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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023031186
(43)【公開日】2023-03-08
(54)【発明の名称】ベッド
(51)【国際特許分類】
   A61G 7/008 20060101AFI20230301BHJP
   A61G 7/057 20060101ALI20230301BHJP
【FI】
A61G7/008
A61G7/057
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021157262
(22)【出願日】2021-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】521419994
【氏名又は名称】宮澤 駿介
(72)【発明者】
【氏名】宮澤 駿介
【テーマコード(参考)】
4C040
【Fターム(参考)】
4C040AA01
4C040AA04
4C040CC08
4C040EE03
4C040EE04
4C040EE05
(57)【要約】
【課題】簡易な構造で体位変換すること
【解決手段】使用者の身体を横たえる床部と、前記床部の荷重を支える土台部と、前記床部の長手方向に配置された床回転軸と前記床回転軸に重なり前記床部から伸びる軸部と、前記土台部に設けられ、前記軸部を支える軸受部と、前記床部を前記床回転軸を軸として回転させる回転部と、を有し、前記床部は、フレーム部と体支持部を有し、前記フレーム部は長方形の枠であり、前記体支持部は柔軟性がある布状または網状の素材であり、前記体支持部の両端は前記フレーム部の両長辺に接続され、前記体支持部は前記使用者の体重により使用時に下方向にたわむ、ことを特徴とするベッド。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の身体を横たえる床部と、
前記床部の荷重を支える土台部と、
前記床部の長手方向に配置された床回転軸と
前記床回転軸に重なり前記床部から伸びる軸部と、
前記土台部に設けられ、前記軸部を支える軸受部と、
前記床部を前記床回転軸を軸として回転させる回転部と、
を有し、
前記床部は、フレーム部と体支持部を有し、
前記フレーム部は長方形の枠であり、
前記体支持部は柔軟性がある布状または網状の素材であり、
前記体支持部の両端は前記フレーム部の両長辺に接続され、
前記体支持部は前記使用者の体重により使用時に下方向にたわむ、
ことを特徴とするベッド。
【請求項2】
前記土台部に接続された固定部を有し、
前記床回転軸はフレーム部の長手方向の中心線より、フレーム部の一方の長辺側に寄せて配置され、
前記回転部は縄を巻きとる巻上部であり、
前記巻上部は、前記フレーム部より上側に前記固定部に固定され、
前記縄は前記フレーム部の他方の長辺側に接続されている、
ことを特徴とするベッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベッドに係り、例えば、褥瘡防止用傾斜角可変ハンモックベッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自分で体を動かせない方がベッドで寝るとき、体の特定の場所に圧が集中するため褥瘡を生ずる。褥瘡を防止するために介護者は2時間おきに体位変換しなければならず、負担になっている。
うつ伏せが医療管理上好ましい場合があるが、通常のベッドだと不安定で、気管に管が接続されている場合邪魔になる。
板状のベッドが様々な機構で傾斜するものは見られました。ハンモック状のベッドが傾斜するものはありませんでした。
褥瘡防止のための体圧分散を目的とした様々なマットは見られた(例えば、特許文献1の図1参照)。
しかし、上記のような技術では大掛かりになり、簡易な構造で体位変換できるものではなかった。
板状のベッドやマットでは傾斜を強くすると転落の恐れがある。
板状のベッドやマットでは水平時でも患者の体動で転落の恐れがある。
板状のベッドやマットでは体の突起部分に体圧が集中してしまい体圧を十分に分散させることが出来ない。
