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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023031080
(43)【公開日】2023-03-08
(54)【発明の名称】通知装置及び通知システム
(51)【国際特許分類】
   A61G 12/00 20060101AFI20230301BHJP
   A61F 5/44 20060101ALN20230301BHJP
【FI】
A61G12/00 E
A61F5/44 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021136567
(22)【出願日】2021-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】000191009
【氏名又は名称】新東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】白木 正孝
(72)【発明者】
【氏名】古川 暁史
(72)【発明者】
【氏名】矢嶋 泰斗
【テーマコード(参考)】
4C098
4C341
【Fターム(参考)】
4C098AA09
4C098CD08
4C341LL10
4C341MR11
4C341MR17
4C341MR18
4C341MS22
(57)【要約】      (修正有)
【課題】サービス利用者の排泄を検知した旨の通知が何れかのサービス提供者により確認されたか否かを、その他のサービス利用者が容易に知得することが可能な通知装置を実現する。
【解決手段】通知装置は、プロセッサを備えている。プロセッサは、サービス利用者の排泄を検知したことをサービス提供者に通知する通知画面σ1a,σ1bを複数の通知端末の各々に表示する通知処理M11,M12を実行する。通知画面σ1a,σ1bには、複数の通知端末の何れかにおいて確認操作が行われたか否かを示す情報β1,β2が含まれている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービス利用者の排泄をサービス提供者に通知する通知装置であって、
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、サービス利用者の排泄を検知したことをサービス提供者に通知する通知画面を、複数の通知端末の各々に表示する通知処理を実行し、
前記通知画面には、前記複数の通知端末の何れかにおいて確認操作が行われたか否かを示す情報が含まれている、
ことを特徴とする通知装置。
【請求項2】
前記通知画面には、排泄を検知したサービス利用者のリストと、前記リストに含まれる各サービス利用者について、前記複数の通知端末の何れかにおいて確認操作が行われたか否かを示す情報とが含まれている、
ことを特徴とする請求項1に記載の通知装置。
【請求項3】
前記リストは、排泄を検知したサービス利用者のうち、排泄物の処置が未完了のサービス利用者のリストである、
ことを特徴とする請求項2に記載の通知装置。
【請求項4】
前記リストは、排泄を検知した複数のサービス利用者を、排泄を検知した時刻に応じた順序に並べたリストである、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の通知装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、サービス利用者の排泄態様を示す排泄情報をサービス提供者が入力するための入力画面を、前記複数の通知端末のうち、排泄物の処置を開始することを示す予め定められた特定の操作が行われた通知端末に表示する入力処理を更に実行する、
ことを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の通知装置。
【請求項6】
前記入力処理において、前記プロセッサは、排泄物の処置が開始されたことを示す情報を含む前記通知画面を、前記複数の通知端末のうち、前記特定の操作が行われた通知端末以外の通知端末に表示する、
