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特開2023-31200半導体レイアウトのパターン輪郭情報を検出する装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023031200
(43)【公開日】2023-03-08
(54)【発明の名称】半導体レイアウトのパターン輪郭情報を検出する装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20230301BHJP
【FI】
G06T7/00 350C
G06T7/00 610Z
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021203226
(22)【出願日】2021-12-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0111713
(32)【優先日】2021-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】513246872
【氏名又は名称】ソウル大学校産学協力団
【氏名又は名称原語表記】SEOUL NATIONAL UNIVERSITY R&DB FOUNDATION
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】キム ドニョン
(72)【発明者】
【氏名】キム テヨン
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096CA02
5L096FA06
5L096HA11
5L096KA04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】学習されたパターン輪郭検出モデルにSEM(scanning electron microscope)画像を入力することで半導体レイアウトのパターン輪郭情報を検出する装置及び方法を提供する。
【解決手段】半導体レイアウトのパターン輪郭情報を検出する装置100は、半導体レイアウトパターンを撮影したSEM画像を受信する通信モジュールと、SEM画像からパターン輪郭情報を検出するプログラムが格納されたメモリと、プログラムを実行するプロセッサとを含む。プログラムは、半導体レイアウトパターンに対するCAD画像及びSEM画像からなる学習データに基づいて学習されたパターン輪郭検出モデルにSEM画像を入力することでパターン輪郭情報を抽出する。パターン輪郭情報は、SEM画像から検出した半導体レイアウトパターンの輪郭線とスペースにより構成された輪郭画像である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体レイアウトのパターン輪郭情報を検出する装置において、
半導体レイアウトパターンを撮影したSEM(scanning electron microscope)画像からパターン輪郭情報を検出するプログラムが格納されたメモリと、
前記プログラムを実行するプロセッサとを含み、
前記プログラムは、半導体レイアウトパターンに対するCAD画像及びSEM画像からなる学習データに基づいて学習されたパターン輪郭検出モデルに前記SEM画像を入力することで前記パターン輪郭情報を抽出し、
前記パターン輪郭情報は、前記SEM画像から検出した半導体レイアウトパターンの輪郭線とスペースにより構成された輪郭画像である、半導体レイアウトのパターン輪郭情報検出装置。
【請求項2】
前記パターン輪郭検出モデルは、各半導体レイアウトパターンを含む複数のSEM画像と、前記各半導体レイアウトパターンに対応するCAD画像とをマッチングさせた学習データに基づいて構築されたものであり、
入力されたSEM画像から第1の特徴マップを抽出するエンコーダ部と、前記入力されたSEM画像と対応するCAD画像を取得し、前記CAD画像から第2の特徴マップを抽出するデコーダ部とを含む、請求項1に記載の半導体レイアウトのパターン輪郭情報検出装置。
【請求項3】
前記パターン輪郭検出モデルのエンコーダ部は、レズネット(ResNet)神経網、CBAM(Convolutional Block Attention Module)及びASPP(atrous spatial pyramid pooling)を含むオブジェクト特徴抽出アルゴリズムに基づき、前記第1の特徴マップを抽出する、請求項2に記載の半導体レイアウトのパターン輪郭情報検出装置。
【請求項4】
前記パターン輪郭検出モデルのデコーダ部は、前記第1の特徴マップと前記第2の特徴マップを結合して第3の特徴マップを生成し、前記第3の特徴マップを予め設定された倍数に増加させて前記パターン輪郭情報を出力する、請求項2に記載の半導体レイアウトのパターン輪郭情報検出装置。
【請求項5】
半導体レイアウトのパターン輪郭情報検出装置を利用してパターン輪郭情報を検出する方法において、
