(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023031220
(43)【公開日】2023-03-08
(54)【発明の名称】制御方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G05B 19/05 20060101AFI20230301BHJP
G05B 19/042 20060101ALI20230301BHJP
【FI】
G05B19/05 L
G05B19/042
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022040005
(22)【出願日】2022-03-15
(62)【分割の表示】P 2021135963の分割
【原出願日】2021-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】519259607
【氏名又は名称】オシュン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100220711
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 朗
(72)【発明者】
【氏名】今橋 景人
(72)【発明者】
【氏名】石田 功
【テーマコード(参考)】
5H220
【Fターム(参考)】
5H220AA01
5H220BB01
5H220BB05
5H220BB07
5H220CC01
5H220CC09
5H220CX05
5H220CX09
5H220HH01
5H220JJ03
5H220JJ04
5H220JJ12
5H220JJ17
(57)【要約】
【課題】センサのプローブ数を必要に応じて増減する。
【解決手段】監視対象の物理量及び化学量、これらの変化量、並びに/又は監視対象の状態を検出する1以上の検出装置(14)と、検出装置(14)に接続されて、検出装置(14)からの検出データを入力する複数の端子(11)を有するコネクタハブ(1)と、コネクタハブ(1)に搭載され、処理装置(16)及び記憶装置(18)を含む制御ユニット(15)とを備える。コネクタハブ(1)の記憶装置(18)は、検出装置(14)から収集した検出データを蓄積するデータメモリ(81)を含み、コネクタハブ(1)は、更に他のコネクタハブ(2-10)を着脱自在に接続できる連結装置(22)を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタハブの各端子に対し、デジタル入力、アナログ入力、デジタル出力又はアナログ出力の何れかの端子方式を割り当てる過程と、
監視対象の物理量及び化学量、これらの変化量、並びに/又は監視対象の状態を複数の検出装置によって検出する過程と、
端子方式が決定された複数の端子に検出装置からの検出データを入力する過程と、
端子に入力されたアナログ信号による検出データを、AD変換部によって、アナログ信号からデジタル信号に変換する過程と、
コネクタハブの端子に入力されたデジタル信号による検出データ、及びAD変換部によりデジタル信号に変換された検出データを、デジタル受信部によって受信する過程と、
デジタル受信部に受信された検出データを、蓄積処理部によって、記憶装置の各データメモリに蓄積させる過程と、
デジタル受信部に受信された又は各データメモリに蓄積された検出データの数値と、記憶装置の閾値データベースに記憶された閾値とを、比較部によって比較する過程と、
比較部による比較結果に基づき、駆動発信部によって、コネクタハブの端子に接続された被駆動装置に対し、駆動信号を出力する過程とを含む制御方法において、
監視装置に対し、少なくとも、近位のマスタ従属システムと、遠位のマスタ従属システムとを直列接続させる過程と、
近位のマスタ従属システム内で伝送路の通信が遮断された場合、遠位のマスタ従属システムのマスタコネクタハブは、近位のマスタ従属システムのマスタコネクタハブに検出データが伝送路を通じ送信されないことを感知し、遠位のマスタ従属システムのマスタコネクタハブの補助通信装置を介して、遠位のマスタ従属システムと監視装置とを無線接続する過程と、
遠位のマスタ従属システムのマスタコネクタハブの全データメモリ及び全駆動メモリを監視することにより、少なくとも遠位のマスタ従属システム以遠の全てのマスタ従属システムの検出データ及び駆動プログラムを監視する過程とを含み、
近位及び遠位のマスタ従属システムの各々は、外部に対し通信可能な補助通信装置を含むマスタコネクタハブと、マスタコネクタハブに連続して従属する1以上の従属コネクタハブとを備え、
1以上の従属コネクタハブは、1以上のマスタコネクタハブ、及び/又は補助通信装置を含まない1以上のスレーブコネクタハブを含むことを特徴とする制御方法。
【請求項2】
コネクタハブの各端子に対し、デジタル入力、アナログ入力、デジタル出力又はアナログ出力の何れかの端子方式を割り当てる過程と、
監視対象の物理量及び化学量、これらの変化量、並びに/又は監視対象の状態を複数の検出装置によって検出する過程と、
端子方式が決定された複数の端子に検出装置からの検出データを入力する過程と、
端子に入力されたアナログ信号による検出データを、AD変換部によって、アナログ信号からデジタル信号に変換する過程と、
コネクタハブの端子に入力されたデジタル信号による検出データ、及びAD変換部によりデジタル信号に変換された検出データを、デジタル受信部によって受信する過程と、
デジタル受信部に受信された検出データを、蓄積処理部によって、記憶装置の各データメモリに蓄積させる過程と、
デジタル受信部に受信された又は各データメモリに蓄積された検出データの数値と、記憶装置の閾値データベースに記憶された閾値とを、比較部によって比較する過程と、
比較部による比較結果に基づき、駆動発信部によって、コネクタハブの端子に接続された被駆動装置に対し、駆動信号を出力する過程とを含む制御方法において、
外部に対し通信可能な補助通信装置を含むマスタコネクタハブと、マスタコネクタハブに連続して従属する1以上の従属コネクタハブとを備えるマスタ従属システムを、複数設ける過程と、
監視装置に直接的に接続された第1マスタ従属システムに対し、その他のマスタ従属システムが長距離、環境条件、自然物又は人工障害物の影響により有線接続できない場合、有線接続できない最近位のマスタ従属システムの補助通信装置と第1マスタ従属システムとの間で無線接続する過程と、
有線接続できない最近位のマスタ従属システムが、自己以遠のマスタ従属システム全ての検出データ及び駆動プログラムを、第1マスタ従属システムのマスタコネクタハブに送信する過程と、
第1マスタ従属システムのマスタコネクタハブの全データメモリ及び全駆動メモリがそれぞれ、検出データ及び駆動プログラムを記憶する過程と、
有線接続できない状況が解消した場合、無線接続を停止する過程とを含み、
1以上の従属コネクタハブは、補助通信装置を含む1以上のマスタコネクタハブ、及び/又は補助通信装置を含まない1以上のスレーブコネクタハブを含むことを特徴とする制御方法。
【請求項3】
少なくとも端子及び制御ユニットを含む校正用コネクタハブと、校正用コネクタハブの端子に接続された検出装置のプローブと、プローブが浸漬される校正液とを準備する過程と、
プローブを校正用コネクタハブの端子に電気接続して、容器に入れた校正液中にプローブを浸漬させる過程と、
校正用コネクタハブに電源を入れ、プローブを校正液に浸漬させた状態での実測値を測定する過程と、
測定された実測値と、予め記憶されていた基準値とを比較し、その差異に基づく固有の校正係数をプローブに割り当てる過程と、
校正係数は、対応するプローブに紐付けされて、校正用コネクタハブの記憶装置に記憶される過程とを含む請求項1又は2に記載の制御方法。
【請求項4】
