(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023031214
(43)【公開日】2023-03-08
(54)【発明の名称】ナイフ
(51)【国際特許分類】
B26B 3/00 20060101AFI20230301BHJP
【FI】
B26B3/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022019263
(22)【出願日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】10 2021 121 864.0
(32)【優先日】2021-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】522055441
【氏名又は名称】ブルトハウプ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コムパニー コマンデイト ゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】マルク オリバー エッケルト
【テーマコード(参考)】
3C061
【Fターム(参考)】
3C061AA02
3C061BA03
3C061BB01
3C061BB03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ナイフの使用中に長手方向軸線中心に回転しようとする挙動に対し、使用者に対する握りの感覚、およびナイフの安定性を改善したナイフを提供する。
【解決手段】本発明は、ブレード1および柄を備えたナイフ10であって、少なくとも前記柄の領域において、ナイフの質量中心が、ナイフが前記ブレードの切断エッジ1a上で立ち、ナイフが所定の好ましい方向に傾くような、ナイフの長手方向軸線からの距離のところに配置されている、ナイフに関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレードおよび柄を備えたナイフにおいて、
少なくとも柄の領域において、ナイフの質量中心が、ナイフがブレードの切断エッジ上で立っている位置から、ナイフが所定の好ましい方向に傾くような、ナイフの長手方向軸線からの距離のところに配置されている、ことを特徴とする、ナイフ。
【請求項2】
ナイフの意図された使用者の視点から、ナイフの質量中心が、ナイフの長手方向軸線の左方または右方にある、ことを特徴とする、請求項1に記載のナイフ。
【請求項3】
柄は、ブレードの連続部、および、重量部を含み、前記重量部は、前記ブレードの連続部と1部品で形成されるか、或いは、摩擦および/または圧入連結部および/または物質と物質の結合部および/または形態フィット連結部によって前記ブレード連続部に連結されている重量部を含む、ことを特徴とする、請求項1または2に記載のナイフ。
【請求項4】
前記重量部は、前記ブレードの連続部に設けられた凹部内に挿入可能であり、或いは、遊びなしに大部分または完全に挿入されている、ことを特徴とする、請求項3に記載のナイフ。
【請求項5】
前記柄はまた、好ましくは木で作られた、ケーシングを含み、前記ケーシングは、前記ブレードの連続部と一緒に前記柄の連続面を形成する、ことを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のナイフ。
【請求項6】
前記柄の面は、実質的にまたは専ら、前記ブレードの連続部および/または前記ケーシングによって形成されている、ことを特徴とする、請求項5に記載のナイフ。
【請求項7】
使用し際してナイフの使用者に面する前記柄の端面、および/または、使用者の手のための前記柄の接触領域が、前記ケーシングによって完全に形成されている、ことを特徴とする、請求項5または6に記載のナイフ。
【請求項8】
前記柄の形態、特にナイフの長手方向軸線に対する前記重量部の配置、および/または、使用者の手のための前記柄の接触領域の形態は、左利きまたは右利きの人によって使用されるように構成されている、ことを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載のナイフ。
【請求項9】
前記ケーシングは、ナイフの長手方向軸線の1つは右方に、および、1つは左方に、使用者のための接触領域を形成し、前記2つの接触領域は、互いに対称的に構成されている、ことを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載のナイフ。
【請求項10】
前記ブレードおよび前記ブレードの連続部は、鍛造されており、および/または、前記ブレードおよび/または前記ブレードの連続部および/または前記重量部は、フライス加工されている、ことを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載のナイフ。
