(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023031047
(43)【公開日】2023-03-08
(54)【発明の名称】荷台下降システムおよび運搬車
(51)【国際特許分類】
B60P 1/04 20060101AFI20230301BHJP
【FI】
B60P1/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021136516
(22)【出願日】2021-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】000140719
【氏名又は名称】株式会社加藤製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000512
【氏名又は名称】弁理士法人山田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関根 克哉
(72)【発明者】
【氏名】石山 賢治
(57)【要約】
【課題】走行時に荷台を好適に下降させ得る荷台下降システムおよび運搬車を提供する。
【解決手段】運搬車に取り付けられた荷台と、荷台を起伏させる起伏装置と、起伏装置に生じる圧力を測定する圧力センサとを備え、圧力センサにおいて、荷台が浮き、該荷台に対し一定以上の振動が入力され得る特定走行状態に相当する圧力値が検出されたことを必要条件として、荷台の下げ動作を自動で実行する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運搬車に取り付けられた荷台と、
該荷台を起伏させる起伏装置と、
該起伏装置に生じる圧力を測定する圧力センサとを備え、
前記圧力センサにおいて、前記荷台が浮き、該荷台に対し一定以上の振動が入力され得る特定走行状態に相当する圧力値が検出されたことを必要条件として、
前記荷台の下げ動作を自動で実行するよう構成されていること
を特徴とする荷台下降システム。
【請求項2】
前記荷台と、前記運搬車の車体をなすフレームとの接触を検出する接触センサを備え、該接触センサにより前記荷台の浮き状態を把握し得るよう構成されると共に、
前記荷台が浮いた状態の継続中に、前記圧力センサにおいて、特定走行状態に相当する圧力値が設定回数以上検出されたことをさらに必要条件として、
前記荷台の下げ動作を自動で実行するよう構成されていること
を特徴とする請求項1に記載の荷台下降システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の荷台下降システムを備えたことを特徴とする運搬車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷台を備えた運搬車において、走行時に荷台を自動的に下降させるシステム、および該システムを備えた運搬車に関する。
【背景技術】
【0002】
工事現場等で用いられる運搬車は、車体に荷台を備えており、該荷台に積み込んだ土砂等の積荷を、前記荷台を傾斜させて排出するようになっている(尚、ダンプカーのような運搬車に関し、荷台を傾斜させて積載した土砂を排出する動作は一般に「排土」と呼ばれるが、本明細書では運搬車の積荷が必ずしも土砂とは限らないことに鑑み、積荷を排出する動作を「排荷」と称することとする)。ここで、排荷のために荷台を上げた状態では、荷台や積荷の荷重を、車体のフレームにおける荷台の昇降動作の支点と、荷台の起伏装置とで支持することになる。この状態で運搬車を走行させた場合、振動に伴う加速度により、荷台と積荷の荷重を支持する部分(荷台の支点に設けられたピンや起伏装置)に応力が集中し、寿命の低下等に繋がる虞がある。よって、運搬車を走行させる場合には、荷台を下げ、フレームに接する状態とすることが原則である。
【0003】
尚、こうした運搬車に関する一般的技術水準を示す文献としては、例えば下記特許文献1、2等がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-193261号公報
