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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023031154
(43)【公開日】2023-03-08
(54)【発明の名称】逆止弁の製造方法
(51)【国際特許分類】
   F16K 15/06 20060101AFI20230301BHJP
【FI】
F16K15/06
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021136679
(22)【出願日】2021-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】597052695
【氏名又は名称】有限会社 松▲崎▼製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002826
【氏名又は名称】弁理士法人雄渾
(72)【発明者】
【氏名】松嵜 正治
【テーマコード(参考)】
3H058
【Fターム(参考)】
3H058AA02
3H058BB29
3H058CA04
3H058CA32
3H058CB14
3H058CB18
3H058CC02
3H058CC05
3H058CC11
3H058CD05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】簡単な方法でケーシングを組み立て、弁体及び弾性部材の収容空間を確保することができる、逆止弁の製造方法を提供する。
【解決手段】弾性部材4と弁体3とケーシングを備える逆止弁1の製造方法であって、ケーシングは、胴部22と弁座部21を有し、弁座部と胴部とが個別に設けられ、弁座部は、固定溝部215を有し、胴部は、変形部222を有しており、胴部又は弁座部が、弁座部又は胴部に対して回転させられることにより、変形部が摩擦熱で変形させられ、変形した変形部が固定溝部に入り込むことにより、胴部と弁座部とが固定されて組み立てられる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性部材と弁体とケーシングを備える逆止弁の製造方法であって、
前記ケーシングは、胴部と弁座部を有し、
前記弁座部と前記胴部とが個別に設けられ、
前記弁座部は、固定溝部を有し、
前記胴部は、変形部を有しており、
前記胴部又は前記弁座部が、前記弁座部又は前記胴部に対して回転させられることにより、前記変形部が摩擦熱で変形させられ、変形した前記変形部が前記固定溝部に入り込むことにより、前記胴部と前記弁座部とが固定されて組み立てられることを特徴とする、逆止弁の製造方法。
【請求項2】
前記胴部は、柱部材と、前記変形部と、底壁部と、が一体に成形されたことを特徴とする、請求項1に記載の逆止弁の製造方法。
【請求項3】
弾性部材と弁体とケーシングを備える逆止弁の製造方法であって、
前記ケーシングは本体と蓋部材を有し、
前記本体と前記蓋部材とが個別に設けられ、
前記本体には弁体を挿入可能な開口部が設けられており、
前記開口部を閉じる前記蓋部材と、前記本体とが固定手段により固定されて組み立てられることを特徴とする、逆止弁の製造方法。
【請求項4】
前記本体は、弁座部と柱部材と側壁部とが一体に成形されたことを特徴とする、請求項3に記載の逆止弁の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は逆止弁の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
逆止弁は、ケーシングが組み立てられることにより、ケーシングの収容空間内に弁体と弾性体が収容された状態となることで製造される。
【0003】
例えば、特許文献1では、弁座2Aのフランジ部分2a1と、カードリッジ本体2B(ケーシング)のフランジ部2a2を溶着接合することで、カードリッジ本体を組み立てることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-166689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
溶着接合で逆止弁を組み立てる場合、一般的な溶着を適用しようとすると、被加熱物であるフランジ部分に熱源から熱を加える装置を使用して、フランジ部分を溶かして溶着する方法や、高周波溶着や超音波溶着と呼ばれる、高周波や超音波を使用した溶着方法を使用して、フランジ部分を固定することが考えられる。
