(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023030969
(43)【公開日】2023-03-08
(54)【発明の名称】物流システム、物流管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/30 20120101AFI20230301BHJP
【FI】
G06Q50/30
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021136399
(22)【出願日】2021-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】田中 大貴
(72)【発明者】
【氏名】田爪 敏明
(72)【発明者】
【氏名】井沼 孝慈
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC41
(57)【要約】
【課題】無人機を用いた物品運搬の効率の向上を図る。
【解決手段】物流システム1のサーバ10は、電池33から供給される電力によって駆動する無人航空機30が配送先住所に物品を配送した後の電池33の残容量を特定するエネルギー残量特定部と、配送先住所を始点とし無人航空機30の拠点を終点とする復路において、集荷を行い且つ拠点に戻ることが可能な集荷先候補を選択するための集荷可能範囲を電池33の残容量に応じて設定する範囲設定部と、集荷可能範囲内の集荷先候補の中から集荷先を決定する集荷先決定部と、して機能する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー源から供給されるエネルギーによって駆動する無人機が配送先住所に物品を配送した後の前記無人機のエネルギー残量を取得又は予測するエネルギー残量特定部と、
前記配送先住所を始点とし前記無人機の拠点を終点とする復路において集荷を行い且つ拠点に戻ることが可能な集荷先候補を選択するための集荷可能範囲を前記エネルギー残量に応じて設定する範囲設定部と、
前記集荷可能範囲内に位置する前記集荷先候補の中から集荷先を決定する集荷先決定部と、を備える物流システム。
【請求項2】
前記集荷可能範囲内に位置する前記集荷先候補を検出し、物品の回収が可能であることを知らせる集荷可能通知を検出した前記集荷先候補に対応するユーザ装置に送信する通知送信部と、
前記集荷可能通知に対する集荷依頼を前記ユーザ装置から受信する依頼受信部と、をさらに備え、
前記集荷先決定部は、前記集荷依頼に関連付けられた前記集荷先候補の中から集荷先を決定する
請求項1に記載の物流システム。
【請求項3】
前記エネルギー残量特定部は、前記集荷先決定部が前記集荷先を決定する度に、前記集荷先への移動後の前記無人機のエネルギー残量を予測し、
前記エネルギー残量が次の集荷が可能なエネルギー残量であるか否かを判断し、前記エネルギー残量が次の集荷が可能なエネルギー残量である場合にのみ前記集荷先候補の中から前記集荷先を決定する処理を繰り返す
請求項1又は2に記載の物流システム。
【請求項4】
前記集荷先が決定される度に、当該集荷先で回収される物品の重量を前記無人機の集荷可能重量から減算して更新する重量更新部をさらに備え、
前記集荷先決定部は、前記集荷先候補の中から新たな集荷先を決定する際に、集荷対象の物品の重量が前記集荷可能重量以下である集荷先候補を新たな集荷先として決定する
請求項1~3のいずれか1項に記載の物流システム。
【請求項5】
前記復路において集荷が複数回行われる場合に、集荷の順番が遅い集荷に対して集荷料金を低く設定する第1料金設定部をさらに備える
請求項4に記載の物流システム。
【請求項6】
前記集荷先が決定される度に、当該集荷先で回収される物品の容量を前記無人機の集荷可能容量から減算して更新する容量更新部をさらに備え、
前記集荷先決定部は、前記集荷先候補の中から新たな集荷先を決定する際に、集荷対象の物品の容量が前記集荷可能容量以下である集荷先候補を新たな集荷先として決定する
請求項1~5のいずれか1項に記載の物流システム。
【請求項7】
前記無人機の前記復路において集荷を依頼した場合の集荷料金を、前記無人機が積荷の無い状態で前記拠点から集荷先に移動し当該集荷先で物品を回収し前記拠点に戻る場合の集荷料金よりも低く設定する第2料金設定部をさらに備える
請求項1~6のいずれか1項に記載の物流システム。
【請求項8】
前記集荷可能通知には、集荷可能な物品の重量が含まれ、
前記配送先住所又は直前の経由地点である前記集荷先から前記集荷先候補までの相対距離が長いほど前記集荷可能通知に含まれる集荷可能な物品の重量を大きくする
請求項2に記載の物流システム。
【請求項9】
前記集荷可能通知には、集荷可能な物品の重量が含まれ、
前記配送先住所又は直前の経由地点である前記集荷先と前記拠点とを最短距離で結ぶ経路からの相対距離が短いほど前記集荷可能通知に含まれる集荷可能な物品の重量を大きくする
請求項2に記載の物流システム。
【請求項10】
集荷先住所、配送先住所、物品の重量及び容量を含む依頼情報をユーザ装置から受信し、集荷先情報として記憶部に記憶する依頼登録部をさらに備え、
前記集荷先決定部は、前記集荷先情報を検索して、前記集荷先住所が前記集荷可能範囲に含まれ、前記物品の重量が前記無人機の集荷可能重量以下且つ前記物品の容量が前記無人機の集荷可能容量以下である集荷先情報を検出し、検出した前記集荷先情報の一つを集荷先として決定する
請求項1に記載の物流システム。
【請求項11】
物流システムが備える1又は複数のコンピュータが、
エネルギー源から供給されるエネルギーによって駆動する無人機が配送先住所に物品を配送した後の前記無人機のエネルギー残量を特定するエネルギー残量特定ステップと、
前記配送先住所を始点とし前記無人機の拠点を終点とする復路において集荷を行い且つ拠点に戻ることが可能な集荷先候補を選択するための集荷可能範囲を前記エネルギー残量に応じて設定する範囲設定ステップと、
前記集荷可能範囲内に位置する前記集荷先候補の中から集荷先を決定する集荷先決定ステップと、を実行する物流管理方法。
【請求項12】
物流システムが備える1又は複数のコンピュータを、
エネルギー源から供給されるエネルギーによって駆動する無人機が配送先住所に物品を配送した後の前記無人機のエネルギー残量を特定するエネルギー残量特定部と、
前記配送先住所を始点とし前記無人機の拠点を終点とする復路において集荷を行い且つ拠点に戻ることが可能な集荷先候補を選択するための集荷可能範囲を前記エネルギー残量に応じて設定する範囲設定部と、
前記集荷可能範囲内に位置する前記集荷先候補の中から集荷先を決定する集荷先決定部として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物流システム、物流管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
無人航空機や無人走行機等の無人機により受取人に物品を配送する物流システムの実用化が進められている。この物流システムにおいて、無人機による配送効率を向上させるために、複数の配送先に配送する物品を搭載して、一回の移動で複数の配送先に物品を配送することが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の物流システムを用いたサービスがさらに普及するに伴い、サービスの利用者が増えることが想定される。サービスの利用者が増えるに伴い、無人機が運搬する物品の数も増えることが見込まれるため、無人機を用いた物品の運搬をさらに効率よく行う仕組みが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する物流システムは、エネルギー源から供給されるエネルギーによって駆動する無人機が配送先住所に物品を配送した後の前記無人機のエネルギー残量を取得又は予測するエネルギー残量特定部と、前記配送先住所を始点とし前記無人機の拠点を終点とする復路において集荷を行い且つ拠点に戻ることが可能な集荷先候補を選択するための集荷可能範囲を前記エネルギー残量に応じて設定する範囲設定部と、前記集荷可能範囲内に位置する前記集荷先候補の中から集荷先を決定する集荷先決定部と、を備える。
【0006】
かかる構成によれば、無人機は、配送後の復路において、集荷可能範囲内から選択した集荷先から物品を回収することができる。集荷可能範囲は、配送先住所及び電池の残容量に基づき設定されるため、復路の途中で電力を補給することなく、集荷を行うことができる。このため、物品の運搬を効率的に行うことができる。
【0007】
上記物流システムについて、前記集荷可能範囲内に位置する前記集荷先候補を検出し、物品の回収が可能であることを知らせる集荷可能通知を検出した前記集荷先候補に対応するユーザ装置に送信する通知送信部と、前記集荷可能通知に対する集荷依頼を前記ユーザ装置から受信する依頼受信部と、をさらに備え、前記集荷先決定部は、前記集荷依頼に関連付けられた前記集荷先候補の中から集荷先を決定することが好ましい。
【0008】
かかる構成によれば、集荷可能範囲内に位置する集荷先候補に対しレコメンド通知を送信し、そのレコメンド通知に対して送信された集荷依頼の中から集荷先を決定する。このため、無人機が復路を移動するタイミングで、集荷に対応が可能なユーザを適切に選択することができる。
【0009】
上記物流システムについて、前記エネルギー残量特定部は、前記集荷先決定部が前記集荷先を決定する度に、前記集荷先への移動後の前記無人機のエネルギー残量を予測し、前記エネルギー残量が次の集荷が可能なエネルギー残量であるか否かを判断し、前記エネルギー残量が次の集荷が可能なエネルギー残量である場合にのみ前記集荷先候補の中から前記集荷先を決定する処理を繰り返すことが好ましい。
