(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023031301
(43)【公開日】2023-03-08
(54)【発明の名称】心房の解剖学的に正確な再構成
(51)【国際特許分類】
A61B 5/367 20210101AFI20230301BHJP
A61B 5/287 20210101ALI20230301BHJP
A61B 18/08 20060101ALN20230301BHJP
【FI】
A61B5/367 100
A61B5/287 200
A61B18/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022132319
(22)【出願日】2022-08-23
(31)【優先権主張番号】17/410,045
(32)【優先日】2021-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】モシェ・サフラン
(72)【発明者】
【氏名】メイル・バル-タル
(72)【発明者】
【氏名】リロン・シュムエル・ミズラヒ
(72)【発明者】
【氏名】アローナ・シガル
(72)【発明者】
【氏名】アロン・バラム
【テーマコード(参考)】
4C127
4C160
【Fターム(参考)】
4C127AA02
4C127HH13
4C127LL08
4C160KK47
(57)【要約】
【課題】心房解剖学的構造の改善された解剖学的に正確な再構成(例えば、マップ)を正確に生成すること。
【解決手段】機械学習/人工知能アルゴリズムを使用して心房の解剖学的に正確な再構成を生成するための方法が提供される。本方法は、プロセッサによって実行される再構成エンジンによって、解剖学的構造に対応する入力を受信することと、再構成エンジンのモデルベースの高速解剖学的マッピングによって、入力に最も適合するパラメトリックモデルを選択する初期変換を計算することと、を含む。本方法は、モデルベースの高速解剖学的マッピングによって、反復最適化を実行することを更に含む。反復最適化は、パラメトリックモデルに基づいて統計的事前分布を構築すること、及び、パラメトリックモデルを入力及び統計的事前分布に適用して、解剖学的構造の等値面を生成することを含む。この方法は、再構成エンジンによって、等値面を含む出力を生成することを更に含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
再構成エンジンのプロセッサ実行可能プログラム命令を記憶するように構成されたメモリと、
少なくとも1つのプロセッサであって、前記マッピングエンジンの前記プログラム命令を実行して、前記システムに、
解剖学的構造に対応する1つ以上の入力を受信することと、
前記1つ以上の入力に最も適合するパラメトリックモデルを少なくとも選択する初期変換を計算することと、
少なくとも1つの反復最適化を実行することであって、前記少なくとも1つの反復最適化は、前記パラメトリックモデルに基づいて統計的事前分布を構築すること、及び、前記パラメトリックモデルを前記1つ以上の入力及び前記統計的事前分布に適用して、前記解剖学的構造の等値面を生成することを含む、実行することと、
少なくとも前記等値面を含む出力を生成することと、
を実行させるように構成されている、少なくとも1つのプロセッサと、
を含む、システム。
【請求項2】
前記1つ以上の入力は、前記解剖学的構造の右側及び左側からの点についてのカテーテル点と解剖学的タグとを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記解剖学的構造は左心房を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記パラメトリックモデルは、前記解剖学的構造又はその下部構造の形状を表すパラメータに基づいて選択された固定モデルである、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの反復最適化は、コスト関数及び制約関数を計算すること、コスト導関数及び制約導関数を計算すること、パラメータを更新すること、前記1つ以上の入力を更新すること、最適化ハイパーパラメータを更新すること、又は1つ以上の管切断を更新することのうちのいずれか1つを更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの反復最適化は、前記解剖学的構造の解剖学的に正確な再構成を前記等値面として生成するための、前記パラメトリックモデルと前記1つ以上の入力の最小数の点群データ及び前記統計的事前分布とのブレンディングを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記出力は、前記等値面、3次元メッシュレンダリング、又は解剖学的メッシュ着色を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記マッピングエンジンの前記プログラム命令を実行して、前記システムに、アブレーション処置中に前記再構成エンジンによって生成された前記出力をディスプレイに表示させるように更に構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記マッピングエンジンの前記プログラム命令を実行して、前記システムに、後続の入力を受信させ、前記等値面を前記後続の入力に適合させるために前記反復最適化を実行させるように更に構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記後続の入力は、好ましい磁石点、後続の解剖学的タグ、又はユーザ編集のうちのいずれか1つを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
方法であって、
1つ以上のプロセッサによって実行される再構成エンジンによって、解剖学的構造に対応する1つ以上の入力を受信することと、
前記再構成エンジンのモデルベースの高速解剖学的マッピングによって、前記1つ以上の入力に最も適合するパラメトリックモデルを少なくとも選択する初期変換を計算することと、
前記再構成エンジンの前記モデルベースの高速解剖学的マッピングによって、少なくとも1つの反復最適化を実行することであって、前記少なくとも1つの反復最適化は、前記パラメトリックモデルに基づいて統計的事前分布を構築すること、及び、前記パラメトリックモデルを前記1つ以上の入力及び前記統計的事前分布に適用して、前記解剖学的構造の等値面を生成することを含む、実行することと、
前記再構成エンジンによって、少なくとも前記等値面を含む出力を生成することと、
を含む、方法。
【請求項12】
前記1つ以上の入力は、前記解剖学的構造の右側及び左側からの点についてのカテーテル点と解剖学的タグとを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記解剖学的構造は左心房を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記パラメトリックモデルは、前記解剖学的構造又はその下部構造の形状を表すパラメータに基づいて選択された固定モデルである、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの反復最適化は、コスト関数及び制約関数を計算すること、コスト導関数及び制約導関数を計算すること、パラメータを更新すること、前記1つ以上の入力を更新すること、最適化ハイパーパラメータを更新すること、又は1つ以上の管切断を更新することのうちのいずれか1つを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの反復最適化は、前記解剖学的構造の解剖学的に正確な再構成を前記等値面として生成するための、前記パラメトリックモデルと前記1つ以上の入力の最小数の点群データ及び前記統計的事前分布とのブレンディングを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記出力は、前記等値面、3次元メッシュレンダリング、又は解剖学的メッシュ着色を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
アブレーション処置中に前記再構成エンジンによって生成された前記出力をディスプレイに表示することを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記再構成エンジンによって後続の入力を受信することと、前記等値面を前記後続の入力に適合させるために少なくとも1つの反復最適化を実行することと、を更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記後続の入力は、好ましい磁石点、後続の解剖学的タグ、又はユーザ編集のうちのいずれか1つを含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械学習及び/又は人工知能方法及びシステムに関する。より具体的には、本発明は、心房の解剖学的に正確な再構成を提供する機械学習/人工知能アルゴリズムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療カテーテル法は、心房細動などの心不整脈の場合に日常的に行われている。心房細動は、心臓組織の諸領域が隣接組織に電気信号(例えば、望ましくない信号)を異常に伝導することによって正常な心周期を阻害し、非同期的な律動を引き起こす場合に発生する。
【0003】
心不整脈を治療するための処置には、心不整脈を引き起こす望ましくない電気信号の発生源を外科的に破壊すること、並びにエネルギー(例えば、カテーテルを介した高周波エネルギー)の印加によって心臓組織を選択的に切除することによって、そのような信号の望ましくない伝導経路を破壊することが含まれる。より具体的には、アブレーションプロセスは、非伝導性の損傷部を形成することによって望ましくない伝導経路を破壊し、それによって、心臓のある部分から別の部分への望ましくない電気信号の伝播を停止又は修正する。
【0004】
現在、電気生理学的マッピング手順で高速解剖学的マッピング(fast anatomical mapping:FAM)アルゴリズムを使用して心房解剖学的マップをデジタル的に構築することができ、これを更にアブレーション中に医師(又は医療専門家若しくは臨床医)が使用することができる。これに関して、FAMアルゴリズムは、カテーテルによって取得された点群データに標準的なボールピボットアルゴリズムを適用することによって、左心房形状の3次元再構成を生成する。点群データは、表面電極からか内部電極からかにかかわらず、超音波を使用した散乱情報の初期セットを含むことができる。しかし、この心房解剖学的マップは、基礎となる解剖学的構造を考慮せず、カテーテルがまだ訪問していない領域における情報を提供せず、心耳と左上肺静脈(pulmonary vein:PV)との併合などのマッピング処置中のカテーテルによる心房の変形に起因する解剖学的に不正確なアーチファクトを含む。
【0005】
場合によっては、FAMアルゴリズムの代わりに、医師は、少数の接触点を取得し、標準的な単純なメッシュ化方法を使用することによって、点ごとのマッピングを実行することができる。しかし、点ごとのマッピングで得られるマップは大まかであり、その不正確さのために医師による使用が限定的なものとなっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、FAMアルゴリズム及び標準的な単純なメッシュ化方法の顕著な欠点のために、心房解剖学的構造の改善された解剖学的に正確な再構成(例えば、マップ)を正確に生成する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
例示的な実施形態によれば、機械学習/人工知能アルゴリズムを使用して心房の解剖学的に正確な再構成を生成するための方法が提供される。本方法は、1つ以上のプロセッサによって実行される再構成エンジンによって、解剖学的構造に対応する1つ以上の入力を受信することと、再構成エンジンのモデルベースの高速解剖学的マッピングによって、1つ以上の入力に最も適合するパラメトリックモデルを少なくとも選択する初期変換を計算することと、を含む。本方法は、再構成エンジンのモデルベースの高速解剖学的マッピングによって、少なくとも1つの反復最適化を実行することを更に含む。少なくとも1つの反復最適化は、パラメトリックモデルに基づいて統計的事前分布を構築すること、及び、パラメトリックモデルを1つ以上の入力及び統計的事前分布に適用して、解剖学的構造の等値面を生成することを含む。本方法は、再構成エンジンによって、少なくとも等値面を含む出力を生成することを更に含む。
【0008】
1つ以上の実施形態によれば、上記の例示的な方法の実施形態は、装置、システム、及び/又はコンピュータプログラム製品として実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
より詳細な理解は、添付の図面と併せて例として示される以下の説明より得ることができ、図中の同様の参照番号は、同様の要素を示す。
【
図1】1つ以上の実施形態によって、本開示の主題の1つ以上の特徴を実装することができる、例示的なシステムの図を示す。
【
図2】1つ以上の実施形態による、心房の解剖学的に正確な再構成のための例示的なシステムのブロック図を示す。
【
図3】1つ以上の実施形態による例示的な方法を示す。
【
図4】1つ以上の例示的な実施形態による、人工知能システムの図解描写を示す。
【
図5】1つ以上の実施形態による、ニューラルネットワークの一例、及びニューラルネットワーク内で実施される方法のブロック図を示す。
【
図6】1つ以上の例示的な実施形態による例示的な方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書では、再構成エンジンによって実施される機械学習及び/又は人工知能の方法及びシステムを開示する。より具体的には、本発明は、可能な限り少ないデータ点を使用して、改善された解剖学的に正確な心房解剖学的マップを正確に生成することなどによって、心房の解剖学的に正確な再構成を提供する機械学習/人工知能アルゴリズムを含む再構成エンジンに関する。
【0011】
心臓の心房(例えば、左心房及び右心房)は、壁が人によって異なる寸法を有する複雑な3次元構造である。左心房に関しては、基本形状は個人間で同じであり得る。左心房は更に、PV、僧帽(例えば、二尖)弁、及び隔壁などのいくつかの下部構造に分割され得る。また、これらの下部構造も典型的には人によって異なるが、各下部構造は左心房全体に対して同じ基本形状を有する。加えて、下部構造の形状の個人差にかかわらず、所与の下部構造は、心臓の他の下部構造に対して同じ関係を有し得る。
【0012】
1つ以上の実施形態によれば、再構成エンジンは、左心房の改善された解剖学的に正確な心房解剖学的マップを生成するために、モデルベースのFAM(「mFAM」)アルゴリズムを含み、実装し、利用する。これに関して、再構成エンジン及びmFAMアルゴリズムは、パラメトリックモデルを生成/定義する。パラメトリックモデルは、左心房の下部構造の形状を表す固定モデルとすることができる。パラメトリックモデルはパラメータを含み、各パラメータは、マッピングされる人の心房の解剖学的構造に応じて変化する値を有する。
【0013】
再構成エンジン及びmFAMアルゴリズムは、パラメトリックモデルを使用して、左心房の下部構造の形状の統計的事前分布を、この下部構造の他のインスタンスのデータセット(例えば、他のマッピングからの値)から構築する。再構成エンジン及びmFAMアルゴリズムは、パラメトリックモデルを点群データ(例えば、散乱超音波情報の初期セット)及び統計的事前分布に更に適合させ/適用して、下部構造形状の等値面を生成する。等値面は、可能な限り少ないデータ点を使用した、改善された解剖学的に正確な心房解剖学的マップであると考えることができる。これに関して、等値面は、3次元データ分布において等しい値を有する点を使用した下部構造形状の3次元表面表現とすることができる。次いで、再構成エンジンは、アブレーション中に医師が使用するための等値面を表示し、及び/又は、パラメトリックモデルの改良中に再構成エンジンが使用するための等値面を記憶する。
【0014】
再構成エンジンの1つ以上の利点、技術的効果、及び/又は利益は、従来のマッピング(例えば、FAMアルゴリズム及び標準的な単純なメッシュ化方法)では利用できなかった等値面を生成して医師に提供することを含み得る。すなわち、再構成エンジンは特に、必要とされるサンプル/データ点/点がより少ないmFAMアルゴリズムを利用して、医療デバイス機器の処理負荷を低減し、医療デバイス機器の動作をより正確なマッピングマシンに変換する。
【0015】
説明を容易にするため、再構成エンジンは、心臓(例えば、左心房形状)をマッピングすることに関して本明細書に記載されているが、任意の解剖学的構造、身体部分、器官、又はその部分を、本明細書に記載される再構成エンジンによるマッピングの標的とすることができる。更に、再構成エンジン及び/又は機械学習/人工知能アルゴリズムは、医療デバイス機器による処理操作及び医療デバイス機器の処理ハードウェアに必然的に基づくプロセッサ実行可能コード又はソフトウェアである。このように、再構成エンジンは、再構成エンジンを実行するように構成されたソフトウェア、ファームウェア、プロセッサ、又は回路の任意の1つ又は組み合わせで実装することができる。
【0016】
