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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023031258
(43)【公開日】2023-03-08
(54)【発明の名称】美容装置
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/36 20060101AFI20230301BHJP
【FI】
A61N1/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022122391
(22)【出願日】2022-07-30
(31)【優先権主張番号】202122011285.7
(32)【優先日】2021-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110972294.4
(32)【優先日】2021-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】320000849
【氏名又は名称】株式会社日本美容健康総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100101926
【弁理士】
【氏名又は名称】塚原 孝和
(72)【発明者】
【氏名】佐野 昌己
(72)【発明者】
【氏名】王 輝
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053JJ02
4C053JJ06
4C053JJ24
(57)【要約】      (修正有)
【課題】使用感と利便性を向上させながら、低周波、中周波、高周波のそれぞれの欠点を克服すると同時に、それぞれの利点を活かす複合周波の美容装置を提供する。
【解決手段】複数の電極から成る刺激付与部8と、電子基板9、操作部2、強度表示部4、充電表示部3、充電式電池10、コントロール部11、複数のコネクタを内蔵したボディ部1を備える。電極は2つの電極組に分けられ、各電極組は1つ以上の電極で構成される。電極組の間で低周波信号を開通し、次に低周波信号と反対方向に中周波信号と高周波信号の1種又は2種を開通する。また中周波信号と高周波信号との間に信号オフ期間を設けて、非対称性ハイブリッド波形を形成し、ハイブリッド波を所定期間毎に繰返すように制御する。さらに低周波信号、中周波信号、高周波信号の振幅及びパルス幅を調整することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つ以上の電極から構成した刺激付与部と使用者が片手で把持できるようにデザインされたボディ部を備え、ボディ部には電子基板、操作部、強度表示部、充電表示部、充電式電池、コントロール部、複数のコネクタが内蔵さており、刺激付与部を使用者の身体の表面に当接し、使用者の身体の表面に所定時間毎に低周波と、中周波と高周波の1種または2種とを合成させた非対称性ハイブリッド周波を流すことのできる美容装置であって、次の(1)ないし(4)を備えることを特徴とする。
(1)前記刺激付与部と操作部はそれぞれコントロール部と接続し、操作部は電源スイッチ、強度選択スイッチを有する。
(2)前記コントロール部は操作部で入力される指令を受け、低周波信号、中周波信号または高周波信号を生成し、処理後非対称性ハイブリッド周波電流を生成する。
(3)前記刺激付与部は所定時間毎に前記非対称性ハイブリッド周波電流を出力する。前記刺激付与部の電極は対になる2つの電極組に分けられ、それぞれの電極組は1つ以上の電極によって構成され、前記対になる2つの電極組の間において順次に低周波信号を開通し、次に低周波信号と反対方向に前記中周波信号と高周波信号の1種または2種を順次に開通する、あるいは順次に中周波信号と高周波信号の1種または2種を順次に開通し、次に中周波信号と高周波信号と反対方向に前記低周波信号を開通するように設計されている。
(4)前記中周波信号と高周波信号を開通する期間において1回以上の信号オフ期間(インターバル)を設け、信号オフ期間の合計時間を信号オフ期間Aと記し、低周波信号の出力する方向と中周波及び高周波信号の出力する方向を反対に設置すること及び信号オフ期間Aを設けることにより、非対称性ハイブリッド波形を形成して、ハイブリッド周波電流を生成する。ハイブリッド周波電流を所定期間ごとに繰り返し制御する。
【請求項2】
前記中周波信号と高周波信号の開通時間の合計は前記低周波信号の開通時間より短く、前記中周波信号と高周波信号の開通時間の合計と低周波の開通時間の時間差は信号オフ期間Aになるように制御されることを特徴とする請求項1に記載の美容装置。
【請求項3】
前記強度表示部は強度レベルと同数の強度表示ランプから構成され、充電表示部は1個以上のLEDランプから構成されることを特徴とする請求項1に記載の美容装置。
【請求項4】
前記コントロール部はMCU(Micro Controller Unit)、波形調整部、充電コントロール部を備える。
前記MCUは中央処理装置、記憶装置、入出力装置が内蔵され、記憶装置に予め記録された情報に基づき、情報の処理及び入出力を行う。なお、MCUはMPUまたはCPUとメモリーなどの周辺装置の組み合わせによって代用することができる。
前記MCUと波形調整部は非対称性ハイブリッド周波電流を生成する。
前記MCUは前記操作部を通じて入力された動作指令に従い、記憶装置に予め記録された所定の周波数、デューティ比に基づき、PWM信号1、PWM信号2を生成する。さらに、操作部を通じて入力された強度選択指令に従い、強度レベル毎に記憶装置に予め記録された電圧、デューティ比とハイ・レベル期間を基づき、デューティ比と振幅を調整することの可能なPWM信号Hを生成する。
波形調整部には電圧制御回路とHブリッジ制御回路が内蔵される。
前記電圧制御回路はMCUから所定の電圧、デューティ比とハイ・レベル期間に基づき生成されたPWM信号Hを受け、所定の電圧を生成し、操作部を通じて入力された強度指令に基づき、低周波信号、中周波信号及び高周波信号を所定の振幅及びパルス幅で調整し、刺激の強さをコントロールする。その上、異なる強度指令に従い、事前に設定された周波数で低周波、中周波及び高周波を生成する。
