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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023031169
(43)【公開日】2023-03-08
(54)【発明の名称】索条ガイド
(51)【国際特許分類】
   H02G 1/06 20060101AFI20230301BHJP
   H02G 9/06 20060101ALI20230301BHJP
   B66F 3/12 20060101ALI20230301BHJP
【FI】
H02G1/06
H02G9/06
B66F3/12 E
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021136719
(22)【出願日】2021-08-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】591267925
【氏名又は名称】日本スピードショア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100073689
【弁理士】
【氏名又は名称】築山 正由
(72)【発明者】
【氏名】福中政治
(72)【発明者】
【氏名】植松寿人
【テーマコード(参考)】
5G352
5G369
【Fターム(参考)】
5G352CA05
5G352CA09
5G352CB08
5G352CG04
5G352CL01
5G352CL02
5G369BA04
5G369BA06
5G369EA01
(57)【要約】
【課題】索条がぶれても抵抗が増さず、また、マンホール内の作業スペースも広くとることが可能な索条ガイドを提供すること。
【解決手段】請求項1に記載の索条ガイドは、管路の開口部に設置される本体部と、この本体部に設けた固定部とにより構成され、前記本体部にガイドローラーを設け、前記固定部を上下方向に伸縮自在なパンタグラフ式ジャッキで構成した。請求項2に記載の発明は、ガイドローラーを軸方向に長尺な円柱状に形成した。請求項3に記載の発明は、ガイドローラーとして、軸方向が右肩上がりのもの、軸方向が左肩上がりのもの、軸方向が水平方向のものの3本を備えて構成した。請求項4に記載の発明は、ガイドローラーを、その中央部が半径方向に縮減した形状にした。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管路内に索条を供給或いは撤去する際に使用される索条ガイドであって、
この索条ガイドを、前記管路の開口部に設置される本体部と、この本体部に設けた固定部とを備えたものとし、
前記本体部にガイドローラーを設け、
前記固定部を上下方向に伸縮自在なパンタグラフ式ジャッキで構成したこと、
を特徴とする索条ガイド。
【請求項2】
前記ガイドローラーが、軸方向に長尺な円柱状である請求項1に記載の索条ガイド。
【請求項3】
前記ガイドローラーとして、軸方向が右肩上がりのもの、軸方向が左肩上がりのもの、軸方向が水平方向のものの3本を備えた請求項1又は請求項2に記載の索条ガイド。
【請求項4】
ガイドローラーを、その中央部が半径方向に縮減した形状にした請求項2又は請求項3に記載の索条ガイド。
【請求項5】
本体部を、
一対の脚材と、
該一対の脚材からそれぞれ斜め上方に延設される一対の斜材と、
該一対の斜材それぞれの上端から水平方向に延設された一対の枠材と、
該一対の枠材間に架渡される一対の連結材と、
一方の枠材の両端に取り付けられた一対のフランジと、
により構成した請求項1乃至請求項4いずれかに記載の索条ガイド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマンホールを介して地下管路にワイヤーやケーブル等の索条を供給或いは撤去し、あるいは地下管路にケーブルを敷設するために用いるロボット、あるいは管路内を清掃するために用いるロボットを牽引するために用いる索条ガイドに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、マンホール用索条誘導装置は地上からマンホールを介して地下管路に索条を供給するか、或いは撤去するために用いられる装置であって、従来は地下管路の開口部近傍に滑車状のローラーを配設するものが広く用いられていた。
【0003】
特許文献1には、地下管路の開口部に設置される本体部と、この本体部に設けた固定部と、この固定部に取り付けたガイドローラーとを備えた索条ガイドが開示されている。
【0004】
特許文献2には、平面視において多角形状に連結される複数の枠部材でマンホールの壁面に固定されると共に、該枠部材の一つに索条をガイドするローラーが設けられた索条ガイドが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-231560公報
