(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023031192
(43)【公開日】2023-03-08
(54)【発明の名称】レーザ超音波とガルボスキャナーとの協働による金属付加製造同期検出システム及び方法
(51)【国際特許分類】
G01N 29/24 20060101AFI20230301BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20230301BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20230301BHJP
B33Y 50/02 20150101ALI20230301BHJP
【FI】
G01N29/24
B33Y10/00
B33Y30/00
B33Y50/02
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021184658
(22)【出願日】2021-11-12
(31)【優先権主張番号】202110973449.6
(32)【優先日】2021-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521497578
【氏名又は名称】レーザー インスティチュート オブ シャンドン アカデミー オブ サイエンシス
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バイ, シュエ
(72)【発明者】
【氏名】マー, ジェン
(72)【発明者】
【氏名】リュー, シュアイ
(72)【発明者】
【氏名】チェン, ジェンウェイ
(72)【発明者】
【氏名】グオ, ルイ
(72)【発明者】
【氏名】ソン, ジャンフォン
(72)【発明者】
【氏名】シュ, グォジェン
(72)【発明者】
【氏名】シュ, ワンウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン, フェ
(72)【発明者】
【氏名】ウー, ホンチン
(72)【発明者】
【氏名】ナン, ガンヤン
【テーマコード(参考)】
2G047
【Fターム(参考)】
2G047AA05
2G047AB05
2G047BC07
2G047BC14
2G047CA04
2G047DB12
2G047GD01
2G047GG20
2G047GG33
(57)【要約】 (修正有)
【課題】付加製造装置と、オンライン検出に必要な複数台のロボットとの、一体集積化を実現する。
【解決手段】レーザ超音波とガルボスキャナーとの協働による金属付加製造同期検出システムは、互いに電気的に接続されるロボットアームとロボットアーム制御キャビネットを含み、ロボットアームの操作端にプリント又は修復するための加工ヘッドが設けられる機械製造組立体と、ロボットアームの操作端に設けられるガルボスキャナー及びフィールドレンズを含み、励起ビームのワーク表面での2次元的走査を行うための超音波励起プローブを含む超音波励起モジュールと、ロボットアームの操作端に設けられ、超音波表面波信号及び超音波バルク波信号を受信し、それを表示制御モジュールの産業用コンピュータに送信するための超音波検出プローブを含み、産業用コンピュータが検出結果を出力する超音波検出モジュールと、表示制御モジュールと、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに電気的に接続されるロボットアーム(11)とロボットアーム制御キャビネット(12)とを含み、前記ロボットアーム(11)の操作端には加工ヘッド(111)が設けられ、前記加工ヘッド(111)の下方にはワークを載置するための作業台(13)が設けられている機械製造組立体(1)と、
前記作業台(13)上のワークの表面及び内部において超音波表面波信号及び超音波バルク波信号を励起する、パルス励起レーザ光ビームを発射するためのものであり、前記ロボットアーム(11)の操作端に設けられるガルボスキャナー(244)とフィールドレンズ(245)とを有する超音波励起プローブ(24)を含む超音波励起モジュール(2)と、
前記ロボットアーム(11)の操作端に設けられ、前記作業台(13)上のワークからの超音波表面波信号及び超音波バルク波信号を取得するための超音波検出プローブ(34)を含む超音波検出モジュール(3)と、
前記超音波励起モジュール(2)に電気的に接続される制御カード(41)と、前記超音波検出モジュール(3)に電気的に接続される収集カード(42)と、それぞれ前記制御カード(41)と収集カード(42)とロボットアーム制御キャビネット(12)とに電気的に接続される産業用コンピュータ(43)と、を含む表示制御モジュール(4)と、
を備え、
前記制御カード(41)は、前記産業用コンピュータ(43)の制御命令に基づいて前記超音波励起モジュール(2)のオン/オフを制御し、励起ビームのワーク表面での2次元的走査を行い、前記超音波励起モジュール(2)がオンになった時に同期トリガー信号を前記収集カード(42)に送信するように構成され、