【請求項11】
ナイフは、互いに接合された3個以下の、好ましくは2個の構成要素からなることを特徴とする、請求項1~10のいずれか1項に記載のナイフ。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載のナイフを製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナイフに関する。ナイフが使用されているときに、使用者が、ブレードまたは柄に向かっていかなる顕著な偏りも感じないように、これらのナイフがそれらの長手方向軸線においてバランスを有するような質量分布を有するナイフが、従来技術から知られている。
【背景技術】
【0002】
これらのナイフは、一般的にまた、これらのナイフの質量中心が、ほぼ長手方向軸線上にあるように、長手方向軸線に対してそれらの質量分布が対称である。これにより、かかるナイフがその長手方向軸線を中心として回転するときにかかるナイフの偏りのない挙動がもたらされる。これは、これらのナイフが長手方向に配向された軸線を中心として、特に手の面から離れる方にこれらのナイフの質量中心を移動させる回転中に、手に安定的にこれらのナイフを保持し続けるための握りの強さの増加が必要とされ、かくして、これらの回転が生じるときに、および、これらのナイフの使用中に、使用者に対して不快な握りが創出される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この背景に抗して、本発明は、従来技術の問題を緩和し、或いは、従来技術の問題を完全にさえ除く、および、特に、ナイフが長手方向軸線の方向に配向されたそのナイフの回転軸線を中心に回転するときに、回転の使用者に対する握りの感覚、および、使用中に関連した手におけるナイフの安定性を改善するナイフを特に創出するという課題に特に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、独立請求項の主題によって達成される。本発明の有利な発展は、従属請求項の主題である。
【0005】
したがって、本発明によれば、ナイフは、ブレードおよび柄を備え、少なくとも柄の領域において、ナイフの質量中心が、ナイフがブレードの切断エッジ上で立っている位置から、ナイフが所定の好ましい方向に傾くような、ナイフの長手方向軸線からの距離のところに配置されていることが提供される。
【0006】
ナイフの長手方向軸線はここで、ナイフの幾何学的重心を通る軸線であり、ナイフの幾何学的重心は、ナイフにおいて仮定的に均一な質量が分布する重心であり、ナイフの幾何学的重心を通る軸線は、ナイフにおいて仮定的に均一な質量が分布するときに、ナイフを通る最も長い侵入距離を備えた慣性の主軸線である。
【0007】
ナイフの質量中心はここで、好ましくは、得ることができるナイフの安定的な落下方向のためのナイフの長手方向軸線から十分な距離のところに配置されている。
【0008】
換言すると、ナイフが、ブレードの切断エッジ上に立たされているときに、ナイフは、仮定的な慣性の主軸線の座標系から外れて傾き、ナイフは、質量中心の位置によって規定される仮定的に均一な密度分布を備えてこの仮定的な慣性の主軸線の座標系を有する。
【0009】
ナイフの切断エッジはここで、真っ直ぐな研ぎ部、鋸刃状の研ぎ部、フルート付き研ぎ部、或いは、ナイフの特定の意図された使用のための任意の研ぎ部を備えることができる。
【0010】
同様に、切断エッジは、真っ直ぐである必要はなく、任意の線に従うことができ、切断エッジは、好ましくは、真っ直ぐな、または、凸形形状を有する。
【0011】
かくして、ナイフが、ブレードの切断エッジ上で立つときに、ナイフは、全切断エッジが好ましくは平らな面上にあって立つ必要はなく、切断エッジの一部分だけで、或いは切断エッジのただ1箇所で面に接触することができる。
【0012】
一実施形態では、ナイフの意図された使用者の視点から、ナイフの質量中心が、ナイフの長手方向軸線の左方または右方にあることが提供される。
【0013】
この場合には、質量中心は、右または左利きの人のために、ナイフは、ナイフがその長手方向軸線を中心として回転するときに、握り感覚および握り強さのために有利な質量分布を有するという効果を有することができる。換言すると、ナイフは、使用者の左または右手に心地よくフィットするように構成されることができる。
【0014】
別の実施形態では、柄は、ブレードの連続部、および、重量部を含み、重量部は、ブレードの連続部と1部品で形成されるか、或いは、摩擦および/または圧入連結部および/または物質と物質の結合部および/または形態フィット連結部によって前記ブレードの連続部に連結されていることが提供される。
【0015】