コネクタハブは、校正用コネクタハブに記憶されたプローブの校正係数を校正用コネクタハブから取得し、校正データベースに記憶させる過程と、
プローブから得られた検出データに対し、校正部において、校正データベースに記憶された校正係数を演算で加味する過程とを含む請求項3に記載の制御方法。
【請求項5】
デジタル受信部に受信された検出データを保存又は蓄積させるために、データ送信部によって、監視装置、クラウドストレージ、プログラマブルロジックコントローラ及び/又は他のコネクタハブに検出データを送信する過程を更に含み、
監視装置は、パーソナルコンピュータ、移動体装置、スマートフォン、携帯電話、タブレット、及びプログラマブルロジックコントローラ、並びに監視プログラムを搭載した専用装置及び基板から選択される1以上を含む請求項1~4の何れか1項に記載の制御方法。
【請求項6】
1以上のコネクタハブの記憶装置に蓄積された検出データ及び駆動プログラムを、通常の伝送路を通じて又は補助通信装置による無線伝送路を通じて、他のコネクタハブに送信する過程と、
送信された検出データ及び駆動プログラムを他のコネクタハブの記憶装置に蓄積して、監視装置へのデータ伝送元を、1のコネクタハブから他のコネクタハブに切り替える過程とを含む請求項1~5の何れか1項に記載の制御方法。
【請求項7】
別々の伝送路により監視装置に無線接続されて各被駆動装置を駆動制御する複数のマスタ従属システムを、互いに直列に無線接続させて一系列化する過程と、
最近位のマスタ従属システムのみを監視して、全てのマスタ従属システムに接続された被駆動装置の動作を監視する過程とを含む請求項1~6の何れか1項に記載の制御方法。
【請求項8】
一連の複数のコネクタハブからの検出データを、複数のマスタコネクタハブの補助通信装置を介して、複数の異なる送信先に送信する過程を含む請求項1~7の何れか1項に記載の制御方法。
【請求項9】
請求項1~8の何れか1項に記載の制御方法をコンピュータに実行させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサから取得した検出データを用いた制御方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
監視対象の物理量及び化学量をセンサにより取得し電気信号として出力し、その信号に基づき、装置等の駆動を制御する場合、例えば、
図11に示す制御システム(単一専用基板型)の構成が知られる。
図11は、センサのプローブ114と、プローブ114に電気接続された専用基板99と、専用基板99に電気接続され、専用基板99からの信号に基づき、駆動プログラムに従い被駆動装置(図示せず)の動作を制御する制御装置112とを備える。
【0003】
図11に示す制御システムでは、特定のプローブ114に対し専用基板99が必要である。即ち、一専用基板99には特定のプローブ114以外を接続できない(汎用性が無い)ため、異種のセンサを複数使用する場合、
図12のとおり、プローブ114a-114dと対応する専用基板99a-99dとの複数対を制御装置112に各々接続する必要がある。しかし、この多系列(並列)専用基板型の制御システム(
図12では4系列)では、駆動プログラム及び制御方法が複雑化し、また、単一の制御装置112に負担がかかり、情報処理能力及び処理速度が低下する。また、単一の制御システム(
図11)を、プローブ114の数を増やす目的で2系列以上にする場合、制御装置112の駆動プログラムを変更する必要がある。
【0004】
図13は、2系列以上制御システムを回避しながらプローブ数を増やす目的で、各プローブ114a-114dに接続された専用基板99a-99dを直列接続した制御システム(1系列専用基板型)の着想を示す。しかし、専用基板99a-99dは、特定のプローブ114a-114dにのみ接続するように設計されるため、実際には
図13のように基板同士を直列接続できない(拡張性及び超汎用性が無い)。即ち、
図13の着想は実質的に不可能である。仮に、
図13のシステムを実現できても、複数の専用基板99a-99d又は伝送路の一部に故障131又はメンテナンスの必要が生じた場合、直列伝送路の遮断により、少なくとも故障131位置以遠の専用基板99c-99dと制御装置112とが送受信できなくなる。また、一系列の場合、ハッキングにより情報が一括して抜き取られ易い。
【0005】
特許文献1は、マイクロコントローラを有する制御基板と、センサ素子を備える専用のセンサ基板と、制御基板及びセンサ基板間に中継基板とを備えるセンサ装置を開示する。特許文献1の着想に従う
図14は、中継装置としてコネクタハブ101を用い、コネクタハブ101の接続端子111に専用基板99a-99dを各々物理的に電気接続し、必要に応じてプローブ114a-114dの数を一定数の範囲内で増減できる制御システム(単一コネクタハブ・多系列専用基板型)を示す。しかし、
図14のコネクタハブ101の接続端子111では、所定数(
図14では4チャンネル)を超えて専用基板99a-99dを接続できない。また、接続端子111は、アナログ又はデジタルの何れか、入力又は出力の何れかに固定された固定端子であるため、必要に応じて、端子方式の変更ができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開WO2017/149625公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、前記従来技術の課題を解決するコネクタハブシステムを用いた制御方法及び制御プログラムの提供を目的とする。即ち、本発明は、センサのプローブ数を必要に応じて増減できる、コネクタハブシステムを用いた制御方法及び制御プログラムを提供する。専用基板を必要とせず、また、複数のコネクタハブの一部が停止した場合でも正常な動作を維持できる、コネクタハブシステムを用いた制御方法及び制御プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
【0009】
【0010】
本発明の制御方法は、コネクタハブ1,2の各端子11に対し、デジタル入力、アナログ入力、デジタル出力又はアナログ出力の何れかの端子方式を割り当てる過程と、監視対象の物理量及び化学量、これらの変化量、並びに/又は監視対象の状態を複数の検出装置14,24によって検出する過程と、端子方式が決定された複数の端子11に検出装置14,24からの検出データを入力する過程と、端子11に入力されたアナログ信号による検出データを、AD変換部62によって、アナログ信号からデジタル信号に変換する過程と、コネクタハブ1,2の端子11に入力されたデジタル信号による検出データ、及びAD変換部によりデジタル信号に変換された検出データを、デジタル受信部63によって受信する過程と、デジタル受信部63に受信された検出データを、蓄積処理部65によって、記憶装置18の各データメモリ81aに蓄積させる過程と、デジタル受信部63に受信された又は各データメモリ81aに蓄積された検出データの数値と、記憶装置18の閾値データベース82に記憶された閾値とを、比較部67によって比較する過程と、比較部67による比較結果に基づき、駆動発信部68によって、コネクタハブ1,2の端子11に接続された被駆動装置21a-21cに対し、駆動信号を出力する過程とを含む。
