する前記原作者と前記原作者と異なる別の原作者との文字情報での交流を図れる交流画面を前記第1端末に提供する構成としてもよい。
【0015】
上記構成において、前記原作情報を前記読者からの閲覧が制限された状態で記憶する別のデータベースをさらに含み、前記サーバは、前記第1端末からの指示に基づいて、前記原作情報に含まれる前記原作に登場する登場人物、前記登場人物の人物像、前記登場人物の相関関係、前記原作のプロットを前記別のデータベースから前記データベースに登録するか否か選択する構成としてもよい。
【0016】
1つの実施態様では、品質向上支援方法は、原作の品質向上をサーバが支援する品質向上支援方法であって、前記サーバが、前記原作の原作情報と、前記原作情報に対する読者の読書進捗を含む複数種類の指標を表す指標情報と、を関連付けて記憶するデータベースを参照して、前記原作の原作者の第1端末からの指示に応じて、前記指標情報を確認可能な画面を前記第1端末に提供する、ことを特徴とする。
【0017】
1つの実施態様では、品質向上支援プログラムは、原作の品質向上を支援する処理をサーバに実行させるための品質向上支援プログラムであって、前記サーバに、前記原作の原作情報と、前記原作情報に対する読者の読書進捗を含む複数種類の指標を表す指標情報と、を関連付けて記憶するデータベースを参照して、前記原作の原作者の第1端末からの指示に応じて、前記指標情報を確認可能な画面を前記第1端末に提供する、処理を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
品質向上支援システム、品質向上支援方法、及び品質向上支援プログラムによれば、原作の品質向上を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は品質向上支援システムの一例を説明する図である。
【
図2】
図2はサーバのハードウェア構成の一例である。
【
図3】
図3はサーバ、内部DB、及び外部DBの機能構成の一例である。
【
図4】
図4は外部DBが備える登録対象記憶部の一例である。
【
図5】
図5は内部DBが備えるシステムユーザ記憶部の一例である。
【
図6】
図6は内部DBが備える原作記憶部の一例である。
【
図7】
図7は内部DBが備える指標記憶部の一例である。
【
図9】
図9は第1実施形態に係る品質向上支援システムが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10(a)はユーザに共通の閲覧画面の一例である。
図10(b)は原作者用画面の一例である。
【
図12】
図12は第2実施形態に係る品質向上支援システムが実行する一部の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は第2実施形態に係る品質向上支援システムが実行する一部の処理の他の一例を示すフローチャートである。
【
図14】
図14(a)は読者用画面の一例である。
図14(b)は読者用画面の別の一例である。
【
図16】
図16は第3実施形態に係る品質向上支援システムが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図18】
図18は第4実施形態に係る品質向上支援システムが実行する一部の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図21】
図21は第5実施形態に係る品質向上支援システムが実行する一部の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図22】
図22(a)は原作者用画面の他の一例である。
図22(b)は登場人物一覧画面の一例である。
【
図23】
図23(a)は原作文の一例である。
図23(b)は警告ダイアログの一例である。
図23(c)は単位画面の一例である。
【
図24】
図24は第7実施形態に係る品質向上支援システムが実行する一部の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図26】
図26は第8実施形態に係る品質向上支援システムが実行する一部の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図27】
図27(a)は読者用画面の他の一例である。
図27(b)は登録人物一覧画面の他の一例である。
【
図28】
図28(a)は登録人物詳細画面の一例である。
図28(b)は相関関係画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本件を実施するための形態について図面を参照して説明する。
【0021】
(第1実施形態)
図1に示すように、品質向上支援システムSTはサーバ100と内部DB(Database)110とを備えている。品質向上支援システムSTに外部DB120を含めてもよいし、含めなくてもよい。サーバ100をアプリケーションサーバと呼んでもよい。内部DB110をシステム内DBサーバと呼んでもよい。外部DB120をシステム外DBサーバと呼んでもよい。サーバ100と内部DB110が連携することにより、原作の品質向上を支援することができる。なお、本実施形態において内部DB110がデータベースの一例であり、外部DB120が別のデータベースの一例である。
【0022】
原作は小説であってもよいし、漫画であってもよいし、脚本であってもよいし、ゲームシナリオなどであってもよい。すなわち、原作は創作されたオリジナルの作品であれば、これらに特に限定されない。このような観点から、原作の原作者には作家や漫画家、脚本家、シナリオライターといった創作活動を行う各種の創作家が含まれる。
【0023】
サーバ100、内部DB110及び外部DB120はパブリック型のクラウドサービスを提供するデータセンターDCに設置される。サーバ100、内部DB110、外部DB120はLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)といった通信ネットワークNW1によって互いに接続されている。また、通信ネットワークNW1はインターネットといった通信ネットワークNW2とも接続されている。通信ネットワークNW2には第1端末10、第2端末20、及び携帯基地局BSが有線で接続されている。
【0024】
これにより、第1端末10及び第2端末20はサーバ100に直接的にアクセスすることができる。また、第1端末10及び第2端末20はサーバ100を介して互いに間接的にアクセスすることができる。一方、携帯基地局BSには第3端末30が無線で接続されている。したがって、第3端末30もサーバ100に直接的にアクセスすることができる。また、第1端末10及び第3端末30はサーバ100及び携帯基地局BSを介して互いに間接的にアクセスすることができる。
【0025】
なお、
図1では、第1端末10及び第2端末20がPC(Personal Computer)で示されているが、第1端末10及び第2端末20の一方又は両方がスマートフォンやタブレット端末といったスマートデバイスであってもよい。また、第3端末30がスマートフォンで示されているが、第3端末30がPCであってもよい。さらに、第1端末10と通信ネットワークNW2の接続が無線であってもよいし、部分的に無線を含んでいてもよい。同様に、第2端末20と通信ネットワークNW2の接続が無線であってもよいし、部分的に無線を含んでいてもよい。第3端末30と通信ネットワークNW2の接続が有線であってもよいし、部分的に有線を含んでいてもよい。
【0026】
ここで、第1端末10は原作者P1が操作する端末である。第2端末20は商業的利用者P2が操作する端末である。商業的利用者としては、例えば出版社、テレビ局やラジオ局を含む放送局、映画配給会社、ゲームメーカーなど様々な事業者又はその事業者に所属する社員などが該当する。事業者は法人であってもよいし、個人であってもよい。商業的利用者P2は原作を商業的に利用する事業者であれば、上述した様々な事業者や社員に特に限定されない。
【0027】