【0006】
しかしながら、このような方法では、被加熱部に熱を加える熱源の装置、高周波溶着や超音波溶着等の装置を用いることとなり、装置が大掛かりになり採用しがたい。
そこで、本発明の課題は、簡単な方法でケーシングを組み立て、弁体及び弾性部材の収容空間を確保することができる、逆止弁の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、ケーシングの胴部と弁座部を回転による摩擦熱で固定するか、または、ケーシングの本体と蓋部材とを固定手段により固定することにより、ケーシングを組み立てることができることを見出して本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の逆止弁の製造方法である。
【0008】
上記課題を解決するための、本発明の製造方法は、弾性部材と弁体とケーシングを備える逆止弁の製造方法であって、ケーシングは、胴部と弁座部を有し、弁座部と胴部とが個別に設けられ、弁座部は、固定溝部を有し、胴部は、変形部を有しており、胴部又は弁座部が、弁座部又は胴部に対して回転させられることにより、変形部が摩擦熱で変形させられ、変形した変形部が固定溝部に入り込むことにより、胴部と弁座部とが固定されて組み立てられる、という特徴を有する。
この特徴によれば、胴部又は弁座部が、弁座部又は胴部に対して回転させられることにより、変形部が摩擦熱で変形させられ、胴部と弁座部とが固定できることから、大掛かりな溶着装置を用いることなく、ケーシングの組み立てをすることができる、逆止弁の製造方法とすることができる。
【0009】
さらに、本発明の逆止弁の製造方法の一実施態様としては、胴部は、柱部材と、変形部と、底壁部と、が一体に成形されたことを特徴とする。
この特徴によれば、胴部は、柱部材と、変形部と、底壁部とが一体に成形されたことにより、つなぎ目のない一体の状態であることから、つなぎ目から壊れることなく、耐久性を向上させた逆止弁の製造方法とすることができる。
【0010】
上記課題を解決するための、本発明の逆止弁の製造方法は、弾性部材と弁体とケーシングを備える逆止弁の製造方法であって、ケーシングは本体と蓋部材を有し、本体と蓋部材とが個別に設けられ、本体には弁体を挿入可能な開口部が設けられており、開口部を閉じる蓋部材と、本体とが固定手段により固定されて組み立てられることを特徴とする。
この特徴によれば、弁体を挿入可能な開口部を閉じる蓋部材と、本体と、が固定手段により固定されて組み立てられることから、弁体が開口から容易にケーシングの収容空間に挿入できる逆止弁の製造方法とすることができる。
【0011】
さらに、本発明の逆止弁の製造方法の一実施態様としては、弁座部と柱部材と側壁部とが一体に成形されたことを特徴とする。
この特徴によれば、本体は、弁座部と柱部材と側壁部とが一体に成形されたことにより、つなぎ目のない一体の状態であることから、つなぎ目から壊れることなく、耐久性を向上させた逆止弁の製造方法とすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、簡単な方法でケーシングを組み立てることができ、弁体及び弾性部材の収容空間を確保することができる、逆止弁の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1の実施態様における組み立てられた状態の逆止弁を示す概略斜視図である。
図2】本発明の第1の実施態様における組み立てられた状態の逆止弁を軸心に沿って切断した状態を示す概略断面斜視図である。
図3】本発明の第1の実施態様における組み立てられる前の逆止弁の図2のAの部分を拡大した、概略断面図である。
図4】本発明の第1の実施態様における逆止弁の弁体を示す概略断面図である。
図5】本発明の第2の実施態様における組み立てられた状態の逆止弁を示す概略斜視図である。
図6】本発明の第2の実施態様における組み立てられた状態の逆止弁を軸心に沿って切断した状態示す概略断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の逆止弁の製造方法は、胴部に弁体の軸心方向と交差する方向に凹む溝(固定溝部)を設け、その溝に、胴部に設けられた変形部が、回転による摩擦熱で変形させられて入り込むか、または、蓋部材に設けられた固定部が被固定部入り込むことにより、軸心方向に離れないように胴部と弁座部、または、本体と蓋部材とが固定され、弁体がケーシング内の収容空間に収容された状態となる。これにより、大掛かりな溶着装置等を使用せずに、簡単な方法でケーシングを組み立てることができる効果がある。