ことを特徴とする請求項5に記載の通知装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記入力処理において入力された排泄情報を前記通知端末に表示する表示処理を更に実行する、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の通知装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、サービス利用者の排泄を検知する匂いセンサの感度を設定する設定画面を、前記通知端末、又は、前記匂いセンサを備えたセンサ装置と当該通知装置との間の通信を中継する中継端末に表示する設定処理を更に実行する、
ことを特徴とする請求項1~7の何れか一項に記載の通知装置。
【請求項9】
請求項1~8の何れか一項に記載の通知装置と、前記複数の通知端末と、を含む通知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サービス利用者の排泄をサービス提供者に通知する通知装置及び通知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
介護サービス及び/又は医療サービスの提供を目的とする施設においては、サービス利用者の排泄をサービス提供者が適時に知得する必要がある。しかしながら、このような施設には、排泄をサービス提供者に知らせることが不可能又は困難なサービス利用者(夜間、眠っているサービス利用者を含む)も少なからず居る。このようなサービス利用者の排泄をサービス提供者が知得するには、サービス利用者の下着を脱がせて排泄の有無を確認する必要があり、このことがサービス提供者にとって大きな負担になっていた。
【0003】
このような負担を軽減するために、介護医療現場における情報処理技術の活用が求められている。介護医療現場での活用可能な情報処理技術を開示した文献としては、例えば、特許文献1が挙げられる。特許文献1には、T字帯に装着したガスセンサから出力信号に基づき、患者の健康状態をモニタする生体モニタ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9-43182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
情報処理技術を活用すれば、匂いセンサを用いてサービス利用者の排泄を検知し、スマートフォンを用いてサービス提供者に通知することが可能である。複数のサービス提供者がいる場合には、各サービス提供者が所持するスマートフォンに対して上述した通知を行うことになる。このとき、上述した通知が何れかのサービス提供者により確認されたか否かを、その他のサービス提供者が容易に知得できることが重要になる。これにより、サービス提供者が誰一人として上述した通知を確認せずに、サービス利用者が放置されることを防げるからである。また、これにより、上述した通知を確認した複数のサービス提供者が一斉にサービス利用者のもとに駆けつけ、その結果、必要なサービス提供者(実際に排泄物の処置を行うサービス提供者やそのサービス利用者を担当するサービス提供者など)以外のサービス提供者の労力が無駄になることを防げるからである。
【0006】
本発明の一態様は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、サービス利用者の排泄を検知した旨の通知が何れかのサービス提供者により確認されたか否かを、その他のサービス提供者が容易に知得することが可能な通知装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る通知装置は、サービス利用者の排泄をサービス提供者に通知する通知装置であり、少なくとも1つのプロセッサを備えている。前記プロセッサは、サービス利用者の排泄を検知したことをサービス提供者に通知する通知画面を、複数の通知端末の各々に表示する通知処理を実行する。前記通知画面には、前記複数の通知端末の何れかにおいて確認操作が行われたか否かを示す情報が含まれている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、サービス利用者の排泄を検知した旨の通知が何れかのサービス提供者により確認されたか否かを、その他のサービス利用者が容易に知得することが可能な通知装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る通知システムの構成を示す模式図である。
図2図1に示す通知システムに含まれる通知装置の構成を示すブロック図である。
図3図2に示す通知装置が実施する通知方法の流れを示すフロー図である。
図4図3に示す通知方法において図2に示す通知装置が通知端末に表示する通知画面及び入力画面の具体例を示す図である。