第3端末30は原作者P1が創作(例えば執筆など)した原作の読者P3が操作する端末である。原作者P1は第1端末10を操作してプロットや相関関係などを含む原作を創作することができる。詳細は後述するが、原作の創作後に原作者P1が第1端末10に対し所定の操作を行うと、第1端末10は原作を原作情報として外部DB120に送信する。これにより、外部DB120は原作情報を内部DB110への登録対象として記憶する。外部DB120は読者P3からの閲覧が制限された状態で原作情報を記憶する。
【0028】
また、原作情報の送信後に原作者P1が第1端末10に対し所定の指示を行うと、サーバ100は外部DB120から原作情報を取得して、内部DB110に登録する。これにより、内部DB110は原作情報を記憶する。外部DB120が記憶する原作情報が内部DB110に登録されると、サーバ100は原作情報を商業的利用者P2や読者P3に向けて公開する。これにより、商業的利用者P2は第2端末20を介して原作情報を閲覧することができる。また、読者P3は第3端末30を介して原作情報を閲覧することができる。商業的利用者P2は内部DB110の原作情報を後述する様々な指標と併せて閲覧し、原作情報の書籍化や映像化が有望であれば、第2端末20を操作することにより、サーバ100を介して、原作情報の原作を創作した原作者P1にアクセスすることができる。
【0029】
以下、品質向上支援システムSTの詳細について説明する。
【0030】
まず、
図2を参照して、品質向上支援方法を実行するサーバ100のハードウェア構成について説明する。なお、内部DB110についてはサーバ100と同様のハードウェア構成であるため、詳細な説明を省略する。
図2では図示しない外部DB120、第1端末10、第2端末20、及び第3端末30についてもサーバ100と同様のハードウェア構成であるため、詳細な説明を省略する。
【0031】
図2に示すように、サーバ100は、プロセッサとしてのCPU(Central Processing Unit)100Aと、メモリとしてのRAM(Random Access Memory)100B及びROM(Read Only Memory)100Cを含んでいる。サーバ100は、ネットワークI/F(インタフェース)100D及びHDD(Hard Disk Drive)100Eを含んでいる。HDD(Hard Disk Drive)100Eに代えて、SSD(Solid State Drive)を採用してもよい。
【0032】
サーバ100は、必要に応じて、入力I/F100F、出力I/F100G、入出力I/F100H、ドライブ装置100Iの少なくとも1つを含んでいてもよい。CPU100Aからドライブ装置100Iまでは、内部バス100Jによって互いに接続されている。すなわち、サーバ100はコンピュータによって実現することができる。
【0033】
入力I/F100Fには入力装置18が接続される。入力装置18としては例えばキーボードやマウス、タッチパネルなどがある。出力I/F100Gには表示装置19が接続される。表示装置19としては例えば液晶ディスプレイなどがある。入出力I/F100Hには半導体メモリ13が接続される。半導体メモリ13としては、例えばUSB(Universal Serial Bus)メモリやフラッシュメモリなどがある。入出力I/F100Hは半導体メモリ13に記憶された品質向上支援プログラムを読み取る。入力I/F100F及び入出力I/F100Hは例えばUSBポートを備えている。出力I/F100Gは例えばディスプレイポートを備えている。
【0034】
ドライブ装置100Iには可搬型記録媒体14が挿入される。可搬型記録媒体14としては、例えばCD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)といったリムーバブルディスクがある。ドライブ装置100Iは可搬型記録媒体14に記録された品質向上支援プログラムを読み込む。ネットワークI/F100Dは例えばLAN(Local Area Network)ポートや通信回路などを備えている。
【0035】
RAM100BにはROM100C、HDD100E、半導体メモリ13の少なくとも1つに記憶された品質向上支援プログラムがCPU100Aによって一時的に格納される。RAM100Bには可搬型記録媒体14に記録された品質向上支援プログラムがCPU100Aによって一時的に格納される。格納された品質向上支援プログラムをCPU100Aが実行することにより、CPU100Aは後述する各種の機能を実現し、また、後述する各種の処理を実行する。なお、品質向上支援プログラムは後述するフローチャートに応じたものとすればよい。
【0036】
次に、
図3乃至
図8を参照して、サーバ100、内部DB110、及び外部DB120の機能構成について説明する。なお、
図3ではサーバ100、内部DB110、及び外部DB120の機能の要部が示されている。
【0037】
図3に示すように、サーバ100は、利用者画面提供部101、アクセス通知部102、共有画面提供部103、創作用画面提供部104、及び通信部105を備えている。また、サーバ100は、削除対象提供部106、活動画面提供部107、及び原作情報取得部108を備えている。一方、内部DB110は、システムユーザ記憶部111、原作記憶部112、指標記憶部113、及び通信部115を備えている。外部DB120は登録対象記憶部121及び通信部125を備えている。
【0038】
サーバ100が備える利用者画面提供部101、・・・、創作用画面提供部104及び削除対象提供部106、・・・、原作情報取得部108はCPU100AとRAM100Bが協働して品質向上支援プログラムを実行することによって実現することができる。内部DB110が備えるシステムユーザ記憶部111、原作記憶部112、及び指標記憶部113、並びに外部DB120が備える登録対象記憶部121は上述したHDD100Eなどによって実現することができる。通信部105,115,125は上述した通信I/F100Dによって実現することができる。通信部105,115,125を介してサーバ100、内部DB110、及び外部DB120が互いに接続されている。
【0039】
外部DB120の登録対象記憶部121は原作者P1が創作した原作の原作情報を商業的利用者P2及び読者P3からの閲覧が制限された状態で登録対象として記憶する。登録対象記憶部121は、
図4に示すように、原作ID、原作者ID、原作文、登場人物、人物像、相関関係、プロット、テーマといった複数の項目を含んでいる。登録対象記憶部121は、これらの項目以外の項目を含んでいてもよい。例えば、登録対象記憶部121は、原作文の文字数やタイトル、あらすじなどを含んでいてもよい。
【0040】
原作IDの項目には原作情報を識別する識別子が登録される。原作者IDの項目には原作者P1を識別する識別子が登録される。なお、これらの識別子は、文字、数字、記号のいずれかを単独で用いてもよいし、これらを組合せて用いてもよい。後述する識別子についても同様である。原作文の項目には原作者P1が創作したストーリーやエピソードといった文章が登録される。登場人物の項目には原作文に登場する人物の役柄、名前、性別、年齢、人物画などが登録される。人物像の項目には登場人物の性格、個性、特技など、いわゆるキャラクター設定が登録される。相関関係の項目には登場人物の血縁関係(例えば親子や兄弟など)や恋愛関係などが登録される。プロットの項目は原作文のプロットが登録される。なお、プロットは原作文上の重要な出来事の要約である。重要な出来事とは後の展開に大きな影響を与える出来事である。テーマの項目には原作が含む物語のテーマ(例えば恋愛やファンタジーなど)が登録される。このように、登録対象記憶部121には、原作ID単位で様々な項目を含む原作情報が保存される。
【0041】
内部DB110のシステムユーザ記憶部111は商業的利用者P2、原作者P1、読者P3といった品質向上支援システムSTを利用するユーザのユーザ情報を記憶する。システムユーザ記憶部111はユーザのアカウントを管理するといってもよい。システムユーザ記憶部111は、
図5に示すように、ユーザID、ユーザ種別、ユーザ名、得意分野、経歴、ファン数、足跡といった複数の項目を含んでいる。システムユーザ記憶部111は、これらの項目以外の項目を含んでいてもよい。例えば、システムユーザ記憶部111は、品質向上支援システムSTへのログインに要するユーザIDと関連付けたパスワードなどを含んでいてもよい。また、システムユーザ記憶部111がユーザIDと関連付けたパスワードを含まずに、品質向上支援システムSTと異なる別のシステムがユーザIDと関連付けたパスワードを保持していてもよい。