【特許文献2】特開2002-46657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
とはいえ、排荷を行った後、オペレータが荷台を下げ忘れて走行を開始したり、荷台の下げ操作はしたものの不十分で、荷台がわずかに浮いた状態で走行を開始するといった事態は生じ得る。このような事態を防止するには、例えば車両に対し走行操作が入力されたことを条件に荷台の操作をロックし、且つ荷台を強制的に下げる仕組みを導入するといった方策が考えられる。しかしながら、工事現場等では、例えば荷台を傾斜させた状態で車両を緩やかに走行させ、ある程度の範囲にわたって土砂を散布するような作業を行う場合もあり(尚、車両の走行が十分に低速であれば、荷台を上げた状態であっても荷台の支点や起伏装置に過大な負荷がかかる心配はない)、荷台を傾斜させた状態での走行をできなくしてしまうと、運搬の作業に支障が生じてしまう虞がある。そこで、適切な場合にのみ走行時に荷台を下降させるような仕組みが求められていた。
【0006】
本発明は、斯かる実情に鑑み、走行時に荷台を好適に下降させ得る荷台下降システムおよび運搬車を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、運搬車に取り付けられた荷台と、該荷台を起伏させる起伏装置と、該起伏装置に生じる圧力を測定する圧力センサとを備え、前記圧力センサにおいて、前記荷台が浮き、該荷台に対し一定以上の振動が入力され得る特定走行状態に相当する圧力値が検出されたことを必要条件として、前記荷台の下げ動作を自動で実行するよう構成されていることを特徴とする荷台下降システムにかかるものである。
【0008】
本発明の荷台下降システムは、前記荷台と、前記運搬車の車体をなすフレームとの接触を検出する接触センサを備え、該接触センサにより前記荷台の浮き状態を把握し得るよう構成すると共に、前記荷台が浮いた状態の継続中に、前記圧力センサにおいて、特定走行状態に相当する圧力値が設定回数以上検出されたことをさらに必要条件として、前記荷台の下げ動作を自動で実行するよう構成することができる。
【0009】
また、本発明は、上述の荷台下降システムを備えたことを特徴とする運搬車にかかるものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の荷台下降システムおよび運搬車によれば、走行時に荷台を好適に下降させるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の適用される運搬車の形態の一例を示す側面図である。
【
図2】本発明の実施による荷台下降システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】荷台が下りた状態の運搬車における荷重と反力の分布の概略を示す説明図である。
【
図4】荷台が浮いた状態の運搬車における荷重と反力の分布の概略を示す説明図である。
【
図5】本発明の実施による排荷回数の測定方法における測定手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0013】
図1は本発明の実施による荷台下降システムを備えた運搬車の一例を示しており、
図2は荷台下降システムの構成の一例を示している。運搬車1は、
図1に示す如く、車体2の後部に取り付けられ、土砂等の積荷Cを積載するよう構成された荷台3と、左右両側に取り付けられた走行装置としてのクローラ4を備えている。
【0014】
車体2をなすフレーム5の上面と、荷台3の下面との間には、荷台3の起伏を行う起伏装置としての流体圧シリンダ6が備えられている。流体圧シリンダ6は、基端部をフレーム5の上面に、先端部を荷台3の下面にそれぞれ回転可能に取り付けられており、フレーム5と荷台3の間で伸縮しつつ起伏することで、荷台3を車体2に対し起伏させるようになっている。
【0015】
また、フレーム5の上面と荷台3との間には、荷台3とフレーム5の接触を検出する接触センサ7が取り付けられている。本実施例の場合、接触センサ7の取付位置は、フレーム5の上面における流体圧シリンダ6の設置位置よりも前方である。尚、ここでは接触センサ7として物理接触式のスイッチを想定した場合を例示しているが、接触センサ7の構成はこれに限定されず、フレーム5と荷台3の接触を検出できるセンサであればどのような装置であってもよい。例えば、光学式のセンサ等を用いることもできる。