【0010】
かかる構成によれば、電池の残容量が集荷可能な残容量である場合に、集荷可能範囲内の集荷先候補の中から集荷先を決定する。このため、電池から供給される電力を効率的に利用することを通じて、物品の運搬を効率的に行うことができる。
【0011】
上記物流システムについて、前記集荷先が決定される度に、当該集荷先で回収される物品の重量を前記無人機の集荷可能重量から減算して更新する重量更新部をさらに備え、前記集荷先決定部は、前記集荷先候補の中から新たな集荷先を決定する際に、集荷対象の物品の重量が前記集荷可能重量以下である集荷先候補を新たな集荷先として決定することが好ましい。
【0012】
かかる構成によれば、集荷を決定した物品の重量を直前の集荷可能重量から減算して集荷可能重量を更新する。よって無人機が運搬できる余力を集荷先が決定される度に予測することができるため、集荷計画を速やかに立てることができる。
【0013】
上記物流システムについて、前記復路において集荷が複数回行われる場合に、集荷の順番が遅い集荷に対して集荷料金を低く設定する第1料金設定部をさらに備えることが好ましい。
【0014】
かかる構成によれば、復路における集荷の順番が遅くなり、集荷可能な重量の制限が大きくなるに伴い料金を低く設定できるため、集荷依頼を促すことができる。
上記物流システムについて、前記集荷先が決定される度に、当該集荷先で回収される物品の容量を前記無人機の集荷可能容量から減算して更新する容量更新部をさらに備え、前記集荷先決定部は、前記集荷先候補の中から新たな集荷先を決定する際に、集荷対象の物品の容量が前記集荷可能容量以下である集荷先候補を新たな集荷先として決定することが好ましい。
【0015】
かかる構成によれば、回収される物品の容量を集荷可能容量から減算して更新し、新たな集荷先を決定する際には、集荷対象の物品の容量が集荷可能容量以下である集荷先候補を集荷先とする。よって無人機が運搬できる余力を予測することができるため、集荷計画を速やかに立てることができる。
【0016】
上記物流システムについて、前記無人機の前記復路において集荷を依頼した場合の集荷料金を、前記無人機が積荷の無い状態で前記拠点から集荷先に移動し当該集荷先で物品を回収し前記拠点に戻る場合の集荷料金よりも低く設定する第2料金設定部をさらに備えることが好ましい。
【0017】
かかる構成によれば、配送後の復路で集荷を行う場合の集荷料金を、集荷のためだけに拠点と集荷先とを往復する場合の集荷料金よりも低く設定する。このため、復路における集荷をユーザが依頼するメリットを高めることができる。
【0018】
上記物流システムについて、前記集荷可能通知には、集荷可能な物品の重量が含まれ、前記配送先住所又は直前の前記集荷先から前記集荷先候補までの相対距離が長いほど前記集荷可能通知に含まれる集荷可能な物品の重量を大きくすることが好ましい。
【0019】
かかる構成によれば、配送先住所又は直前の集荷先からの相対距離が長い集荷先候補に対しては集荷可能な物品の重量を小さくするため、1回の集荷で無人機が消費するエネルギー量を極力小さくすることができる。このため、復路における集荷回数の増大を図ることができる。
【0020】
上記物流システムについて、前記集荷可能通知には、集荷可能な物品の重量が含まれ、前記配送先住所又は直前の前記集荷先と前記拠点とを最短距離で結ぶ移動経路からの相対距離が短いほど前記集荷可能通知に含まれる集荷可能な物品の重量を大きくすることが好ましい。
【0021】
かかる構成によれば、配送先住所又は直前の集荷先から拠点までの最短の移動経路に対する相対距離が長い集荷先候補に対しては集荷可能な物品の重量を大きくするため、1回の集荷で無人機が消費するエネルギー量を極力小さくすることができる。このため、復路における集荷回数の増大を図ることができる。
【0022】
上記物流システムについて、集荷先住所、配送先住所、物品の重量及び容量を含む依頼情報をユーザ装置から受信し、集荷先情報として記憶部に記憶する依頼登録部をさらに備え、前記集荷先決定部は、前記集荷先情報を検索して、前記集荷先住所が前記集荷可能範囲に含まれ、前記物品の重量が前記無人機の集荷可能重量以下且つ前記物品の容量が前記無人機の集荷可能容量以下である集荷先情報を検出し、検出した前記集荷先情報の一つを集荷先として決定することが好ましい。
【0023】
かかる構成によれば、集荷先住所、配送先住所、物品の重量及び容量を含む集荷先情報を用いて集荷条件を満たす集荷先情報を検索するため、集荷が可能である通知を送る場合に比べ、速やかに集荷先を決定することができる。
【0024】
上記課題を解決する物流管理方法は、物流システムが備える1又は複数のコンピュータが、エネルギー源から供給されるエネルギーによって駆動する無人機が配送先住所に物品を配送した後の前記無人機のエネルギー残量を特定するエネルギー残量特定ステップと、前記配送先住所を始点とし前記無人機の拠点を終点とする復路において集荷を行い且つ拠点に戻ることが可能な集荷先候補を選択するための集荷可能範囲を前記エネルギー残量に応じて設定する範囲設定ステップと、前記集荷可能範囲内に位置する前記集荷先候補の中から集荷先を決定する集荷先決定ステップと、を実行する。
【0025】
上記課題を解決するプログラムは、物流システムが備える1又は複数のコンピュータを、エネルギー源から供給されるエネルギーによって駆動する無人機が配送先住所に物品を配送した後の前記無人機のエネルギー残量を特定するエネルギー残量特定部と、前記配送先住所を始点とし前記無人機の拠点を終点とする復路において集荷を行い且つ拠点に戻ることが可能な集荷先候補を選択するための集荷可能範囲を前記エネルギー残量に応じて設定する範囲設定部と、前記集荷可能範囲内に位置する前記集荷先候補の中から集荷先を決定する集荷先決定部として機能させる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、無人機を用いた物品運搬の効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】第1実施形態の物流システムの概略構成を示す図である。
【
図2】同実施形態のユーザ情報のデータ構造を示す模式図である。
【
図3】同実施形態の集荷先情報のデータ構造を示す模式図である。
【
図4】同実施形態の1回目の集荷先を決定する手順を説明する模式図である。
【
図5】同実施形態の2回目の集荷先を決定する手順を説明する模式図である。
【
図6】同実施形態の集荷先を決定する手順を説明するフローチャートである。
【
図7】同実施形態の料金設定の手順を説明するフローチャートである。
【
図8】第2実施形態の料金設定の手順を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(第1実施形態)
以下、物流システム、物流管理方法、及びプログラムの第1実施形態について説明する。第1実施形態では無人機として無人航空機を用いる物流システムについて説明する。
【0029】
<物流システムの構成>
図1に示すように、物流システム1は、サーバ10、ユーザ装置20、及び無人航空機30を備える。物流システム1は、受取人の配送先住所に物品を配送し、集荷先住所から物品を回収するシステムである。拠点から配送先住所に至る経路を往路とし、配送先住所から集荷先住所を経由して拠点に至る経路を復路とする。物流システム1は、無人航空機30のエネルギー残量に基づいて復路における集荷先住所を決定する。
【0030】
サーバ10は、物流管理者が管理するものであり、1又は複数の情報処理装置から構成される。サーバ10は、制御部11、記憶部12及び通信部13を備えている。制御部11は、演算装置及びメモリ(記憶媒体)を含む。演算装置は、記憶部12又はそれ以外のストレージからオペレーティングシステムや、物流管理プログラム等の各種プログラムをメモリにロードし、メモリから取り出した命令を実行する。演算装置は、1つ又は複数の回路(circuitry)であり、例えばCPU等である。記憶部12は、補助記憶装置(記憶媒体)であって、物流を管理するための各種情報を記憶する。通信部13は、ハードウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせとして実装され、ネットワーク50を介して、ユーザ装置20及び無人航空機30との間でデータを送受信する。なお、サーバ10は、物流管理者等が入力操作を行うための操作部、表示部を備えていてもよい。
【0031】
ユーザ装置20は、物流システム1を利用するユーザが用いる情報処理装置である。ユーザ装置20は、スマートフォン(多機能電話端末)、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、ウェアラブルコンピュータ、又はこれらの装置以外の画像を表示可能な情報処理装置である。
【0032】
ユーザ装置20は、制御部21、記憶部22、通信部23、操作部24、及び表示部25を備える。制御部21は、演算装置及びメモリを含む。演算装置は、記憶部22又はそれ以外のストレージからオペレーティングシステムや、配送及び集荷に関するプログラム等の各種プログラムをメモリにロードし、メモリから取り出した命令を実行する。演算装置は、CPU、GPU(Graphic Processing Unit)、NPU(Neural network Processing Unit)等の1乃至複数の演算回路である。記憶部12は、補助記憶装置(記憶媒体)であって、ユーザに関する各種情報を記憶する。また、記憶部12は、配送及び集荷に関する通知を受信可能なプログラムを実装していてもよい。このプログラムは、配送及び集荷サービスの提供を受けるための専用のプログラムであってもよく、ソーシャル・ネットワーキング・サービスを利用するプログラムであってもよい。又は、通知メールを受信可能なメールソフトであってもよい。通信部23は、ハードウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせとして実装され、ネットワーク50を介して、サーバ10との間でデータを送受信する。操作部24は、表示部25と一体化されたタッチパネルや、ユーザ装置20の筐体等に設けられた操作ボタン、キーボード、マウス、コントローラ等である。表示部25は、制御部21の出力指示に応じて、各種画像を出力する。