1つ以上の実施形態による、方法が提供される。この方法は、1つ以上のプロセッサによって実行される再構成エンジンによって、解剖学的構造に対応する1つ以上の入力を受信することと、再構成エンジンのモデルベースの高速解剖学的マッピングによって、1つ以上の入力に最も適合するパラメトリックモデルを少なくとも選択する初期変換を計算することと、再構成エンジンのモデルベースの高速解剖学的マッピングによって、少なくとも1つの反復最適化を実行することと、を更に含む。少なくとも1つの反復最適化は、パラメトリックモデルに基づいて統計的事前分布を構築すること、及び、パラメトリックモデルを1つ以上の入力及び統計的事前分布に適用して、解剖学的構造の等値面を生成することを含む。本方法は、再構成エンジンによって、少なくとも等値面を含む出力を生成することを更に含む。
【0017】
本明細書の1つ以上の実施形態又は方法の実施形態のいずれかによれば、1つ以上の入力は、解剖学的構造の右側及び左側からの点についてのカテーテル点と解剖学的タグとを含むことができる。
【0018】
本明細書の1つ以上の実施形態又は方法の実施形態のいずれかによれば、解剖学的構造は左心房を含むことができる。
【0019】
本明細書の1つ以上の実施形態又は方法の実施形態のいずれかによれば、パラメトリックモデルは、解剖学的構造又はその下部構造の形状を表すパラメータに基づいて選択された固定モデルであり得る。
【0020】
本明細書の1つ以上の実施形態又は方法の実施形態のいずれかによれば、少なくとも1つの反復最適化は、コスト関数及び制約関数を計算すること、コスト導関数及び制約導関数を計算すること、パラメータを更新すること、1つ以上の入力を更新すること、最適化ハイパーパラメータを更新すること、又は1つ以上の管切断を更新することのうちのいずれか1つを含むことができる。
【0021】
本明細書の1つ以上の実施形態又は方法の実施形態のいずれかによれば、少なくとも1つの反復最適化は、解剖学的構造の解剖学的に正確な再構成を等値面として生成するための、パラメトリックモデルと1つ以上の入力の最小数の点群データ及び統計的事前分布とのブレンディングを含むことができる。
【0022】
本明細書の1つ以上の実施形態又は方法の実施形態のいずれかによれば、出力は、等値面、3次元メッシュレンダリング、又は解剖学的メッシュ着色を含むことができる。
【0023】
本明細書の1つ以上の実施形態又は方法の実施形態のいずれかによれば、出力は、アブレーション処置中に再構成エンジンによってディスプレイに表示され得る。
【0024】
本明細書の1つ以上の実施形態又は方法の実施形態のいずれかによれば、再構成エンジンは、後続の入力を受信することができ、等値面を後続の入力に適合させるために反復最適化を実行することができる。
【0025】
本明細書の1つ以上の実施形態又は方法の実施形態のいずれかによれば、後続の入力は、好ましい磁石点、後続の解剖学的タグ、又はユーザ編集のうちのいずれか1つを含むことができる。
【0026】
1つ以上の実施形態により、システムが提供される。システムは、再構成エンジンのプロセッサ実行可能プログラム命令を記憶するように構成されたメモリを含む。システムはまた、マッピングエンジンのプログラム命令を実行して、システムに、解剖学的構造に対応する1つ以上の入力を受信することと、1つ以上の入力に最も適合するパラメトリックモデルを少なくとも選択する初期変換を計算することと、少なくとも1つの反復最適化を実行すること(例えば、少なくとも1つの反復最適化は、パラメトリックモデルに基づいて統計的事前分布を構築すること、及び、パラメトリックモデルを1つ以上の入力及び統計的事前分布に適用して、解剖学的構造の等値面を生成することを含む)と、少なくとも等値面を含む出力を生成することと、を実行させるように構成された少なくとも1つのプロセッサも含む。
【0027】
本明細書の1つ以上の実施形態又はシステムの実施形態のいずれかによれば、1つ以上の入力は、解剖学的構造の右側及び左側からの点についてのカテーテル点と解剖学的タグとを含むことができる。
【0028】
本明細書の1つ以上の実施形態又はシステムの実施形態のいずれかによれば、解剖学的構造は左心房を含むことができる。
【0029】
本明細書の1つ以上の実施形態又はシステムの実施形態のいずれかによれば、パラメトリックモデルは、解剖学的構造又はその下部構造の形状を表すパラメータに基づいて選択された固定モデルであり得る。
【0030】
本明細書の1つ以上の実施形態又はシステムの実施形態のいずれかによれば、少なくとも1つの反復最適化は、コスト関数及び制約関数を計算すること、コスト導関数及び制約導関数を計算すること、パラメータを更新すること、1つ以上の入力を更新すること、最適化ハイパーパラメータを更新すること、又は1つ以上の管切断を更新することのうちのいずれか1つを含むことができる。
【0031】
本明細書の1つ以上の実施形態又はシステムの実施形態のいずれかによれば、少なくとも1つの反復最適化は、解剖学的構造の解剖学的に正確な再構成を等値面として生成するための、パラメトリックモデルと1つ以上の入力の最小数の点群データ及び統計的事前分布とのブレンディングを含むことができる。
【0032】
本明細書の1つ以上の実施形態又はシステムの実施形態のいずれかによれば、出力は、等値面、3次元メッシュレンダリング、又は解剖学的メッシュ着色を含むことができる。
【0033】
本明細書の1つ以上の実施形態又はシステムの実施形態のいずれかによれば、出力は、アブレーション処置中に再構成エンジンによってディスプレイに表示され得る。
【0034】
本明細書の1つ以上の実施形態又はシステムの実施形態のいずれかによれば、再構成エンジンは、後続の入力を受信することができ、等値面を後続の入力に適合させるために反復最適化を実行することができる。
【0035】
本明細書の1つ以上の実施形態又はシステムの実施形態のいずれかによれば、後続の入力は、好ましい磁石点、後続の解剖学的タグ、又はユーザ編集のうちのいずれか1つを含むことができる。
【0036】
図1は、本明細書の主題の1つ以上の特徴を1つ以上の実施形態に従って実装することができる、システム100として示される例示的なシステム(例えば、医療デバイス機器)の図である。システム100の全体又は一部を使用して、本明細書に記載される情報(例えば、生体測定データ及び/若しくは訓練データセット)を収集し、かつ/又は再構成エンジン101(例えば、機械学習及び/又は人工知能アルゴリズム)を実施することができる。再構成エンジン101は、データ及び事前分布統計知識に最も適合するモデルパラメータが反復プロセスで推定される最適化として定義することができる。
【0037】
図に示されるシステム100は、カテーテル110(少なくとも1つの電極111を含む)、シャフト112、シース113、及びマニピュレータ114を備えたプローブ105を含んでいる。図に示されるシステム100はまた、医師115(又は医療専門家又は臨床医)、心臓120、患者125、及びベッド130(又はテーブル)も含んでいる。差し込み
図140及び150は、心臓120及びカテーテル110をより詳細に示すものである点に留意されたい。システム100はまた、図に示されるように、コンソール160(1つ以上のプロセッサ161及びメモリ162を含む)及びディスプレイ165も含んでいる。更に、システム100の各要素及び/又はアイテムは、その要素及び/又はそのアイテムのうちの1つ以上を表す点に留意されたい。
図1に示されるシステム100の例を改変して、本明細書に開示される実施形態を実施することができる。本開示の実施形態も、他のシステム構成要素及び設定を使用して、同様に適用することができる。更に、システム100は、電気的活動を感知するための要素、有線又は無線コネクタ、処理及びディスプレイデバイスなどの、更なる構成要素を含んでもよい。
【0038】
システム100は、(例えば、再構成エンジン101を使用して)心臓の状態を検出、診断、及び/又は治療するために利用することができる。心不整脈などの心臓状態は、特に老年人口において一般的かつ危険な内科疾患として根強く残っている。例えば、システム100は、生体測定データ(例えば、心臓120などの患者の器官の解剖学的及び電気的測定値)を取得し、心臓アブレーション処置を実施するように構成された外科用システム(例えば、Biosense Websterより販売されているCARTO(登録商標)システム)の一部とすることができる。より詳細には、心不整脈などの心疾患の治療では、心臓組織、心腔、静脈、動脈、及び/又は電気的経路の詳細なマッピングを得ることがしばしば求められる。例えば、(本明細書に記載されるような)カテーテルアブレーションを成功裏に行うための前提条件として、心不整脈の原因が心臓120の心腔において正確に位置特定されることがある。このような位置特定は、電気生理学的検査によって行われて、その調査の間に、心臓120の心腔内に導入されたマッピングカテーテル(例えば、カテーテル110)によって空間的に分解された電位を検出することができる。したがって、この電気生理学的検査、いわゆる電気解剖学的マッピングは3Dマッピングデータを提供し、これをモニター上に表示することができる。多くの場合、マッピング機能及び治療機能(例えば、アブレーション)は単一のカテーテル又は一群のカテーテルによって提供され、マッピングカテーテルはまた、同時に治療(例えば、アブレーション)カテーテルとしても動作する。この場合、再構成エンジン101は、カテーテル110によって直接格納され、実行され得る。
【0039】
正常洞調律(NSR)を有する患者(例えば、患者125)では、心房、心室、及び興奮性伝導組織を含む心臓(例えば、心臓120)は、電気的に興奮して、同期した、パターンを有する形で拍動する。なお、この電気的興奮は、心内心電図(IC ECG)データなどとして検出することができる。
【0040】
心不整脈(例えば、心房細動又はaFib)を有する患者(例えば、患者125)では、心臓組織の異常領域は、正常な導電性組織に伴う同期した拍動周期に従わず、NSRを有する患者とは対照的である。これに対して、心臓組織の異常領域では隣接組織への異常な伝導が行われ、これにより心臓周期が乱れて非同期的な心律動となる。この非同期的心律動はまた、IC ECGデータとして検出することができる点に留意されたい。こうした異常伝導は、例えば、房室(AV)結節の伝導経路に沿った洞房(SA)結節の領域、又は心室及び心房の壁を形成する心筋組織など、心臓120の様々な領域で生じることがこれまでに知られている。異常な導電性の組織のパターンがリエントリー経路につながることにより、洞律動の複数倍になり得る規則的なパターンで心腔が拍動する、心房粗動などの他の状態も存在する。
【0041】
システム100が心臓の状態を検出、診断、及び/又は治療することを支援するため、医師115はベッド130上に横たわる患者125の心臓120内にプローブ105を誘導することができる。例えば、医師115は、カテーテル110の近位端の近くのマニピュレータ114及び/又はシース113からの偏向を用いてシャフト112の遠位端を操作しながら、シース113を通してシャフト112を挿入することができる。差し込み
図140に示されるように、カテーテル110をシャフト112の遠位端に取り付けることができる。カテーテル110は、折り畳まれた状態でシース113を通して挿入することができ、次いで、心臓120内で拡張させることができる。
【0042】
一般に、心臓120内のある点における電気的活動は典型的には、遠位先端又はその近くに電気センサを収容したカテーテル110(例えば、少なくとも1つの電極111)を心臓120内のその点へと前進させ、組織をセンサと接触させ、その点におけるデータを取得することによって測定することができる。単一の遠位先端電極のみを収容したカテーテルタイプを使用して心腔をマッピングすることに伴う1つの難点は、心腔全体としての詳細なマップに求められる必要な数の点にわたって各点ごとにデータを集積するために長い時間が必要とされることがあることである。したがって、心腔内の複数の点における電気的活動を同時に測定するために、多電極カテーテル(例えば、カテーテル110)が開発されてきた。
【0043】
少なくとも1つの電極111及びその本体上に連結されたカテーテル針を含むことができるカテーテル110は、体内臓器(例えば、心臓120)の電気的信号などの生体測定データを得て、かつ/又はその組織領域(例えば、心臓120の心腔)をアブレーションするように構成することができる。電極111は、追跡コイル、圧電変換器、電極、又は組織領域をアブレーションするか又は生体測定データを取得するように構成された要素の組み合わせなどの任意の同様の要素を代表するものである点に留意されたい。1つ以上の実施形態によれば、カテーテル110は、軌跡情報を決定するために使用される1つ以上の位置センサを含むことができる。この軌跡情報を使用して、組織の収縮性などの運動特性を推測することができる。
【0044】
生体測定データ(例えば、患者生体測定値、患者データ、又は患者生体測定データ)は、局所興奮時間(local activation time、LAT)、電気的活動、トポロジー、双極マッピング、基準活動、心室活動、優位周波数、インピーダンスなどのうちの1つ以上を含むことができる。LATは、正規化された初期開始点に基づいて計算された、局所活性化に対応する閾値活動の時点であり得る。電気的活動は、1つ以上の閾値に基づいて測定され得る任意の適用可能な電気信号であってよく、信号対ノイズ比及び/又はその他のフィルタに基づいて、検知及び/又は拡張され得る。トポロジーは、身体部分又は身体部分の一部の物理的構造に対応し得、身体部分の異なる部分に関する、又は異なる身体部分に関する物理的構造における変化に対応し得る。優位周波数は、身体部分の一部で一般的に見られる周波数又は周波数の範囲であってよく、同じ身体部分の異なる部分において異なり得る。例えば、心臓のPVの優位周波数は、同じ心臓の右心房の優位周波数と異なり得る。インピーダンスは、身体部分の特定の領域における抵抗測定値であり得る。
【0045】
生体測定データの例としては、これらに限定されるものではないが、患者識別データ、IC ECGデータ、双極心臓内基準信号、解剖学的及び電気的測定値、軌跡情報、身体表面(BS)ECGデータ、履歴データ、脳生体測定値、血圧データ、超音波信号、無線信号、音声信号、2次元又は3次元画像データ、血糖データ、及び温度データが挙げられる。生体測定データは一般的に、心血管疾患(例えば、不整脈、心筋症、及び冠動脈疾患)、及び自己免疫疾患(例えば、I型及びII型糖尿病)などの任意の数の様々な疾患を監視、診断、及び治療するために使用され得る。BS ECGデータは、患者の表面上の電極から収集されたデータ及び信号を含むことができ、IC ECGデータは、患者体内の電極から収集されたデータ及び信号を含むことができ、アブレーションデータは、アブレーションされた組織から収集されたデータ及び信号を含み得る点に留意されたい。更に、BS ECGデータ、IC ECGデータ、及びアブレーションデータは、カテーテル電極位置データと共に、1つ以上の処置記録から導出することができる。
【0046】
例えば、カテーテル110は、電極111を使用して血管内超音波及び/又はMRIカテーテル法を実施して心臓120を画像化する(例えば、生体測定データを取得及び処理する)ことができる。差し込み
図150は、心臓120の心腔内のカテーテル110を拡大図で示す。カテーテル110はポイントカテーテルとして示されているが、1つ以上の電極111を含む任意の形状が、本明細書に開示される例示的な実施形態を実施するために使用され得る点は理解されよう。
【0047】
カテーテル110の例としては、これらに限定されるものではないが、複数の電極を有する直線状カテーテル、バルーンを形成する複数のスパイン上に分散した電極を含むバルーンカテーテル、複数の電極を有するラッソーカテーテル若しくはループカテーテル、接触力感知カテーテル、又は他の任意の適用可能な形状若しくはタイプが挙げられる。直線状カテーテルは、受信信号に基づいて及び/又は直線状カテーテルに対する外力(例えば、心臓組織)の作用に基づいて、捻れ、折れ曲がり、及び/又は他の形でその形状を変化させることができるように、完全に又は部分的に弾性であってよい。バルーンカテーテルは、患者の身体内に配備される際、その電極を心内膜表面に対して密接に接触した状態に保持することができるように設計することができる。一例として、バルーンカテーテルは、PVなどの管腔に挿入することができる。バルーンカテーテルは収縮状態でPVに挿入することができ、それにより、PVに挿入されている間にバルーンカテーテルがその最大体積を占有することはない。バルーンカテーテルは、PVの内側にある間に拡張することができ、それにより、バルーンカテーテル上の電極は、PVの円形部分全体と接触する。PV又は任意の他の管腔の円形部分全体とのこのような接触は、効率的な撮像及び/又はアブレーションを可能とする。
【0048】
他の例によれば、身体パッチ及び/又は身体表面電極を患者125の身体上又は身体に近接して配置することもできる。1つ以上の電極111を有するカテーテル110を身体内(例えば、心臓120内)に配置することができるが、カテーテル110の位置を、カテーテル110の1つ以上の電極111と身体パッチ及び/又は身体表面電極との間で送受信される信号に基づいてシステム100により決定することができる。更に、電極111は、心臓120内などの患者125の身体内から生体測定データを感知することができる(例えば、電極111は、組織の電位をリアルタイムで感知する)。生体測定データは、決定されたカテーテル110の位置と関連付けることができ、それにより、患者の身体部分(例えば、心臓120)のレンダリングを表示し、身体部分の形状に重ね合わされた生体測定データを示すことができる。
【0049】
