(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023031056
(43)【公開日】2023-03-08
(54)【発明の名称】現場用折り畳みボックス
(51)【国際特許分類】
B65D 25/20 20060101AFI20230301BHJP
【FI】
B65D25/20 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021136528
(22)【出願日】2021-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】521298414
【氏名又は名称】株式会社テクノリペイント
(74)【代理人】
【識別番号】100166589
【弁理士】
【氏名又は名称】植村 貴昭
(72)【発明者】
【氏名】萩原広明
【テーマコード(参考)】
3E062
【Fターム(参考)】
3E062AA04
3E062AB04
3E062AC03
3E062JA08
3E062JB08
(57)【要約】
【課題】一斗缶を防水しつつ収納可能とし、容易に折り畳むことを可能とする現場用折り畳みボックスを提供する。
【解決手段】上部が蓋部によって開閉自在であり、かつ下部が開口した箱状部材である箱部1と、箱部1よりも薄く、上部が開口した箱状部材であり、箱部1の下部に嵌合可能な底部2と、上部が閉状態である箱部1、及び、箱部の下部に嵌合した底部2に巻き付けて締結することで、当該閉状態を固定する荷締めベルト3とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部が蓋部によって開閉自在であり、かつ下部が開口した箱状部材である箱部と、
前記箱部よりも薄く、上部が開口した箱状部材であり、前記箱部の前記下部に嵌合可能な底部とを備える
ことを特徴とする現場用折り畳みボックス。
【請求項2】
前記上部が閉状態である前記箱部、及び、当該箱部の前記下部に嵌合した前記底部に巻き付けて締結することで、当該閉状態を固定する荷締めベルトを備える
ことを特徴とする請求項1に記載の現場用折り畳みボックス。
【請求項3】
前記蓋部には、前記荷締めベルトを通すことが可能なスリットが形成されている
ことを特徴とする請求項2に記載の現場用折り畳みボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業現場における収納ボックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
塗装を行う作業現場では、塗料を入れるための一斗缶が屋外に載置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一斗缶を屋外に載置した状態のままにすると、雨が降った際に濡れてしまう。これを防ぐために、一斗缶に対し上からブルーシート(例えば特許文献1参照)をかけることが多いが、これでは見栄えが悪く、しかもブルーシートが風により飛ばされる可能性もあるので、防水が十分とは言えない。
【0005】
上述の課題に鑑み、本発明では、一斗缶を防水しつつ収納可能とし、見た目もすっきりさせることができ、さらに、収納時には容易に折り畳むことを可能とする、現場用折り畳みボックスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点における現場用折り畳みボックスによれば、
上部が蓋部によって開閉自在であり、かつ下部が開口した箱状部材である箱部と、
前記箱部よりも薄く、上部が開口した箱状部材であり、前記箱部の前記下部に嵌合可能な底部とを備える
ことを特徴とする。
【0007】
好ましくは、
前記上部が閉状態である前記箱部、及び、当該箱部の前記下部に嵌合した前記底部に巻き付けて締結することで、当該閉状態を固定する荷締めベルトを備える
ことを特徴とする。
【0008】
好ましくは、
前記蓋部には、前記荷締めベルトを通すことが可能なスリットが形成されている
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る現場用折り畳みボックスによれば、一斗缶を防水しつつ収納可能とし、容易に折り畳むことを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施例1に係る現場用折り畳みボックスが組み立てられた状態かつ上部が開状態の斜視図である。
【
図2】本発明の実施例1における底部を示す斜視図である。
【