【0033】
無人航空機30は、人が搭乗しない航空機であって、物流管理者又はその他の所有者によって管理される装置である。無人航空機30は、制御装置31、駆動部32、及びエネルギー源としての電池33を備える。制御装置31は駆動部32を制御する。駆動部32は、電池33から供給される電力で駆動する駆動源、駆動源から得られる動力によって動作する回転翼等を含む。駆動源は、本実施形態では電動モータである。なお、駆動部32は、燃料を消費して駆動するエンジンであってもよい。この場合には、エネルギー源として、電池33に代えて駆動部32に燃料を供給する燃料供給部が設けられる。また、無人航空機30は、複数の種類の駆動源を搭載したハイブリッド式の駆動部32を備えていてもよい。
【0034】
制御装置31は、制御部35、記憶部36、通信部37及びセンサ部38を備える。制御部35は、サーバ10の制御部11又はユーザ装置20の制御部21とほぼ同じ構成である。記憶部36は、サーバ10の記憶部12又はユーザ装置20の記憶部22とほぼ同じ構成である。記憶部36には、自律飛行のためのプログラムの他、地図情報、配送先住所等の各種情報が記憶されている。センサ部38は、現在位置を検出するGPSセンサを備える。また、センサ部38は、イメージセンサ(カメラ)、風向風速センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、赤外線センサ、地磁気センサ、高度センサ、変位センサ、及び温度センサのうち少なくとも一つを含んでもよい。また、無人航空機30は、マイクやスピーカーを備えていてもよい。
【0035】
制御部35は、電池33に設けられた残量検出回路33Aから残量を取得する。電池33の残量検出回路33Aは、電池33の残容量を検出し、制御装置31に出力する。電池33の残容量は、例えば電池33の充電状態(SOC、State Of Charge)であって、満充電の場合は「100%」である。また残量検出回路33Aは、電池電圧を測定してもよく、残りの放電容量(Ah)を制御部35に出力してもよい。制御装置31は、残量検出回路33Aから取得した残容量情報を、通信部37を介してサーバ10に送信する。
【0036】
図2及び
図3は、サーバ10の記憶部12に記憶されるユーザ情報15及び集荷先情報16のデータ構造の概略をそれぞれ示す。
図2に示すように、ユーザ情報15は、ユーザID、住所、通知情報を含む。ユーザIDは、ユーザ毎に割り振られた識別情報である。住所は、ユーザが、物品の受取、物品を預ける場所を示す。通知情報は、集荷に関する通知や、各種の情報等をユーザが受け取るための情報である。例えば、ユーザがユーザ装置20に実装されたアプリケーションプログラムでプッシュ通知を受け取る場合には、通知情報には、ユーザ装置20に関連付けられた登録IDやデバイストークン等が含まれる。又はユーザが、電子メールで通知を受け取る場合には、通知情報にはユーザのメールアドレスが含まれる。
【0037】
図3に示すように、集荷先情報16は、集荷内容を示す情報であり、ユーザ装置20等により送信された情報に基づく。集荷内容は、集荷対象である物品毎に登録される。集荷先情報16は、集荷を依頼したユーザのユーザID、集荷先の住所である集荷先住所、集荷した物品を配送する配送先住所、荷物詳細、集荷料金、集荷状態を含む。集荷先住所は、例えばユーザ情報の住所に基づいて記録される。物品詳細は、集荷した物品の重量及び容量を示す。集荷料金は、物品を拠点51に回収した場合等、料金が確定したタイミングで登録される。集荷状態は、物品の集荷の状況を示す。集荷状態は、「集荷待ち」、「集荷中」、「集荷済み」のいずれか一つに設定される。この他に、集荷先情報16は、ユーザが集荷を希望する集荷希望日時を含んでいてもよい。
【0038】
なお、物流システム1により提供される集荷サービスは、無人航空機30が、積荷が無い状態で拠点から集荷先住所に移動し、集荷先住所で物品を回収する第1の集荷方法と、物品を配送した後の復路において集荷を行う第2の集荷方法とがある。第2の集荷方法は、集荷のタイミングが配送状況に応じて流動的に決定される一方、第1の集荷方法に比べ、時間及びエネルギー消費量の両方の観点から効率的に集荷を行うことができる。このため、集荷方法以外は同じ集荷条件である場合に、第2の集荷方法での集荷料金は、第1の集荷方法での集荷料金よりも低く設定される。また、集荷先情報16は、第1の集荷方法及び第2の集荷方法のうち、ユーザが希望する方法を含んでいてもよい。
【0039】
<集荷先決定処理の概要>
次に
図4及び
図5を参照して、物流システム1によって実行される集荷処理の概要について説明する。物流システム1は、エネルギー残量特定部、範囲設定部、集荷先決定部、通知送信部、依頼受信部、重量更新部、容量更新部、第1料金設定部、及び第2料金設定部として機能する。本実施形態では、これらの機能はサーバ10で実現される。
【0040】
図4に示すように、無人航空機30は、拠点51から、受取人であるユーザ101の住所である配送先住所52へ至る往路53を移動して、物品を配送する。拠点51は、配送する物品、及び集荷した物品を一時的に集める倉庫や店舗、又は配送先住所52の周辺に駐車した配送車両等である。なお、
図4及び
図5では、往路53の始点である拠点51と復路の終点である拠点51とは同じであるが、異なっていてもよい。
【0041】
サーバ10は、集荷を希望するユーザ102から依頼を受け付けて、集荷先情報16として予め記録している。サーバ10は、集荷先情報16を用いて、経由地点としての集荷先56を選択する。また、サーバ10は、選択した集荷先56の住所を無人航空機30に送信する。無人航空機30は、集荷先56の住所をサーバ10から受信して、拠点51に戻る復路において集荷先56を経由して集荷を行う。
【0042】
次に、物流システム1によって実現される機能について説明する。
〔エネルギー残量特定部〕
エネルギー残量特定部は、無人航空機30が配送先住所52に物品を配送したときの無人航空機30の電池33の残容量を取得する。無人航空機30は、所定間隔で電池33の残容量を示す残容量情報61をサーバ10に送信する。「配送先住所52に物品を配送したとき」とは、無人航空機30が配送先住所52に到着する直前、配送先住所52に到着したとき又は物品を無人航空機30から下ろし配送先住所52から出発するときを含む。
【0043】
図5に示すように、エネルギー残量特定部は、集荷経路54の移動距離と、無人航空機30の積載重量とに基づいて、集荷先住所から物品を回収したときの無人航空機30の電池33の残容量を予測する。「集荷先住所から物品を回収したとき」とは、無人航空機30が集荷先56に到着する直前、集荷先56に到着したとき、又は物品を回収し集荷先56から出発するときを含む。
図5に示す集荷経路54は、配送先住所52から1回目の集荷先56Aに移動する経路である。このときエネルギー残量特定部は、移動距離と、無人航空機30の積載重量とに基づいて、予め記憶されたテーブルやマップに用いて電池33の残容量を予測してもよい。又は、エネルギー残量特定部は、計算式を用いて電池33の残容量を算出するようにしてもよい。移動距離が長いほど、電池33の残容量は大きく減少する。また、積載重量が大きいほど、電池33の残容量は大きく減少する。
【0044】
〔範囲設定部〕
範囲設定部は、集荷先を決定するための集荷可能範囲60を設定する。範囲設定部は、電池33の残容量及び積載重量によって決まる飛行可能距離に基づき集荷可能範囲60を設定する。
【0045】
図4は、1回目の集荷先56を決定するための集荷可能範囲60Aを示す。範囲設定部は、配送先住所52及び配送先住所52での電池33の残容量に基づいて集荷可能範囲60Aを設定する。この集荷可能範囲60A内の集荷先住所であれば、無人航空機30が配送先住所52から集荷先住所を経由して拠点51に戻ることができる。1回目の集荷のために設定される集荷可能範囲60Aは、配送先住所52と拠点51の位置とを含む範囲である。又は、配送先住所52及び拠点51の位置のいずれか一方を含む範囲であってもよく、1回目の配送先住所52と拠点51の位置との間に設定される範囲であってもよい。集荷可能範囲60Aは、電池33の残容量が大きいほど広くなり、電池33の残容量が小さいほど狭くなる。
【0046】
例えば集荷可能範囲60Aは、拠点51及び配送先住所52を焦点とする楕円形状であってもよい。この集荷可能範囲60Aの外縁上の各位置は、二つの焦点からの距離の和が一定となる。すなわち、配送先住所52から当該位置を経由して拠点51に至る距離が一定となる。又は集荷可能範囲60Aは、拠点51及び配送先住所52を含む円形状又は矩形状の範囲であってもよい。
【0047】
図5は、2回目の集荷先56を決定するための集荷可能範囲60Bを示す。範囲設定部は、1回目の集荷先56Aの住所及び集荷先56Aの電池33での残容量に応じて集荷可能範囲60Bを設定する。無人航空機30は、集荷可能範囲60B内の集荷先住所であれば、1回目の集荷先56Aから2回目の集荷先56Bを経由して拠点51に戻ることができる。2回目の集荷可能範囲60Bは、1回目の集荷可能範囲60Aよりも狭い範囲である。例えば、集荷可能範囲60Bは、1回目の集荷先56Aと拠点51の位置とを含む範囲に設定される。範囲設定部は、3回目以降の集荷先56を決定する場合も、2回目の集荷先56を決定する場合と同様に集荷可能範囲60を設定する。