図5】編集処理において図2に示す通知装置が通知端末に表示する編集画面を示す図である。
図6】設定処理において図2に示す通知装置が中継端末に表示する設定画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(通知システムの構成)
本発明の一実施形態に係る通知システムSについて、図1を参照して説明する。図1は、通知システムSの構成を示す模式図である。
【0011】
通知システムSは、介護サービス及び/又は医療サービスの提供を目的とする施設において、サービス利用者Uaの排泄をサービス提供者Ubに通知するためのシステムである。
【0012】
通知システムSは、図1に示すように、通知装置1と、複数の通知端末2と、複数の中継端末3と、複数のセンサ装置4と、を含んでいる。通知装置1と各通知端末2とは、ネットワークを介して一対多の通信を行い、通知装置1と各中継端末3とは、ネットワークを介して一対多の通信を行い、中継端末3とセンサ装置4とは、ネットワークを介さずに一対一の通信(例えば近距離無線通信)を行う。
【0013】
センサ装置4は、サービス利用者Uaに装着される。一例として、センサ装置4は、サービス利用者Uaの下着(おむつやパンツなど)の内部に装着される。センサ装置4は、匂いセンサを有しており、その匂いセンサの出力信号を中継端末3に送信する。
【0014】
中継端末3は、センサ装置4の周辺に配置される。一例として、中継端末3は、サービス利用者Uaが利用する居室に配置される。中継端末3は、匂いセンサの出力信号をセンサ装置4から受信する。また、中継端末3は、センサ装置4から受信した匂いセンサの出力信号を通知装置1に送信する。本実施形態においては、スマートフォンを中継端末3として利用する。据え置き型の無線中継器を、中継端末3として用いてもよい。
【0015】
通知装置1は、上述した施設外に配置される。一例として、通知装置1は、データセンターに配置される。通知装置1は、匂いセンサの出力信号を中継端末3から受信する。また、通知装置1は、中継端末3から受信した匂いセンサの出力信号を参照し、サービス利用者Uaの排泄を検知する。そして、通知装置1は、後述する通知画面σ1、入力画面σ2、表示画面σ3、及び設定画面σ4を通知端末2に送信する。なお、施設内に配置されたコンピュータなどを、通知装置1として利用してもよい。
【0016】
通知端末2は、サービス提供者Ubに携帯される。通知端末2は、通知画面σ1、入力画面σ2、表示画面σ3、及び設定画面σ4を表すデータを通知装置1から受信する。また、通知端末2は、タッチパネル式のディスプレイを備えており、通知装置1から受信したデータに基づいて入力画面σ2、表示画面σ3、及び設定画面σ4をそのディスプレイに表示する。本実施形態においては、スマートフォンを通知端末2として利用する。なお、以下の説明においては、各種画面を表すデータを送信することを、その画面を送信すると記載し、各種画面を表すデータを受信することを、その画面を受信すると記載する。
【0017】
(通知装置の構成)
通知システムSに含まれる通知装置1の構成について、図2を参照して説明する。図2は、通知装置1の構成を示すブロック図である。
【0018】
通知装置1は、図2に示すように、プロセッサ11と、一次メモリ12と、二次メモリ13と、通信インタフェース14と、バス15と、を備えている。プロセッサ11、一次メモリ12、二次メモリ13、及び通信インタフェース14は、バス15を介して相互に接続されている。通知装置1として利用可能なデバイスとしては、例えば、クラウドサーバを構成するワークステーションを挙げることができる。
【0019】
二次メモリ13には、通知プログラムPが格納されている。プロセッサ11は、二次メモリ13に格納されている通知プログラムPを一次メモリ12上に展開する。そして、プロセッサ11は、一次メモリ12上に展開された通知プログラムPに含まれる命令に従って、後述する通知方法M1に含まれる各処理を実行する。プロセッサ11として利用可能なデバイスとしては、例えば、CPU(Central Processing Unit)を挙げることができる。また、一次メモリ12として利用可能なデバイスとしては、例えば、半導体RAM(Random Access Memory)を挙げることができる。また、二次メモリ13として利用可能なデバイスとしては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)を挙げることができる。
