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▶ 谷下 大悟の特許一覧

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  • 特開-USBコネクタケーブルの接続構造 図1
  • 特開-USBコネクタケーブルの接続構造 図2
  • 特開-USBコネクタケーブルの接続構造 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023031345
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】USBコネクタケーブルの接続構造
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/58 20060101AFI20230302BHJP
【FI】
H01R13/58
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021136776
(22)【出願日】2021-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】518305842
【氏名又は名称】谷下 大悟
(74)【代理人】
【識別番号】100092680
【弁理士】
【氏名又は名称】入江 一郎
(72)【発明者】
【氏名】谷 下 大 悟
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA09
5E021FA16
5E021FB07
5E021FB15
5E021FC02
5E021GB20
(57)【要約】
【課題】 簡便な構造でありながら、USBコネクタに対してケーブルを自在に折り曲げられることができるUSBコネクタケーブルの接続構造を提供する。
【解決手段】
USBコネクタケーブル100を折り曲げるときは、モールド部140のコネクタ側とケーブル側を指で挟んで、前記モールド部140の切欠き部142が内側となるように折り曲げる。すると、モールド内側の保持板150の板状部152も折り曲がる。モールド部140は、切欠き部142が設けられているので、折り曲げによるモールド部140の内側の縮みが吸収されるようになる。また、折り曲げた状態は、板状部152が塑性変形することで、そのまま保持される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
USBコネクタにケーブルを接続するUSBコネクタケーブルの接続構造であって、
前記USBコネクタとケーブルの接続部をモールドするモールド部,
該モールド部によって被覆されているケーブルに取り付けられており、前記USBコネクタに対して前記ケーブルを折り曲げた状態を保持する保持板,
前記USBコネクタに対して前記ケーブルを折り曲げたときの前記モールド部の内側に設けられた切欠き部,
を備えたことを特徴とするUSBコネクタケーブルの接続構造。
【請求項2】
前記モールド部は、前記USBコネクタに対して前記ケーブルを折り曲げたときの外側に肉厚部を有することを特徴とする請求項1記載のUSBコネクタケーブルの接続構造。
【請求項3】
前記保持板は、
塑性変形して折り曲げた状態を保持する板状部,
この板状部を前記ケーブルに取り付けるための取付部,
を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載のUSBコネクタケーブルの接続構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)コネクタケーブルの接続構造に関し、特に、USBコネクタに接続するケーブル接続部の折曲げ構造の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のUSBコネクタケーブルの折曲げ構造としては、例えば、下記特許文献1記載の「ケーブル保護具」がある。これは、プラグの根元部分でのケーブル断線を防止するケーブル保護具であって、前記ハウジング内部に形成されており、ケーブルを湾曲した状態で保持する保持部を備えたことを特徴とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-100123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した背景技術は、予め保持部で設定された方向にのみケーブルが折り曲げられており、自在に折り曲げる方向を設定できるわけではない。一方、最近は、USBコネクタを装備する情報端末などが多種多様な状況で使用されるようになってきており、ケーブルの方向をある程度変更できると好都合である。
【0005】
本発明は、以上のような点に着目したもので、簡便な構造でありながら、USBコネクタに対してケーブルを自在に折り曲げられることができるUSBコネクタケーブルの接続構造を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、USBコネクタにケーブルを接続するUSBコネクタケーブルの接続構造であって、前記USBコネクタとケーブルの接続部をモールドするモールド部,該モールド部によって被覆されているケーブルに取り付けられており、前記USBコネクタに対して前記ケーブルを折り曲げた状態を保持する保持板,前記USBコネクタに対して前記ケーブルを折り曲げたときの前記モールド部の内側に設けられた切欠き部,を備えたことを特徴とする。
【0007】
主要な形態の一つによれば、前記モールド部は、前記USBコネクタに対して前記ケーブルを折り曲げたときの外側に肉厚部を有することを特徴とする。他の形態によれば、前記保持板は、塑性変形して折り曲げた状態を保持する板状部,この板状部を前記ケーブルに取り付けるための取付部,を備えていることを特徴とする。本発明の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、USBコネクタとケーブルの接続部をモールドするモールド部の内側に切欠き部を設けるとともに、モールド部によって被覆されているケーブルに折り曲げた状態を保持する保持板を設けることとしたので、簡便な構造でありながら、USBコネクタに対してケーブルを自在に折り曲げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施例1の構成と折り曲げ前の状態を示す図である。(A)は接続部を示し、(B)は開いた状態の保持板を示し、(C)は折り曲げた状態の外観を示す。