【0048】
〔重量更新部〕
重量更新部は、集荷先56が決定される度に、集荷先56で回収される物品の重量を、無人航空機30の集荷可能重量から減算して更新する。例えば、無人航空機30が集荷を開始する前は、無人航空機30の最大積載重量を集荷可能重量G1として設定してもよい。また、重量更新部は、集荷可能重量G1から1回目の集荷で預かる物品の重量を減算することにより2回目の集荷における集荷可能重量G2を算出する。
【0049】
〔容量更新部〕
容量更新部は、集荷先56が決定される度に、集荷先56で回収される物品の容量を無人航空機30の集荷可能容量から減算して更新する。例えば、無人航空機30が集荷を開始する前は、無人航空機30の最大積載容量を集荷可能容量C1として設定してもよい。また、容量更新部は、集荷可能容量C1から1回目の集荷で預かる物品の容量を減算することにより2回目の集荷における集荷可能容量C2を算出する。
【0050】
〔通知送信部〕
通知送信部は、集荷先情報16を参照して、集荷先住所が集荷可能範囲60内に位置し、且つ集荷状態が「集荷待ち」である集荷先候補55を検出する。また、通知送信部は、無人航空機30が物品の回収が可能であることを知らせる集荷可能通知であるレコメンド通知57を、検出した集荷先候補55に対応するユーザ装置20に送信する。
【0051】
図4に示すように、1回目の集荷先56を決定する場合、通知送信部は、集荷先情報16を参照して、集荷可能範囲60Aに含まれる集荷先住所を検索する。また、通知送信部は、1回目の集荷条件を示す集荷可能重量G1及び集荷可能容量C1を含むレコメンド通知を作成する。さらに通知送信部は、集荷先住所を検出すると、集荷先住所を集荷先候補55として、検出した集荷先住所に対応するユーザ102の通知情報を送信先としてレコメンド通知57を送信する。また、レコメンド通知57には、集荷を行う時刻の目安を含めてもよい。なお、集荷可能範囲60Aに含まれない集荷先住所に対応するユーザ装置20には、回収不可との通知を送信するようにしてもよい。
【0052】
図5に示すように、通知送信部は、2回目以降の集荷先56を決定する場合、1回目の集荷先56Aを決定するときと同様に、集荷可能範囲60Bに含まれる集荷先候補55を検出する。そして、通知送信部は、検出した集荷先候補55へのレコメンド通知57の送信を行う。
【0053】
〔依頼受信部〕
依頼受信部は、レコメンド通知57に対する集荷依頼をユーザ装置20から受信する。集荷依頼は、レコメンド通知57を受信したときに、ユーザ102が集荷を希望することを示すものである。
【0054】
図4に示すように、ユーザ装置20は、レコメンド通知57を受信する。ユーザ102はレコメンド通知57に含まれる集荷可能重量G1と集荷可能容量C1を確認する。そして、集荷を希望する場合には、ユーザ装置20を操作して、集荷依頼62をサーバ10に送信する。集荷依頼62には、ユーザID等、ユーザ102を識別可能な情報が含まれているため、この識別情報に基づき集荷依頼62と集荷先情報16とは紐づけられる。本実施形態では、集荷依頼62に集荷対象の物品の重量及び容量を含める。また、ユーザ装置20は、集荷依頼62に配送先住所を含めて送信するようにしてもよい。このようにサーバ10がレコメンド通知57に対する集荷依頼62を受信することで、無人航空機30が集荷のために到来する時間帯で集荷に対応可能であるユーザを識別することができる。
【0055】
〔集荷先決定部〕
集荷先決定部は、集荷先候補55の中から集荷条件を満たす集荷先56を決定する。集荷条件は、集荷先住所が集荷可能範囲60に含まれること、及び集荷対象の物品の重量及び容量が集荷可能重量以下且つ集荷可能容量であることを含む。
【0056】
図4に示すように、集荷先決定部は、1回目の集荷先56を決定する場合、依頼受信部が受信した集荷依頼62を先着順にソートする。さらに、集荷先決定部は、集荷依頼に含まれる物品の重量及び容量が1回目の集荷条件である集荷可能重量G1以下且つ集荷可能容量C1以下であるか否かを判断する。そして、集荷先決定部は、物品の重量及び容量が、集荷可能重量G1以下且つ集荷可能容量C1以下であると判断した集荷依頼62のうち最も早く受け付けた集荷依頼62に対応する集荷先住所を、1回目の集荷先56Aとして決定する。
【0057】
集荷先決定部は、1回目の集荷先56Aを決定すると、集荷先56Aに対応するユーザ装置20に回収通知を送信する。また、集荷先決定部は、無人航空機30に、集荷先56Aの住所と、集荷先56Aへの移動指示とを送信する。無人航空機30は、これらの情報を受信すると、地図情報等を用いて、自身の現在位置と集荷先56Aとを比較しながら移動方向を決定し、集荷先56Aへの自律飛行を開始する。
【0058】
図5に示すように、集荷先決定部は、2回目の集荷先56を決定する場合、依頼受信部が受信した集荷依頼に含まれる物品の重量及び容量が集荷可能重量G2以下且つ集荷可能容量C2以下であるか否かを判断する。そして、集荷先決定部は、物品の重量及び容量が、集荷可能重量G2以下且つ集荷可能容量C2以下であると判断した集荷依頼62のうち最も早く受け付けた集荷依頼62を、2回目の集荷先56Bとして決定する。以降、集荷先決定部は、電池33の残容量が集荷不可能な残容量に達すること、積載重量又は積載容量が上限値に達すること、又は、集荷可能重量及び集荷可能容量を満たす集荷依頼がなくなることが成立するまで、上述した処理を繰り返す。
【0059】
〔第1料金設定部〕
第1料金設定部は、割引率等を含む料金テーブルを参照して料金を決定する。第1料金設定部は、復路において集荷が複数回行われる場合に、集荷の順番が遅い集荷に対して料金を低く設定する。この料金には、集荷料金及び配送料金が含まれる。例えば第1料金設定部は、集荷の順番が遅くなるに伴い大きい割引率を適用して、料金を設定する。
【0060】
〔第2料金設定部〕
第2料金設定部は、第2の集荷方法を用いた場合の料金を、第1の集荷方法を用いた場合の料金よりも低く設定する。つまり、無人航空機30の復路において集荷を依頼した場合の料金を、無人航空機30が積荷の無い状態で拠点51から集荷先56に移動し、集荷先56で物品を回収し拠点51に戻る場合の料金よりも低く設定する。
【0061】
(集荷先決定処理の手順)
次に
図6を参照して、本実施形態の集荷先を決定する手順について説明する。本実施形態において、この手順は、サーバ10が行うものである。
【0062】
まず1回目の集荷先を決定する処理について説明する。サーバ10は、無人航空機30が配送先住所52に物品の配送を完了した状態の電池33の残容量を特定する(ステップS10)。ここでは、サーバ10は、無人航空機30が送信した残容量情報61を取得して、残容量を特定する。
【0063】
次にサーバ10は、ステップS10で取得した電池33の残容量が、1回目の集荷が可能な残容量であるか否かを判断する(ステップS11)。このステップでは、サーバ10は、配送先住所52から拠点51への移動に必要な電池33の残容量を推定する(例えば30%)。そして、サーバ10は、予測した電池33の残容量が拠点51に戻るために必要な残容量よりも所定の残容量(例えば10%)を加算した所定値以上である場合(例えば、30%+10%=40%以上である場合)に、1回目の集荷が可能な残容量であると判断する。サーバ10が、予測した電池33の残容量が1回目の集荷が可能な残容量ではないと判断した場合には(ステップS11:NO)、無人航空機30に拠点51に戻るための指示を送信して、集荷処理を終了する。
【0064】
サーバ10は、ステップS10で取得した電池33の残容量が、1回目の集荷が可能な残容量であると判断すると(ステップS11:YES)、配送先住所52及び取得した電池33の残容量に基づき、無人航空機30の集荷可能範囲60Aを設定する(ステップS12)。
【0065】
また、サーバ10は、1回目の集荷可能重量G1及び集荷可能容量C1を更新する(ステップS13)。1回目の集荷の際は、集荷可能重量G1及び集荷可能容量C1を初期値に設定してもよい。ステップS12,S13により、1回目の集荷における集荷条件が設定される。
【0066】
サーバ10は、集荷可能範囲60A内の集荷先候補55へのレコメンド通知57を送信する(ステップS14)。このときサーバ10は、集荷先情報16を参照して、集荷状態が「集荷待ち」であって集荷可能範囲60Aに含まれる集荷先住所を検出する。そして、サーバ10は、検出した集荷先情報16に対応するユーザ装置20を送信先として、集荷可能重量G1及び集荷可能容量C1を含むレコメンド通知57を送信する。
【0067】
次いでサーバ10は、1回目の集荷条件を満たす集荷依頼があるか否かを判断する(ステップS15)。このとき、サーバ10は、レコメンド通知57に対する集荷依頼62を受信する。集荷依頼62は、集荷可能範囲60A内の集荷先候補55に対応するユーザ装置20から送信されている。このため、集荷依頼62に含まれる重量が集荷可能重量G1以下であり、且つ容量が集荷可能容量C1以下であるものがあるか否かを判断することで、集荷条件を満たすか否かを判断する。
【0068】
サーバ10は、1回目の集荷条件を満たす集荷依頼62がないと判断すると(ステップS15:NO)、無人航空機30に拠点51に戻るための指示を送信して、集荷処理を終了する。
【0069】