プローブ105及びシステム100の他のアイテムは、コンソール160に接続することができる。コンソール160は、機械学習及び/又は人工知能アルゴリズム(再構成エンジン101として表される)を用いる任意のコンピューティングデバイスを含むことができる。例示的な実施形態によれば、コンソール160は、1つ以上のプロセッサ161(任意のコンピューティングハードウェア)及びメモリ162(任意の非一時的有形媒体)を含み、1つ以上のプロセッサ161は、再構成エンジン101に関するコンピュータ命令を実行し、メモリ162は、1つ以上のプロセッサ161により実行するためのこれらの命令を記憶する。例えば、コンソール160は、生体測定データを受信及び処理して特定の組織領域が電気を伝導するかどうかを判定するように構成することができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、コンソール160は、解剖学的構造のパラメトリックモデルを生成/定義する機能、解剖学的構造の統計的事前分布を構築する機能、パラメトリックモデルを点群データ及び統計的事前分布に適合させる/適用する機能、解剖学的構造の等値面を生成/作成する機能、及び等値面を表示/記憶する機能を実行するように(ソフトウェアで)再構成エンジン101によって更にプログラムすることができる。例えば、再構成エンジン101は、解剖学的構造内で操作される際にカテーテル110によって取得される点群データ及び/又は特定の既知の点を受信するmFAMアルゴリズム(
図3及び
図6に関連して本明細書に記載される)を含むことができる。等値面が生成されると、再構成エンジン101は、既存のユーザインターフェース及び/又は再構成エンジン101の専用ユーザインターフェースなどを介して、等値面のユーザ修正を表す入力を受信することができる。一般的に、再構成エンジン101は、オペレーティングシステム又は他のアプリケーションの代わりに、及び/又は必要に応じて直接など、1つ以上のユーザインターフェースを提供することができる。ユーザインターフェースとしては、これらに限定されるものではないが、インターネットブラウザ、グラフィックユーザインターフェース(graphic user interface、GUI)、ウィンドウインターフェース、及び/又はアプリケーション、オペレーティングシステム、ファイルフォルダ用などの他のビジュアルインターフェースが挙げられる。1つ以上の実施形態によれば、再構成エンジン101は、コンソール160の外部にあってもよく、例えばカテーテル110内、外部デバイス内、モバイルデバイス内、クラウドベースのデバイス内に位置してもよく、又はスタンドアロン型プロセッサであってもよい。この点に関して、再構成エンジン101は、ネットワークを介して電子形態で転送可能であり得る/ダウンロードすることができる。
【0051】
一例では、コンソール160は、本明細書に記載されるように、プローブ105との間で信号を送受信するため、並びにシステム100の他の構成要素を制御するために好適なフロントエンド及びインターフェース回路を備えた、汎用コンピュータなどの、ソフトウェア(例えば、再構成エンジン101)及び/又はハードウェア(例えば、プロセッサ161及びメモリ162)を含む任意のコンピューティングデバイスであり得る。例えば、フロントエンド回路及びインターフェース回路は、コンソール160が少なくとも1つの電極111から信号を受信及び/又は少なくとも1つの電極111に信号を転送することを可能にする入出力(I/O)通信インターフェースを含む。コンソール160は、典型的には、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)の後に続くアナログデジタル(A/D)ECG又は心電図/筋電図(EMG)信号変換集積回路として構成されたリアルタイムノイズ低減回路を含み得る。コンソール160は、A/D ECG又はEMG回路から別のプロセッサへ信号を伝えることができ、かつ/又は本明細書に開示される1つ以上の機能を実行するようにプログラムすることができる。
【0052】
生体測定データを視覚的に提示するための任意の電子デバイスであり得るディスプレイ165は、コンソール160に接続されている。例示的な実施形態によれば、処置中、コンソール160は、ディスプレイ165上で、医師115への身体部分のレンダリングの提示を促進し、身体部分のレンダリングを表すデータをメモリ162に記憶することができる。例えば、運動特性を示すマップを、心臓120内の十分な数の点でサンプリングされた軌跡情報に基づいてレンダリング/構築することができる。一例として、ディスプレイ165は、身体部分のレンダリングを提示することに加えて、医療専門家115からの入力を受けるように構成され得るタッチスクリーンを含んでもよい。
【0053】
いくつかの例示的な実施形態では、医師115は、タッチパッド、マウス、キーボード、ジェスチャ認識装置などの1つ以上の入力デバイスを使用して、システム100の要素及び/又は身体部分のレンダリングを操作することができる。例えば、入力デバイスを使用して、レンダリングが更新されるようにカテーテル110の位置を変更することができる。ディスプレイ165は、同じ場所、又は別の病院若しくは別の医療提供者ネットワークなどの遠隔の場所に位置し得る点に留意されたい。
【0054】
1つ以上の実施形態によれば、システム100は、超音波、コンピュータ断層撮影(CT)、MRI、又はカテーテル110若しくは他の医療機器を利用する他の医療撮像技術を使用して生体測定データを得ることもできる。例えば、システム100は、1つ以上のカテーテル110又は他のセンサを使用して、心臓120のECGデータ及び/又は解剖学的及び電気的測定値(例えば、生体測定データ)を得ることができる。より詳細には、コンソール160は、ケーブルによって、患者125に貼付された接着皮膚パッチを含むBS電極に接続することができる。BS電極は、BS ECGデータの形態で生体測定データを取得/生成することができる。例えば、プロセッサ161は、患者125の身体部分(例えば、心臓120)内のカテーテル110の位置座標を決定することができる。位置座標は、身体表面電極と、カテーテル110又は他の電磁構成要素の電極111との間で測定されるインピーダンス又は電磁場に基づいたものであってよい。追加的に、又は代替的に、操縦に使用される磁場を生成する場所パッドは、ベッド130の表面上に位置し得、また、ベッド130とは別個であり得る。生体測定データは、コンソール160に送信し、メモリ162に記憶させることができる。代替的に、又は追加的に、生体データは、本明細書で更に記載するようなネットワークを使用して、ローカル又はリモートであってよいサーバに送信されてもよい。
【0055】
1つ以上の例示的な実施形態によれば、カテーテル110は、心臓120の心腔の組織領域をアブレーションするように構成することができる。差し込み
図150は、心臓120の心腔内のカテーテル110を拡大図で示す。例えば、少なくとも1つの電極111などのアブレーション電極を、体内の臓器(例えば、心臓120)の組織領域にエネルギーを与えるように構成することができる。エネルギーは、熱エネルギーであってよく、組織領域の表面から始まって組織領域の厚さに延びる組織領域への損傷を引き起こす可能性がある。アブレーション処置に関する生体測定データ(例えば、アブレーション組織、アブレーション位置など)は、アブレーションデータとみなすことができる。
【0056】
一例によれば、生体測定データを取得することに関して、多電極カテーテル(例えば、カテーテル110)を心臓120の心腔内に前進させることができる。電極のそれぞれの位置及び向きを確立するために、前後方向(AP)及び横方向の蛍光写真を取得することができる。ECGは、BS ECGからの洞律動におけるP波の発生及び/又は冠状静脈洞内に配置されたカテーテル110の電極111からの信号など、時間基準に対して心臓表面と接触する電極111のそれぞれから記録することができる。本明細書で更に開示されるシステムは、電気的活動を記録する電極と、心内膜壁に近接していないことにより電気的活動を記録しない電極と、を区別することができる。最初のECGが記録された後、カテーテルを再配置することができ、蛍光写真及びECGを再び記録することができる。次に、(例えば、心臓マッピングを介して)電気的マップは、上記のプロセスの反復から構築することができる。
【0057】
心臓マッピングは、1つ以上の技術を使用して実施することができる。一般に、心臓120の心臓領域、組織、静脈、動脈、及び/又は電気経路などの心臓領域のマッピングによって、瘢痕組織、不整脈源(例えば、電気的ローター)などの問題領域、健康な領域などの特定につながり得る。心臓領域は、本明細書で更に開示されるように、マッピングされた心臓領域の視覚的レンダリングがディスプレイを使用して提供されるようにマッピングすることができる。更に、心臓マッピング(心臓撮像の一例である)は、これらに限定されるものではないが、LAT、局所興奮速度、電気的活動、トポロジー、双極マッピング、優位周波数、又はインピーダンスなどの1つ以上のモダリティに基づくマッピングを含み得る。複数のモダリティに対応するデータ(例えば、生体測定データ)は、患者の身体に挿入されたカテーテル(例えば、カテーテル110)を使用して取得することができ、対応する設定及び/又は医師115の好みに基づいて、同時に又は異なる時間にレンダリングするために与えることができる。
【0058】
第1の技術の一例として、心臓マッピングは、心臓120内の正確な位置の関数として、心臓組織の電気的特性、例えばLATを感知することによって実施することができる。対応するデータ(例えば、生体測定データ)は、心臓1120内に前進させられる、かつ遠位先端に電気及び位置センサ(例えば、電極111)を有する1つ以上のカテーテル(例えば、カテーテル110)により取得することができる。具体例として、場所及び電気的活動は、心臓120の内側表面上の約10~約20箇所の点で最初に測定することができる。これらのデータ点は一般に、心臓表面の予備再構成又はマップを満足な品質で生成するのに十分であり得る。予備マップは多くの場合、更なる点で測定されたデータと結合されて心臓の電気的活動の更に包括的なマップが生成され得る。臨床現場では、心腔の電気的活動の詳細な包括的マップを生成するために100箇所以上の部位(例えば数千)のデータを集積することも珍しいことではない。その後、生成された詳細なマップは、心臓の電気的活動の伝播を変化させ、正常な心律動を回復させるための治療活動方針、例えば、本明細書に記載される組織のアブレーションについての決定を行うための基準となり得る。
【0059】
更に、心臓マッピングは、心内電位場(例えば、IC ECGデータ及び/又は双極心内基準信号の一例である)の検出に基づいて生成することができる。大量の心臓電気的情報を同時に取得するために非接触的な方法を実施することができる。例えば、遠位端部分を有するカテーテルタイプは、その表面上にわたって分布し、信号感知及び処理手段への接続のために絶縁導電体に接続された一連のセンサ電極を備えることができる。端部のサイズ及び形状は、電極が心腔の壁から大きな間隔を隔てて配置されるようなものとすることができる。心内電位場は、1回の心拍の間に検出することができる。一例によれば、センサ電極は、互いに間隔を置いた平面内に位置する一連の円周上に分布させることができる。これらの平面は、カテーテルの端部の長軸に対して垂直であってよい。少なくとも2個の更なる電極を、端部の長軸の両端に隣接して配設することができる。より具体的な例として、カテーテルは、各円周上に等角で間隔を置いて配置された8個の電極を有する4つの円周を含んでもよい。したがって、この特定の実装形態では、カテーテルは、少なくとも34個の電極(32個の周方向電極と2個の端部電極)を含むことができる。別のより具体的な例として、カテーテルは、5本の柔軟な可撓性分枝、8本の放射状スプライン、又は平行なスプラインを有するフライ返し型(例えば、いずれも合計42個の電極を有し得る)などの他の多スプライン型カテーテルを含み得る。
【0060】
電気的又は心臓マッピングの例として、非接触式及び非拡張式多電極カテーテル(例えば、カテーテル110)に基づく電気生理学的心臓マッピングシステム及び技術を実施することができる。ECGは、複数の電極(例えば、42~122個の電極など)を有する1つ以上のカテーテル110を用いて得ることができる。この実装形態により、プローブ及び心内膜の相対的な幾何学的形状の知見を、経食道心エコー法などの独立した撮像モダリティによって得ることができる。独立した撮像の後、非接触式電極を使用して心臓表面電位を測定し、この表面電位からマップを構築することができる(例えば、場合によっては、双極心内基準信号を使用する)。この技術は、(独立した撮像工程の後に)以下の工程を含むことができる。すなわち、(a)心臓120内に配置されたプローブ上に配置された複数の電極を用いて電位を測定する工程、(b)プローブ表面と心内膜表面及び/又は他の基準との幾何学的関係を決定する工程、(c) プローブ表面と心内膜表面との幾何学的関係を表す係数の行列を生成する工程、及び(d)電極電位及び係数の行列に基づいて心内膜電位を決定する工程。
【0061】
電気的又は心臓マッピングの別の例として、心腔の電位分布をマッピングするための技術及び装置を実装することができる。心臓内多電極マッピングカテーテルアセンブリを心臓120に挿入することができる。マッピングカテーテル(例えば、カテーテル110)アセンブリは、1つ以上の一体型基準電極(例えば、1つ又は電極111)を有する複数電極アレイ又はコンパニオン基準カテーテルを含むことができる。
【0062】
1つ以上の例示的な実施形態によれば、電極は、ほぼ球状のアレイの形態で展開することができ、この球状のアレイは、基準電極によって、又は心内膜表面と接触させられる基準カテーテルによって心内膜表面上の点に対して空間的に参照することができる。好ましい電極アレイカテーテルは、多数の個々の電極部位(例えば、少なくとも24個)を有することができる。加えて、この例示的な技術は、アレイ上の電極部位の各々の位置を知ること、及び心臓の幾何学的形状を知ることで実施することができる。これらの位置は好ましくは、インピーダンスプレチスモグラフィ法によって決定される。
【0063】
電気的又は心臓マッピングの観点から、また、別の例によれば、カテーテル110は、多数の電極部位を画定する電極アレイを含み得る心臓マッピングカテーテルアセンブリとすることもできる。この心臓マッピングカテーテルアセンブリはまた、心臓壁を短針するために使用することが可能な遠位先端電極アセンブリを有する基準カテーテルを受容するための管腔を備えている。マップ心臓マッピングカテーテルアセンブリは、絶縁ワイヤの編組(例えば、編組内に24~64本のワイヤを有する)を含むことができ、ワイヤのそれぞれを使用して電極部位を形成することができる。心臓マッピングカテーテルアセンブリは、非接触電極部位の第1のセット及び/又は接触電極部位の第2のセットから電気的活動情報を取得するために使用されるように心臓120内に容易に配置可能である。
【0064】
更に、別の例によれば、心臓内の電気生理学的活動のマッピングを実施することができるカテーテル110は、心臓をペーシングするための刺激パルスを供給するように適合された遠位先端部、又は先端部と接触する組織をアブレーションするためのアブレーション電極を含むことができる。このカテーテル110は、直交電極の近傍の局所的な心臓電気的活動を示す差分信号を生成するための少なくとも一対の直交電極を更に備えてもよい。
【0065】
本明細書で述べられるように、システム100を用いて心臓状態を検出、診断、及び/又は治療することができる。例示的な動作では、心腔内の電気生理学的データを測定するためのプロセスを、システム100によって実施することができる。このプロセスは、部分的に、能動電極と受動電極のセットを心臓120内に配置することと、能動電極に電流を供給し、それにより心腔内に電場を発生させることと、受動電極部位の電場を測定することとを含むことができる。受動電極は、バルーンカテーテルの膨張可能なバルーン上に配置されたアレイに含まれる。好ましい実施形態では、アレイは60~64個の電極を有すると言われる。
【0066】
別の例示的な動作として、心臓マッピングは、1つ以上の超音波トランスデューサを使用してシステム100によって実施することもできる。超音波トランスデューサは、患者の心臓120に挿入することができ、心臓120内の様々な位置及び向きの複数の超音波スライス(例えば、2次元又は3次元スライス)を収集することができる。特定の超音波トランスデューサの位置及び向きが分かる場合もあり、収集された超音波スライスは、後で表示することができるように記憶させることができる。プローブ105(例えば、カテーテル110として示される治療カテーテル)の位置に対応する1つ以上の超音波スライスを表示することができ、1つ以上の超音波スライス上にプローブ105を重ね合わせることができる。
【0067】
システム100を考慮すると、心房性不整脈を含めた心不整脈は、心房の周りで散乱して、しばしば自己伝播する電気インパルスの複数の非同期的ループを特徴とする、マルチウェーブレット・リエントラント型である場合があることが分かる(例えば、IC ECGデータの別の例)。マルチウェーブレット・リエントラント型に代わって、又はそれに加えて、心不整脈はまた、心房の組織の孤立領域が、急速かつ反復する形で自律的に興奮する場合などの、巣状興奮源を有する場合もある(例えば、IC ECGデータの別の例)。心室性頻脈症(V-tach又はVT)は、心室のうちの1つから発生する頻脈症又は高速な心律動である。これは、心室細動及び突然死につながり得るため、潜在的に致死性の不整脈である。
【0068】
