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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023031283
(43)【公開日】2023-03-08
(54)【発明の名称】パージ制御システム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20230301BHJP
【FI】
H01L21/68 A
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130588
(22)【出願日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】110131008
(32)【優先日】2021-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(31)【優先権主張番号】111111308
(32)【優先日】2022-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】521483825
【氏名又は名称】華景電通股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】古震維
(72)【発明者】
【氏名】胡瀚承
(72)【発明者】
【氏名】李旻哲
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131CA12
5F131DA32
5F131GA13
5F131HA29
5F131JA04
5F131JA13
5F131JA16
5F131JA24
5F131JA27
5F131JA29
5F131KA72
5F131KB12
5F131KB32
(57)【要約】
【課題】ウェハー搬送装置に接続されたパージ制御システムを提供する。
【解決手段】ウェハー搬送装置に接続されたパージ制御システムで、以下のものから構成されている:パージモジュールと制御モジュールを備え、パージモジュールはウェハー搬送装置内に配置され、制御モジュールと接続されている。パージモジュールは、エアカーテンユニット、流量制御ユニット、センシングユニットで構成されている。制御モジュールは、ドアアセンブリの変位値に応じてパージモジュールを制御し、対応するガス流量のクリーンガスをエアカーテンユニットに供給する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェハー搬送装置に接続されており、さらに前記ウェハー搬送装置はウェハーボックスを運ぶために利用され、パージ制御システムであって、
前記ウェハー搬送装置に設けられたパージモジュールと、
流量制御ユニットと、
制御モジュールを含み、
前記パージモジュールは、
前記ウェハー搬送装置のドアアセンブリの上部に合わせ配置されたエアカーテンユニットと、
前記エアカーテンユニットに接続されている流量制御ユニットとをさらに含み、
前記制御モジュールは、前記パージモジュールに電気的に接続され、さらに前記ドアアセンブリの変位値に応じて、対応するクリーンガスでガス流量を吹き出すように前記エアカーテンユニットを制御し、
前記変位値が増加すると、前記ガス流量は増加する、
パージ制御システム。
【請求項2】
前記パージモジュールは、前記ウェハー搬送装置上に配置されたセンシングユニットを含み、
前記センシングユニットは、前記ウェハー搬送装置の前記ドアアセンブリの変位状態を検出して、前記制御モジュールが洗浄ガスに供給する前記ガス流量を決定する、
請求項1に記載のパージ制御モジュール。
【請求項3】
前記エアカーテンユニットは、
本体と、
前記本体に配置された通気パネルを含み、
前記本体の上部および/または側面に少なくとも一つの空気吸入口をさらに含み、前記空気吸入口と前記パージモジュール内のパイプが接続され、前記エアカーテンユニットの前記クリーンガスが前記パイプおよび前記空気吸入口を介して前記本体に入れ、
前記通気パネルは複数の通気孔を有し、前記クリーンガスは前記通気パネルの前記通気孔を通して前記本体から外部に排出され、これにより、前記エアカーテンユニットと前記ウェハー搬送装置の前記ドアアセンブリの間に気流壁が形成される、
請求項1に記載のパージ制御モジュール。
【請求項4】
前記通気パネルの材質は、ステンレス鋼、帯電防止および耐食性繊維または複合材料、セラミック、樹脂または超高分子量ポリエチレンであり、また前記通気パネルが前記ステンレス鋼の場合、前記通気パネルは金属焼結により形成される、
請求項3に記載のパージ制御モジュール。
【請求項5】