図3】本発明の実施例1に係る現場用折り畳みボックスが組み立てられた状態かつ上部が閉状態の斜視図である。
【
図4】本発明の実施例1における荷締めベルトの構成を説明する斜視図である。
【
図5】本発明の実施例2における蓋部を示す斜視図である。
【
図6】本発明の実施例2における箱部を示す斜視図である。
【
図7】本発明の実施例3に係る現場用折り畳みボックスの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、本発明に係る現場用折り畳みボックスについて、実施例により図面を用いて説明する。なお、下記実施例中では内部に一斗缶を格納するものとしているが、本発明は一斗缶以外のものも格納することができるものとする。
【0012】
[実施例1]
図1~3に示すように、本実施例に係る現場用折り畳みボックスは、主たる構成として、箱部1、底部2及び荷締めベルト3を備えている。
【0013】
このうち箱部1は、組み立てられた状態において、上部が開閉自在であり、かつ下部が開口した箱状部材である。
【0014】
より詳述すると、箱部1は蓋部12及び4枚の側板11を備えている。側板11はそれぞれ板状部材であり、互いに隣接する側板11と側端部11a同士が連結して固定されている。したがって、
図1,3に示すように、4枚の側板11は上部及び下部が開口した中空四角柱形状に組み立てられるものである。
【0015】
蓋部12は、上述した4枚のうち1枚の側板11における上端部11bに対して、折り曲げ可能に連結されており、この連結部分を折り曲げて蓋部12を
図1の破線両矢印のように回転させることで、箱部1の上部の開口部分(4枚の側板11の上部の開口部分)を開閉することができる。
【0016】
より詳述すると、蓋部12は、天井板15及び3枚の蓋部用小側板13を備えている。天井部15は板状部材であり、一端部15aが側板11の上端部11bに連結しており、この連結部分を折り曲げることで天井部15(蓋部12)が回転可能となっている。
【0017】
また、3枚の蓋部用小側板13は、それぞれ板状部材であり、互いに隣接する蓋部用小側板13と側端部13a同士が連結して固定されている。さらに、天井部15の一端部15a以外の3辺である他端部15bに、3枚の蓋部用小側板13の上端部13bがそれぞれ連結して固定されている。
【0018】
上述のような蓋部12の形状によって、蓋部12により箱部1の上部が閉状態であるとき、
図3のように、蓋部用小側板13が側板11の外面の上側の一部を覆うようにして、蓋部12が側板11に被さる格好となる。
【0019】
さらに蓋部12は、一端部15aと反対側の他端部15bに固定された蓋部用小側板13の任意の位置(好ましくは、
図1,3のように蓋部用小側板13の長手方向中央かつ幅方向中央)に、蓋部用小側板13の長手方向に平行して形成されたスリット14を有している。ただし、このスリット14は後述する荷締めベルト3を通すことができるサイズとする。
【0020】
底部2は、
図2に示すように、上部が開口した(箱部1よりも)薄い箱状部材であり、
図1のような開状態における箱部1の上部から人手により箱部1の内部に通し、箱部1の下部に設けられることが可能なものである。ただし、このとき箱部1は地面に載置された状態であるものとする(それにより底部2の位置決めが容易となる)。
【0021】
より詳述すると、底部2は、底板21及び4枚の底部用小側板22を備えている。底板21は板状部材であり、その4辺にはそれぞれ底部用小側板22が(底板21に対して垂直に)形成されている。底部用小側板22は互いに側端部22a同士が連結して固定されている。なお、この底部2は、底部用小側板22の外面が箱部1の内周面に摺接するようにして、底部2が当該内周面に嵌合するサイズに設計される。
【0022】
また、上述した側板11、蓋部用小側板13、及び、底部用小側板22の幅方向(
図1中における各一点鎖線両矢印の方向)の長さについては、側板11>蓋部用小側板13、かつ、側板11>底部用小側板22である必要があり、好ましくは、側板11>蓋部用小側板13+底部用小側板22であるものとする。
【0023】
そして、箱部1の下部に底部2が嵌合した状態で、
図3に示すように、蓋部12を閉じることで箱部1の上部を閉状態とし、そこに荷締めベルト3を(側板11、底板21、蓋部用小側板13、天井部15の外面を周回するようにして)巻き付けて締結することで、当該閉状態が固定される。また、荷締めベルト3をかける方向については、好ましくは蓋部12の回転方向と平行な方向にかけるようにする。
【0024】