板状のベッドやマットは体液やウイルスなどの病原体で汚染された場合に消毒や洗浄が困難である。交換用のマットも大きく場所を取る。
板状のベッドやマットは厚みがあるためにうつ伏せ時に顔の位置に穴を開けることも困難で、顔がベッド下部から出ないので観察や操作も困難である。
板状のベッドやマットは重く、傾斜機構は大きな動力を要し複雑になり高価となり、ベッドの移動も重さの為に困難になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4-122212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、簡易な構造で体位変換することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)請求項1に記載の発明では使用者の身体を横たえる床部と、前記床部の荷重を支える土台部と、前記床部の長手方向に配置された床回転軸と前記床回転軸に重なり前記床部から伸びる軸部と、前記土台部に設けられ、前記軸部を支える軸受部と、前記床部を前記床回転軸を軸として回転させる回転部と、を有し、前記床部は、フレーム部と体支持部を有し、前記フレーム部は長方形の枠であり、前記体支持部は柔軟性がある布状または網状の素材であり、前記体支持部の両端は前記フレーム部の両長辺に接続され、前記体支持部は前記使用者の体重により使用時に下方向にたわむ、ことを特徴とするベッドを提供する。
(2)請求項2に記載の発明では前記土台部に接続された固定部を有し、前記床回転軸はフレーム部の長手方向の中心線より、フレーム部の一方の長辺側に寄せて配置され、前記回転部は縄を巻きとる巻上部であり、前記巻上部は、前記フレーム部より上側に前記固定部に固定され、前記縄は前記フレーム部の他方の長辺側に接続されている、ことを特徴とするベッドを提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ベッドをハンモック状にしたので、簡易な構造で体位変換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】 全体図
図2】 ベッドを手前側に傾けた図
図3】 ベッドを反対側に傾けた図
図4】 動力シリンダの位置が下部の例
図5】 ベッド傾斜の軸にモータの有る例
図6】 巻き上げ部の例1(水平)
図7】 巻き上げ部の例2(右側が下に傾斜)
図8】 巻き上げ部の例3(右側が上に傾斜)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明におけるベッドの好適な実施の形態について、図1から図8を参照して詳細に説明する。
(1)実施形態の概要
ベッドは、床部、土台部、床回転軸、軸部、軸受部、巻上部、固定部を有する。
〔土台部、固定部〕
図6は巻き上げ部の例1(水平)を示した図である。
とくに断りのないときは、上下左右方向は使用者を基準として説明する。
土台部は、床部の荷重を支える。
本実施例では、土台部と固定部は鋼鉄製のパイプで構成される。なお以後特に言及しないが、本実施例のパイプはすベて鋼鉄製である。
ベッドを使用者の足方向から見るとbの字のようになっている。bの縦棒の上半分が固定部に相当し、半分から下の部分が土台部となる。
つまり、固定部は土台部に接続されている。
頭側と足側にbの形の部材が2つ平行に配置されている。
bの字の下半分のoに近い部分は、実際は、ロの字型に構成されている。
頭側のロの字下側の頂点二つと足側のロの字の下側の頂点二つを身長より長いパイプ2本で結合している。
またbの字の縦棒上端同士を同様にパイプ1本で結合し、全体として長椅子のように立体に構成している。
また、ロの字の対角線に補強のためのパイプが溶接されている。
【0009】
各パイプは溶接により結合されている。
また、土台部のロの字の上辺に軸受部を有する。軸受部は軸部の軸受である。
軸受は足側から見てロの字の上辺の中心よりやや、右側に設けられている。
軸受部は土台部に設けられ、軸部を支える。
〔床回転軸〕
床回転軸は、床部の使用者の身長方向に沿った線である。本実施形態ではフレーム部は長方形をしているので、床回転軸は床部の長手方向に沿って配置される。
また、床部の短手方向の中央を通る線に平行に配置されている。