前記ドアアセンブリが第1の位置決め点に移動すると、前記エアカーテンユニットは第1のガス流を吹き出し、前記ドアアセンブリが第2の位置決め点に移動すると、エアカーテンユニットは第2のガス流を吹き出し、
前記第2の位置決め点での前記ドアアセンブリの第2の変位値が前記第1の位置決め点での前記ドアアセンブリの第1の変位値よりも大きい場合、前記第2のガス流量は前記第1のガス流量よりも大きく、
前記第2の位置決め点での前記ドアアセンブリの前記第2の変位値が前記第1の位置決め点での前記ドアアセンブリの前記第1の変位値よりも小さい場合、前記第2のガス流量は前記第1のガス流量よりも小さい、
請求項1に記載のパージ制御モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体技術の分野に関し、特にウェハーボックスを利用してウェハーを運ぶ際に、層流方式または均一なエアフローの方式でガス流量を制御し、ウェハー搬送装置を清潔にするパージ制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
既存の半導体製造工場には、ウェハーボックスを搬送するための様々な種類の装置があり、これらの装置のほとんどは異なるメーカーによって製造されている。このため、異なるメーカーが製造した装置でウェハーボックスを搬送する場合、ウェハーボックスのドアを開けたときに、ウェハーボックス内部が外部の環境と直接接触したり、繋がったりする状態になることがある。それによって、ウェハーボックス外部の汚れや粒子がウェハーボックスに入りやすくなり、ウェハーボックス内のウェハーの汚染に繋がることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
背景技術の欠点に鑑み、本発明の主な目的は、制御モジュールを利用し、エアカーテンユニットを制御し、ウェハー搬送装置のドアアセンブリの変位値の大きさに応じてクリーンガスの流量を調整することによって、ウェハーボックスを膨張させる際に大流量のクリーンガスが乱流を発生されることで、環境中の汚れや粒子がガスの乱流によってウェハーボックス内に持ち込まれ、ウェハーボックス内の半導体コンポーネントが汚染されることを回避することである。
【0004】
本発明のもう一つの目的は、エアカーテンユニットへ進入するクリーンガスの流量と圧力を制御し、エアカーテンユニットからのクリーンガスの流れを層流状態にすることで、クリーンガスの流れの乱れがウェハーボックスに汚れを持ち込みウェハーボックス内の半導体コンポーネントを汚染するという技術的課題を解決することである。
【0005】
本発明のさらにもう一つの目的は、ウェハー搬送装置上のセンシングユニットを用いてドアアセンブリの変位値の大きさを検出し、ドアアセンブリの変位値の大きさに応じてエアカーテンユニットに供給するクリーンガスのガスフローを調整することにより、背景技術におけるウェハー搬送装置のドアアセンブリの開放後の変位の大きさにかかわらずエアカーテンユニットが同じガスフローのクリーンガスを供給し、クリーンガスの無駄使いにより使用コストが増加してしまう問題を解決することである。
【0006】
本発明のさらにもう一つの目的は、エアカーテン装置の通気パネルが複数の通気孔を有し、通気孔はステンレス鋼または超高分子量ポリエチレン(UPE、ultra-high molecular weight polyethylene)であることができ、通気パネルの耐圧性を高め、クリーンガスのガス流量を増加させることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的によれば、本発明は、ウェハー搬送装置に接続された一種のパージ制御システムを提供し、パージ制御システムは以下を含む:パージモジュールと制御モジュールであって、パージモジュールはウェハー搬送装置内に配置され、制御モジュールはパージモジュールに電気的に接続されている。パージモジュールは、エアカーテンユニットおよび流量制御ユニットおよびセンシングユニットで構成されている。エアカーテンユニットは、ウェハー搬送装置のドアアセンブリの上方に位置決め配置され;流量制御ユニットはエアカーテンユニットに接続されており;制御モジュールはパージモジュールに電気的に接続され、制御モジュールはドアアセンブリの変位値に応じてパージモジュールを制御し、対応するクリーンガスの流量をエアカーテンユニットに提供する。
【0008】
本発明の一つ好ましい実施形態において、パージモジュールはセンシングユニットを備え、ウェハー搬送装置上に配置され、センシングユニットがウェハー搬送装置のゲートアセンブリの変位状態を検出することで、制御モジュールが供給するクリーンガスの流量を判断する。
【0009】
本発明のもう一つ好ましい実施形態では、エアカーテンユニットは以下を含む。