【0015】
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る逆止弁の製造方法の実施の態様を詳細に説明する。なお、実施態様に記載する逆止弁の製造方法については、本発明に係る逆止弁の製造方法を説明するために例示したに過ぎず、これに限定されるものではない。
【0016】
〔第1の実施態様〕
[逆止弁]
本発明の逆止弁の製造方法で製造される、逆止弁1について説明する。
逆止弁1は、図1に示すように、ケーシング2と弁体3と弾性部材4とを備える。ケーシング2に設けられたフランジ部212(図2参照)にパッキン5が取り付けられた状態で、水道管のような液体の流れる管の接手部分にパッキン5が挟み込まれて固定される。フランジ部212の側が上流側になるように配置され、上流側から流れてきた液体が弁体3を下流側に押して移動させ、弾性部材4が圧縮されることで、液体の流れる空間ができ、下流側に液体が流れる状態となる。また、下流側から液体が流れようとすると、弾性部材4が弁体3を上流側に移動させ、液体の流れる空間を遮断することで液体の逆流を防止するものである。
【0017】
[ケーシング]
図2及び図3を参照し、ケーシング2について説明する。ケーシング2は、弁座部21と胴部22とを備える。ケーシング2は弁座部21と胴部22とが固定された状態で、弁体3と弾性部材4を収容する収容空間23を形成する。また、本実施形態では、弁座部21と胴部22は個別に設けられており、弁座部21と胴部22が固定されてケーシング2が完成し、逆止弁1として組み立てられた状態となる。
【0018】
〈弁座部〉
弁座部は21、弁座211とフランジ部212を有する。弁座部21は筒状に設けられた部材であり、筒の内部が液体の流れる流路である。弁座部21の材質は、後述する変形部222と摩擦熱を生じさせることから、変形部222よりも高い温度で変形する材質のものが適用できる。具体的な材質としては、金属や変形部222の材質よりも耐熱性の高い樹脂が適用できる。
【0019】
≪弁座≫
弁座211は、弁体3が弾性部材4によって上流側に押し付けられて移動させられた状態において、液体が通過できないように、弁体3と接触して密閉状態となる部分である。弁座211は円環状の開口部分である。
【0020】
≪フランジ部≫
フランジ部212は、パッキン5が設置され、液体の流れる管の接手の間に挟み込まれて固定される部分である。フランジ部212は弁座211から上流側に環状に設けられ、フランジ部212の外径の大きさは、弁座部21の下流側の円筒形状の外径よりも径が大きい構造である。
【0021】
フランジ部212の下流側の壁面213には、弁体3の軸心方向の上流の側に凹む受容溝部214が環状に一つの連なった溝として設けられている。また、受容溝部214には、弁体3の軸心方向と交差する方向に凹みかつ上流側と下流側が閉鎖された固定溝部215が設けられる。固定溝部215は環状に一つの連なった溝として設けられる。
【0022】
受容溝部214が設けられていることにより、後述する胴部22に設けられた変形部222が受容溝部214に収容された状態で回転させた場合、安定した回転とすることができる。さらに、受容溝部214の壁面216があることにより、摩擦熱で変形した変形部222が、固定溝部215へ移動しやすくなる効果がある。
【0023】
〈胴部〉
胴部22は、柱部材221と変形部222と底壁部223を有する。柱部材221と変形部222と底壁部223は、一体に形成されている。これらが、一体に成形されていることから、つなぎ目から分離して壊れることがなく、耐久性を向上させることができる。
なお、柱部材221と変形部222と底壁部223は、個別に設けられて組み立てられる構造でもよい。
【0024】
≪柱部材≫
柱部材221は、上流側から下流側に向けて延びる棒状の部材である。複数の柱部材221が収容空間23を囲むように、周方向に沿って配置される。複数の柱部材221どうしの間の空間は、上流から流れてきた液体が通過し、下流側に流れる通路の役割をはたす。
複数の柱部材の上流側には変形部が設けられ、下流側には複数の柱部材が連結するように底壁部を有する。
【0025】
≪変形部≫
変形部222は、柱部材221の上流側に突出するように配置され、受容溝部214に挿入可能な大きさである。また、変形部222は、胴部22又は弁座部21が、弁座部21又は胴部22に対して回転させられた際に摩擦熱で溶かされ、固定溝部215に入り込むようになっており、変形部222の体積は、固定溝部215の空間を充填し、弁座部21と胴部22とが固定されるだけの体積を有する。変形部222は、弁座部21との摩擦熱で変形する材質のものが使用される。
