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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023031190
(43)【公開日】2023-03-08
(54)【発明の名称】水晶振動子パッケージ構造
(51)【国際特許分類】
   H03H 9/02 20060101AFI20230301BHJP
【FI】
H03H9/02 A
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021175991
(22)【出願日】2021-10-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-01-25
(31)【優先権主張番号】110131176
(32)【優先日】2021-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】506413591
【氏名又は名称】台灣晶技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】彭 子修
(72)【発明者】
【氏名】鄭 莉慧
(72)【発明者】
【氏名】羅 韋晨
(72)【発明者】
【氏名】林 宗徳
【テーマコード(参考)】
5J108
【Fターム(参考)】
5J108AA01
5J108BB02
5J108CC04
5J108CC11
5J108EE03
5J108EE07
5J108EE13
5J108GG03
5J108GG07
(57)【要約】
【課題】本発明は、U字型接続部をフレーム部と共振部の間に形成することにより、外界の機械的な振動又は瞬間的な衝撃が共振水晶片に伝わるのを回避するとともに、共振周波数を安定させる。
【解決手段】本発明の水晶振動子パッケージ構造はパッケージベース、共振水晶片及びカバーを含む。パッケージベースの上面には凹部を有し、パッケージベースの側壁が凹部を取り囲む。共振水晶片はフレーム部、U字型接続部、共振部及び第1接続腕を含む。U字型接続部は共振部の辺縁とフレーム部の間に接続し、U字型接続部の凹口と互いに垂直な両内側壁は共振部に面し、第1接続腕はU字型接続部とフレーム部の間に接続し、フレーム部はパッケージベースの側壁上に設けられる。カバーはフレーム部上に設けられて、凹部、U字型接続部、共振部及び第1接続腕を遮蔽する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に凹部を有し、側壁が前記凹部を取り囲むパッケージベースと、
フレーム部、少なくとも1つのU字型接続部、共振部及び少なくとも1つの第1接続腕を含み、前記少なくとも1つのU字型接続部は前記共振部の辺縁とフレーム部の間に接続し、前記少なくとも1つのU字型接続部の凹口(notch)と互いに垂直な両内側壁は前記共振部に面し、前記少なくとも1つの第1接続腕は前記少なくとも1つU字型接続部と前記フレーム部の間に接続し、前記フレーム部は前記パッケージベースの前記側壁上に設けられる共振水晶片と、
前記フレーム部上に設けられて、前記凹部、前記少なくとも1つのU字型接続部、前記共振部及び前記少なくとも1つの第1接続腕を遮蔽するカバーと、
を含む、水晶振動子パッケージ構造。
【請求項2】
前記少なくとも1つの第1接続腕、前記少なくとも1つのU字型接続部及び前記共振部の底面に設けられ、前記共振部に電気的に接続する第1電極層と、
前記少なくとも1つの第1接続腕、前記少なくとも1つのU字型接続部及び前記共振部の上面に設けられ、前記共振部に電気的に接続する第2電極層と、
前記パッケージベースの前記側壁と前記フレーム部の間に設けられる第1シールリングと、
前記フレーム部と前記カバーの間に設けられる第2シールリングと、
前記パッケージベースの底面に設けられる複数の導電パッドと
をさらに含む、請求項1に記載の水晶振動子パッケージ構造。
【請求項3】
前記少なくとも1つのU字型接続部は、
第1端部及び第2端部を有し、前記第1端部が前記共振部の前記辺縁に接続する第2接続腕と、
第3端部及び第4端部を有し、前記第3端部が前記第2端部に接続する第3接続腕であって、前記第2接続腕に垂直に接続する第3接続腕と、
第5端部及び第6端部を有し、前記第5端部が前記第4端部に接続し、前記第6端部が前記第1接続腕に接続する第4接続腕であって、前記第3接続腕及び前記第1接続腕に垂直に接続する第4接続腕と、
を含み、