本体と通気パネルであり、ここで本体の上端および/または側面には少なくとも1つの空気吸入口が設けられており、空気吸入口はパイプを介してパージモジュールに接続されており、エアカーテンユニットのクリーンガスはパイプおよび空気入口を介して本体に入る。
また、少なくとも1枚の通気パネルであり、本体内に設けられており、通気パネルは複数の通気孔を備え、通気パネルの複数の通気孔を介してクリーンガスを本体から外部に放出することで、エアカーテンユニットとウェハー搬送装置のドアアセンブリの間に気流壁が形成される。
【0010】
本発明のさらにもう一つ好ましい実施形態では、通気パネルの材料は、ステンレス鋼、帯電防止および耐食性繊維材料または複合材料、セラミック、樹脂、または超高分子量ポリエチレンであり得る。
【0011】
本発明のさらにもう一つ好ましい実施形態では、通気パネルがステンレス鋼の場合、複数の通気孔を有する通気パネルの製造は金属焼結によって形成されることができる。
【0012】
本発明のさらにもう一つ好ましい実施形態では、複数の通気孔は、機械的なドリル加工またはレーザードリル加工によって形成されることができる。
【0013】
本発明のさらにもう一つ好ましい実施形態では、通気パネルは多層の通気パネルであり、各層の通気パネルは複数の通気孔を有し、これら通気パネルは本体内に少なくとも一つの閉じた空間を形成する。
【0014】
本発明のさらにもう一つ好ましい実施形態では、エアカーテンユニットによって吹き付けられるクリーンガスの流量は、0.1m/s~2m/s(メートル/毎秒)の範囲である。
【0015】
本発明のさらにもう一つ好ましい実施形態では、ガス供給装置はパージ制御システムに接続されており、ガス供給装置はクリーンガスを提供するために使用され、クリーンガスは、クリーンドライエア(CDA、clean dry air)、またはエクストリームクリーンドライエア(X-CDA、extreme clean dry air)、または不活性ガスである。
【0016】
本発明のさらにもう一つ好ましい実施形態では、ガス供給装置からパージ制御システムに供給されるクリーニングガスのガス流量は、0~800LPM(リットル/分)の範囲である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明で開示する技術によるパージ制御システムを表すブロック図である。
図2】本発明で開示する技術によるパージ制御システムの各ユニットを表すブロック図である。
図3】本発明で開示する技術による制御されたパージシステムを備えたウェハー搬送装置の側面図である。
図4】本発明で開示する技術によるパージモジュール内のエアカーテンユニットの構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
まず、図1を参照されたい。図1は、本発明で開示されたパージ制御システムを示すブロック図である。図1では、パージ制御システム1がウェハー搬送装置500に接続されており、ここでパージ制御システム1は少なくとも制御モジュール2とパージモジュール4から構成されており、制御モジュール2は、パージモジュール4を制御して、ウェハー搬送装置500上に配置されたウェハーボックス300内の半導体コンポーネント(図示せず)を膨張させて、膨張/洗浄の目的を達成する。
【0019】
次に、図2を参照されたい。図2は、本発明が開示するパージ制御システムを示す詳細ブロック図である。図2において、パージ制御システム1におけるパージモジュール4は、少なくともエアカーテンユニット42、センシングユニット44、流量制御ユニット46で構成されており、ここで流量制御ユニット46はエアカーテンユニット42と制御モジュール2にそれぞれ接続されており、センシングユニット44はウェハー搬送装置500のドアアセンブリ502の変位値を検出し、ドアアセンブリ502の変位値に対応するセンシング信号を制御モジュール2に送り、制御モジュール2は、センシング信号によって、流量制御ユニット46によってエアカーテンユニット42に送られるガスの流量または圧力を調整することができ、したがって、ウェハー搬送装置500のドアアセンブリ502の上方のエアカーテンユニット42によってウェハーボックス300の開口側に向かって吹き付けられるガス流量が制御される。ここで、本発明のガスフローの制御方法は、例えば、各ガスフローが比率(レシピ)で制御モジュール2に書き込まれるように制御されており、例えば、レシピA、レシピB、レシピC、・・・、レシピZのように各レシピがガスフローに対応しており、また各ガスフロー値はドアアセンブリ502の変位値に対応していることに留意されたい。したがって、センシングユニット44が、ドアアセンブリ502の変位値が変化したことを検知すると、制御モジュール2は、ドアアセンブリ502の変位値と対応するレシピに応じて流量制御ユニット46を調節し、このレシピに従って、エアカーテンユニット42はレシピに対応するガス流量を提供し、本発明における制御モジュール2は、多段階調節方式でエアカーテンユニット42のガスフローを制御する。