半導体レイアウトパターンを撮影したSEM(scanning electron microscope)画像を受信するステップと、
半導体レイアウトパターンに対するCAD画像及びSEM画像からなる学習データに基づいて学習されたパターン輪郭検出モデルに前記SEM画像を入力することで前記パターン輪郭情報を抽出するステップとを含み、
前記パターン輪郭情報は、前記SEM画像から検出した半導体レイアウトパターンの輪郭線とスペースにより構成された輪郭画像である、半導体レイアウトのパターン輪郭情報検出方法。
【請求項6】
前記パターン輪郭検出モデルは、各半導体レイアウトパターンを含む複数のSEM画像と、前記各半導体レイアウトパターンに対応するCAD画像とをマッチングさせた学習データに基づいて構築されたものであり、
入力されたSEM画像から第1の特徴マップを抽出するエンコーダ部と、前記入力されたSEM画像と対応するCAD画像を取得し、前記CAD画像から第2の特徴マップを抽出するデコーダ部とを含む、請求項5に記載の半導体レイアウトのパターン輪郭情報検出方法。
【請求項7】
前記パターン輪郭検出モデルのエンコーダ部は、レズネット(ResNet)神経網、CBAM(Convolutional Block Attention Module)及びASPP(atrous spatial pyramid pooling)を含むオブジェクト特徴抽出アルゴリズムに基づき、第1の特徴マップを抽出する、請求項5に記載の半導体レイアウトのパターン輪郭情報検出方法。
【請求項8】
前記パターン輪郭検出モデルのデコーダ部は、前記第1の特徴マップと前記第2の特徴マップを結合して第3の特徴マップを生成し、前記第3の特徴マップを予め設定された倍数に増加させて前記パターン輪郭情報を出力する、請求項2に記載の半導体レイアウトのパターン輪郭情報検出方法。
【請求項9】
請求項5乃至請求項8の何れか一項による半導体レイアウトのパターン輪郭情報検出方法を実行するためのコンピュータプログラムが記録された非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体レイアウトのパターン輪郭情報を検出する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体素子の小型化によって正確なパターンの生成が難しくなっている。これにより、ウェハパターンに多くの欠陥がもたらされている。高品質のパターンを生産するためには、輪郭を用いて求めた限界寸法(CD、critical dimension)値を利用して品質を測定することが重要である。よって、走査電子顕微鏡(SEM、scanning electron microscope)画像のリソグラフィ輪郭識別は、半導体工程において非常に重要な部分である。
【0003】
従来は、ルールベースのアルゴリズムにより、半導体素子のレイアウトパターンデータから画像のピクセル情報に応じて基準を置き、輪郭線を抽出する。現在まで半導体産業において多く使用されている技術である。ところが、この方法は、画像のピクセル値によってレイアウトパターンの抽出基準が変わり、状況に応じて抽出性能に差が出る。結局、電子顕微鏡の画像撮影条件によって大きな性能差が生じることとなる。特に、境界が曖昧なレイアウトの場合は、パターンの抽出が難しいという問題がある。
【0004】
それに関し、大韓民国公開特許第2008-0001434号(発明の名称:半導体素子のパターン情報抽出方法)は、半導体素子のレイアウトパターンデータにおいてウェハのライン及びスペーサを区分し、ウェハパターンの輪郭線画像を抽出した後、抽出された輪郭線画像を利用してウェハパターン情報を抽出する方法について開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決するためのものであり、半導体レイアウトパターンに対するCAD画像及びSEM画像からなる学習データに基づいて学習されたパターン輪郭検出モデルにSEM画像を入力することで半導体レイアウトのパターン輪郭情報を検出する装置及び方法を提供することを一つの技術的課題としている。
【0006】
但し、本実施例が解決しようとする技術的課題は、上記したような技術的課題に限定されるものではなく、また他の技術的課題が存在し得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した技術的課題を解決するための技術的手段として、本発明の第1の側面に係る半導体レイアウトのパターン輪郭情報を検出する装置は、半導体レイアウトパターンを撮影したSEM(scanning electron microscope)画像を受信する通信モジュールと、SEM画像からパターン輪郭情報を検出するプログラムが格納されたメモリと、プログラムを実行するプロセッサとを含み、プログラムは、半導体レイアウトパターンに対するCAD画像及びSEM画像からなる学習データに基づいて学習されたパターン輪郭検出モデルにSEM画像を入力することでパターン輪郭情報を抽出し、パターン輪郭情報は、SEM画像から検出した半導体レイアウトパターンの輪郭線とスペースにより構成された輪郭画像である。