前記凹口は前記第2接続腕と前記第4接続腕の間に位置し、前記第3接続腕及び前記第4接続腕は前記共振部に面する内側壁を有し、前記第4接続腕と前記共振部には重なる領域があり、前記領域は第1直線と第2直線の間に位置し、前記第1直線は前記第2直線に平行であり、前記第1直線は前記共振部の前記辺縁に重なり、前記第2直線は前記第1接続腕の前記第4接続腕から遠い方の側辺に重なる、請求項1に記載の水晶振動子パッケージ構造。
【請求項4】
前記共振部は長方形であり、前記第4接続腕は前記長方形の長辺に平行であり、前記第1直線は前記長方形の前記第3接続腕に近い短辺に重なり、前記第1直線と前記第2直線の間の最短距離をD1とし、前記長辺の長さをLとすると、D1=L×C1、0<C1<1となる、請求項3に記載の水晶振動子パッケージ構造。
【請求項5】
前記共振部は長方形であり、前記第4接続腕は前記長方形の短辺に平行であり、前記第1直線は前記長方形の前記第3接続腕に近い長辺に重なり、前記第1直線と前記第2直線の間の最短距離をD2とし、前記短辺の長さをWとすると、D2=W×C2、0<C2<1となる、請求項3に記載の水晶振動子パッケージ構造。
【請求項6】
前記共振部は楕円形であり、前記第4接続腕は前記楕円形の長軸に平行であり、前記第1直線は前記楕円形の前記第3接続腕に最も近い位置に重なり、前記第1直線と前記第2直線の間の最短距離をD1とし、前記長軸の長さをLとすると、D1=L×C1、0<C1<1となる、請求項3に記載の水晶振動子パッケージ構造。
【請求項7】
前記共振部は楕円形であり、前記第4接続腕は前記楕円形の短軸に平行であり、前記第1直線は前記楕円形の前記第3接続腕に最も近い位置に重なり、前記第1直線と前記第2直線の間の最短距離をD2とし、前記短軸の長さをWとすると、D2=W×C2、0<C2<1となる、請求項3に記載の水晶振動子パッケージ構造。
【請求項8】
前記共振部は円形であり、前記第4接続腕は前記円形の直径に平行であり、前記第1直線は前記円形の前記第3接続腕に最も近い位置に重なり、前記第1直線と前記第2直線の間の最短距離をDとし、前記直径の長さをRとすると、D=R×C、0<C<1となる、請求項3に記載の水晶振動子パッケージ構造。
【請求項9】
前記少なくとも1つのU字型接続部は2つのU字型接続部を含み、前記少なくとも1つの第1接続腕は2つの第1接続腕を含み、前記2つの第1接続腕はそれぞれ前記2つのU字型接続部に接続し、前記2つのU字型接続部は前記共振部を中心として対称に設置される、請求項1に記載の水晶振動子パッケージ構造。
【請求項10】
前記フレーム部、前記少なくとも1つの第1接続腕、前記少なくとも1つのU字型接続部及び前記共振部は一体成形である、請求項1に記載の水晶振動子パッケージ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパッケージ構造に関し、特に、水晶振動子のパッケージ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
水晶素子は、安定した圧電特性を有し、精確かつ幅広い基準周波数、クロック制御、時間設定及びノイズのフィルタリング等の機能を提供でき、また、振動及び圧力等のセンサーにもなり、重要な光学素子にもなる。したがって、電子製品にとって、水晶素子は一挙手一投足が全体に影響を及ぼすような存在になっている。
【0003】
図1は先行技術の水晶振動子を示す図である。図1を参照すると、水晶振動子1は水晶振動子素子10並びに水晶振動子素子10を覆う第1ケース11及び第2ケース12により構成される。水晶振動子素子10は水晶基板により構成される。水晶振動子素子10の上下表面には励振電極13、14が形成され、かつ水晶振動子素子10は主振動部及び主振動部を包囲する支持部を有する。第1ケース11及び第2ケース12は青板ガラス(blue plate glass)のような汎用ガラスでできている。第1ケース11及び第2ケース12の外周にはそれぞれ突起が形成される。第1ケース11及び第2ケース12は突出する部分が支持部に結合しており、水晶振動子素子10はその間に挟まれている。支持部の水晶振動子素子10に占める面積は大きいため、外界の機械的な振動又は瞬間的な衝撃が主振動部に伝わってしまい、水晶振動子1の振動周波数が不安定になる。
【0004】