回転軸はフレーム部の長手方向の中心線より、フレーム部の一方の長辺側に寄せて配置されている。図面では、一方の長編は、左側の長編になる。
この線は部材として実在するわけではない。この線を軸として床部を回転させ、床部を使用者の右手方向を下に、または右手方向を上に傾ける(図7図8参照)。
これにより使用者の体位変換が可能である。
【0010】
〔軸部〕
図6に戻って説明する。
軸部はフレーム部の短辺から外側に突き出した棒状の突起である。軸部は鋼鉄製であり、十分な強度を有する。また軸部は耐摩耗性も有する。軸部は使用者の上側と下側に設けられており、床回転軸と重なる。すなわち床回転軸のある区間の線分を切り出すと床回転軸の中心軸と同じ位置に重なる。
つまり、軸部は床回転軸に重なり前記床部から伸びている。
フレーム部の短辺から内側に突き出した構成とすることもできる。
〔軸受部〕
軸受部は土台部に設けられ、軸部を支える軸受けである。本実施例では、耐摩耗性も有する。本実施例では、土台部のロの字の上辺に開けられた穴であり、軸部が貫通している。
〔巻上部〕
巻上部は巻上機である。巻上部は回転部として機能する。巻上部は本実施例では、電動であり、内部にモータ、歯車と巻き枠を有する。
巻き枠には縄に一端が結合され、巻上部は縄を巻き取る。また縄を巻き戻す動作も可能である。
【0011】
縄は本実施例では、金属製のワイヤーである。縄は十分な強度があれば、ナイロンなどの他の素材でもよい。
縄の一端はフレーム部の長辺にリング状の部材を介して接続されている。
縄は前記フレーム部の他方の長辺側に接続されている。
図面では、一方の長編は、右側の長編になる。
なお、床回転軸を軸として回転させる力が加えられれば、例えば、フレーム部の短辺や頂点に接続することもできる。その場合は、巻き戻しにより床部の右側面が下がるように、縄は短辺中央より右半分側に接続する必要がある。これにより、縄の張力により、床部を安定して支えられる。
リング状の部材を省略して縄を直接フレーム部に結わえ付けることもできる。
回転部は床部を床回転軸を軸として回転させる。
巻上部は、フレーム部より上側に固定部に固定されている。
【0012】
〔床部〕
床部は、使用者が横たわる部分である。
床部はフレーム部、体支持部を有する。
〔フレーム部〕
フレーム部はパイプで構成された枠である。枠は長方形に構成され各頂点で溶接されている。
〔体支持部〕
体支持部は帆布でできており、柔軟性と強度を備えている。十分な強度と柔軟性を備えておれば、他の布や網等の素材でもよい。
体支持部は長方形であり、その短辺がフレーム部の短辺よりも長い。
体支持部の両長辺、つまり両端はフレーム部の両長編に接続されている。
したがって体支持部は使用者の体重により使用時に下方向にたわむ。
しかし、このような構成としなくとも体支持部を伸縮性のある素材として使用者の体重により使用時に下方向にたわむ構成としてもよい。
次に、以上のように構成された実施形態の動作について説明する。
【0013】
図6は巻き上げ部の例1(水平)を示した図である。
使用者は通常はこの状態で休んでいる。
使用者の体位変換が必要な場合は、操作者は巻上部に縄を巻き上げる方向に通電する。すると巻上機が動作し、縄が巻き上げられる。
【0014】
縄の先は、フレーム部の長辺に結合しているので、図示で使用者の右側の長辺が上に持ち上げられる。体指示部は布製であり、下方向にたわんでいるので、使用者の右側面の布が体に対して巻き上げられるような形になる。使用者は体指示部のたわみに沿って体幹を軸に自然と回転し、自然に体位変換ができる。
また、たわみがあるので、フレーム部の左側面がたわみの最下部より上にくる。
そのため、床部の側面から転げ落ちる心配も少ない。
すると図8のようになる。
【0015】
図7は巻き上げ部の例2(右側が下に傾斜)を示した図である。
図8と逆方向に体位変換が必要な場合は、操作者は巻上部に縄を巻き戻す方向に通電し、縄を巻き戻す。
床回転軸は、フレーム部の両短辺の中点を結んだ線(以下、中心線という)よりも図示で奥側(つまり左側)に設けられている。したがって縄がフレームを支えていないと自然に床部の自重と使用者の体重で手前側が下がる。縄の巻きを戻し、縄の巻き取られていない部分を多くすることにより、床部の縄が接続されている長辺が重力で下がる。すると図8で説明した時と同様に、使用者の左側面の布が体に対して巻き上げられるような形になる。使用者は体指示部のたわみに沿って体幹を軸に自然と回転し、自然に体位変換ができる。