【0020】
通信インタフェース14は、ネットワークを介して通知端末2及び中継端末3と通信を行うためのインタフェースである。通信インタフェース14として利用可能なインタフェースとしては、例えば、イーサネット(登録商標)インタフェースが挙げられる。また、利用可能なネットワークとしては、PAN(Personal Area Network)、LAN(Local Area Network)、CAN(Campus Area Network)、MAN(Metropolitan Area Network)、WAN(Wide Area Network)、GAN(Global Area Network)、又は、これらのネットワークを含むインターネットワークが挙げられる。インターネットワークは、イントラネットであってもよいし、エクストラネットであってもよいし、インターネットであってもよい。
【0021】
なお、プロセッサ11に通知方法M1を実行させるための通知プログラムPは、コンピュータ読み取り可能な一時的でない有形の記録媒体に記録され得る。この記録媒体は、二次メモリ13であってもよいし、その他の記録媒体であってもよい。例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブル論理回路などが、その他の記録媒体として利用可能である。
【0022】
また、本実施形態においては、単一のプロセッサ(プロセッサ11)を用いて通知方法M1を実行する構成を採用しているが、本発明は、これに限定されない。すなわち、複数のプロセッサを用いて通知方法M1を実行する構成を採用してもよい。この場合、通知方法M1を実行する複数のプロセッサは、単一のコンピュータに設けられ、バスを介して相互に通信可能に構成されていてもよいし、複数のコンピュータに分散して設けられ、ネットワークを介して相互に通信可能に構成されていてもよい。例えば、クラウドサーバを構成する複数のコンピュータの各々が備えるプロセッサが連携して通知方法M1を実行する態様や、通知装置1のプロセッサ11と通知端末2のプロセッサとが連携して通知方法M1を実行する態様なども、考えられる。
【0023】
(通知方法の流れ)
通知装置1が実施する通知方法M1の流れについて、図3及び図4を参照して説明する。図3は、通知方法M1の流れを示すフロー図である。図4は、通知方法M1を実施する過程で通知端末2に表示される通知画面σ1及び入力画面σ2の具体例を示す図である。
【0024】
通知方法M1は、図3に示すように、第1通知処理M11と、第2通知処理M12と、入力処理M13と、第3通知処理M14と、を含んでいる。以下、(1)第1通知処理M11の実行中に表示される通知画面σ1を「通知画面σ1a」と記載し、(2)第2通知処理M12の実行中に表示される通知画面σ1を「通知画面σ1b」と記載し、(3)入力処理M13の実行中に表示される通知画面σ1を「通知画面σ1c」と記載し、(4)第3通知処理M14の実行中に表示される通知画面σ1を「通知画面σ1d」と記載する。
【0025】
通知装置1のプロセッサ11は、匂いセンサの出力信号に基づいてサービス利用者Uaの排泄を検知すると、通知処理M11を開始する。以下、排泄が検知されたサービス利用者Uaのことを、「対象者Ua」と記載する。
【0026】
第1通知処理M11は、対象者Uaの排泄を検知したことをサービス提供者Ubに通知するための通知画面σ1aを、複数の通知端末2の各々に表示する処理である。第1通知処理M11において、通知装置1のプロセッサ11は、通知画面σ1aを生成し、生成した通知画面σ1aを複数の通知端末2の各々に送信する。通知端末2のプロセッサは、通知画面σ1aを通知装置1から受信し、受信した通知画面σ1aをその通知端末2のディスプレイに表示する。このとき、通知端末2のプロセッサは、アラート音の出力及びバイブレータの振動を開始する。
【0027】
第1通知処理M11において表示される通知画面σ1aの例を、図4に示す。通知処理M11において表示される通知画面σ1aには、(1)排泄を検出した日時(図示した例では「2021年7月27日16時10分10秒」)、(2)対象者Uaの属するグループ(図示した例では「ふじ」)、(3)対象者Uaの名前(図示した例では「山口」)、(4)検知した排泄の種類(図示した例では「うんち」)が含まれている。また、第1通知処理M11において表示される通知画面σ1aには、確認ボタンα1と泣顔アイコンβ1とが含まれている。泣顔アイコンβ1は、確認ボタンα1をタップする操作(以下、「確認ボタンタップ」と記載する)が何れの通知端末2においても未だ行われていないことを示すアイコンである。確認ボタンタップは、排泄通知の確認が完了したことを示す操作と見做すことができる。
