(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023031129
(43)【公開日】2023-03-08
(54)【発明の名称】照明システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
H05B 45/305 20200101AFI20230301BHJP
H05B 45/20 20200101ALI20230301BHJP
H05B 47/155 20200101ALI20230301BHJP
G03B 7/091 20210101ALI20230301BHJP
【FI】
H05B45/305
H05B45/20
H05B47/155
G03B7/091
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021136641
(22)【出願日】2021-08-24
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1.IEEE International Symposium on Circuits and Systems(ISCAS2020)学会予稿集の掲載アドレス:https://ieeexplore.ieee.org/document/9181264、掲載日:令和2年9月28日 2.IEEE International Symposium on Circuits and Systems(ISCAS2020)学会、開催日:令和2年10月16日(開催期間:令和2年10月10日~令和2年10月21日) 3.発行者名:リバネス出版、刊行物名:someone、号数:vol.53(2020年冬号)、発行年月日:令和2年12月1日 4.ウェブサイトのアドレス:https://ed.lne.st/download/15125/、掲載日:令和2年12月1日 5.ウェブサイトのアドレス: https://www.youtube.com/watch?reload=9&v=ygKuSzGcirM&feature=youtu.be、掲載日:令和2年12月20日
(71)【出願人】
【識別番号】593006630
【氏名又は名称】学校法人立命館
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(72)【発明者】
【氏名】熊木 武志
(72)【発明者】
【氏名】下村 優太郎
(72)【発明者】
【氏名】桐原 瑠也
(72)【発明者】
【氏名】森武 湧太
(72)【発明者】
【氏名】廣田 祐基
【テーマコード(参考)】
2H002
3K273
【Fターム(参考)】
2H002FB00
3K273PA09
3K273QA37
3K273TA15
3K273TA33
3K273TA37
3K273TA38
3K273TA47
3K273TA78
3K273UA22
3K273UA23
3K273UA25
3K273UA29
(57)【要約】
【課題】撮影装置を介して撮影することで視覚的に理解できる情報を提供する照明システムおよび当該情報を表示するプログラムを提供すること。
【解決手段】照明システムは、所定の点滅周波数で点滅可能な複数の光源と、第1点滅周波数を設定する第1周波数設定装置と、前記第1点滅周波数より高い第2点滅周波数を設定する第2周波数設定装置と、各光源の点滅周波数を前記第1点滅周波数または前記第2点滅周波数に切り換える点滅切換装置と、を備え、前記複数の光源は2次元状に配置される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の点滅周波数で点滅可能な複数の光源と、
第1点滅周波数を設定する第1周波数設定装置と、
前記第1点滅周波数より高い第2点滅周波数を設定する第2周波数設定装置と、
各光源の点滅周波数を前記第1点滅周波数または前記第2点滅周波数に切り換える点滅切換装置と、を備え、
前記複数の光源は2次元状に配置される、
照明システム。
【請求項2】
2次元状に配置された前記光源は、前記第1点滅周波数で作動させた前記光源によって、文字または図形を表現する、
請求項1に記載の照明システム。
【請求項3】
前記照明システムは、さらに蓄電装置を備え、前記蓄電装置から電力を供給されると、前記点滅切換装置が前記複数の光源の一部の前記点滅周波数を前記第1点滅周波数へと切り換える、請求項1または請求項2に記載の照明システム。
【請求項4】
前記光源は、異なる波長の光を発する複数の色光源を備え、前記点滅切換装置は、各色光源の前記点滅周波数を切り換える、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の照明システムを撮影可能な装置で用いられるプログラムであって、
所定の露光時間で撮影可能な、前記装置が有する撮影装置で前記照明システムの複数の光源を撮影するステップと、
撮影された静止画像および撮影された動画像の少なくとも一方を含む画像において、フリッカパターンが存在する前記光源を情報領域と判定するステップと、
前記画像において、前記光源を前記情報領域とそれ以外の領域とに判別可能に変換し変換画像を作成するステップと、
前記変換画像を表示可能なディスプレイに表示するステップと、
を前記装置が備える演算回路に実行させるためのプログラム。
【請求項6】