例えば、aFibは、洞房結節によって生成される通常の電気インパルス(例えば、IC ECGデータの別の例)が心房静脈及びPVで生じる無秩序な電気インパルス(例えば、信号干渉)によって圧倒され、不規則なインパルスを心室に伝導させる場合に発生する。その結果、不規則な心拍が生じ、数分~数週間、又は更には数年間持続する場合がある。多くの場合、aFibは、しばしば脳卒中による死亡リスクをわずかに増加させる慢性的な状態である。aFibの治療方針は、心拍数を減らすか又は心律動を正常に戻す投薬治療である。更には、aFibを有する患者は、脳卒中のリスクから守るために抗凝血剤を投与される場合が多い。そのような抗凝血剤の使用は、それ自体のリスクである内出血を伴う。一部の患者では、投薬治療は十分ではなく、その患者のaFibは、薬剤不応、すなわち、標準的な薬理学的介入では治療不可能であると判断される。同期された電気的除細動もまた、aFibを通常の心律動に変換するために使用することができる。あるいは、aFibの患者には、カテーテルアブレーションによる治療も行われる。
【0069】
カテーテルアブレーションベースの治療には、心臓組織、特に心内膜及び心臓容積の電気的特性をマッピングすること、並びにエネルギーの印加によって心臓組織を選択的にアブレーションすることが含まれてもよい。電気又は心臓マッピング(例えば、本明細書に記載される任意の電気生理学的心臓マッピングシステム及び技術によって実施される)には、心臓組織に沿った波伝播の電位マップ(例えば、電圧マップ)、又は様々な組織内に位置する点への到達時間のマップ(例えば、LATマップ)を作成することが含まれる。局所的な心臓組織の機能不全を検出するために、電気的又は心臓マッピング(例えば、心臓マップ)を使用することができる。心臓マッピングに基づくアブレーションなどのアブレーションは、不要な電気信号が心臓120のある部分から別の部分へと伝播することを停止させるか又は変化させることができる。
【0070】
アブレーション法は、非伝導性の損傷部を形成することによって望ましくない電気経路を破壊するものである。様々なエネルギー送達の様式が、損傷部を形成する目的でこれまでに開示されており、心臓組織壁に沿って伝導ブロックを作るためのマイクロ波、レーザ、及びより一般的には無線周波エネルギーの使用が挙げられる。エネルギー送達法の別の例としては、細胞膜を損傷する高い電場を与える不可逆的エレクトロポレーション(irreversible electroporation、IRE)が挙げられる。2段階の処置(マッピングに続いてアブレーション)においては、典型的には、1つ以上の電気センサ(例えば、電極111)を収容したカテーテル110を心臓120内に前進させ、多数の点におけるデータ(例えば、一般には生体測定データとして、又は具体的にはECGデータとして)を取得/獲得することによって、心臓120内の点における電気的活動が感知及び測定される。次いでECGデータを用いて、アブレーションを実施する心内膜の標的領域が選択される。
【0071】
心房細動及び心室頻拍などの困難な疾患を医師が治療する際の心臓アブレーション及び他の心臓電気生理学的処置は、ますます複雑化している。難治性不整脈の治療は現在、対象となる心腔の解剖学的構造を再構成するうえで3次元(3D)マッピングシステムの使用に依存することができる。この点に関して、本明細書のシステム100によって採用される再構成エンジン101は、一般的には生体測定データを、具体的にはECGデータを操作及び評価して、異常心拍又は不整脈を治療するためのより正確な診断、画像、スキャン、及び/又はマップを可能にする改善された組織データを生成する。例えば、心臓専門医は、ECGデータを生成及び分析するうえで、Biosense Webster,Inc.(Diamond Bar,Calif.)により製造されるCARTO(登録商標)3 3DマッピングシステムのComplex Fractionated Atrial Electrograms(CFAE)モジュールなどのソフトウェアに依存する。システム100の再構成エンジン101は、このソフトウェアを強化して、改善された生体測定データを生成及び分析し、これにより更に、aFibの心臓基質(解剖学的及び機能的)を表す心臓120(瘢痕組織を含む)の電気生理学的特性に関する複数の情報を更に提供する。
【0072】
したがって、システム100は、異常ECGの検出の観点から、心筋症の潜在的な不整脈原性基質の位置を特定するために、CARTO(登録商標)3 3Dマッピングシステムなどの3Dマッピングシステムを実装することができる。これらの心臓疾患に関連する基質は、心室腔(右及び左)の心内膜及び/又は心外膜層の細分化及び遅延ECGの存在と関連付けられている。例えば、低電圧又は中電圧の領域は、ECGの細分化及び遅延活動を示し得る。更に、洞律動の間において低電圧又は中電圧の領域は、持続性のまとまりのある心室性不整脈において識別される臨界峡部(critical isthmus)に対応し得る(例えば、許容されない心室頻拍、並びに心房内に当てはまる)。一般に、異常組織は、低電圧のECGによって特徴付けられる。しかしながら、心内膜-心外膜マッピングにおける初期の臨床経験によって、低電圧の領域は、こうした患者における唯一の不整脈発生機序として常に存在するとは限らないことが示されている。実際に、低電圧又は中電圧の領域は、洞律動の間にECGの細分化及び遅延活動を示す場合があり、これは、持続性のまとまりのある心室性不整脈の際に識別される臨界峡部(critical isthmus)に対応する(例えば、許容されない心室頻拍のみに当てはまる)。更に、多くの場合、ECGの細分化及び遅延活動は、正常又はほぼ正常な電圧振幅(>1~1.5mV)を示す領域で観察される。後者の領域は、電圧振幅に従って評価することができるが、心内信号によれば正常とはみなされず、したがって真の不整脈原性基質を表している。3Dマッピングは、主要疾患の進展によって分布にばらつきがあり得る、右/左心室の心内膜及び/又は心外膜層上の不整脈原性基質の位置を特定することができる。
【0073】
別の例示的な動作として、心臓マッピングは、1つ以上の多電極カテーテル(例えば、カテーテル110)を使用してシステム100によって実施することもできる。多電極カテーテルは、心臓120内の電気的活動を刺激及びマッピングし、異常な電気的活動が見られる部位をアブレーションするために使用される。使用時には、多電極カテーテルは、主要な静脈又は動脈、例えば大腿静脈に挿入された後、対象となる心臓120の心腔内へと案内される。典型的なアブレーション処置では、その遠位端に少なくとも1つの電極111を有するカテーテル110を心腔内に挿入することを伴う。基準電極が、患者の皮膚にテープで貼り付けられるか、あるいは心臓内又は心臓付近に配置される第2のカテーテルによって、あるいはカテーテル110の1つ又は他の電極111から選択することによって、提供される。高周波(RF)電流がアブレーションカテーテル110の先端電極111に印加され、先端電極の周囲の媒質(すなわち、血液及び組織)に基準電極に向かって電流が流れる。電流の分布は、組織より高い導電性を有する血液と比較した場合、組織と接触する電極表面の量に依存する。組織の加熱は、組織の電気抵抗に起因して生じる。組織が十分に加熱されると、心臓組織において細胞破壊が引き起こされ、結果として、心臓組織内に非伝導性である損傷部が形成される。この過程では、加熱された組織から電極自体への伝導によって先端電極111の加熱も生じる。電極の温度が十分に高くなり、場合により60℃を超えると、脱水された血中タンパク質の薄く透明な皮膜が、電極111の表面上に形成され得る。温度が上昇し続けると、この脱水層が徐々に厚くなり得、電極表面上に血液が凝固する。脱水された生物学的材料は、心内膜組織よりも高い電気抵抗を有するため、電気エネルギーの組織内部への流れに対するインピーダンスもまた増大する。インピーダンスが十分に高くなると、インピーダンス上昇が起こり、カテーテル110を身体から抜き取り、先端電極111を洗浄しなければならない。
【0074】
ここで
図2を参照すると、1つ以上の例示的実施形態による、本開示の主題の1つ以上の特徴を実装することができるシステム200の図が例解されている。システム200は、患者202(例えば、
図1の患者125の一例)に対して、装置204、ローカルコンピューティングデバイス206、リモートコンピューティングシステム208、第1のネットワーク210、及び第2のネットワーク211を含んでいる。更に、装置204は、生体測定センサ221(例えば、
図1のカテーテル110の一例)、プロセッサ222、ユーザ入力(UI)センサ223、メモリ224、及び送受信機225を含むことができる。説明を容易にし、簡潔にするため、
図1の再構成エンジン101を
図2で再使用している点に留意されたい。
【0075】
一実施形態によれば、装置204は、
図1のシステム100の一例であってよく、装置204は、患者の内部の構成要素及び患者の外部の構成要素の両方を含むことができる。別の実施形態によれば、装置204は、取り付け可能なパッチ(例えば、患者の皮膚に取り付けられる)を含む患者202の外部の装置であってよい。別の実施形態によれば、装置204は、患者202の身体の内部のもの(例えば、皮下移植可能な)とすることができ、装置204を、経口注入、静脈若しくは動脈を介した外科的挿入、内視鏡手術、又は腹腔鏡手術を含む任意の適用可能な方法によって患者202の体内に挿入することができる。一実施形態によれば、単一の装置204が
図2に示されているが、例示的なシステムは、複数の装置を含むことができる。
【0076】
したがって、装置204、ローカルコンピューティングデバイス206、及び/又はリモートコンピューティングシステム208は、再構成エンジン101に対するコンピュータ命令を実行するようにプログラムされ得る。一例として、メモリ223は、装置204が生体測定センサ201を介して生体測定データを受信及び処理することができるように、プロセッサ222が実行するこれらの命令を記憶する。このように、プロセッサ222及びメモリ223は、ローカルコンピューティングデバイス206及び/又はリモートコンピューティングシステム208のプロセッサ及びメモリを代表するものである。
【0077】
装置204、ローカルコンピューティングデバイス206、及び/又はリモートコンピューティングシステム208は、再構成エンジン101及びその機能を個別又は集合的に記憶、実行、及び実装するソフトウェア及び/又はハードウェアの任意の組み合わせとすることができる。更に、装置204、ローカルコンピューティングデバイス206、及び/又はリモートコンピューティングシステム208は、本明細書に記載されるように、様々な通信技術を利用した任意の数及び組み合わせのコンピューティングデバイス及びネットワークを含む、及び/又は使用する電子的コンピュータフレームワークとすることができる。装置204、ローカルコンピューティングデバイス206、及び/又はリモートコンピューティングシステム208は、異なるサービスに合わせて変更することが可能な、又は他と独立していくつかの機能を再構成することが可能な、容易にスケーラブルで、拡張可能な、モジュール式のものとすることができる。
【0078】
ネットワーク210及び211は、有線ネットワーク、無線ネットワークであってもよく、又は1つ以上の有線及び無線ネットワークを含んでもよい。一実施形態によれば、ネットワーク210は、近距離ネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、又はパーソナルエリアネットワーク(PAN))の一例である。情報は、Bluetooth、Wi-Fi、Zigbee、Z-Wave、近接場通信(NFC)、ウルトラバンド、Zigbee、又は赤外線(IR)などの様々な近距離無線通信プロトコルのうちのいずれか1つを使用して、装置204とローカルコンピューティングデバイス206との間で近距離ネットワーク210を介して送信することができる。更に、ネットワーク211は、イントラネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、直接接続若しくは一連の接続、セルラー電話ネットワーク、又はローカルコンピューティングデバイス206とリモートコンピューティングシステム208との間の通信を容易にすることが可能な任意のその他のネットワーク若しくは媒体のうちの1つ以上のものの一例である。情報は、様々な長距離無線通信プロトコル(例えば、TCP/IP、HTTP、3G、4G/LTE、又は5G/New Radio)のいずれか1つを使用して、ネットワーク211を介して送信することができる。なお、ネットワーク210及び211の有線接続は、イーサネット、ユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus、USB)、RJ-11、又は任意の他の有線接続を使用して実装することができ、無線接続は、Wi-Fi、WiMAX、及びBluetooth、赤外線、セルラーネットワーク、衛星通信、又は任意の他の無線接続法を使用して実装することができる。
【0079】
動作中、装置204は、ネットワーク210を介して、患者202に関連する生体測定データを、連続的又は定期的に、取得、監視、記憶、処理、及び通信することができる。更に、装置204、ローカルコンピューティングデバイス206、及び/又はリモートコンピューティングシステム208は、ネットワーク210及び211を介して通信する(例えば、ローカルコンピューティングデバイス206は、装置204とリモートコンピューティングシステム208との間のゲートウェイとして構成することができる)。例えば、装置204は、ネットワーク210を介してローカルコンピューティングデバイス206と通信するように構成された
図1のシステム100の一例であり得る。ローカルコンピューティングデバイス206は、例えば、固定/独立型デバイス、基地局、デスクトップ/ラップトップコンピュータ、スマートフォン、スマートウォッチ、タブレット、又はネットワーク211及び210を介して他のデバイスと通信するように構成された他のデバイスとすることができる。ネットワーク211上の、若しくはネットワーク211に接続された物理サーバとして、又はネットワーク211のパブリッククラウドコンピューティングプロバイダ(例えば、Amazon Web Services(AWS)(登録商標))内の仮想サーバとして実装されるリモートコンピューティングシステム208は、ネットワーク211を介してローカルコンピューティングデバイス 206と通信するように構成することができる。これにより、患者202に関連する生体測定データをシステム200全体を通じて通信することができる。
【0080】
装置204の要素がここで説明される。生体測定センサ221は、例えば、異なる種類の生体測定データが観察/取得/入手されるように、1つ以上の環境条件を電気信号に変換するように構成された1つ以上のトランスデューサを含むことができる。例えば、生体測定センサ221は、電極(例えば、
図1の電極111)、温度センサ(例えば、熱電対)、血圧センサ、血糖センサ、血中酸素センサ、pHセンサ、加速度計、及びマイクロフォンのうちの1つ以上を含むことができる。
【0081】
再構成エンジン101を実行するうえで、プロセッサ222は、生体測定センサ221によって取得された生体測定データを受信、処理、及び管理し、かつ生体測定データを、記憶させるためにメモリ224に、かつ/又は送受信機225を介してネットワーク210全体に通信するように構成することができる。1つ以上の他の装置204からの生体測定データはまた、送受信機225を介してプロセッサ222によって受信されてもよい。また、以下でより詳細に説明するように、プロセッサ222は、UIセンサ223から受信される異なるタッピングパターン(例えば、シングルタップ又はダブルタップ)に選択的に応答して、パッチの異なるタスク(例えば、データの取得、記憶、又は送信)が、検出されたパターンに基づいて起動されるように構成することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ222は、ジェスチャの検出に関して可聴フィードバックを生成することができる。
【0082】
UIセンサ223は、例えば、タップ又はタッチなどのユーザ入力を受信するように構成された圧電センサ又は静電容量センサを含む。例えば、UIセンサ223は、患者202が装置204の表面をタップ又はタッチすることに応答して、容量性結合を実施するように制御されてもよい。ジェスチャ認識は、抵抗容量性、表面容量性、投影容量性、表面超音波、圧電及び赤外線タッチなどの、様々な容量型のうちのいずれか1つを介して実装することができる。静電容量センサは、表面のタップ又はタッチが監視デバイスを起動させるように、表面の小さい領域又は長さにわたって配置されてもよい。
【0083】
メモリ224は、磁気、光学、又は電子メモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ又はハードディスクドライブなどの任意の適当な揮発性及び/又は不揮発性メモリ)などの任意の非一時的有形媒体である。メモリ224は、プロセッサ222によって実行されるコンピュータ命令を記憶する。
【0084】
送受信機225は、別個の送信機及び別個の受信機を含み得る。あるいは、送受信機225は、単一のデバイスに一体化された送信機及び受信機を含み得る。
【0085】
動作中、装置204は、再構成エンジン101を利用して、生体測定センサ221を介して患者202の生体測定データを観察/取得して、メモリに生体測定データを記憶し、送受信機225を介してシステム200全体でこの生体測定データを共有する。次に、再構成エンジン101は、モデル(例えば、パラメトリックモデル)、アルゴリズム(例えば、mFAMアルゴリズム)、ニューラルネットワーク、機械学習、及び/又は人工知能を利用して、等値面を生成し、それを医師に提供して、システム100の処理負荷を低減し、システム100の動作をより正確なマッピングマシンに変換することができる。
【0086】
ここで
図3を参照すると、1つ以上の例示的な実施形態による、方法300(例えば、
図1及び/又は