【0008】
また、本発明の第2の側面に係る半導体レイアウトのパターン輪郭情報検出装置を利用してパターン輪郭情報を検出する方法は、半導体レイアウトパターンを撮影したSEM(scanning electron microscope)画像を受信するステップと、半導体レイアウトパターンに対するCAD画像及びSEM画像からなる学習データに基づいて学習されたパターン輪郭検出モデルにSEM画像を入力することでパターン輪郭情報を抽出するステップとを含み、パターン輪郭情報は、SEM画像から検出した半導体レイアウトパターンの輪郭線とスペースにより構成された輪郭画像である。
【発明の効果】
【0009】
上述した本願の課題を解決するための手段によれば、従来のルールベースのアルゴリズムパターン輪郭抽出技術とは異なり、ディープラーニングモデルのうち意味的領域分割モデルを使用し、SEM画像の解像度と撮影条件に影響されずにレイアウトパターンを抽出することができる。
【0010】
また、SEM画像だけでなくそれに対応するCAD画像を利用して微かな半導体パターン輪郭までも抽出することができるので、正確な半導体パターン輪郭の抽出が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施例に係る半導体レイアウトのパターン輪郭情報検出装置の構成を示すブロック図である。
図2】本発明の一実施例に係るパターン輪郭検出モデルの構成を示す概念図である。
図3】本発明の一実施例に係るパターン輪郭検出モデルのエンコーダ部及びデコーダ部を説明するための図である。
図4】本発明の一実施例に係る半導体レイアウトのパターン輪郭情報検出装置から出力されたパターン輪郭情報の例を示すものである。
図5】従来技術と本発明が出力したパターン輪郭情報とを比較して説明するための図である。
図6】本発明の一実施例に係る半導体レイアウトのパターン輪郭情報検出方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、添付した図面を参照しながら本発明を詳しく説明することとする。但し、本発明は様々な異なる形態に具現されることができ、ここで説明する実施例に限定されるものではない。そして、添付された図面は、本明細書に開示された実施例を理解し易くするためのものに過ぎず、添付された図面によって本明細書に開示された技術的思想が限定されるものではない。図面において、本発明を明確に説明するために、説明とは関係ない部分は省略しており、図面に示された各構成要素のサイズ、形態、形状は様々に変形され得る。明細書全体に亘って同一/類似した部分に対しては同一/類似した図面符号を付けている。
【0013】
以下の説明において使用される構成要素に対する接尾辞「モジュール」及び「部」などは、明細書作成を容易にするためだけに与えられたり、混用されるものであって、それ自体で互いに区別される意味や役割を有するわけではない。また、本明細書に開示された実施例を説明するにおいて、関連公知技術に関する具体的な説明が本明細書に開示された実施例の要旨を暗まし得ると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。
【0014】
明細書全体において、ある部分が他の部分と「連結(接続、接触又は結合)」されているという場合、これは「直接的に連結(接続、接触又は結合)」されている場合だけでなく、その中間に他の部材を挟んで「間接的に連結(接続、接触又は結合)」されている場合も含む。また、ある部分がある構成要素を「含む(備える又は設ける)」という場合、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに「含む(備える又は設ける)」ことができることを意味する。
【0015】
本明細書において使用される第1、第2などのように序数を表す用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的だけで使用され、構成要素の順序や関係を限定するものではない。例えば、本発明の第1の構成要素は第2の構成要素と名付けられても良く、同様に、第2の構成要素も第1の構成要素と名付けられても良い。
【0016】
図1は、本発明の一実施例に係る半導体レイアウトのパターン輪郭情報検出装置の構成を示すブロック図である。
【0017】
図1を参照すると、半導体レイアウトのパターン輪郭情報検出装置100は、通信モジュール110と、メモリ120と、プロセッサ130とを含み、データベース140をさらに含んでいても良い。半導体レイアウトのパターン輪郭情報検出装置100は、半導体レイアウトパターンを撮影したSEM画像を受信し、これを利用してパターン輪郭情報を抽出する動作を行う。
【0018】