ブレードおよび柄は、好ましくは、取り外し可能な移行部なしに、および/または、取り外し可能な段部もしくはハプティック移行部なしに、ナイフにおいて互いに融合する。これは、ブレードおよび柄の一部が、1つの部品、および、好ましくは1つの材料からなる程度において達成される。
【0016】
ブレードおよびブレードの連続部はここで、好ましくは鋼、特にナイフ鋼で作られている。
【0017】
ナイフの質量中心の配置は、摩擦および/または圧入連結、および/または、物質と物質の結合、および/または、ブレードおよびブレードの連続部を形成する部分、好ましくはブレードの連続部に取り付けられた重量部を配置することによるか、或いは、重量部を、ブレードおよびブレードの連続部と1部品で構成し、この場合に、重量部は好ましくはブレードの連続部上にブレードの連続部と1部品で構成されることにより達成される。
【0018】
重量部はこの場合に、任意の材料、好ましくはブレードおよび/またはブレードの連続部と同じ材料からなることができ、しかしまた、特にブレードおよび/またはブレードの連続部の密度よりも高い密度を備えた材料からなることができる。
【0019】
別の実施形態では、重量部は、ブレードの連続部に設けられた凹部内に挿入可能であり、或いは、遊びなしに大部分または完全に挿入されている。
【0020】
凹部はこの場合、ブレード、および、ブレードの連続部が製造れるプロセス中にすでに挿入されていることができる。しかしながら、凹部は、別の製造ステップによって挿入されることもできる。
【0021】
重量部は、とりわけ、組み立て中に、質量中心が設計により所定の位置に配置されることを確保するために、凹部に遊びなしに大部分または完全に挿入されるべきである。
【0022】
別の実施形態では、柄はまた、好ましくは木で作られた、ケーシングを含み、前記ケーシングは、ブレードの連続部と一緒に連続面を形成する、ことが提供される。
【0023】
ナイフの柄の改良されたハプティックスのために、好ましくは鋼またはナイフ鋼からなるブレードの連続部は、ブレードの連続部に取り付けられたケーシングを有し、ケーシングおよびブレードの連続部は、知覚可能なぎざぎざまたは切欠き等のないほぼまたは完全に連続な面を形成する。
【0024】
ケーシングはここで、好ましくは、より温かい握り感覚を達成するために、ブレードの材料および/またはブレードの連続部の材料よりも低い熱伝導率を備えた材料からなる。
【0025】
ケーシングは、好ましくは木で作られている。しかしながら、ケーシングは、任意の材料、特にプラスチック、石、或いは、象牙、骨もしくは角のような動物起源の物質からなることができる。
【0026】
別の実施形態では、柄の面は、実質的にまたは専ら、ブレードの連続部およびケーシングによって形成されていることが提供される。
【0027】
この構造は、刺激性でありうる他の要素が柄上にないので、一方では、例えばナイフの有利なハプティックをもたらし、他方では、視覚的に魅力的な外観をもたらす。これは、
ナイフの人間工学的および美的価値を向上させる。
【0028】
別の実施形態では、使用に際してナイフの使用者に面する柄の端面、および/または、使用者の指のための柄の接触領域が、ケーシングによって完全に形成されていることが提供される。
【0029】
この実施形態は、とりわけ、ナイフの柄側からブレード側の明確な視覚的分離をもたらす事実を通じて有利であり、それらの領域を互いに直感的に分離することができる使用者のための心理人間工学的利点をもたらす。
【0030】
この実施形態はまた、例えば、ナイフの端面が減衰される打撃面を備えた打撃ツールとしてかくして利用されることができるので、有利である。
【0031】
さらに、ケーシングは、例えば全部のナイフを交換することなく、摩滅された打撃面の場合に交換されることができる。
【0032】
別の実施形態では、柄の形態、特にナイフの長手方向軸線に対する重量部の配置、および/または、使用者の手のための接触領域の形態が、左利きまたは右利きの人によって使用されるように構成されていることが提供される
【0033】
ナイフの長手方向軸線の左方または右方のいずれかに質量中心を備えたナイフの特定の実施形態は、それぞれ、左利きまたは右利きの人のために有利である構成をもたらす。これらの2つの実施形態はまた、関連した手の指が握る場合に、ケーシングから好ましくは形成される感じのよい握り面が存在し、面の形状が、手の面の形状が、関連した手に心地よくフィットする、および/または、ナイフの人間工学的に有利な使用のために設計されるように構成されるので、柄の形状がその他の仕方で形成される仕方によって、考慮される。
【0034】
柄は、好ましくは、実質的に円筒形の構成を有し、円筒の基部は、好ましくは、形状が、円形、楕円形または多角形である。
【0035】