【0042】
ユーザIDの項目には上述したユーザを識別する識別子が登録される。ユーザ種別の項目にはユーザの種別を表す数値又は文字列を登録することができる。例えば数値「1」や文字列「EDITOR」などにより商業的利用者P2を表すことができる。ユーザ種別の項目に数値や文字列が登録されていなければ、そのユーザ種別のユーザは原作者P1又は読者P3である。例えば数値「2」が原作者P1と読者P3の両方を表す構成としてもよいし、数値「2」が原作者P1を表し、数値「3」が読者P3を表す構成としてもよい。なお、ユーザIDの項目に登録される識別子と上述した原作者IDの項目に登録される識別子は相違する。ユーザ名の項目にはユーザの氏名や社名などが登録される。本名であってもよいし、本名以外の名前(例えば芸名やペンネームなど)であってもよい。
【0043】
得意分野の項目にはユーザの得意な創作カテゴリ及び創作ジャンルが登録される。創作カテゴリとしては例えば小説や脚本などがある。創作ジャンルとしては例えば恋愛やファンタジーといったテーマなどがある。経歴の項目には過去の商用活動歴、取引企業名、コンテスト参加歴及び受賞歴、並びに寺子屋などのイベント参加履歴が登録される。商業的利用者P2であれば、自身が開催した過去のコンクールなどを登録してもよい。ファン数の項目にはSNS(Social Networking Service)でのフォロワー数や品質向上支援システムSTを実行することによって提供されるクラウドサービス内でのフォロワー数が登録される。なお、SNSでのフォロワー数はSNSを提供する外部サーバから取得することにより登録することができる。足跡の項目には例えば商業的利用者P2が原作を閲覧したUU(Unique User)数などが登録される。商業的利用者P2のUU数が増加すれば、原作者P1は自身の原作が多くの商業的利用者P2によって閲覧されたことを確認でき、創作意欲の向上につながるだけでなく、原作者P1は商業的利用者P2との精神的な距離間(例えば出版への期待など)を把握できる。このように、システムユーザ記憶部111には、ユーザID単位で様々な項目を含む情報が保存される。
【0044】
内部DB110の原作記憶部112は原作情報と原作情報に対する読者P3の読書進捗を含む複数種類の指標を表す指標情報とを関連付けて記憶する。原作記憶部112は、
図6に示すように、原作ID、原作者ID、原作文、文字数、テーマ、登場人物、人物像、相関関係、及びプロットといった複数の項目を含んでいる。これらの項目は基本的に外部DB120の登録対象記憶部121に含まれる項目と同じであるため、詳細な説明は省略する。一方で、原作記憶部112は、
図6に示すように、これらの項目に加え、推薦文、指標ID、レビュー、及び契約といった複数の項目を含んでいる。原作記憶部112は、これらの項目以外の項目を含んでいてもよい。
【0045】
推薦文の項目には原作の未読者に向けた原作の推薦文が登録される。未読者は原作をまだ読書していない読者P3である。推薦文は、原作者P1の依頼に基づいて、原作を読了した既読者が作成する。既読者は原作を読了した読者P3である。例えば原作者P1は第1端末10に対して推薦文の作成を特定の読者P3に依頼する指示を入力することができる。サーバ100は、この指示に基づいて、原作を読了した読者P3の第3端末30に対し、原作をまだ読書していない読者P3に向けた原作の推薦文の作成を依頼する。推薦文の作成が依頼されると、第3端末30を所持する読者P3は第3端末30に推薦文を入力することができる。推薦文は第3端末30から送信されて推薦文の項目に登録される。なお、推薦文は原作の未読者に向けて作成されるが、推薦文の閲覧対象者は原作の未読者に限定されず、原作の既読者や商業的利用者であっても推薦文を閲覧することができる。
【0046】
指標IDの項目には指標情報を識別する識別子が登録される。指標情報は指標記憶部113に保存されている。指標情報の詳細については後述する。レビューの項目には原作に対する読者P3のレビューや感想(以下、適宜レビューという)などが登録される。原作を読了した読者P3は第3端末30を操作してレビューを入力することができる。レビューは第3端末30から送信されてレビューの項目に登録される。契約の項目には、商業的利用者P2と原作者P1との間で交わされる契約書に関する契約書情報が登録される。契約書情報は原作の取り扱い(例えば書籍化や映像化など)に関する契約を含んでいる。契約書情報は、商業的利用者P2と原作者P1の双方が合意するまで、商業的利用者P2と原作者P1との交渉により逐次更新され、過去の契約書情報が履歴として蓄積されていく。商業的利用者P2と原作者P1の双方の合意が得られた場合、その合意に基づく契約書の契約書情報が最終的な契約書情報として登録される。このように、原作記憶部112には原作情報と指標情報などが関連付けて保存される。
【0047】
内部DB110の指標記憶部113は指標情報を記憶する。指標記憶部113は、
図7に示すように、指標IDと複数種類の指標といった複数の項目を含んでいる。指標記憶部113はこれらの項目以外の項目を含んでいてもよい。指標IDの項目には指標情報を識別する識別子が登録される。これにより、原作情報と指標情報が関連付けられる。指標の項目には数量で表現できる数値や様々な数量と所定の計算式とによって算出された数値(例えば比率など)が指標として登録される。数量の集計や計算式を利用した数値計算は品質向上支援システムSTによって提供されるサービスより多くの負荷が発生すると想定されるため、集計や数値計算はサーバ100とは異なる別のサーバ(不図示)に依頼し、別のサーバから集計結果や計算結果を取得すればよい。このように、指標の項目には複数種類の指標が登録される。
【0048】
具体的には、
図8に示すように、指標としては、原作に対する興味を表す指標や、読書の開始を表す指標、原作に対する没入感を表す指標、読了率を表す指標、リーダビリティ(可読性)を表す指標などがある。図示しないが、1つの話の読了を表す指標を指標に含めてもよい。これらの指標は読者P3の読書進捗を表し、それぞれ対応する計算式を利用することによって算出することができる。合計スタンプ数を表す指標や、図示しない合計評価数を表す指標、コメント数を表す指標などを指標に含めてもよい。これらの指標は原作の読後に登録されることが多いため、これらの指標も読者P3の読書進捗を表してもよい。
【0049】
なお、読了率であれば、一話目を読了した読者P3のUU数に対する最終話まで読了した読者P3のUU数の割合により算出することができる。読了率により原作がどの程度読了されているか、又は原作の読書中に原作からどの程度離脱したかを特定することができる。また、リーダビリティであれば、原作文の文字数に対する原作を読了した読者P3の原作に対する滞在時間の割合により算出することができる。リーダビリティにより、原作の読み進め易さを特定することができる。なお、読了率やリーダビリティのこれらの算出手法は一例であって、読了率やリーダビリティを算出できれば別の算出手法を適宜採用してもよい。例えば補正係数などを採用するなどして読了率やリーダビリティの精度を高めてもよい。
【0050】
そのほか、指標としては、商業的利用者P2がお気に入りの原作として登録したブックマーク数や、ブックマーク数などと所定の計算式とに基づいて算出されたブックマーク率、商業的利用者P2が原作者P1をスカウトしたスカウト数などと所定の計算式とに基づいて算出されたスカウト率などがある。また、指標としては、原作リライト回数、プロット創作度、登場人物創作度などがある。原作リライト回数は原作者P1が原作を改訂した回数によって表すことができる。プロット創作度は、例えば品質向上支援システムSTの運用管理者が事前に設定した基準プロット創作量に対するプロット創作量によって表すことができる。登場人物創作度は運用管理者が事前に設定した基準登場人物創作量に対する登場創作量によって表すことができる。原作者P1が多くのプロットを作り込んだり、多くの登場人物を作り込んだりすれば、プロット創作度や登場人物創作度の数値が上昇する。プロット創作度や登場人物創作度は数値に代えて、創作度「低」や創作度「高」といった水準で表してもよい。なお、これらの指標は一例であって、これらの指標に特に限定されない。例えば設計や運用等に基づいて指標を増やしてもよいし、減らしてもよい。