また、たわみがあるので、フレーム部の右側面がたわみの最下部より上にくる。
そのため、床部の側面から転げ落ちる心配も少ない。
【0016】
床回転軸はフレーム部の短手方向の中央を通る線、つまり中心線よりも一方にずらして、中心線と平行に設けられている。ずらす方向は、縄が接続されているフレーム部の長辺の反対側である。
つまり、床回転軸を中心線(中心線を含まず)から長辺側の縄が接続されているフレーム部の長辺の反対側のいずれかの位置に、中心線に平行に設ければ、実施は可能である。
【0017】
床回転軸はフレーム部の長辺と重なってもよい。しかし、フレーム部の短辺全部が梃子として働くので、その場合は、巻上部にかかる負荷が大きくなる。
したがって、床回転軸をフレーム部の長辺から中心線側に、中心線に平行に設ければ、床回転軸をフレーム部の長辺に設けた場合よりも、巻上部にかかる負荷を小さくできるという効果がある。
一方、床回転軸を中心線に設けた場合は、巻上部の巻きを戻しても、縄が接続されている側が確実に下がるわけではない。
その為、本実施形態のように、床回転軸を中心線から(中心線を含まず)長辺側の縄が接続されているフレーム部の長辺の反対側のいずれかの位置に、中心線に平行に設ければ、より簡易な構造で使用者の体位変換が可能となるという効果がある。
以上説明したように本実施形態のベッドによれば体支持部は使用者の体重により使用時に下方向にたわむので、簡易な構造で体位変換することができる。
【0018】
(2)実施形態の詳細
〔可動フレーム部1〕
可動フレーム部1はフレーム部として動作する。
可動フレーム部1は鋼鉄製のパイプを溶接などでつなぎ合わせたものである。可動フレーム部1は使用者の体重に十分に耐える強度を有すれば鋼鉄以外の金属、木材、樹脂などでも良い。本実施例では可動フレーム部1は長方形、つまり矩形状をしている。
長辺は使用者の身長方向である前記可動フレーム部1の辺として機能し、短辺は他辺として機能する。
使用者を乗せられて、体支持部4を取り付けられ、使用者の身長方向を中心として転がし、横方向に体位変換させることができれば、正方形、平行四辺形、台形、多角形、円、長円や楕円等でもよい。
【0019】
〔固定フレーム部2〕
固定フレーム部2は、土台部として動作する。
固定フレーム部2は鋼鉄製のパイプを溶接などでつなぎ合わせたものである。固定フレーム部2は使用者の体重に十分に耐える強度を有すれば鋼鉄以外の金属、木材、樹脂などでも良い。固定フレーム部2は床面に設置され、可動中心軸3を介して可動フレーム部1を支える安定性を有する。本実施例では、可動フレーム部1の上方に動力部5を設置するために、固定フレーム部2は可動フレーム部1の上方まで延長されている。
【0020】
〔可動中心軸3〕
可動中心軸3は軸部として動作する。
可動中心となる可動中心軸3は可動フレームの短辺の中心から端までのどこかに設定され、可動フレーム部1と固定フレーム部2の回転の軸となる。
〔体支持部4〕
体支持部4は帆布でできており、柔軟性と強度を備えている。体支持部4は網製でもよいし、柔軟性と強度を備えておれば、他の布やシートでもよい。
体支持部4は長方形であり、短辺が可動フレーム部1の短辺よりも長い。
両長辺は前記使用者の身長方向である前記フレーム部1の両辺、つまりフレーム部1の両長編に接続されおり、脱着して体支持部4の交換が可能である。
体支持部4は、伏臥位で前記使用者の顔位置に呼吸用の穴を有する。呼吸用の穴には仰臥位や側臥位で使用するときのために、この穴をふさぐ布がつけられている。穴をふさぐ布は、体支持部4にホックで脱着自在に取り付けられている。
なお、可動フレーム部1が長方形以外の場合は、体支持部4は可動フレーム部1の形状に合わせて調節することができる。
【0021】
〔動力部5〕
動力部5は、回転部として動作する。
可動フレーム部1は、固定フレーム2と可動フレーム1の間に設けられた動力部5により可動中心軸3を中心として片側を高く、または低く傾ける様に駆動される。
動力部5はウインチ又は動力シリンダーにて構成される。