図2の再構成エンジン101によって実行される)が示されている。方法300は、等値面を介して改善された電気生理学的理解を可能にする点群データなどの多段階操作を提供することによって、FAMアルゴリズム及び標準的な単純なメッシュ方法の欠点に対処する。方法300は、例として及び説明を容易にするために、左心房に関して説明される。本明細書に記載の方法は、任意の解剖学的構造、身体部分、器官、又はその一部分にも適用され得ることを理解されたい。
【0087】
方法は、ブロック310で開始し、ここで、再構成エンジン101は入力を受信する。入力は、一般に、カテーテル110の動作に従って左心房について再構成エンジン101が知っていることを表し、関連するユーザ注釈(例えば、カテーテル110が左心房内で操作される際に取得する点群データ及び/又は特定の既知の点)を有する点を含むことができる。
【0088】
1つ以上の実施形態によれば、入力は、左心房の右側及び左側からの点についてのカテーテル点(例えば、座標、力の大きさ及び方向など)及び解剖学的タグ、並びに左心房の他のインスタンスのデータセット(例えば、他のマッピングからの値)及びスコアリングを含むことができるが、これらに限定されない。1つ以上の実施形態によれば、入力はまた、(例えば、規則的かつ/又は好ましい「磁石」点であるかどうかにかかわらず)、より正確な(例えば、全ての情報がコスト関数で説明される)再構成を生成するために使用される豊富な情報の複数の層を含むことができる。例として、入力は、(例えば、心房内のいずれかにノイズ/アーチファクトまで位置する)一般的なカテーテル点、(例えば、心房の表面に位置する)力の大きさが所与のウィンドウ内である点、(例えば、テンティングと呼ばれ得る表面上又は表面の外側に位置する)力の大きさが大きい点、(例えば、近傍の表面の向きに関する情報を提供する)力の向きデータを有する点、及び(例えば、表面上に位置する)超音波輪郭点を含むことができる。
【0089】
ブロック330で、再構成エンジン101は、初期変換(例えば、初期変換計算)を計算する。1つ以上の実施形態によれば、初期変換計算は、再構成エンジン101が、心房の左側(LIPV、LSPV)及び右側(RSPV、RIPV、又は隔壁)の両方からの点に解剖学的にタグ付けするモデルフィッティングプロセスの初期化であり得る。更に、初期テンプレートモデルが次いで、その対応する解剖学的特徴(PV中心及び/又は隔壁)が既知のタグ付けされた位置に最適に一致するように変換される。同じ側(RI及びRS、又はLI及びLS)からのタグ付けされたPV対のタグの位置は、互いに向かってシフトされる。再構成エンジン101はまた、既知の点の対(モデル特徴及びタグ付けされた点の中心)を使用して最適な類似性変換を計算することができる。次いで、境界球モデルパラメータを修正することによって、変換が適用される。
【0090】
初期変換は、構造/モデルがブロック330(例えば、正常な左心房)の受信された入力に従うように、パラメータ及びパラメトリックモデルに関する選択操作を含むことができる。1つ以上の実施形態によれば、パラメータは、再構成エンジン101によって自動的に及び/又はユーザ入力によって選択される。更に、mFAMアルゴリズムは、選択されたパラメータに従ってパラメトリックモデルを生成/定義する。例えば、mFAMアルゴリズムは、全ての利用可能な情報、すなわち、ブロック330の入力:点の位置、接触力の大きさ及び方向、解剖学的部分のユーザタグ付け、並びにパラメトリックモデルの解剖学的な正確さを測定する統計的スコア(本明細書に記載される)に最も良く適合するパラメトリックモデルを選択する。本明細書に示すように、パラメトリックモデルは、左心房又はその下部構造の形状を表す固定モデルであり得る。
【0091】
ブロック350で、再構成エンジン101は、反復最適化を実行する。反復最適化は、ブロック310の受信した入力とのパラメトリックモデルのブレンディングに対して/のために実行される。1つ以上の実施形態によれば、反復最適化は、コスト関数及び制約関数の計算、コスト導関数及び制約導関数の計算、モデルパラメータの更新(例えば、逐次二次プログラミング更新)、入力データの更新、最適化ハイパーパラメータの更新、及び/又は管切断の更新(例えば、n回の反復ごと)に使用することができるが、これらに限定されない。ブロック350の動作は、再構成エンジン101が自動的に反復最適化を実行することができるように、ユーザ対話、タグ、マップ操作などの予測に関する機械学習及び人工知能動作を含むことができることに留意されたい。再構成エンジン101のこれらの機械学習及び人工知能の態様の構造は、
図4及び
図5に関して本明細書で説明される。
【0092】
一例では、再構成エンジン101は、mFAMアルゴリズムを使用して、選択されたパラメトリックモデルに基づいて統計的事前分布を構築する。再構成エンジン101は、mFAMアルゴリズムを使用して、パラメトリックモデルを点群データ及び統計的事前分布に更に適合させ/適用して、下部構造形状の等値面を生成する(例えば、mFAMアルゴリズムは解剖学的に正確な再構成をもたらす)。等値面は、再構成エンジン100による後の使用のために記憶されてもよい。
【0093】
決定ブロック360で、再構成エンジン101は、出力要求が受信されたかどうかを判定する。例えば、再構成エンジン101のGUIは、ブロック340の等値面又は他の出力を提供するように再構成エンジン101に指示する1つ以上のユーザ入力を受信することができる。等値面は、本明細書に記載される可能な限り少ないデータ点(例えば、最小数の点群データ)を使用した、改善された解剖学的に正確な心房解剖学的マップであることに留意されたい。出力要求が受信された場合、方法300は、「はい」矢印を介してブロック370に進む。出力要求が受信されなかった場合、方法300は、「いいえ」矢印を介してブロック380に進む。
【0094】
ブロック370で、再構成エンジン101は、出力(例えば、等値面)を生成する。1つ以上の実施形態によれば、出力は、等値面、他の3次元メッシュレンダリング、解剖学的メッシュ着色(例えば、PV、身体部分、隆起部など)を含むことができるが、これらに限定されない。一例では、再構成エンジン101は、アブレーション中に(例えば、ディスプレイ上のアブレーション処置中に)医師が使用するための等値面を表示する。方法300の1つ以上の利点、技術的効果、及び/又は利点は、等値面(例えば、左心房の改善された解剖学的に正確な心房解剖学的マップ)を生成/提供することを含む。場合によっては、方法300は、出力を生成した後に終了することができる。他の場合には、方法はブロック380に進むことができる。
【0095】
ブロック380では、再構成エンジン101は後続の入力を受信する。1つ以上の実施形態によれば、後続の入力には、カテーテル点、好ましい「磁石」点(例えば、アブレーション、取得された点、ユーザ定義の点など)、(例えば、左下肺静脈(left inferior pulmonary vein:LIPV、心耳、隆起部などの)任意の/後続の解剖学的タグ、及びブロック370の出力に対する任意の/後続のユーザ編集(例えば、PV切断、隆起部及びPV中心線の制約など)が含まれ得るが、これらに限定されない。好ましい「磁石」点は、ユーザが駆動することができ、カテーテル110がどこに配置されているかをユーザが詳細な情報定義(例えば、全体的な解剖学的正確さを保持しながら表面を制約するアブレーション点)で知っている点として更に定義することができる。
【0096】
方法300は、後続の入力が受信されると、後続の入力に対して反復最適化を更に実行するためにブロック350に戻ることができることに留意されたい。これに関して、等値面は、新たな点がカテーテル110によってマッピングされる際にこれらの点に滑らかに適応することができ、再構成エンジン101は、好ましい「磁石」点の割り当てを可能にすることができる。
【0097】
そうでない場合、方法300は終了してもよい。
【0098】
図4は、1つ以上の実施形態による人工知能システム400の図解を示す。人工知能システム400は、データ410(例えば、生体測定データ)、マシン420、モデル430、転帰440、及び(下層の)ハードウェア450を含む。適切な場合、理解を容易にするため、
図4~
図5の説明は、
図1~
図3を参照して行う。例えば、マシン410、モデル430、及びハードウェア450は、
図1~
図2の再構成エンジン101の態様(例えば、機械学習及び/又はその中の人工知能アルゴリズム)を表すことができるが、ハードウェア450も、
図1のカテーテル110、
図1のコンソール160、及び/又は
図2の装置204を表すことができる。一般的に、人工知能システム400の機械学習及び/又は人工知能アルゴリズム(例えば、
図1~
図2の再構成エンジン101によって実施される)は、データ410を使用してハードウェア450に対して動作して、マシン420を訓練してモデル430を構築し、転帰440を予測する。
【0099】
例えば、マシン420は、ハードウェア450に関連付けられたコントローラ又はデータ収集として動作するか、及び/又はハードウェア450に関連付けられる。データ410(例えば、本明細書に記載される生体測定データ)は、ハードウェア450に関連付けられた進行中データ又は出力データであってよい。データ410はまた、現在収集中のデータ、履歴データ、又はハードウェア450からの他のデータも含むことができ、外科手術中の測定値を含むことができ、外科手術の転帰と関連付けることができ、収集され、心臓処置の転帰と相関性がある
図1の心臓140の温度を含むことができ、ハードウェア450に関連付けられることができる。データ410は、マシン420によって1つ以上のサブセットに分割され得る。
【0100】
更に、マシン420は、例えば、ハードウェア450などに対して訓練される。この訓練はまた、収集されたデータ410の分析及び相関を含むことができる。例えば、心臓の場合では、温度及び転帰のデータ410を、心臓処置中の
図1の心臓140の温度と転帰との間に相関又は関連が存在するかを判定するために訓練することができる。別の実施形態によれば、マシン420を訓練することは、1つ以上のサブセットを用いた
図1の再構成エンジン101による自己訓練を含むことができる。この点に関して、
図1の再構成エンジン101は、点ごとの症例分類を検出するように学習する。
【0101】
更に、モデル430は、ハードウェア450に関連付けられたデータ410上に構築される。モデル430を構築することは、物理的ハードウェア又はソフトウェアモデリング、アルゴリズムモデリング、及び/又は収集及び訓練されたデータ410(又はそのサブセット)を表すことを目的とした同様のモデリングを含むことができる。いくつかの態様では、モデル430の構築は、マシン420による自己訓練動作の一部である。モデル430は、ハードウェア450の動作をモデル化すると共に、ハードウェア450から収集されたデータ410をモデル化してハードウェア450によって得られる転帰440を予測するように構成することができる。(ハードウェア450に関連付けられたモデル430の)転帰440の予測では、訓練されたモデル430を用いることができる。例として、また、本開示の理解を深めるため、心臓の場合、36.5℃~37.89℃(すなわち、華氏97.7度及び華氏100.2度)の処置中の温度が心臓処置による正の転帰をもたらす場合、これらの温度を使用した特定の処置で転帰440を予測することができる。したがって、予測された転帰440を使用して、マシン420、モデル430、及びハードウェア450を適宜構成することができる。
【0102】
したがって、人工知能システム400がデータ410を使用してハードウェア450に対して動作し、マシン420を訓練し、モデル430を構築し、転帰440を予測するためには、機械学習及び/又はその中の人工知能アルゴリズムがニューラルネットワークを含むことができる。一般に、ニューラルネットワークは、ニューロンのネットワーク又は回路であり、あるいは現代的な意味では、人工ニューロン又はノード又はセルで構成される人工ニューラルネットワーク(ANN)である。
【0103】
例えば、ANNは、処理要素と要素パラメータとの間の接続によって決定される複雑なグローバル挙動を示すことができる処理要素(人工ニューロン)のネットワークを含む。ニューロンのネットワーク又は回路のこれらの接続は、重みとしてモデル化される。正の重みは興奮性の接続を反映し、負の値は抑制性の接続を意味する。入力は重みで修正され、線形結合を使用して合計される。活性化関数が、出力の振幅を制御することができる。例えば、出力の許容範囲は通常0~1であるが、-1~1の場合もある。多くの場合、ANNは、ネットワークを通って流れる外部情報又は内部情報に基づいてその構造を変更する適応型システムである。
【0104】
より実用的な言葉で言えば、ニューラルネットワークは、入力と出力との間の複雑な関係をモデル化するために、又はデータのパターンを見つけるために使用することができる非線形統計データモデリング又は意思決定ツールである。したがって、ANNは、データセットを介して訓練される間に、予測モデリング及び適応制御アプリケーションに使用することができる。経験から生じる自己学習がANN内で発生する可能性があり、複雑で一見無関係な一組の情報から結論を導き出すことができる点に留意されたい。人工ニューラルネットワークモデルの有用性は、それらを使用して、観測から関数を推定し、かつそれを使用することができるという事実にある。教師なしニューラルネットワークは、入力分布の顕著な特徴をキャプチャする入力の表現の学習、及び、最近では、観測データの分布関数を暗黙的に学習することができるディープラーニングアルゴリズムにも使用することができる。ニューラルネットワークでの学習は、データ(例えば、生体測定データ)又はタスク(例えば、任意の数の様々な疾患の監視、診断、及び治療)の複雑さのためにそのような関数の設計を手作業では行えない用途において特に有用である。
【0105】
ニューラルネットワークは、様々な分野において使用することができる。したがって、人工知能システム400では、機械学習及び/又はその中の人工知能アルゴリズムは、それらが適用されるタスクに従って大まかに分割されたニューラルネットワークを含むことができる。これらの分割は、時間系列予測及びモデリングを含む回帰分析(例えば、関数近似)、パターン及び配列認識を含む分類、新規な検出及び連続的意思決定の作成、フィルタリングを含むデータ処理、クラスタリング、盲信号分離、及び圧縮のカテゴリ内に入る傾向がある。例えば、ANNの適用領域には、非線形システムの識別及び制御(車両制御、プロセス制御)、ゲームのプレー及び意思決定(バックギャモン、チェス、レース)、パターン認識(レーダーシステム、顔識別、オブジェクト認識)、シーケンス認識(ジェスチャ、スピーチ、手書きテキスト認識)、医療診断及び治療、金融アプリケーション、データマイニング(又はデータベースでの知識発見、すなわち「knowledge discovery in database、KDD」)、視覚化並びに電子メールスパムフィルタリングが含まれる。例えば、医療処置から得られる患者の生体測定データの意味的プロファイルを作成することが可能である。
【0106】
1つ以上の実施形態によれば、ニューラルネットワークは、長・短期記憶ニューラルネットワークアーキテクチャ、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)アーキテクチャ、又は他の同様のものを実装し得る。ニューラルネットワークは、多数の層、多数の接続(例えば、符号器/復号器接続)、規則化技術(例えば、ドロップアウト)、及び最適化特徴に関して構成可能であり得る。
【0107】
長・短期記憶ニューラルネットワークアーキテクチャは、フィードバック接続を含み、単一のデータ点(例えば、画像など)をデータのシーケンス全体(例えば、スピーチ又は動画)と共に処理することができる。長・短期メモリニューラルネットワークアーキテクチャの単位は、セル、入力ゲート、出力ゲート、及び忘却ゲートで構成することができ、セルは任意の時間間隔にわたって値を記憶し、ゲートは、セルへの及びセルからの情報の流れを調節する。
【0108】
CNNアーキテクチャは、1つの層内の各ニューロンが次の層内の全てのニューロンに接続される並進不変特性を有する共有重みアーキテクチャである。CNNアーキテクチャの正則化技術は、データ内の階層パターンを利用し、より小さくより単純なパターンを使用してより複雑なパターンを編成することができる。ニューラルネットワークがCNNアーキテクチャを実装する場合、アーキテクチャの他の構成可能な態様は、それぞれのステージにおける多数のフィルタ、カーネルサイズ、層ごとの多数のカーネルを含み得る。
【0109】
ここで
図5を参照すると、ニューラルネットワーク500の一例及びニューラルネットワーク500内で実行される方法501のブロック図が、1つ以上の実施形態に従って示されている。ニューラルネットワーク500は、本明細書に記載される機械学習及び/又は人工知能アルゴリズムの実装(例えば、
図1~
図2の再構成エンジン101によって実装される)を支援するように動作する。ニューラルネットワーク500は、
図4のマシン420及び/又はハードウェア450などのハードウェアに実装することができる。本明細書に示されるように、
図4~
図5の説明は、適切な場合、理解を容易にするため、
図1~
図3を参照して行う。
【0110】
例示的動作では、
図1の再構成エンジン101は、ハードウェア450からデータ410を収集することを含む。ニューラルネットワーク500において、入力層510は、複数の入力(例えば、
図5の入力512及び514)によって表される。方法501のブロック520に関して、入力層510は入力512及び入力514を受信する。入力512及び入力514は、生体測定データを含むことができる。例えば、データ410を収集することは、ハードウェア450の1つ以上の処置記録からデータセット(データ410によって表される)に生体測定データ(例えば、BS ECGデータ、IC ECGデータ、及びアブレーションデータ)を集積することであり得る。