一方、サーバ10は、1回目の集荷条件を満たす集荷依頼62があると判断すると(ステップS15:YES)、1回目の集荷条件を満たす集荷依頼62に対応する集荷先候補55の中から、1回目の集荷先を決定する(ステップS16)。サーバ10は、集荷先情報16を参照し、1回目の集荷条件を満たす集荷依頼62のうち先着順に1回目の集荷先56Aを決定する。そして、1回目の集荷先56Aに対応するユーザ装置20に回収通知を送信する。
【0070】
1回目の集荷先56Aを決定すると、2回目の集荷先を決定する処理を行うために集荷回数Nをインクリメントして(ステップS17)、ステップS10に戻る。
2回目の集荷先を決定する処理は、例えば配送先住所52から1回目の集荷先56Aに移動する期間に実行される。ステップS10では、サーバ10は、配送先住所52から集荷先56Aへの集荷経路54の移動距離に基づき、無人航空機30が1回目の集荷の集荷先56Aに到着したときの電池33の残容量を予測することにより特定する。
【0071】
次いでサーバ10は、ステップS10で取得した電池33の残容量が、2回目の集荷が可能な残容量であるか否かを判断する(ステップS11)。サーバ10が、予測した電池33の残容量が2回目の集荷が可能な残容量ではないと判断した場合には(ステップS11:NO)、無人航空機30に拠点51に戻るための指示を送信して、集荷処理を終了する。
【0072】
サーバ10は、ステップS10で取得した電池33の残容量が、2回目の集荷が可能な残容量であると判断すると(ステップS11:YES)、集荷先56A及び取得した電池33の残容量に基づき、無人航空機30の集荷可能範囲60Bを設定する(ステップS12)。
【0073】
また、サーバ10は、1回目の集荷可能重量G1及び集荷可能容量C1に基づき、2回目の集荷可能重量G2及び集荷可能容量C2を更新する(ステップS13)。ステップS12,S13により、2回目の集荷条件が設定される。
【0074】
サーバ10は、2回目の集荷条件を設定すると、ステップS13と同様にレコメンド通知57を送信する(ステップS14)。そして、サーバ10は、2回目の集荷条件を満たす集荷依頼があるか否かを判断する(ステップS15)。サーバ10は、2回目の集荷条件を満たす集荷依頼62がないと判断すると(ステップS15:NO)、無人航空機30に拠点51に戻るための指示を送信して、集荷処理を終了する。
【0075】
一方、サーバ10は、2回目の集荷条件を満たす集荷依頼62があると判断すると(ステップS15:YES)、2回目の集荷条件を満たす集荷依頼62に対応する集荷先候補55の中から、2回目の集荷先を決定する(ステップS16)。サーバ10は、集荷先情報16を参照し、2回目の集荷条件を満たす集荷依頼62のうち先着順に1回目の集荷先56Bを決定する。そして、2回目の集荷先56Aに対応するユーザ装置20に回収通知を送信する。
【0076】
2回目の集荷先56Aを決定すると、3回目の集荷先を決定する処理を行うために集荷回数Nをインクリメントして(ステップS17)、ステップS10に戻る。つまり、電池33の残容量が集荷可能と推定される残容量を下回ったこと、物品の積載重量及び積載容量が上限値に達したこと、及び集荷条件に該当する集荷依頼が検出されないことの少なくとも一つが成立した場合には、サーバ10は処理を終了する。そして、無人航空機30に拠点51に戻る指示を送信する。
【0077】
次に
図7を参照して集荷料金の決定処理について説明する。
集荷料金の決定処理は、無人航空機30が拠点51に到着した後といった所定のタイミングで実行される。サーバ10は、集荷依頼毎に、復路における集荷の順番を取得する(ステップS30)。さらにサーバ10は、集荷の順番に応じて集荷料金を設定する(ステップS31)。例えば、復路の移動中において1回目に物品を回収した集荷依頼に対しては、料金テーブル等を参照して、配送先住所、物品の重量及び容量に基づいて料金を決定するが、通常の集荷である第1の集荷方法に比べて低い第2の集荷方法の料金を設定する。2回目に物品を回収した集荷依頼に対しては、配送先住所、物品の重量及び容量に応じた第2の集荷方法の集荷料金に所定の割引率(例えば5%)を適用した料金とする。3回目に物品を回収した集荷依頼に対しては、配送先住所、物品の重量及び容量に応じた第2の集荷方法の集荷料金に所定の割引率(例えば10%)を適用した料金とする。3回目の集荷の割引率は、2回目の集荷の割引率よりも大きくする。サーバ10は、集荷料金を決定すると、集荷先情報16に登録する。このように集荷料金の決定処理では、集荷の順番が大きくなるに伴い集荷料金を低く設定するが、集荷の順番が小さくなるに伴い集荷料金を低く設定してもよい。例えばレコメンド通知57の受信に対して早く集荷依頼を送信すると、集荷計画が速やかに進行するため、早く集荷依頼を送信したユーザにインセンティブを付与するようにしてもよい。
【0078】
第1実施形態の効果について説明する。
(1-1)無人航空機30は、配送後の復路において、集荷可能範囲60内から選択した集荷先56から物品を回収することができる。集荷可能範囲60は、配送先住所52及び電池33の残容量に基づき設定されるため、復路の途中で電力を補給することなく、集荷を行うことができる。このため、集荷に要する時間を短縮化することができる。また、積荷が無い状態で集荷を行う場合に比べ消費電力量も低減することができる。よって、物品の運搬を効率的に行うことができる。
【0079】
(1-2)集荷可能範囲60内に位置する集荷先候補55に対しレコメンド通知57を送信し、そのレコメンド通知57に対して送信された集荷依頼の中から集荷先56を決定する。このため、無人航空機30が復路を移動するタイミングで、集荷に対応が可能なユーザを適切に選択することができる。
【0080】
(1-3)電池33の残容量が集荷可能な残容量である場合に、集荷可能範囲60内の集荷先候補55の中から集荷先56を決定する。このため、電池33から供給される電力を効率的に利用することを通じて、物品の運搬を効率的に行うことができる。
【0081】
(1-4)サーバ10は、集荷対象の物品の重量を直前の集荷可能重量G(n-1)から減算して集荷可能重量Gnを更新し、新たな集荷先56を決定する際には、集荷対象の物品の重量が集荷可能重量Gn以下である集荷先候補55を集荷先56とする。よって、集荷先が決定される度に、無人航空機30が運搬できる余力を予測することができるため、集荷計画を速やかに立てることができる。
【0082】
(1-5)サーバ10は、回収される物品の容量を集荷可能容量Cnから減算して更新し、新たな集荷先56を決定する際には、集荷対象の物品の容量が集荷可能容量Cn以下である集荷先候補55を集荷先56とする。よって無人航空機30が運搬できる余力を予測することができるため、集荷計画を速やかに立てることができる。
【0083】
(1-6)サーバ10は、復路で集荷を行う第2の集荷方法を用いた場合の集荷料金を、第1の集荷方法の集荷料金よりも低く設定する。このため、復路における集荷をユーザが依頼するメリットを高めることができる。
【0084】
(1-7)復路における集荷の順番が大きくなるほど集荷先56の集荷料金を低く設定するため、復路における集荷の順番が大きくなり、集荷可能な重量の制限が大きくなるに伴い料金を低く設定できる。よって、ユーザ102からの集荷依頼を促すことができる。
【0085】
(第2実施形態)
次に、物流システムの第2実施形態について説明する。第1実施形態では、集荷が可能な重量及び容量を知らせるレコメンド通知57をユーザ装置20に送信した。また、ユーザ装置20に送信されるレコメンド通知57に含める集荷可能重量及び集荷可能容量を一律とした。第2実施形態では、レコメンド通知57に含める集荷可能重量及び集荷可能容量を、集荷先候補55の位置に応じて変更する点が第1実施形態と異なる。
【0086】
図8を参照して、1回目の集荷先56を決定する場合を例にして、サーバ10がレコメンド通知57を作成する処理について説明する。サーバ10は、配送先住所52からの距離が長い集荷先候補55は拠点51に戻るまでの距離が短くなることが想定される。このため、配送先住所52からの距離が長い集荷先候補55に対しては集荷可能重量及び集荷可能容量を相対的に大きくしたレコメンド通知57を送信する。また、サーバ10は、配送先住所52からの距離が短い集荷先候補55は拠点51に戻るまでの距離が長くなることが想定される。このため、配送先住所52からの距離が短い集荷先候補55に対しては集荷可能重量及び集荷可能容量を相対的に小さくしたレコメンド通知57を送信する。
【0087】
集荷先候補55の位置に応じて集荷可能重量及び集荷可能容量を変更する一例について説明する。サーバ10は、配送先住所52から近距離にある第1範囲61A、配送先住所52から中距離にある第2範囲61Bを設定する。集荷可能範囲60Aには、第1範囲61A及び第2範囲61Bが含まれ、第2範囲61Bには第1範囲61Aが含まれる。
【0088】
具体的には、配送先住所52に近い第1範囲61Aに含まれる集荷先候補55に対応するユーザ装置20には、集荷可能重量G1及び集荷可能容量C1を含めたレコメンド通知57を送信する。またサーバ10は、第2範囲61Bに含まれ第1範囲61Aに含まれない集荷先候補55に対応するユーザ装置20には、集荷可能重量G1A及び集荷可能容量C1Aを含めたレコメンド通知57を送信する。集荷可能重量G1A及び集荷可能容量C1Aは、集荷可能重量G1及び集荷可能容量C1よりも大きい値に設定されている。またサーバ10は、集荷可能範囲60に含まれるが、第2範囲61Bに含まれない集荷先候補55に対応するユーザ装置20には、集荷可能重量G1B及び集荷可能容量C1Bを含めたレコメンド通知57を送信する。集荷可能重量G1B及び集荷可能容量C1Bは、集荷可能重量G1A及び集荷可能容量C1Aよりも大きい値に設定されている。このときサーバ10は、ユーザ102に送信したレコメンド通知57に含めた集荷可能重量及び集荷可能容量を集荷先情報16に登録する。