【0016】
流体圧シリンダ6の伸縮は、流体圧装置8を介して制御装置9により制御される(
図2参照)。制御装置9は、運搬車1(
図1参照)を構成する各部の機器類の作動状態を監視し、制御する情報処理装置である。流体圧装置8は、制御装置9から入力される指令信号に応じ、流体圧シリンダ6の伸び側(ボトム側)に対して流体圧を入力するようになっている。流体圧シリンダ6は、この流体圧によって伸縮し、また荷台3の重量を支持するようになっている。
【0017】
流体圧装置8から流体圧シリンダ6へ流体圧を入力する回路の途中には圧力センサ10が取り付けられており、荷台3の重量を支持し、起伏動作を行うにあたって流体圧シリンダ6に生じる圧力を測定するようになっている。
【0018】
運搬車1(
図1参照)の運転席には、表示装置11が備えられている(
図2参照;
図1には図示せず)。表示装置11は、制御装置9から入力される画像信号に応じ、各種の視覚情報を表示するディスプレイであり、例えば荷台3の作動状態や、圧力センサ10によって検出される圧力の値等を表示することができるようになっている。
【0019】
また、運搬車1の運転席には、制御装置9に対して操作指令を入力する操作装置13が備えられている。操作装置13は、運搬車1の運転を人が操作するための装置であり、例えばクローラ4による走行や、流体圧シリンダ6による荷台3の上げ下げといった動作に関する操作を入力できるようになっている。
【0020】
このようなシステムを搭載した本実施例の運搬車1では、接触センサ7によって荷台3の浮き状態(フレーム5に対して浮いているか否か)を把握すると共に、走行に伴って生じる振動を圧力センサ10によって監視し、圧力センサ10が一定の閾値以上の圧力値を検出したことを必要条件として、自動的に荷台3の下げ動作を行うようになっている。また本実施例では、荷台3が浮いた状態の継続中、圧力センサ10における閾値以上の圧力値の検知をカウントし、これが設定回数以上となったことをさらなる必要条件とし、荷台3の下げ動作が実行されるようにしている。
【0021】
図3は、荷台3が下りた状態における荷重の分布と、それに対して車両の各所に生じる反力の分布を示している(尚、ここに示す荷重と反力の分布は説明のための簡単な概略であって、必ずしも細部に至るまで正確ではないし、実際の車両に生じる全ての荷重や反力を図示してもいない。次の
図4も同様である)。荷台3が下りている場合、荷台3の下面はフレーム5の上面に設けられた枕木に面接触しており、荷台3と積荷Cの荷重(図中に黒の矢印で示す)は、荷台3とフレーム5の接触面と、フレーム5における荷台3の起伏の支点に設けられたピンに分散する。すなわち、荷重に対する反力は、図中に白の矢印で示すように広く分散して生じ、これによって荷台3と積荷Cの荷重が支持される。荷重に対する反力が特定の一点に集中することはない。また、車両を走行させると、発生する振動に伴う加速度により、荷台3と積荷Cの静止重量による以上の荷重が各所に加わることになるが、荷台3がフレーム5に下りている限り、そのような荷重もフレーム5に分散されるので、各所の構成部材にとって過大な負荷にはならない。
【0022】
一方、
図4は、荷台3が浮いた状態における荷重の分布と、それに対して車両の各所に生じる反力の分布を示している。荷台3が浮いている場合、荷台3と積荷Cの荷重は、フレーム5の上面に分散されず、荷台3の支点のピンと、流体圧シリンダ6によって支持される。ここで、車両が静止している場合や、車両が十分に低速で走行している場合であれば、この状態は通常の排荷作業として想定された状態であって、荷台3の支点や流体圧シリンダ6に過大な応力が生じるような心配はない。しかしながら、このように荷台3が浮いた状態のまま、ある程度以上の速度で車両が走行した場合、発生する振動に伴う加速度により、鉛直方向の荷重の他に、例えば