【0051】
図3に戻り、利用者画面提供部101は、第1端末10から送信されたトップページ画面の画面依頼を検出すると、トップページ画面を第1端末10に提供する。第1端末10から送信されたログイン画面の画面依頼を検出すると、利用者画面提供部101がログイン画面を第1端末10に提供する。ログイン画面に入力されて第1端末10から送信されたユーザIDとパスワードを検出すると、利用者画面提供部101がユーザ種別に応じた閲覧画面を提供する。例えば、利用者画面提供部101がユーザIDとパスワードに基づいて原作者P1であると判断した場合、原作者用の閲覧画面を第1端末10に表示する。なお、アクセス通知部102、共有画面提供部103、創作用画面提供部104、削除対象提供部106、活動画面提供部107、及び原作情報取得部108の詳細な説明については後述する。
【0052】
次に、
図9乃至
図11を参照して、品質向上支援システムSTの動作の一部を説明する。
【0053】
まず、
図9に示すように、利用者画面提供部101は第1端末10からのトップページ画面の画面依頼を検出するまで待機する(ステップS1:NO)。画面依頼を検出すると(ステップS1:YES)、利用者画面提供部101はトップページ画面を第1端末10に提供する(ステップS2)。これにより、第1端末10はトップページ画面を表示する。
【0054】
図10(a)に示すように、トップページ画面はログインボタン60を含んでいる。トップページ画面は原作者P1でも商業的利用者P2でも読者P3でも共通して自身が操作する端末に汎用的に表示することができる。トップページ画面であれば、品質向上支援システムSTにログインしなくても、原作者P1でも商業的利用者P2でも読者P3でも原作を検索することができる。トップページ画面に含まれるログインボタン60がポインタPTにより押下されるとログイン画面(不図示)が表示される。
【0055】
利用者画面提供部101は第1端末10からのログイン指示を検出するまで待機する(ステップS3:NO)。ログイン指示を検出すると(ステップS3:YES)、利用者画面提供部101は原作者用画面を第1端末10に提供する(ステップS4)。より詳しくは、ログイン画面でユーザID単独又はユーザIDとパスワードの組み合わせが入力されてログイン認証を肯定すると、利用者画面提供部101がユーザ種別に応じた画面を提供する。例えば、利用者画面提供部101がユーザIDとパスワードに基づいて原作者P1であると判断した場合、
図10(b)に示すように、原作者用画面を第1端末10に表示する。
【0056】
原作者用画面は、新規の原作投稿や、投稿した原作の管理状況などを確認できる画面の表示を指示する複数のボタン61,62,63を含んでいる。また、原作者用画面は、原作の読了率やスタンプボタン押下数など様々な読者データ、読者P3によるレビューを確認できる画面の表示を指示する複数のボタン64,65を含んでいる。原作者用画面は、原作者P1が読書中の原作を確認できる画面の表示を指示するボタン69も含んでいる。さらに、原作者用画面は、商業的利用者P2(例えば出版社の編集者など)からの足跡やレビューなどを確認できる画面の表示を指示する複数のボタン66,67,68を含んでいる。これらのボタン61,・・・,69をさらに増やしてもよいし、減らしてもよい。原作者P1は第1端末10を操作してこれらのボタン61,・・・,69のいずれかをポインタPTで押下することによって、原作者用画面に出現させる画面を指定することができる。
【0057】
利用者画面提供部101は、例えば第1端末10からの読者データボタンの押下を検出するまで待機する(ステップS5:NO)。読者データボタンは原作者用画面のボタン64に相当する(
図10(b)参照)。読者データボタンの押下を検出すると(ステップS5:YES)、利用者画面提供部101は、指標情報の一部を変換し(ステップS6)、読者データ画面を第1端末10に提供して(ステップS7)、処理を終了する。より詳しくは、利用者画面提供部101は、上述した各種の指標の指標値に基づいて、指標情報の少なくとも一部又は全部を品質向上につながる助言(アドバイス)を表す文章情報に変換する。利用者画面提供部101は、文章情報に代えて、指標情報の少なくとも一部又は全部を品質向上につながる助言(アドバイス)を表す画像情報に変換してもよい。そして、利用者画面提供部101は、指標情報と文章情報(又は画像情報)とを確認可能な読者データ画面を第1端末10に提供して、処理を終了する。
【0058】
例えば
図11に示すように、読者データ画面は、原作を選択できる複数の選択ボタン71,72,73,・・・を含んでいる。選択ボタン71,72,73,・・・のいずれかが選択されると、利用者画面提供部101は、指標情報の中で数値を積算できる項目については積算値を指標値として読者データ画面内に表示する。一方、指標情報の中で比率を表す項目については、その比率を指標値としてその指標値に応じた文章に変換して読者データ画面内に表示する。比率と助言を表す文章は事前に定めておき、内部DB110に格納しておけばよい。例えば、読了率が事前に定めた基準値より低い比率である場合、利用者画面提供部101は読了率の改善を助言する文章を表示する。比率で表現された読了率が表示されただけでは原作者P1にとって具体的な改善策を想起できない可能性もあるが、比率に応じた助言を表す文章に変換されて表示されることで、原作者P1は読了率を改善できる作業を行い易くなり、原作の品質を向上することができる。読了率以外の読書開始などの指標についても読了率と基本的に同様である。なお、比率で表現された読了率の意図によって改善策を想起できる原作者P1であれば、文章に変換せずに比率のままで表示してもよい。また、設定に応じて、文章に変換するか否か選択できるようにしてもよい。
【0059】
以上説明したように、品質向上支援システムSTは内部DB110とサーバ100とを備えている。内部DB110は原作の原作情報と、原作情報に対する読者P3の読書進捗を含む複数種類の指標を表す指標情報と、を関連付けて記憶する。サーバ100は、原作者P1の第1端末10からの指示に応じて、指標情報を確認可能な読者データ画面を第1端末10に提供する。このような構成により、原作の品質向上を支援することができる。特に、本実施形態によれば、指標情報の少なくとも一部が品質向上につながる助言を表す文章情報に変換され、指標情報と文章情報とを確認可能な読書データ画面が第1端末10に提供されるため、原作者P1は原作の改善部分を正確に把握することができる。
【0060】
(第2実施形態)
続いて、
図12乃至
図15を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。
図12に示すように、ステップS3の処理において利用者画面提供部101がログイン指示を検出すると、利用者画面提供部101は読者用画面を第3端末30に提供する(ステップS11)。より詳しくは、ログイン画面でユーザID単独又はユーザIDとパスワードの組み合わせが入力されてログイン認証を肯定すると、利用者画面提供部101がユーザ種別に応じた画面を提供する。例えば、利用者画面提供部101がユーザIDとパスワードに基づいて読者P3であると判断した場合、
図14(a)に示すように、読者用画面を第3端末30に表示する。
【0061】
読者用画面は例えば読者P3が検索した原作情報の一覧を含んでいる。読者P3が読み掛けの原作情報や、読者P3自身の過去の読書状況に基づいて品質向上支援システムSTから推奨された原作情報などを読者用画面が含んでいてもよい。例えば、
図14(a)に示すように、原作情報の一部を表示する表示領域80がポインタPTにより押下されると、
図14(b)に示すように、利用者画面提供部101は別の読者用画面を第3端末30に提供する。すなわち、読者用画面から別の読者用画面に遷移する。なお、表示領域80は画像であってもよいし、画像以外であってもよい。
【0062】