【0111】
方法501のブロック525において、ニューラルネットワーク500は、データ410の任意の部分(例えば、人工知能システム400によって生成されたデータセット及び予測)を用いて入力512及び入力514を符号化して、潜在表現又はデータ符号化を生成する。潜在表現は、複数の入力から導出される1つ以上の中間的データ表現を含む。1つ以上の実施形態によれば、潜在表現は、
図1の再構成エンジン101の要素ごとの活性化関数(例えば、シグモイド関数又は正規化線形関数)によって生成される。
図5に示すように、入力512及び514は、ノード532、534、536、及び538を含むように示された隠れ層530に与えられる。ニューラルネットワーク500は、ノード532、534、536、及び538の隠れ層530を介して処理を実行して、処理要素と要素パラメータとの間の接続によって決定される、複雑なグローバル挙動を示す。したがって、層510と層530との間の移行は、入力512及び入力514を受けて、これをディープニューラルネットワーク(層530内)に転送して、入力の一部のより小さな表現(例えば、結果的に生じる潜在表現)を学習する符号器段階とみなすことができる。
【0112】
ディープニューラルネットワークは、CNN、長・短期記憶ニューラルネットワーク、完全接続ニューラルネットワーク、又はこれらの組み合わせであり得る。入力512及び514は、心内ECG、身体表面ECG、又は心内ECG及び身体表面ECGであってよい。この符号化は、入力512及び入力514の次元数削減をもたらす。次元数削減は、一組の主要変数を得ることによって、考慮されているランダム変数(入力512及び入力514の)の数を低減するプロセスである。例えば、次元数削減は、データ(例えば、入力512及び入力514)を、高次元空間(例えば、10次元よりも高い)から低次元空間(例えば、2~3次元)に変換する特性抽出であり得る。次元数削減の技術的効果及び利点としては、データ410の時間及び記憶空間要件を低減すること、データ410の可視化性を改善すること、及び機械学習のためのパラメータ解釈性を改善することが挙げられる。このデータ変換は、線形又は非線形であり得る。受信(ブロック520)及び符号化(ブロック525)の動作は、再構成エンジン101による多段階データ操作のデータ準備部分とみなすことができる。
【0113】
方法501のブロック545において、ニューラルネットワーク500は、潜在表現を復号化する。復号化ステージは、符号器出力(例えば、結果として生じる潜在表現)を受け、別のディープニューラルネットワークを使用して入力512及び入力514の特定の形態を再構築することを試みる。この点に関して、ノード532、534、536、及び538は組み合わされて、方法510のブロック560に示されるように、出力層550に出力552を生成する。すなわち、出力層590は、削減された次元で、ただし信号干渉、信号アーチファクト、及び信号ノイズなしで、入力512及び入力514を復元する。出力552の例としては、クリーンにされた生体測定データ(例えば、IC ECGデータのクリーン/ノイズ除去バージョンなど)が挙げられる。クリーンにされた生体測定データの技術的効果及び利益には、任意の数の様々な疾患のより正確な監視、診断、及び治療を可能にすることが含まれる。
【0114】
ここで
図6を参照すると、方法600が1つ以上の実施形態に従って示されている。方法600は、一般に、データ及び事前分布統計知識に最も適合するモデルパラメータが反復プロセスで推定される最適化を実施する再構成エンジン101の1つ以上の動作を実施する。
【0115】
ブロック605において、一連の制約に従って目的関数を最小化することによって、パラメトリックモデル(例えば、統計的モデル)がデータに適合される。一例では、再構成エンジン101は、3次元解剖学的形状(例えば、心房形状)を表すパラメトリックモデル及び心房形状の様々な解剖学的特徴のフィールド式を定義する。再構成エンジン101は更に、グラウンドトゥルース左心房形状のデータセット(例えば、心房形状の点群データ)の統計的分析によって、心房形状の特徴、それらの相互関係、心房形状のパラメータ、及び/又は他の座標変換に関する統計的事前分布を構築する。任意の所与の点での各解剖学的部分のフィールド寄与は、変換された点座標にフィールド式を適用することによって計算されることに留意されたい。心房形状、座標変換、及びフィールド式は、本明細書で更に説明される。1つ以上の実施形態によれば、パラメトリックモデルは事前に計算され、適合プロセスでは、偏差のみがコストとして計算される。一例では、パラメトリックモデルは、再構成エンジン及びmFAMアルゴリズムによって事前に計算することができる。パラメトリックモデルは、いくつかの方法のうちのいずれか1つで事前計算することができることを理解されたい。
【0116】
心房の形状は、境界領域内の全ての点で定義されるフィールド関数の等値面として表現することができる。各点は、本明細書に記載されるものなどの一連の座標変換を適用することによって、パラメトリックモデルの内部座標系に変換される。続いて、各解剖学的部位の寄与は、変換された座標上で計算される。最終フィールド関数が、心房形状の解剖学的部分の寄与をブレンドすることによって計算される。
【0117】
座標変換は、限定はしないが、境界球変換、歪曲変換、球面投影変換、及び伸張変換を含むことができる。1つ以上の実施形態によれば、アフィン変換を使用することができる。境界球変換の場合は、患者座標系において示される点が、式1に従って変換Tboundsを適用することによって、単位球面によって境界が規定された領域に変換される。
【0118】
【0119】
変換パラメータは、本明細書に記載のように選択することができる(例えば、
図3のブロック320に記載の初期変換計算など)。例えば、患者座標系における有界空間は、有界の単位球面に変換される。全ての変換は1対1とすることができ、したがって、(例えば、極を除いて)反転可能である。
【0120】
歪曲変換の場合は、解剖学的部分jごとに、歪曲中心
【0121】
【0122】
【数3】
に変換されるように、座標変換が適用される。一実施形態では、変換は、式2に従って定義される。
【0123】
【0124】
【数5】
である。この変換を反転して、座標x
skewedが与えられた座標x
jを計算してもよい。管様構造に対する歪曲変換の様々なパラメータの効果を
図7に示す。
図7は、モデル管上の歪曲中心位置の3つの異なる値701、702、703を含むグラフ700を示している。
【0125】
球面投影変換の場合は、いくつかの解剖学的部分について、「非歪曲」座標xjは、式3aに従って立体投影などの球面投影を適用することによって、平坦化座標系に投影される。
【0126】
【数6】
式中、T
projは、球面投影変換である。1つ以上の実施形態によれば、また、式3b、3c、及び3dに示すように、位置
【0127】
【数7】
は、サイズr
parallel(例えば、平面の高さ)を有する
【0128】
【0129】
【0130】
【0131】
【数11】
は、解剖学的部分の中心を指す単位ベクトルとすることができることに留意されたい。ガンマ空間から球への投影は、ガンマ空間内の全ての平面p
r(0≦r≦1)に対して逆球面投影を実行する。高さr
parallelの各平面は半径rの球に投影されるため、ガンマ空間から球への投影の画像は、原点を中心とする単位球面である。例えば、フィールドを計算するために、再構成エンジン101は、球からガンマ空間(逆球面)への非歪曲コードを取得することができる。
【0132】
伸張変換の場合は、いくつかの解剖学的部分について、投影座標は、伸張変換を適用することによってz方向(投影平面に垂直)に伸張される。一実施形態では、この変換は、式4及び式5に関して、αjによってパラメータ化された冪変換によって定義される。
【0133】
【0134】
管の湾曲速度に対する伸張パラメータα
jを変化させる効果を
図8に示す。
図8は、管の湾曲速度に対する伸張パラメータの3つの異なる効果801、802、803を含むグラフ800を示している。管の開口部での位置及び配向、並びに管の目標位置(例えば、歪曲中心)は一定であることに留意されたい。冪変換は、別個のα
jkパラメータが各管j及び部分kについて存在する、連続する値及び導関数を有する同様の区分的冪変換に精緻化することができる。
【0135】
解剖学的部分フィールドに関して本明細書で説明したように、任意の所与の点での各解剖学的部分のフィールド寄与は、変換された点座標にフィールド式を適用することによって計算される。1つ以上の実施形態によれば、解剖学的部分の種類は、管及び楕円体を含むことができる。管のフィールド式については、管jは、管中心を定義する単位ベクトルμj、主軸方向を定義する直交単位ベクトル
【0136】
【0137】
【数14】
膨張関数η
j(x)、及びフィールド関数
【0138】
【数15】
によってパラメータ化される。所与の点における管のフィールド寄与
【0139】
【0140】
【0141】
【0142】
【0143】
膨張関数ηj(x)は、例えば式8に従って、βjによってパラメータ化された平坦化冪変換として定義することができる。
【0144】
【0145】
【0146】
図9は、1つ以上の実施形態に基づくグラフ801、802、803によって、膨張パラメータβ
jの効果を示している。膨張関数もまた、別個のβ
jkパラメータが各管j及び区分kについて存在する、連続する滑らかな区分関数に精緻化することができる。フィールド関数
【0147】
【数22】
は、ガウス関数又はローレンツ関数などの標準減衰関数を説明し得る。
【0148】
【数23】
の等値面は、μ
jにおいて単位球面と交差し、中心方向
【0149】
【数24】
及びほぼ楕円の断面を持つ。管は、その端点
【0150】
【数25】
に向かって、α
jによって決定される割合で湾曲し、η
jによって決定される割合で徐々に膨張又は収縮する。管の例は、先に参照した図に示されている。
【0151】
楕円体のフィールド式については、楕円体kは、その中心を定義する単位ベクトルμj、主軸方向を定義する直交単位ベクトル
【0152】
【0153】
【0154】
【数28】
によってパラメータ化される。所与の点における楕円体のフィールド寄与
【0155】
【0156】
【0157】
【0158】
【0159】
【数33】
によって示される歪曲した楕円体を説明する。歪曲した楕円体の例を
図10に示す。
図10は、1つ以上の実施形態による歪曲した楕円体のグラフ1000を示す。
【0160】
本明細書に記載されるように、最終フィールド関数は、心房形状の解剖学的部分の寄与をブレンドすることによって計算される。例えば、ブレンディング関数に関して、様々な解剖点の寄与は、ブレンディング演算子を適用することによって組み合わされる。これは、式10による寄与の点的線形結合によって達成することができる。
【0161】
【数34】
式中、w
jは重みパラメータとすることができる。
【0162】
更に、ブレンディング(例えば、部分フィールドブレンディング)を
図11に示す。
図11は、グラフ1101及び1102を示し、個々の等値面部分がグラフ1101に示され、ブレンドされた心房モデル等値面がグラフ1102に示されている。左心房表面などの表面定義は、フィールド関数が閾値パラメータに等しい点、すなわちf=f
threshである点として定義できることに留意されたい。例えば、f>f
threshである点は心房モデル内であるとみなされ、f<f
threshである点は心房モデル外であるとみなされる。
【0163】
ここで、パラメトリックモデルの1つ以上の特徴を決定することを、解剖学的特徴の式に関して説明する。まず管の中心線について、ξj座標系では、管の中心線は直線であり得る。したがって、所望の高さhの場合、管中心線の点
【0164】
【数35】
は、式11に従って計算することができる。
【0165】
【0166】
【数37】
は、球面投影の極T
projを、管jについて画定する単位ベクトルである。続いて、中心線座標は、本明細書で定義される座標変換を使用して、任意の所望の座標系に変換することができる。管中心特徴は、サンプルに使用される管切断位置に対応する高さhを選択することによって画定され得る。
【0167】
管配向に関して、管配向は、ξj座標系において単位ベクトル
【0168】
【数38】
で示すことができる。これらのベクトルは、それらに所望の座標変換のヤコビ行列を掛けることによって変換され得る。配向は、それらの平均配向に関する当該単位ベクトルの正射投影によって表されてよく、管配向の2パラメータ表示をもたらす。
【0169】
管面積に関して、管断面の楕円の面積Ajは、任意の座標系において、Aj=πl2l3によって示され、l2、l3は、行列
【0170】
【数39】
の固有値の逆数によって示され、Jは変換のヤコビ行列であり、#は管の重み及びフィールド閾値から計算された正規化因子である。
【0171】
管の楕円の範囲に関して、管断面の楕円は、投影
【0172】
【数40】
を計算することによって代替的に説明されてもよく、
【0173】
【数41】
は、楕円の平面内に存在する事前に画定された単位ベクトルのセットを示す。例えば、管jの場合、指定された隣接する管j’に向かうベクトルを、式12に従って画定することができる。
【0174】
【0175】
続いて、楕円の残りの自由度を説明する3つの単位ベクトルのセットを、
【0176】
【数43】
として画定することができ、R(軸,角度)は、所与の角度での軸の周りの回転行列を示す。
【0177】
隆起点に関して、2つの隣接する管j及びj’の場合、式13、14及び15に従って、これらの管の楕円行列上にこれらの管の中心線を結ぶベクトルを投影することによって、近似中点線xmidpoint(h)を画定することができる。
【0178】
【0179】
【0180】
【数46】
は、標準点及び双線形演算子変換法を使用して、x
skewed共通座標系に変換される。
【0181】
続いて、いくつかの高さ値をサンプリングし、フィールド関数が閾値に達する点f=fthreshを検出することによって、近似中点線を心房表面と交差させることができる。この交点
【0182】
【数47】
は、
図12に示すように、隆起位置で発生する。
図12は、モデル心房表面1203上の近似中点線1201及び隆起点1202を示すグラフ1200を示している。
【0183】
心房の体積に関して、心房の体積は、領域をサンプリングし、f>fthreshである全ての点に関連する面積を合計することによって計算することができる。
【0184】
二次特徴に関して、本明細書に記載の解剖学的測定値を使用して、例えば左下PVと左上PVとの間の左弦などの管中心間の弦長、左弦と右弦との間のねじり角度、心房中心を管中心に接続する、単位長に正規化され、平均ベクトル方向を中心とする正射投影によって表される管位置ベクトル管位置ベクトルと管配向ベクトルとの間の角度、及び管断面積の合計などの二次特徴を計算することができる。
【0185】
図6に戻ると、ブロック610において、再構成エンジン101は次いで、モデルパラメータに関して、制約に従ってデータ及び統計的事前分布への形状適合を最適化するモデルフィッティング手順を実行する。本明細書で説明するように、動作は、コスト関数及び制約関数の計算615、コスト導関数及び制約導関数の計算620、モデルパラメータの更新(例えば、逐次二次プログラミング更新)630、入力データの更新640、最適化ハイパーパラメータの更新650、及び管切断の更新(例えば、n回の反復ごと)660を含む。モデルパラメータに関して、モデルは、複数の非線形制約に従って高度に非線形なコスト関数を最小化することによって適合される。
【0186】
統計的事前分布の構築に関して、再構成エンジン101は、データセット構築及び統計的モデリングを実施することができる。データセット構築のために、左心房メッシュをCTスキャンから構築する。心房は、短い断端が接続されたままとなるように、手動での切断によって肺静脈樹、僧帽弁、及び心耳から分離される。結果として生じる穴は、CT座標内のそれらの位置に基づいて、それらの解剖学的部分により容易に特定される。次いで、得られたメッシュを平滑化し、デシメーションし、トポロジーを補正する。形状モデルは、以下に説明するものと同様の手順(データ項のみ)を使用し、メッシュ表面から取得された高密度の点データを用いて、各心房メッシュに適合される。次いで、得られたモデルから解剖学的特徴が計算される。1つ以上の実施形態によれば、mFAMモデルを開発するために使用されたCTスキャンは、
図13に記載の解剖学的構造を表す。
図13は、患者集団の正常な解剖学的変動との類似性を示す表1300を示す。
【0187】
データセット全体で特徴を比較する統計的モデリングのために、形状は解剖学的ランドマークに基づいて共通の座標系に登録されている。データセット全体にわたる正規化された特徴(及び選択されたモデルパラメータ)の結合分布を、結果として生じるデータセット内の相関関係を分析することによってモデル化した。再構成エンジン101は、特徴及び相関のサブセットの手動選択を受信し、左心房の解剖学的特徴に関する事前分布を定義する多変量正規分布を構築することができる。
【0188】
1つ以上の実施形態によれば、再構成エンジン101は、1つ以上の適応サンプリング方式及びメッシュ計算を実施することができる。例えば、ピラミッドデータサンプリングに関して、カテーテル点は、それらの解剖学的タグ及び力値と共に、領域を8つに再帰的に分割することによって生成される6レベルピラミッドでサンプリングされる。
【0189】