監視装置13に対し、少なくとも、近位のマスタ従属システムMS1と、遠位のマスタ従属システムMS2とを直列接続させる過程と、近位のマスタ従属システムMS1内で伝送路26の通信が遮断された場合、遠位のマスタ従属システムMS2のマスタコネクタハブ4Mは、近位のマスタ従属システムMS1のマスタコネクタハブ1Mに検出データが伝送路26を通じ送信されないことを感知し、遠位のマスタ従属システムMS2のマスタコネクタハブ4Mの補助通信装置19を介して、遠位のマスタ従属システムMS2と監視装置13とを無線接続する過程と、遠位のマスタ従属システムMS2のマスタコネクタハブ4Mの全データメモリ81及び全駆動メモリ83を監視することにより、少なくとも遠位のマスタ従属システムMS2以遠の全てのマスタ従属システムの検出データ及び駆動プログラムを監視する過程とを含み、近位及び遠位のマスタ従属システムMS1,MS2の各々は、外部に対し通信可能な補助通信装置19を含むマスタコネクタハブ1M,4Mと、マスタコネクタハブ1M,4Mに連続して従属する1以上の従属コネクタハブ2S,3S,5Sとを備え、1以上の従属コネクタハブ2S,3S,5Sは、1以上のマスタコネクタハブ、及び/又は補助通信装置19を含まない1以上のスレーブコネクタハブ2S,3S,5Sを含む。
外部に対し通信可能な補助通信装置19を含むマスタコネクタハブ1M,4Mと、マスタコネクタハブ1M,4Mに連続して従属する1以上の従属コネクタハブ2S,3S,5Sとを備えるマスタ従属システムMS1,MS2を、複数設ける過程と、監視装置13に直接的に接続された第1マスタ従属システムMS1に対し、その他のマスタ従属システムMS2が長距離、環境条件、自然物又は人工障害物の影響により有線接続できない場合、有線接続できない最近位のマスタ従属システムMS2の補助通信装置19と第1マスタ従属システムMS1との間で無線接続する過程と、有線接続できない最近位のマスタ従属システムMS2が、自己以遠のマスタ従属システム全ての検出データ及び駆動プログラムを、第1マスタ従属システムMS1のマスタコネクタハブ1Mに送信する過程と、第1マスタ従属システムMS1のマスタコネクタハブ1Mの全データメモリ81及び全駆動メモリ83がそれぞれ、検出データ及び駆動プログラムを記憶する過程と、有線接続できない状況33が解消した場合、無線接続を停止する過程とを含み、1以上の従属コネクタハブ2S,3S,5Sは、補助通信装置19を含む1以上のマスタコネクタハブ、及び/又は補助通信装置19を含まない1以上のスレーブコネクタハブ2S,3S,5Sを含む。
本発明の制御方法では、各端子に対し、デジタル入力、アナログ入力、デジタル出力又はアナログ出力の何れかの端子方式を割り当てる過程を含むため、端子方式を自由に選択でき、固定端子(端子方式を選択変更できない端子)に必要であったセンサ専用基板が不要となる。
【0011】
本発明の制御プログラムは、前記制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。検出装置14,24から得られた検出データに基づき、被駆動装置21a-21cを確実に駆動制御して、被駆動装置21a-21cの効率的な運転を実行できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の制御方法及び制御プログラムは、センサプローブ及び被制御装置の数を適宜増減でき、またセンサ専用基板を必要としないため、汎用性及び追加拡張性に優れた、コネクタハブシステムを提供できる。また、複数のコネクタハブのうち先頭の近位端のみを監視して、監視処理負担の軽減を図ることができ、誤作動が無く安全及び確実に、被駆動装置を制御できる。更に、本コネクタハブシステム内でデータを適宜移動でき、ハッキング及びテロ対策に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】コネクタハブシステム(第1の実施形態)を示すブロック図
【
図2】
図1に示す制御ユニットの構成を示すブロック図
【
図3】コネクタハブシステム(第2の実施形態)を示すブロック図
【
図4】コネクタハブシステム(第3の実施形態)を示すブロック図
【
図5】本発明による制御方法を実施するコネクタハブシステム(第4の実施形態)を示すブロック図
【
図6】本発明による制御方法を実施するコネクタハブシステム(第5の実施形態)を示すブロック図
【
図7】本発明による制御方法を実施するコネクタハブシステム(第6の実施形態)を示すブロック図
【
図8】本発明による制御方法を実施するコネクタハブシステム(第7の実施形態)を示すブロック図
【
図9】本発明による制御方法を実施するコネクタハブシステム(第8の実施形態)を示すブロック図
【
図10】本発明による制御方法を実施するコネクタハブシステムを用いセンサを校正する実施形態を示すブロック図
【
図11】従来の制御システム(単一専用基板型)を示すブロック図
【
図12】従来の制御システム(多系列専用基板型)を示すブロック図
【
図13】従来の制御システム(1系列専用基板型)を示すブロック図
【
図14】従来の制御システム(単一コネクタハブ・多系列専用基板型)を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明による実施形態を
図1~
図10を参照して説明する。下記実施形態は例示であり本発明を限定解釈するものではない。
図1は、コネクタハブシステム(第1の実施形態)を示す。本システムは、監視対象の物理量及び化学量、これらの変化量、並びに/又は状態を検出する複数の検出装置14と、検出装置14からの検出データが入力される複数の端子11を有する1つのコネクタハブ1とを備える。
【0015】
検出装置14及び
図3以降に示す検出装置24は、センサ又は測定器であって、光、温度、湿度、気圧、位置、距離、水平等の環境情報、臭気、気体濃度、有毒性等の気体成分情報、水硬度、水粘度、水素イオン濃度(pH)、窒素量、アンモニア、残留塩素、塩分、導電率、色度、濁度、化学物質、放射能等の液体成分情報、水位、圧力、液量、気体残量、粉体残量、流量、重量等の質量情報、物質硬度、物質特性(木、金属、ガラスなどの判別)等の物質情報、流速、速度、時間等の速度情報、使用電力量、電圧量等の電気エネルギー情報、及び電磁弁の開閉、使用状態を示すランプ、ボタンスイッチ、ポンプ等の動作情報から選択される1以上の検出データを出力する。また、検出装置14は、物理的又は化学的現象を電気信号として出力するセンサプローブ、電子素子、カメラ、マイクロフォン等を含む。監視対象の物理量は、例えば、力、光、電磁波、温度、音声、速度、加速度等を含み、監視対象の化学量は、例えば、pH、濃度、濃度、毒性等を含む。
【0016】
図1の実施形態では、1つのコネクタハブ1に6個の端子(CN1-CN6)11を設け、入力端子としてセンサプローブPr1-Pr3が接続された端子CN1-CN3を備える。端子11の数及び大きさ、そして接続されたセンサプローブPr1-Pr3の数及び種類は、限定されるものではない。端子11は、デジタル若しくはアナログ入力端子、又はデジタル若しくはアナログ出力端子の何れかを選択し、変更もできるため、仮想端子、仮想入出力端子、又は可変端子と指称される。コネクタハブ1には、制御ユニット15が搭載され、制御ユニット15は、揮発性メモリ(RAM)及び不揮発性メモリ(ROM)を含む記憶装置18を備える。コネクタハブ1の記憶装置18は、コネクタハブ1の検出装置14から収集した検出データを蓄積するデータメモリ81を含む。データメモリ81は、過去及び現在の全ての検出データを容量範囲内で記憶できる。データメモリ81に記憶された検出データは、処理装置(中央処理装置、CPU)16及び図示しないデータバスを通じて、コネクタハブ1の外部から監視され得る。制御ユニット15は、オペレーティングシステム(OS)により動作され得る。
図1のコネクタハブ1は、更に他のコネクタハブ2-10を着脱自在に接続できる連結装置22を備える。
図1のブロック図では、連結装置22を1つの枠により概略示するが、2つ以上のポート(
図3及び
図9に例示)又はインタフェースから構成され得る。連結装置22は、データ送受信が可能であれば限定はないが、汎用性を有する、ユニバーサルシリアルバス(USB)又はローカルエリアネットワーク(LAN)のコネクタ、Wi-Fi又はBluetoothのインタフェースが好ましい。コネクタハブ1と他のコネクタハブ2-10との規格を統一、例えば制御ユニット15で使用するOSを統一することにより、複数連結したコネクタハブが障害無く動作する。