【0028】
通知端末2のプロセッサは、確認ボタンα1がタップされると、確認ボタンタップが行われた旨の通知を通知装置1に送信する。通知装置1のプロセッサ11は、この通知に基づいて複数の通知端末2の何れかにおいて確認ボタンタップが行われたことを検知すると、第2通知処理M12を開始する。
【0029】
第2通知処理M12は、通知画面σ1bを、複数の通知端末2の各々に表示する処理である。第2通知処理M12において、通知装置1のプロセッサ11は、通知画面σ1bを生成し、生成した通知画面σ1bを複数の通知端末2の各々に送信する。通知端末2のプロセッサは、通知画面σ1bを通知装置1から受信し、受信した通知画面σ1bをその通知端末2のディスプレイに表示する。このとき、通知端末2のプロセッサは、アラート音の出力及びバイブレータの振動を終了する。
【0030】
第2通知処理M12において表示される通知画面σ1bの例を、図4に示す。第2通知処理M12において表示される通知画面σ1bは、(1)確認ボタンα1が処置ボタンα2に置き換えられている点、及び、(2)泣顔アイコンβ1が無表情アイコンβ2に置き換えられている点において、第1通知処理M11において表示される通知画面σ1と異なる。無表情アイコンβ2は、確認ボタンタップが何れかの通知端末2において既に行われていること、及び、処置ボタンα2をタップする操作(以下、「処置ボタンタップ」と記載する)が何れの通知端末2においても未だ行われていないことを示すアイコンである。無表情アイコンβ2は、泣顔アイコンβ1と共に、複数の通知端末2の何れかにおいて確認ボタンタップが行われたか否かを示す情報として機能する。処置ボタンタップは、排泄物の処置を開始することを示す操作と見做すことができる。
【0031】
通知端末2のプロセッサは、処置ボタンα2がタップされると、処置ボタンタップが行われた旨の通知を通知装置1に送信する。通知装置1のプロセッサ11は、この通知に基づいて複数の通知端末2の何れかにおいて処置ボタンタップが行われたことを検知すると、入力処理M13を開始する。以下、処置ボタンタップを行ったサービス提供者Ubを「処置者Ub」と記載し、処置ボタンタップが行われた通知端末2を「処置者Ubの通知端末2」と記載する。また、処置者Ub以外のサービス提供者Ubを「非処置者Ub」と記載し、処置者Ubの通知端末2以外の通知端末2を「非処置者Ubの通知端末2」と記載する。
【0032】
入力処理M13は、(1)対象者Uaの排泄態様を示す排泄情報を処置者Ubが入力するための入力画面σ2を、処置者Ubの通知端末2に表示すると共に、(2)対象者Uaの排泄をサービス提供者Ubに通知するための通知画面σ1cを、非処置者Ubの通知端末2に表示する処理である。入力処理M13において、通知装置1のプロセッサ11は、入力画面σ2を生成し、生成した入力画面σ2を処置者Ubの通知端末2に送信する。処置者Ubの通知端末2のプロセッサは、入力画面σ2を通知装置1から受信し、受信した入力画面σ2をその通知端末2のディスプレイに表示する。また、入力処理M13において、通知装置1のプロセッサ11は、通知画面σ1cを生成し、生成した通知画面σ1cを非処置者Ubの通知端末2に送信する。非処置者Ubの通知端末2のプロセッサは、通知画面σ1cを通知装置1から受信し、受信した通知画面σ1cをその通知端末2のディスプレイに表示する。
【0033】
入力処理M13において処置者Ubの通知端末2に表示される入力画面σ2の例を、図4に示す。この入力画面σ2を用いて、処置者Ubは、排泄情報として、日時、利用者情報(グループ及び名前)、担当者情報(読み仮名及び担当者名)、提供サービス、便量、性状、便失禁(有無)、血液混入(有無)、尿量、メモ(20文字までのフリーテキスト)の各項目を入力することができる。ただし、日時及び利用者情報は、自動入力される。また、その他の項目は、入力可能な情報の各々に対応するボタンの何れかをタップすることで、容易に入力することが可能である。例えば、便量は、「便なし」、「とても少ない」、「少なめ」、「やや少なめ」、「普通」、「やや多め」、「多め」、「とても多い」の各々に対応するボタンの何れかをタップすることで、容易に入力することが可能である。入力画面σ2には、上記の各項目を入力するためのフィールドの他に、完了ボタンγが含まれている。