図4中に黒の横向きの矢印で示すように、荷台3の支点や流体圧シリンダ6の両端に大きい荷重が加わる。そして、これに対する反力として、荷台3の支点や流体圧シリンダ6の両端に、白の矢印で示す如く大きい応力が生じ、これが各所の構成部材にとって過大な負荷となる虞がある。
【0023】
そこで本実施例では、このような事態を防止するため、接触センサ7への入力の有無に加え、圧力センサ10の測定値を通じて荷台3の状態および車両の走行状態を制御装置9において把握し、荷台3が浮いた状態であり、車両が該荷台3に対し一定以上の振動が入力され得るような走行状態にあると判断される場合に、自動的に荷台3の下げ動作を行うようにしている。すなわち上に述べたように、走行に伴って生じる振動を圧力センサ10によって監視し、一定の閾値以上の圧力値を一定回数以上感知したことを条件として、自動的に荷台3の下げ動作を行うようになっている。
【0024】
このような荷台3の下降に係る手順は、例えば
図5に示す如きフローチャートにまとめることができる。
【0025】
制御装置9では、接触センサ7に荷台3の接触が入力されているか否かを判定しながら待機する(ステップS1)。荷台3が下りている状態では、接触センサ7はオンになっている。接触センサ7への入力がオンである場合には、ステップS2に進み、カウンタの計数値をゼロにセットし、再びステップS1に戻る。ここで、カウンタとは、圧力センサ10の測定値に基づき荷台3の下げ動作の実行の要否を判定するためのカウンタであり、後述するように、圧力センサ10の測定値が一定の閾値以上を記録する毎にカウントアップされ、計数が設定回数以上に達したことを条件として荷台3の下げ動作が実行される。
【0026】
荷台3が浮いた状態となった場合には、ステップS1において接触センサ7への入力がオフと判定される。この場合、制御装置9はステップS3へ進む。
【0027】
ステップS3では、操作装置13に対して車両の走行操作が入力されているか否かを判定する。ここで走行操作が入力されていなければ、そのままステップS1に戻る。
【0028】
走行操作の入力があった場合にはステップS4に進み、圧力センサ10の測定値についてさらに判定を行う。ここでは、圧力センサ10の測定値を予め設定された閾値と比較し、閾値未満であればそのままステップS1に戻り、閾値以上であればステップS5に進む。ステップS5では、前記カウンタの計数を1アップし、ステップS6に進む。
【0029】
ステップS6では、現在のカウンタの計数値が設定回数以上であるか否かの判定を行い、設定回数未満であればそのままステップS1に戻り、設定回数以上であればステップS7に進む。
【0030】
ここで、ステップS4において判定の基準として使用する閾値は、荷台3がフレーム5から浮き、荷台3に対し一定以上の振動が入力された際に、それ以上の圧力が流体圧シリンダ6内に反力として生じると想定される値である。例えば、車両が凹凸のある地面上をある程度以上の速度で走行する際や、低速であっても車両が大きい段差を乗り越える際などには、荷台3が浮いていた場合、該荷台3にある程度以上の振動が入力され、流体圧シリンダ6内にはこの振動に応じた反力が生じる。そこで、流体圧シリンダ6内に生じる圧力値について適当な閾値を設定しておけば、この閾値以上の圧力値が検出された場合には車両が荷台3に一定以上の振動が入力され得る走行状態(以下、この状態を便宜的に「特定走行状態」と称する)にあると判断することができ、圧力値が前記閾値未満であれば、車両が特定走行状態にないと見なすことができる。尚、ここで判断の根拠とする前記閾値としては、浮いた状態の荷台3に対し、その値に相当する以上の振動が加わった場合に、荷台3やフレーム5、流体圧シリンダ6等の構成部材に許容値以上の負荷が生じ得る圧力値として適当な値を設定すればよい。
【0031】
ここで、特定走行状態に相当する圧力値(すなわち、前記閾値以上の圧力値)が一回検出されただけで車両が特定走行状態にあると判断すると、過検知が生じる懸念もある。車両が特定走行状態になくとも、例えば何らかの振動が外部から入力されることで、一時的に圧力値が上昇してしまうといった可能性も考えられるからである。そこで、本実施例では荷台3がフレーム5から浮いて以降(すなわち、ステップS1で接触センサ7のオフが確認されて以降)、前記閾値以上の圧力値が検出された回数を集計し(ステップS5)、この回数が設定回数以上となった場合に、初めて次のステップS7(荷台3の下げ動作)へ進むようにしている。こうすることにより、誤検知によって荷台3に対し強制的に下げ動作が行われてしまう可能性を低減することができる。尚、ステップS6で判定の基準として使用する設定回数は、車体が特定走行状態であると確実に判断し得る回数として、2回、3回など適宜設定することができる。