【0017】
図2は、制御ユニット15内の構成を概略示するブロック図である。制御ユニット15の処理装置16は、検出装置14からコネクタハブ1の端子11に入力されたアナログ信号による検出データをデジタル信号に変換するAD変換部62と、コネクタハブ1の端子11に入力されたデジタル信号による検出データ、及びAD変換部62によりデジタル信号に変換された検出データを、受信するデジタル受信部63とを備える。AD変換部62及びデジタル受信部63により、制御ユニット15に必要な入力信号を生成して、本発明ではセンサ専用基板を必要としない。デジタル受信部63に受信された検出データを、後述する校正部64を介し又は介さずに、記憶装置18の各データメモリ81aに蓄積させる蓄積処理部65を含む。デジタル受信部63に受信された又は各データメモリ81aに蓄積された検出データをコネクタハブ1の外部に送信する任意のデータ送信部66を設けてもよい。AD変換部62は、アナログ信号を標本化、量子化及び符号化してデジタル信号に変換するアナログ-デジタル(AD)コンバータであり、例えば、フラッシュ型、逐次比較型、パイプライン型、デルタシグマ型、二重積分型のADコンバータを含む。各データメモリ81aは、
図1に示すデータメモリ(全データメモリ)81の一部分でも、データメモリ81から独立してもよい。各データメモリ81aには、コネクタハブ1のみから得られた検出データが蓄積される。
【0018】
図2の制御ユニット15は更に、デジタル受信部63に受信された又は各データメモリ81aに蓄積された検出データの数値と、記憶装置18の閾値データベース82に記憶された閾値とを比較する比較部67と、比較部67による比較結果に基づき、コネクタハブ1の端子11に接続され得る被駆動装置21a-21cに対し、デジタル信号又はアナログ信号の駆動信号を出力する駆動発信部68とを含み得る。閾値データベース82には、検出装置14の種類及び情報に関連付けた閾値データ(検出装置14がpHセンサの場合、例えば上限閾値pH8.6及び下限閾値pH5.8)が記憶される。閾値は、遠隔で監視装置13により、並びに現場で接続可能なパーソナルコンピュータ及びコネクタハブ搭載のプログラマブルロジックコントローラ(PLC)12(
図5)等により、書き換え可能である。
【0019】
図3は、コネクタハブシステム(第3の実施形態)を示す。
図1と同一構成の説明を省略する。本システムは、検出装置14,24からの検出データが入力される複数の端子11を有する一連の複数のコネクタハブとして、近位端コネクタハブ1と、近位端コネクタハブ1に接続された末端コネクタハブ2とを備える。2つの連続するコネクタハブ1,2の各々に6個の端子(CN1-CN6)11を設け、入力端子としてセンサプローブPr1-Pr3が接続された端子CN1-CN3と、出力端子として被駆動装置21a-21cが接続された端子CN4-CN6とを備える。被駆動装置21a-21cの数及び種類は、限定されるものではない。コネクタハブ1,2の制御ユニット15は、記憶装置18と、記憶装置18に記憶された駆動プログラムの指令に従い、入力された検出データに基づき、外部の被駆動装置21a-21cの動作を制御する処理装置(中央処理装置、CPU)16とを含む。各コネクタハブ1,2に記憶装置18を備えるため、全てのコネクタハブ1,2の1以上にデータを蓄積でき、一部の故障及び断線の際にデータを確実にバックアップできる。
【0020】
一連の複数のコネクタハブ1,2に対して、
図3のとおり、監視装置13が直列接続される。監視装置13は、記憶装置、処理装置、入力装置(キーボード、テンキー、マスス、タッチパネル、ボタン等)、出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)の1以上を含み、コネクタハブ1,2に有線又は無線通信可能な装置又はユーザインタフェースであって、検出装置14,24から取得される複数の検出データ及び駆動プログラムを監視する。監視装置13は、監視制御室内に固定された装置及び携帯可能な装置を含み、通信により記憶装置18に記憶された閾値及びプログラムを更新、書き換え又は変更できる。前記用語「プログラム」は、駆動プログラム、監視プログラム及び本発明の制御プログラムを含み、また、これら駆動、監視及び制御プログラム以外の、プログラム、アルゴリズム、オペレーションシステムプログラム、アプリケーションプログラムも含む、総称である。本明細書中の用語「駆動プログラム」、「監視プログラム」及び「制御プログラム」は、各々のアルゴリズム、オペレーションシステムプログラム、アプリケーションプログラムも含む意味である。監視装置13以外の装置からも、記憶装置18内の閾値及びプログラムを更新等できる。監視装置13及び監視装置13以外の装置は、例えば、パーソナルコンピュータ、移動体装置、スマートフォン、携帯電話、タブレット、プログラマブルロジックコントローラ(PLC、プログラマブルコントローラ、シーケンサ)から選択される1以上である。監視装置13は更に、監視プログラム又は専用オペレーティングシステム(OS)を搭載した専用装置及び基板を含む。
【0021】
図3の一連の2つのコネクタハブ1,2は、伝送路27を介して一方が監視装置13に直接的に接続された近位端コネクタハブ1と、近位端コネクタハブ1の他方に伝送路26を介して接続された末端コネクタハブ2とを含む。
図3では、コネクタハブを2つのみ備えるコネクタハブシステムを示すが、
図5以降のように、近位端コネクタハブ1と末端コネクタハブとの間に1以上のコネクタハブを設けてもよい。
【0022】
近位端コネクタハブ1の記憶装置18は、全てのコネクタハブの検出装置14,24から収集した検出データを蓄積する全データメモリ81を含む。全てのコネクタハブの検出装置14,24とは、近位端コネクタハブ1の端子11に接続された検出装置14だけでなく、末端コネクタハブ2の端子11に接続された検出装置24、及び近位端コネクタハブ1と末端コネクタハブ2との間の図示しない1以上のコネクタハブに接続された検出装置も含む意味である。全データメモリ81は、過去及び現在の全ての検出データを容量範囲内で記憶できる。近位端コネクタハブ1の全データメモリ81に全ての検出データが記憶されているため、監視装置13又は監視装置13使用者は、近位端コネクタハブ1のみにアクセスすれば、全てのコネクタハブ1,2の検出データを確認できる。即ち、
図3に示すコネクタハブシステムにより、近位端コネクタハブ1の記憶装置18のみを監視して、連続した全コネクタハブを一系列で監視でき、多系列によるシステムの複雑化及び処理速度低下を回避できる。
【0023】
近位端コネクタハブ1の記憶装置18は、コネクタハブ1,2に接続された被駆動装置21a-21cを制御する全ての駆動プログラムが蓄積される全駆動メモリ83を更に含む。監視装置13は、近位端コネクタハブ1の全駆動メモリ83を監視すれば、全てのコネクタハブ1,2の駆動プログラムを確認できる。更に監視装置13は、その検出データ及び駆動プログラムを確認した上で、駆動プログラム及び閾値を自動又は手動により更新及び変更できる。
図3のコネクタハブ1の連結装置22は、一方のポート22aが伝送路27を通じ監視装置13に接続され、他方のポート22bが伝送路26を通じコネクタハブ2に接続される。
図3のコネクタハブ2の連結装置22は、一方のポート22aが伝送路26を通じコネクタハブ1に接続され、他方のポート22bが開放状態、即ち他のコネクタハブ3-10に接続可能な状態を示す。これにより、本コネクタハブシステムでは、末端コネクタハブ2の連結装置22に対し、更に1以上の他のコネクタハブ3-10を追加的かつ着脱可能に直列接続できる。
【0024】
制御方法について、
図1~