別の実施形態では、ケーシングは、ナイフの長手方向軸線の1つは右方に、および、1つは左方に、使用者のための接触領域を形成し、前記2つの接触領域は、互いに対称的に構成されていることが提供される。
【0036】
通常、鋼またはナイフ鋼の機械的特性に劣る機械的特性を備えた材料で好ましくは作られているナイフの柄のケーシングは、ナイフの機械的強度にほとんど貢献しない。この理由で、ブレードは、柄からブレードへの荷重の伝達を確保し、ナイフが破断するのを防止するために、有利には柄領域内に延入する。手から柄への荷重の伝達は、例えば圧力を加えながらナイフで切断するときに、主として手のひらの付け根によって行われる。したがって、荷重を伝達するために、荷重が柄内に導入される領域で、ブレードの連続部が柄の面として示し、および、例えば、指先が接触する領域で、ケーシングが良好なハプティックスのための面として存在するならば、有利である。柄の非対称構造の故に、これらの設計考慮事項は、柄の非対称面をもたらす。
【0037】
別の実施形態では、ブレードおよび/またはブレードの連続部は、鍛造され、並びに/または、ブレードおよび/またはブレードの連続部および/または重量部は、フライス加工によって加工されることが提供される。例えば、重量部および/またはケーシングのための少なくとも1つのリセプタクルが、フライスインまたはフライスアウトされることが提供される。
【0038】
柄の構成要素として鍛造された連続部を備えた鍛造されたブレードは、例えば、転造されたシートから切断されたブレード、および、このブレードに取り付けられた柄と比べて、優れた機械的特性を有する。ブレードおよびブレードの連続部は、したがって、好ましくは1部品から鍛造される。鍛造加工は、高い不正確性を呈するので、ブレードは、次いで、研磨されなければならず、ブレードの連続部は、好ましくはフライス加工により、柄を形成するようにケーシングを備えて完成されるように加工されなければならない。重量部は、好ましくはブレードの連続部を備えて1部品で構成される場合には、同様に、ケーシングに接合するために、好ましくはフライス加工によって加工されることができる。
【0039】
重量部は、ブレードの連続部に設けられた凹部内に挿入されるべき場合には、重量部、および、ブレードの連続部に設けられた凹部は、好ましくはフライス加工によって、対応して加工されるべきである。
【0040】
別の実施形態では、ナイフは、3個以下の、好ましくは、互いに接合された2個の構成部品からなるように提供される。好ましくは、ナイフは、視覚的に、観察者によって見られることができる、2つだけの構成部品、特に、ケーシング、並びに、ブレードおよびブレードの連続部を含む1部品構成要素からなる。このようにして、ナイフの特にきれいな美観が達成されることができる。
【0041】
最も少ない数の部品における機能の一体化が著しいエンジニアリング入力を表すので、一方で、少ない数の部品は、ナイフのためのより低い組み立てコストという利点を有し、他方で、少ない数の個々の部品を備えた連続部はまた、ナイフの技術的価値をもたらすことを証明する。
【0042】
ここで、語“a”および“an”は必ずしも正確に要素の1つに言及するものではなく、これは、1つの可能な構成を表すのみならず、複数の要素を表すこともあり得ることが指摘される。同様に、複数形の使用は、単数形の問題とする要素の存在をも含み、逆もまた同様に、単数形もまた、問題とする要素の複数をもカバーする。
【0043】
本発明の更なる利点、特徴、および、効果は、同じまたは同様な構成要素が同じ参照符号によって示されている図面を参照した好ましい実施形態の以下の説明から取られることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】ブレード、前記ブレードの連続部、前記ブレードの連続部に連結された重量部を備えた、または、ケーシングなしのナイフの一部の一実施形態を前記ブレードの例示的な実施形態と共に示している。
【
図2】ケーシングを備えた本発明によるナイフの別の実施形態をブレードの別の例示的な実施形態と共に示している。
【
図3】ケーシングを備えた本発明によるナイフの別の実施形態を1つの側からの図においてブレードの別の例示的な実施形態と共に示している。
【
図4】もう1つの側からの図において本発明によるナイフの一実施形態を示している。
【
図5】
図4のラベルAの観察方向に沿った
図4からのナイフの図である。
【
図6】
図4のラベルBの観察方向に沿った
図4からのナイフの図であって、ナイフが、平らな面上でブレードの切断エッジ上で立っており、所定の好ましい方向に傾くことができるナイフの図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1には、本発明によるナイフ10の一実施形態の切断エッジ1aを備えたブレード1、ブレードの連続部2、および、重量部3が示されている。