本発明は、上述の欠点に対し、従来技術の問題を解決する水晶振動子パッケージ構造を提案する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、外界の機械的な振動又は瞬間的な衝撃が共振水晶片に伝わるのを回避するとともに、共振周波数を安定させる水晶振動子パッケージ構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態において提供される水晶振動子パッケージ構造はパッケージベース、共振水晶片及びカバーを含む。パッケージベースの上面には凹部を有し、パッケージベースの側壁が凹部を取り囲む。共振水晶片はフレーム部、少なくとも1つのU字型接続部、共振部及び少なくとも1つの第1接続腕を含む。U字型接続部は共振部の辺縁とフレーム部の間に接続し、U字型接続部の凹口(notch)と互いに垂直な両内側壁は共振部に面し、第1接続腕はU字型接続部とフレーム部の間に接続し、フレーム部はパッケージベースの側壁上に設けられる。カバーはフレーム部上に設けられて、凹部、U字型接続部、共振部及び第1接続腕を遮蔽する。
【0007】
本発明の一実施形態において、水晶振動子パッケージ構造は第1電極層、第2電極層、第1シールリング、第2シールリング及び複数の導電パッドをさらに含む。第1電極層は、第1接続腕、U字型接続部及び共振部の底面に設けられ、共振部に電気的に接続する。第2電極層は、第1接続腕、U字型接続部及び共振部の上面に設けられ、共振部に電気的に接続する。第1シールリングはパッケージベースの側壁とフレーム部の間に設けられ、第2シールリングはフレーム部とカバーの間に設けられ、全ての導電パッドはパッケージベースの底面に設けられる。
【0008】
本発明の一実施形態において、U字型接続部は第2接続腕、第3接続腕及び第4接続腕を含む。第2接続腕は第1端部及び第2端部を有し、第2接続腕の第1端部は共振部の辺縁に接続する。第3接続腕は第3端部及び第4端部を有し、第3接続腕の第3端部は第2接続腕の第2端部に接続し、第3接続腕は第2接続腕に垂直に接続する。第4接続腕は第5端部及び第6端部を有し、第4接続腕の第5端部は第3接続腕の第4端部に接続し、第4接続腕の第6端部は第1接続腕に接続し、第4接続腕は第3接続腕及び第1接続腕に垂直に接続する。凹口は第2接続腕と第4接続腕の間に位置し、第3接続腕及び第4接続腕は共振部に面する内側壁を有し、第4接続腕と共振部には重なる領域があり、この領域は第1直線と第2直線の間に位置し、第1直線は第2直線に平行であり、第1直線は共振部の辺縁に重なり、第2直線は第1接続腕の第4接続腕から遠い方の側辺に重なる。
【0009】
本発明の一実施形態において、共振部は長方形であり、第4接続腕は長方形の長辺に平行であり、第1直線は長方形の第3接続腕に近い短辺に重なり、第1直線と第2直線の間の最短距離をD1とし、長辺の長さをLとすると、D1=L×C1、0<C1<1となる。
【0010】
本発明の一実施形態において、共振部は長方形であり、第4接続腕は長方形の短辺に平行であり、第1直線は長方形の第3接続腕に近い長辺に重なり、第1直線と第2直線の間の最短距離をD2とし、短辺の長さをWとすると、D2=W×C2、0<C2<1となる。
【0011】
本発明の一実施形態において、共振部は楕円形であり、第4接続腕は楕円形の長軸に平行であり、第1直線は楕円形の第3接続腕に最も近い位置に重なり、第1直線と第2直線の間の最短距離をD1とし、長軸の長さをLとすると、D1=L×C1、0<C1<1となる。
【0012】
本発明の一実施形態において、共振部は楕円形であり、第4接続腕は楕円形の短軸に平行であり、第1直線は楕円形の第3接続腕に最も近い位置に重なり、第1直線と第2直線の間の最短距離をD2とし、短軸の長さをWとすると、D2=W×C2、0<C2<1となる。
【0013】
本発明の一実施形態において、共振部は円形であり、第4接続腕は円形の直径に平行であり、第1直線は円形の第3接続腕に最も近い位置に重なり、第1直線と第2直線の間の最短距離をDとし、直径の長さをRとすると、D=R×C、0<C<1となる。
【0014】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つのU字型接続部は2つのU字型接続部を含み、少なくとも1つの第1接続腕は2つの第1接続腕を含み、2つの第1接続腕はそれぞれ2つのU字型接続部に接続し、2つのU字型接続部は共振部を中心として対称に設置される。
【0015】
本発明の一実施形態において、フレーム部、第1接続腕、U字型接続部及び共振部は一体成形である。
【発明の効果】
【0016】
上述によれば、水晶振動子パッケージ構造は、U字型接続部がフレーム部と共振部の間に形成され、U字型接続部の凹口と互いに垂直の両内側壁が共振部に面することにより、外界の機械的な振動又は瞬間的な衝撃が共振水晶片に伝わるのを回避できるとともに、共振周波数を安定させることもできる。
【0017】
本発明の構造的特徴および達成される効果のさらなる理解と認識のため、添付の図面と併せて好ましい実施形態について以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】先行技術の水晶振動子を示す図である。