別の読者用画面はポインタPTによって押下された表示領域80の原作情報の一部又は全部81、ブックマークボタン82、感想ボタン83、シェアボタン84などを含んでいる。読者P3は別の読者用画面をスクロール操作することにより原作情報(具体的には原作文)を読むことができる。読書対象の原作情報をブックマークに登録する場合には、読者P3はブックマークボタン82を押下する。利用者画面提供部101はブックマークボタン82の押下を検出すると、ブックマーク対象の原作情報の原作IDを読者P3のユーザIDと関連付けて内部DB110に登録する。併せて、利用者画面提供部101はブックマーク対象の原作情報のブックマーク数をインクリメントして指標情報の該当項目を更新する。
【0063】
利用者画面提供部101は、例えば第3端末30からの感想ボタン83の押下を検出するまで待機する(ステップS12:NO)。感想ボタン83の押下を検出すると(ステップS12:YES)、利用者画面提供部101は、感想画面を第3端末30に提供する(ステップS13)。
図15(a)に示すように、感想画面は、感想の見出しを入力する入力欄85、感想の詳細や応援メッセージを入力する入力欄86、スタンプボタン87、送信ボタン88などを含んでいる。読者P3は、原作情報を読み終えると、文字を入力する操作を行うことにより感想の見出しや感想の詳細などを入力することができる。また、読了後の読者P3の感情に近い感情もスタンプボタン87をポインタPTにより押下することができる。スタンプボタン87は原作情報読了後の読者P3の感情に近い感情を感情的に表現した複数種類の図柄を評価項目として含んでいる。読者P3は、原作情報を読了すると、スタンプボタン87のいずれかを押下する操作を行うことができる。
【0064】
利用者画面提供部101は、例えば第3端末30からの送信ボタン88の押下を検出するまで待機する(ステップS14:NO)。送信ボタン88の押下を検出すると(ステップS14:YES)、利用者画面提供部101は、感想コメントとスタンプ評価を送信する(ステップS15)。より詳しくは、利用者画面提供部101は、感想画面で入力された感想の見出しや感想の詳細などを感想コメントとして、また、押下されたスタンプボタン87のスタンプ種別をスタンプ評価としてサーバ100に送信する。利用者画面提供部101は、感想コメントとスタンプ評価を受信すると、例えば原作IDと関連付けて原作記憶部112に登録する。併せて、利用者画面提供部101はスタンプ評価に応じたスタンプのスタンプ数をインクリメントして指標情報の該当項目を更新する。
【0065】
一方、
図13に示すように、利用者画面提供部101は、例えば第1端末10からの第1レビューボタンの押下を検出するまで待機する(ステップS21:NO)。第1レビューボタンは原作者用画面のボタン65に相当する(
図10(b)参照)。第1レビューボタンの押下を検出すると(ステップS21:YES)、利用者画面提供部101は、レビュー画面を提供する(ステップS22)。
図15(b)に示すように、レビュー画面は、原作者用画面(
図10(b)参照)又はレビュー画面内で選択された原作情報の一部を表す画像90のほか、読者P3の感情的な評価を集計した複数種類の評価スタンプ91、読者P3のレビューを表示するレビュー表示欄92を含んでいる。特に、評価スタンプ91は評価項目を感情的に表現した図柄と評価数の組合せを含んでいる。したがって、原作者P1がレビュー画面を表示させる操作を第1端末10に対して行えば、原作情報に対する評価スタンプ91とレビュー表示欄92の両方を同時に確認することができる。これにより、原作者P1は自身の作品に対して定量的かつ定性的な面での具体的な振り返りを行うことができ、より効果的に原作の品質向上に取り組むことができる。
【0066】
(第3実施形態)
続いて、
図16及び
図17を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。まず、
図16に示すように、利用者画面提供部101は第2端末20からの商業的利用者用画面の画面提供指示を検出するまで待機する(ステップS31:NO)。画面提供指示を検出すると(ステップS31:YES)、利用者画面提供部101は商業的利用者用画面を第2端末20に提供する(ステップS32)。これにより、第2端末20は商業的利用者用画面を表示する。
【0067】
図17に示すように、商業的利用者用画面は検索条件欄50を含んでいる。検索条件欄50は商業的利用者用画面に出現させる原作情報を絞り込むための条件を入力及び指定する欄である。検索条件欄50はテーマを絞り込むための入力欄、文字数を絞り込むための入力欄、及び原作者P1の執筆状況を絞り込むためのプルダウンを含んでいる。入力欄やプルダウンをさらに増やしてもよいし、減らしてもよい。商業的利用者P2(例えば編集者など)は第2端末20を操作してテーマや文字数を入力し、執筆状況を指定することによって、商業的利用者用画面に出現させる原作情報を絞り込むことができる。
【0068】
利用者画面提供部101は第2端末20からの検索条件を検出するまで待機する(ステップS33:NO)。検索条件を検出すると(ステップS33:YES)、利用者画面提供部101は原作情報の一部を商業的利用者用画面の画面内に表示する(ステップS34)。より詳しくは、テーマや文字数を入力し、執筆状況を指定して所定の操作(例えばエンターキーの押下など)を行うと、入力されたテーマ及び文字数、並びに指定した執筆状況を第2端末20がサーバ100に向けて検索条件として送信する。これにより、利用者画面提供部101は検索条件を検出することができる。
【0069】
利用者画面提供部101は検索条件を検出すると、検索条件に応じた原作情報を原作記憶部112から抽出する。利用者画面提供部101は抽出した原作情報を第2端末20に向けて送信する。これにより、商業的利用者用画面の画面内に原作情報が検索結果一覧として表示される。同じ原作情報が表示される度にその原作情報の原作表示回数がインクリメントされる。なお、商業的利用者用画面の表示可能領域は原作情報全体を表示できるほど大きくないため、検索結果一覧には、
図17に示すように、原作情報の一部が表示される。原作情報の一部には原作の見出しが含まれていることが望ましい。これにより、原作情報の概要を簡単に把握することができる。このように、商業的利用者P2は検索条件欄50で入力及び指定した検索条件に応じた原作情報を閲覧することができる。
【0070】
利用者画面提供部101は第2端末20からの選択肢の選択を検出するまで待機する(ステップS35:NO)。選択肢の選択を検出すると(ステップS35:YES)、利用者画面提供部101は原作情報の一部の表示順序を並び替える(ステップS36)。
【0071】
図17に示すように、商業的利用者用画面は指標情報を選択する複数種類の選択肢51も含んでいる。どの選択肢51もポインタPTによって押下することができる。したがって、商業的利用者P2は第2端末20を操作してポインタPTを移動させ、いずれか1つ又は2つ以上の選択肢51を選択することができる。本実施形態では、一例として選択肢「読了率」が選択されている。選択肢が選択されると、選択された選択肢を第2端末20がサーバ100に向けて送信する。これにより、利用者画面提供部101は選択肢の選択を検出することができる。
【0072】
利用者画面提供部101は選択肢の選択を検出すると、選択された選択肢に基づいて原作情報を並び替える。検索条件に基づく原作情報の絞り込みと、選択肢の選択に基づく並び替えの両方を併用することもできるし、絞り込みを行わずに、選択肢の選択に基づく並び替えを単独で利用してもよい。なお、並び替えを行わずに、検索条件に基づく原作情報の絞り込みを単独で利用してもよい。並び替えは数値が大きくなっていく昇順であってもよいし、数値が小さくなっていく降順であってもよい。原作情報には様々な指標を含む指標情報が関連付けられているため、選択肢に応じた並び替えを行うことができる。利用者画面提供部101は原作情報を並び替え終わると、並び替え後の原作情報を第2端末20に向けて送信する。これにより、
図17に示すように、商業的利用者用画面の画面内に並び替え後の原作情報の一部が検索結果一覧として表示される。本実施形態では、選択肢「読了率」が選択されたため、選択肢「読了率」に基づいて並び替えられた原作情報の一部が表示されている。このように、商業的利用者P2は選択した選択肢に応じて原作情報を並び替えられることができるため、複数種類の指標に基づいて有望な原作を発掘する調査を行うことができる。