前記収集カード(42)は、前記同期トリガー信号に基づいて、前記超音波検出モジュール(3)による超音波表面波信号及び超音波バルク波信号の取得、及び、取得された超音波信号の前記産業用コンピュータ(43)への送信を制御するように構成され、
前記産業用コンピュータ(43)は、付加製造又は超音波検出の制御命令を前記ロボットアーム制御キャビネット(12)に送信し、送信された制御命令のタイプに応じて、前記収集カード(42)及び制御カード(41)に対する制御命令を生成し、前記収集カード(42)から送信された超音波信号に基づいて検出結果を生成するように配置される、
ことを特徴とするレーザ超音波とガルボスキャナーとの協働による金属付加製造同期検出システム。
【請求項2】
前記超音波励起プローブ(24)は、コリメータ(241)とビームエキスパンダ(242)と反射体(243)とを更に含み、
前記コリメータ(241)は、前記ビームエキスパンダ(242)に接続され、
前記ビームエキスパンダ(242)の出光口は、前記反射体(243)の真上に位置し、
前記ガルボスキャナー(244)の入光口は、前記反射体(243)からの反射光を受光し、
前記制御カード(41)は、前記ガルボスキャナー(244)に接続され、前記ガルボスキャナー(244)の走査動作を制御するためのものである、
ことを特徴とする請求項1に記載の金属付加製造同期検出システム。
【請求項3】
前記超音波励起モジュール(2)は、前記産業用コンピュータ(43)に電気的に接続され、出水管(251)及び入水管(252)が設けられている水冷機(25)を更に含み、
前記出水管(251)は、前記コリメータ(241)、ビームエキスパンダ(242)、ガルボスキャナー(244)及びフィールドレンズ(245)の一端と連通し、
前記入水管(252)は、前記コリメータ(241)、ビームエキスパンダ(242)、ガルボスキャナー(244)及びフィールドレンズ(245)の他端と連通する、
ことを特徴とする請求項2に記載の金属付加製造同期検出システム。
【請求項4】
前記超音波励起モジュール(2)は、互いに電気的に接続される第1の保護手段(26)と第1のコントローラ(27)とを更に含み、
前記第1の保護手段(26)の一端は、前記フィールドレンズ(245)のガルボスキャナー(244)から離れた一端に固定接続され、
前記第1のコントローラ(27)は、前記産業用コンピュータ(43)に電気的に接続され、前記産業用コンピュータ(43)の制御命令に基づいて前記第1の保護手段(26)の開閉を制御するためのものである、
ことを特徴とする請求項2に記載の金属付加製造同期検出システム。
【請求項5】
前記超音波検出モジュール(3)は、互いに電気的に接続される第2の保護手段(35)と第2のコントローラ(36)とを更に含み、
前記第2の保護手段(35)の一端は、前記超音波検出プローブ(34)の干渉計(31)から離れた一端に固定接続され、
前記第2のコントローラ(36)は、前記産業用コンピュータ(43)に電気的に接続され、前記産業用コンピュータ(43)の制御命令に基づいて前記第2の保護手段(35)の開閉を制御するためのものである、
ことを特徴とする請求項1に記載の金属付加製造同期検出システム。
【請求項6】
前記超音波励起モジュール(2)は、パルス固体レーザ(21)と、レーザヘッド(22)と、光ファイバカプラ(23)と、を更に含み、
前記パルス固体レーザ(21)とレーザヘッド(22)と光ファイバカプラ(23)とは、その順に電気的に接続され、
前記光ファイバカプラ(23)と前記超音波励起プローブ(24)とは、光ファイバにより接続され、
前記パルス固体レーザ(21)は、前記制御カード(41)に接続され、前記制御カード(41)の制御によって、レーザヘッド(22)を介してパルス励起レーザ光ビームを発射する、
ことを特徴とする請求項1に記載の金属付加製造同期検出システム。
【請求項7】
前記超音波検出モジュール(3)は、干渉計(31)と、光ファイバパワースプリッタ(32)と、光ファイバ連続レーザ(33)と、を更に含み、
前記干渉計(31)と光ファイバパワースプリッタ(32)と光ファイバ連続レーザ(33)とは、その順に電気的に接続され、
前記干渉計(31)と前記超音波検出プローブ(34)とは、光ファイバにより接続され、
前記干渉計(31)は、前記収集カード(42)に電気的に接続され、前記超音波検出モジュール(3)により取得された超音波信号を前記産業用コンピュータ(43)に送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の金属付加製造同期検出システム。
【請求項8】
請求項1~7の何れか一項に記載の金属付加製造同期検出システムに適用され、
金属付加製造品の現在のプリント層数を取得し、現在のプリント層数が予め設定の超音波検出に必要なプリント層数に達した場合、超音波検出を開始するステップと、
超音波検出プローブとワーク表面との距離を予め設定の値に調整するステップと、
超音波励起プローブが現在のプリント層に対して2次元的トラバーサル走査を行うステップと、
現在のプリント層の超音波表面波信号及び超音波バルク波信号を同期して取得するステップと、
前記超音波表面波信号を抽出して分析して表面残留応力及び欠陥を得るステップと、
前記超音波バルク波信号を抽出して分析して結晶粒径を得るステップと、