前記演算回路が前記撮影装置の前記所定の露光時間を変更するステップ、を含む、請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記演算回路は、あらかじめ定められた条件を満たしたと判定すると、前記所定の露光時間を、前記光源の第1点滅周波数の逆数より大きく、前記光源の第2点滅周波数の逆数より小さな時間に変更する、請求項6に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮影装置の露光時間が照明の輝度変化の周期よりも小さい場合に、撮影画像に現れる縞模様を用いて情報を伝達する技術が知られている。例えば、特許文献1には、端末が、輝度変化する被写体をイメージセンサで撮像して複合用画像を取得し、その複合用画像に現れる縞模様の意味を解釈、すなわち復号、することで、被写体が送信する情報を取得する通信技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されている技術では、画像を取得した後、端末に当該撮影画像の縞模様を解析させなければユーザが意味を解釈できる情報は得られない。
【0005】
本開示は、撮影装置を介して撮影することで視覚的に理解できる情報を提供する照明システムおよび当該情報を表示するプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の照明システムは、所定の点滅周波数で点滅可能な複数の光源と、第1点滅周波数を設定する第1周波数設定装置と、第1点滅周波数より高い第2点滅周波数を設定する第2周波数設定装置と、各光源の点滅周波数を第1点滅周波数または第2点滅周波数に切り換える点滅切換装置と、を備え、複数の光源は2次元状に配置される、ことを特徴とする。
【0007】
また、本開示の、照明システムを撮影可能な装置で用いられるプログラムは、所定の露光時間で撮影可能な、装置が有する撮影装置で照明システムの複数の光源を撮影するステップと、撮影された静止画像および撮影された動画像の少なくとも一方を含む画像において、フリッカパターンが存在する光源を情報領域と判定するステップと、画像において、光源を情報領域とそれ以外の領域とに判別可能に変換し変換画像を作成するステップと、変換画像を表示可能なディスプレイに表示するステップと、を装置が備える演算回路に実行させる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、撮影装置を介して撮影することで視覚的に理解できる情報を提供する照明システムおよび当該情報を表示するプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態に係る照明システムの概略的な構成を示す図
【
図2】一実施形態に係る照明システムの一部に関する概略的なブロック図
【
図3】一実施形態に係る照明システムの一部の切換回路の概略的な構成を示す回路図
【
図4】照明システムの構成の一例を示し、フリッカパターンの表示の一例を示す図
【
図5】照明システムの構成の一例を示し、フリッカパターンの表示の一例を示す図
【
図6】照明システムの構成の一例を示し、フリッカパターンの表示の一例を示す図
【
図7】一実施形態に係る情報提供システムの概略的な構成を示す図
【
図8】一実施形態に係る照明システムにより提供される情報を取得するために、装置の演算回路で実行される処理の一例を示すフローチャート
【
図9】装置のディスプレイに表示される画像の一例を示す図
【
図10】色光源が配置された、一実施形態に係る照明システムの一部を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本開示に係る実施形態を説明する。ただし、以下に説明する構成は、本開示の一例に過ぎず、本開示は下記の実施形態に限定されることはなく、これら実施形態以外であっても、本開示に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0011】
(実施形態)
図1は、本開示の実施形態に係る照明システム1の概略的な構成を示す図である。
図2は、本実施形態に係る照明システム1の一部に関する概略的なブロック図である。以下、基本的に
図1および
図2を参照しつつ、本開示の実施形態に係る照明システム1の構成を説明する。本開示に係る照明システム1によれば、撮影装置を介して撮影することで視覚的に理解できる情報を提供することができる。
【0012】
図1に示すように、照明システム1は、複数の光源11が配置されることで構成されている。また、
図2に示すように、照明システム1は、複数の光源11を備える光源ユニット10と、演算回路12と、記憶装置13と、第1周波数設定装置14と、第2周波数設定装置15と、点滅切換装置16とを備える。
【0013】
光源ユニット10は、複数の光源11が2次元状に配置されている。
【0014】
光源11は、所定の周波数で点滅する照明装置であり、例えば、LEDまたは有機EL等が想定される。また、例えば、蛍光灯等のバックライト及び液晶パネルを、1つ1つの画素の領域、または複数の画素を含む領域を、一つの光源として捉えてもよい。この場合、バックライトを点滅させるのではなく、液晶シャッタの開閉を制御することで、光源の点滅と同等の機能を持たせることができる。また、光源11は、照明装置に限定されず、例えば、画素ごとに所定の周波数で点滅可能なディスプレイであってもよい。