そのために、半導体レイアウトのパターン輪郭情報検出装置100は、ネットワークを介してサーバや他の端末にアクセスできるコンピュータや携帯用端末に具現されても良い。ここで、コンピュータは、例えば、ウェブブラウザ(WEB Browser)が搭載されたノートパンコン、デスクトップ(desktop)、ラップトップ(laptop)などを含み、携帯用端末は、例えば、携帯性と移動性が保障される無線通信装置であり、各種のスマートフォーン、タブレットPC、スマートウォッチなどのような全種類のハンドヘルド(Handheld)ベースの無線通信装置を含んでいても良い。
【0019】
ネットワークは、端末及び装置のようなそれぞれのノードの相互間に情報交換が可能な連結構造を意味するものであり、構内通信網(LAN:Local Area Network)、広域通信網(WAN:Wide Area Network)、インターネット(WWW:World Wide Web)、有無線データ通信網、電話網、有無線テレビ通信網などを含む。無線データ通信網の一例には、3G、4G、5G、3GPP(3rd Generation Partnership Project)、LTE(Long Term Evolution)、WIMAX(World Interoperability for Microwave Access)、ワイファイ(Wi-Fi)、ブルートゥース(登録商標)通信、赤外線通信、超音波通信、可視光通信(VLC:Visible Light Communication)、ライファイ(LiFi)などが含まれるが、これに限定されるものではない。
【0020】
通信モジュール110は、半導体レイアウトパターンを撮影したSEM画像を受信する。通信モジュール110は、他のネットワーク装置と有無線接続により制御信号又はデータ信号のような信号を送受信するために必要なハードウェア及びソフトウェアを含む装置を含んでいても良い。例えば、本発明のパターン輪郭情報検出装置100は、内部に通信モジュール110を含み、有無線接続により外部の半導体検査装置からSEM画像を受信しても良いが、これに限定されるものではない。他の例において、外部の半導体検査装置が本発明のパターン輪郭情報検出装置100を内部に含む形態に具現されても良く、このとき、パターン輪郭情報検出装置100は通信モジュール110を含まない。
【0021】
メモリ120には、通信モジュール110を介して受信したSEM画像からパターン輪郭情報を予測するプログラムが格納される。このとき、パターン輪郭情報を予測するプログラムは、半導体レイアウトパターンに対するCAD画像及びSEM画像からなる学習データに基づいて学習されたパターン輪郭検出モデルにSEM画像を入力することでパターン輪郭情報を抽出する。ここで、パターン輪郭情報は、SEM画像から検出した半導体レイアウトパターンの輪郭線とスペースにより構成された輪郭画像である。パターン輪郭情報の具体的な内容については後述する。
【0022】
ここで、メモリ120は、電源の供給なしでも保存された情報を保ち続ける非揮発性保存装置及び保存された情報を保つために電力を必要とする揮発性保存装置を通称するものと解釈されなければならない。メモリ120は、プロセッサ130が処理するデータを一時的又は永久に保存する機能を果たしても良い。メモリ120は、保存された情報を保つために電力が必要な揮発性保存装置の他に、磁気記憶媒体(magnetic storage media)又はフラッシュ記憶媒体(flash storage media)を含んでいても良いが、本発明の範囲がこれに限定されるものではない。
【0023】
プロセッサ130は、メモリ120に保存されたパターン輪郭情報を予測するプログラムを実行し、その実行結果としてSEM画像に関するパターン輪郭情報を出力する。
【0024】
一例において、プロセッサ130は、マイクロプロセッサ(microprocessor)、中央処理装置(central processing unit:CPU)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(application-specific integrated circuit)、FPGA(field programmable gate array)などの形態に具現されても良いが、本発明の範囲がこれに限定されるものではない。
【0025】
データベース140には、通信モジュール110を介して受信されるSEM画像や、パターン輪郭検出モデルの学習のための様々なデータが保存されても良い。また、データベース140は、パターン輪郭情報抽出プログラムによって抽出されたパターン輪郭情報を累積して保存する。
【0026】
以下、パターン輪郭情報を抽出するパターン輪郭検出モデルについて検討することとする。
【0027】
図2は、本発明の一実施例に係るパターン輪郭検出モデルの構成を示す概念図である。図3は、本発明の一実施例に係るパターン輪郭検出モデルのエンコーダ部及びデコーダ部を説明するための図である。
【0028】
図2を参照すると、パターン輪郭検出モデル200は、各半導体レイアウトパターンを含む複数のSEM画像と、各半導体レイアウトパターンに対応するCAD画像とをマッチングさせた学習データに基づいて構築されたものである。
【0029】