【0073】
アクセス通知部102は第2端末20からのアクセスを検出するまで待機する(ステップS37:NO)。アクセスを検出すると(ステップS37:YES)、アクセス通知部102は原作情報の取り扱いを特定し(ステップS38)、第1端末10にアクセスを通知して(ステップS39)、処理を終了する。より詳しくは、
図17に示すように、検索結果一覧に表示された原作情報の一部の中からポインタPTによっていずれかが選択(例えばクリックなど)されると、その原作情報が選択されたことを表すアクセスが第2端末20からアクセス通知部102に通知される。
【0074】
これにより、アクセス通知部102はアクセスを検出することができる。アクセスを検出すると、アクセス通知部102はアクセスのアクセス種別に基づいて商業的利用者P2による原作情報の取り扱いを特定する。原作情報が選択されたことを表すアクセスである場合、商業的利用者P2が原作情報に対する興味を抱いたと特定することができる。したがって、アクセス通知部102は原作情報の選択を原作情報の取り扱いとしてシステムユーザ記憶部111の足跡に登録し、原作クリック回数をインクリメントする。原作クリック回数と原作表示回数が集計されて所定の計算式で計算されることにより、原作興味を表す指標(
図8参照)を算出することができる。
【0075】
なお、原作情報が選択されたことを表すアクセスはアクセス種別の一例であって、これに特に限定されない。例えば、
図17に示すように、検索結果一覧の中からいずれかの原作情報の一部が選択された後に、原作情報の中の表示対象を指定する指定欄52内に示されたいずれかの表示項目が選択されると、その表示項目に応じた表示対象が指定欄52直下の表示領域に表示される。この場合、その表示項目が選択されたことを表すアクセスがアクセス種別の一例に相当する。本実施形態では、表示項目「原作文」が選択されたため、読書開始を表す指標を計算する際に利用される。
【0076】
また、原作情報をブックマークに入れることを表すブックマークボタン53や原作情報の原作者をスカウトする場合に押下されるスカウトボタン54もアクセスの一例に相当する。このような様々なアクセスに基づいて、アクセス通知部102は商業的利用者P2による原作情報の取り扱いを特定し、特定した取り扱いをシステムユーザ記憶部111におけるユーザ情報の足跡に登録して集計する。なお、原作者を表すユーザIDとユーザ情報の原作者IDは共通するため、取り扱いを原作情報と関連付けることができる。
【0077】
アクセス通知部102は以上説明した取り扱いを特定すると、特定した取り扱いを商業的利用者P2によるアクセスとして第1端末10に通知する。より詳しくは、特定した取り扱いをアクセス通知部102は第1端末10に表示される原作者用画面上に通知する。
【0078】
ここで、上述したように、原作者用画面は、ボタン66,67,68を含んでいる(
図10(b)参照)。ボタン66がアクセス状況ボタンに相当し、ボタン67が第2レビューボタンに相当し、ボタン68がスカウト状況ボタンに相当する。アクセス状況ボタンは原作者P1に対し原作情報の取り扱いを通知するボタンである。ポインタPTによりアクセス状況ボタンが押下されると、原作情報が商業的利用者P2により閲覧されたことや、ブックマークに入れられたことを確認できる画面に遷移する。第2レビューボタンは商業的利用者P2によるレビューを通知するボタンである。ポインタPTにより第2レビューボタンが押下されると、
図15(b)に示すレビュー画面と同様であるが、読者P3に代えて商業的利用者P2のレビューを含むレビュー画面に遷移する。一方、ポインタPTによりスカウト状況ボタンが押下されると、商業的利用者P2によるスカウトボタン54(
図17参照)の押下に基づく原作者P1に対するスカウト又はオファーの状況を確認できる画面に遷移する。これにより、原作者P1は商業的利用者P2からのアクセスがあったことを把握することができる。
【0079】
このように、原作者P1の原作情報に対する商業的利用者P2からの注目度を可視化することができ、結果的に原作者P1の創作モチベーションの向上につながる可能性が高い。これにより、原作の品質を向上させることができる。
【0080】
(第4実施形態)
続いて、
図18及び
図19を参照して、本発明の第4実施形態について説明する。
図18に示すように、共有画面提供部103は指摘依頼指示を検出するまで待機する(ステップS41:NO)。指摘依頼指示は例えば原作者用画面(
図10(b)参照)内に指摘依頼情報を送信する読者P3の選択欄と指摘依頼情報の発行を指示するボタン(不図示)を設け、原作者P1がポインタPTによりそのボタンが押下すると、選択した読者P3のユーザIDを含む指摘依頼指示を第1端末10がサーバ100に向けて送信するようにすればよい。これにより、共有画面提供部103は指摘依頼指示を検出することができる。なお、指摘依頼情報は、原作情報を部分的に引用して読者P3の原作情報に対する指摘及び/又は感想を読者P3に依頼する情報である。
【0081】
指摘依頼指示を検出すると(ステップS41:YES)、共有画面提供部103は指摘依頼情報を発行し(ステップS42)、選択された読者P3の第3端末30に指摘依頼情報を送信する(ステップS43)。これにより、第3端末30に指摘依頼情報を受信する。第3端末30は指摘依頼情報を受信すると、例えば読者用画面(
図14(a)参照)上で指摘依頼情報を含むポップアップ画面を表示して読者P3に指摘依頼情報の受信を通知する。
【0082】
共有画面提供部103は共有指示を検出するまで待機する(ステップS44:NO)。例えば、読者P3がポップアップ画面に含まれる指摘依頼情報をポインタPTなどにより押下すると、第3端末30はサーバ100に向けて共有指示を送信する。これにより、共有画面提供部103は共有指示を検出することができる。共有指示を検出すると(ステップS44:YES)、共有画面提供部103は読者共有画面を第3端末30に提供する(ステップS45)。すなわち、指摘依頼情報は読者共有画面と関連付けられている。
【0083】
読者共有画面は、
図19に示すように、原作者P1と読者P3が共有する原作情報の一覧を表示する第1表示欄75、原作文の題名(タイトル)及び原作文を表示する第2表示欄76、及び原作情報に対する指摘及び/又は感想をコメントとして表示するコメント表示欄77を含んでいる。共有画面提供部103は第1表示欄75に表示する原作情報を原作記憶部112から取得してもよいし、登録対象記憶部121から取得してもよい。第1表示欄75に表示された複数の原作情報の中からいずれの原作情報を選択すると、共有画面提供部103は選択された原作情報の題名と原作文を第2表示欄76に表示する。これにより、読者P3は原作文を読むことができる。原作文を読みながら、又は原作文を読み終えると、読者P3をコメント表示欄77の入力欄77Aに原作者P1に送信する指摘や感想などを文字入力することができる。
【0084】
また、読者共有画面では、
図19に示すように、原作文を部分的に引用してコメント表示欄77に転用することができる。例えば、引用箇所をポインタPTでなぞる操作などを行って引用箇所を特定し、その引用箇所を特定した状態でポインタPTをコメント表示欄77に移動させると、引用箇所がコメント表示欄77に表示される。
【0085】
共有画面提供部103は指摘や感想等を検出するまで待機する(ステップS46:NO)。指摘や感想等には引用箇所も含まれる。例えば、引用箇所がコメント表示欄77に表示され、読者P3が入力欄77Aに指摘や感想が入力された状態で送信ボタン77Bが押下されると、第3端末30はサーバ100に向けて指摘や感想等を送信する。これにより、共有画面提供部103は指摘や感想等を検出することができる。指摘や感想等を検出すると(ステップS46:YES)、共有画面提供部103は指摘や感想等を第1端末10に通知して(ステップS47)、処理を終了する。指摘や感想等が通知されると、第1端末10は例えば原作者用画面(
図10(b)参照)上に指摘や感想等を原作情報の題名と共に別画面で表示する。第1端末10は原作を創作するための後述する創作用画面上に指摘や感想等を原作情報の題名と共に表示してもよい。これにより、読者P3の指摘や感想等を原作者P1に伝えることができる。また、創作用画面上に指摘や感想等と併せて指標情報もさらに表示すれば、原作者P1は創作用画面を通じて指摘や感想等と併せて指標情報も確認することができる。すなわち、指標情報を表示する読者データ画面(