図3を参照し説明する。近位端コネクタハブ1及び末端コネクタハブ2の各動作は、類似するため、特に記載する場合を除き、近位端コネクタハブ1の制御方法を主に示す。最初に、監視装置13によって、検出装置14の各端子11の端子方式(端子種類)を割り当て設定する。端子方式とは、デジタル入力端子、アナログ入力端子、デジタル出力端子又はアナログ出力端子の何れかである。本実施形態では、例えば、端子CN1及びCN2をアナログ入力端子に、端子CN3をデジタル入力端子に、並びに端子CN4-CN6をデジタル出力端子に各々割り当て監視装置13から設定する。次に、端子CN1及びCN2にそれぞれアナログ信号用プローブPr1,Pr2を、端子CN3にデジタル信号用プローブPr3を、並びに端子CN4-CN6にデジタル信号用被駆動装置(例えば弁)21a-21cを各々電気接続して、コネクタハブシステムを起動する。
【0025】
図1及び
図3に示すコネクタハブシステムでは、監視対象の物理量等を複数の検出装置14によって連続的又は間欠的に検出して電気信号に変換する。電気信号による検出装置14からの検出データを、複数の端子11からコネクタハブ1に入力する。本実施形態では、端子CN1及びCN2からアナログ信号を、並びに端子CN3からデジタル信号を、検出データとしてコネクタハブ1に入力する。コネクタハブ1の端子CN3に入力されたアナログ信号による検出データを、AD変換部62によってアナログ信号からデジタル信号に変換する。
【0026】
コネクタハブ1の端子CN3に入力されたデジタル信号による検出データは直接的に、端子CN1及びCN2に入力されたアナログ信号による検出データは前記のとおりAD変換部62でデジタル変換されて、それぞれデジタル受信部63に受信される。次に、デジタル受信部63に受信された検出データを、必要に応じて後述する校正部64を介し、蓄積処理部64によって、例えば、センサ種類、時刻、端子番号、時刻、使用条件等の情報と紐付けて、記憶装置18の各データメモリ81aに蓄積させる。デジタル受信部63に受信された検出データを、データ送信部66により、各データメモリ81a以外の記憶装置、例えば、監視装置13、クラウドストレージ39、プログラマブルロジックコントローラ12及び/又は他のコネクタハブの記憶装置18に送信し保存、蓄積又は記憶させてもよい。また、データ送信部66は、コネクタハブ2から得られた検出データをコネクタハブ1の全検出データメモリ81に送信する。
【0027】
更に、比較部67において、デジタル受信部63に受信された又は各データメモリ81aに蓄積された検出データの数値と、記憶装置18の閾値データベース82に記憶された閾値とを比較する過程を実行する。比較部67による比較結果に基づき、駆動発信部68によって、コネクタハブ1の端子11に接続された被駆動装置21a-21cに対し、駆動信号を出力する。駆動信号は、被駆動装置21a-21c側の要求に応じて、デジタル信号そのままで、又はDAコンバータによりアナログ信号に変換した後、出力される。例えば、タンク78(
図10(b))中の液体のpH制御の場合、検出データの数値がpH9.0、閾値データベース82に記憶された上限閾値がpH8.8のとき、比較部67は、検出データの数値が閾値より高いと判定し、駆動発信部68は、例えば、端子CN4に電気接続されたpH調整ポンプ21a(
図10(b))に駆動信号を出力し、pH調整ポンプ21aの起動により、タンク78中液体に対しpH低減(酸注入)の動作が実行される。
【0028】
図4は、コネクタハブシステムの第3の実施形態を示す。
図1及び
図3と同一構成の説明を省略する。本コネクタハブシステムでは、近位端コネクタハブ1及び末端コネクタハブ2を含む複数のコネクタハブ1,2は、外部に対し有線又は無線通信可能な補助通信装置19を含むマスタコネクタハブ1Mと、マスタコネクタハブ1Mに連続して従属する1以上の従属コネクタハブ2Sとを含み、一連のマスタ従属システムを構成する。
図4では、従属コネクタハブ2Sは、補助通信装置19を含まない1つのスレーブコネクタハブ2Sを含み、一連のマスタコネクタハブ1Mとスレーブコネクタハブ2Sとにより、マスタスレーブシステム(以下「MSシステム」という)MS1を構成する。補助通信装置19は、監視装置13との既存の伝送路27とは別のバイパスとしての無線伝送路28を通じ、監視装置13に通信手段を形成することができる。補助通信装置19及び無線伝送路28を備えるため、MSシステムMS1と監視装置13とは近距離である必要はない。
【0029】
図4に示すスレーブコネクタハブ2Sの処理装置16は、スレーブコネクタハブ2Sの複数の検出装置24から収集した検出データを、少なくともマスタコネクタハブ1Mに送信するデータ送信部66を含む。データ送信部66は、端子11から入力された検出データを逐次的にマスタコネクタハブ1Mに送信(ストリーム処理)するが、蓄積処理部65(
図2)により、一旦、各データメモリ81a(
図2)に蓄積した検出データをデータ送信部66により定期的に纏めて送信(バッチ処理)してもよい。また、コネクタハブ間が長距離の場合等には、1又は2以上のリピータ(リピータハブ)23をコネクタハブ1M,2S間に設け、検出装置14,24からの検出データ信号を増幅させ信号の安定化を図る。リピータ23を
図3及び
図5~
図10に示すコネクタハブシステムにも適用できる。
図4の実施形態では、MSシステムMS1を示したが、マスタコネクタハブ1Mと、それに連続して従属する1以上のマスタコネクタハブとにより、マスタマスタシステム(以下「MMシステム」という)を構成してもよい。
【0030】
図5は、本発明による制御方法を実施するコネクタハブシステムの第4の実施形態を示す。本システムは、監視装置13と、伝送路27を通じて一方が監視装置13に接続された第1マスタ従属システムMS1と、第1マスタ従属システムMS1の他方に接続された第2マスタ従属システムMS2とを備える。第1及び第2マスタ従属システムMS1,MS2は各々、外部に対し通信可能な補助通信装置19を含むマスタコネクタハブ1Mと、マスタコネクタハブ1Mに連続して従属する1以上の従属コネクタハブ2Sとを備える。1以上の従属コネクタハブは、1以上のマスタコネクタハブ及び/又は補助通信装置19を含まない1以上のスレーブコネクタハブであり、第1及び第2マスタ従属システムMS1,MS2の各々は、MSシステム又はMMシステムを構成し得る。
【0031】
図5に示す第1マスタ従属システムとしての第1MSシステムMS1は、1つのマスタコネクタハブ1Mと2つのスレーブコネクタハブ2S,3Sとを含み、第2マスタ従属システムとしての第2MSシステムMS2は、1つのマスタコネクタハブ4Mと1つのスレーブコネクタハブ5Sとを含む。また、
図5に示すマスタコネクタハブ1M,4Mでは、全データメモリ81及び全駆動メモリ83が、前記実施形態と同様に、全ての検出データ及び駆動プログラムを蓄積するように機能する。
図5のプログラマブルロジックコントローラ(PLC)12は、制御ユニット15又は監視装置13の補完的役割として、各マスタコネクタハブ1M,2Mに搭載され得る。例えばPLCのユーザインタフェース(タッチパネル等)を用いて、駆動プログラム、その他のプログラムを現場で更新、書き換えできる。
【0032】
図5のコネクタハブシステムを用いた本発明の制御方法は、最初に、本システムの外部に対し有線又は無線通信が可能な補助通信装置19を含むマスタコネクタハブ1Mと、マスタコネクタハブ1Mに連続して従属する1以上の従属(スレーブ)コネクタハブ2Sとを含む、マスタ従属(スレーブ)システムMS1,MS2を複数設ける。そして、監視装置13に対し、少なくとも、近位の第1MSシステムMS1と、遠位の第2マスタ従属システムMS2とを直列接続させる。即ち、第1MSシステムMS1に対し監視装置13側と反対側に直接的に第2MSシステムMS2を接続する。次に第2MSシステムMS2のマスタコネクタハブ4Mの記憶装置18に、全データメモリ81及び全駆動メモリ83を設ける。