【0032】
ステップS6において、カウンタの計数値が設定回数以上であった場合、それは先のステップS1により荷台3が浮いた状態であると判定されて以降、荷台3が浮いた状態が継続しており、その間、流体圧シリンダ6において特定走行状態に相当する閾値以上の圧力値が設定回数以上検出されたことを意味する。そこで、制御装置9は流体圧シリンダ6に収縮制御を入力し、荷台3の下げ動作を実行する(ステップS7)。
【0033】
荷台3の下げ動作を行いつつ、制御装置9は接触センサ7への接触入力の有無の判定を行う(ステップS8)。接触センサ7への入力がオフの場合は、さらに荷台3の下げ動作を続行する(ステップS7)。接触センサ7への入力がオンになった段階で、荷台3は下りきったと判断できるので、荷台3の下げ動作を終了してステップS9に進む。ステップS9では、前記カウンタの計数をゼロにリセットする。その後、再びステップS1に戻り、接触センサ7を監視しつつ待機する。
【0034】
以上のようなシステムでは、車両が特定走行状態にあると判断し得る場合に限って自動で荷台3の下げ操作を行うようになっている。すなわち、単に車両が走行状態にあることを荷台3の下げ動作の実行の条件とせず、荷台3が浮き、該荷台3に対し一定以上の振動が入力され得る状態であると流体圧シリンダ6の圧力値を通じて判断され得る場合に限って荷台3の下げ動作を実行するので、例えば車両を低速で走行させながら排荷を行うといった運転は可能である。こうして、必要な場合にのみ荷台3の下げ動作を強制的に実行することで、運搬車1による作業を妨げることなく、特定走行状態による走行の続行を防止し、運搬車1の各所の構成部材に過大な負荷が生じることを防止することができる。また、このようなシステムを運搬車1に備えることにより、フレーム5や流体圧シリンダ6の必要強度を抑え、補強構造を簡素化して製造コストを低減することもできる。
【0035】
以上のように、本実施例の荷台下降システムは、運搬車1に取り付けられた荷台3と、荷台3を起伏させる起伏装置(流体圧シリンダ)6と、起伏装置6に生じる圧力を測定する圧力センサ10とを備え、圧力センサ10において、荷台3が浮き、荷台3に対し一定以上の振動が入力され得る特定走行状態に相当する圧力値が検出されたことを必要条件として、荷台3の下げ動作を自動で実行するよう構成されている。このようにすれば、必要な場合にのみ荷台3の下げ動作を強制的に実行することで、運搬車1による作業を妨げることなく、特定走行状態による走行の続行を防止し、運搬車1の各所の構成部材に過大な負荷が生じることを防止することができる。
【0036】
また、本実施例の荷台下降システムは、荷台3と、運搬車1の車体2をなすフレーム5との接触を検出する接触センサ7を備え、接触センサ7により荷台3の浮き状態を把握し得るよう構成されていると共に、荷台3が浮いた状態の継続中に、圧力センサ10において、特定走行状態に相当する圧力値が設定回数以上検出されたことをさらに必要条件として、荷台3の下げ動作を自動で実行するよう構成されている。このようにすれば、誤検知によって荷台3に対し強制的に下げ動作が行われる可能性を低減することができる。
【0037】
また、本実施例の運搬車1は、上述の荷台下降システムを備えているので、上記同様の作用効果を奏することができる。
【0038】
したがって、上記本実施例によれば、走行時に荷台を好適に下降させ得る。
【0039】
尚、本発明の荷台下降システムおよび運搬車は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0040】
1 運搬車
2 車体
3 荷台
5 フレーム
6 起伏装置(流体圧シリンダ)
7 接触センサ
10 圧力センサ