図11参照)と創作用画面を切り替えずにシームレスに、原作者P1は創作用画面単独で指標情報、指摘、感想等を確認することができる。これにより、原作の創作に集中することができ、原作のさらなる品質向上を期待することができる。
【0086】
例えば、原作者P1が原作文の創作中であれば、創作途中に第1端末10を操作して指摘依頼指示を発行させればよい。これにより、創作中の原作文に対し、選択された特定の読者P3に感想を求めることができ、また、その読者P3による編集や校閲も依頼することができる。原作者P1が原作文の創作後であっても同様に、創作後の原作文に対し読者P3に感想を求めることができ、また、その読者P3による編集や校閲も依頼することができる。一方、読者P3にとっても、読者P3自身が好きな引用箇所と共に指摘や感想等を原作者P1に伝えることができるため、原作者P1との精神的な距離を近づけることができる。なお、第4実施形態では、指摘依頼情報に基づく共有指示に応じて、読者共有画面を第3端末30に提供したが、指摘依頼情報の受信とは無関係に指摘依頼情報から独立した所定の指示に応じて、原作情報と指摘及び/又は感想の入力欄とを含む所定の画面を第3端末30に提供してもよい。
【0087】
(第5実施形態)
続いて、
図20を参照して、本発明の第5実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、
図10(b)及び
図11に示すように、原作者用画面のボタン64に相当する読者データボタンの押下を検出すると、利用者画面提供部101が指標値や助言の文章といった指標情報を含む読者データ画面を第1端末10に提供することを説明した。このような指標情報を、サーバ100の創作用画面提供部104が、原作を創作するために原作者P1によって使用される創作用画面に表示してもよい。創作用画面は、
図20に示すように、原作情報の題名、創作対象の指定や編集対象の指定、読者データの確認などの複数の主項目を表示する表示欄41を含んでいる。また、創作用画面は複数の主項目の中のいずれかの主項目が選択された場合に、主項目に属する複数の副項目を表示する表示欄42も含んでいる。さらに、創作用画面は複数の副項目の中のいずれかの副項目が選択された場合に、副項目に対応する創作対象や編集対象、読者データなどを表示する表示欄43も含んでいる。
【0088】
図20に示すように、例えば、主項目「編集」が選択され、副項目「第2章 入部届…」が選択されると、創作用画面提供部104は登録対象記憶部121が登録対象として記憶する原作情報の中から選択された部分を取得して表示欄43に表示する。これにより、表示欄43には副項目「第2章 入部届…」に含まれる原作情報の一部が表示される。主項目「プロット」や主項目「登場人物」なども主項目「編集」の場合と同様である。
【0089】
一方で、主項目「読者データ」が選択された場合、創作用画面提供部104は単独で、又は利用者画面提供部101と連携して、読者データ画面(
図11参照)の表示内容と同様の表示内容を表示欄43に表示する。このように、創作用画面に読者データ画面の表示内容と同様の表示内容を表示させることにより、創作の最中に画面を切り替えずに、創作箇所に対する読者P3の閲覧状況や各種の指標情報を原作者P1は円滑に把握することができる。したがって、原作者P1が編集作業を行っていれば、速やかに指標情報に沿った対応を行うことができる。
【0090】
(第6実施形態)
続いて、
図21乃至
図23を参照して、本発明の第6実施形態について説明する。
図21に示すように、削除対象提供部106は文字列削除を検出するまで待機する(ステップS51:NO)。文字列削除は原作文、原作文に登場する登場人物、登場人物の人物像、登場人物の相関関係、原作文のプロット、原作のタイトル、原作のあらすじ、原作が含む物語のテーマのいずれかに含まれる文字列を削除対象として削除する指示である。
【0091】
例えば原作者用画面(
図10(b)参照)内に設けられた原作情報の一覧を表示するボタン62が押下されて、表示された原作情報の一覧の中からいずれかの原作が選択されると、
図22(a)に示すように、削除対象提供部106は選択された原作情報の一部を原作者用画面内に表示する。
図22(a)に示す原作者用画面は、原作情報の目次を見る目次ボタン45と原作情報を最初から読むための読み直しボタン46を含んでいる。また、
図22(a)に示す原作者用画面は、登場人物の一覧を表示する画面に遷移するための一覧表示ボタン47Aと登場人物の相関関係を表示する画面に遷移するための相関表示ボタン47Bを含んでいる。プロットの一覧などを表示する画面に遷移するためのボタンを設けてもよい。
【0092】
例えば、一覧表示ボタン47AがポインタPTにより押下されると、
図22(b)に示すように、削除対象提供部106は登場人物の一覧を表示する画面(以下、登場人物一覧画面という)に遷移する。登場人物一覧画面は、登場人物の人物画と名前のほか、登場人物を原作文から削除するための削除ボタン48を含んでいる。削除ボタン48と登場人物は一対一に対応付けられている。原作者P1がポインタPTにより削除ボタン48が押下すると、削除ボタン48に対応付けられた登場人物の名前の文字列を削除する文字列削除を第1端末10がサーバ100に向けて送信する。これにより、削除対象提供部106は文字列削除を検出することができる。
【0093】
文字列削除を検出すると(ステップS51:YES)、削除対象提供部106は削除対象数を第1端末10に表示する(ステップS52)。例えば、
図22(b)に示すように登場人物「A子ちゃん」と対応付けられた削除ボタン48が押下され、
図23(a)に示すように、原作文の複数箇所に登場人物「A子ちゃん」が含まれている場合、
図23(b)に示すように、削除対象提供部106は削除対象数を含む警告ダイアログを登場人物一覧画面に重畳して表示する。これにより、登場人物の削除によって原作に影響を及ぼす箇所を原作者P1は速やかに発見することができる。本実施形態では、登場人物を一例としているが、上述した削除対象のいずれかであれば、登場人物の場合と同様の処理が実行される。
【0094】
削除対象提供部106は対象部分表示指示を検出するまで待機する(ステップS53:NO)。例えば、
図23(b)に示すように、原作者P1が警告ダイアログに含まれる特定の文字列(例えば文字列「こちら」など)をポインタPTなどにより押下すると、第1端末10はサーバ100に向けて対象部分表示指示を送信する。これにより、削除対象提供部106は対象部分表示指示を検出することができる。対象部分表示指示を検出すると(ステップS53:YES)、削除対象提供部106は削除対象部分を第1端末10に表示する(ステップS54)。
【0095】
例えば、
図23(c)に示すように、削除対象提供部106は登場人物の削除により影響を及ぼす箇所の話数と行数、登場人物を含む原作文の中の一文を互いに関連付けた一文単位の単位画面49を警告ダイアログに重畳して第1端末10に表示する。これにより、登場人物の削除により発生する可能性のある原作情報の瑕疵を原作者P1は早期に発見することができる。
【0096】
削除対象提供部106は例えば単位画面49に対するポインタPTの押下を検出する度に、その単位画面49を削除する。削除対象提供部106は最後の単位画面49に対するポインタPTの押下を検出すると、登場人物の文字列を削除する。なお、
図23(b)に示す警告ダイアログの画面消去ボタン49Aの押下を検出した場合に、削除対象提供部106が登場人物の文字列を削除してもよい。また、第6実施形態で説明した以上の機能は、第5実施形態で説明した創作用画面(
図20参照)においても採用することもできる。
【0097】
(第7実施形態)
続いて、
図24及び
図25を参照して、本発明の第7実施形態について説明する。
図24に示すように、活動画面提供部107は活動報告ボタンの押下を検出するまで待機する(ステップS61:NO)。