図2】前記実施例1の折り曲げた状態を示す図である。(A)は折り曲げた状態の接続部を示し、(B)は折り曲げた状態の外観を示し、(C)は折り曲げた状態の使用例を示す。
図3】本発明の実施例2を示す図である。(A)は本実施例の折り曲げない状態を示し、(B)及び(C)は折り曲げた状態の様子を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて詳細に説明する。
【実施例0011】
図1には、本実施例のUSBコネクタケーブル100が示されている。同図は、USB-typeCに本発明を適用した例である。同図において、USBコネクタケーブル100は、コネクタ110にケーブル120が接続された構成となっている。すなわち、コネクタ110に接続された複数の芯線112が、束ねられてケーブル120の被覆122内に収納された構成となっている。また、コネクタ110とケーブル120との接続部130は、モールド部140によってモールド被覆されている。これらの構成は、従来のUSBコネクタケーブルと同様である。
【0012】
ところで、本実施例では、前記モールド部140の内側のケーブル120に、保持板150が設けられている。保持板150は、同図(B)に開いた状態を示すように略I字形状となっており、板状部152の両端に一対の取付部154が設けられた構成となっている。これら取付部154の腕を、同図(A)に示すように、ケーブル120を抱え込むように折り曲げることで、ケーブル120のコネクタ側に取り付けられる。このとき、板状部152が、折り曲げるケーブル120の外側に位置するように、保持板150がケーブル120に取り付けられる。そして、保持板150は、例えば、アルミニウムなどの折り曲げ可能な塑性変形する金属が使用され、モールド部140によってモールドされる。
【0013】
同図(C)には、モールド後の側面が示されており、USBコネクタケーブル100は、全体が略L字形状となっている。すなわち、コネクタ110に対してケーブル120が90度折り曲げられた構成となっている。モールド部140のL字の内側(図の左側)には、複数の切欠き部142が設けられている。反対のモールド部140の外側は、肉厚部144となっている。すなわち、モールド部140には、切欠き部142と肉厚部144が設けられており、内側に曲がりやすい構成となっている。
【0014】
次に、本実施例の作用について説明する。図2(A)には、本実施例による折り曲げの様子が示されており、上述した図1のコネクタ110とケーブル120が90度折り曲げられた状態から、更に90度折り曲げられている。USBコネクタケーブル100を折り曲げるときは、モールド部140のコネクタ側とケーブル側を指で挟んで、前記モールド部140の切欠き部142が内側となるように折り曲げる。すると、モールド内側の保持板150の板状部152も折り曲がる。モールド部140は、切欠き部142が設けられているので、折り曲げによるモールド部140の内側の縮みが吸収されるようになる。また、折り曲げた状態は、板状部152が塑性変形することで、そのまま保持される。
【0015】
図2(B)には、折り曲げた状態の側面が示されており、USBコネクタケーブル100は、全体が略コ字形状となっている。すなわち、コネクタ110に対してケーブル120が180度折り曲げられた構成となっている。同図(C)には、スマートフォン160に対して同図(B)の折り曲げたUSBコネクタケーブル100を取り付けた様子が示されている。
【0016】
なお、本実施例において、図2に示した折り曲げ方向と逆方向に曲げようとすると、モールド部140の外側が肉厚部144となっているため、折り曲げが難しい。
【0017】
以上のように、本実施例によれば、USBコネクタケーブル100の接続部130をモールド被覆するモールド部140において、その板状部152が折り曲げ外側となるように保持板150をケーブル120に取り付けるとともに、モールド部140の折り曲げ内側に切欠き部142を設けることとしたので、モールド部140において、コネクタ側をケーブル側に対して一方向に折り曲げることができ、また、折り曲げた姿勢が良好に保持されるようになる。
【実施例0018】
次に、図3も参照して、本発明の実施例2について説明する。図3(A)に示すUSBコネクタケーブル200は、コネクタ210にケーブル220が接続された構成となっており、コネクタ210とケーブル220との接続部は、モールド部240によってモールド被覆されている。モールド部240には、切欠き部242が設けられている。本例では、折り曲げない状態では、同図(A)に示すように、コネクタ210からケーブル220までが直線状となっている。同図(B)は、略90度の角度に折り曲げた状態が示されており、同図(C)には、弧状に折り曲げた状態が示されている。
【0019】
<他の実施例> なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。例えば、以下のものも含まれる。
(1)前記実施例で示した各部の形状や寸法は一例であり、同様の機能を奏するように設計変更可能である。例えば、前記実施例では、USB-typeCに本発明を適用したが、他のタイプについても、同様に適用可能である。
(2)前記実施例では、コネクタとケーブルを90度折り曲げる場合を示したが、折り曲げの角度は適宜設定してよい。
(3)また、前記実施例は、本発明をUSBコネクタとケーブルの接続部に本発明を適用した例であるが、オーディオプラグなど、各種のコネクタ・プラグに対して適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明によれば、USBコネクタとケーブルの接続部をモールドするモールド部の内側に切欠き部を設けるとともに、モールド部によって被覆されているケーブルに折り曲げた状態を保持する保持板を設けることとしたので、簡便な構造でありながら、USBコネクタに対してケーブルを自在に折り曲げることができ、各種タイプのコネクタに好適である。
【符号の説明】
【0021】
100:コネクタケーブル
110:コネクタ
112:芯線
120:ケーブル
122:被覆
130:接続部
140:モールド部
142:切欠き部
144:肉厚部
150:保持板
152:板状部
154:取付部
160:スマートフォン
200:コネクタケーブル
210:コネクタ
220:ケーブル
240:モールド部
242:切欠き部
図1
図2
図3