【0033】
図5のコネクタハブシステムにおいて、第1MSシステムMS1内の伝送路26に、電気的障害、物理的断線等による通信の遮断(
図5×印)31が生じた場合、遮断31位置の直近末端側のマスタコネクタハブ4Mは、マスタコネクタハブ1Mに検出データが伝送路26を通じ送信されないことを感知する。複数回試みても送信されない場合、マスタコネクタハブ4Mは、その補助通信装置19を介して、監視装置13に対し無線伝送路28を形成する。即ち、近位端コネクタハブの全データメモリ81及び全駆動メモリ83に対する被監視機能を、マスタコネクタハブ1Mから第2MSシステムMS2のマスタコネクタハブ4Mに切り替える。これにより、監視装置13は、無線伝送路28を通じて、第2MSシステムMS2のマスタコネクタハブ4Mの全データメモリ81及び全駆動メモリ83を監視して、少なくとも第2MSシステムMS2以遠の全てのMSシステムの検出データ及び駆動プログラムを監視できる。
【0034】
図6は、本発明による制御方法を実施するコネクタハブシステムの第5の実施形態を示す。本システムは、2つのマスタ従属システムとして、第1及び第2MSシステムMS1,MS2を備えるが、両者を有線接続できない状況33を示す。状況33は、例えば、長距離、環境条件、自然物、人工障害物等の影響により有線接続できない場合である。
図6では、第2MSシステムMS2がその直前に有線接続できない状況33を示すが、図示しない第3以後のMSシステムがその直前に有線接続できない状況もあり得る。
図6のシステムでは、マスタコネクタハブ1Mのみが、全データメモリ81及び全駆動メモリ83として機能する。その他の構成は、
図5と実質的同一のため、説明を省略する。
【0035】
図6のコネクタハブシステムを用いた本発明の制御方法は、最初に、外部に対し通信可能な補助通信装置19を含むマスタコネクタハブ1Mと、マスタコネクタハブ1Mに連続して従属する1以上の従属コネクタハブ2Sとを含むマスタ従属システムを複数設ける。本制御方法では、
図6のとおり、1以上の従属コネクタハブとして、補助通信装置19を含まない1つのスレーブコネクタハブ2Sを用い、複数のマスタ従属システムとして、第1及び第2MSシステムMS1,MS2を構成する。
【0036】
監視装置13に直接的に接続された第1MSシステムMS1に対し、第2MSシステムMS2が有線接続できない場合(
図6)、有線接続できない監視装置13側最近位の第2MSシステムMS2の補助通信装置19と第1MSシステムMS1の補助通信装置19との間で無線伝送路35を通じ無線接続する。次に、有線接続できない監視装置13側最近位の第2MSシステムMS2が、自己以遠のMSシステム全て(
図6では第3のMSシステム以遠を図示せず)の検出データ及び駆動プログラムを、第1MSシステムMS1のマスタコネクタハブ1Mに送信する。更に、第1MSシステムMS1のマスタコネクタハブ1Mの全データメモリ81及び全駆動メモリ83はそれぞれ、第2MSシステムMS2から送信された検出データ及び駆動プログラムを記憶する。
図6の実施形態では、有線接続できない状況33が解消した場合、無線伝送路35による無線接続を停止し、また、状況33が再発生した場合、無線伝送路35の再接続が可能である。
【0037】
図7は、本発明による制御方法を実施するコネクタハブシステムの第6の実施形態を示す。
図7(a)~(c)は、監視装置13に直列接続された一連の第1、第2及び第3マスタスレーブ(MS)システムMS1-MS3並びに第4マスタマスタ(MM)システムMM4を示す。即ち、数珠繋ぎされたデイジーチェーンを構成する。第1MSシステムMS1は1つのマスタコネクトハブ1M及び2つのスレーブコネクトハブ2S,3Sを含み、第2MSシステムMS2は1つのマスタコネクトハブ4M及び1つのスレーブコネクトハブ5Sを含み、第3のMSシステムMS3は1つのマスタコネクトハブ6M及び2つのスレーブコネクトハブ7S,8Sを含み、そして、第4のMMシステムMM4は2つのマスタコネクトハブ9M,10Mを含む。
【0038】
図7(a)は、全てのコネクタハブの検出データ及び駆動プログラムが、伝送路26を通じて、マスタコネクタハブ1Mの全データメモリ81及び全駆動メモリ83にそれぞれ蓄積され、監視装置13は、伝送路27を通じて、マスタコネクタハブ1Mのみにアクセスすれば、全ての検出データ及び駆動プログラムを監視できる通常状態を示す。
図7(b)は、データが何等かの理由で消失する場合に備え、マスタコネクタハブ1Mの全ての検出データ及び駆動プログラムを、予め通常の伝送路26又は無線伝送路35を通じ、複数のマスタコネクタハブ4M,9M,10Mの1以上にバックアップするコネクタハブシステムを示す。本システムでは、マスタコネクタハブ4M,9M,10Mだけでなく、補助通信装置19を使用して、クラウドストレージ39及び他の外部装置(図示せず)の電磁記録可能な記憶装置に、検出データ等を蓄積できる。
図7(c)は、例えば、伝送路27を通る情報がハッキングされた場合に備え、マスタコネクタハブ1Mの全ての検出データ及び駆動プログラムの通信経路を通常の伝送路27から無線伝送路28に切り替え可能な、即ち、その伝送元をマスタコネクタハブ1Mから他のマスタコネクタハブ(
図7(c)では9M)に手動、自動又はランダムに切り替え可能な、コネクタハブシステムを示す。
【0039】
図7に示す本発明による制御方法では、1以上のコネクタハブの記憶装置18に蓄積された検出データ及び駆動プログラムを、通常の伝送路26を通じて又は補助通信装置19による無線伝送路35を通じて、他のコネクタハブの記憶装置18に送信する。具体的には、マスタコネクタハブ1Mの記憶装置18に蓄積された全ての検出データ等を、
図7(b)では、バックアップのために無線伝送路35を介してマスタコネクタハブ4M,9M,10M及びクラウドストレージ39の1以上へ送信し、一方、
図7(c)では、情報抜き取り防止のために伝送路26を介してマスタコネクタハブ9Mへ移動させる。これにより、検出データ等の蓄積元及び監視装置13への伝送元を、1のコネクタハブから他のコネクタハブに切り替える。その結果、
図7(b)のコネクタハブシステムでは、検出データ等が蓄積された一部のコネクタハブが故障又は破損した場合、バックアップによりデータの完全消失を防止できる。
図7(c)では、例えばランダム化プログラムにより自動若しくはランダムに、又は手動により、検出データ等の蓄積元及び伝送元を切り替え(1M→9M)、そして監視装置13への伝送路を無線伝送路28’に切り替える。
図7(c)のシステムにより、外部からの伝送元特定を困難化し、ハッキング抑止効果を向上して、一系列(直列)システムの課題を解決できる。
【0040】
図8は、本発明による制御方法を実施するコネクタハブシステムの第7の実施形態を示す。
図8(a)は、被駆動装置としての水処理装置21a-21dに駆動制御可能に各々接続されたMSシステムMS1-MS4を示す。水処理装置21a-21dは、電気駆動制御可能な、例えばモータポンプ、弁、濾過機、曝気装置、撹拌機、オゾン発生器、滅菌剤製造機、フィルタプレス、熱交換器、制御盤、その他水処理付帯設備を含む。
図8(a)は、複数のMSシステムMS1-MS4が、異なる(多系列の)伝送路40a-40dを通じて、監視装置13に各々接続された状態を示す。即ち、
図8(a)の監視装置13は、複数のMSシステムMS1-MS4全てを監視する必要がある。一方、
図8(b)は、複数のMSシステムMS1-MS4を無線伝送路35により直列接続し、最近位のMSシステムMS1を監視装置13に無線伝送路28により直接接続したコネクタハブシステムを示す。
【0041】
図8に示す本発明による制御方法は、別々の伝送路40a-40dにより監視装置13に無線接続されて各水処理装置21a-21dの動作を駆動制御する複数のMSシステムMS1-MS4(
図8(a))を、無線伝送路35を通じ、互いに直列に無線接続させて一系列化する(