図10(b)を参照して説明したように、原作者用画面は、活動報告を確認できるボタン63を含んでいる。ボタン63がポインタPTにより押下されると、第1端末10は原作の創作活動の記録を要求する指示をサーバ100に送信する。活動画面提供部107は当該指示を受信することにより、活動報告ボタンの押下を検出することができる。
【0098】
活動報告ボタンの押下を検出すると(ステップS61:YES)、活動画面提供部107は活動記録画面を第1端末10に提供する(ステップS62)。
図25(a)に示すように、活動記録画面は、原作文の文字数など、原作情報の中の計数可能な項目を所定期間毎に集計したグラフを含んでいる。原作者P1は活動記録画面を確認することにより、創作活動を振り返ることができる。
【0099】
次いで、活動画面提供部107は入力画面表示指示を検出するまで待機する(ステップS63:NO)。
図25(a)に示すように、活動記録画面は、所定領域に、創作活動の記録を入力するための活動入力画面を表示させる画面表示ボタン95を含んでいる。画面表示ボタン95がポインタPTにより押下されると、第1端末10は入力画面表示指示をサーバ100に送信する。活動画面提供部107は入力画面表示指示を受信することにより、入力画面表示指示を検出することができる。
【0100】
入力画面表示指示を検出すると(ステップS63:YES)、活動入力画面を活動記録画面に重畳して第1端末10に提供する(ステップS64)。活動入力画面の詳細は、図示しないが、
図15(a)を参照して説明した感想画面と同様に、創作活動の見出しを入力する入力欄、創作活動の内容を入力する入力欄、送信ボタンなどを含んでいる。送信ボタンが押下されると、活動画面提供部107は活動入力画面で入力された創作活動の見出しや創作活動の内容などをサーバ100に送信する。活動画面提供部107は創作活動の見出しや創作活動の内容などを受信すると、
図25(a)に示すように、創作活動の見出しや創作活動の内容などを含む創作活動記録96を活動記録画面内に表示する。
【0101】
活動画面提供部107は交流画面表示指示を検出するまで待機する(ステップS65:NO)。例えば、
図25(a)に示すように、創作活動記録96のいずれか1つがポインタPTにより押下されると、第1端末10は交流画面表示指示をサーバ100に送信する。活動画面提供部107は交流画面表示指示を受信することにより、交流画面表示指示を検出することができる。
【0102】
交流画面表示指示を検出すると(ステップS65:YES)、活動画面提供部107は交流画面を第1端末10に提供して(ステップS66)、処理を終了する。交流画面は、
図25(b)に示すように、押下された創作活動記録96と、スレッド表示欄97、メッセージ入力欄98、送信ボタン99を含んでいる。メッセージ入力欄98にメッセージが入力されて送信ボタン99が押下されると、第1端末10は入力されたメッセージの文字情報を送信する。活動画面提供部107は文字情報を受信すると、受信した文字情報を単位投稿メッセージ97Aとしてスレッド表示欄97に表示する。
【0103】
このような交流画面により、原作者P1と原作者P1と異なる別の原作者(不図示)は文字情報で交流を図ることができる。これにより、原作者同士でお互いに励まし合ったり鼓舞し合ったりしながら創作活動に打ち込むことができる。なお、別の原作者は原作者用画面(
図10(b)参照)内に設けられたボタン69を押下することにより、創作活動記録96に対するメッセージを入力することができる。
【0104】
例えば、ボタン69が押下されると、別の原作者が読書中の原作情報と原作者P1の創作活動記録96とを含む画面が表示される。そして、この画面内に表示された創作活動記録96に対してメッセージが入力され、メッセージの文字情報が送信されると、活動画面提供部107はメッセージの文字情報を受信する。活動画面提供部107は受信した文字情報を別の原作者の単位投稿メッセージ97Bとしてスレッド表示欄97に表示する。
【0105】
(第8実施形態)
続いて、
図26乃至
図28を参照して、本発明の第8実施形態について説明する。原作情報取得部108は、第1端末10から送信される、原作IDを含む登録指示を検出するまで待機する。第1端末10から登録指示を送信する場合、例えば原作者用画面(
図10(b)参照)又は創作用画面(
図20参照)に登録指示を発行する発行ボタンを設ければよい。登録指示を検出すると、原作情報取得部108は外部DB120の登録対象記憶部121から原作情報を取得する。原作情報を取得すると、原作情報取得部108は原作情報を内部DB110の原作記憶部112に登録して、処理を終了する。
【0106】
また、原作情報取得部108は、原作情報を登録する際、原作情報に登場する登場人物、登場人物の人物像、登場人物の相関関係、原作情報のプロットといった複数の項目を登録するか否か事前に選択させてもよい。この場合、上述した発行ボタンの付近にこれらの複数の項目を登録するか否か選択させるラジオボタンを配置すればよい。例えば、ラジオボタンによりこれら複数の項目を登録しない旨が選択されている場合、上述した登録指示にこれら複数の項目を登録しない旨が含まれる。この場合、
図26に示すように、原作情報取得部108は登録人物等登録指示を検出しなかったと判断し(ステップS71:NO)、処理を終了する。これにより、読者P3は、登場人物やプロットなど、これら複数の項目を把握せずに自身の想像力を発揮しながら原作情報を読むことができる。
【0107】
一方、ラジオボタンによりこれら複数の項目を登録する旨が選択されている場合、上述した登録指示にこれら複数の項目を登録する旨が含まれる。この場合、
図26に示すように、原作情報取得部108は登録人物等登録指示を検出したと判断し(ステップS71:YES)、登録人物等を原作記憶部112に登録して、処理を終了する。これにより、読者P3は原作情報を読み始める前に原作情報の概要やシチュエーション、作風などを、登録人物等の登録がない場合に比べて、短時間で把握することができ、読書を開始するか否かを決断することができる。
【0108】
例えば、読者P3が第3端末30に表示したトップページ画面(
図10(a)参照)で原作情報を検索し、検索結果の一覧の中からいずれかの原作情報を指定してログインすると、
図27(a)に示すように、読者用画面に遷移する。この読者用画面は、登場人物の一覧を表示する画面に遷移するための一覧表示ボタン78Aと登場人物の相関関係を表示する画面に遷移するための相関表示ボタン78Bを含んでいる。
【0109】
一覧表示ボタン78Aが押下されると、
図27(b)に示すように、第3端末30は読者P3用の登録人物一覧画面を表示する。読者P3用の登録人物一覧画面は、原作者P1用の登録人物一覧画面(
図22(b)参照)と異なり、詳細ボタン89を登録人物毎に含んでいる。詳細ボタン89が押下されると、
図28(a)に示すように、第3端末30は登録人物の人物像が記載された登録人物詳細画面を表示する。一方、相関表示ボタン78Bが押下されると、
図28(b)に示すように、第3端末30は登録人物の相関関係が記載された相関関係画面を表示する。このように、読者P3は原作情報を読み始める前に原作情報に登場する登場人物や登録人物の相関関係なども短時間で把握することができる。
【0110】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明に係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、品質向上支援プログラムを通信ネットワークNW1,NW2を介して、第2端末20、第1端末10、第3端末30の少なくとも1つにダウンロードさせる構成としてもよい。
【0111】
また、上述した実施形態ではサーバ100の一例として物理サーバを用いて説明したが、サーバ100は仮想サーバであってもよい。さらに、サーバ100の各機能を負荷やサービス種別に応じて複数のサーバに分散させてもよいし、内部DB110や外部DB120の各記憶部を負荷や管理面に応じて複数のDBに分散させてもよい。一方で、サーバ100、内部DB110、外部DB120の機能や記憶部の全てを1つの装置に集約してもよい。
【符号の説明】
【0112】
ST 品質向上支援システム
100 サーバ
101 利用者画面提供部
102 アクセス通知部
110 内部DB
111 システムユーザ記憶部
112 原作記憶部
113 指標記憶部
120 外部DB