前記電圧制御回路はHブリッジ制御回路を経由して刺激付与部の電極と接続する。
前記Hブリッジ制御回路は複数のトランジスタを備え、トランジスタの開閉はMCUによって制御される。前記Hブリッジ制御回路はMCUからの指令を受け、予め設定された時間で刺激付与部の電極組の間に開通される低周波信号、中周波信号及び高周波信号の開閉及び流れ方向を制御し、さらに、中周波と高周波を流す期間において予め設定された信号オフ期間Aで信号の出力を停止させ、刺激の休止期間(インターバル)を設けるように制御する。前記Hブリッジ制御回路はトランジスタの開閉を利用し、低周波信号、そして中周波信号と高周波信号の1種または2種を出力する。MCUからPWM信号1を受け、低周波信号を出力し、MCUからPWM信号2を受け、中周波電流と高周波電流の1種または2種を出力し、さらにトランジスタの開閉をコントロールすることで中周波と高周波を流す期間において所定の時間で信号の出力を停止し、刺激の休止期間を形成し、非対称性ハイブリッド周波電流を生成し、刺激付与部へ出力する。
前記充電コントロール部は充電電池と充電管理チップU2が内蔵され、充電管理チップU2の一端は充電電池と接続し、もう一端はUSBコネクタと接続し、美容装置の充電をコントロールすることを特徴とする請求項1に記載の美容装置。
【請求項5】
前記MCUと波形調整部は前記低周波信号、中周波信号と高周波信号の振幅及びパルス幅を調整することを特徴とする請求項4に記載の美容装置。
【請求項6】
前記低周波は1~1000Hzのパルス波で、中周波と高周波はそれぞれ1000~10000Hzと10000Hz以上のパルス波または矩形波または三角波または正弦波であることを特徴とする請求項1に記載の美容装置。
【請求項7】
前記信号オフ期間Aは0<A<1000msの範囲で設けられていることを特徴とする請求項1に記載の美容装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、美容装置、特に、使用者の身体の表面に当接させ、使用者の身体の表面に低周波電流に加え、中周波電流と高周波電流の1種または2種を合成させた非対称性ハイブリッド周波電流を流すことのできる美容装置に関する。なお、本発明において、「低周波」とは1000Hz以下の周波数帯域、「中周波」とは1000~10000Hzの周波数帯域、「高周波」とは10000Hz以上周波数帯域を指すものであり、美容装置や生体治療器具の分野で通常使用される各周波数帯域を指すものである。また、使用者の身体の表面に電流を流し刺激を与える装置としては、「美容機器」、「生体刺激装置」、「治療器具」などと称する場合もあるが、本発明において以下、統一的に「美容装置」と称する。
【背景技術】
【0002】
従来、使用者の身体の表面に刺激を与えることによってリフトアップ、筋肉トレーニング、リラクゼーション、疲労回復、シワの改善などの美容効果をもたらす手段として、電圧を印加する電気療法による美容処理など多種多様であり、これらの方法を応用する各種の美容装置が開発されてきている。例えば、特許文献1では、2つの電極端子からそれぞれ低周波パルスを出力するような低周波美容装置を提供している。また、低周波電流による身体への不快感を解消するための文献がある。例えば、特許文献2では、高周波のパルスを含んだ低周波パルス群を用いて電流を生体に流す美容装置を開示している。特許文献3では、多段波形に出力される低周波電気信号に中周波の電気信号を重畳させる美容装置を提供している
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-104644号公報
【特許文献2】特開2005-224387号公報
【特許文献3】特表2011-188926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、通常低周波、中周波、高周波はそれぞれの利点と欠点がある。
低周波は筋肉運動を動かす力が強く、体感の刺激感が強いという利点があるものの、皮膚で強い抵抗を受けることになり、強いピリピリ感や痛みを感じやすく、その刺激に耐えられない人が少なくない。また、皮膚の抵抗が大きいため、電流は皮下数ミリしか入らず、深い部分の筋肉に届かず、肝心の筋肉を十分に動かすことができない。さらに刺激を強化するため強度を上げると皮膚に強い痛みが生じてしまう。
一方、中周波は低周波に比べると、波長は短くなり、皮膚抵抗は小さくなり、肌への負担は小さくなる。電流は皮下2~3センチまで届くことは可能になる。ただ、体感の刺激感は低周波より弱く感じることになる。
そして、高周波の波長はさらに短くなり、皮膚抵抗は中周波よりさらに小さく、電流は皮下10センチ以上届くことができ、血管組織まで到着することができるため、血管を拡張させ、血行を促進し、肩コリや腰コリの改善効果を得られる。ただ、体感の刺激感は中周波よりさらに弱くなる。
【0005】
上記特許文献1によって提供されている低周波美容装置では単一の低周波を使用しており、使用者の皮膚への負担が高く、深部の筋肉に届かない。また、効果を上げるために出力を上げていくと皮膚の侵害受容器を刺激してしまい、強い痛みを引き起す。さらに、電気刺激信号が規則的で単調であるため、使用者は刺激の慣れを生じやすく、使用する意欲の低下につながるといった問題が生じている。
上記特許文献2によって提供されている美容装置ではデューティ比を変更させて、刺激の強弱を変更させることでソフトな使用感を得られるものの、深部の筋肉を動かす中周波や高周波の成分はないかまたは少ないため、深部の筋肉や血管組織に届かないといった問題点、そして交流電流を使うため、コンパクトな携帯式にすることができず、使用上の不便さを感じやすい問題点は解消されていない。
上記特許文献3に開示されている美容装置では、ピーク電流値を小さくしつつ電気的刺激量を増大させることで、使用者に対して不快感を和らげることができるが、電気刺激信号が規則的で単調であるため、使用者は刺激の慣れを生じ、使用感の低下につながり、継続的長期的使用する意欲がなくなってしまう問題があった。さらに、上記特許文献2と同様に交流電流を使用しているため、使用上の利便性が欠けるという問題点が残る。