【0034】
入力処理M13において非処置者Ubの通知端末2に表示される通知画面σ1cの例を、図4に示す。入力処理M13において表示される通知画面σ1cは、(1)処置ボタンα2が処置中ボタンα3に置き換えられている点、及び、(2)無表情アイコンβ2が笑顔アイコンβ3に置き換えられている点において、第2通知処理M12において表示される通知画面σ1と異なる。笑顔アイコンβ3は、処置ボタンタップが何れかの通知端末2において既に行われていることを示すアイコンである。笑顔アイコンβ3は、無表情アイコンβ2と共に、複数の通知端末2の何れかにおいて処置ボタンタップが行われたか否かを示す情報として機能する。
【0035】
処置者Ubの通知端末2のプロセッサは、完了ボタンがタップされると、完了ボタンタップが行われた旨の通知を、入力画面σ2を用いて入力された排泄情報と共に、通知装置1に送信する。通知装置1のプロセッサ11は、処置者Ubの通知端末2において完了ボタンタップが行われたことを検知すると、処置者Ubの通知端末2から受信した排泄情報を一次メモリ12に記録すると共に、第3通知処理M14を開始する。
【0036】
第3通知処理M14は、対象者Ua以外のサービス利用者Uaの排泄をサービス提供者Ubに通知するための通知画面σ1cを、複数の通知端末2の各々に表示する処理である。第3通知処理M14において、通知装置1のプロセッサ11は、通知画面σ1cを生成し、生成した通知画面σ1cを複数の通知端末2の各々に送信する。通知端末2のプロセッサは、通知画面σ1cを通知装置1から受信し、受信した通知画面σ1cをその通知端末2のディスプレイに表示する。
【0037】
第3通知処理M14において表示される通知画面σ1cは、対象者Uaの排泄に関する情報が除かれている点において、第2通知処理M12において表示される通知画面σ1bと異なる。
【0038】
以上のように、通知装置1のプロセッサ11は、対象者Uaの排泄を検知したことをサービス提供者Ubに通知する通知画面σ1a,σ1bを、複数の通知端末2の各々に表示する通知処理M11,M12を実行する。そして、通知画面σ1a,σ1bには、複数の通知端末2の何れかにおいて確認操作(確認ボタンα1のタップ)が行われたか否かを示す情報(泣顔アイコンβ1及び無表情アイコンβ2)が含まれている。したがって、各サービス提供者Ubは、自分が確認操作を行ったか否かによらず、対象者Uaの排泄を検知したことが何れかのサービス提供者Ubにより確認されたか否かを容易に知得することができる。
【0039】
また、通知画面σ1a,σ1bには、排泄を検知したサービス利用者Uaのリストと、複数の通知端末2の何れかにおいて確認ボタンタップが行われたか否かを示す情報(泣顔アイコンβ1又は無表情アイコンβ2)とが含まれている。このため、各サービス提供者Ubは、対象者Ua以外のサービス利用者Uaの排泄を検知したことを、そのサービス利用者Uaの排泄を検知したことが何れかのサービス提供者Ubにより確認されているかを含めて、容易に知得することができる。
【0040】
また、通知画面σ1a,σ1bに含まれるリストとして、排泄を検知したサービス利用者Uaのうち、排泄物の処置が未完了のサービス利用者Uaのリストを用いている。したがって、各サービス提供者Ubは、排泄を検知したサービス利用者Uaのうち、排泄に対する処置が未完了のサービス利用者Uaのみを効率的に把握することができる。
【0041】
また、通知画面σ1a,σ1bに含まれるリストとして、排泄を検知したサービス利用者Uaを、排泄を検知した時刻に応じた順序に並べたリストを用いている。例えば、排泄を検知した時刻が後のものが上、先のものが下になるように並べる形態を採用した場合、排泄を検知してからの経過時間の短いサービス利用者Uaの把握が容易になる。逆に、排泄を検知した時刻が先のものが上、後のものが下になるように並べた形態を採用した場合、排泄を検知してからの経過時間の長いサービス利用者Uaの把握が容易になる。どちらの形態を採用するかは、施設における用途やニーズに応じて決めればよい。また、どちらの形態でリストを表示するかを、サービス提供者Ubが切り替えることができるようにしてもよい。
【0042】
