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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023031354
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】スタンド式ストッパー及び搬送台車
(51)【国際特許分類】
   B62B 5/04 20060101AFI20230302BHJP
【FI】
B62B5/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021136791
(22)【出願日】2021-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】000245830
【氏名又は名称】矢崎化工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090114
【弁理士】
【氏名又は名称】山名 正彦
(74)【代理人】
【識別番号】100174207
【弁理士】
【氏名又は名称】筬島 孝夫
(72)【発明者】
【氏名】中澤 弘康
【テーマコード(参考)】
3D050
【Fターム(参考)】
3D050AA01
3D050BB02
3D050DD03
3D050EE08
3D050EE15
3D050JJ05
(57)【要約】
【課題】コンパクト設計で安全性が向上され、部品点数が少なくて製造コストの低減を図ったスタンド式ストッパー及び搬送台車を提供する。
【解決手段】連結部6と、側部60、60間に設けた第1の回転軸1によって回転自在に支持されて左右に配置される一対の脚部50、50及びそれをつなぐ先端部51とを有する、対向して先端部51と接地部54を接続させたスタンド5と、スタンド5を起立状態とでき連結部6の側部60、60間に設けられた第2の回転軸2によって回転自在に支持されるスタンドロック部材7を備え、連結部6とスタンド5をつなぐ第1の弾性体3によって、スタンド5の回転時に第1の回転軸1へ下方から当接でき、連結部6とスタンドロック部材7をつなぐ第2の弾性体4によってスタンド5へ圧接可能であり、スタンドロック部材7がスタンド5へ圧接又は離間して、起立状態又は水平状態が自在である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連結部と、前記連結部の側部間に設けた第1の回転軸によって回転自在に支持され、対向して先端部と接地部とを接続するスタンドと、前記スタンドを起立状態とさせることが可能で前記連結部の側部間に設けられた第2の回転軸によって回転自在に支持されるスタンドロック部材を備え、
前記連結部とスタンドをつなぐ第1の弾性体によって、スタンド回転時に前記第1の回転軸へ下方から当接可能となるように構成されていると共に、前記連結部とスタンドロック部材をつなぐ第2の弾性体によってスタンドへ圧接可能であり、
前記スタンドロック部材が前記スタンドへ圧接又は離間して、前記スタンドは起立状態又は水平状態自在に構成されていることを特徴とする、スタンド式ストッパー。
【請求項2】
左右に配置される一対の脚部及び前記一対の脚部をつなぐ先端部とを有する前記スタンドが前記第1の回転軸回りに回転されると、前記第1の弾性体が伸長し、前記スタンドの先端部と前記スタンドロック部材が当接しつつ、前記第2の弾性体が伸長してスタンドロック部材が前記第2の回転軸回りに回転され、
前記スタンドの先端部がスタンドロック部材の死点を乗り越えると、前記スタンドが起立状態となると共に、前記スタンドロック部材が前記スタンドの先端部に圧接することで前記スタンドは起立状態を維持され、
前記スタンドの起立状態からスタンドロック部材を第2の回転軸回りに回転させてスタンドから離間することによって、前記スタンドは水平状態自在に構成されていることを特徴とする、請求項1に記載したスタンド式ストッパー。
【請求項3】