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みてなされたもので、使用感と利便性を向上させながら、低周波、中周波、高周波のそれぞれの欠点を克服すると同時に、それぞれの利点を活かす複合周波の美容装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、第1の発明は、2つ以上の電極から構成した刺激付与部と使用者が片手で把持できるようにデザインされたボディ部を備え、ボディ部には電子基板、操作部、強度表示部、充電表示部、充電式電池、コントロール部、複数のコネクタが内蔵さており、刺激付与部を使用者の身体の表面に当接し、使用者の身体の表面に所定時間毎に低周波と、中周波と高周波の1種または2種とを合成させた非対称性ハイブリッド周波を流すことのできる美容装置であって、次の(1)ないし(4)を備えることを特徴とする。
(1)前記刺激付与部と操作部はそれぞれコントロール部と接続し、操作部は電源スイッチ、強度選択スイッチを有する。
(2)前記コントロール部は操作部で入力される指令を受け、低周波信号、中周波信号または高周波信号を生成し、処理後非対称性ハイブリッド周波電流を生成する。
(3)前記刺激付与部は所定時間毎に前記非対称性ハイブリッド周波電流を出力する。前記刺激付与部の電極は対になる2つの電極組に分けられ、それぞれの電極組は1つ以上の電極によって構成され、前記対になる2つの電極組の間において順次に低周波信号を開通し、次に低周波信号と反対方向に前記中周波信号と高周波信号の1種または2種を順次に開通する、あるいは順次に中周波信号と高周波信号の1種または2種を順次に開通し、次に中周波信号と高周波信号と反対方向に前記低周波信号を開通するように設計されている。
(4)前記中周波信号と高周波信号を開通する期間において1回以上の信号オフ期間(インターバル)を設け、信号オフ期間の合計時間を信号オフ期間Aと記し、低周波信号の出力する方向と中周波及び高周波信号の出力する方向を反対に設置すること及び信号オフ期間Aを設けることにより、非対称性ハイブリッド波形を形成して、ハイブリッド周波電流を生成する。ハイブリッド周波電流を所定期間ごとに繰り返し制御する。
【0007】
また、第2の発明は、第1の発明の美容装置において、前記中周波信号と高周波信号の開通時間の合計は前記低周波信号の開通時間より短く、前記中周波信号と高周波信号の開通時間の合計と低周波の開通時間の時間差は信号オフ期間Aになるように制御される構成とした。
【0008】
また、第3の発明は、第1の発明の美容装置において、前記強度表示部は強度レベルと同数の強度表示ランプから構成され、充電表示部は1個以上のLEDランプから構成される。
【0009】
また、第4の発明は、第1の発明の美容装置において、前記コントロール部はMCU(Micro Controller Unit)、波形調整部、充電コントロール部を備える。前記MCUは中央処理装置、記憶装置、入出力装置が内蔵され、記憶装置に予め記録された情報に基づき、情報の処理及び入出力を行う。なお、MCUはMPUまたはCPUとメモリーなどの周辺装置の組み合わせによって代用することができる。前記MCUと波形調整部は非対称性ハイブリッド周波電流を生成する。前記MCUは前記操作部を通じて入力された動作指令に従い、記憶装置に予め記録された所定の周波数、デューティ比に基づき、PWM信号1、PWM信号2を生成する。さらに、操作部を通じて入力された強度選択指令に従い、強度レベル毎に記憶装置に予め記録された電圧、デューティ比とハイ・レベル期間を基づき、デューティ比と振幅を調整することの可能なPWM信号Hを生成する。波形調整部には電圧制御回路とHブリッジ制御回路が内蔵される。前記電圧制御回路はMCUから所定の電圧、デューティ比とハイ・レベル期間に基づき生成されたPWM信号Hを受け、所定の電圧を生成し、操作部を通じて入力された強度指令に基づき、低周波信号、中周波信号及び高周波信号を所定の振幅及びパルス幅で調整し、刺激の強さをコントロールする。その上、異なる強度指令に従い、事前に設定された周波数で低周波、中周波及び高周波を生成する。前記電圧制御回路はHブリッジ制御回路を経由して刺激付与部の電極と接続する。前記Hブリッジ制御回路は複数のトランジスタを備え、トランジスタの開閉はMCUによって制御される。前記Hブリッジ制御回路はMCUからの指令を受け、予め設定された時間で刺激付与部の電極組の間に開通される低周波信号、中周波信号及び高周波信号の開閉及び流れ方向を制御し、さらに、中周波と高周波を流す期間において予め設定された信号オフ期間Aで信号の出力を停止させ、刺激の休止期間(インターバル)を設けるように制御する。前記Hブリッジ制御回路はトランジスタの開閉を利用し、低周波信号、そして中周波信号と高周波信号の1種または2種を出力する。MCUからPWM信号1を受け、低周波信号を出力し、MCUからPWM信号2を受け、中周波電流と高周波電流の1種または2種を出力し、さらにトランジスタの開閉をコントロールすることで中周波と高周波を流す期間において所定の時間で信号の出力を停止し、刺激の休止期間を形成し、非対称性ハイブリッド周波電流を生成し、刺激付与部へ出力する。前記充電コントロール部は充電電池と充電管理チップU2が内蔵され、充電管理チップU2の一端は充電電池と接続し、もう一端はUSBコネクタと接続し、美容装置の充電をコントロールする。
【0010】
さらに、第5の発明は、第4の発明の美容装置において、前記MCUと波形調整部は前記低周波信号、中周波信号と高周波信号の振幅及びパルス幅を調整する構成とした。
【0011】
また、第6の発明は、第1の発明の美容装置において、前記低周波は1~1000Hzのパルス波で、中周波と高周波はそれぞれ1000~10000Hzと10000Hz以上のパルス波または矩形波または三角波または正弦波である構成とした。
【0012】
また、第7の発明は、第1の発明の美容装置において、前記信号オフ期間Aは0<A<1000msの範囲で設けられている構成とした。