例えば、レシピA、レシピB、レシピC、・・・、レシピZに対応するガス流量は、小から大まであり、ドアアセンブリ502の変位値が小さい(小変位)場合、エアカーテンユニット42は、レシピAに対応するガスフローを吹き出し;ドアアセンブリ502の変位値が一定範囲まで大きくなる(大変位)と、エアカーテンユニット42はレシピCに対応するガスフローを吹き出す。本発明では、変位値の計算は、ドアアセンブリ502が開放されていない時間を基準として算出する。すなわち、ドアアセンブリ502の変位値が徐々に増加するとき、ドアアセンブリ502の変位値がある一定の変化区間にある間は、クリーンガスのガス流量を予め決められた流量に固定することができる。
【0020】
さらに、本発明においてさらに詳しく説明すると、ドアアセンブリ502の変位値の計算方式は、本発明中のドアアセンブリ502の未開放時をPとし、ドアアセンブリ502が未開放時Pから第1位置決め点Pまで移動する際に、この時のドアアセンブリ502の第1変位値の大きさがP-Pであるとする;ドアアセンブリ502が第1の位置決め点Pから第2の位置決め点Pまで移動すると、このときのドアアセンブリ502の第2の変位値の大きさはP-Pとする。
【0021】
より具体的な例では、ドアアセンブリ502が第1の位置決め点Pまで開かれると、エアカーテンユニット42は、レシピAに対応する第1のガス流量を吹き付ける。ドアアセンブリ502が第2の位置決め点Pまで開かれると、エアカーテンユニット42はレシピBに対応する第2のガス流量を吹き出し、ドアアセンブリ502が第3の位置決め点Pまで開かれると、エアカーテンユニット42はレシピCに対応する第3のガス流量を吹き出す、等々と続く。第2の位置決め点Pにおけるドアアセンブリ502の第2の変位値(P-P)が第1の位置決め点Pにおけるドアアセンブリ502の第1の変位値(P-P)より大きい場合、第2のガス流量は第1のガス流量より大きくなる。別の例では、第2の位置決め点Pにおけるドアアセンブリ502の第2の変位値(P-P)が第1の位置決め点Pにおけるドアアセンブリ502の第1の変位値(P-P)より小さいとき、第2のガス流量は第1のガス流量より小さくなる。もちろん、本発明は前述した多段階調節方式に限定されず、他の実施例では、ガス流量の無段階連続調節であっても良く、例えば、ドアアセンブリ502の変位値が徐々に大きくなると、すなわち、ウェハーボックス300の開口側の開口が徐々に大きくなり、クリーンガスのガス流量も徐々に大きくなる。逆に、ドアアセンブリ502の変位値が徐々に小さくなると、すなわちウェハーボックス300の開口側の開口部が徐々に小さくなり、クリーニングガスのガス流量も徐々に小さくなる。本発明は、クリーンガスの使用量を節約し、クリーンガスの使用コストを削減するために有効な方法である。
【0022】
次に、図3を参照されたい。図3は、パージ制御システムを備えたウェハー搬送装置の側面図である。図3において、ウェハー搬送装置500は、ウェハーボックス300を運ぶためのキャリアトレイ510を備えており、 ウェハー搬送装置500はドアアセンブリ502とドアフレーム(図示せず)を備えており、このドアアセンブリ502は、キャリアトレイ510上のウェハーボックス300のドア302を開き、ドア302をウェハーボックス300から離し1変位値だけ下方に移動させ、ウェハーボックス300の内部と外部環境を接続させ、このとき、ウェハーボックス300は開口部を現出させ、従って、外部のロボットアームまたは作業者が、必要に応じてその開口部を通して、ウェハーボックス300にウェハー等の半導体コンポーネント(図示せず)を配置したり、ウェハーボックス300から半導体コンポーネント(図示せず)を取り出したりすることができる。
【0023】
引き続き、図3を参照されたい。本発明のパージ制御システム1におけるエアカーテンユニット42は、ウェハー搬送装置500のドアアセンブリ502の上方に設置され、ドアアセンブリ502との間に分離距離が設けられており、この分離距離は、エアカーテンユニット42がドアアセンブリ502の方向にクリーンガスを連続的かつ均一に放出する際に、クリーンガスがこの分離距離で気流壁AFを形成し、気流壁AFは層流であることが好まく、外部の汚れや粒子が気流によってウェハーボックス300に運ばれることを低減する。さらに、エアカーテンユニット42によって吹き出されるガス流量は、ドアアセンブリ502の変位値によって変化する。さらに、ドアアセンブリ502の周囲(例えば上部5022及び/又は下部5024)又はドアフレーム(図示せず)にセンシングユニット46を設けることができ、このセンシングユニット46は、ドアアセンブリ502の変位状態(オフからオンへの変化)を検知するか、または所定の変位値を移動するために用いられ、この変位値に対応するセンシング信号が制御モジュール2(図2に示すように)に送られて、制御モジュール2はエアカーテンユニット42によって吹き付けられるガス流量を調整する。