【0026】
≪底壁部≫
底壁部223は、複数の柱部材221を連結するための土台の役割を果す。また、底壁部223には、弁体3の弁軸31が通過し、弁頭部32が通過しない大きさのガイド孔部224が設けられている。さらに、ガイド筒部225が、ガイド孔部224を取り囲むように、収容空間23に向けて設けられる。ガイド筒部225を有することにより、弁体3の上流側及び下流側への動きが滑らかに行われることになる。ガイド筒部225の上流側の端部が、弁頭部32に衝突し、弁体3の下流側への動きが規制される。
【0027】
[弁体]
図4を参照し、弁体3について説明する。弁体3は、弁軸31と弁頭部32を備える。
〈弁軸〉
弁軸31は、上流側から下流側に向けて延びる円柱状の棒状部材であり、ケーシング2の弁体3の収容空間23に配置される際に、ガイド筒部225とガイド孔部224に挿入される部分である。弁軸31の外壁は、ガイド筒部225及びガイド孔部224の内壁と接触し、弁軸31は、擦り動く状態となっており、弁体3を上流側及び下流側に円滑に移動させる役割を果す。
【0028】
〈弁頭部〉
弁頭部32は、弁軸31の上流側に設けられ、ガイド筒部225の筒の内部を通過しない大きさに設けられており、ガイド筒部225の上流側の端部と接触して弁体3の下流側への動きを規制する。
また、弁頭部32の上流側の面は、半球状の曲面となっており、その曲面の表面から内部(下流側)に凹むパッキン溝部321が設けられる。パッキン溝部321は、一つのつながった環状の溝であり、Oリングのような弾力性を有する弁頭部パッキン322が配置される。
弁頭部パッキン322は、弁体3が上流側に位置して上流からの液体を流れさない閉鎖された状態において、弁座211と接触する状態となる部分である。
弁頭部32の下流側の面には、後述する弾性部材の端部を収容する弾性部材収容溝323が設けられる。弾性部材収容溝323は上流側に凹む溝であり、一つのつながった環状の溝である。
【0029】
[弾性部材]
弾性部材4は、ケーシングの弁体3の収容空間23に弁体3とともに配置される部材である。
弾性部材4は、上流側から一定の圧力が加わらない場合、弁体3を上流側に移動させ、上流からの液体が流れないようにするとともに、上流側から一定の圧力を受けた際に、圧縮された状態となり液体が上流から下流に流れるように、弁体3の位置を移動させる。
【0030】
弾性部材4は、コイルスプリングが例示でき、コイルスプリングの内部にガイド筒部が収容されるように配置される。また、コイルスプリングの上流側の一端部分が、弾性部材収容溝323に収容された状態となる。
【0031】
[逆止弁の製造方法]
次に逆止弁1の製造方法である、組立の手順について説明する。
まず、弾性部材4と弁体3を胴部22の上流側から収容空間23に配置する。
次に胴部22の上流側から収容空間23を閉じるように弁座部21を配置する。その際、弁座部21の受容溝部214に胴部22の変形部222が収容された状態となる。
そして、変形部222が受容溝部214に収容された状態において、胴部22を固定し、弁座部21を弁体3の弁軸31の軸心を中心にして回転させる。弁座部21を回転させることにより、変形部222と受容溝部214との間で摩擦熱が生じ、変形部222が熱で変形し、固定溝部215の内部へ変形する。変形した変形部222は、弁体3の軸心方向と交差する突起となることから、弁座部21と胴部22とが固定され、ケーシング2が完成し、逆止弁1が組み立てられる。
以上により、逆止弁の製造方法とすることができる。
【0032】
なお、本実施態様では、胴部22を固定し、弁座部21を弁体3の弁軸31の軸心を中心にして回転させたが、弁座部21を固定し、胴部22を弁体3の弁軸31の軸心を中心にして回転させてもよい。
また、弁座211と弁頭部パッキン322が接触した状態で弁座部21が回転させられた状態となるが、弁座部21と共に弁体3も回転することから弁頭部パッキン322の摩耗を抑制することができる。なお、弁体3が下流側に移動させられた状態を維持し、弁座211と弁頭部パッキン322が接触しない状態で弁座部21を回転させれば、弁頭部パッキン322の摩耗を防止できる。
【0033】
本実施態様では、固定溝部215が受容溝部214の中心軸の側に凹むように設けられた場合を例示した。しかしながら、固定溝部215が、受容溝部214の外側である、壁面216からフランジ部212の内部(外側)に凹むように設けられてもよい。また、固定溝部215が、中心軸の側と、壁面216からフランジ部212の内部(外側)との両方に設けられてもよい。