【発明の効果】
【0013】
本発明の美容装置は、2つ以上の電極から構成した刺激付与部を備え、電極のうち、対になる2つの電極組に分けられ、対になる2つの電極組の間に低周波信号を出力し、次に低周波信号の流れと反対方向に中周波信号と高周波信号の1種または2種を順次に出力し、あるいは中周波信号と高周波信号の1種または2種を順次に流してから、反対方向に低周波信号を出力する。
また、中周波信号と高周波信号を出力する期間において信号オフ期間を1回以上設けるにより非対称性ハイブリッド波形を形成し、ハイブリッド波電流が所定期間ごとに繰り返し流されるように制御され、さらに低周波信号、中周波信号、高周波信号の振幅及びパルス幅は調整できることを特徴とする。
本発明は、低周波、中周波、高周波の要素を合わせて入れ込むことで低周波、中周波、高周波のそれぞれの欠点を克服しながら、それぞれの利点を活かし、肌への負担を最小限にしつつ、皮下の浅いところから深いところにわたり筋肉全体に電流を流すことはできるようになり、浅い部分の筋肉と深い部分の筋肉を同時に鍛えることが可能になり、美容効果の向上につながった。
また、低周波、中周波、高周波を合成させることで、単調な刺激ではなく、刺激の変化を感じさせつつも、低周波による肌への負担を和らげ、中周波と高周波が体感されにくいという問題を解消することを実現した。
これと同時に、規則的な電気刺激信号を長く流すと、刺激の慣れが生じやすく、使用する意欲が低下する恐れがあり、これを克服するため、中周波と高周波の電気信号にオフ期間を入れることで、人が指でマッサージするような脈動感が生まれ、さらに一定な刺激ではなく、変化する刺激により優れた使用感を得ることが可能になった。
そして、本発明は、低周波信号、中周波信号、高周波信号の振幅及び低周波のパルス幅を調整できるように設計され、使用者は自分自身の状況や使用目的に応じて刺激の強度を選択できるになり、使用の利便性の向上につながった。
さらに、本発明は、中周波と高周波電流の流れる方向を低周波電流の流れる方向と反対にさせ、交互に流せることで、充電電池を使用する携帯式の美容装置でありながら、交流電流の性質を持たせることによって、直流電流によると皮膚の侵害受容器を刺激し痛みを引き起こすといった問題を解消することができ、コンパクトサイズで高効果の美容装置を実現することができた。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施の形態及び第1実施例に係る美容装置の外観図である。
図2】実施の形態及び第1実施例に係る美容装置の内部構造を示す電気ブロック図である。
図3】MCUの端子配置を示す平面図である。
図4】充電コントロール部の回路図である。
図5】第1実施例の電極を示す回路図である。
図6】第2実施例の電極を示す回路図である。
図7】Hブリッジ制御回路の回路図である。
図8】電源スイッチの回路図である。
図9】強度表示部の回路図である。
図10】電圧制御回路の回路図である。
図11】第1実施例に係る美容装置から出力される非対称性ハイブリッド波形の説明図である。
図12】本発明の第2実施例に係る美容装置の外観図である。
図13】第2実施例に係る美容装置から出力される非対称性ハイブリッド波形の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。
図1図2に示すように、本発明の実施の形態に係る美容装置は、使用者が片手で把持できるようにデザインされたボディ部1と刺激付与部8から構成される。
【0016】
ボディ部1には電子基板9が内設され、電子基板9には操作部2、充電表示部3、強度表示部4、充電電池10、コントロール部11及び複数のコネクタ15,16,19,20が設けられている。
【0017】
刺激付与部8と操作部2はそれぞれコントロール部11と接続し、操作部2で入力される指令はコントロール部11によって処理を行い、出力信号になって刺激付与部8へ出力する。
コントロール部11はMCU12、波形調整部13、充電コントロール部14を備える。なお、MCU12はMPUまたはCPUとメモリーなどの周辺装置の組み合わせによって代用することができる。
【0018】
前記刺激付与部8は使用者の身体の表面に所定時間で低周波電流と、低周波の流れと反対方向に流される中周波電流と高周波電流の1種または2種とを合成させた非対称性ハイブリッド周波電流を所定期間ごとに繰り返して流す。
【0019】
操作部2は電源スイッチ2a、強度選択スイッチ2bが設けられており、これらのスイッチは一つの操作スイッチで兼ねることができる。また、それぞれ個別に設置しても良い。
電源スイッチ2aを押し、美容装置の電源をONに、強度選択スイッチ2bを押して強度を選択し、選択された強度はボディ部1に設けられた強度表示部4によって確認することができる。
強度表示部4には、強度レベルの数に合わせ同数の強度表示ランプ4a~4cが設けられ、刺激付与部8の電流刺激の強さレベルが割り当てられている。なお、この強度表示ランプ4a~4cへの強さのレベルの割り当ては、必要とする強さレベルに応じて任意に割り当てを行えばよい。本実施の形態において、強度表示ランプL 4a、M 4bとH 4cが配置されている。
【0020】
充電表示部3は1つ以上の充電表示ランプ3aを備え、強度表示ランプ4a~4cで兼ねることができる。また個別に設置しても良い。
充電口5は一つのUSBコネクタ15から構成される。
充電電池10はコネクタ1(16)と接続した後、2回路に分かれ、一方は接地し、もう一方はMCU12のVCCピン(図3参照)と接続し、その上さらに充電管理チップU2のBATピン(図4参照)と接続した後充電管理チップU2のVCCピンを経由してUSBコネクタ15と接続し、USBケーブル6を経由して電源アダプタ7と接続する。
【0021】
刺激付与部8は2つ以上の電極から構成され、所定の時間で前記の非対称性ハイブリッド周波を出力する。図1に示す美容装置の場合は、刺激付与部8は電極1 8aと電極2 8bの2つの電極から構成され、図12に示す美容装置の場合は、刺激付与部8は電極1 8a、電極2 8b、電極3 8cと電極4 8dといった4つの電極から構成されている。