【0015】
演算回路12は、照明システム1の動作を制御する制御部である。演算回路12は、プログラムを実行することで所定の機能を実現するCPUまたはMPUのような汎用プロセッサを含む。演算回路12は、例えば記憶装置13に格納された演算プログラム等を呼び出して実行することにより、光源11の点滅周波数の切換処理など、演算回路12における各種の処理を実現する。演算回路12は、ハードウェアとソフトウェアとが協働して所定の機能を実現する態様に限定されず、所定の機能を実現する専用に設計されたハードウェア回路でもよい。すなわち、演算回路12は、CPU、MPU以外にも、GPU、FPGA、DSP、ASIC等、種々のプロセッサで実現され得る。このような演算回路12は、例えば、半導体集積回路である信号処理回路で構成され得る。
【0016】
記憶装置13は、種々の情報を記憶できる記憶媒体である。記憶装置13は、例えば、DRAMやSRAM、フラッシュメモリ等のメモリ、HDD、SSD、その他の記憶デバイスまたはそれらを適宜組み合わせて実現される。記憶装置13は、上述しているように、演算回路12が行う各種の処理を実現するためのプログラムを格納する。また、記憶装置13は、非常時に照明システム1によって伝達する情報があらかじめ格納され、必要に応じて演算回路12によって自動的に読み出されるように構成されてもよい。
【0017】
第1周波数設定装置14および第2周波数設定装置15は、光源11の点滅周波数を設定することができる装置であり、例えば電子回路で構成され得る。第1周波数設定装置14および第2周波数設定装置15は、パルス幅変調(PWM)制御することで、光源11の点滅周波数を制御してもよい。第1周波数設定装置14は、光源の点滅周波数を第1点滅周波数に設定する。第2周波数設定装置15は、光源の点滅周波数を第2点滅周波数に設定する。第1点滅周波数は、第2点滅周波数より小さい周波数である。本実施形態において、第1点滅周波数は、70Hzであり、第2点滅周波数は200Hzであるがこれに限定されない。第1点滅周波数は、約50Hz以上であることが好ましい。
【0018】
点滅切換装置16は、光源の点滅周波数を第1点滅周波数または第2点滅周波数に切り換えることができる装置であり、例えば電子回路で構成され得る。点滅切換装置16は、演算回路12からの信号に基づいて、各光源を第1点滅周波数で点滅させるか、第2点滅周波数で点滅させるか切り換えることができる。すなわち、演算回路12は、点滅切換装置16を介して、複数の光源の一部を第1点滅周波数で点滅させ、当該複数の光源の残りを第2点滅周波数で点滅させるように制御することができる。点滅切換装置16は、例えば、演算回路12からの指示に応じて、光源11ごとに、後述する切換回路20の外部信号入力端子Vinにハイ/ローの電圧を出力するように構成されてもよい。このような点滅切換装置16は、例えば、シフトレジスタによって構成され得る。
【0019】
本実施形態に係る照明システム1は、2種類の点滅周波数を切り換えるように構成されているがこれに限定されない。例えば、照明システム1は、さらなる周波数設定装置を備えてもよい。また、点滅切換装置16は、3つ以上の点滅周波数に切り換えることができるように構成されてもよい。
【0020】
図3は、本実施形態に係る照明システム1が備える光源11の一つの周波数を切り換えるための切換回路20の概略的な構成を示す回路図である。
図3に示すように、切換回路20は、光源11、第1スイッチング回路C1、第2スイッチング回路C2、半導体リレー(ソリッドステートリレー)SSR1、SSR2、抵抗R1~R3を備える。
【0021】
光源11は、12Vの電源VDDとグラウンドGNDとの間に配置され、電圧が印加されるように構成されている。また、抵抗R1は、光源11と同様に電源VDDとグラウンドGNDとの間に配置され、光源11と直列に接続されている。
【0022】
第1スイッチング回路C1は、電源VDDとグラウンドGNDとの間に配置され、電圧が印加されるように構成されている。第2スイッチング回路C2は、電源VDDとグラウンドGNDとの間に配置され、電圧が印加されるように構成されている。光源11、第1スイッチング回路C1および第2スイッチング回路C2は、電源VDD-グラウンドGND間で並列に接続されている。例えば、第1スイッチング回路C1および第2スイッチング回路C2はそれぞれ、所定の周波数で電源VDD-グラウンドGND間の開放、短絡を繰り返すように構成されている。本実施形態に係る切換回路20では、第1スイッチング回路C1は、第1周波数設定装置14に基づいて所定の周波数が定められる。したがって、第1スイッチング回路C1の所定の周波数は、第1点滅周波数である。また、第2スイッチング回路C2は、第2周波数設定装置15に基づいて所定の周波数が定められる。したがって、第2スイッチング回路C2の所定の周波数は、第2点滅周波数である。
【0023】
半導体リレーSSR1は、制御側(すなわち入力側)が外部信号入力端子VinとグラウンドGNDとに接続され、負荷側(すなわち出力側)が第1スイッチング回路C1とグラウンドGNDとに接続されている。したがって、半導体リレーSSR1は、端子Vinに印加される電圧に基づいて、第1スイッチング回路C1のグラウンドGNDに対する接地の有無を切り換える。
【0024】
