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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023031408
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】配線モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/507 20210101AFI20230302BHJP
   H01M 50/209 20210101ALI20230302BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20230302BHJP
   H01M 50/298 20210101ALI20230302BHJP
   H01M 50/583 20210101ALI20230302BHJP
   H01G 11/10 20130101ALI20230302BHJP
   H01G 11/74 20130101ALI20230302BHJP
   H01M 50/503 20210101ALI20230302BHJP
   H01M 50/569 20210101ALI20230302BHJP
   H01M 50/284 20210101ALI20230302BHJP
【FI】
H01M50/507
H01M50/209
H01M50/249
H01M50/298
H01M50/583
H01G11/10
H01G11/74
H01M50/503
H01M50/569
H01M50/284
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021136867
(22)【出願日】2021-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 修哉
(72)【発明者】
【氏名】中山 治
(72)【発明者】
【氏名】松村 暢之
【テーマコード(参考)】
5E078
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5E078AA10
5E078JA02
5E078KA01
5H040AA22
5H040AS07
5H040AT02
5H040AY10
5H040CC14
5H040CC20
5H040CC36
5H040CC38
5H040DD03
5H040DD08
5H040DD13
5H040DD24
5H040DD26
5H040DD29
5H040JJ03
5H040NN01
5H040NN03
5H043AA03
5H043AA19
5H043BA11
5H043CA04
5H043CA22
5H043CA28
5H043FA04
5H043FA05
5H043FA26
5H043FA33
5H043GA03
5H043GA23
5H043GA30
5H043JA04F
5H043JA17F
5H043JA26F
5H043LA21F
5H043LA22F
(57)【要約】
【課題】配線モジュールを提供する。
【解決手段】配線モジュール20は、電極端子12A,12Bを有する複数の蓄電素子11に取り付けられる配線モジュール20であって、複数のバスバーユニット22と、バスバーユニット22に接続される電線21と、を備え、バスバーユニット22は、電極端子12A,12Bに接続されるバスバー30と、回路基板40と、回路基板40をバスバー30に固定する固定手段53と、を備え、回路基板40には、導電路43が配索され、導電路43は、バスバー30に電気的に接続される接続ランド45と、電線21に半田付けにより接続される電線ランド46と、を備え、バスバー30は、電線21を固定するかしめ部37を有し、電線21は、かしめ部37と回路基板40とによって挟まれている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極端子を有する複数の蓄電素子に取り付けられる配線モジュールであって、
複数のバスバーユニットと、
前記バスバーユニットに接続される電線と、を備え、
前記バスバーユニットは、前記電極端子に接続されるバスバーと、回路基板と、前記回路基板を前記バスバーに固定する固定手段と、を備え、
前記回路基板には、導電路が配索され、
前記導電路は、前記バスバーに電気的に接続される接続ランドと、前記電線に半田付けにより接続される電線ランドと、を備え、
前記バスバーは、前記電線を固定するかしめ部を有し、
前記電線は、前記かしめ部と前記回路基板とによって挟まれている、配線モジュール。
【請求項2】
前記回路基板は、前記かしめ部とともに前記電線を挟んで固定する固定部を備え、
前記電線ランドが形成されている前記回路基板の面は、第1面とされており、
前記固定部は、前記第1面において前記電線と接触している、請求項1に記載の配線モジュール。
【請求項3】
前記回路基板は、前記第1面の反対側に配される第2面を有し、
前記固定部は、前記第2面において前記バスバーと接触している、請求項2に記載の配線モジュール。
【請求項4】
前記回路基板は、前記かしめ部の近傍に配される切り欠き部を有する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の配線モジュール。
【請求項5】
前記切り欠き部の内部には前記かしめ部が配されている、請求項4に記載の配線モジュール。
【請求項6】
さらに前記バスバーを保持するプロテクタを備え、
前記回路基板は、前記プロテクタとの間にクリアランスを有する、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の配線モジュール。
【請求項7】
前記導電路は、前記接続ランドと前記電線ランドの間に設けられるチップヒューズを備える、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の配線モジュール。
【請求項8】
前記バスバーは、第1固定孔を有し、
前記回路基板は、第2固定孔を有し、
前記固定手段は、リベットとされ、
前記リベットは、前記第1固定孔及び前記第2固定孔に挿入される軸部と、前記軸部の端部に形成され、前記第1固定孔及び前記第2固定孔の孔径よりも大きな外径を有する頭部と、を備える、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の配線モジュール。
【請求項9】