図5及び図6に示されているように、刺激付与部8の電極は対になっているEMS-AとEMS-Bの2つの電極組に分けられ、それぞれの電極組EMS-A(EMS-B)は1つ以上の電極が含まれる。
対になる2つの電極組EMS-A,EMS-Bの間において順次に低周波信号を開通し、次に低周波信号と反対方向に前記中周波信号と高周波信号の1種または2種を順次に開通する、あるいは順次に中周波信号と高周波信号の1種または2種を順次に開通し、次に中周波信号と高周波信号と反対方向に前記低周波信号を開通する。
このとき、図11図13に示すように、前記中周波信号と高周波信号を開通する期間において1回以上の信号オフ期間(インターバル)を設け、信号オフ期間の合計時間を信号オフ期間Aとし、前記中周波信号と高周波信号の開通時間の合計は前記低周波信号の開通時間より短く、前記中周波信号と高周波信号の開通時間の合計と低周波の開通時間の時間差は信号オフ期間Aになるように制御する。
このように、低周波信号、中周波信号、高周波信号の流れを反対方向に設置すること及び信号オフ期間Aを設けることにより、非対称性ハイブリッド波形を形成して、前記ハイブリッド周波電流を所定期間ごとに繰り返し流す。
【0022】
次に、コントロール部11は、図2に示すように、MCU12、波形調整部13、充電コントロール部14を備える。
コントロール部11は操作部2で入力される指令を受け、低周波、中周波または高周波を出力し、非対称性ハイブリッド周波電流を生成する。
本実施の形態において、前記低周波は1~1000Hzのパルス波で、中周波と高周波はそれぞれ1000~10000Hzと10000Hz以上のパルス波または矩形波または三角波または正弦波である。中周波と高周波を開通する期間において1回以上の信号オフ期間(インターバル)を設け、合計した信号オフ期間Aは0<A<1000msの範囲で設けられている。また、低周波信号、中周波信号及び高周波信号を所定の振幅及びパルス幅で調整することができるように設計される。
【0023】
MCU12は中央処理装置、記憶装置、入出力装置が内蔵され、記憶装置に予め記録された情報に基づき、情報の処理及び入出力を行う。
使用者は操作部2の電源スイッチ2aを押し、美容装置はONの状態になり、さらに、使用者は強度選択スイッチ2bを押し、強度を選択する。
MCU12は前記操作部2を通じて入力された動作指令に従い、記憶装置に予め記録された所定の周波数、パルス幅に基づき、PWM信号1、PWM信号2を生成する。さらに、操作部2を通じて入力された強度選択指令に従い、強度レベル毎に記憶装置に予め記録された電圧、デューティ比とハイ・レベル期間に基づき、デューティ比と振幅を調整することの可能なPWM信号Hを生成する。
【0024】
波形調整部13には電圧制御回路17とHブリッジ制御回路18が内蔵される。
電圧制御回路17はMCU12と接続し、MCU12から所定の電圧、デューティ比とハイ・レベル期間に基づき生成されたPWM信号Hを受け、所定の電圧を生成する。さらに操作部2によって入力された強度情報に従い、所定の振幅及びパルス幅で低周波信号、中周波信号及び高周波信号を調整し、刺激付与部8より出力される電流の強さをコントロールし、異なる強度に応じて事前に設定された周波数で低周波信号、中周波信号及び高周波信号を生成する。電圧制御回路17はHブリッジ制御回路18を経由して刺激付与部8の電極と接続する。
Hブリッジ制御回路18は、図7に示すように、複数のトランジスタQ3~Q8を備え、これらトランジスタQ3~Q8の開閉はMCU12によって制御される。
すなわち、Hブリッジ制御回路18はMCU12からの指令を受け、予め設定された時間で刺激付与部8の電極組の間に低周波信号、中周波信号及び高周波信号の開通または中断及び流れ方向を制御し、さらに、中周波と高周波を流す期間において予め設定された信号オフ期間Aで信号の出力を停止させ、刺激の休止期間(インターバル)を設ける。
Hブリッジ制御回路18はトランジスタQ3~Q8の開閉を利用し、低周波信号、そして中周波信号と高周波信号の1種または2種を出力する。MCU12からPWM信号1を受け、低周波信号を出力し、MCU12からPWM信号2を受け、中周波電流と高周波電流の1種または2種を出力する。また、トランジスタQ3~Q8の開閉をコントロールすることで中周波と高周波を流す期間において所定時間Aで信号の出力を停止し、刺激の休止期間を形成し、非対称性ハイブリッド周波電流を生成し、刺激付与部8へ出力する。
前記MCU12と波形調整部13は、低周波信号、中周波信号と高周波信号の振幅及びパルス幅を調整し、非対称性ハイブリッド周波電流を生成する。
【0025】
充電コントロール部14には、図4に示すように、充電管理チップU2が配設され、充電管理チップU2は充電電池10とUSBコネクタ15と接続されている。具体的には、充電管理チップU2の一端は充電電池10と接続し、もう一端はUSBコネクタ15と接続している。これにより、充電コントロール部14は、充電電池10の充電をコントロールする。
【0026】
[実施例1]
次に、本発明の第1実施例について説明する。
図1は、第1実施例の美容装置の外観も示している。
図1図5で示すように、本実施例においては、刺激付与部8には電極組EMS-Aと電極組EMS-Bといった2つの電極組を設けており、電極組EMS-Aは美容ローラーの形をとった電極1 8aからなり、電極組EMS-Bは美容ローラーの形をとった電極2 8bからなる。
さらに、本実施例では、低周波と中周波を合成した非対称性ハイブリッド波を採用している(図11参照)。低周波と中周波の周波数はそれぞれ100Hzと2500Hzとに設定されている。
刺激付与部8の二つの美容ローラー(8a,8b)を使用者の身体表面に当接させると、刺激付与部8がは使用者の身体表面に所定の時間で低周波と中周波が合成された非対称性ハイブリッド周波を出力し、非対称性ハイブリッド周波が所定の時間内に繰り返し出力するようになっている。
前記中周波信号が開通されている間には信号オフ期間を設ける。前記中周波信号の開通時間の合計は前記低周波信号の開通時間より短く、前記中周波信号の開通時間と低周波の開通時間の時間差は信号オフ期間になる。