を含む、
ことを特徴とする金属付加製造検出方法。
【請求項9】
前記欠陥が予め設定の欠陥寸法閾値以下であると、前記ロボットアームを利用してプリント待機層をプリントするステップと、
又は、前記欠陥が予め設定の欠陥寸法閾値より大きいと、前記ロボットアームを利用して現在のプリント層を修復するステップと、
又は、前記表面残留応力が予め設定の表面残留応力閾値以下且つ結晶粒径が所定の結晶粒径閾値以下であると、現在のプリントプロセスパラメータを維持しながらプリント待機層をプリントするステップと、
又は、前記表面残留応力が予め設定の表面残留応力閾値より大きいと、又は、結晶粒径が予め設定の結晶粒径閾値より大きいと、予め設定の加工プロセス-冶金学的特徴-超音波変数のリレーショナルデータベースに基づき、プリントプロセスパラメータを調整し、調整後のプリントパラメータを使用してプリント待機層をプリントするステップと、
を更に含む、
ことを特徴とする請求項8に記載の金属付加製造検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、付加製造過程のオンライン検出の技術分野に関し、具体的にはレーザ超音波とガルボスキャナーとの協働による金属付加製造同期検出システム及び検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属付加製造技術は、近年において発展が比較的速く、現在当該技術に適用される材料の種類には、ステンレス鋼、高温合金、アルミニウム合金、チタン合金や傾斜機能材料などがあり、医療、自動車、原子力及び航空宇宙などの分野において技術産業化の面で幅広い適用の将来性を有する。
【0003】
付加製造過程において、金属材料は、迅速且つ繰り返し的な溶融・凝固と複雑な熱伝達及び相転移過程とを経るため、金属付加製造技術によって得られた付加製造品の組織異方性が顕著であり、付加製造品に空孔、未融合や割れが生じやすく、残留応力などの欠陥が存在する。
【0004】
金属付加製造技術の普及や適用を促進するために、付加製造品の品質監視を3Dプリント過程中で行うことにより、異なる冶金学的特徴の非破壊検査(Non Destructive Testing)を実現することができ、また、検出情報のフィードバックに基づいて3Dプリントプロセスのオンライン閉ループ制御を実現し、金属品の3Dプリントにおける不良品発生率を低下させ、3Dプリントによるワークの生産効率を向上させ、製品の品質を向上させることができる。
【0005】
従来の付加製造のオンライン検出は、主にレーザ超音波検出技術に基づくのであり、超声波を利用して欠陥を検出するとともに、ワークの温度を赤外線温度計で即時検出する。当該検出技術により、欠陥検出の精度を大幅に向上させることができるが、設備におけるレーザ超音波による走査検出と付加製造との間の干渉を回避するために、走査検出と付加製造とを互いに独立して実施する必要がある。走査検出と付加製造とを互いに独立して実施することを実現するためには、それぞれ異なるロボットを利用して付加製造過程と走査検出過程とを実現する必要がある。それぞれ異なるロボットを利用して付加製造過程と走査検出過程とを実現すれば、設備コストが増加するだけでなく、複数のロボットを協働させて制御する必要もあり、検出過程が複雑になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願は、レーザ超音波とガルボスキャナーとの協働による金属付加製造同期検出システム及び検出方法を提供して、従来技術において付加製造装置とオンライン検出に必要な複数台のロボットとで完成するので、一体集積化を実現することができなかったという問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係るレーザ超音波とガルボスキャナーとの協働による金属付加製造同期検出システムは、
互いに電気的に接続されるロボットアームとロボットアーム制御キャビネットとを含み、前記ロボットアームの操作端には、加工ヘッドが設けられ、前記加工ヘッドの下方には、ワークを載置するための作業台が設けられている機械製造組立体と、
前記作業台上のワークの表面及び内部において超音波表面波信号及び超音波バルク波信
号を励起する、パルス励起レーザ光ビームを発射するためのものであり、前記ロボットアームの操作端に設けられる走査ガルボスキャナーとフィールドレンズとを有する超音波励起プローブを含む超音波励起モジュールと、
前記ロボットアームの操作端に設けられ、前記作業台上のワークからの超音波表面波信号及び超音波バルク波信号を取得するための超音波検出プローブを含む超音波検出モジュールと、
前記超音波励起モジュールに電気的に接続される制御カードと、前記超音波検出モジュールに電気的に接続される収集カードと、それぞれ前記制御カードと収集カードとロボットアーム制御キャビネットとに電気的に接続される産業用コンピュータと、を含む表示制御モジュールと、
を備え、
前記制御カードは、前記産業用コンピュータの制御命令に基づいて前記超音波励起モジュールのオン/オフを制御し、励起ビームのワーク表面での2次元的走査を行い、前記超音波励起モジュールがオンになった時に同期トリガー信号を前記収集カードに送信するように構成され、