【0034】
〔第2の実施態様〕
図5を参照し、第2の実施態様の逆止弁6について説明する。なお、第1の実施態様と同じ機能及び構造のものについては、同一の符号を付し、説明を省略する。第2の実施態様は、第1の実施態様のケーシング2の構造が異なり、第1の実施態様の底壁部223に替えて、蓋部材72が取り付けられて、収容空間23を閉じるように組み立てられる点が異なる。
【0035】
[ケーシング]
図6に示すように、ケーシング7は、本体71と蓋部材72とを備える。
【0036】
〈本体〉
本体71は、側壁部711と第1の実施態様の胴部22の柱部材221と弁座部21とを有する。
本体71は、第1の実施態様の胴部22の柱部材221と弁座部21とを備えており、それらの機能及び構造は同じであるが、第1の実施態様の受容溝部214と固定溝部215と変形部222は設けられていない。
本体71は、第1の実施態様の胴部22の柱部材221と弁座部21と側壁部711とが一体に形成される。これらが一体に設けられていることにより、つなぎ目から壊れることがない。
【0037】
〈側壁部〉
側壁部711は、複数の柱部材221を連結するための土台の役割を果す。さらに、側壁部711の収容空間23の側の内壁には、被固定部712を有する。
【0038】
≪被固定部≫
被固定部712は、弁体3の軸心方向に交差する方向に凹む窪みであり、側壁部711の内壁の周方向に個別に設けられる。被固定部712は、後述する蓋部材72の固定部723と連結し、本体71と蓋部材72とを固定する部分である。
また、側壁部711は弁体3が通過可能な開口部713を有しており、逆止弁6を組み立てる際、開口部713から弁体3の弁頭部32、弁軸31の順に通過させて収容空間23に収容できるようになっている。
【0039】
〈蓋部材〉
蓋部材72は、本体71の開口部713を塞ぎ、弁体3が収容空間23から抜けださないようにするための部材である。蓋部材72は、ガイド孔部224とガイド筒部225と固定部723とを備える。ガイド孔部224とガイド筒部225は第1の実施態様と同じ機能と構造であるため、説明を省略する。
【0040】
≪固定部≫
固定部723は、蓋部材72の周縁部から上流側に延びる片状の部材であり、その片状の部材の上流側の端部に、弁体3の軸心方向外側に突出する突起部724を有する。固定部723は複数設けられており、複数の突起部724が被固定部712である、側壁部711に設けられた内壁の窪みに嵌り合うことにより、本体71と蓋部材72とが固定される。
なお、固定部723の突起部724と、被固定部712の窪み部とが、固定手段に該当する。
【0041】
[逆止弁の製造方法]
次に逆止弁6の製造方法である、組立の手順について説明する。
まず、本体71の開口部713から、弁体3の弁頭部32、弁軸31の順に収容空間23に挿入し、弁体3が配置され、さらに、弾性部材4であるコイルスプリングの中心を弁軸31が通過するように、弾性部材4が配置される。
次に、蓋部材72の固定部723が、本体71の下流側から開口部713を塞ぐように、収容空間23に挿入される。そして、被固定部712の窪みと、固定部723の突起部724とが嵌り合うことにより、本体71と蓋部材72とが固定され、ケーシング7が完成し、逆止弁6が組み立てられる。
以上により、逆止弁の製造方法とすることができる。
【0042】
本実施態様では、固定手段として、側壁部711に被固定部712を設け、蓋部材72に固定部723を設けた場合を例示したが、側壁部711に固定部となる突起を設け、蓋部材72に被固定部となる窪みを設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明の逆止弁の製造方法は、逆止弁の製造に利用することができる。
【符号の説明】
【0044】
1…逆止弁、2…ケーシング、3…弁体、4…弾性部材、5…パッキン、6…逆止弁、7…ケーシング、21…弁座部、22…胴部、23…収容空間、31…弁軸、32…弁頭部、71…本体、72…蓋部材、211…弁座、212…フランジ部、213…壁面、214…受容溝部、215…固定溝部、216…壁面、221…柱部材、222…変形部、223…底壁部、224…ガイド孔部、225…ガイド筒部、321…パッキン溝部、322…弁頭部パッキン、323…弾性部材収容溝、711…側壁部、712…被固定部、713…開口部、723…固定部、724…突起部。


図1
図2
図3
図4
図5
図6