【0089】
サーバ10は、集荷対象の物品の重量及び容量を含めた集荷依頼をユーザ装置20から受信すると、その集荷依頼に対応する集荷先情報16を参照して、その集荷依頼が集荷先情報16に登録された集荷可能重量及び集荷可能容量を満たすか否かを判断する。サーバ10は、集荷先情報16に登録された集荷可能重量及び集荷可能容量を満たす集荷依頼のうち最も先に受け付けた集荷依頼を集荷先56Aとして決定する。そして、サーバ10は、2回目以降の集荷先56も、集荷先情報16と照らし合わせて同様に決定する。なお、第1範囲61A、を設定するのではなく、配送先住所52又は直前の集荷先住所からの相対距離を集荷先候補55毎に求め、その相対距離に応じて集荷可能重量及び集荷可能容量を算出し、レコメンド通知57に含めるようにしてもよい。
【0090】
第2実施形態では、第1実施形態の(1-1)~(1-7)に記載の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
(2-1)集荷先候補55までの距離が長い場合には、その集荷先候補55から回収する物品の重量及び容量を大きくするため、1回の集荷で無人機が消費するエネルギー量を極力小さくすることができる。このため、復路における集荷回数の増大を図ることができる。
【0091】
(第3実施形態)
次に、物流システム1の第3実施形態について説明する。第1実施形態及び第2実施形態では、集荷が可能な重量及び容量を知らせるレコメンド通知57をユーザ装置20に送信し、レコメンド通知57に対する集荷依頼62の中から集荷先を決定するようにした。これに代えて、第3実施形態では、予め記憶した集荷対象の物品の重量及び容量を記憶した集荷先情報16を用いて集荷先56を決定する点で第1実施形態と相違する。
【0092】
第3実施形態では、サーバ10は、ユーザ装置20から、集荷先住所、配送先住所、物品の重量及び容量を含む依頼情報を予め受信する。サーバ10は、受信した依頼情報を、集荷先情報16として記憶部12に記憶する。第3実施形態では、サーバ10は、エネルギー残量特定部、範囲設定部、集荷先決定部、重量更新部、容量更新部、第1料金設定部、第2料金設定部のほか、依頼登録部に対応する。
【0093】
本実施形態では、エネルギー残量特定部は、無人航空機30が配送先住所52に物品を配送した後の無人航空機30の電池33の残容量を予測する。また、エネルギー残量特定部は、集荷経路54の移動距離と、無人航空機30の積載重量とに基づいて、集荷先住所から物品を回収した後の無人航空機30の電池33の残容量を予測する。
【0094】
また、依頼登録部は、ユーザ装置20から、集荷先住所、配送先住所、物品の重量及び容量を含む依頼情報を予め受信する。そして、受信した依頼情報を、集荷先情報16として記憶部12に記憶する。
【0095】
第3実施形態の集荷先56を決定する処理の手順について説明する。この処理は、少なくとも配送先住所52が決定した後に実行される。例えば、無人航空機30が拠点51から配送先住所52へ出発する前に行ってもよい。この場合、無人航空機30の出発前に集荷計画を立てることができる。又は、無人航空機30が往路53を移動している間に集荷先56を決定する処理を行ってもよい。
【0096】
サーバ10は、第1実施形態と同様に、配送先住所52に到着したときの電池33の残容量を特定する。例えば、サーバ10は、拠点51を出発するときの残容量及び無人航空機30の往路53の長さ等に基づき電池33の残容量を予測する。そして第1実施形態と同様にサーバ10は、1回目の集荷条件として集荷可能範囲60A、集荷可能重量G1及び集荷可能容量C1を設定する。
【0097】
次に、サーバ10は、集荷先情報16を参照して、1回目の集荷条件を満たす集荷先情報16を検索する。つまり、集荷可能範囲60Aに集荷先住所が含まれ、且つ集荷対象の物品の重量及び容量が集荷可能重量G1及び集荷可能容量C1の条件を満たす集荷先住所を検索する。
【0098】
サーバ10は、1回目の集荷条件を満たす集荷先情報16を検出すると、その依頼を行ったユーザ102のユーザ装置20に集荷通知を送信する。ユーザは、ユーザ装置20が受信した集荷通知を確認し、集荷が行われることを把握する。このとき、サーバ10は、集荷を了承する返信をユーザ装置20から受信した場合に、最終的に集荷することを決定するようにしてもよい。
【0099】
サーバ10は、2回目の集荷先決定処理においても、1回目の集荷先決定処理と同様な処理を行う。つまり、無人航空機30が1回目の集荷の集荷先56Aに到着したときの電池33の残容量を予測し、予測した残容量で集荷可能範囲60Bを設定する。また、1回目の集荷可能重量G1及び集荷可能容量C1に基づき、2回目の集荷可能重量G2及び集荷可能容量C2を更新する。そして、電池33の残容量が集荷可能な残容量を下回ったこと、物品の積載重量及び積載容量が上限値に達すること、及び集荷条件に該当する集荷先情報16が検出されないことの少なくとも一つが成立するまで処理を繰り返す。
【0100】
第3実施形態の効果について説明する。
(3-1)サーバ10は、集荷先住所、配送先住所、物品の重量及び容量を含む集荷先情報16を用いて集荷条件を満たす集荷先情報16を検索するため、集荷可能通知をユーザ装置20に送る場合に比べ、速やかに集荷先を決定することができる。
【0101】
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
(エネルギー残量特定部)
・サーバ10が、電池33の残容量Snを予測する場合、この残容量Snと、無人航空機30から取得した実際の残容量Sacとを比較するようにしてもよい。そして、その差分が大きい場合には、それ以降の集荷先56の決定に用いる電池33の残容量Snを補正するようにしてもよい。この場合、残容量Sの予測値が実際の残容量Sacに近くなる。また、無人航空機30が重量センサを備えている場合には、無人航空機30は積載重量Gacをサーバ10に所定間隔で送信するようにしてもよい。そして、サーバ10は、無人航空機30の現在位置に基づき、サーバ10が算出した集荷可能重量Gnと、無人航空機30から取得した積載重量Gacとを比較して、差分があるか否かを判断するようにしてもよい。集荷可能重量Gnと、無人航空機30から取得した積載重量Gacとに差分がある場合には、サーバ10が予測する集荷可能重量Gnを積載重量Gacに近づくように補正するようにしてもよい。
【0102】
(通知送信部)
・第1実施形態及び第2実施形態では、サーバ10は、集荷先情報16が登録されたユーザ102にレコメンド通知57を送信するようにした。第3実施形態では、サーバは、集荷先情報16の中から集荷条件を満たすものを検出するようにした。これに代えて、サーバ10は、ユーザ情報15に含まれる住所が集荷可能範囲60に含まれる場合に、そのユーザ情報15に対応するユーザ装置20にレコメンド通知57等を送信するようにしてもよい。そして、ユーザ装置20がレコメンド通知57に対し集荷依頼を送信した場合に、集荷対象の荷物があるとして集荷先情報16に登録するようにしてもよい。ユーザ装置20から送信される集荷依頼には、集荷先住所、配送先住所、荷物の重量及び容量を含めてもよい。このようにすると、集荷の要望を潜在的に有するユーザに対し集荷サービスを提供することができる。
【0103】
・上記各実施形態では、予め記憶した集荷先情報16を用いて集荷先を決定するようにした。これに代えて若しくは加えて、ユーザ装置20の現在位置を用いるようにしてもよい。例えば、サーバ10は、現在位置検出機能を有するユーザ装置20から現在位置を取得し、現在位置が集荷可能範囲60内であるユーザ装置20にレコメンド通知57を送信するようにしてもよい。
【0104】
・第1実施形態及び第2実施形態では、サーバ10は、集荷可能範囲60を設定する度にレコメンド通知57を送信するようにした。これに代えて、1回目の集荷可能範囲60Aを設定したときのみ集荷可能範囲60A内の集荷先候補55にレコメンド通知57を送信するようにしてもよい。この場合、レコメンド通知57に対して集荷依頼を行ったユーザの集荷先住所を集荷先候補55とし、この集荷先候補55の中から2回目以降の集荷先56を決定するようにしてもよい。
【0105】
・第2実施形態では、配送先住所52又は直前の集荷先56から次の集荷先56までの相対距離が長くなるに伴いレコメンド通知57に含める集荷可能重量を大きく設定するようにした。これに代えて、配送先住所52又は直前の集荷先56と拠点51とを最短距離で結んだ移動経路からの相対距離が長くなるに伴い、集荷先56から拠点51までの距離が大きくなることが想定される。このため、上記の移動経路からの相対距離が短くなるほど、レコメンド通知57に含める集荷可能重量を大きく設定し、移動経路からの相対距離が長くなるほど、レコメンド通知57に含める集荷可能重量を小さく設定するようにしてもよい。このようにしても、1回の集荷で無人航空機30が消費する電力量を極力小さくすることができる。
【0106】
(無人航空機)
・無人航空機30は、風向や風速を計測するセンサを具備していてもよい。無人航空機30の制御部35は、このセンサから風向及び風速の少なくとも一つを含む風情報を取得する。或いは、サーバ10又は無人航空機30は、無人航空機30の現在位置を取得し、現在位置の近くに固定位置に設置されたセンサから、風情報を取得するようにしてもよい。サーバ10は、風情報に基づいて集荷可能範囲60を設定してもよい。例えば、拠点51へ向かう移動方向と風向きとのずれが大きく風速が速いほど(逆風が強いほど)、集荷可能範囲60を小さくしてもよい。拠点51へ向かう移動方向と風向きとのずれが小さく風速が速いほど(順風が強いほど)、集荷可能範囲60を大きくしてもよい。また、サーバ10は、風情報に基づいて、電池33の残容量を予測するようにしてもよい。サーバ10は、拠点51へ向かう移動方向と風向きとのずれが大きく風速が速いほど(逆風が強いほど)、集荷可能範囲60を小さくしてもよい。拠点51へ向かう移動方向と風向きとのずれが小さく風速が速いほど(順風が強いほど)、集荷可能範囲60を大きくしてもよい。