例示的なピラミッドでは、各親ボクセルには、次の(下部)ピラミッドレベルの8つの子ボクセルが割り当てられる。再構成エンジン101は、ボクセルごとに複数のカテーテル入力事象を計算する。一例では、ボクセル内に記録されたカテーテル点がある場合は1、そうでない場合は0の最小解像度が記録される。親ボクセルについては、子ボクセル値の合計を記録することができる。更に、複数の接点について、最小解像度は、ボクセル内の力ゲート内にカテーテル点がある場合は1、そうでない場合は0であってもよい。この場合も、親ボクセルについては、子ボクセル値の合計を記録することができる。更に、複数の外部について、ボクセル内の最大力ゲートを超える力値を有するカテーテル点がある場合は1、そうでない場合は0の最小解像度が記録される。親ボクセルについては、子ボクセル値の合計を記録することができる。更に、複数の内部について、ボクセル内に記録されたカテーテル点があり、全てが力ゲート未満であるか、又は力情報なしであった場合は1の最小解像度が記録される。親ボクセルについては、子ボクセル値の合計を記録することができる。更に、ボクセル内の任意の点でタグ付けされた全ての解剖学的部分について、解剖学的タグを1として定義することができる。最も低いピラミッドレベルでは、質量中心をボクセルの中心とすることができる(約2mmのボクセルサイズ)。より高いレベルでは、質量中心は、このボクセル内に含まれる全ての「完全な」ボクセルの中心を使用することができる。他の値は、ボクセル内の力ゲート内の全てのカテーテル点の力の大きさの平均である力の大きさと、ボクセル内にあった力ゲート内の全ての点の全ての力方向ベクトルの平均を正規化した単位ベクトルである力方向と、ボクセル内の力ゲートよりも上方の全てのカテーテル点の力の大きさの平均である高い力の大きさと、ボクセル内にあった力ゲートよりも上方の全ての点の全ての力方向ベクトルの平均を正規化した単位ベクトルである高い力方向と、を含む。全てのカテーテル入力事象タイプ、接触事象タイプ、外部事象タイプ及び内部事象タイプについて、任意の値を別々に計算することができる。上記の例は限定的ではなく、他のデータ点も使用され得ることを理解されたい。
【0190】
これらの量は、新しい点が到着するたびに、移動平均を使用して更新される。各反復において(例えば、
図3のブロック380における「入力データを更新する」の後に)、ピラミッドは新しいカテーテル点で更新される。
【0191】
例えば、多重解像度心房表面計算に関して、再構成エンジン101は、各ピラミッドレベルについて、左心房表面の部分を含むボクセルを示す「表面マスク」及び「フィールド値配列」を計算する。これに関して、再構成エンジン101は、ランドマーク点(本明細書に記載の管中心線及び隆起部探索線)を計算し、最も高い(=最も細分化されていない)ピラミッドレベルに属する全てのボクセル(=境界領域全体をカバーする8個のボクセル)に「入力ボクセル」を初期化し、各「入力ボクセル」の中心にあるモデルフィールド関数を計算する。再構成エンジン101はまた、これらの計算されたモデルフィールド関数値を用いて、全ての「入力ボクセル」位置で現在のピラミッドレベルの「フィールド値配列」を更新し、「フィールド値配列」を閾値パラメータfthreshと比較することによって、各ボクセル中心における「心房マスク値」を計算し、「心房マスク値」がそれらの隣接ボクセルのいずれのボクセルとも異なるボクセルとして定義される「エッジボクセル」を計算する。再構成エンジン101は、その心房マスク値がボクセル内に位置するいずれのランドマーク点のものとも異なるボクセルとして定義される「矛盾ボクセル」を計算する。再構成エンジン101は、「エッジボクセル」及び「矛盾ボクセル」の結合を保存する。これは、現在のピラミッドレベルの「表面マスク」と呼ばれる。再構成エンジン101は、次のピラミッドレベルの「フィールド値配列」を、現在のレベルの「フィールド値配列」のアップサンプリングされたバージョンに初期化し、現在の「表面ボクセル」の子ボクセルのみを入力として使用する次のピラミッドレベルを使用してモデルフィールド関数を再度計算し、最も低いピラミッドレベルに達すると停止する。出力は、複数の解像度で心房表面を示す各ピラミッドレベルの「表面マスク」と、全ての位置及び全ての解像度での推定フィールド値を含む各ピラミッドレベルの「フィールド値配列」とを含む。
【0192】
例えば、八分木様のボクセルサブサンプリングに関して、再構成エンジン101は、本明細書に記載の表面マスクを使用してピラミッドボクセルのサブセットを選択し、モデル表面に近い領域は高解像度でサンプリングされ、モデル表面から遠い領域は低解像度でサンプリングされる。例えば、再構成エンジン101は、最も低い(=最も細分化された)ピラミッドレベルから始まり、現在のレベルの「表面マスク」を選択し、表面マスクのシブリングボクセルを現在のレベルで追加し、第2の反復から開始し(以前に訪問したレベルで計算された八分木マスクの親ボクセルを除去し)、「表面マスク」の選択に戻る。結果は、各ピラミッドレベルの「八分木マスク」を含むことができる。全ての「八分木マスク」の結合は、モデル心房表面付近では高解像度で、表面からより遠い領域では徐々に低くなる解像度でサンプリングされる、領域全体の多重解像度カバレッジを提供する。八分木マスクは、コスト関数内のデータ項を効率的に計算するために再構成エンジン101によって使用することができる。
【0193】
再構成エンジン101はまた、メッシュ計算を提供することができる。例えば、左心房メッシュを生成するために、再構成エンジン101は、標準的な等値面アルゴリズム(例えば、マーチングキューブ)を最も高いピラミッドレベルの「フィールド値配列」に適用する。このメッシュは、モデルパラメータの現在のセットに対するアルゴリズムの各反復で容易に利用可能である。
【0194】
再構成エンジン101はまた、モデルフィッティングを提供することができる。これに関して、再構成エンジン101の目標は、統計的事前分布によって定義されるように、解剖学的にもっともらしい心房形状を維持しながら、全ての現在のデータに可能な限り最良の適合を提供するモデルパラメータを推定することである。これは、本明細書で詳細に説明するように、モデルの初期化後に一連の制約に従って適切なコスト関数を最小化することによって達成される。
【0195】
再構成エンジン101の初期変換計算に関して、モデルフィッティングプロセスを初期化するために、心房の左側(LIPV、LSPV)及び右側(RSPV、RIPV、又は隔壁)の両方からの解剖学的にタグ付けされた点が必要とされる。初期テンプレートモデルが次いで、その対応する解剖学的特徴(PV中心及び/又は隔壁)が既知のタグ付けされた位置に最適に一致するように変換される。同じ側(RI及びRS、又はLI及びLS)からのタグ付けされたPV対のタグの位置は、互いに向かってシフトされる。再構成エンジン101はまた、既知の点の対(モデル特徴及びタグ付けされた点の中心)を使用して最適な類似性変換を計算することができる。次いで、境界球モデルパラメータを修正することによって、変換が適用される。
【0196】
反復最適化アルゴリズムに関して、再構成エンジン101は、逐次二次計画法(SQP)アルゴリズムを使用して、非線形制約(2.9.4)に従ってコスト関数(2.9.3)を最小化することによってモデルパラメータを推定する。各反復後に新たなデータ点及びユーザ入力(タグ、磁石など)が更新される。収束を制御するために、再構成エンジン101は、粗から細へのモデルフィッティングスケジュールを適用する。様々なコスト関数項(以下に詳述)の相対的な寄与は、スケジュールに従って一定の反復数の後に修正される複数のハイパーパラメータによって制御される。
【0197】
コスト関数に関して、再構成エンジン101は、現在知られているデータにおいて示される様々な事象に起因する対数尤度項Q[]の和の加法的逆元としてコスト関数を定式化する。様々な項の相対的な重みは、各項に関連する独立した事象の数によって決定され、そのいくつかはモデルフィッティングスケジュールによって制御される。項は、それらの関連する確率分布のモードでの寄与が0となるようにセンタリングされる。統計モデルは、事前分布項をコスト関数に追加するために使用される。
【0198】
データ項(例えば、タグ付けされた点への粗い適合)に関して、再構成エンジン101は、利用可能な各解剖学的タグごとに、全てのタグ付けされたボクセルの中心を計算する。再構成エンジン101は、これらの「タグ中心」から、それらの対応する管中心線上の最も近い点までの距離を計算する。この距離にガウス分布(標準偏差2mm)が割り当てられる。各タグ中心に、1つの独立した統計事象が割り当てられる。この項の寄与QtagCentersは、この分布(0を中心とする)による対数確率によって示される。このデータ項は、タグ付けされたPVを最適化の初期段階で正しい一般的な場所に移動させるのに役立つ。共通の口を有することが多いPVのタグ付けされた対、すなわち左上PVと左下PV、又は右上PVと右下PVとの対の場合、両方のPVのタグ中心は、後の段階での磁石による分離を防止するために、最適化の初期段階で互いに向かってシフトされる。
【0199】
データ項(例えば、体積サンプル)に関して、再構成エンジン101は、近似距離関数を計算する。モデル心房表面からのデータ点xの符号付距離Dは、式16に従って近似され得る。
【0200】
【数48】
式中、εは、フィールド関数がほぼ平坦である領域における数値安定性を保証する小さいベースライン値であり、d
internalは、現在の再構成の奥深くの点に対して返される典型的な距離値を定義する。
【0201】
カテーテル点のサンプリング確率の生成モデルに関して、ピラミッドの最も低い(=最も細分化された)レベルは、モデルの基本的な空間解像度を定義する。この解像度での所与のボクセル内の全ての位置は同一であるとみなされる。再構成エンジン101は、「volume_samples_per_event」ボクセルごとに1つの独立した統計事象を関連付ける。ハイパーパラメータ「volume_samples_per_event」は、モデルフィッティングスケジュールに従って徐々に減少し、収束が進行するにつれてこのデータ項の寄与を効果的に増加させる。
【0202】
再構成エンジン101は、その構成要素が本発明の心房形状モデルによって説明される異なる解剖学的部分である「混合モデル」を定義する。各点は解剖学的部分jからサンプリングされる。解剖学的部分は、ユーザが点の解剖学的タグを提供したかどうかに応じて、既知であっても、既知でなくてもよい。
【0203】
再構成エンジン101は、カテーテルが解剖学的部分jから現在サンプリングしていると仮定して、カテーテルが位置xのボクセルを訪問する条件付き確率を式17に従ってモデル化する。
【0204】
【数49】
式中、w
j(2.9.3.2.4で以下に定義される)は、解剖学的部分に対する位置xのメンバシップを測定し、m(x)は、ボクセル内の心房塊の量を測定する。m(x)を、ボクセルの質量中心の近似的な符号付き距離D(x)のシグモイド関数としてモデル化する。シグモイドの幅は、ボクセル体積の3乗根に比例し、ボクセル内の質量中心の位置を説明するように調整される。モデルフィールド関数のヘヴィーテイル形態は、D上及びm上でのヘヴィーテイル形態を誘発し、テンティングアーチファクトによって引き起こされるような外れ値点に対する堅牢性をもたらすことに留意されたい。例えば、テンティングアーチファクトは、カテーテル110が左心房組織を押すことによって引き起こされるアーチファクトであり得ることに留意されたい。
【0205】
構成要素jがカテーテルによって十分にサンプリングされていることを再構成エンジン101が知っている場合、再構成エンジン101は、式18に従って領域内の全てのボクセルx’を合計した構成要素の総質量によって確率を正規化することができる。
【0206】
【0207】
これは、コスト関数に「縮小」項を導入し、モデルを対応する領域内の点にしっかりと適合させる。
【0208】
構成要素が均一にサンプリングされていることが知られていない場合であっても、再構成エンジン101は分子を仮定し、未知な分母のプレースホルダとして何らかの定数(初期質量)を使用することができる。これにより、しっかりと適合するまで縮小する必要なく、モデルがサンプルに引き付けられる。
【0209】
構成要素が十分にサンプリングされているとみなすべきか否かを判定するために、2つの方法、すなわち、全ての構成要素が十分にサンプリングされていると常にみなされる「全て真」及び、ユーザによってタグ付けされた全ての構成要素が十分にサンプリングされているとみなされる「タグベース」が利用可能である。
【0210】
コスト関数寄与に関して、期待値最大化(expectation maximization:EM)又は混合モデルフレームワークで一般的であるように、再構成エンジン101は、式19に従って、各構成要素の初期メンバシップ確率にわたる対数尤度を平均化することができる。
【0211】
【0212】
実際には、このコスト関数の寄与は、八分木マスク内の全てのボクセルiについて計算される。定数項は、全てのサンプルが完全に心房の内側にあり、それらの解剖学的タグがそれらの現在のwj(x)と完全に一致する場合、QvolumeSamples=0となるように選択される。より大きなボクセルには、それらの体積に比例する重みが割り当てられる。ボクセルはまた、ボクセル内の内部事象及び接触事象の総数によっても重み付けされる(外部の強い力の事象を無視する)。
【0213】
ユーザタグが関連付けられているボクセルの場合、ボクセルに付与された全てのタグに、タグ付けされたサブサンプルの数に比例する確率を割り当て、他の全てのjには確率0を割り当てることによって、P0が示される。
【0214】
ユーザによってタグ付けされていないボクセルの場合、式20に従って、以前のモデル状態に基づき、P0を推定する。
【0215】
【0216】
P0値は、所定の反復回数にわたって一定に保持され、更新された心房モデルに基づいて定期的に再推定される。
【0217】
メンバシップ重み定義に関して、再構成エンジン101は、式21に従って管メンバシップ式を定義することができる。
【0218】
【数53】
式中、threshLinは、平滑化された閾値線形関数である。このメンバシップ関数は、小さな値に対しては個々の管フィールド関数のように挙動し、その値が閾値に達すると1に飽和する。それは他の管の寄与とは無関係である。
【0219】
左心房体を管口について区別するために、再構成エンジン101は、式22及び式23に従って半径方向依存性を追加することができる。
【0220】
【0221】
以下は、式24及び式25による心房体の定義である。
【0222】
【0223】
【0224】
再構成エンジン101は、生成モデル内の解剖学的部分jとして管口及び心房体を使用することができる。
【0225】
データ項(例えば、表面点及び外部点)に関して、再構成エンジン101は、入力定義及び仮定を計算することができる。例えば、入力定義に関して、既知の表面点及び外部点は、接触(力ゲート)事象を含む全ての八分木ボクセルの質量中心、ユーザ定義の「磁石」点、アブレーション点、及び他のシステムからの取得点などのソースから収集される。
【0226】
例えば、仮定に関して、表面点及び外部点の項は、表面点の力方向ベクトルが表面法線と一致する可能性が高いこと、表面点(力ゲート内)が心房表面に近い可能性が高いこと、外部点(力ゲートよりも上方)が心房内にある可能性が低く、一様な確率で心房外のどこかにあること、ユーザ提供の解剖学的タグを有する点が心房モデルの対応する解剖学的部分に属する領域内にある可能性が高いこと、及びそれらの自由度(DOF)パラメータによって具現化される確率分布の形状が表面点のソースに応じて選択されることを表す。ユーザ定義の磁石、並びにアブレーション点及び取得点については、DOF=∞(ガウス様分布)を使用する。これは、これらの点における高い信頼性を表し、磁石がモデル表面から離れている時に強い(ばね様の)引力を作り出す。八分木内の他の接触サンプルについては、DOF=1(コーシー型分布)を使用し、外れ値に対する許容度がより高いヘヴィーテイル挙動を生成する。
【0227】
配向項(例えば、表面点及び外部点)に関して、再構成エンジン101は、確率分布を計算することができる。測定された力方向単位ベクトルfの確率分布は、角度公差
【0228】
【数57】
で、点位置で正規化モデルフィールド勾配gを中心とする。磁石(DOF=∞)の場合、フォン・ミーゼス-フィッシャー分布を式26に従って使用する。
【0229】
【0230】
他の接触サンプル(DOF=1)の場合、球状コーシー分布を式27に従って使用する。
【0231】
【0232】
コストの定数項は、配向ベクトルが完全に一致する場合にコストが0に評価されるように選択される。配向項は、表面点(力ゲート内)にのみ適用される。
【0233】
距離項に関して、近似された符号付き距離(2.9.3.2.1)の分布は、スチューデントt分布としてモデル化される。ユーザ定義の磁石、並びにアブレーション点及び取得点については、DOF=∞を使用する。これは、これらの点における高い信頼性を表し、磁石がモデル表面から離れている時に強い(ばね様の)引力を作り出す。タグ付けされた磁石の場合、引力は、関連する解剖学的部分の表面に向かう。八分木内の他の接触サンプルについては、DOF=1(コーシー分布)を使用し、外れ値に対する許容度がより高いヘヴィーテイル挙動を生成する。配向が一致しない磁石への「固着」を回避するために、分布のスケーリングパラメータσdistは、式28に従って配向依存的に定義される。
【0234】
【0235】
このパラメータは、全ての最適化エポックの開始時に更新される(現在は10回の反復に設定されている)。距離が0である時に0となるようにセンタリングされた、選択された分布の対数確率が、コスト関数全体に対するこの寄与Qdistanceを計算するために使用される。外部点の場合、距離項はまた、全ての負(心房モデル外部)の符号付き距離値について0に設定される。
【0236】