【0027】
本実施例においては、操作部2の電源スイッチ2aと強度選択スイッチ2bを一つの操作スイッチで兼用するように設置する。
電源スイッチ2a(強度選択スイッチ2b)はコネクタ2(19)と接続した後、コネクタ3(20)と接続し、その後2回路に分けて、一方はMCU12のP3.2/INT0ピン(図3参照)と接続し、抵抗R26(図8参照)と接続した後USBコネクタ15のD-ピン(図4参照)と繋ぎ、もう一方は直接接地する。
【0028】
図1に示すように、強度表示部4は3つの強度表示ランプ4a~4cでなり、図9に示すように、強度表示ランプ4a~4cはLEDランプを使用する。それぞれLED1、LED2、LED3と表示する。
強度表示ランプLED1、LED2、LED3の一端はそれぞれ抵抗R18、R19、R24を通じてそれぞれMCU12のP2.5ピン、P2.4ピン、P2.3ピンと接続し、3つのLEDランプのもう一端はすべて接地する。
MCU12は非対称性ハイブリッド波電流の出力期間において、強度レベルに従い、強度表示部4の強度表示ランプ4a~4cの開閉を制御する。
強度レベル1の場合、LED1が接続され、強度表示部4の強度表示ランプ1が点灯する。強度レベル2の場合、LED2が接続され、強度表示部4の強度表示ランプ2が点灯する。強度レベル3の場合、LED3が接続され、強度表示部4の強度表示ランプ3が点灯する。
本実施例においては、強度はL、M、H三つの強度レベルを設ける。
図1に示されているように、強度表示部4には3つの強度表示ランプ4a~4cが配置され、それぞれは強度表示ランプL 4a、強度表示ランプM 4bと強度表示ランプH 4cである。
即ち、図9の中のLED1、LED2とLED3はそれぞれ図1の中の強度表示ランプL 4a、強度表示ランプM 4b、強度表示ランプH 4cに相当する。
【0029】
図2に示すように、コントロール部11はMCU12、波形調整部13、充電コントロール部14を備える。
【0030】
図4に示すように、充電電池10はコネクタ1(16)と接続した後、2回路に分かれ、一方は接地し、もう一方は、コントロール部11のMCU12のVCCピン(図3参照)と接続し、その上さらに充電管理チップU2のBATピンと接続した後充電管理チップU2のVCCピンを経由してUSBコネクタ15と接続し、図1に示すUSBケーブル6を経由して電源アダプタ7と接続する。
【0031】
図3に示すMCU12は、中央処理装置、記憶装置、入出力装置が内蔵され、記憶装置に予め記録された情報に基づき、情報の処理及び入出力を行う。なお、MCU12はMPUまたはCPUとメモリーなどの周辺装置の組み合わせによって代用することができる。
使用者は操作部2の電源スイッチ2aを押し、美容装置はONの状態になり、さらに、使用者は強度選択スイッチ2bを押し、強度を選択する。MCU12は前記操作部2を通じて入力された動作指令に従い、記憶装置に予め記録された所定の周波数、デューティ比に基づき、PWM信号1、PWM信号2を生成する。さらに、操作部2を通じて入力された強度選択指令に従い、強度レベル毎に記憶装置に予め記録された電圧、デューティ比とハイ・レベル期間を基づき、デューティ比と振幅を調整することの可能なPWM信号Hを生成する。
【0032】
波形調整部13には電圧制御回路17とHブリッジ制御回路18が内蔵される。
電圧制御回路17はHブリッジ制御回路18を経由して刺激付与部8の電極と接続する。
図10に示すように、電圧制御回路17はMCU12と接続し、MCU12から所定の電圧、デューティ比とハイ・レベル期間に基づき生成されたPWM信号Hを受け、所定の電圧を生成し、所定の周波数の低周波、中周波と高周波の合成された非対称性ハイブリッド周波を生成する。さらに所定の振幅及びパルス幅で低周波信号、中周波信号及び高周波信号を調整し、刺激の強さをコントロールする。
電圧制御回路17は充電電池10から一つのコイルL1を経由して接続され、同時にMCU12のVCCピンと並列接続する。その後二つのルートに分岐し、一つはトランジスタQ9のコレクタ端子と接続する。前記トランジスタQ9のベース端子は抵抗R17を経由し、MCU12のP3.7/INT3/CCP2ピンと接続し、トランジスタQ9のエミッタ端子は接地する。もう一つの回路はダイオードD3と接続した後さらに2つのコンデンサC5とC10とそれぞれ並列接続した後電圧のアウトプット側EMS-VCCと接続する。
電圧制御回路17はHブリッジ制御回路18の電圧インプット側EMS-VCCと接続し、Hブリッジ制御回路18を経由して刺激付与部8の電極と接続する。
【0033】
Hブリッジ制御回路18には、図7に示すように、Q3、Q4、Q5、Q6、Q7とQ8の6つのトランジスタが配設されており、そのうち、Q3とQ7はPNP型トランジスタを使用し、Q4、Q5、Q6とQ8はNPN型のトランジスタを使用する。
NPN型のトランジスタQ4とQ6のコレクタ端子は並列にHブリッジ制御回路18の電圧インプット側EMS-VCCと接続する。
NPN型トランジスタQ4とQ6のエミッタ端子はPNP型トランジスタQ3とQ7のエミッタ端子と接続し、並列に抵抗R20とR23と接続した後、それぞれ電極組EMS-A(電極1)と電極組EMS-B(電極2)と繋ぐ。
PNP型トランジスタQ3とQ7のベース端子はそれぞれ抵抗R13と抵抗R16と接続し、Q3とQ7のコレクタ端子は接地する。
NPN型トランジスタQ5とQ8のコレクタ端子はそれぞれ抵抗R12とR15を経由しHブリッジ制御回路18の電圧インプット側EMS-VCCと接続し、エミッタ端子はそれぞれ接地し、Q5のベース端子は抵抗R11を経由しMCU12のP3.5/CCP0_2ピンと接続し,PWM信号1を受ける。
一方、Q8のベース端子は抵抗R14を経由しCCP1/ADC0/P1.0ピンと接続し、PWM信号2を受ける。
PWM信号1は低周波信号で、PWM信号2は中周波信号である。
トランジスタQ4とQ3はトランジスタQ5によってコントロールされ、トランジスタQ6とQ7はトランジスタのQ8によってコントロールされる。
【0034】