また、通知装置1のプロセッサ11は、対象者Uaの排泄態様を示す排泄情報を処置者Ubが入力するための入力画面σ2を、処置者Ubの通知端末2、すなわち、複数の通知端末2のうち、排泄物の処置を開始することを示す予め定められた特定の操作(処置ボタンα2のタップ)が行われた通知端末2に表示する入力処理M13を更に実行する。これにより、処置者Ubは、排泄情報を容易に入力することができる。
【0043】
また、入力処理M13において、通知装置1のプロセッサ11は、排泄物の処置が開始されたことを示す情報(笑顔アイコンβ3)を含む通知画面σ1cを、非処置者Ubの通知端末2、すなわち、複数の通知端末2のうち、特定の操作(処置ボタンα2のタップ)が行われた通知端末2以外の通知端末2に表示する。これにより、非処置者Ubは、排泄に対する処置が開始されたことを容易に知得することができる。
【0044】
なお、本実施形態においては、通知画面σ1aの確認ボタンα1をタップされた時点で、アラート音の出力及びバイブレータの振動を終了する構成が採用されているが、これに限定されない。例えば、通知画面σ1aにアラート停止用のボタンを別途設け、このボタンがタップされた時点で、アラート音の出力及びバイブレータの振動を終了する構成を採用してもよい。これにより、アラート音の出力及びバイブレータの振動を停止する目的でみだりに確認操作が行われることを回避することができる。なお、この場合、アラート音の出力及びバイブレータの振動の停止は、通知端末2ごとに個別に行われる。
【0045】
(表示処理及び表示画面)
通知装置1は、入力処理M13において入力された排泄情報を含む表示画面σ3を、通知端末2に表示する表示処理を実行することができる。図5は、表示処理において通知端末2に表示される表示画面σ3の一例を示す図である。
【0046】
表示画面σ3は、特定のサービス利用者Ua(「さくら」グループに属する「佐藤」)の排泄情報を表示する画面である。表示画面σ3には、サービス利用者Uaの関する情報の他に、14時、15時、16時、及び17時に検出された排泄に関する排泄情報が含まれている。
【0047】
排泄情報の各項目を編集する場合、サービス提供者Ubは、表示画面σ3において当該項目が表示された領域をタップする。このタップを検出すると、通知装置1は、通知端末2に表示する画面を、表示画面σ3から入力画面σ2に遷移させる。
【0048】
(設定処理及び設定画面)
通知装置1は、センサ装置4に含まれる匂いセンサの感度を設定する設定画面σ4を、中継端末3に表示する設定処理を実行することができる。図6は、設定処理において中継端末3に表示される設定画面σ4の一例を示す図である。
【0049】
設定画面σ4は、特定のセンサ装置4(「ふじ」グループに属する「松本」に装着されたセンサ装置)に吹かれる匂いセンサの感度を設定する画面である。サービス提供者Ubは、設定画面σ4に含まれるスライダーηをドラッグする。中継端末3は、スライダーηの位置に対応する感度を通知装置1に送信する。通知装置1は、中継端末3から受信した感度に応じて、その匂いセンサからの出力信号と比較する閾値を設定する。設定される感度が高くなると、通知装置1は、閾値を低くし、弱い匂いでも排便を検知するようにする。設定される感度が低くなると、通知装置1は、閾値を高くし、強い匂いでも排便を検知しないようにする。
【0050】
なお、設定画面σ4を用いることで、センサ装置4に関する設定、及び、センサ装置4を利用するサービス利用者Uaに関する設定を行うことも可能である。また、通知装置1は、この設定画面σ4を、中継端末3に表示する代わりに、通知端末2に表示してもよい。これにより、サービス提供者Ubは、サービス利用者Uaの周辺に配置された中継端末3の側まで行かずに、匂いセンサの感度を設定することが可能になる。
【0051】
〔付記事項〕
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、上述した実施形態に開示された各技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0052】
1 通知装置
2 通知端末
3 中継端末
4 センサ装置
S 通知システム
Ua サービス利用者
Ub サービス提供者
11 プロセッサ
12 一次メモリ
13 二次メモリ
14 通信インタフェース
15 バス
σ1 通知画面
σ2 入力画面
σ3 表示画面
σ4 設定画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6