さらに、上述した蓋部用小側板13に形成されたスリット14に荷締めベルト3を通すようにして荷締めベルト3をかけることで、荷締めベルト3の位置決めの煩雑さを省くことができる(基本的には、蓋部用小側板13の長手方向中央部分を通るように荷締めベルト3をかけた方がよい。そして、スリット14に荷締めベルト3を通すことで、この位置決めをする必要がなくなるということである)。
【0025】
さらに、蓋部用小側板13に形成されたスリット14に荷締めベルト3を通すようにして荷締めベルト3をかけることで、荷締めベルト3の締結による蓋部12の固定を安定させることができる(スリット14に通すことで締結状態の荷締めベルト3が箱部1及び底部2から外れることがなくなるため)。
【0026】
荷締めベルト3をスリット14に通す際には、閉状態の箱部1において、
図3に示すように、蓋部12の天井部15の一端部15a側からスリット14までは蓋部12の外面側(天井部15の上面15c側)を這わせるようにし、そこからスリット14に通して蓋部用小側板13の内周面側を通し(
図3中の破線部分)、その後側板11の外周面を這うようにするのがよい。
【0027】
より詳述すると、
図4に示すように荷締めベルト3は、主たる構成として、ベルト部30及びバックル31を備えている。ベルト部30は帯状部材であって、バックル31は雄部32及び雌部33を備えている。雄部32にはベルト部30の一端部30aが固定され、雌部33にはベルト部30の他端部30bが固定されている。
【0028】
そして、雄部32と雌部33とは嵌脱することが可能となっており、荷締めベルト3の長手方向(周方向)の長さは、一般的な荷締めベルト同様に調整可能であるものとし、少なくとも、雄部32と雌部33とを嵌合(締結)させた状態において、組み立てられた状態の箱部1及び底部2の(荷締めベルト3をかける方向の)外周の長さ以上にはできるものとする。
【0029】
これにより、蓋部12を閉じたことにより閉状態となった箱部1に荷締めベルト3をかけることで、箱部1の閉状態を固定することができる。
【0030】
以上が、本実施例に係る現場用折り畳みボックスの構造である。以下では、本実施例に係る現場用折り畳みボックスを使用する際の手順について説明する。
【0031】
まず、
図1のように箱部1の上部を開状態として組み立てておく。次に、箱部1及び底部2に荷締めベルト3をかける。ただし、その際、荷締めベルト3はスリット14に通すようにして、箱部1及び底部2の周りを一周させておくが、雄部32と雌部33とは開放状態としておき、蓋部12も閉じないようにする。
【0032】
この状態において、開口部分から一斗缶を挿入し、底部2の底板21上に載置する。なお、本実施例に係る現場用折り畳みボックスのサイズは特に限定するものではなく、少なくとも内部に一以上の一斗缶を載置することができればよい。
【0033】
そして、(一以上の)一斗缶を載置した状態で、蓋部12を閉じて箱部1の上部を閉状態とし、荷締めベルト3の雄部32と雌部33とを嵌合状態とする。これにより、箱部1の閉状態を固定する。これが
図3の状態である。
【0034】
以上が、本実施例に係る現場用折り畳みボックスを使用する際の手順についての説明である。次に、本実施例に係る現場用折り畳みボックスを
図3の状態から収納状態とする際の手順について説明する。
【0035】
図4に示す荷締めベルト3の雄部32と雌部33とを開放状態とし、蓋部12を開くことで、箱体1の上部を開状態とする。そして、底部2に載置された一斗缶を取り出し、本実施例に係る現場用折り畳みボックスの内部には何も無い状態とする。
【0036】
そして、底部2を箱部1から外す。これについては、底板21を下側から上方向に押し、箱部1に挿入したときと逆向きに移動させることで、箱部1の上部の開口部分から取り出しても良いが、そうではなく、箱部1に例えば足などを挿入し、底板21の上面を踏むようにして、箱部1の下側から取り外すようにしてもよい。
【0037】
その後、箱部1は側板11により形成される中空四角柱形状を潰すようにして折り畳む(対角位置の2箇所の側端部11a部分が折れ曲がる)。この状態においては、蓋部12だけ飛び出た状態となる。最後に、折り畳まれた箱部1と底部2とを纏めて荷締めベルト3を周回させ締結することで固定し、これを収納状態とする。
【0038】
なお、本実施例では、荷締めベルト3が常にスリット14に挿入されている状態としてもよく、あるいは、スリット14から都度取り外せるようにしてもよい。前者の場合、スリット14の幅はベルト部30の厚みに対応したサイズに設計すればよく、後者の場合、バックル31(雄部32又は雌部33)の厚みに対応したサイズとすることになる。