【0024】
したがって、制御モジュール2(図2に示す)は、センシングユニット44によって検出されたウェハー搬送装置500のドアアセンブリ502の変位値に応じてガス供給装置(図示せず)を制御し、この変位値に対応するガス流量のクリーンガスをパージモジュール4のエアカーテンユニット42内に提供し、同時に制御モジュール2は、エアカーテンユニット42へのクリーンガスの流量又は圧力に応じて、好ましくは層流状態で流れるようにエアカーテンユニット42からのクリーンガス流を調節することができる。また、ドアアセンブリ502の変位値の変化は、必ずしもセンシングユニット46で検知する必要はなく、別の実施形態では、ドアアセンブリ502の開放時間を直接計算して変位値の変化量を決定することができ、本発明は、ドアアセンブリ502の変位値を知る方法を限定するものではない。
【0025】
次に、図4を参照されたい。図4は、パージモジュール内のエアカーテンユニットの構造を示す模式図である。図4において、エアカーテンユニット42は、本体420、カバー420a、通気パネル422、空気吸入口4202、4204で構成されており、このうち本体420の外観輪郭は長方形であり、本体420とカバー420aで囲まれた内部空間には、多数の通気孔4222を有する通気パネル422が設けられており、通気パネル422の形状は、エアカーテンユニット42の本体420に合わせて設定することができる。通気パネル422はエアカーテンユニット42内に閉鎖空間を形成し、閉鎖空間は通気孔4202および4204と連絡することができる。通気パネル422の細孔4222の細孔は、0.001ミクロン(μm)~10ミリメートル(mm)、好ましくは0.001ミクロン(μm)~1ミクロン(μm)の範囲の細孔径を有していてもよい。 本実施形態において、細孔4222の数や分布は限定されず、例えば、規則的に分布していてもよいし、不規則に分布していてもよい。本発明の好ましい実施形態では、複数の通気孔4222を備えた通気パネル422の材料は、ステンレス鋼、ガラス繊維、エポキシガラス繊維、テフロン(登録商標)(PTFE)、セラミック、樹脂などの、ただしこれらに限定されない、帯電防止および耐食性繊維材料または複合材料、または超高分子量ポリエチレン(UPE、ultra-high molecular weight polyethylene)とすることができ、これにより、元の流量0~400LPMから0~800LPMに増加し、ガス圧に対する耐性が増加し、大流量のガスにより通気パネルが破裂することを避ける。
【0026】
本発明の別の好ましい実施形態では、本体420内の通気パネル422は、1枚、2枚またはそれ以上の複数枚とすることができ、ユーザーの必要性に応じて本体420内の通気パネル422の枚数を変更することができる。例えば、図示しない実施形態では、2つの通気パネルが間隔を空けて設けられ、エアカーテンユニット42内に2つの密閉空間を形成している。 図示しない別の例では、2枚の通気パネルが積み重なれられ、エアカーテンユニット42内に閉空間を形成している。さらに、長方形の本体420の上側および/または長辺には、空気吸入口4202、4204が設けられており、別の実施形態では、空気吸入口4202、4204は長方形の本体420の短辺側にも配置されてよく、空気吸入口4202、4204はそれぞれ短辺および長辺に配置することもでき、かつ空気吸入口4202、4204の数に制限はない。また、本体420に設けられた空気吸入口4202、4204は、チューブ7を介してガス供給装置(図示せず)に接続されている。なお、ガス供給装置(図示せず)は、クリーンドライエア(CDA、clean dry air)、エクストリームクリーンドライエア(X-CDA、Extreme clean dry air)、または不活性ガス等の様々なクリーンガスを、チューブ7を介してエアカーテンユニット42に供給することを注意されたい。さらに、本発明のこの実施形態では、通気パネル422の材料がステンレスである場合、複数の通気孔4222を有する通気パネル422の金属焼結で製造することができ、すなわち、焼結金属粉末を用いて、焼結によってステンレス製の通気パネル422を形成することができる。これらの通気孔4222は、レーザードリルや機械的なドリル加工により形成することができる。なお、通気孔4222は、規則的に配置されていても不規則に配置されていても特に制限はない。
【0027】