図2】本発明の水晶振動子パッケージ構造の一実施形態における構造分解図である。
図3】本発明の水晶振動子パッケージ構造の一実施形態における構造断面図である。
図4】本発明の共振水晶片の各種実施形態における構造の平面図である。
図5】本発明の共振水晶片の各種実施形態における構造の平面図である。
図6】本発明の共振水晶片の各種実施形態における構造の平面図である。
図7】本発明の共振水晶片の各種実施形態における構造の平面図である。
図8】本発明の共振水晶片の各種実施形態における構造の平面図である。
図9】本発明の共振水晶片の各種実施形態における構造の平面図である。
図10】本発明の共振水晶片の各種実施形態における構造の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態について、関連する図を合わせて以下にさらなる説明を加える。図面及び明細書においては、可能な限り、同じ符号で同一又は同様の部材を示す。図面においては、簡潔性及び利便性のため、形状及び厚さが拡大表示されることがある。特に図中で表示されていない、或いは明細書に記載されていない素子は、当業者が知る形態であると解釈できる。当業者は本発明の内容に基づいて様々な変更や修正を行うことができる。
【0020】
1つの素子が「・・・上にある」と記述されている場合、一般的には当該素子が直接その他の素子上にあることを指し、その他の素子が両者の中間に存在するという場合もある。それに反し、1つの素子が「直接」別の素子にあるという記述の場合、その他の素子は両者の中間に存在することはできない。本文で用いられる「及び/又は」は列挙された関連項目中の1つ又は複数のいかなる組み合わせも含む。
【0021】
以下の文中における「一つの実施形態」又は「一実施形態」という記述は少なくとも1つの実施形態内において関連する特定の素子、構造又は特徴のことを指す。したがって、以下の文中において多くの箇所にある「一つの実施形態」又は「一実施形態」といった複数の記述は同一実施形態に対するものではない。さらに、1つ又は複数の実施形態における特定の部材、構造及び特徴は適切な方式に基づいて組み合わせることができる。
【0022】
以下に具体例を挙げて説明を加えるが、これらの例は説明のために用いられるに過ぎない。当業者であれば、本開示内容の精神と領域を逸脱しない範囲内で各種の変更や潤色を加えることができる。本開示内容の保護範囲は、特許請求の範囲で規定した内容を基準とする。本明細書及び特許請求の範囲において、明確な指定がない限り、「1つ」及び「前記」という用語は、「1つまたは少なくとも1つ」の意味を含む。また、本開示にもあるように、特定の文脈から複数であることが明らかである以外に、単数表記は複数の意味も含む。さらに、本明細書及び特許請求の範囲における内容に明確な指定がない限り、「その中」という用語は、「その中」及び「その上」という意味を含むことがある。本明細書及び特許請求の範囲で使用される用語(terms)は、明確な説明がない限り、その用語が当該分野、本開示の内容及び特殊な内容において通常用いられるのと同じ意味を有する。本開示を説明するための用語については、以下の段落または明細書で別途説明し、当業者(practitioner)が本開示の説明をより明確に理解できるようにする。本明細書のいかなる部分の例示も、ここに述べる用語の例示の使用に含まれ、これらの例示は説明のために用いられるに過ぎず、本開示又は例示されるいかなる用語の範囲及び意味を限定するものではない。同様に、本開示は本明細書で提案される各種実施形態に限定されない。
【0023】
また、「電気的に結合(電気結合)」又は「電気的に接続(電気接続)」という語句を使用する場合は、いかなる直接的及び間接的な電気接続手段も含まれる。例えば、文中で第1装置が第2装置に電気的に結合するという記載がある場合、当該第1装置は当該第2装置に直接的に接続できる、或いはその他の装置又は接続手段により当該第2装置に間接的に接続できることを示す。さらに、電気信号の伝送、提供についての記載がある場合は、電気信号の伝送過程において減衰又はその他非理想的な変化が伴う可能性はあるが、電気信号の伝送又は提供の供給源及び受信端について特に説明がない場合は、実質上同一信号であると見なされることを、当業者は理解できるはずである。例えば、電子回路の端点Aから電気信号Sを電子回路の端点Bに伝送(又は提供)する場合、トランジスタースイッチのソース、ドレイン両端及び/又は可能な寄生容量により電圧を低下させる可能性があるが、この設計の目的によれば、意図せずに伝送(又は提供)時に生じる減衰又はその他の非理想的な変化を利用してある特定の技術効果を達成する場合、電気信号Sは電子回路の端点Aと端点Bにおいて実質的な同一信号と見なすことができるはずである。