【0039】
さらに、本実施例に係る現場用折り畳みボックスを収納する際、荷締めベルト3はスリット14から取り外してから箱部1及び底部2に周回させるようにしてもよいし、あるいは、取り外さずに周回させることもできる(前段にて説明したように、荷締めベルト3がスリット14に常に挿入されているものとする場合は、後者一択となる)。
【0040】
本実施例によれば、内部に一斗缶を載置可能な箱部1の上部に開閉可能な蓋部12を有するので、一斗缶を防水しつつ収納可能とし、ブルーシートを用いて一斗缶を隠すのに比べ、見た目もすっきりさせることができる。
【0041】
また本実施例によれば、箱部1が複数の側板11を備えているので、この側板11のつなぎ目を折れ曲げるようにして折り畳むことができ、これにより収納時に容易に折り畳むことを可能とする。
【0042】
さらに本実施例によれば、荷締めベルト3により、折り畳まれた箱部1と底部2とを纏めて固定することができるので、収納時の省スペース化を図ることができる。
【0043】
[実施例2]
本実施例に係る現場用折り畳みボックスは、実施例1の構成を一部変更したものである。以下では、実施例1と同様の部分については極力省略し、異なる部分を中心に説明する。
【0044】
図5は、本実施例における蓋部12Aを示す斜視図である。実施例1における蓋部12は側板11に連結していたが、本実施例における蓋部12Aは、側板11とは連結せずに別体として形成され、下部が開口した薄い箱状部材となっている。
【0045】
より詳述すると、蓋部12Aは、天井板15及び4枚の蓋部用小側板13を備えている。4枚の蓋部用小側板13は、互いに隣接する蓋部用小側板13と側端部13a同士が連結して固定されている。また、天井部15の4辺に各蓋部用小側板13の上端部13bがそれぞれ連結して固定されている。
【0046】
また
図6は、本実施例における側板11を示す斜視図である。4枚の側板11は、蓋部12Aとは別体であって、それぞれ板状部材であり、互いに隣接する側板11と側端部11a同士が連結して固定されている。したがって、
図6に示すように、4枚の側板11は、上部及び下部が開口した中空四角柱形状に組み立てられるものである。
【0047】
本実施例では、蓋部12Aを箱部1Aの上部に被せることで、箱部1Aの上部が閉状態となる。このとき、実施例1と同様、蓋部用小側板13が側板11の外面の上側の一部を覆うようにして、蓋部12Aが側板11Aに被さる格好となる。
【0048】
さらに蓋部12Aは、1枚の蓋部用小側板13の任意の位置(
図5中では長手方向中央かつ幅方向中央)にスリット14を有している。
【0049】
なお、スリット14の作用効果や、
図3,7では図示していない底部2及び荷締めベルト3については、実施例1で説明したとおりであり、ここでは説明を省略する。
【0050】
本実施例においては、箱部1A上部の開口部分の開閉状態は、当該開口部分に対する蓋部12Aの取り付け及び取り外しにより実現されるものとなる。本実施例は実施例1の変型例であり、実施例1と同様の効果を奏する。
【0051】
[実施例3]
本実施例に係る現場用折り畳みボックスは、実施例1,2の構成を一部変更したものである。以下では、実施例1,2と同様の部分については極力省略し、異なる部分を中心に説明する。
【0052】
図7は、本実施例に係る現場用折り畳みボックスの斜視図である。実施例1,2においては、(1つの)蓋部用小側板13に対して1つのスリット14が設けられていたが、本実施例においては、(1つの)蓋部用小側板13に対して2つのスリット14を設けている。
【0053】
さらに、図示していないがスリット14は3つ以上であっても良い。すなわち本実施例においては、1つの蓋部用小側板13に対しスリット14を複数形成することで、スリット14が1つである場合に比べて、箱部1の閉状態をより強固にすることができる。
【0054】
[実施例4]
実施例1~3にて説明したスリット14は、1つの蓋部用小側板13のみならず、複数の蓋部用小側板13に対して同じように形成されるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、作業現場における収納ボックスとして好適である。
【符号の説明】
【0056】
1,1A 箱部
2 底部
3 荷締めベルト
11 側板
12 蓋部
13 蓋部用小側板
14 スリット
15 天井部
21 底板
22 底部用小側板