【0107】
・上記各実施形態では、無人機として無人航空機30を用いた。これに代えて、
図9に示すように、無人機を、無人で道路71を走行する無人走行機70としてもよい。無人走行機70は、駆動部32の駆動源として電動モータ及びエンジンの少なくとも一方を備える。また無人走行機70は駆動源に応じたエネルギー源を備える。エネルギー源は、電池又は燃料供給部である。無人走行機70を用いる場合でも、集荷先を決定する処理は上記各実施形態のほぼいずれかの態様で行われる。無人走行機70の集荷可能範囲は、上記各実施形態と同様に、配送先住所52及び拠点51とを基準に電池33の残容量に応じて設定される楕円形状等の範囲でもよい。又は、集荷可能範囲を、無人走行機70の移動に合わせた範囲としてもよい。例えば、無人走行機70の集荷可能範囲を、道路情報に基づいて決定してもよい。例えば道路情報は、交差点等に設定されるノードの情報と、ノード間に設定されるリンクの情報とを有している。リンクの情報には、リンクコストの情報が含まれており、リンクコストはリンクの長さや縦勾配等の情報を含む。例えば1回目の集荷先を決定する際、サーバ10は、リンクコストに基づき無人走行機70が消費するエネルギー量を予測する。そして、
図9に太線で示すように、無人走行機70のエネルギー残量に基づいて、配送先住所52から集荷先を経由して拠点51に戻ることのできる集荷先住所の範囲72を、道路網に沿って決定する。なお、この態様においても、無人走行機70が集荷先を決定するようにしてもよい。
【0108】
(復路での集荷ルート)
・上記実施形態では、復路では集荷のみを行うようにした。これに代えて、復路で集荷に加え、集荷した物品を配送するようにしてもよい。例えば、サーバ10は、2回目の集荷先56を決定するとき、集荷先情報16を参照して、決定対象の集荷依頼の配送先住所が集荷可能範囲60A内に含まれるか否かを判断する。配送先住所が集荷可能範囲60A内に含まれる場合、集荷先56Aからさらに配送先住所を経由して拠点51に戻ることができるか否かを判断する。このとき、サーバ10は、集荷先56から、その集荷先56が回収した物品を配送する配送住所までの距離、及び回収した物品の重量及び容量を加算した集荷可能重量G1及び集荷可能容量C1に基づいて配送先住所での電池33の残容量を予測する。配送先住所で荷物を配送すると、配送した物品の重量GA及び容量CAの分だけ集荷可能重量G1及び集荷可能容量C1が小さくなり、初期値に戻る。よってサーバ10は、配送先住所での電池33の残容量と、配送先住所から拠点51までの距離、及び集荷可能重量G1及び集荷可能容量C1から配送予定の物品の重量及び容量をそれぞれ減算した集荷可能重量G1´及び集荷可能容量C1´を算出する。そして、サーバ10は、それらのパラメータの値に基づき、配送先住所を経由して拠点51まで戻れるか否かを判断する。サーバ10は、集荷先56Aから配送先住所を経由して拠点51まで戻れないと判断すると、配送先住所を経由せずに拠点51に戻る指示を無人航空機30に送信する。或いは、ユーザ102が、集荷後、直ちに配送することを前提として集荷依頼を行っている場合には、その集荷依頼に対応することができないとして、集荷依頼を受諾しないようにてもよい。サーバ10は、配送先住所を経由して拠点51まで戻れることができると判断すると、配送先住所の情報及び配送先住所に移動する指示を無人航空機30に送信する。無人航空機30は、集荷先56から配送先住所に移動する。配送を完了すると、この配送先住所を起点とし、サーバ10は、配送先住所における電池33の残容量を特定し(ステップS10)、この残容量に基づいてステップS10~ステップS17を繰り返す。
【0109】
(物流システムの構成)
・物流システム1は、サーバ10、ユーザ装置20、及び無人航空機30に加えて、管理者装置を備えていてもよい。管理者装置は、物流システムを管理する管理者、又は無人航空機30を管理する管理者が用いる装置である。例えば管理者は、ユーザへ物品を配送し、ユーザから物品を収集するサービスを提供する。管理者装置は、スマートフォン(多機能電話端末)、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、ウェアラブルコンピュータ、又はこれらの装置以外の画像を表示可能な情報処理装置であって、ユーザ装置20とほぼ同様な構成である。例えばサーバ10等が集荷先候補55の一覧を作成し、管理者が一覧を管理者端末で確認するようにしてもよい。そして、管理者端末は、管理者の指示に基づいて一覧に表示された集荷先候補55のユーザ装置20にレコメンド通知を送信するようにしてもよい。又は、管理者端末は、ユーザ装置20から受け付けた集荷の依頼のうち、ユーザの選択操作を受け付けて、ユーザ装置20に回収通知を送信するようにしてもよい。要は、上記各実施形態で行うサーバ10の各処理において管理者の操作に基づく処理が行われていてもよい。
【0110】
・上記各実施形態では、サーバ10が、エネルギー残量特定部、範囲設定部、集荷先決定部、通知送信部、依頼受信部、重量更新部、容量更新部、第1料金設定部、第2料金設定部、及び依頼登録部として機能するようにした。これに代えて、無人航空機30が、これらの機能の少なくとも一つを実行するようにしてもよい。無人航空機30が上記処理の一部を行い、残りの処理をサーバ10が行う場合には、無人航空機30及びサーバ10は、処理の結果を共有する必要がある場合に、処理の結果を互いに送受信する。
【符号の説明】
【0111】
1…物流システム、10…サーバ、20…ユーザ装置、30…無人航空機、33…電池。
【手続補正書】
【提出日】2022-12-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー源から供給されるエネルギーによって駆動する無人機が配送先住所に物品を配送した後の前記無人機のエネルギー残量を取得又は予測するエネルギー残量特定部と、
前記配送先住所を始点とし前記無人機の拠点を終点とする復路において集荷を行い且つ拠点に戻ることが可能な集荷先候補を選択するための集荷可能範囲を前記エネルギー残量に応じて設定する範囲設定部と、
前記集荷可能範囲内に位置する前記集荷先候補の中から集荷先を決定する集荷先決定部と、を備え、
前記エネルギー残量特定部は、前記集荷先決定部が前記集荷先を決定する度に、前記集荷先への移動後の前記無人機のエネルギー残量を予測し、
前記集荷先決定部は、予測された前記エネルギー残量が次の集荷が可能なエネルギー残量であるか否かを判断し、前記エネルギー残量が次の集荷が可能なエネルギー残量である場合にのみ前記集荷先候補の中から前記集荷先を決定する処理を繰り返す、物流システム。
【請求項2】
エネルギー源から供給されるエネルギーによって駆動する無人機が配送先住所に物品を配送した後の前記無人機のエネルギー残量を取得又は予測するエネルギー残量特定部と、
前記配送先住所を始点とし前記無人機の拠点を終点とする復路において集荷を行い且つ拠点に戻ることが可能な集荷先候補を選択するための集荷可能範囲を前記エネルギー残量に応じて設定する範囲設定部と、
前記集荷可能範囲内に位置する前記集荷先候補の中から集荷先を決定する集荷先決定部と、
前記集荷先が決定される度に、当該集荷先で回収される物品の重量を前記無人機の集荷可能重量から減算して更新する重量更新部と、を備え、
前記集荷先決定部は、前記集荷先候補の中から新たな集荷先を決定する際に、集荷対象の物品の重量が前記集荷可能重量以下である集荷先候補を新たな集荷先として決定する、物流システム。
【請求項3】
エネルギー源から供給されるエネルギーによって駆動する無人機が配送先住所に物品を配送した後の前記無人機のエネルギー残量を取得又は予測するエネルギー残量特定部と、
前記配送先住所を始点とし前記無人機の拠点を終点とする復路において集荷を行い且つ拠点に戻ることが可能な集荷先候補を選択するための集荷可能範囲を前記エネルギー残量に応じて設定する範囲設定部と、
前記集荷可能範囲内に位置する前記集荷先候補の中から集荷先を決定する集荷先決定部と、
前記集荷先が決定される度に、当該集荷先で回収される物品の容量を前記無人機の集荷可能容量から減算して更新する容量更新部と、を備え、
前記集荷先決定部は、前記集荷先候補の中から新たな集荷先を決定する際に、集荷対象の物品の容量が前記集荷可能容量以下である集荷先候補を新たな集荷先として決定する、物流システム。
【請求項4】
前記集荷可能範囲内に位置する前記集荷先候補を検出し、物品の回収が可能であることを知らせる集荷可能通知を検出した前記集荷先候補に対応するユーザ装置に送信する通知送信部と、
前記集荷可能通知に対する集荷依頼を前記ユーザ装置から受信する依頼受信部と、をさらに備え、
前記集荷先決定部は、前記集荷依頼に関連付けられた前記集荷先候補の中から集荷先を決定する
請求項1~3のいずれか1項に記載の物流システム。
【請求項5】
前記復路において集荷が複数回行われる場合に、集荷の順番が遅い集荷に対して集荷料金を低く設定する第1料金設定部をさらに備える
請求項1~4のいずれか1項に記載の物流システム。
【請求項6】
前記無人機の前記復路において集荷を依頼した場合の集荷料金を、前記無人機が積荷の無い状態で前記拠点から集荷先に移動し当該集荷先で物品を回収し前記拠点に戻る場合の集荷料金よりも低く設定する第2料金設定部をさらに備える
請求項1~5のいずれか1項に記載の物流システム。
【請求項7】