前記収集カードは、前記同期トリガー信号に基づいて、前記超音波検出モジュールによる超音波表面波信号及び超音波バルク波信号の取得、及び、取得された超音波信号の前記産業用コンピュータへの送信を制御するように構成され、
前記産業用コンピュータは、付加製造又は超音波検出の制御命令を前記ロボットアーム制御キャビネットに送信し、送信された制御命令のタイプに応じて、前記収集カード及び制御カードに対する制御命令を生成し、前記収集カードから送信された超音波信号に基づいて検出結果を生成するように構成される。
【0008】
また、本願に係る金属付加製造検出方法は、
金属付加製造品の現在のプリント層数を取得し、現在のプリント層数が予め設定の超音波検出に必要なプリント層数に達した場合、超音波検出を開始するステップと、
超音波検出プローブを超音波検出プローブの最終位置に調整するステップと、
超音波励起プローブが現在のプリント層に対して2次元的トラバーサル走査を行うステップと、
超音波表面波信号及び超音波バルク波信号を取得するステップと、
前記超音波表面波信号を抽出して分析して表面残留応力及び欠陥を得るステップと、
前記超音波バルク波信号を抽出して分析して結晶粒径を得るステップと、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本願に係るレーザ超音波とガルボスキャナーとの協働による金属付加製造同期検出システム及び検出方法は、金属付加製造過程におけるオンライン非破壊検査及び自己適応プロセスの制御に適用される。機械製造組立体、超音波励起モジュール、超音波検出モジュール及び表示制御モジュールを設け、機械製造組立体及び超音波検出モジュールを協働して制御することにより、金属付加製造過程と超音波検出過程との間に干渉が生じることを回避し、検出及び製造過程の同期実行を実現し、オンライン検出と付加製造装置との一体集積化を実現することができる。レーザ超音波励起によって超音波表面波及び超音波バルク波が励起され、金属付加製造品の表面及び内部の冶金学的特徴情報を即時に同期して検出してフィードバックする。第1の保護手段を設けて超音波励起プローブを保護し、第2の保護手段を設けて超音波検出プローブを保護し、水冷機を設けて超音波励起プローブを冷却降温させることで、金属付加製造過程で高温及び粉塵が超音波励起モジュール及び超音波検出モジュールの性能及び安定性に関与することを回避する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
以下、本願の技術的構成をより明瞭に説明するために、実施例に使用される図面を簡単に紹介し、当業者が創造的な労働の付与無しでこれらの図面から他の図面を得ることがで
きることは勿論である。
【
図1】本願の実施例に係るレーザ超音波とガルボスキャナーとの協働による金属付加製造同期検出システムの構造概略図である。
【
図2】本願の実施例に係る金属付加製造検出方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本願の実施例の図面を参照しながら、本願の実施例における技術的構成を明瞭且つ完全に説明し、また、説明される実施例は、本願の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではないことは勿論である。本願の実施例に基づき、当業者による創造的な労働の付与無しで得られる他の実施例も、本願の保護範囲に属する。
【0012】
図1は、本願の実施例に係るレーザ超音波とガルボスキャナーとの協働による金属付加製造同期検出システムの構造概略図であり、
図1に示すように、本願の実施例は、機械製造組立体1と、超音波励起モジュール2と、超音波検出モジュール3と、表示制御モジュール4と、を備えるレーザ超音波とガルボスキャナーとの協働による金属付加製造同期検出システムを提供する。
【0013】
前記機械製造組立体1は、互いに電気的に接続されるロボットアーム11とロボットアーム制御キャビネット12とを含み、前記ロボットアーム11は、金属付加製造品をプリントや修復するためのものであり、ロボットアーム制御キャビネット12は、ロボットアーム11に電気的に接続され、金属付加製造品のプリントを開始したり、プリントを停止したり、修復したりするようにロボットアーム11を制御する。前記ロボットアーム11のロボットアーム制御キャビネット12から離れた一端には、加工ヘッド111が設けられ、加工ヘッド111は、ロボットアーム11のロボットアーム制御キャビネット12から離れた一端に着脱可能に取り付けられ、加工ヘッド111は、プリント過程において破損しやすいので、着脱可能に取り付けられることにより、加工ヘッド111が破損した時に適時に交換し、金属付加製造品のプリント進捗への影響を回避することができる。プリント過程において、ロボットアーム制御キャビネット12は、加工ヘッド111が金属付加製造品を1層ずつプリントするように、または、金属付加製造品の欠陥を修復するように、ロボットアーム11を制御する。前記機械製造組立体1は、前記加工ヘッド111の下方に位置し、プリント時に作業台13の台面の上方に基板を載置することができる作業台13を更に含む。加工ヘッド111による基板上での金属付加製造品のプリントが完了後、金属付加製造品を全体的に直接取り外しやすくなる。作業台13は、その台面が平坦であるため、支持やバランスの役割を果たすことができる。