前記スタンドの一対の脚部の間に、前記スタンドロック部材と、前記第1の弾性体と、前記第2の弾性体が設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載したスタンド式ストッパー。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載したスタンド式ストッパーを備えて成ることを特徴とする、搬送台車。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、路面に接地させて搬送台車を固定させることができるスタンド式のストッパーと、前記ストッパーが好適に使用される搬送台車の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に開示の台車のスタンド機構は、前車輪5bと後車輪5aで走行可能な台車の後端部に手押体4を取り付けてあると共に、前記後車輪を浮かすことができるスタンド18を後端部に回動可能に取付けてある。また、スタンド機構にはロック機構が付設され、スタンド18で支持されている。停止中は、ロックバネ38の引っ張り力によって、係止孔35と突出棒18bが停止状態を維持してロック状態となり、ペダル30を踏むと係止孔35と突出棒18bの係止は解除されて走行可能になる。
【0003】
また、下記特許文献2に開示のフロアーロックは、ロックペダルレバー4を操作することでスタンド部3が伸長し、ロック解放ペダルレバー5を操作することでスタンド部3を短縮方向に変位させるフロアーロックで、ロック解放ペダルレバー5のストロークを小さくするとともに、ロックペダルレバー4を略く字状に形成して、ロック解放ペダルレバー5の操作時にロックペダルレバー4と交差することが無く、ロック解放時に指や物を強く挟み込むことが無いようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-195250号公報
【特許文献2】特開2011-5958号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1のスタンド機構は、部品点数が多く、製造コストが高い。しかも、台車の両側に取りつけるガイド部材があることにより、台車の幅とガイド部材の幅とが異なると、台車に取り付けられない。また、軽量でないしコンパクトでもない上、台車の外側にロックバネ38や爪体33がある場合は安全性に問題がある。
【0006】
前記特許文献2のフロアーロックは、特許文献1のスタンド機構よりは軽量、コンパクトだが、部品点数が多いことから、やはり製造コストが高い。また、機構が複雑であることがらメンテナンス性に劣る。その上、搬送台車に取付けた場合、接地面までの距離が短いことから、走行中、路面の段差に引っ掛かることがあったり、搬送台車に取付けられている車輪の径により接地できず、効果が発揮されない場合がある、といった問題点が指摘されており、これらが解決すべき課題となっている。
【0007】
したがって、本発明の目的は、路面に接地させて搬送台車を固定できるスタンド式のストッパーのコンパクト化と安全性の向上を図ると共に、部品点数が少なくて製造コストの低減を図り、各種搬送台車への簡便な使用を実現したスタンド式ストッパー及び搬送台車を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決する手段として、請求項1に記載した発明は、連結部6と、前記連結部6の側部60、60間に設けた第1の回転軸1によって回転自在に支持され、対向して先端部51と接地部54とを接続するスタンド5と、前記スタンド5を起立状態とさせることが可能で前記連結部6の側部60、60間に設けられた第2の回転軸2によって回転自在に支持されるスタンドロック部材7を備え、
前記連結部6とスタンド5をつなぐ第1の弾性体3によって、スタンド5の回転時に前記第1の回転軸1へ下方から当接可能となるように構成されていると共に、前記連結部6とスタンドロック部材7をつなぐ第2の弾性体4によってスタンド5へ圧接可能であり、
前記スタンドロック部材7が前記スタンド5へ圧接又は離間して、前記スタンド5は起立状態又は水平状態自在に構成されていることを特徴とする、スタンド式ストッパーである。
【0009】
請求項2に記載した発明は、左右に配置される一対の脚部50、50及び前記一対の脚部50、50をつなぐ先端部51とを有する前記スタンド5が前記第1の回転軸1回りに回転されると、前記第1の弾性体3が伸長し、前記スタンド5の先端部51と前記スタンドロック部材7が当接しつつ、前記第2の弾性体4が伸長してスタンドロック部材7が前記第2の回転軸2回りに回転され、
前記スタンド5の先端部51がスタンドロック部材7の死点Pを乗り越えると、前記スタンド5が起立状態となると共に、前記スタンドロック部材7が前記スタンド5の先端部51に圧接することで前記スタンド5は起立状態を維持され、