【0024】
本明細書で使用する「含む、備える(comprising、including、involving)」、「有する(having)」、「含有する(containing)」などの用語は、オープンエンド形式(open-ended)であり、つまり、挙げられたものに限定されないことを意図している。また、本発明のいずれの実施形態或いは特許請求の範囲は、本発明が開示した目的、長所或いは特徴の全てを達成する必要はない。また、要約と発明の名称は、特許文献の検索のために用いられるものであり、本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。
【0025】
図2は本発明の水晶振動子パッケージ構造の一実施形態における構造分解図である。図3は本発明の水晶振動子パッケージ構造の一実施形態における構造断面図である。以下に本発明の水晶振動子パッケージ構造2を紹介するので、図2及び図3を参照されたい。水晶振動子パッケージ構造2はパッケージベース20、共振水晶片21及びカバー22を含む。パッケージベース20の上面には凹部200を有し、パッケージベース20の側壁が凹部200を取り囲む。共振水晶片21は水晶板であってよく、フレーム部210、少なくとも1つのU字型接続部211、共振部212及び少なくとも1つの第1接続腕213を含み、U字型接続部211は振動を吸収する機能を有するが、共振部212の形状は限定されない。U字型接続部211は共振部212の辺縁とフレーム部210の間に接続し、U字型接続部211の凹口(notch)と互いに垂直な両内側壁は共振部212に面し、第1接続腕213はU字型接続部211とフレーム部210の間に接続し、フレーム部210はパッケージベース20の側壁上に設けられる。この実施形態では、U字型接続部211と第1接続腕213の数量はいずれも2つを例に挙げるが、本発明はこれに限定されない。フレーム部210、U字型接続部211、共振部212及び第1接続腕213は一体成型である。カバー22はフレーム部210上に設けられて、凹部200、U字型接続部211、共振部212及び第1接続腕213を遮蔽する。U字型接続部211はフレーム部210と共振部212の間に形成され、かつU字型接続部211の凹口と互いに垂直な両内側壁は共振部212に面しているため、外界の機械的な振動又は瞬間的な衝撃が共振部212に伝わるのを回避できるとともに、共振周波数を安定させることもできる。
【0026】
本発明のいくつかの実施形態において、水晶振動子パッケージ構造2は第1電極層23、第2電極層24、第1シールリング25、第2シールリング26及び複数の導電パッド27をさらに含む。第1電極層23は、第1接続腕213、U字型接続部211及び共振部212の底面に設けられ、共振部212に電気的に接続する。第2電極層24は、第1接続腕213、U字型接続部211及び共振部212の上面に設けられ、共振部212に電気的に接続する。第1シールリング25はパッケージベース20の側壁とフレーム部210の間に設けられ、第2シールリング26はフレーム部210とカバー22の間に設けられ、全ての導電パッド27はパッケージベース20の底面に設けられる。
【0027】
図4から図10は本発明の共振水晶片の各種実施形態における構造の平面図である。共振水晶片21の各種実施形態を以下に紹介する。
【0028】
図4及び図5を参照されたい。図4において、U字型接続部211の数量は2つであり、第1接続腕213の数量も2つであり、この2つの第1接続腕213はそれぞれ2つのU字型接続部211に接続し、2つのU字型接続部211は共振部212を中心として対称に設置される。図5において、U字型接続部211の数量は1つである。各U字型接続部211は第2接続腕2111、第3接続腕2112及び第4接続腕2113を含む。第2接続腕2111は第1端部及び第2端部を有し、第2接続腕2111の第1端部は共振部212の辺縁に接続する。第3接続腕2112は第3端部及び第4端部を有し、第3接続腕2112の第3端部は第2接続腕2111の第2端部に接続し、第3接続腕2112は第2接続腕2111に垂直に接続する。第4接続腕2113は第5端部及び第6端部を有し、第4接続腕2113の第5端部は第3接続腕2112の第4端部に接続し、第4接続腕2113の第6端部は第1接続腕213に接続し、第4接続腕2113は第3接続腕2112及び第1接続腕213に垂直に接続する。U字型接続部211の凹口は第2接続腕2111と第4接続腕2113の間に位置し、第3接続腕2112及び第4接続腕2113は共振部212に面する内側壁を有する。