【0014】
前記超音波励起モジュール2は、一般には光ファイバ結合(optical fiber coupling)のレーザを採用し、具体的には、パルス固体レーザ21と、レーザヘッド22と、光ファイバカプラ23と、超音波励起プローブ24と、を含むことができ、前記パルス固体レーザ21とレーザヘッド22と光ファイバカプラと23は、その順に電気的に接続され、前記光ファイバカプラ23と前記超音波励起プローブ24とは、光ファイバにより接続される。パルス固体レーザ21は、パルス励起レーザ光ビームを生成するためのものであり、パルス励起レーザ光ビームは、レーザヘッド22によって整形された後、光ファイバカプラ23に入射される。光ファイバカプラ23は、パルス励起レーザ光ビームを光ファイバに最大限に結合させ、光ファイバを介して超音波励起プローブ24に伝送する。前記超音波励起プローブ24は、第1の接続部材112により前記ロボットアーム11の一端に接続され、第1の接続部材112とロボットアーム11とは、交換の便利上、ボルトにより接続されることができる。ロボットアーム11の動作を制御することにより、超音波励起プローブ24の動作が制御され、これにより、超音波励起プローブ24が予め設定の走査経路に従って金属付加製造品のプリント層に対して2次元的トラバーサル走査を行うことができる。
【0015】
前記超音波励起プローブ24は、パルス励起レーザ光ビームを発射して、金属付加製造品の表面及び内部で超音波表面波信号及び超音波バルク波信号を励起させる。超音波励起プローブ24は、受光したパルス励起レーザ光ビームを収束させて整形した後、そのパルス励起レーザ光ビームをプリント層面に垂直な方向に発射する。垂直なパルス励起レーザ光ビームにより金属付加製造品の表面に熱弾性やアブレーションの効果が発生し、金属付加製造品の局所に温度場及び応力場が発生し、これにより、超音波表面波信号及び超音波バルク波信号が励起されて金属付加製造品の表面や内部で伝播され、超音波表面波信号及び超音波バルク波信号には、金属付加製造品の表面及び内部の欠陥情報が含まれている。
【0016】
前記超音波励起プローブ24は、コリメータ241と、ビームエキスパンダ242と、反射体243と、ガルボスキャナー(galvo scanner)244と、フィールドレンズ245と、を含み、前記コリメータ241の一端と前記光ファイバカプラ23とは、光ファイバにより接続され、前記コリメータ241の他端は、前記ビームエキスパンダ242に接続され、前記ビームエキスパンダ242の出光口は、前記反射体243の真上に位置し、前記ガルボスキャナー244の入光口は、前記反射体243からの反射光を受光し、前記ガルボスキャナー244の一端は、第1の接続部材112を介して前記ロボットアーム11の一端に接続され、前記ガルボスキャナー244の他端は、前記フィールドレンズ245に固定接続される。パルス励起レーザ光ビームは、光ファイバカプラ23によって光ファイバに最大限に結合されてコリメータ241に伝送され、コリメータ241及びビームエキスパンダ242によってコリメーション及び拡張・整形されてから出力され、反射体243によってガルボスキャナー244の入光口へ反射される。ロボットアーム11の動作を制御することにより、ガルボスキャナー244及びフィールドレンズ245の動作が制御され、これにより、ガルボスキャナー244及びフィールドレンズ245から発射されたパルス励起レーザ光ビームが予め設定の走査経路に従って金属付加製造品のプリント層に対して2次元的トラバーサル走査を行って、走査された層の欠陥情報を得ることができる。
【0017】
前記超音波励起モジュール2は、産業用コンピュータ43に電気的に接続された水冷機25を更に含み、前記水冷機25には、出水管251及び入水管252が設けられており、前記出水管251は、前記コリメータ241、ビームエキスパンダ242、ガルボスキャナー244及びフィールドレンズ245の一端と連通し、前記入水管252は、前記コリメータ241、ビームエキスパンダ242、ガルボスキャナー244及びフィールドレンズ245の他端と連通する。水冷機25は、超音波検出過程において超音波励起プローブを冷却降温させるためのものであり、水冷機25における冷水は、出水管251を介してコリメータ241、ビームエキスパンダ242、ガルボスキャナー244及びフィールドレンズ245に進入され、循環時に加熱された温水は、コリメータ241、ビームエキスパンダ242、ガルボスキャナー244及びフィールドレンズ245から排出されて、入水管252を介して水冷機25に戻り、水冷機25は、水冷却によってその温水を冷却させた後、出水管251を介してコリメータ241、ビームエキスパンダ242、ガルボスキャナー244及びフィールドレンズ245に供給する。このような循環水冷却降温により、金属付加製造過程における高温環境が超音波励起プローブ24の動作性能や安定性に関与することを回避することができる。
【0018】