前記集荷可能通知には、集荷可能な物品の重量が含まれ、
前記配送先住所又は直前の経由地点である前記集荷先から前記集荷先候補までの相対距離が長いほど前記集荷可能通知に含まれる集荷可能な物品の重量を大きくする
請求項4に記載の物流システム。
【請求項8】
前記集荷可能通知には、集荷可能な物品の重量が含まれ、
前記配送先住所又は直前の経由地点である前記集荷先と前記拠点とを最短距離で結ぶ経路からの相対距離が短いほど前記集荷可能通知に含まれる集荷可能な物品の重量を大きくする
請求項4に記載の物流システム。
【請求項9】
集荷先住所、配送先住所、物品の重量及び容量を含む依頼情報をユーザ装置から受信し、集荷先情報として記憶部に記憶する依頼登録部をさらに備え、
前記集荷先決定部は、前記集荷先情報を検索して、前記集荷先住所が前記集荷可能範囲に含まれ、前記物品の重量が前記無人機の集荷可能重量以下且つ前記物品の容量が前記無人機の集荷可能容量以下である集荷先情報を検出し、検出した前記集荷先情報の一つを集荷先として決定する
請求項1~8のいずれか1項に記載の物流システム。
【請求項10】
物流システムが備える1又は複数のコンピュータが、
エネルギー源から供給されるエネルギーによって駆動する無人機が配送先住所に物品を配送した後の前記無人機のエネルギー残量を特定するエネルギー残量特定ステップと、
前記配送先住所を始点とし前記無人機の拠点を終点とする復路において集荷を行い且つ拠点に戻ることが可能な集荷先候補を選択するための集荷可能範囲を前記エネルギー残量に応じて設定する範囲設定ステップと、
前記集荷可能範囲内に位置する前記集荷先候補の中から集荷先を決定する集荷先決定ステップと、を実行し、
前記エネルギー残量特定ステップでは、前記集荷先が決定される度に、前記集荷先への移動後の前記無人機のエネルギー残量を予測し、
前記集荷先決定ステップでは、予測された前記エネルギー残量が次の集荷が可能なエネルギー残量であるか否かを判断し、前記エネルギー残量が次の集荷が可能なエネルギー残量である場合にのみ前記集荷先候補の中から前記集荷先を決定する処理を繰り返す、物流管理方法。
【請求項11】
物流システムが備える1又は複数のコンピュータが、
エネルギー源から供給されるエネルギーによって駆動する無人機が配送先住所に物品を配送した後の前記無人機のエネルギー残量を特定するエネルギー残量特定ステップと、
前記配送先住所を始点とし前記無人機の拠点を終点とする復路において集荷を行い且つ拠点に戻ることが可能な集荷先候補を選択するための集荷可能範囲を前記エネルギー残量に応じて設定する範囲設定ステップと、
前記集荷可能範囲内に位置する前記集荷先候補の中から集荷先を決定する集荷先決定ステップと、
前記集荷先が決定される度に、当該集荷先で回収される物品の重量を前記無人機の集荷可能重量から減算して更新する重量更新ステップと、を実行し、
前記集荷先決定ステップでは、前記集荷先候補の中から新たな集荷先を決定する際に、集荷対象の物品の重量が前記集荷可能重量以下である集荷先候補を新たな集荷先として決定する、物流管理方法。
【請求項12】
物流システムが備える1又は複数のコンピュータが、
エネルギー源から供給されるエネルギーによって駆動する無人機が配送先住所に物品を配送した後の前記無人機のエネルギー残量を特定するエネルギー残量特定ステップと、
前記配送先住所を始点とし前記無人機の拠点を終点とする復路において集荷を行い且つ拠点に戻ることが可能な集荷先候補を選択するための集荷可能範囲を前記エネルギー残量に応じて設定する範囲設定ステップと、
前記集荷可能範囲内に位置する前記集荷先候補の中から集荷先を決定する集荷先決定ステップと、
前記集荷先が決定される度に、当該集荷先で回収される物品の容量を前記無人機の集荷可能容量から減算して更新する容量更新ステップと、を実行し、
前記集荷先決定ステップでは、前記集荷先候補の中から新たな集荷先を決定する際に、集荷対象の物品の容量が前記集荷可能容量以下である集荷先候補を新たな集荷先として決定する、物流管理方法。
【請求項13】
物流システムが備える1又は複数のコンピュータを、
エネルギー源から供給されるエネルギーによって駆動する無人機が配送先住所に物品を配送した後の前記無人機のエネルギー残量を特定するエネルギー残量特定部と、
前記配送先住所を始点とし前記無人機の拠点を終点とする復路において集荷を行い且つ拠点に戻ることが可能な集荷先候補を選択するための集荷可能範囲を前記エネルギー残量に応じて設定する範囲設定部と、
前記集荷可能範囲内に位置する前記集荷先候補の中から集荷先を決定する集荷先決定部として機能させ、
前記エネルギー残量特定部は、前記集荷先決定部が前記集荷先を決定する度に、前記集荷先への移動後の前記無人機のエネルギー残量を予測し、
前記集荷先決定部は、予測された前記エネルギー残量が次の集荷が可能なエネルギー残量であるか否かを判断し、前記エネルギー残量が次の集荷が可能なエネルギー残量である場合にのみ前記集荷先候補の中から前記集荷先を決定する処理を繰り返す、プログラム。
【請求項14】
物流システムが備える1又は複数のコンピュータを、
エネルギー源から供給されるエネルギーによって駆動する無人機が配送先住所に物品を配送した後の前記無人機のエネルギー残量を特定するエネルギー残量特定部と、
前記配送先住所を始点とし前記無人機の拠点を終点とする復路において集荷を行い且つ拠点に戻ることが可能な集荷先候補を選択するための集荷可能範囲を前記エネルギー残量に応じて設定する範囲設定部と、
前記集荷可能範囲内に位置する前記集荷先候補の中から集荷先を決定する集荷先決定部と、
前記集荷先が決定される度に、当該集荷先で回収される物品の重量を前記無人機の集荷可能重量から減算して更新する重量更新部として機能させ、
前記集荷先決定部は、前記集荷先候補の中から新たな集荷先を決定する際に、集荷対象の物品の重量が前記集荷可能重量以下である集荷先候補を新たな集荷先として決定する、プログラム。
【請求項15】
物流システムが備える1又は複数のコンピュータを、
エネルギー源から供給されるエネルギーによって駆動する無人機が配送先住所に物品を配送した後の前記無人機のエネルギー残量を特定するエネルギー残量特定部と、
前記配送先住所を始点とし前記無人機の拠点を終点とする復路において集荷を行い且つ拠点に戻ることが可能な集荷先候補を選択するための集荷可能範囲を前記エネルギー残量に応じて設定する範囲設定部と、
前記集荷可能範囲内に位置する前記集荷先候補の中から集荷先を決定する集荷先決定部と、
前記集荷先が決定される度に、当該集荷先で回収される物品の容量を前記無人機の集荷可能容量から減算して更新する容量更新部と、して機能させ、
前記集荷先決定部は、前記集荷先候補の中から新たな集荷先を決定する際に、集荷対象の物品の容量が前記集荷可能容量以下である集荷先候補を新たな集荷先として決定する、プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0037】
図3に示すように、集荷先情報16は、集荷内容を示す情報であり、ユーザ装置20等により送信された情報に基づく。集荷内容は、集荷対象である物品毎に登録される。集荷先情報16は、集荷を依頼したユーザのユーザID、集荷先の住所である集荷先住所、集荷した物品を配送する配送先住所、
物品詳細、集荷料金、集荷状態を含む。集荷先住所は、例えばユーザ情報の住所に基づいて記録される。物品詳細は、集荷した物品の重量及び容量を示す。集荷料金は、物品を拠点51に回収した場合等、料金が確定したタイミングで登録される。集荷状態は、物品の集荷の状況を示す。集荷状態は、「集荷待ち」、「集荷中」、「集荷済み」のいずれか一つに設定される。この他に、集荷先情報16は、ユーザが集荷を希望する集荷希望日時を含んでいてもよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0074】
サーバ10は、2回目の集荷条件を設定すると、1回目のステップS14と同様にレコメンド通知57を送信する(ステップS14)。そして、サーバ10は、2回目の集荷条件を満たす集荷依頼があるか否かを判断する(ステップS15)。サーバ10は、2回目の集荷条件を満たす集荷依頼62がないと判断すると(ステップS15:NO)、無人航空機30に拠点51に戻るための指示を送信して、集荷処理を終了する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0075】
一方、サーバ10は、2回目の集荷条件を満たす集荷依頼62があると判断すると(ステップS15:YES)、2回目の集荷条件を満たす集荷依頼62に対応する集荷先候補55の中から、2回目の集荷先を決定する(ステップS16)。サーバ10は、集荷先情報16を参照し、2回目の集荷条件を満たす集荷依頼62のうち先着順に2回目の集荷先56Bを決定する。そして、2回目の集荷先56Bに対応するユーザ装置20に回収通知を送信する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0076
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0076】
2回目の集荷先56Bを決定すると、3回目の集荷先を決定する処理を行うために集荷回数Nをインクリメントして(ステップS17)、ステップS10に戻る。つまり、電池33の残容量が集荷可能と推定される残容量を下回ったこと、物品の積載重量及び積載容量が上限値に達したこと、及び集荷条件に該当する集荷依頼が検出されないことの少なくとも一つが成立した場合には、サーバ10は処理を終了する。そして、無人航空機30に拠点51に戻る指示を送信する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】