半導体リレーSSR2は、制御側が外部信号入力端子VinとグラウンドGNDとに接続され、負荷側が第2スイッチング回路C2とグラウンドGNDとに接続されている。したがって、半導体リレーSSR2は、端子Vinに印加される電圧に基づいて、第2スイッチング回路C2のグラウンドGNDに対する接地の有無を切り換える。
【0025】
半導体リレーSSR1、SSR2は、所定の入力電圧が印加されることで、オン、オフを切り換えることができる。例えば、本実施形態に係る切換回路20では、外部入力として端子Vinに1.5Vの電圧が印加されると、半導体リレーSSR1がオンされ、半導体リレーSSR2がオフされる。それにより、切換回路20は、第1スイッチング回路C1をグラウンドGNDに接続する。また、外部入力として端子Vinに0Vの電圧が印加される(または電圧が印加されなくなると)と、半導体リレーSSR1がオフされ、半導体リレーSSR2がオンされる。それにより、切換回路20は、第2スイッチング回路C2をグラウンドGNDに接続する。本実施形態における切換回路20において、外部信号入力端子Vinに入力される信号(例えば、ハイ/ローの電圧)は、演算回路12から出力された信号に基づいて点滅切換装置16から出力され得る。
【0026】
図3に示すように、抵抗R1は、電源V
DDと光源11との間に配置されている。抵抗R2は、端子Vinと半導体リレーSSR1との間に配置されている。抵抗R3は、端子Vinと半導体リレーSSR2との間に配置されている。
【0027】
切換回路20において、半導体リレーSSR1をオンし、半導体リレーSSR2をオフすると、第1スイッチング回路C1が接地される。したがって、例えば第1スイッチング回路C1を70Hzの周波数で、電源VDD-グラウンドGND間の短絡、開放を切り換えるように構成すると、光源11は、同様に70Hzの周波数で点滅する。また、切換回路20において、半導体リレーSSR1をオフし、半導体リレーSSR2をオンすると、第2スイッチング回路C2が接地される。したがって、例えば第2スイッチング回路C2を200Hzの周波数で、電源VDD-グラウンドGND間の短絡、開放を切り換えるように構成すると、光源11は、同様に200Hzの周波数で点滅する。このようにして、切換回路20は、光源の点滅周波数を切り換えることができる。例えば、このような切換回路20を各光源11に設けることで、照明システム1は、任意の各光源11を第1点滅周波数または第2点滅周波数で点滅させることができる。本実施例では、光源11の点滅周波数の切換回路20を光源11ごとに設けているが、これに限定されるわけではなく、例えば、照明システム1の全ての光源11の点滅周波数を光源11ごとに切り換えられる単一の切換回路を設けてもよい。
【0028】
本実施形態に係る照明システム1は、上述しているように複数の光源11のそれぞれを、複数の周波数のいずれか一つで点滅させるように制御することができる。このように点滅している光源11を任意の装置が有するローリングシャッタ方式の撮影装置で撮影すると、撮影した画像に明るい領域と暗い領域の縞模様が生じ得る。以下、当該縞模様を適宜「フリッカパターン」という。撮影装置が撮影した画像は、撮影装置が撮影した静止画像および動画像を含む。
【0029】
フリッカパターンは、ローリングシャッタ方式の撮影装置の露光時間が、光源11の点滅周波数から求められる周期より小さいと発生することが知られている。以下、光源11の点滅周波数に基づく周期と、露光時間との関係について、
図4~
図6を参照しつつ説明する。
【0030】
図4~
図6のそれぞれは、照明システム1の一例を示す。また、
図4~
図6のそれぞれは、撮影装置で撮影した際に表示されるフリッカパターンの一例を示す。本実施例に関する照明システム1は、縦方向および横方向に8個ずつマトリクス状に配置された、計64個の光源11を有する。
図4において破線で囲われた領域Aおよび領域Dに配置されている光源11(以下、適宜「第1光源」という。)は、第1点滅周波数で点滅するように構成されている。破線で囲われた領域Bおよび領域Cに配置されている光源11(以下、適宜「第2光源」という)は、第2点滅周波数で点滅するように構成されている。本実施例において、第1点滅周波数は、70Hz(すなわち、1/70秒の周期)であり、第2点滅周波数は、200Hz(すなわち、1/200秒の周期)である。以下、第1点滅周波数の逆数を適宜「第1点滅周期」と、第2点滅周波数の逆数を適宜「第2点滅周期」という。また、点滅周波数の逆数を適宜「点滅周期」という。
【0031】
上記するように、フリッカパターンは、撮影装置の露光時間と、光源の点滅周波数に基づく点滅周期との関係により発生し得る。例えば、撮影装置の露光時間が1/1000秒である場合、露光時間は、第1点滅周期および第2点滅周期より小さい。したがって、
図4に示すように、撮影装置によって撮影された画像において、第1光源と第2光源の両方にフリッカパターンが現れる。
【0032】
また、撮影装置の露光時間が1/125秒である場合、露光時間は、第2点滅周期より小さく、第1点滅周期より大きい。したがって、
図5に示すように、撮影装置によって撮影された画像において、フリッカパターンは第2光源のみに現れ、第1光源には現れない。また、撮影装置の露光時間が1/30である場合、露光時間は、第1点滅周期および第2点滅周期より大きい。したがって、