前記超音波励起モジュール2は、互いに電気的に接続される第1の保護手段26と第1のコントローラ27とを更に含み、前記第1の保護手段26の一端は、前記フィールドレンズ245のガルボスキャナー244から離れた一端に固定接続され、前記第1のコントローラ27は、前記産業用コンピュータ43にも電気的に接続される。第1の保護手段26は、超音波励起プローブ24を保護するためのものであり、異なるシーンにおいて、第1の保護手段26及び第1のコントローラ27は、異なる構成を採用することができる。
例えば、金属付加製造過程において超音波検出を同時に実施する必要がある場合、この場合の第1の保護手段26は、空気圧式保護カバーであり、これに応じて、第1のコントローラ27は、保護カバーの開閉を制御する電磁弁であることができ、金属付加製造過程において超音波検出を同時に実施する必要がない場合、粉塵によって超音波励起プローブ24が汚れられることを回避するために、この場合の第1の保護手段26は、電動絞りを採用し、これに応じて、第1のコントローラ27は、制御モータを採用して、第1の保護手段26が閉になるように制御することができる。どの場合でも、超音波検出を実行する必要がある場合、第1のコントローラ27が第1の保護手段26を開にするように制御するだけで、超音波励起プローブ24がパルス励起レーザ光ビームを正常的に発射して、金属付加製造品のプリント層に対する2次元的トラバーサル走査が保証することができる。
【0019】
前記超音波検出モジュール3は、干渉計31と、光ファイバパワースプリッタ32と、光ファイバ連続レーザ33と、超音波検出プローブ34と、を含み、前記干渉計31と光ファイバパワースプリッタ32と光ファイバ連続レーザ33とは、その順に電気的に接続され、前記干渉計31と前記超音波検出プローブ34とは、光ファイバにより接続される。光ファイバ連続レーザ33は、レーザ光を発射するためのものであり、光ファイバパワースプリッタ32は、光ファイバ連続レーザ33からのレーザ光を受光し、そのレーザ光を参照レーザ光と検出レーザ光とに分岐させ、参照レーザ光と検出レーザ光とを相互作用させることにより、金属付加製造品の表面の質点の振動を検知して欠陥を検出する。前記超音波検出プローブ34は、第2の接続部材113を介して前記第1の接続部材112の前記超音波励起プローブ24から離れた一端に接続される。第2の接続部材113は、交換の便利上、ボルトにより第1の接続部材112の超音波励起プローブ24から離れた一端に接続されることができ、ロボットアーム11の動作を制御して、超音波検出プローブ34を予め設定の超音波検出点の座標上方に移動させて検出を行う。前記超音波検出プローブ34は、超音波表面波信号及び超音波バルク波信号を受信し、それを前記干渉計31に伝送させ、干渉計31は、受信した超音波表面波信号及び超音波バルク波信号を収集カード42に送信する。
【0020】
なお、本願において、加工ヘッド111、超音波励起プローブ24、超音波検出プローブ34は、それぞれ第1の接続部材112、第2の接続部材113に直接接続することでロボットアーム11の操作端に固定されるが、各接続部材間の関係については、本願において特に限定せず(図面に示す構造であってもよく、他の構造であってもよい)、複数種の接続部材の形状の設計により、加工ヘッド111、超音波励起プローブ24、超音波検出プローブ34が同一のロボットアーム11に位置し、且つ相互間に干渉が生じないように保証できればよい。他の実施例において、2つ以上のロボットアームを用いてプリント及び検出操作をそれぞれ実行してもよく、即ち、一方のロボットアームに加工ヘッドが固定され、他方のロボットアームに超音波励起プローブ及び超音波検出プローブが固定されることができ、どの構造であっても、プリント及び検出操作を前後に実行する場合、各プローブ間が互いに影響せず、且つ、1つの操作(プリント又は検出操作)を実行する場合、当該操作を順調に完成できる(例えば、正確な検出データなどをより容易に取得するために、超音波励起プローブと超音波検出プローブとの間に適切な距離を保つように要求される)という条件を満たす必要があり、また、プリント過程における粉塵飛散による超声検出結果に対する影響を回避するために、第1の接続部材、第2の接続部材の構造設計も、超音波検出プローブと加工ヘッドとの間に一定の距離を保つことを満たすべきであり、具体的な寸法は、実際の要求によって設定され、本願においては限定しない。
【0021】
前記超音波検出モジュール3は、互いに電気的に接続される第2の保護手段35と第2のコントローラ36とを更に含み、前記第2の保護手段35の一端は、前記超音波検出プローブ34の干渉計31から離れた一端に固定接続され、前記第2のコントローラ36は、前記産業用コンピュータ43にも電気的に接続される。第2の保護手段35は、超音波
検出プローブ34を保護するためのものであり、異なるシーンにおいて、第2の保護手段35及び第2のコントローラ36は、異なる構成を採用することができる。例えば、金属付加製造過程において超音波検出を同時に実施する必要がある場合、この場合の第2の保護手段35は、空気圧式保護カバーであり、これに応じて、第2のコントローラ36は、保護カバーの開閉を制御する電磁弁であることができ、金属付加製造過程において超音波検出を同時に実施する必要がない場合、粉塵によって超音波検出プローブを汚れられることを回避するために、この場合の第2の保護手段35は、電動絞りを採用し、これに応じて、第2のコントローラ36は、制御モータを採用して、第2の保護手段35が閉になるように制御することができる。どの場合でも、超音波検出を実行する必要がある場合、第2のコントローラ36が第2の保護手段35を開にするように制御するだけで、超音波検出プローブ34からのレーザ光の正常的な発射や受光を保証することができる。