【特許文献2】特開平3-221179号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の地下管路の開口部に滑車状のローラーを固定するタイプの索条ガイドは、索条がローラーの凹溝に沿ってまっすぐ引っ張られるような場合には特段の不都合はないが、索条がぶれると抵抗が増したり、最悪ローラーから索条が外れてしまう恐れがある。
【0007】
また、特許文献2に記載さるようなマンホールの壁面に枠材をかけ渡すタイプの索条ガイドは、マンホール内の作業スペースが減少してしまうという難点がある。
【0008】
そこで本発明は索条がぶれても抵抗が増さず、また、マンホール内の作業スペースも広くとることが可能な索条ガイドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成する本発明の構成は以下の通りである。
【0010】
(1) 請求項1に記載の索条ガイドは、管路の開口部に設置される本体部と、この本体部に設けた固定部とにより構成され、前記本体部にガイドローラーを設け、前記固定部を上下方向に伸縮自在なパンタグラフ式ジャッキで構成した。
【0011】
(2) 請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の索条ガイドにおいて、ガイドローラーを軸方向に長尺な円柱状に形成した。
【0012】
(3) 請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の索条ガイドにおいて、ガイドローラーとして、軸方向が右肩上がりのもの、軸方向が左肩上がりのもの、軸方向が水平方向のものの3本を備えて構成した。
【0013】
(4) 請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の索条ガイドにおいて、ガイドローラーを、その中央部が半径方向に縮減した形状に構成した。
【0014】
(5)請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4いずれかに記載の索条ガイドにおいて、本体部を、一対の脚材と、該一対の脚材からそれぞれ斜め上方に延設される一対の斜材と、該一対の斜材それぞれの上端から水平方向に延設された一対の枠材と、該一対の枠材間に架渡される一対の連結材と、一方の枠材の両端に取り付けられた一対のフランジとにより構成した。
【発明の効果】
【0015】
上記のように構成される本発明が、如何に作用して課題を解決するかを図面を参照しながら概説する。なお、各図におけるUとは上方を、Dは下方を、Rは右方向を、Lは左方向を意味するものである。
【0016】
本発明に係る索条ガイド100は、図8に示すように、管路200内に例えばケーブル等の索条300を配設する際に使用されるものであり、図7及び図8に示すように、管路200の開口部210の近傍に設置されるものである。
【0017】
索条300の一方端はマンホール400外に出して、これを作業者が引き出すか、あるいはマンホール400側に設置してあるウインチ310の作動によって引き出すのものである。また索条300はガイドローラー30に当接する形状で管路200内に案内されるものである。
【0018】
索条ガイド100の管路200への固定方法は、以下のとおりである。
【0019】
開口部210の近傍に索条ガイド100を搬入し、その脚材13,14を管路200の内周面に設置する。次いで、パンタグラフ式ジャッキで構成される固定部20を伸展させ、押圧部材22を管路200の内周面、すなわち脚材13,14が設置された内周面と反対側の内周面に押圧させる。かかる過程により索条ガイド100を管路200に固定するものである。かような設置手段を採用できるがゆえに、図7に示すような脚材13,14を管路200の内周面下部に設置する以外にも、例えば脚材13,14を管路200の内周面上部に設置し、固定部20を下方に伸展させても索条ガイド100を管路200に固定可能となるし、その他管路200の内周面任意方向に索条ガイド100を固定可能となる。
かかる構造故に、図9に示すように隣接する管路200の上下方向高さが異なる場合などでも、隣接する符号Aで示される索条ガイド100と符号Bで示される索条ガイド100を、上下方向が逆になるように設置固定させることで、索条の300の管路200内へのスムーズな供給が可能となるものである。つまり、索条300が符号Aで示される索条ガイド100のガイドローラ30の上部で支持されることになり、つまりは索条300が開口部210の縁部に当接することなく案内されることになり、上下方向に位置が異なる管路200にわたり索条200を供給することが可能となるのである。
【0020】
かように請求項1に記載の発明によれば、図7図8に示すように、管路200内に索条ガイド100の大部分が入り込む形状で索条ガイド100を設置できるので、マンホール内の作業スペースも広くとることが可能となるのである。
【0021】