図6に示すように、撮影装置によって撮影された画像において、フリッカパターンは、第1光源と第2光源のいずれにも現れない。
【0033】
このように、本実施形態に係る照明システム1は、各光源11の点滅周波数を切り換えることで、撮影装置を有する装置が当該光源11を撮影すると、撮影された画像にフリッカパターンを意図的に生じさせることができる。そして、照明システム1は、2次元状に配置された光源11のうち、所定の位置に配置されている光源11の点滅周波数を第1点滅周波数に切り換えることで、撮影された画像において、任意の文字または図形を表現することができる。
【0034】
例えば、照明システム1の演算回路12は、上記しているように、点滅切換装置16を介してハイ/ローの電圧を各光源11の切換回路20に出力することで、各光源11の点滅周波数を切り換えることができる。例えば、演算回路12が切換回路20にローの電圧を出力している場合、演算回路12は、照明システム1の光源11にフリッカパターンを表示させない点滅周波数である第2点滅周波数で、光源11を点滅させている。そして、演算回路12は、光源ユニット10に文字または図形を表示させるために、対応する光源11の切換回路20にハイの電圧を出力することで、当該光源11の点滅周波数を第1点滅周波数に切り換えることができる。この際、フリッカパターンを表示させない光源11には、切換回路20にローの電圧を出力し続けることで、当該光源11の点滅周波数を第2点滅周波数に維持する。
【0035】
照明システム1は、このような、光源ユニット10に表示させる文字または図形と、フリッカパターンを表示させる必要がある光源11との関係を記憶装置13に格納し、演算回路12が必要に応じて読み出してもよい。また、照明システム1が通信回路を備え、通信回線を介して、光源ユニット10に表示させる文字または図形に対応する、点滅周波数を切り換える光源11の情報を取得してもよい。通信回路は、後述する通信回路35と同様に構成され得る。また、演算回路12は、光源ユニット10に表示させる文字または図形を取得することで、点滅周波数を切り換える光源11を決定してもよい。
【0036】
次に
図7を参照しつつ情報提供システム2を説明する。情報提供システム2は、照明システム1と、照明システム1を撮影することで情報を取得することができる装置30とを含む。装置30は、演算回路31と、記憶装置32と、撮影装置33と、ディスプレイ34とを備える。装置30は、例えば、スマートフォンなどの携帯端末を含む。また、装置30は、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、タブレット端末、ラップトップパソコンなど、撮影装置33を備える任意の機器であってもよい。
【0037】
演算回路31は、装置30の動作を制御する制御部である。演算回路31は、プログラムを実行することで所定の機能を実現するCPUまたはMPUのような汎用プロセッサを含む。演算回路31は、例えば記憶装置32に格納された演算プログラム等を呼び出して実行することにより、撮影装置33による撮影処理、撮影された画像をディスプレイ34による表示処理など、演算回路31における各種の処理を実現する。また、演算回路31は、演算プログラムを呼び出して実行することにより、フリッカパターンの有無を判定する判定処理、フリッカパターンが存在する場合に行う画像処理なども実現する。演算回路31は、ハードウェアとソフトウェアとが協働して所定の機能を実現する態様に限定されず、所定の機能を実現する専用に設計されたハードウェア回路でもよい。すなわち、演算回路31は、CPU、MPU以外にも、GPU、FPGA、DSP、ASIC等、種々のプロセッサで実現され得る。このような演算回路31は、例えば、半導体集積回路である信号処理回路で構成され得る。
【0038】
記憶装置32は、種々の情報を記憶できる記憶媒体である。記憶装置32は、例えば、DRAMやSRAM、フラッシュメモリ等のメモリ、HDD、SSD、その他の記憶デバイスまたはそれらを適宜組み合わせて実現される。記憶装置32は、上述しているように、演算回路31が行う各種の処理を実現するためのプログラムを格納する。また、記憶装置32は、撮影装置33が撮影した画像を記憶できる。
【0039】
撮影装置33は、例えば、CMOSセンサなどの撮像素子を備えた、ローリングシャッタ方式で撮影することができるカメラである。撮影装置33は、静止画像と動画像の少なくとも一方を撮影できる。
【0040】
ディスプレイ34は、撮影装置33が撮影した画像を表示できる表示装置である。また、ディスプレイ34は、装置30のユーザが装置30を操作する際に必要な情報を出力することができる。
【0041】
また、装置30は、通信回路35を備えてもよい。通信回路35は、有線または無線により他の装置またはシステムと通信回線を介して接続するためのインタフェース装置である。当該インタフェース装置は、例えば、USB(登録商標)、HDMI(登録商標)またはイーサネット(登録商標)等の有線通信規格に準拠した通信を行うことが可能である。または、インタフェース装置は、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、携帯電話回線等の無線通信規格に準拠した通信を行うことが可能である。
【0042】