前記スタンド5の起立状態から前記スタンドロック部材7を第2の回転軸2回りに回転させてスタンド5から離間することによって、前記スタンド5は水平状態自在に構成されていることを特徴とする、請求項1に記載したスタンド式ストッパーである。
【0010】
請求項3に記載した発明は、前記スタンド5の一対の脚部50、50の間に、前記スタンドロック部材7と、前記第1の弾性体3と、前記第2の弾性体4が設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載したスタンド式ストッパーである。
【0011】
請求項4に記載した発明は、請求項1~3のいずれかに記載したスタンド式ストッパーを備えて成ることを特徴とする、搬送台車9A(9B)である。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るスタンド式ストッパーによれば、スタンドロック部材だけでスタンドを起立状態または水平状態とさせることができ、部品点数を削減させて製造コストの低減を実現した。また、本ストッパー機構が単純になったことでメンテナンス性が向上し、コンパクトにしたことで搬送台車よりも外側に飛び出ていないため、安全性の向上にも寄与する。
さらに、本スタンド式ストッパーは、搬送台車の後部をわずかに浮かせることにより搬送台車の車輪の径の大小にかかわらず、搬送台車を走行させることのない状態又は走行可能な状態とさせることができると共に、車輪ではなくクローラであっても搬送台車を走行させることのない状態とさせること又は走行可能な状態とさせることができた。
加えて、路面からの高さが十分にあることから従来品と比較して路面の段差に引っ掛かることなくスムーズな搬送台車の走行を実現した。そして、一対の脚部の間に弾性体があることから従来品と比較して安全性が向上した。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明のスタンド式ストッパーを示した斜視図である。
図2図1のスタンド式ストッパーの分解斜視図である。
図3】(A)はスタンド式ストッパーの平面図、(B)は同正面図、(C)は同底面図、(D)は同左側面図、(E)は同右側面図である。
図4】(A)~(D)は、スタンド式ストッパーの水平状態から起立状態への遷移を示した各正面図である。
図5】(A)はスタンド式ストッパーの起立状態における説明図、(B)は同ストッパーの水平状態への遷移状況を示した説明図である。
図6】スタンド式ストッパーをキャスター型搬送台車に適用した実施例(起立状態)を示した斜視図である。
図7】(A)は図6のキャスター型搬送台車におけるスタンド式ストッパーの水平状態を示した説明図、(B)は同ストッパーの起立状態を示した説明図である。
図8】スタンド式ストッパーをクローラ型搬送台車に適用した実施例(起立状態)を示した斜視図である。
図9】(A)は図8のクローラ型搬送台車におけるスタンド式ストッパーの水平状態を示した説明図、(B)は同ストッパーの起立状態を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明のスタンド式ストッパー及び搬送台車を、以下、図面にしたがって説明する。
このスタンド式ストッパーは、例えば図6図9に示したような搬送台車9A、9Bに取り付けて好適に実施され、路面に接地させた前記搬送台車9A、9Bを必要に応じて固定するものである。
図1図3に示したように、前記スタンド式ストッパーは、連結部6と、スタンド5と、スタンドロック部材7と、第1の弾性体3(引っ張りばね)と、第2の弾性体4(引っ張りばね)と、第1の回転軸1をなすボルト10・ナット11と、第2の回転軸2をなすボルト20・ナット21により構成されている。連結部6、スタンド5、スタンドロック部材7は、金属製で好適に実施されるが、用途に応じて材質を合成樹脂やセラミックのような非金属を選択することもできる。
【0015】
連結部6は、後述するスタンドロック部材7の前部(図2中の左側)が上方から挿し込まれる前方の2つの長孔部65、65を有する水平部66と、前記水平部66の左右に配置される一対の垂直な側部60、60と、前記側部60、60の前後でそれぞれ上方に立ち上がるアングル状の立上り部64で形成されている。水平部66と、一対の側部60、60と後方の立上り部64、64の間には、スタンドロック部材7を回転自在に支持するための空隙部67が設けられている。各側部60の下方には、第1の回転軸1(ボルト10)が挿通される孔部61が設けられ、前記孔部61の上方には第2の回転軸2(ボルト20)が挿通される孔部62が設けられている。つまり、第2の回転軸2は第1の回転軸1よりも上方にある。また、後方の立上り部64の中央下方には、弾性体3、4の上端を固定する固定ボルト8が取り付けられる孔部63が設けられている。