請求項2に記載の発明では、図1に示すように、ガイドローラー30を軸方向に長尺な円柱状に形成してある。かように構成することで、例えば図2に示す左右方向に索条がぶれても、従来の索条ガイドに用いられるような滑車型ローラーを用いる場合のような不都合、つまり滑車型ローラから索条が外れたり、抵抗が増したりする不都合はなくなるものである。
【0022】
請求項3に記載の発明では、図1に示すように、ガイドローラー30として、軸方向が右肩上がりのガイドローラー33、軸方向が左肩上がりのガイドローラー32、軸方向が水平方向のガイドローラー31の3本のガイドローラー30を備えて構成した。かかる構成とすることで、索条がどのようの方向にずれても、安定的に索条を案内することが可能となるのである。更には、上述の通り索条ガイド100は管路200の内周面任意方向に固定可能であることから、上記3本のガイドローラー30の角度をどのような方向にも設定可能となり、どのような方向であり索条300の案内供給が可能となるのである。それゆえ、図10に示すように管路200の方向がマンホール400を介して変わるような場合でも、索条300の案内供給が可能となるのである。
【0023】
請求項4に記載の発明は、図1図2に示すように、ガイドローラーを、その中央部30aを半径方向に縮減した形状に構成した。かかる構造としたことで、案内対象の索条が該中央部30aからずれにくくなり、つまりは安定的に索条を案内することが可能となるのである。
【0024】
請求項5記載の発明は、図5に示すように、本体部10を一対の脚材13,14と、脚材13,14からそれぞれ斜め上方に延設される斜材11,12と、該斜材11,12それぞれの上端から水平方向に延設された枠材15,16と、該枠材15,16間に架渡される一対の連結材17,17と、枠材15の両端に取り付けられた一対のフランジ18,18とにより構成してある。
【0025】
かかる構成とすることで、索条300をその中途位置から、索条ガイド100にセッティングすることが可能となるものである。すなわち、通常は図7に示すように管路200内にあらかじめ索条ガイド100を固定しておき、その後に索条300の先端をガイドローラー30を介して管路200内に敷設していく。
【0026】
他方で請求項5に記載の発明では、既に管路200内に挿入された索条300を、後付けで索条ガイド100にセッティングすることが可能となるのである。
【0027】
具体的には、図7における索条ガイド100を、管路200の軸心方向に180度回転させた状態で、管路200の下面におろされた状態の索条300を、脚材13,14がまたぐ位置で置く。次いで索条300を持ち上げながら、索条ガイド100を軸心方向に180度回転させ図7に示す状態に持っていけば、索条300をガイドローラー30で案内可能な位置にセッティングできるのである。すなわち、作業の容易性がより高まるものである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の斜視図
図2】同、正面図
図3】同、一部破断した右側面図
図4】同、一部破断した右側面図
図5】本体部の斜視図
図6】固定部の要素分解説明図
図7】実施状態を示す説明図
図8】実施状態を示す説明図
図9】実施状態を示す説明図
図10】実施状態を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、好ましい発明の実施形態につき、図面を参照しながら概説する。 なお、本発明構成要素の実施形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り、種々の形態を採りうる。また、以下の実施形態における索条ガイド100とは、上記各請求項に係る索条ガイドの全てを含むものである。
【0030】
本発明に係る索条ガイド100は、図1乃至図4に示したように、本体部10と、この本体部10と一体の固定部20と、この本体部10に設けられて、上述した索条310を直接案内するガイドローラー30とを主な構成要素とする。
【0031】
本体部10は、図5に示すように、軽量化するためパイプ体で形成された一対の脚材13,14と、脚材13,14からそれぞれ斜め上方に延設される斜材11,12と、該斜材11,12それぞれの上端から水平方向に延設された枠材15,16と、該枠材15,16間に架渡される一対の連結材17,17と、枠材15の両端に取り付けられた一対のフランジ18,18とにより構成される。
【0032】
なお、脚材13,14は管路内に設置したときに水平方向に延びる態様で、それぞれ斜材11,12に連結されるものである
請求項1に記載の発明ではガイドローラーとして、図示されていないが、従来用いられているような滑車状のものを、フランジ18,18間に設けても構わない。
【0033】
請求項2に記載の発明では、ガイドローラー30として、図1などに示すように長尺の円柱形状のローラーを使用している。該ガイドローラー30は中空状であり、該中空部に回転軸が装備されるものである。