メンバシップ項に関して、再構成エンジン101は、各表面点xiについて、式29に従って現在の心房モデルに基づいてメンバシップ項を計算することができる。
【0237】
【0238】
次いで、再構成エンジン101は、式30に従ってEM方式のコストを計算することができる。
【0239】
【0240】
完全表面点データ項の寄与に関して、既知の表面点の完全な寄与は、式31によって示される。
【0241】
【0242】
ユーザ定義の磁石点の場合、再構成エンジン101は、デフォルトで1つの独立した統計事象を割り当てることができる。ユーザは、mFAM GUIを介して各磁石を「重み付け」することができ、必要に応じてそれらの寄与を効果的に増加させることができる。再構成エンジン101は、ハイパーパラメータ「magnets_per_event」を介してスケジュールを更に適用して、最適化が進行するにつれて磁石の寄与を徐々に増加させることができる。八分木内の一般的な接触サンプルの場合、再構成エンジン101は、「contact_samples_per_event」ボクセルごとに1つの独立した統計事象を関連付けることができる。ハイパーパラメータ「contact_samples_per_event」は、モデルフィッティングスケジュールに従って徐々に減少し、収束が進行するにつれてこのデータ項の寄与を効果的に増加させる。
【0243】
データ項(例えば、ユーザ定義の中心線及び隆起点)に関して、再構成を更に支援するために、mFAM GUIは、ユーザが特定の管中心線及び/又は隆起点を制約する既知の空間点を定義することを可能にする。対応する管中心線上の最も近い点からのユーザ定義の中心線点の距離は、2mmの公差を有するガウス分布としてモデル化される。ユーザ定義の隆起点の距離には、それらの対応する隆起点からガウス分布が同様に割り当てられる。なお、コスト関数寄与QcenterlinePoints、QridgePointsとしては、0を中心とする対数確率が用いられる。各ユーザ定義の点に、1つの独立した統計事象が割り当てられる。
【0244】
楕円体フィールド比の項に関して、楕円体(ボール)フィールドと最終フィールド関数との間の比が、再構成の表面上のいくつかの重要な位置で計算される。比は、統計値と比較される。この「制約」QballFieldRatioへの寄与は、計算された比率と統計的比率との間の差のシグモイド関数である。このコスト項は、管が楕円体の周りに巻き付きやすい場所では、フィールドがより少ない管フィールド及びより多くの楕円体フィールドからなることを強いるので、管状の解剖学的部分が楕円体の周りに巻き付くのを防ぐ。
【0245】
統計的事前分布の項に関して、統計的モデルの寄与Qpriorは、その最大値が0になるような定数項を中心とする現在のモデルの特徴の統計分布の対数確率として定義される。各特徴は、完全なコスト関数に1つの独立した事象を寄与させる。
【0246】
信号コスト関数式に関して、完全コスト関数Eは、全ての項の寄与を合計し、全ての項に関連付けられた全独立事象(自由度)DOF_TOTALによる正規化によって示される(式32を参照)。
【0247】
【0248】
再構成エンジン101の制約は、コスト関数に追加されたペナルティスコアとして実装することができる。ペナルティスコアは、式33に従って計算される。
【0249】
【数65】
式中、a、b、及びcは、おおよそscore(0)≒0,score(-1)≒0、及びscore(0.1)≒1000となるように選択される。スコア値は10
8でキャップされ、そこから傾き1で線形に続く。線形制約及び境界制約に関して、複数の選択肢が再構成エンジン101によって使用される。例えば、再構成エンジン101は、管の最小重みを実装することができる。すなわち、管が過度に収縮するのを防止するために、例えば式34に従って、全ての管の重みをフィールド閾値を超えるように制約することができる。
【0250】
【0251】
別の選択肢には、アスペクト比の制約が含まれる。管のアスペクト比及び中央楕円体のアスペクト比は、それぞれセット
【0252】
【数67】
内のパラメータの対に線形制約を適用することによって制約される。更に、弁半径
【0253】
【数68】
のアスペクト比は、わずかなマージン内で1に近くなるように制約される。これにより、弁の断面を、楕円形ではなくより対称な円形とすることができる。
【0254】
別の選択肢には、非線形の制約が含まれる。非線形の制約は、SQPオプティマイザによって値が負に保たれる関数を指定することによって定義される。
【0255】
別の選択肢には、モデルパラメータ領域の制約が含まれる。中央楕円体中心、中央楕円体の歪み中心、及び管の歪み中心は、パラメータベクトル
【0256】
【数69】
の二乗ノルム上に非線形制約関数を定義することによって、半径0.99の球の内側に位置するように制約される。
【0257】
別の選択肢には、凝集性の制約が含まれる。全ての管の歪み中心
【0258】
【数70】
及びr=0.11における各管中心線上の点は、それらの中央楕円体フィールド値をf
threshより上になるように制約することによって、中央楕円体の内側に位置するように制約される。
【0259】
別の選択肢には、隆起点の存在の制約が含まれる。隆起点が心房モデルに覆われないようにするために、全ての計算された隆起点は、各隆起点について式35に従って制約導関数を計算することによって、モデル心房表面上に位置するように制約される。
【0260】
【0261】
この関数は、Dが0に近い限り負のままである。
【0262】
別の選択肢には、心耳隆起境界線の制約が含まれる。心耳隆起を確実に存在させるために、再構成エンジン101は、以下のように境界線を画定することができる:境界線の起点:LSPV心耳隆起点(2.6.5)から、LSPV接線ベクトルの方向に10mm外向きに進む;境界線方向ベクトル:LSPV中心とLIPV中心とを結ぶ単位ベクトルを定義する;サンプリング点:境界球との2つの交点の間で、境界線に沿って50個のサンプリング点
【0263】
【数72】
を一様にサンプリングする;測距:全てのサンプリング点で近似的な距離関数
【0264】
【数73】
(2.9.3.2.1)を算出する;重み:全てのサンプリング点でLSPVと心耳管とのメンバシップ重み(2.9.3.2.4)の和、すなわち
【0265】
【数74】
を計算する。したがって、LIPVなどの他の解剖学的領域に属する境界線に沿った点は無視する;境界線制約関数を、重み
【0266】
【0267】
【数76】
の重み付きソフトマックスとして計算する。
図14を参照すると、グラフ1400が、心耳-LSPV隆起線1401及び隆起点1402を含む境界線計算を示す。境界線起点1403及びサンプリング点1404は、重みによって符号化されている。
【0268】
別の選択肢には、最小隆起幅の制約が含まれる。再構成エンジン101は、隆起部探索線とLSPVと心耳中心線との間をサンプリングし、隆起幅計算1501を示すグラフ1500を示す
図15に示すように、それぞれの幅の半分が少なくとも0.5mmになるように制約することによって、上記に対してほぼ垂直な方向における心耳隆起の最小幅を制約することができる。
【0269】
別の選択肢は、外観の縮小を回避するための最小弁面積の制約を含み、再構成エンジン101は、弁の断面積をPV面積の和よりも大きく、かつ心耳面積よりも大きくなるように制約することができる。
【0270】
図中の流れ図及びブロック図は、本発明の様々な実施形態によるシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の考えられる実装形態の構造、機能性、及び動作を示すものである。この点に関して、流れ図又はブロック図における各ブロックは、示された論理機能を実施するための1つ以上の実行可能な命令を含むモジュール、セグメント、又は命令の部分を表し得るものである。いくつかの代替的な実装形態において、ブロックに示される機能は、図に示される順序以外の順序で行われてもよい。例えば、連続して示す2つのブロックは、実際に、実質的に同時に実行されてもよく、あるいはそれらのブロックは、時には、関連する機能性に応じて、逆の順序で実行されてもよい。また留意されたい点として、ブロック図及び/又はフロー図の各ブロック、並びにブロック図及び/又はフロー図のブロックの組み合わせは、特定の機能又は動作を実行する専用のハードウェアベースシステムによって実施されてもよく、あるいは、専用のハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせを動作させること又は実行することもできる。
【0271】
特徴及び要素が特定の組み合わせで上に記載されるが、当業者であれば、特徴又は要素の各々を単独で又は他の特徴及び要素と組み合わせて使用することができることを理解するであろう。加えて、本明細書に記載される方法は、コンピュータ又はプロセッサで実行するために、コンピュータ可読媒体に組み込まれるコンピュータプログラム、ソフトウェア、又はファームウェアにおいて実装され得る。本明細書で使用するコンピュータ可読媒体とは、電波又は他の自由に伝搬する電磁波、導波管若しくは他の伝送媒体を通って伝搬する電磁波(例えば、光ファイバーケーブルを通過する光パルス)、又は動線を通って伝送される電気信号などの、それ自体が一過性の信号であるものとして解釈されるべきではない。
【0272】
コンピュータ可読媒体の例としては、電気信号(有線又は無線接続を介して送信される)及びコンピュータ可読記憶媒体が挙げられる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、これらに限定されるものではないが、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、内部ハードディスク及びリムーバブルディスクなどの磁気媒体、光磁気媒体、コンパクトディスク(compact disk、CD)及びデジタル多用途ディスク(digital versatile disk、DVD)などの光学媒体、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、読み出し専用メモリ(read-only memory、ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(erasable programmable read-only memory、EPROM又はフラッシュメモリ)、スタティックランダムアクセスメモリ(static random access memory、SRAM)、及びメモリスティックなどが挙げられる。プロセッサをソフトウェアと共に使用して、端末、基地局、又は任意のホストコンピュータで使用するための無線周波数送受信機を実装することができる。
【0273】
本明細書で使用される用語は、あくまで特定の実施形態を説明する目的のものに過ぎず、限定を目的としたものではない。本明細書で使用する時、文脈上特に明記されない限り、単数形「a」、「an」及び「the」は複数の形態をも含むものとする。用語「含む(comprise)」及び/又は「含んでいる(comprising)」は、本明細書で用いられる場合、記載された特徴、整数、工程、動作、要素、及び/又は構成部品の存在を示すものであるが、1つ以上の他の特徴、整数、工程、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在若しくは追加を除外するものではない点を理解されたい。
【0274】
本明細書の異なる実施形態の説明は例示の目的で示されたものであるが、網羅的であることも開示される実施形態に限定されることも意図していない。多くの改変及び変形が、記載される実施形態の範囲及び趣旨から逸脱することなく、当業者には明らかとなろう。本明細書で使用される用語は、実施形態の原理、実用的な用途、又は市場に見られる技術と比較した技術的改良点を最も良く説明するため、又は当業者による本明細書に開示される実施形態の理解を可能とするために選択されたものである。
【0275】
〔実施の態様〕
(1) 方法であって、
1つ以上のプロセッサによって実行される再構成エンジンによって、解剖学的構造に対応する1つ以上の入力を受信することと、
前記再構成エンジンのモデルベースの高速解剖学的マッピングによって、前記1つ以上の入力に最も適合するパラメトリックモデルを少なくとも選択する初期変換を計算することと、
前記再構成エンジンの前記モデルベースの高速解剖学的マッピングによって、少なくとも1つの反復最適化を実行することであって、前記少なくとも1つの反復最適化は、前記パラメトリックモデルに基づいて統計的事前分布を構築すること、及び、前記パラメトリックモデルを前記1つ以上の入力及び前記統計的事前分布に適用して、前記解剖学的構造の等値面を生成することを含む、実行することと、
前記再構成エンジンによって、少なくとも前記等値面を含む出力を生成することと、
を含む、方法。
(2) 前記1つ以上の入力は、前記解剖学的構造の右側及び左側からの点についてのカテーテル点と解剖学的タグとを含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記解剖学的構造は左心房を含む、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記パラメトリックモデルは、前記解剖学的構造又はその下部構造の形状を表すパラメータに基づいて選択された固定モデルである、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記少なくとも1つの反復最適化は、コスト関数及び制約関数を計算すること、コスト導関数及び制約導関数を計算すること、パラメータを更新すること、前記1つ以上の入力を更新すること、最適化ハイパーパラメータを更新すること、又は1つ以上の管切断を更新することのうちのいずれか1つを更に含む、実施態様1に記載の方法。
【0276】
(6) 前記少なくとも1つの反復最適化は、前記解剖学的構造の解剖学的に正確な再構成を前記等値面として生成するための、前記パラメトリックモデルと前記1つ以上の入力の最小数の点群データ及び前記統計的事前分布とのブレンディングを含む、実施態様1に記載の方法。
(7) 前記出力は、前記等値面、3次元メッシュレンダリング、又は解剖学的メッシュ着色を含む、実施態様1に記載の方法。
(8) アブレーション処置中に前記再構成エンジンによって生成された前記出力をディスプレイに表示することを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(9) 前記再構成エンジンによって後続の入力を受信することと、前記等値面を前記後続の入力に適合させるために少なくとも1つの反復最適化を実行することと、を更に含む、実施態様1に記載の方法。
(10) 前記後続の入力は、好ましい磁石点、後続の解剖学的タグ、又はユーザ編集のうちのいずれか1つを含む、実施態様9に記載の方法。
【0277】
(11) システムであって、
再構成エンジンのプロセッサ実行可能プログラム命令を記憶するように構成されたメモリと、
少なくとも1つのプロセッサであって、前記マッピングエンジンの前記プログラム命令を実行して、前記システムに、
解剖学的構造に対応する1つ以上の入力を受信することと、
前記1つ以上の入力に最も適合するパラメトリックモデルを少なくとも選択する初期変換を計算することと、
少なくとも1つの反復最適化を実行することであって、前記少なくとも1つの反復最適化は、前記パラメトリックモデルに基づいて統計的事前分布を構築すること、及び、前記パラメトリックモデルを前記1つ以上の入力及び前記統計的事前分布に適用して、前記解剖学的構造の等値面を生成することを含む、実行することと、
少なくとも前記等値面を含む出力を生成することと、
を実行させるように構成されている、少なくとも1つのプロセッサと、
を含む、システム。
(12) 前記1つ以上の入力は、前記解剖学的構造の右側及び左側からの点についてのカテーテル点と解剖学的タグとを含む、実施態様11に記載のシステム。
(13) 前記解剖学的構造は左心房を含む、実施態様11に記載のシステム。
(14) 前記パラメトリックモデルは、前記解剖学的構造又はその下部構造の形状を表すパラメータに基づいて選択された固定モデルである、実施態様11に記載のシステム。
(15) 前記少なくとも1つの反復最適化は、コスト関数及び制約関数を計算すること、コスト導関数及び制約導関数を計算すること、パラメータを更新すること、前記1つ以上の入力を更新すること、最適化ハイパーパラメータを更新すること、又は1つ以上の管切断を更新することのうちのいずれか1つを更に含む、実施態様11に記載のシステム。
【0278】
(16) 前記少なくとも1つの反復最適化は、前記解剖学的構造の解剖学的に正確な再構成を前記等値面として生成するための、前記パラメトリックモデルと前記1つ以上の入力の最小数の点群データ及び前記統計的事前分布とのブレンディングを含む、実施態様11に記載のシステム。
(17) 前記出力は、前記等値面、3次元メッシュレンダリング、又は解剖学的メッシュ着色を含む、実施態様11に記載のシステム。
(18) 前記少なくとも1つのプロセッサは、前記マッピングエンジンの前記プログラム命令を実行して、前記システムに、アブレーション処置中に前記再構成エンジンによって生成された前記出力をディスプレイに表示させるように更に構成されている、実施態様11に記載のシステム。
(19) 前記少なくとも1つのプロセッサは、前記マッピングエンジンの前記プログラム命令を実行して、前記システムに、後続の入力を受信させ、前記等値面を前記後続の入力に適合させるために前記反復最適化を実行させるように更に構成されている、実施態様11に記載のシステム。
(20) 前記後続の入力は、好ましい磁石点、後続の解剖学的タグ、又はユーザ編集のうちのいずれか1つを含む、実施態様19に記載のシステム。
【外国語明細書】