ウインチは、例えば、図示しないハンドルまたは原動機の回転力を歯車装置などで減速して回転させるドラムでロープなどを巻き取って、ロープなどに張力を与える機構である。ウインチは、例えば、電動ウインチ、手動ウインチ等から選択され得る。
動力シリンダーは、例えば、図示しないハンドルに対する操作に応じて入力されるエネルギーを直線運動に変化する調整アクチュエーターである。動力シリンダーは、例えば、電動シリンダー、油圧シリンダー、ガス圧シリンダー、水圧シリンダー等から選択され得る。
【0022】
動力部5の位置は可動フレーム1より上方でなくとも、動力シリンダー等の伸縮により安定して可動フレームの片側を高く、または低く傾けることができれば、可動フレーム1より下方の位置でもよい。(図4
動力部5は可動フレーム部1の長辺の片側に1個設置するだけでなく、連動させて両方の長辺へ設置してもよい。
【0023】
〔モータ51〕
可動フレーム部1は可動中心軸3に設置されたモータ51により片側を高く、または低く傾ける様に駆動されてもよい。(図5
【0024】
次に、以上のように構成された実施形態の動作について説明する。
図2は可動フレーム部1を使用者の右側に傾けた状態を示した図である。
可動フレーム部1が水平の状態から使用者の右側上方の動力部5から伸びるワイヤー又はシリンダーが伸びると、可動フレーム部1が構成する面が右に傾き、体支持部4が重力によりたわんで構成していたU字の底が使用者の右寄りに来るようになる。
すなわち、可動フレーム部1が水平の時はU字の底は略中央にあったのが、可動フレーム部1の傾きにより、U字の底が使用者の右寄りに来るように作用する。
そのため使用者の自重及び背面と体支持部4間の摩擦により、使用者は右回りに回転し、右側面側に移動する。その際に自然に横方向に体位変換することができる。
U字の底以上には転がることはない。また横方向に体位変換された場合に柔らかい体支持部4は使用者の自重に合わせて柔軟に変形し均等に体圧を分散させて保持する。
そのため、板状のベッド100と比べて安全にかつ、自然に、使用者及び作業者の負担なく体位変換し、使用者を転落の危険を減らし、体圧を分散させた状態で保持することができる。
動力部5から伸びるワイヤー又はシリンダーが縮むと、逆の動作になる。(図3
動力部5が使用者の右側下方にあった場合は、動力部5から伸びるシリンダー等が縮むと同様の動作になる。(図4
【0025】
ベッドを柔軟なハンモックにすることにより、体全体を包み込み、均等に体圧を分散することが出来る。褥瘡防止のために傾斜をつけた場合にもハンモックが体重でたわんで均等に体圧を分散し、横方向からも体全体を包み込み支えるので転落の危険が少ない。よって患者をベッドに載せる際や、処置をしやすいようにベッドを傾斜させることが可能である。
ハンモックは常に体重でたわんで体を包み込んでいるので患者の体動でも転落の危険が少ない。
ハンモック部は脱着が可能で洗浄、消毒が容易である。交換用のハンモックは折りたたんで場所を取らずに保管できる。
ハンモックに穴を開ける加工は容易であり、うつ伏せに寝たときに顔をベッドの下に出すことが出来て、下から気管チューブなどの観察や操作が行いやすい。
ハンモックは軽量であり傾斜機構は単純で動力も少なく安価で済み、軽量のためベッドの移動も容易である。
以上説明したように本実施形態のベッドによれば体支持部は使用者の体重により使用時に下方向にたわむので、簡易な構造で体位変換することができる。
【0026】
以上、本発明のベッドにおける実施形態について説明したが、本発明は説明した実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲において各種の変形を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0027】
可動フレーム部 1
固定フレーム部 2
可動中心軸 3
体支持部 4
動力部 5
床部 6
土台部 7
固定部 8
巻上部 9
モータ 51
床回転軸 61
軸部 62
フレーム部 63
体支持部 64
軸受部 71
回転部 72
縄 91
ベッド 100
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8