【0034】
請求項3に記載の発明では、図1図2図5などに示すように、フランジ18,18間に水平方向に伸びるガイドローラー31が、回転軸31aを中心に回転自在に設けられている。この回転軸31aは、図2に示すようにフランジ18,18間に架渡されたものである。
【0035】
請求項3に記載の発明では、図2に示すように、軸方向が左肩上がりのガイドローラー32、軸方向が右肩上がりのガイドローラー33も備えるものである。ガイドローラー32はその中空部内に斜材11が緩挿され、ガイドローラー33はその中空部内に斜材12が緩挿されている。斜材11,12が回転軸となり、ガイドローラー32,33は回転自在となるものである。
【0036】
請求項4に記載の発明は、図1図2に示すように、ガイドローラー30を、その中央部30aを半径方向に縮減した形状に構成してある。図中水平方向のガイドローラー31のみ、前記縮減した形状に設けてあるが、むろんかかる限定を受けるものではなく、斜め方向のガイドローラー32,33の一方あるいは双方を、前期縮減した形状に設けても構わない。
【0037】
固定部20は、図3図4図6に示すように四本のリンク部材をパンタグラフ状に連結した所謂パンタグラフ式ジャッキであり、台座21とその直上に配置される押圧部材22と、台座21及び押圧部材22間を連結するリンク機構23と、このリンク機構23を駆動して押圧部材22を昇降させる雄ねじロッド24とを備える。
【0038】
前記リンク機構23は,下端がそれぞれ台座21に左右一対の下部枢軸25,25を介して揺動可能に連結されて逆ハ字状に配置される左右一対の下リンク部材26,26と、上端がそれぞれ押圧部材22に左右一対の上部枢軸28,28を介して揺動可能に連結されてハ字状に配置される左右一対の上リンク部材27,27と、下リンク部材26の上端と上リンク部材27の下端を互いに揺動自在に連結する連結軸29,40とにより構成される。
【0039】
各リンク機構23において、図3図4に示されるように、左右の下リンク部材26,26の下端には,互いに噛合するセクタギヤ26a,26aが形成され、また左右の上リンク部材27,27の上端には,互いに噛合するセクタギヤ27a,27aが形成される。また、左右の下リンク部材26,26の上端には、それぞれ孔部26b,26bが形成され、左右の上リンク部材27,27の下端には、それぞれ孔部27b,27bが形成される。孔部26bと孔部27bとを重ねた状態で、下述連結軸29,40を装入するものである。
【0040】
図6に示すように、連結軸29 はその中央部に、その軸線と直交する軸孔29aが設けられている。また、他方の連結軸40はその中央部に、その軸線と直交するねじ孔40aが設けられている。上記軸孔29aに雄ねじロッド24が回転自在に嵌合され、ねじ孔40aに該雄ねじロッド24が螺合される。
【0041】
かかる構造故に、雄ねじロッド24を正転又は逆転させれば,連結軸29,40 が互いに近接したり、離反することに伴い、各下リンク部材26,26及び上リンク部材27,27が起立方向又は倒伏方向に揺動し、それにより図3図4に示すように押圧部材22を上昇又は下降させることができる。その際,左右の下リンク部材26,26同士は下端のセクタギヤ26a,26aが噛合され、また左右の上リンク部材27,27同士も上端のセクタギヤ27a,27aが噛合されているから、押圧部材22は、台座21に対して傾くことなく、常に水平姿勢を維持しつつ昇降することが可能となるものである。
【0042】
上述の通り構成される固定部20は、本体部10に対して台座21を溶接することで一体化しても良いし、あるいは取り付け部材を介して本体部10に対して着脱自在に設けても良い。この着脱自在にする方法は、図6に示されるL型の取り付け片41,42を、図5に示される枠材16の両側部16a、16aに溶着し、取り付け片41,42それぞれに設けられたねじ孔41a,42aと、台座21に設けられたねじ孔21a,21aにボルト43を差し込み、ナット44で固定するものである。
【符号の説明】
【0043】
10・・本体部
11・・枠材
12・・枠材
12a・・斜部
12b・・水平部
13・・脚材
14・・脚材
15・・枠材
16・・枠材
16a・・側部
17・・連結材
18・・フランジ
20・・固定部
21・・台座
22・・押圧部材
23・・リンク機構
24・・雄ねじロッド
25・下部枢軸
26・・下リンク部材
26a・・セクタギヤ
26b・・孔部
27・・上リンク部材
27a・・セクタギヤ
27b・・孔部
28・・上部枢軸
29・・連結軸
29a・・軸孔
30・・ガイドローラー
30a・・中央部
31・・ガイドローラー
31a・・回転軸
32・・ガイドローラー
33・・ガイドローラー
34・・軸
40・・連結軸
40a・・ねじ孔
41・・取り付け片
42・・取り付け片
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10