パターン輪郭検出モデル200は、エンコーダ部210と、デコーダ部220とを含む。エンコーダ部210は、入力されたSEM画像から第1の特徴マップを抽出する。デコーダ部220は、入力されたSEM画像と対応するCAD画像を取得し、CAD画像から第2の特徴マップを抽出する。
【0030】
具体的に、図3を参照すると、パターン輪郭検出モデル200のエンコーダ部210は、レズネット(ResNet)神経網、CBAM(Convolutional Block Attention Module)及びASPP(atrous spatial pyramid pooling)を含むオブジェクト特徴抽出アルゴリズムに基づき、第1の特徴マップを抽出する。
【0031】
また、エンコーダ部210は、Resnet-101及びCBAMにより構成された第1の抽出部211と、ASPPにより構成された第2の抽出部212とを含む。
【0032】
例示において、第1の抽出部211は、不鮮明なSEM画像を抽出するために、SEM画像の情報が減少する前にエンコーダ部210のボトルネック現象においてCBAMを挿入することで補完した。例えば、第1の抽出部211は、Resnet-101を介してSEM画像パターン特徴を抽出する。また、Resnet-101の各ボトルネック現象にCBAMを挿入することによって、ノイズに強い1次特徴マップを生成した。
【0033】
このとき、ボトルネック現象は空間プーリングの一部であり、この過程で特徴マップの空間解像度が減少する。つまり、CBAMの主な機能は、情報量が減る前にCBAMを追加することで重要度の高い部分の価値を上げ、重要度の低い部分の価値を下げる。従って、CBAMによりパターン輪郭に関する情報の損失を低減することができる。
【0034】
また、第2の抽出部212は、ASPPを適用することでより高密度の2次特徴マップを抽出しても良い。ここで、エンコーダ部210において最も重要な側面は、抽出されるSEM画像の特徴の品質である。特に、SEM画像には相当量のノイズがあり、半導体パターンのサイズは様々である。つまり、第2の抽出部212は、ASPPにより様々なパターンサイズに関する特徴を抽出する。
【0035】
また、第2の抽出部212は、1次特徴マップのピクセルの間の孔を埋め、コンボリューションを行う。一例として、アトラスコンボリューション(atrous convolution)の拡張率は1、6、12、18に設定し、カーネルサイズは3×3に該当する。結果はマルチスケール特徴で結合される。これにより、様々な受容分野(フィールド)を観察することができる。
【0036】
言い換えれば、エンコーダ部210は、1次特徴マップを生成する第1の抽出部211と2次特徴マップを生成する第2の抽出部212を経て第1の特徴マップを抽出しても良い。
【0037】
これにより、エンコーダ部210は、既存のコンボリューションと比べて、計算を維持しつつ広い受容領域を最大限にカバーすることができる。
【0038】
パターン輪郭検出モデル200のデコーダ部220は、第1の特徴マップと第2の特徴マップを結合して第3の特徴マップを生成し、第3の特徴マップを予め設定された倍数に増加させてパターン輪郭情報を出力する。
【0039】
また、デコーダ部220は、コンボリューション層と、配置正規化層と、ReLU層とにより構成された第3の抽出部221及び第4の抽出部222を含む。
【0040】
第3の抽出部221は、正確な輪郭を生成するために、入力SEM画像に該当するCAD画像をデコーダ部220のフロントエンドに参照として挿入する。半導体データは、SEM及びCAD画像対に特徴があり、デコーダ部220に対する参照としてCAD画像を使用しても良い。
【0041】
第3の抽出部221は、CAD画像を、コンボリューション層、配置正規化層及びReLU層に通過させ、CAD画像に対する第2の特徴マップを生成する。次いで、第3の抽出部221は、エンコーダ部210を介して伝達された第1の特徴マップとCAD画像の第2の特徴マップを結合して第3の特徴マップを生成する。次いで、第4の抽出部222は、合成された第3の特徴マップをコンボリューション層、配置正規化層及びReLU層に通過させる。最後に、第4の抽出部222は、第3の特徴マップを2倍に増加させることで、分割されたパターン輪郭情報(即ち、輪郭画像)を出力する。
【0042】
つまり、本発明は、CBAMとASPPをエンコーダ部210モジュールに使用して正確な特徴を抽出し、デコーダ部220モジュールの前にCAD画像を参照するパターン輪郭検出モデル200を提供する。
【0043】
従って、本発明は、従来のルールベースのコンピュータアルゴリズムを利用することから離れ、ディープラーニングモデルのうち意味的領域分割モデル(Semantic segmentation model)を利用することによって、正確なレイアウトの抽出が可能となる。さらに、レイアウトに対応するCAD画像をディープラーニングモデルに追加することによって、境界が曖昧なレイアウトまでもパターンの抽出が可能である。これにより、半導体レイアウトパターンの抽出を正確に行うことができ、抽出の後にレイアウトの正確性を評価できる線幅(CD:Critical Dimension)を測定することができる。