第4接続腕2113と共振部212には重なる領域があり、この領域は第1直線L1と第2直線L2の間に位置し、第1直線L1は第2直線L2に平行であり、第1直線L1は共振部212の辺縁に重なり、第2直線L2は第1接続腕213の第4接続腕2113から遠い方の側辺に重なる。例えば、共振部212は長方形であってよく、第4接続腕2113はこの長方形の長辺に平行であり、第1直線L1は長方形の短辺に重なり、かつ第3接続腕2112に近く、第1直線L1と第2直線L2の間の最短距離はD1となり、この長方形の長辺の長さをLとなる。U字型接続部211を利用して振動の大部分を吸収するとともに、外部振動が共振部212に影響するのを回避するためには、D1=L×C1、0<C1<1となる。
【0029】
図6及び図7を参照されたい。図6におけるU字型接続部211の数量は2つであり、図7におけるU字型接続部211の数量は1つである。図4及び図5と異なるのは、図6及び図7の第4接続腕2113は共振部212の長方形の短辺に平行であり、第1直線L1はこの長方形の長辺に重なり、かつ第3接続腕2112に近く、第1直線L1と第2直線L2の間の最短距離はD2となり、この長方形の短辺の長さはWとなる点である。この場合、U字型接続部211を利用して振動の大部分を吸収するとともに、外部振動が共振部212に影響するのを回避するためには、D2=W×C2、0<C2<1となる。
【0030】
図8を参照されたい。図8においてU字型接続部211の数量は1つである。図7と異なるのは、図8の共振部212は楕円形であってよく、第4接続腕2113はこの楕円形の長軸に平行であり、第1直線L1はこの楕円形の第3接続腕2112に最も近い位置に重なり、第1直線L1と第2直線L2の間の最短距離はD1となり、この楕円形の長軸の長さはLとなる点である。U字型接続部211を利用して振動の大部分を吸収するとともに、外部振動が共振部212に影響するのを回避するためには、D1=L×C1、0<C1<1となる。
【0031】
図9を参照されたい。図9においてU字型接続部211の数量は1つであり、共振部212は楕円形であってよい。図8と異なるのは、図9の第4接続腕2113はこの楕円形の短軸に平行であり、第1直線L1は楕円形の第3接続腕2112に最も近い位置に重なり、第1直線L1と第2直線L2の間の最短距離はD2となり、この楕円形の短軸の長さはWとなる点である。U字型接続部211を利用して振動の大部分を吸収するとともに、外部振動が共振部212に影響するのを回避するためには、D2=W×C2、0<C2<1となる。
【0032】
図10を参照されたい。図10においてU字型接続部211の数量は1つである。図9と異なるのは、図10の共振部212は円形であってよく、第4接続腕2113はこの円形の直径に平行であり、第1直線L1はこの円形の第3接続腕2112に最も近い位置に重なり、第1直線L1と第2直線L2の間の最短距離はDとなり、この円形の直径の長さはRとなる点である。U字型接続部211を利用して振動の大部分を吸収するとともに、外部振動が共振部212に影響するのを回避するためには、D=R×C、0<C<1となる。
【0033】
上述の実施形態によれば、水晶振動子パッケージ構造は、U字型接続部がフレーム部と共振部の間に形成され、かつU字型接続部の凹口と互いに垂直な両内側壁が共振部に面していることにより、外界の機械的な振動又は瞬間的な衝撃が共振水晶片に伝わるのを回避できるとともに、共振周波数を安定させることもできる。
【0034】
上述の記載は本発明の好ましい実施形態の説明に過ぎず、本発明の実施範囲を限定するものではない。したがって、本発明の特許請求の範囲に記載された形状、構造、特徴及び精神に基づく均等な変更や潤色は全て、本発明の特許請求の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0035】
1 水晶振動子
10 水晶振動子素子
11 第1ケース
12 第2ケース
13 励振電極
14 励振電極
2 水晶振動子パッケージ構造
20 パッケージベース
200 凹部
21 共振水晶片
210 フレーム部
211 U字型接続部
2111 第2接続腕
2112 第3接続腕
2113 第4接続腕
212 共振部
213 第1接続腕
22 カバー
23 第1電極層
24 第2電極層
25 第1シールリング
26 第2シールリング
27 導電パッド
D1 最短距離
D2 最短距離
L1 第1直線
L2 第2直線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10