図8(b))。一系列化により、全ての検出データが収集される最近位のMSシステムMS1のみを、伝送路28を通じて監視して、全てのMSシステムMS1-MS4に接続された水処理装置21a-21dの動作を監視でき、監視装置13の負担軽減を図る。
【0042】
図9は、本発明による制御方法を実施するコネクタハブシステムの第8の実施形態を示す。本システムは、一連の複数のコネクタハブ(
図9では3つのスレーブコネクタハブ2S,3S,4S)と、当該複数のコネクタハブの最近位に伝送路26を通じて直接的に接続された3つのマスタコネクタハブ1M-1,1M-2,1M-3とを備える。
図9の最近位のスレーブコネクタハブ2Sは、その連結装置22の第1、第2及び第3ポート22a,22b,22c並びに別々の伝送路26a,26b,26cを通じ、3つのマスタコネクタハブ1M-1,1M-2,1M-3に接続され、他方、連結装置22の第4ポート22d及び伝送路26を通じ、スレーブコネクタハブ3Sに接続される。3つのマスタコネクタハブ1M-1,1M-2,1M-3の各々は、スレーブコネクタハブ2S,3S,4Sに作動接続されたプローブ及びプローブから得られる検出データを共有する。3つのマスタコネクタハブ1M-1,1M-2,1M-3は各々、無線伝送路28,37,38又は図示しない有線伝送路を介して、異なる送信先13,43,53に通信接続される。従来は、スレーブコネクタハブ2S,3S,4Sから得られた複数の検出データの全てを1つのクラウドストレージに統合保存して、複数の利用目的に応じて利用者各々が、クラウドストレージから検出データを取得していた。しかしこの場合、クラウドストレージがハッキングされると、全ての検出データが盗まれるおそれがある。そこで、
図9に示すシステムにより、利用目的に応じて加工済み又は未加工の検出データを、マスタコネクタハブ1M-1,1M-2,1M-3のデータメモリ81の各々に分散保存するため、クラウドストレージから検出データ全てが抜き取られる弊害を防止でき、セキュリティ対策に有効である。また、利用目的が異なる利用者は、プライバシを確保できる。
【0043】
図9に示す本発明による制御方法では、一連の複数のコネクタハブ2S,3S,4Sからの検出データを、利用目的に応じて加工して又は加工せずに、複数のマスタコネクタハブ1M-1,1M-2,1M-3のデータメモリ81の各々に保存する。データメモリ81に保存された検出データを、補助通信装置19を介して、複数の異なる送信先13,43,53に送信する。これにより、利用目的が異なる送信先13,43,53に、異なる方法(例えば送信頻度を変更して、必要情報を選別して)により、検出データを送信できる。
【0044】
前記第1~第8の実施形態では、主に、全データメモリ81及び各データメモリ81aに全ての検出データを記憶し、全駆動メモリ83に全ての駆動プログラムを記憶する実施形態を示したが、それらと共に、全ての検出データ及び駆動プログラムを、有線又は無線伝送路を通じ又は端子11接続を通じ、監視装置13、クラウドストレージ39、PLC12、又はコネクタハブシステム内部若しくは外部の、既設若しくは新設の、他の記憶装置に、保存、蓄積又は保管してもよい。また、前記実施形態では、監視装置13により、駆動プログラム、閾値及び端子方式を設定する例を主に示したが、それと共に又は別に、有線又は無線伝送路を通じ又は端子11接続を通じ、PLC12又は他の内部若しくは外部装置により設定してもよい。更に、
図4~
図6、
図8及び
図9の実施形態では、マスタスレーブ(MS)システムを示したが、マスタコネクタハブと、それに連続して従属する1以上のマスタコネクタハブとにより、マスタマスタ(MM)システムを構成してもよい。全てのコネクタハブに、図示しない電源を接続又は搭載でき、また、1又は2以上のコネクタハブにのみ電源を接続又は搭載し、他のコネクタハブに電力供給してもよい。また、電源のバックアップとして、無停電電源装置をコネクタハブに接続又は搭載できる。
【0045】
また、本発明は、被駆動装置を駆動させるための、コネクタハブシステム及び制御方法として機能させる制御プログラムであってもよい。この場合、各部が有する機能の処理内容は制御プログラムに記述されて、制御プログラムをコンピュータで実行することにより、各部の処理がコンピュータ上で実現され得る。例えば、制御ユニット15の記憶装置18に制御プログラムが記憶され、記憶装置18に接続された処理装置16により制御プログラムの処理動作を制御及び処理できる。また、記憶装置及び処理装置を含む他の外部装置(図示せず)並びに監視装置13によって、本発明の制御プログラムを実行してもよい。記憶装置は、例えば磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記憶媒体、半導体メモリ、USBメモリ、SDメモリカード等、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体を含む。
【0046】
図10(a)は、本発明による制御方法を実施するコネクタハブシステムを用いた検出装置14の校正システムを示し、
図10(b)は、校正した検出装置14を実際の被駆動装置21a-21cに適用した実施形態を示す。
図10(a)のコネクタハブシステムは、少なくとも端子11及び制御ユニット15を含む校正用コネクタハブ0と、校正用コネクタハブ0の2端子CN1,CN2に各々接続された検出装置14のプローブPr1,Pr2とを備え、プローブPr1,Pr2が校正液71,72に浸漬された状態を示す。校正用コネクタハブ0は、校正目的で使用するが、
図1に示すコネクタハブ1と同一の構成及び機能を有する。プローブPr1,Pr2は、校正を定期又は非定期に必要とする検出装置14のプローブであり、検出装置14は、例えば、温度、湿度、水素イオン濃度(pH)、残留塩素濃度、導電率、色度、濁度、水位、液量、流量、流速、電力量、質量等を測定するセンサ又は測定器である。
【0047】
図10(a)の校正システムを用いた検出装置14の校正方法では、最初に、校正用コネクタハブ0と、プローブPr1,Pr2と、校正液71,72とを準備し、プローブPr1,Pr2を校正用コネクタハブ0の端子CN1,CN2に電気接続して、容器に入れた校正液71,72中にプローブPr1,Pr2を浸漬させる。例えば、pHセンサのプローブPr1の場合、校正液71は、シュウ酸塩、フタル酸塩、中性リン酸塩、又はホウ酸塩の各標準液である。導電率計のプローブPr2の場合、校正液72は、例えば塩化カリウム標準液である。次に、校正用コネクタハブ0に電源を入れ、プローブPr1,Pr2を各標準液に浸漬させた状態での実測値を測定し、実測値と、予め記憶されていた基準値とを比較し、その差異に基づく固有の校正係数を、各プローブPr1,Pr2に割り当てる。校正係数の各々は、対応する各プローブPr1,Pr2に紐付けされて、校正用コネクタハブ0の記憶装置18に記憶される。
図10(a)では、2つの異種プローブPr1,Pr2を示すが、1又は2以上の同種又は異種のプローブを端子11に接続してもよい。また、端子CN1に対し同種複数のプローブを連続的に付け替え、各プローブの補正係数を連続的に取得してもよい。
図10(a)の校正は、実際にプローブPr1,Pr2を使用する現場だけでなく、使用現場以外の場所、例えば、プローブPr1,Pr2の製造工場、実験室等で実行され得る。
【0048】
図10(b)は、校正係数が得られたプローブPr1,Pr2を実際に水処理システム80に適用した実施形態を示す。