【0046】
図1では、ブレード1のブレードの連続部2への継ぎ目なし移行部がわかり、そのため、ブレード1とブレードの連続部2の間には明確な境界を描くことができない。これは、
図2並びに
図3および
図4に示されている本発明によるナイフ10の実施形態でもわかる。
【0047】
図1におけるブレード1およびブレードの連続部2は、1部品で作られている。ブレード1およびブレードの連続部2は、好ましくは鍛造されている。重量部3は、同様にブレード1およびブレードの連続部2と1部品で構成されるか、或いは、ブレードの連続部2に追加的に取り付けられることができる。この場合には、ブレード1、ブレードの連続部2、および、重量部3は、好ましくは、フライス削り輪郭部によって必要な形状にもたらされることができる。
【0048】
図1に示されている例示的な実施形態における切断エッジ1aは、凸形形状を有し、
波形線に研がれている。
【0049】
図2には、本発明によるナイフ10の別の実施形態の切断エッジ1aを備えたブレード1、ブレードの連続部2、および、ケーシング4が示されている。
【0050】
図2では、ケーシング4およびブレードの連続部2によって形成された連続面がわかる。
【0051】
図2から、ケーシング4が重量部3を覆っていることが同様に導出されることができる。観察方向Bにおいて見えるナイフの尻部、または柄の近位端面が、この実施形態においてケーシング4によって完全に形成されている。
【0052】
図2では、柄の面が、ブレードの連続部2およびケーシング4によって実質的にまたは専ら形成されることが同様にわかる。
【0053】
図2、並びに、
図3、
図4、および、
図5において、ブレードの連続部2およびケーシング4が組み立てられたときに、ブレードの連続部2とケーシング4の間に形成される境界輪郭24がわかる。
【0054】
図2に示されている例示的な実施形態における切断エッジ1aは、凸形形状を有し、
波形線に研がれている。
【0055】
図3では、本発明によるナイフ10の一実施形態の切断エッジ1aを備えたブレード1、ブレードの連続部2、および、ケーシング4が、第1の側からの図において示されている。
【0056】
図4では、ナイフ10は、第2の側からの図において示されている。さらに
図4では、ナイフの2つ観察方向が、ナイフのブレードの先から見られる観察方向A、および、ナイフの柄側から、もしくはナイフの尻部から見られる観察方向Bにおいて描かれている。
【0057】
図3および
図4からのナイフ10のケーシング4は、ナイフの長手方向の右方に1つ、および、左方に1つの使用者の手のための接触領域を形成しており、2つの接触領域は、接触領域の各々において、特にナイフの連続部2およびケーシング4の材料の比率に関して、互いに非対称に構成されている。特に、境界輪郭24は、
図3と
図4の比較からわかるように、非対称である。
【0058】
図3および
図4では、示されている本発明によるナイフ10の実施形態の切断エッジ1aは、凸形形状を有し、ほぼ真っ直ぐな線に研がれている。
【0059】
図5では、ブレード1、ブレードの連続部2、および、ケーシング4を備えた
図4からのナイフ10の観察方向Aにおける図が、示されている。
【0060】
図5では、ナイフ10のケーシング4が、ナイフの長手方向の右に1つ、および、左に1つの使用者の手のための接触領域を形成しており、2つの接触領域は、接触領域の各々において、特に形状に関して互いに非対称に構成されていることが明らかにされている。同様に、したがって、境界領域24は、形態が非対称である。
【0061】
ケーシング4およびブレードの連続部2の接触面は、いかなる認識可能な移行部、ぎざぎざ等もない連続面を形成している。
【0062】
図6には、ブレード1、平らな面上に立っている切断エッジ1a、および、質量中心の配置に応じて傾くことができる好ましい方向S1、S2を備える、
図4からのナイフ10の観察方向Bにおける図が、示されている。この図では、使用者に面する柄の端面が、ケーシング4によって形成されている。
【0063】
本発明によれば、ナイフ10の質量中心が、ナイフがブレードの切断エッジ上で立っている位置から、ナイフの質量中心が
図6の図においてナイフ10の長手方向の左方に配置されている場合には好ましい方向S1に、または、ナイフの質量中心が
図6の図においてナイフ10の長手方向の右方に配置されている場合には好ましい方向S2のいずれかにナイフが傾くような、ナイフ10の長手方向からの距離のところに配置されている。
【0064】
質量中心はここで、ナイフが常に好ましい方向に安定的に傾くようなナイフ10の長手方向軸線からの距離のところにある。
【符号の説明】
【0065】
1 ブレード
1a 切断エッジ
2 ブレードの連続部
3 重量部
4 ケーシング
10 ナイフ
24 境界輪郭
【外国語明細書】