【0016】
スタンド5は、前記連結部6の側部60、60間に設けた第1の回転軸1によって回転自在に支持されて左右方向に離れて配置される一対の脚部50、50と、前記一対の脚部50、50を前方でつなぐ先端部51と、前記一対の脚部50、50を後方でつなぐ接地部54があり、前記スタンド5の補強と共に第1の回転軸1回りに回転可能に孔部53を設けている平板状の結合部52から成る。つまり、スタンド5は先端部51と接地部54とを対向して接続させた状態となっている。
なお、スタンド5の脚部50、50は正面方向視でZ形状となっているが(図4参照)、何らZ形状である必要はなく、例えば8の字形状等であっても差し支えない。また、スタンド5の脚部50、接地部54、先端部51と結合部52とは溶接にて接合されているが、四者一体にて形成しても構わない。
【0017】
スタンドロック部材7は、前記スタンド5を起立状態とさせることが可能で、前記連結部6の側部60、60間に設けられた第2の回転軸2によって回転自在に支持された構成とされている。本実施例では、全体形状が山形状をなす一対の側部73、73の略中央には孔部70が各々設けられ、各側部73の前方で垂下する垂直部74の内側に切欠き部71が形成されている。この切欠き部71は、角形状の凹部に形成されているが、スタンド5の先端部51に合わせた円弧状の凹部であっても良く、或いは切欠き部71がなくてもスタンド5の水平状態を阻止する役割は果たせる。また、このスタンドロック部材7の後方では、一対の側部73、73の下端部に渡る傾斜面の解除部72が形成されている。
【0018】
かくして、前記スタンドロック部材7の垂直部74、解除部72が、連結部6の長孔部65、空隙部67に上方から挿し込まれて被さった配置状態で、スタンドロック部材7の孔部70と、水平方向位置を同じくする連結部6の上方の孔部62に、第2の回転軸2をなすボルト20が挿通され、ナット21で固定されている。一方、前記スタンドロック部材7の下方に配置されるスタンド5は、前記孔部53と、水平方向位置を同じくする連結部6の下方の孔部61に、第1の回転軸1をなすボルト10がスリーブ12を介して挿通され、反対側でもスリーブ12を介してナット11で固定されている。
そして、長めの引っ張りばねで形成された第1の弾性体3は、その上端が連結部6の固定ボルト8に取り付けられ、その下端がスタンド5の先端部51の内端に取り付けられている(図3B参照)。次に、短めの引っ張りばねで形成された第2の弾性体4は、その上端が連結部6の固定ボルト8の外端に取り付けられ(図4参照)、その下端がスタンドロック部材7の解除部52の内端に取り付けられている。
なお、第2の弾性体4は、一端が固定ボルト8の内端に取り付けられ、他端が前記一対の側部73、73の前方上端部に渡る平面部に取り付けられると共に、第2の回転軸2へ下方から常時当接可能に構成されていても構わない。
【0019】
よって、スタンド5の一対の脚部50、50の間に、スタンドロック部材7と第1の弾性体3と第2の弾性体4が存在しているので、コンパクト化が図られ安全性も確保されている。そして、前記連結部6とスタンド5をつなぐ、前記スタンド5が常時水平状態となるように付勢された第1の弾性体3によって、スタンド5の回転時に第1の回転軸1へ下方から当接可能となるようになっていると共に、連結部6とスタンドロック部材7をつなぐ第2の弾性体4によってスタンド5へ圧接可能に付勢することにより、スタンドロック部材7がスタンド5へ圧接又は離間して、スタンド5は起立状態又は水平状態自在に構成されている。
【0020】
上述したスタンド5の水平状態から起立状態への遷移について、図4にしたがい詳しく説明する。