図10(b)の水処理システム80は、コネクタハブ1の入力端子CN1,CN2に各々接続されたプローブPr1,Pr2と、出力端子CN4,CN5,CN6に各々接続された被駆動装置としてのpH調整ポンプ21a、バイパス弁21b及び2次濾過弁21cと、原水管77から供給される原水を浄化処理する1次濾過機73と、導電率を低下させる処理機構を含む2次濾過機74と、1次及び2次濾過機73,74の処理水が各濾水管79,89を介して貯留され、プローブPr1,Pr2が浸漬された濾過タンク78とを備える。コネクタハブ1は、校正用コネクタハブ0に記憶されたプローブPr1,Pr2の校正係数を、例えば監視装置13に搭載された校正用コネクタハブ0から伝送路27を通じて取得し、校正データベース84(
図2)に記憶させる。
【0049】
図10(b)では、プローブPr1,Pr2から得られた検出データに対し、校正部64(
図2)において、校正データベース84に記憶された校正係数を演算で加味した後、校正後の検出データの値と閾値とを比較し、その比較結果に基づく駆動信号を被駆動装置21a-21cに送信する。例えば、濾水タンク78内のpHセンサのプローブPr1から入力端子CN1を通じて得られたpHの検出データを、校正データベース84に記憶されたプローブPr1の校正係数により、校正部64(
図2)で演算処理し、校正処理後の検出データ値と閾値との比較結果に基づき、駆動信号が出力端子CN4及び信号路76aを通じて、pH調整ポンプ21aに送信される。駆動信号は、酸又はアルカリのpH調整剤75を原水管77に注入するpH調整ポンプ21aを起動する信号、注入を停止する信号、及びポンプモータの回転数を決定する信号を含む。
【0050】
例えば、濾水タンク78内のプローブPr2が導電率計のプローブの場合、入力端子CN2を通じて得られた導電率の検出データを、校正データベース84に記憶されたプローブPr2の校正係数により、校正部64(
図2)で演算処理し、校正処理後の検出データ値と閾値との比較結果に基づき、駆動信号が出力端子CN5,CN6及び信号路76b,76cを通じて、バイパス弁21b及び2次濾過弁21cに送信される。駆動信号は、バイパス弁21b及び/又は2次濾過弁21cを開閉する信号及び各弁の開度を決定する信号を含む。
以下、コネクタハブシステムの実施の形態を列挙する。
[1] 監視対象の物理量及び化学量、これらの変化量、並びに/又は監視対象の状態を検出する1以上の検出装置14と、検出装置14に接続されて、検出装置14からの検出データを入力する複数の端子11を有するコネクタハブ1)と、コネクタハブ1に搭載され、処理装置16及び記憶装置18を含む制御ユニット15とを備える。コネクタハブ1の記憶装置18は、検出装置14から収集した検出データを蓄積するデータメモリ81を含み、コネクタハブ1は、更に他のコネクタハブ2-10を着脱自在に接続できる連結装置22を備える。本コネクタシステムでは、連結装置22を備えるため、プローブ又は端子の不足が生じた場合、データ検出の必要性が多数生じた場合に、他のコネクタハブ2-10を追加的かつ着脱可能に接続できる。これにより必要に応じて、端子11に接続するセンサのプローブ14数の増減を自由に調節することができる。また、連結装置22を通じ追加のコネクタハブ2-10が接続された場合、コネクタハブ1のデータメモリ81により、1のコネクタハブ1から得られた検出データだけでなく、追加のコネクタハブ2-10から得られた検出データも記憶又は保存できる。
[2] コネクタハブ1,2は、近位端コネクタハブ1と、近位端コネクタハブ1に接続された末端コネクタハブ2とを少なくとも含む。データメモリ81は、近位端コネクタハブ1の記憶装置18に設けられて、全てのコネクタハブから収集した全ての検出データを蓄積する全データメモリ81である。連結装置22は、末端コネクタハブ2に設けられる。
[3] コネクタハブ1,2のデータメモリ81に接続されて、検出装置14,24からの検出データを監視する監視装置13を備える。監視装置13は、パーソナルコンピュータ、移動体装置、スマートフォン、携帯電話、タブレット、及びプログラマブルロジックコントローラ、並びに監視プログラムを搭載した専用装置及び基板から選択される1以上を含む。監視装置13は、有線又は無線通信により、コネクタハブ1,2の記憶装置18に記憶された閾値及びプログラムを更新、書き換え又は変更できる。末端コネクタハブ2に連結装置22を設けて、更に1以上の他のコネクタハブ3-10を追加的かつ着脱可能に接続できる。この場合、監視装置13は、複数のコネクタハブ1,2に対し直列接続されて、近位端コネクタハブ1のみを監視することにより、1又は2以上コネクタハブ1,2から得られた検出データ全てを一系列で監視でき、多系列(並列)システムによるプログラムの複雑化及び処理速度低下の従来の課題を回避できる。また、監視装置13に複数のコネクタハブ1,2が直列接続された場合、各コネクタハブに記憶装置18を備えるため、何れのコネクタハブ1,2でもデータを蓄積でき、一部に故障又は断線が生じてもデータを確実にバックアップできる。
[4] コネクタハブ1,2は、近位端コネクタハブ1と、近位端コネクタハブ1に接続された末端コネクタハブ2とを少なくとも含み、近位端コネクタハブ1の記憶装置18は、全てのコネクタハブ1,2に接続された被駆動装置21a-21cを制御する全ての駆動プログラムを蓄積する全駆動メモリ81を含み、監視装置13は、全駆動メモリ81に接続されて、全駆動メモリ81に蓄積された全ての駆動プログラムを監視する。
[5] 制御ユニット15の処理装置16は、検出装置14,24からコネクタハブ1,2の端子11に入力されたアナログ信号による検出データをデジタル信号に変換するAD変換部62と、コネクタハブ1,2の端子11に入力されたデジタル信号による検出データ、及びAD変換部62によりデジタル信号に変換された検出データを、受信するデジタル受信部63と、デジタル受信部63に受信された検出データを、記憶装置18の各データメモリ81aに蓄積させる蓄積処理部65とを含む。
[6] デジタル受信部63に受信された又は各データメモリ81aに蓄積された検出データの数値と、記憶装置18の閾値データベース82に記憶された閾値とを比較する比較部67と、比較部67による比較結果に基づき、コネクタハブ1,2の端子11に接続された被駆動装置21a-21cに対し、駆動信号を出力する駆動発信部68とを更に含む。
[7] デジタル受信部63に受信された検出データを保存又は蓄積させるために、コネクタハブ1,2の外部に検出データを送信するデータ送信部66を更に含む。
[8] 近位端コネクタハブ1及び末端コネクタハブ2を少なくとも含む複数のコネクタハブは、外部に対し有線又は無線通信が可能な補助通信装置19を含むマスタコネクタハブ1Mと、マスタコネクタハブ1Mに連続して従属し、補助通信装置19を含まない1以上のスレーブコネクタハブ2Sとを含み、マスタコネクタハブ1Mとスレーブコネクタハブ2Sとにより、一連のマスタスレーブシステムMS1を構成し、スレーブコネクタハブ2Sの処理装置16は、スレーブコネクタハブ2Sの検出装置24から収集した検出データを、少なくともマスタコネクタハブ1Mに送信するデータ送信部66を含む。
[9] 検出装置14,24からの検出データの信号を安定化させるリピータ23をコネクタハブ1M,2S間に備える。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明の制御方法及び制御プログラムでは、センサを用いて制御する産業界のあらゆる電子機器、システム、プラント、コンビナートに利用可能である。
【符号の説明】
【0052】
1-10・・コネクタハブ、 11・・端子、 13・・監視装置、 14,24・・検出装置、 15・・制御ユニット、 16・・処理装置、 18・・記憶装置、 19・・補助通信装置、 21a-21c・・被駆動装置、 23・・リピータ、 26・・伝送路、 35・・無線伝送路、 62・・AD変換部、 63・・デジタル受信部、 65・・蓄積処理部、 67・・比較部、 68・・駆動発信部、 81・・データメモリ(全データメモリ)、 81a・・各データメモリ、 83・・全駆動メモリ、 MS・・マスタスレーブシステム、