【0022】
前記表示制御モジュール4は、互いに電気的に接続される制御カード41と、収集カード42と、産業用コンピュータ43と、を含み、前記パルス固体レーザ21及び超音波励起プローブ24は、いずれも前記制御カード41に電気的に接続され、前記干渉計31は、前記収集カード42にも電気的に接続され、前記ロボットアーム制御キャビネット12は、前記産業用コンピュータ43にも電気的に接続される。産業用コンピュータ43は、金属付加製造同期検出システム全般の制御センターであり、金属付加製造品のプリント過程及び超音波検出過程を制御する。産業用コンピュータ43は、ロボットアーム11がプリントを開始したりプリントを停止したりするように、ロボットアーム制御キャビネット12を制御して、金属付加製造品の1層ずつのプリントまたは欠陥の修復を行うことができる。産業用コンピュータ43は、制御カード41を制御して、パルス固体レーザ21の起動及び光トリガーを制御し、超音波励起プローブ24が発射するパルス励起レーザ光ビームが金属付加製造品の表面に垂直に作用するようにする。同時に、制御カード41は、同期トリガー信号を生成して収集カード42に送信し、収集カード42がその信号を収集するように制御し、収集カード42は、干渉計31から送信された超音波表面波信号及び超音波バルク波信号を即時収集して、産業用コンピュータ43にアップロードしてデータを記憶させる。
【0023】
産業用コンピュータ43は、記憶されたデータの抽出、認識及び分析処理を行い、金属付加製造品の欠陥、組織及び応力などの冶金学的特徴情報に対する即時のフィードバック及び表示を実現する。産業用コンピュータ43は、超音波表面波信号を抽出することにより、金属付加製造品のプリント層の表面及びサブサーフェスの表面残留応力及び欠陥を得るとともに、即時のフィードバック及び表示を行い、超音波バルク波信号を抽出することにより、金属付加製造品の内部組織の結晶粒径及び内部欠陥を得るとともに、即時のフィードバック及び表示を行う。金属付加製造過程において、超音波励起プローブ24を降温させる必要がないので、産業用コンピュータ43は、水冷機25がオフになり、第1の保護手段26が閉になるように第1のコントローラ27を制御して、超音波励起プローブ24を保護し、第2の保護手段35が閉になるように第2のコントローラ36を制御して超音波検出プローブ34を保護する。超音波検出過程において、超音波励起プローブ24を降温させる必要があるので、産業用コンピュータ43は、水冷機25がオンになり、第1の保護手段26が開になるように第1のコントローラ27を制御して、超音波励起プローブ24がパルス励起レーザ光ビームを正常的に発射して金属付加製造品のプリント層に対する2次元的トラバーサル走査を保証し、第2の保護手段35が開になるように第2のコントローラ36を制御して、超音波検出プローブ34からのレーザ光の正常的な発射や受光を保証する。
【0024】
本実施例に係るレーザ超音波とガルボスキャナーとの協働による金属付加製造同期検出システム及び検出方法は、金属付加製造中におけるオンライン非破壊検査及び自己適応プロセスの制御に適用される。機械製造組立体、超音波励起モジュール、超音波検出モジュ
ール及び表示制御モジュールを設け、機械製造組立体と超音波検出モジュールとを協働して制御することにより、金属付加製造過程と超音波検出過程との間において干渉が生じることを回避し、オンライン検出と付加製造装置との一体集積化を実現する。レーザ超音波励起によって超音波表面波及び超音波バルク波を励起し、金属付加製造品の表面及び内部の冶金学的特徴情報を即時に同期検出してフィードバックする。第1の保護手段を設けて超音波励起プローブを保護し、第2の保護手段を設けて超音波検出プローブを保護し、水冷機を設けて超音波励起プローブを冷却させて降温させることで、金属付加製造過程において高温及び粉塵が超音波励起モジュール及び超音波検出モジュールの性能及び安定性に関与することを回避することができる。
【0025】
図2は、本願の実施例に係る金属付加製造検出方法のフローチャートであり、
図2に示すように、本願の実施例は、以下のステップS1~S6を含む金属付加製造検出方法を提供する。
【0026】
ステップS1では、金属付加製造品の現在のプリント層数を取得し、現在のプリント層数が予め設定の超音波検出に必要なプリント層数に達した場合、超音波検出を開始する。
【0027】
産業用コンピュータ43は、予め設定のプリント経路に応じてロボットアーム11によるプリントを開始するようにロボットアーム制御キャビネット12を制御するとともに、金属付加製造品の現在のプリント層数を取得し、現在のプリント層数が予め設定の超音波検出に必要なプリント層数に達した場合、産業用コンピュータ43は、ロボットアーム11によるプリントを停止するようにロボットアーム制御キャビネット12を制御する。