【0044】
図4は、本発明の一実施例に係る半導体レイアウトのパターン輪郭情報検出装置から出力されたパターン輪郭情報の例を示すものである。図5は、従来技術と本発明が出力したパターン輪郭情報とを比較説明するための図である。
【0045】
図4を参照すると、本発明のパターン輪郭情報検出装置100は、パターン輪郭検出モデル200に様々なパターンのSEM画像を入力し、SEM画像との正確度が高いパターン輪郭画像を出力した。
【0046】
図5は、本発明のパターン輪郭検出モデル200と既存のモデルであるDeepLab v3+及びPSPnetが抽出した輪郭画像との正確度比較結果である。パターン輪郭の正確な比較のための目安として、正規化相互相関(NCC、normalized cross-correlation)点数を使用した。本発明における輪郭画像のNCC点数の方が、DeepLab v3+よりも約5%、PSPnetよりも46%高いことが示されている。つまり、SEM画像のうちパターンが不明な部分やノイズのある部分に対しては、既存のモデルに比べて本発明のパターン輪郭検出モデル200での輪郭抽出の方が遥かに正確であることが分かる。
【0047】
以下では、上述した図1乃至図5に示された構成のうち、同じ構成の説明は省略することとする。
【0048】
図6は、本発明の一実施例に係る半導体レイアウトのパターン輪郭情報検出方法を示すフローチャートである。
【0049】
本発明の半導体レイアウトのパターン輪郭情報検出装置を利用してパターン輪郭情報を検出する方法は、半導体レイアウトパターンを撮影したSEM画像を受信するステップS110と、半導体レイアウトパターンに対するCAD画像及びSEM画像からなる学習データに基づいて学習されたパターン輪郭検出モデル200にSEM画像を入力することでパターン輪郭情報を抽出するステップS120とを含む。ここで、パターン輪郭情報は、SEM画像から検出した半導体レイアウトパターンの輪郭線とスペースにより構成された輪郭画像である。
【0050】
パターン輪郭検出モデル200は、各半導体レイアウトパターンを含む複数のSEM画像と、各半導体レイアウトパターンに対応するCAD画像とをマッチングさせた学習データに基づいて構築されたものである。パターン輪郭検出モデル200は、入力されたSEM画像から第1の特徴マップを抽出するエンコーダ部210と、入力されたSEM画像と対応するCAD画像を取得し、CAD画像から第2の特徴マップを抽出するデコーダ部220とを含む。
【0051】
パターン輪郭検出モデル200のエンコーダ部210は、レズネット(ResNet)神経網、CBAM(Convolutional Block Attention Module)及びASPP(atrous spatial pyramid pooling)を含むオブジェクト特徴抽出アルゴリズムに基づき、第1の特徴マップを抽出する。
【0052】
パターン輪郭検出モデル200のデコーダ部220は、第1の特徴マップと第2の特徴マップを結合して第3の特徴マップを生成し、第3の特徴マップを予め設定された倍数に増加させてパターン輪郭情報を出力する。
【0053】
上述したパターン輪郭情報検出方法は、コンピュータにより実行されるプログラムモジュールのようなコンピュータにより実行可能な命令語を含む記録媒体の形態に具現されても良い。コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータによりアクセスできる任意の可用媒体であっても良く、揮発性及び非揮発性の媒体、分離型及び非分離型の媒体を全て含む。また、コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータ格納媒体を含んでいても良い。コンピュータ格納媒体は、コンピュータ読み取り可能な命令語、データ構造、プログラムモジュール、又はその他のデータのような情報格納のための任意の方法又は技術に具現された揮発性及び非揮発性、分離型及び非分離型の媒体を全て含む。
【0054】
本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者は、上述した説明を基に本発明の技術的思想や必須の特徴を変更せずに他の具体的な形態に容易に変形可能であるということを理解できるはずである。それゆえ、上記した実施例は全ての面において例示的なものであり、限定的なものではないと理解すべきである。本発明の範囲は、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、並びにその均等概念から導出される全ての変更又は変形された形態が本発明の範囲に含まれると解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0055】
100:パターン輪郭情報検出装置
110:通信モジュール
120:メモリ
130:プロセッサ
140:データベース
図1
図2
図3
図4
図5
図6