Hブリッジ制御回路18は予め設定された時間で使用者に流す周波電流信号の開通、中断及び流れ方向を制御し、中周波と高周波を流す期間において所定時間Aで一時的に刺激信号の出力を停止し、刺激の休止期間(インターバル)を設けるように制御し、低周波電流、中周波電流、高周波電流を合成させ、非対称性ハイブリッド周波を生成し、刺激付与部8へ出力する。
Hブリッジ制御回路18はMCU12及び電圧制御回路17から受けた信号に従い、トランジスタQ5の接続をONにし、トランジスタQ8の接続をOFFにし、この際に、トランジスタQ3とQ6は接続され、トランジスタQ4とQ7の接続はOFFにされ、刺激付与部8の2つの電極組の間では、電極組EMS-A(美容ローラーの形をと採用した電極1(8a))から電極組EMS-B(美容ローラーの形をと採用した電極2(8b))へ低周波電流が流される。
次にトランジスタQ8の接続をONにし、トランジスタQ5の接続をOFFにし、この際に、トランジスタQ4とQ7は接続され、Q3とQ6の接続はOFFにされ、刺激付与部8の2つの電極組のうち電極組EMS-B(美容ローラーの形をと採用した電極2(8b))から電極組EMS-A(美容ローラーの形をと採用した電極1(8a))へ中周波電流が流される。
さらに、所定の時間に達すと、トランジスタQ8の接続を切断し、中周波電流の信号がOFFされ、信号オフ期間が生成される。その次、またトランジスタQ5の接続をONにし、トランジスタQ8の接続をOFFにし、トランジスタQ3とQ6が接続され、トランジスタQ4とQ7の接続はOFFにされ、電極組EMS-A(美容ローラーの形をと採用した電極1(8a))から電極組EMS-B(美容ローラーの形をと採用した電極2(8b))へ低周波電流が流され、繰り返しになる。このように、電極組の電極から使用者の身体の表面に非対称性ハイブリッド周波が出力される。
【0035】
前記MCU12は電流の出力期間において、強度レベルに従い、強度表示部4の強度表示ランプの開閉を制御する。
本実施例の美容装置において、強度Lの場合、電圧は20.2V、低周波のハイ・レベル期間はLFHTL1、デューティ比はLFDRL1に設定する;強度Mの場合、電圧は22V、低周波のハイ・レベル期間はLFHTM1、デューティ比はLFDRM1に設定する;強度Hの場合、電圧は23.2V、低周波のハイ・レベル期間はLFHTH1、デューティ比はLFDRH1に設定する。なお、中周波のデューティ比は強度レベルのL,M,Hにおいて同じくMHFDR1に設定し、出力時間はT1に設定する。
【0036】
図11は本発明の第1実施例の美容装置から出力される非対称性ハイブリッド波の波形図で、横軸は時間、縦軸は電圧を示している。Y軸の負方向に低周波の信号が出力され、Y軸の正方向に中周波の信号が出力される。
低周波の周波数は100Hz、中周波の周波数は2500Hzに設定する。また、Y軸の正方向に中周波信号が出力されない休止期間(インターバル)が設けられ、中周波信号の休止期間の時間合計は反対方向の低周波信号出力時間のP1%である。
【0037】
充電コントロール部14は、図4に示すように、充電電池10及びUSBコネクタ15と接続している充電管理チップU2が内蔵され、美容装置の充電電池10の充電をコントロールする。充電コントロール部14はMCU12と接続した上充電表示部3と接続し、充電表示ランプ3aのオンオフをコントロールする。
充電管理チップU2にはBATピン、GNDピン、CHRGピン、RPOGピン、VCCピンが配設されている。
GNDピンは直接接地し、PROGピンは抵抗R1経由して接地する。BATピンはMCU12のVCCピンと繋いた後コネクタ1(16)を経由して充電電池10と接続し、充電電池10へ充電電流を提供する。充電電池10の両極の間にはコンデンサC3が設置される。
CHRGピンはMCU12のP2.0ピンと繋ぎ、MCU12は充電状態の信号を受け、電池は充電中になっている場合、充電表示ランプLED1の接続を開通し、充電表示ランプ3a(LED1)は点灯する;充電完了した場合、充電表示ランプLED1の接続をオフにし、充電表示ランプLED1は消灯する。
BATピンとCHRGピンはともに抵抗R2と接続する。VCCピンは2つの回路に分岐し、一方はUSBのV+ピンと繋ぎ、もう一方はコンデンサC1を経由して接地する。
充電表示ランプ3aは強度表示ランプ4a~4cで兼ねることができる。また個別に設置しても良い。
USBコネクタ15はV+ピン、D-ピン、D+ピン、IDピン、Gピンが配設されている。V+ピンは充電コントロールチップU2のVCCピンと繋ぎ、D-ピンは抵抗R26と繋ぎ(図8参照)、D+ピンはMCU12のRXDピンと接続し、IDピンはMCU12のTXDピンと接続し(図3参照)、Gピンは直接接地する。
【0038】
[実施例2]
最後に、本発明の第2実施例について説明する。
図12は、第2実施例の美容装置の外観を示している。
図12に示すように、第2実施例に係る美容装置は、第1実施例と同様に、刺激付与部8と、使用者が片手で把持できるようにデザインされたボディ部1とから構成される。
また、ボディ部1には、図2に示した操作部2、充電口5、強度表示ランプ4a~4cから構成された強度表示部4が設けられること、そして操作部2の操作方法と強度表示ランプ4a~4cの設置も第1実施例と共通である。
【0039】
第2実施例に係る美容装置の第1実施例と異なるところは、図12に示すように、刺激付与部8が4つの電極8a~8dを備え、使用者の身体の表面に低周波電流、中周波電流と高周波電流を合成させた非対称性ハイブリッド周波を流すことができる点である。
図6に示すように、上記4つの電極のうち、電極1(8a)と電極2(8b)は一つの電極組EMS-Aになっており、電極3(8c)と電極3(8d)は一つの電極組EMS-Bになっている。
低周波の周波数は128Hz、中周波の周波数は1786Hz、高周波の周波数は12000Hzと設定されている。
2つの電極組の間において順次に低周波信号を開通し、次に低周波信号と反対方向に中周波信号を開通する第1実施例とは異なり、第2実施例においては、電極組の間において順次に低周波信号を開通し、次に低周波信号と反対方向に前記中周波信号と高周波信号を順次に開通する(図13参照)。
【0040】