本実施形態に係る装置30の演算回路31は、撮影装置33が照明システム1の複数の光源11を撮影すると、その画像をディスプレイ34に表示させる。したがって、ディスプレイ34は、撮影された画像を表示することで、照明システム1の複数の光源11を表示することができる。上記しているように、ディスプレイ34は、光源の点滅周期が撮影装置の露光時間より大きい場合、当該光源が表示されている領域にフリッカパターンが生じる。
【0043】
本実施形態に係る装置30は、当該フリッカパターンに所定の処理を行うプログラム(以下、適宜「アプリケーション」という。)を有する。装置30の演算回路31は、アプリケーションを実行して、撮影装置33によって照明システム1を撮影することで、フリッカパターンがある領域を情報領域として処理することができる。
【0044】
具体的には、まず演算回路31は、撮影処理により、撮影装置33を用いて照明システム1を撮影する。次に演算回路31は、検出処理により、撮影された画像において照明システム1の複数の光源11にフリッカパターンが存在するか判定する。演算回路31は、任意の光源11にフリッカパターンが存在すると判定すると、当該光源11は、情報を伝達するための情報領域であると認識する。
【0045】
演算回路31は、検出処理によって当該光源11を情報領域であると認識した場合、変換処理を行い、撮影された画像において、当該情報領域を、装置30のユーザがそれ以外の領域と判別できるように変換する。具体的には、演算回路31は、記憶装置32に一時的に格納している撮影された画像の画像データにおいて、当該光源11がある領域の画素データを、別の画素データに変換する。例えば演算回路31は、フリッカパターンが表示されている光源の領域を黒色の画素データに変換する。その後、演算回路31は、表示処理を行い、変換処理よって一部が変換された画像データをディスプレイ34に表示させる。これにより、演算回路31は、撮影装置33によって撮影してディスプレイ34に表示している画像において、フリッカパターンが存在する光源11を黒く表示することができる。
【0046】
図8は、本実施形態に係る、照明システム1により提供される情報を取得するために、装置30の演算回路31によって実行される処理のフローチャートである。上記しているように、演算回路31は、まず、装置30が備える撮影装置33を用いて照明システム1を撮影する撮影処理を実行する(S10)。次に、演算回路31は撮影処理で撮影された画像において、フリッカパターンが存在するかどうかを検出する検出処理を実行する(S20)。フリッカパターンが存在することを検出すると(S30:YES)、演算回路31は、撮影された画像において、フリッカパターンが存在する光源が存在する領域を情報領域として、それ以外の領域と判別可能に変換する。変換処理を実行する(S40)。そして、演算回路31は、変換処理によって一部が変換された画像をディスプレイ34に表示する表示処理を実行する(S50)。演算回路31は、検出処理によってフリッカパターンを検出しなかった場合(S30:NO)、撮影装置33によって撮影された画像をディスプレイ34に表示する。このようにして、ユーザは、本実施形態に係る照明システム1から提供されている情報を、装置30を用いて取得できる。
【0047】
このような処理を実行することで、演算回路31は、ディスプレイ34に表示されている画像の光源11に関して、露光時間より大きな点滅周期を有する光源11の配置と、それ以外の光源11との配置とに基づいて、文字または図形を描写することができる。例えば、
図9は、装置30のディスプレイ34に表示される画像の一例である。
図9に示されている画像は、2次元上に配置された光源11を有する照明システム1を表示している。当該照明システム1の光源は、破線Eで囲われた領域が露光時間より小さな点滅周期で点滅し、一点鎖線Fで囲われた領域が露光時間より大きな点滅周期で点滅するように構成されている。
【0048】
このように構成された照明システム1を、装置30の撮影装置33で撮影し、ディスプレイ34に表示すると、
図9に示すように、下向きの矢印が表示されているように、ディスプレイ34に表示される。一般的に、人間が点滅する光を連続光のように見え始める点滅の周波数である臨界融合周波数は、30Hz~40Hz程度と言われている。したがって、光源11の点滅周波数を臨界融合周波数以上に設定すると、装置30のユーザは、照明システム1の光源11を直接見た場合、単なる連続光として視認する。しかし、装置30のユーザは、装置30の撮影装置33で照明システム1を撮影し、撮影された画像が表示されたディスプレイ34を見ると、照明システム1が下向きの矢印を表示しているように視認することができる。
【0049】
このように、本実施形態に係る照明システム1によれば、ユーザが装置30の撮影装置33およびディスプレイ34を介して見た場合のみ、照明システム1によって伝達されている情報を確認することができる、情報提供システム2を提供することができる。
【0050】
したがって、本実施形態に係る照明システム1によれば、看板や掲示物を設置することなく、ユーザに情報を提供することができるため、美観を保つことができる。また、ユーザは、装置30を介して照明システム1を見なければ、照明システム1を単なる照明装置と認識するため、この点でも美観を保つことができる。
【0051】