図4Aに示したスタンド5を第1の弾性体3が伸長するように第1の回転軸1回り(時計回り)に回転させる。すると、スタンド5の先端部51がスタンドロック部材7に当接する(図4B)。さらにスタンド5を第1の弾性体3が伸長する方向に第1の回転軸1回りに回転しつつ、第1の回転軸1に下方から第1の弾性体3が当接する。同時に、スタンド5の先端部51がスタンドロック部材7に当接しつつ、スタンドロック部材7がスタンド5に押されるようにして第2の弾性体4が伸長する方向に第2の回転軸2回り(時計回り)に回転する。やがて、図4Cに示したように、スタンドロック部材7の死点Pに到達し、スタンド5の先端部51が死点Pを乗り越えると、スタンドロック部材7は第2の弾性体4の収縮力により、第2の弾性体4が収縮する方向へ第2の回転軸2回り(反時計回り)に回転すると共に、図4Dに示したようにスタンド5は起立状態となる。この時、スタンドロック部材7の切欠き部71にスタンド5の先端部51が圧接し、スタンド5の起立状態がより強固になる。
【0021】
スタンド5を起立状態から水平状態としたいとき、図5Aに示したように、スタンド5を水平状態とさせる方向Kへ第1の回転軸1回り(反時計回り)に回転させようにも、スタンドロック部材7がスタンド5から離間せず、スタンドロック部材7の切欠き部71がスタンド5の先端部51に食い込んで圧接しており、スタンド5は起立状態を維持し続ける。これは、第2の弾性体4が収縮しきれておらず、図5A中、符号Sで示した方向(反時計回り)に収縮力があることでスタンド5の先端部51への食い込みつまり圧接が可能となっているためである。つまり、スタンドロック部材7がスタンド5を水平状態にさせないような体勢となることで、スタンド5の起立状態から水平状態へ遷移することを阻止している。よって、スタンド5の起立状態から水平状態へ遷移させるためには、スタンド5の回転をスタンドロック部材7によって阻止させないように、即ちスタンドロック部材7をスタンド5から離間させなければならない。
【0022】
すなわち、スタンド5の回転をスタンドロック部材7で阻止させないようにするためには、図5Bに示したように、スタンドロック部材7の解除部72に外力Fを加える。すると、スタンドロック部材7は第2の弾性体4が伸長しつつ第2の回転軸2回り(反時計回り)にスタンド5から離間する方向Tへ回転する。そして、スタンドロック部材7がスタンド5の先端部51への圧接がなくなったことから、第1の弾性体3の圧縮力により、スタンド5は第1の回転軸1回りに水平状態とさせる方向に回転し、起立状態から水平状態へと遷移する。一方、外力Fを除くことで、第2の弾性体4の収縮力によりスタンドロック部材7は第2の回転軸2回りに第2の弾性体4が収縮する方向へ回転する。
【0023】
図6図9は、上述したスタンド式ストッパーを備えた搬送台車9A、9Bを示しており、このような搬送台車9A、9Bに取り付けることで、搬送台車9A、9Bのストッパーとしての役割を果たしている。また、搬送台車としては、図6に示したキャスター90付き搬送台車9Aや、図8に示したクローラ93付き運搬台車9Bを問わず、前記キャスター90の径の大小を問わず対応できる。
本実施例におけるスタンド式ストッパーと搬送台車9A、9Bの固定は、搬送台車9A、9Bの天板91へのボルト接合や、搬送台車本体9A、9Bへの取り付け金具92を用いた接合であるが、その他、溶接による接合であっても差し支えない。
図7A図9Aに示したスタンド5が水平状態で搬送台車9A、9Bを走行させることができる。一方、図7B図9Bに示したスタンド5が起立状態のときは、スタンド5の接地部54が路面Gに接地すると共に搬送台車9A、9Bの後部をわずかに浮かせて、キャスター90の後部2輪又は、クローラ93の後部が接地しないことで搬送台車9A、9Bが固定され、搬送台車9A、9Bが走行することがないようになっている。
上述したスタンド式ストッパーの搬送台車9A、9Bへの後付が可能であり、別途キャスター90やクローラ93に対するストッパー機構を取り付ける必要がない。
【0024】
以上、実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は図示例の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために申し添える。
【符号の説明】
【0025】
1 第1の回転軸
10 ボルト
11 ナット
12 スリーブ
2 第2の回転軸
20 ボルト
21 ナット
3 第1の弾性体
4 第2の弾性体
5 スタンド
50 脚部
51 先端部
53 孔部
54 接地部
6 連結部
60 側部
63 孔部
65 長孔部
66 水平部
67 空隙部
7 スタンドロック部材
71 切欠き部
72 解除部
73 側部
74 垂直部
8 固定ボルト
P 死点
9A、9B 搬送台車
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9