次に、本発明のパージ制御システムの一実施形態であるウェハー搬送装置のパージ手順について例を挙げて説明する。ウェハー搬送装置用のパージ制御システムの実施形態のパージ手順を説明するときは、同時に図2から4を参照されたい。まず、センシングユニットは、ウェハー搬送装置のゲートアセンブリの変位値を検出する。この工程では、ウェハー搬送装置500のドアアセンブリ502が閉状態から開状態になり、ドアアセンブリ502周囲(例えば上部5022及び/または下部5024)又はドアフレーム(図示せず)に設置されたセンシングユニット44が、ウェハー搬送装置500のドアアセンブリ502の状態の変化を検知すると、ドアアセンブリ502の移動距離を第1の変位値として定義し、このとき、センシングユニット44は、ウェハー搬送装置500のゲートアセンブリ502で検出された第1の変位値に対応する第1の信号を制御モジュール2へ送信し、制御モジュール2は、第1の信号に従ってガス供給装置(図示せず)を制御して、パージモジュール4へ第1の変位値に対応するガス流のクリーンガスを提供し、そして、流量制御ユニット46は、ドアアセンブリ502の第1の変位値および対応するガス流量に対応するクリーンガスをエアカーテンユニット42に送り、そして、エアカーテンユニット42からウェハー搬送装置500のドアアセンブリ502の方向に第1のガス流量のクリーンガスを吹きつけ。
【0028】
本発明の好ましい実施形態では、ガス供給装置(図示せず)が空気吸入口4202、4204を介してクリーンガス(図示せず)をエアカーテンユニット42に供給した後、エアカーテンユニット42内の複数の通気孔4222によって通気パネル422を通る流れは均一化され、さらに小さな粒子の濾過が行われ、エアカーテンユニット42から放出される際のガスの清浄度と均一度を向上させることができ、第1のガス流量を有するクリーンガスは、カバー420aの反対側の本体420から、ウェハー搬送装置500のドアアセンブリ502に向かって均一に吹き出すことができる。
【0029】
次に、ドアアセンブリ502の移動距離が第2の変位値である場合、センシングユニット44は第2の変位値に対応する第2の信号を制御モジュール2に送信し、制御モジュール2は、第2の信号に従って流量制御ユニット46を調整して、エアカーテンユニット42に第2の信号に対応するガス流量を有するクリーンガスを供給し、エアカーテンユニット42からウェハー搬送装置500のドアアセンブリ502の方向に第2のガス流量のクリーンガスを供給する。なお、流量制御ユニット46から供給されるクリーンガスのガス流量は、ドアアセンブリ502の変位値によって変化するが、そのクリーンガスは、エアカーテンユニット42によってウェハー搬送装置500のドアアセンブリ502に方向へ噴出され。本発明では、エアカーテンユニット42によって吹き付けられるクリーンガスは、ドアユニット502の変位値に関わらず層流状態で流れることが好ましく、エアカーテンユニット42によって吹き付けられるクリーンガスの流量は、0.1m/s~2m/s(メートル/秒)であることが好ましい。
【0030】
以上から分かるように、ウェハー搬送装置500のドアアセンブリ502の変位値は、エアカーテンユニット42(又は形成された気流壁AF)により噴出されるガス流量に関連するものである。本発明では、エアカーテンユニット42に供給するクリーンガスの流量または/および圧力を調整して、エアカーテンユニット42から吹き出すクリーンガスの流れを層流状態に制御することができ、ドアユニット502の変位値に応じてエアカーテンユニット42から吹き出すクリーンガスの流量を調整できるので、ウェハー搬送装置500のドアアセンブリ502の近くで乱流ガスが発生することを回避することができ、またドアアセンブリ502付近の汚れやパーティクルがウェハーボックス300に持ちこまれ汚染される問題を回避することができる。
【0031】
また、エアカーテンユニット42の通気パネル422の材料は、ステンレス鋼、帯電防止耐食繊維または複合材料、セラミック、樹脂、または超高分子量ポリエチレンがあり、通気パネル422の材料の特性を使って、ガス圧力を0~800LPM(リットル/分)に高め、つまりガス供給装置がパージ制御システムへ供給するガス流量の範囲を0~800LPMに制御でき、ガス圧への耐性がさらに高く、エアカーテンユニット42全体の耐用年数が長くすることができる。
【符号の説明】
【0032】
1 パージ制御システム 2 制御モジュール
4 パージモジュール 42 エアカーテンユニット
420 本体 420a カバー
422 通気パネル 4202、4204 空気吸入口
4222 通気孔
44 センシングユニット 46 流量制御ユニット
300 ウェハーボックス 302 ドア
500 ウェハー搬送装置 502 ドアアセンブリ
5022 ドアアセンブリの上部 5024 ドアアセンブリの下部
510 キャリアトレイ AF 気流壁
図1
図2
図3
図4