本実施形態に係る照明システム1は、情報をバイナリ信号のようなコンピュータによる処理が求められる方法で提供するのではなく、視覚的に理解可能な文字または図形として情報を提供できる。したがって、本実施形態に係る情報提供システム2によれば、ユーザは自身が有する装置30を用いることで、照明システム1によって提供されている情報を視覚的に理解することができる。一般的に、ユーザの多くは撮影装置33およびディスプレイ34を備える装置30を有する。したがって、情報提供システム2は、ユーザが特殊な機能を有する装置を備えることなく、ユーザに情報を提供することができる。
【0052】
照明システム1は、例えば、蓄電装置を備えてもよい。このように蓄電装置を備えることで、照明システム1は、通常は商用電源等の外部電源から電力の供給を受け、外部電源からの電力の供給が停止すると蓄電装置から電力を供給されるように構成され得る。照明システム1は、照明システム1が蓄電装置から電力の供給を受けた場合、演算回路12が一部の光源11の点滅周波数を第1点滅周波数に切り換えるように構成されてもよい。このように構成することで、例えば、地震等の災害が生じて停電が発生したとしても、照明システム1は、消灯することなく維持され、さらに情報提供源として、ユーザに情報を自動的に提供することができる。
【0053】
上記した照明システム1は、単色の光源を用いてフリッカパターンの有無で情報提供を行っているが、これに限定されない。照明システム1は、特定の色の波長の光を発する光源(以下、適宜「色光源」という)を用いてもよい。例えば、色光源は、光の三原色である赤色の波長の光を発する赤光源11R、緑色の波長の光を発する緑光源11Gおよび青色の波長の光を発する青光源11Bを含んでもよい。
【0054】
例えば、
図10に示すように、各色光源11R、11G、11Bが配置されている場合、照明システム1は、色光源11R、11G、11Bそれぞれの点滅周波数を切り換えることができる。
図10は、各色光源11R、11G、11Bを配置した照明システム1の一部を示す。
【0055】
例えば、緑光源11Gおよび青光源11Bの点滅周波数を、撮影装置33の露光時間より周期が小さい第1点滅周波数に切り換えた場合、演算回路31は、照明システム1を撮影装置33で撮影すると、緑光源11Gおよび青光源11Bにおいてフリッカパターンが存在することを検出する。この場合、演算回路31は、フリッカパターンが存在することを検出した光源を除去し、赤光源11Rのみが光っているように、ディスプレイ34に表示してもよい。
【0056】
また、例えば、緑光源11Gの点滅周波数を、撮影装置33の露光時間より周期が小さい第1点滅周波数に切り換えた場合、演算回路31は、照明システム1を撮影装置33で撮影すると、緑光源11Gにおいてフリッカパターンが存在することを検出する。この場合、演算回路31は、フリッカパターンが存在することを検出した光源を除去し、赤光源11Rおよび青光源11Bのみが光っているように、ディスプレイ34に表示してもよい。すなわち、演算回路31は、当該光源がマゼンダの波長の光を放っているようにディスプレイ34に表示してもよい。
【0057】
図10に示した例では、装置30の演算回路31は、色光源11R、11G、11Bのそれぞれにおいて、フリッカパターンの有無を検出するように構成されているが、これに限定されない。例えば、演算回路31は、三つの色光源11R、11G、11Bを一つの光源とみなして、フリッカパターンを検出するように構成されてもよい。このように構成すると、例えば、緑光源11Gと青光源11Bの点滅周波数を第1点滅周波数に、赤光源11Rの点滅周波数を撮影装置33の露光時間より周期が大きい点滅周波数に設定することで、演算回路31は、光源において赤色と白色で示されるフリッカパターンを検出し得る。また、緑光源11Gの点滅周波数のみを第1点滅周波数に設定することで、演算回路31は、マゼンダ色と白色で示されるフリッカパターンを検出し得る。このように、照明システム1は、装置30の演算回路31が検出するフリッカパターンの色を複数設定することができる。装置30は、検出したフリッカパターンの色に基づいて、ディスプレイ34に表示させる情報(例えば画像)を変更するように構成されてもよい。
【0058】
このように、情報提供システム2は、照明システム1が複数の色光源を備えることで、装置30によって撮影された画像をディスプレイ34に表示する色を調整できるように構成されてもよい。このように構成された情報提供システム2は、色を有するフリッカパターンを提供することができるため、より多彩な情報を提供することができる。
【0059】
上記した情報提供システム2において、装置30の撮影装置33の露光時間を変更すると、光源11が一定の周波数で点滅していたとしても、装置30のディスプレイ34におけるフリッカパターンの発生の有無が変更され得る。例えば、装置30の演算回路31は、アプリケーションを実行することで、調整処理により、撮影装置33の露光時間を調整できてもよい。演算回路31は、撮影装置33の露光時間を短くすると、フリッカパターンが発生する点滅周期の下限を小さく(すなわち、点滅周波数の上限を高く)することができる。したがって、演算回路31は、より多くの光源11においてフリッカパターンが存在することを検出できる。
【0060】