【0028】
ステップS2では、超音波検出プローブを超音波検出プローブの最終位置に調整する。即ち、超音波検出プローブとワーク表面との距離が予め設定の値に達すると、検出操作を直ちに開始することができる。
【0029】
産業用コンピュータ43は、ロボットアーム11を動作させて超音波検出プローブ34が予め設定のレーザ超音波検出点の上方に位置し且つ超音波検出プローブ34の出光方向が検出表面に垂直であることが保証されるように、ロボットアーム制御キャビネット12を制御する。予め設定の超音波検出プローブの焦点距離に基づき、ロボットアーム11の動作を制御することにより、超音波検出プローブ34が最終位置に達するまで超音波検出プローブ34と検出表面との間の距離を調整する。
【0030】
ステップS3では、超音波励起プローブが現在のプリント層に対して2次元的トラバーサル走査を行う。
【0031】
産業用コンピュータ43は、超音波励起プローブ24及び水冷機25がオンになるように制御し、水冷機25がオンになった後、超音波励起プローブ24を降温させて冷却させるとともに、第1のコントローラ27が第1の保護手段26を開にするように制御して、超音波励起プローブ24がパルス励起レーザ光ビームを正常的に発射するように保証することができる。
【0032】
産業用コンピュータ43は、パルス固体レーザ21の起動及び光トリガーが行われるとともに、超音波励起プローブ24から発射されたパルス励起レーザ光ビームが金属付加製造品の表面に垂直に作用するように制御カード41を制御する。予め設定の超音波励起プローブの走査運動経路に基づき、ロボットアーム11の動作を制御して、超音波励起プローブ24から発射されたパルス励起レーザ光ビームによる現在のプリント層に対する2次元的トラバーサル走査を行う。
【0033】
ステップS4では、現在のプリント層の超音波表面波信号及び超音波バルク波信号を同期して取得する。本ステップは、ステップS3が開始後に同期して実施されるのであり、上記信号を取得する経路は、超音波励起プローブによる走査経路に追従し、即ち、走査された部位は、超音波信号を直ちに取得する。
【0034】
産業用コンピュータ43は、超音波検出プローブ34及び収集カード42がオンになり、第2のコントローラ36が第2の保護手段35を開にするように制御して、超音波検出プローブ34のレーザ光の正常的な発射や受光を保証することができる。
【0035】
超音波検出プローブ34は、受信した、欠陥情報を含む超音波表面波信号及び超音波バルク波信号を干渉計31に伝送し、干渉計31は、超音波表面波信号及び超音波バルク波信号を収集カード42に送信する。産業用コンピュータ43は、収集カード42が信号を収集するように、制御カード41を制御して、同期トリガー信号を生成し、その信号を収集カード42に送信し、収集カード42は、超音波表面波信号及び超音波バルク波信号を即時収集し、産業用コンピュータ43に送信して記憶させる。
【0036】
ステップS5では、前記超音波表面波信号を抽出して分析して表面残留応力及び欠陥を得る。
【0037】
産業用コンピュータ43は、超音波表面波信号を抽出し、金属付加製造品のプリント層の表面及びサブサーフェスの表面残留応力及び欠陥を得るとともに、即時のフィードバック及び表示を行う。
【0038】
ステップS6では、前記超音波バルク波信号を抽出して分析して結晶粒径を得る。
【0039】
産業用コンピュータ43は、超音波バルク波信号を抽出し、金属付加製造品の内部組織の結晶粒径及び内部欠陥を得るとともに、即時のフィードバック及び表示を行う。
【0040】
前記欠陥が予め設定の欠陥寸法閾値以下であると、前記ロボットアーム11を利用してプリント待機層(プリントしようとする層)をプリントし、
又は、前記欠陥が予め設定の欠陥寸法閾値より大きいと、前記ロボットアーム11を利用して現在のプリント層を修復し、
又は、前記表面残留応力が予め設定の表面残留応力閾値以下且つ結晶粒径が予め設定の結晶粒径閾値以下であると、現在のプリントプロセスパラメータを維持しながらプリント待機層をプリントし、
又は、前記表面残留応力が予め設定の表面残留応力閾値より大きいと、又は、結晶粒径が予め設定の結晶粒径閾値より大きいと、予め設定の加工プロセス-冶金学的特徴-超音波変数のリレーショナルデータベースに基づき、プリントプロセスパラメータを調整し、調整後のプリントパラメータを使用してプリント待機層をプリントする。
【0041】
方法の実施例について、装置の実施例と実質的に類似するため、簡単に説明したが、関連箇所は、装置の実施例部分の説明を参照すればよい。
【0042】
本明細書における各実施例については、漸進的な説明方式を採用し、各実施例において他の実施例との相違点を重点として説明し、各実施例間の同じ又は類似している部分は、互いに参照すればよい。
【0043】
本願の好ましい実施例を説明したが、当業者が基本的な創造的概念を把握した上で、これらの実施例に別の変更及び修正を行うことができる。従って、添付される特許請求の範囲は、好ましい実施例及び本願の実施例の範囲にある全ての変更及び修正を含むと解釈さ
れることを意図している。