すなわち、図7に示すHブリッジ制御回路18において、トランジスタQ5の接続をONにし、トランジスタQ8の接続をOFFにし、この際は第1実施例と同様に、刺激付与部8の2つの電極組の間では、電極組EMS-A(電極1、2)から電極組EMS-B(電極3、4)へ低周波電流が流される。
次にトランジスタQ8の接続をONにし、トランジスタQ5の接続をOFFにし、この際に第1実施例と異なり、刺激付与部8の2つの電極組のうち電極組EMS-B(電極3、4)から電極組EMS-A(電極1、2)へ中周波電流と高周波電流の2種が流される。
さらに、所定の時間に達すと、トランジスタQ8の接続を切断し、中周波電流と高周波電流の信号がOFFされ、信号オフ期間が生成される。
その次、またトランジスタQ5の接続をONにし、トランジスタQ8の接続をOFFにし、トランジスタQ3とQ6が接続され、トランジスタQ4とQ7の接続はOFFにされ、電極組EMS-A(電極1、2)から電極組EMS-B(電極3、4)へ低周波電流が流され、繰り返しになる。
このように、電極組の電極から使用者の身体の表面に非対称性ハイブリッド周波が出力される。
【0041】
次に、電極組EMS-Bから電極組EMS-Aへ中周波電流と高周波電流の2種を流す状態について詳しく説明する。
PWM信号2は中周波電流と高周波電流の2種と設定する場合、トランジスタQ8をONにし、トランジスタQ4とQ7はONに、トランジスタQ6とQ3はOFFにされ、MCU12は予め設定された時間、周波数とデューティ比に従い中周波のPWM信号2を生成し、電圧制御回路17はMCU12から受けた中周波のPWM信号2に基づき、デューティ比を調整し、中周波用の電圧を生成し、Hブリッジ制御回路18を経由して電極組EMS-Bから電極組EMS-Aへ中周波を流す。
予め設定された中周波電流を流す時間が経過したら、その後、一旦所定の時間でトランジスタQ8の接続をOFFにし、信号オフ期間を設ける。次に所定の時間に達すると、再びトランジスタQ8をONの状態にし、MCU12は予め設定された時間、周波数とデューティ比に従い高周波のPWM信号2を生成し、電圧制御回路17はMCU12から受けた高周波のPWM信号2に基づき、デューティ比を調整し、高周波用の電圧を生成し、Hブリッジ制御回路18を経由して電極組EMS-Bから電極組EMS-Aへ高周波を流す。
予め設定された中周波電流を流す時間が経過したら、その後、一旦所定の時間でトランジスタQ8の接続をOFFにし、信号オフ期間を設ける。
【0042】
本第2実施例の美容装置において、強度Lの場合、電圧は9.8V、低周波のハイ・レベル期間はLFHTL2、デューティ比はLFDRL2に設定する;強度Mの場合、電圧は11・4V、低周波のハイ・レベル期間はLFHTM2、デューティ比はLFDRM2に設定する;強度Hの場合、電圧は12.6V、低周波のハイ・レベル期間はLFHTH2、デューティ比はLFDRH2に設定する。なお、中周波と高周波のデューティ比は強度L,M,Hで同じくMHFDR2で、出力時間はT2に設定する。
【0043】
図13は本発明の第2実施例の美容装置から出力される非対称性ハイブリッド波形図で、横軸は時間、縦軸は電圧を示している。
図13に示すように、第2実施例においては、Y軸の負方向に低周波の信号が出力され、Y軸の正方向に中周波と高周波の信号が出力される。低周波の周波数は128Hz、中周波の周波数は1786Hz、高周波の周波数は12000Hzになるように設定する。
また、Y軸の正方向に信号が出力されない休止期間が設けられる。中周波と高周波信号の休止期間の合計時間は反対方向の低周波信号の出力時間のP2%である。
【0044】
上記したように、第1実施例と第2実施例では低周波はY軸の負方向に出力し、中周波と高周波はY軸の正方向に出力するように設定されるが、低周波の流れと中周波及び高周波の流れは反対方向であれば、Y軸の方向に限定されず、中周波と高周波の流れをY軸の負方向、低周波の流れをY軸の正方向になるように設定することもできる。
また、上記実施例で設定された低周波、中周波及び高周波の周波数は一例にすぎず、低周波を1~1000Hz、中周波は1000~10000Hz、高周波は10000Hz以上の範囲内で適宜に設定することができ、上記範囲内であれば、特に周波数の限定はしない。そして、本発明の第1実施例及び第2実施例の美容装置において、強度に応じて設定された電圧、ハイ・レベル期間、デューティ比は本発明の実施例の1例であって、これに限定するものではない。電圧、ハイ・レベル時間及びデューティ比は必要に合わせて適宜に設定することができる。
さらに、本発明の中周波信号の休止期間は反対方向の低周波信号出力時間に占めるパーセンテージ、限定するものではない。
【0045】
以上のように本発明の実施の形態及び実施例について説明したが、上述した実施の形態及び実施例は本発明の範囲の一部であり、すべてではない。上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正または変形を包含するものである。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、主として人体の顔や体の美容処理として用いられる美容装置で、リフトアップ、筋肉トレーニング、リラクゼーション、疲労回復、シワの改善などに幅広く利用することは可能で、さらに、超音波機能やRFなどと組み合わせて利用することもでき、実用上極めて有用性の高いものである。
【符号の説明】
【0047】
1…ボディ部、 2…操作部、 2a…電源スイッチ、 2b…強度選択スイッチ、 3…充電表示部、 3a…充電表示ランプ、 4…強度表示部、 4a,4b,4c… 強度表示ランプ、 5…充電口、 6…USBケーブル、 7…電源アダプタ、 8…刺激付与部、 8a,8b,8c,8d…電極、 9…電子基板、 10…充電電池、 11…コントロール部、 12…MCU、 13…波形調整部、 14…充電コントロール部、 15…USBコネクタ、 16…コネクタ1、 17…電圧制御回路、 18…Hブリッジ制御回路、 19…コネクタ2、 20…コネクタ3。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13