演算回路31は、所定の条件を満たすと上記の調整処理を実行するように構成され得る。このように構成することで、当該所定の条件を満たしている装置30のみ、より多くの光源11でフリッカパターンを検出することができる。例えば、所定の条件は、当該アプリケーションで、利用料金を支払うことであってもよい。また、所定の条件は、あらかじめ定められたアクセスコードをユーザが装置30の入力装置を介してアプリケーションに入力することであってもよい。例えば、アクセスコードは、装置30のユーザが当該光源11の所有者から購入することで入手されてもよいし、特定の場所に配置されていてもよい。このように所定の条件を満たすことで撮影装置33の露光時間を調整できるように構成することで、例えば観光地などで、所定の条件を満たしたユーザのみが確認することができる情報を提供することができる。
【0061】
上述した情報提供システム2は、照明システム1を撮影してディスプレイ34を確認するユーザだけでなく、CMOSセンサなどの撮像素子を介して外界を認識するロボットや車両等にも適用できる。上記するように、ローリングシャッタ方式の撮影装置によって、点滅している光源を撮影すると、撮影装置の露光時間より大きな点滅周期を有する光源にフリッカパターンが発生する。したがって、上記したように当該フリッカパターンが発生する光源によって、任意の文字や図形を表現することで、ロボット等が当該文字や図形を認識できるように構成されていると、照明システム1によって伝達されている情報を取得することができる。
【0062】
なお、上述した実施形態において、撮影装置の露光時間が、光源の点滅周期より大きい場合、フリッカパターンは現れないと記載している。しかし、撮影装置の露光時間が光源の点滅周期より大きい場合であっても、より正確に記載すると、明るい領域と暗い領域が交互に配置される縞模様は、撮影された画像に薄く表示され得る。したがって、本実施形態に記載のプログラムは、フリッカパターンが存在していたとしても情報領域ではないと判断してもよい。例えば、本実施形態に係るプログラムは、光源に現れる縞模様の明るい領域と暗い領域との輝度の差に所定の閾値を設け、縞模様に当該閾値以上の輝度の差があると、フリッカパターンが発生していると判定するように構成されてもよい。
【0063】
(実施形態のまとめ)
以上のように説明した本実施形態に係る照明システムおよびプログラムは、以下のように構成してもよい。
【0064】
(態様1)照明システム(1)は、所定の点滅周波数で点滅可能な複数の光源(11)と、第1点滅周波数を設定する第1周波数設定装置(14)と、第1点滅周波数より高い第2点滅周波数を設定する第2周波数設定装置(15)と、各光源の点滅周波数を第1点滅周波数または第2点滅周波数に切り換える点滅切換装置(16)と、を備え、複数の光源(11)は2次元状に配置されるように構成されている。
【0065】
(態様2)態様1の照明システムにおいて、2次元状に配置された光源は、第1点滅周波数で作動させた光源によって、文字または図形を表現してもよい。
【0066】
(態様3)態様1または態様2の照明システムにおいて、照明システムは、さらに蓄電装置を備え、蓄電装置から電力を供給されると、点滅切換装置が複数の光源の一部の点滅周波数を第1点滅周波数へと切り換えてもよい。
【0067】
(態様4)態様1から態様3のいずれか一つの照明システムにおいて、光源は、異なる波長の光を発する複数の色光源を備え、点滅切換装置は、各色光源の点滅周波数を切り換えてもよい。
【0068】
(態様5)態様1から態様4のいずれか一つの照明システム(1)を撮影可能な装置(30)で用いられるプログラムは、所定の露光時間で撮影可能な、装置(30)が有する撮影装置(33)で照明システム(1)の複数の光源(11)を撮影するステップと、撮影された静止画像および撮影された動画像の少なくとも一方を含む画像において、フリッカパターンが存在する光源(11)を情報領域と判定するステップと、画像において、光源(11)を情報領域とそれ以外の領域とに判別可能に変換し変換画像を作成するステップと、変換画像を表示可能なディスプレイ(34)に表示するステップと、を装置(30)が備える演算回路(31)に実行させることができる。
【0069】
(態様6)態様5のプログラムにおいて、演算回路が撮影装置の所定の露光時間を変更するステップ、を含んでもよい。
【0070】
(態様7)態様6のプログラムにおいて、演算回路は、あらかじめ定められた条件を満たしたと判定すると、所定の露光時間を、光源の第1点滅周波数の逆数より大きく、光源の第2点滅周波数の逆数より小さな時間に変更してもよい。
【0071】
本開示に記載の照明システムおよびプログラムは、ハードウェア資源、例えば、プロセッサ、メモリ、と、ソフトウェア資源(コンピュータプログラム)との協働などによって実現される。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本開示によれば、撮影装置を介して撮影することで視覚的に理解できる情報を提供する照明システムおよび当該情報を表示するプログラムを提供することができるため、この種の産業分野において好適に利用できる。
【符号の説明】
【0073】
1 照明システム
2 情報提供システム
10 光源ユニット
11 光源
12 演算回路
13 記憶装置
14 第1周波数設定装置
15 第2周波数設定装置
16 点滅切換装置
20 切換回路
30 装置
31 演算回路
32 記憶装置
33 撮影装置
34 ディスプレイ
35 通信回路