車両に搭載される前記複数の蓄電素子に電気的に取り付けられる車両用の配線モジュールであって、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の配線モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配線モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気自動車やハイブリッド自動車等の電池パック内において、複数の単電池に接続される配線モジュールが知られている。例えば、特開2016-115616号公報(下記特許文献1)に記載の検知モジュールは、複数の単電池の電極端子間を接続するバスバーに接続されるバスバー接続端子と、電線の端末部に接続される電線接続端子と、バスバー接続端子及び電線接続端子を接続するヒューズと、を備える。バスバー接続端子、電線接続端子、及びヒューズは、合成樹脂製のハウジング内に収容され、一体化されている。さらに、このハウジングは、合成樹脂製の樹脂プロテクタに保持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-115616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の検知モジュールにおいて、構成を簡素化しようとした場合、ヒューズが搭載された回路基板を用いることが考えられる。すなわち、検知モジュールは、回路基板を備え、この回路基板は、バスバーに接続されるバスバー接続部と、電線に接続される電線接続部と、バスバー接続部と電線接続部との間に配されるヒューズと、を有する構成とすることができる。
【0005】
ところで、電気的に接続された電線と回路基板とを備える配線モジュールにおいては、電線に応力が加えられることにより、電線と回路基板との電気的な接続が損なわれる場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の配線モジュールは、電極端子を有する複数の蓄電素子に取り付けられる配線モジュールであって、複数のバスバーユニットと、前記バスバーユニットに接続される電線と、を備え、前記バスバーユニットは、前記電極端子に接続されるバスバーと、回路基板と、前記回路基板を前記バスバーに固定する固定手段と、を備え、前記回路基板には、導電路が配索され、前記導電路は、前記バスバーに電気的に接続される接続ランドと、前記電線に半田付けにより接続される電線ランドと、を備え、前記バスバーは、前記電線を固定するかしめ部を有し、前記電線は、前記かしめ部と前記回路基板とによって挟まれている、配線モジュールである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、電線と回路基板との電気的接続が損なわれにくい配線モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態1にかかる蓄電モジュールが搭載された車両を示す模式図である。
図2図2は、蓄電モジュールの平面図である。
図3図3は、バスバーユニットを示す蓄電モジュールの拡大平面図である。
図4図4は、回路基板を示す配線モジュールの拡大平面図である。
図5図5は、回路基板を示す配線モジュールの拡大斜視図である。
図6図6は、図4のA-A断面図である。
図7図7は、図4のB-B断面図である。
図8図8は、回路基板の平面図である。
図9図9は、回路基板配設部を示すバスバーの拡大斜視図である。
図10図10は、図4のA-A断面において回路基板配設部に回路基板を配設した状態を示す図である。
図11図11は、図4のA-A断面において電線をかしめ部でかしめる様子を示す図である。
図12図12は、実施形態2にかかる回路基板を示す配線モジュールの拡大平面図である。
図13図13は、図12のC-C断面図である。
図14図14は、回路基板の平面図である。
図15図15は、回路基板配設部を示すバスバーの拡大斜視図である。
図16図16は、図12のC-C断面において電線をかしめ部でかしめる様子を示す図である。
図17図17は、実施形態3にかかる回路基板を示す配線モジュールの拡大平面図である。
図18図18は、図17のD-D断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列挙して説明する。
【0010】
(1)本開示の配線モジュールは、電極端子を有する複数の蓄電素子に取り付けられる配線モジュールであって、複数のバスバーユニットと、前記バスバーユニットに接続される電線と、を備え、前記バスバーユニットは、前記電極端子に接続されるバスバーと、回路基板と、前記回路基板を前記バスバーに固定する固定手段と、を備え、前記回路基板には、導電路が配索され、前記導電路は、前記バスバーに電気的に接続される接続ランドと、前記電線に半田付けにより接続される電線ランドと、を備え、前記バスバーは、前記電線を固定するかしめ部を有し、前記電線は、前記かしめ部と前記回路基板とによって挟まれている、配線モジュールである。
【0011】
このような構成によると、かしめ部と回路基板とによって電線が固定されるから電線に外力が加わっても電線と回路基板との電気的接続が損なわれにくい。
【0012】
(2)前記回路基板は、前記かしめ部とともに前記電線を挟んで固定する固定部を備え、前記電線ランドが形成されている前記回路基板の面は、第1面とされており、前記固定部は、前記第1面において前記電線と接触していることが好ましい。
【0013】
このような構成によると、電線ランドが回路基板の第1面に形成され、かしめ部とともに電線を挟んで固定する固定部は第1面において電線と接触しているから、電線ランドと固定部との間で、電線を屈曲させなくてよい。よって、電線の半田付けを行った後で、かしめ部と固定部とにより電線を固定する場合には、半田割れが抑制される。また、かしめ部と固定部とにより電線を固定した後で、電線の半田付けを行う場合、半田付けが容易になる。
【0014】
(3)前記回路基板は、前記第1面の反対側に配される第2面を有し、前記固定部は、前記第2面において前記バスバーと接触していることが好ましい。
【0015】
このような構成によると、固定部は第2面においてバスバーと接触しているから、固定部をバスバーにより支持することができる。また、かしめ部と固定部によって電線が固定された状態をさらに安定させることができる。
【0016】
(4)前記回路基板は、前記かしめ部の近傍に配される切り欠き部を有することが好ましい。
【0017】
このような構成によると、切り欠き部から回路基板に付着する水分を排水することができる。よって、回路基板上の水分を介して導電路が短絡することが抑制される。
【0018】
(5)前記切り欠き部の内部には前記かしめ部が配されていることが好ましい。
【0019】
このような構成によると、切り欠き部によりバスバーと回路基板との位置決めが可能となる。
【0020】
(6)上記の配線モジュールは、さらに前記バスバーを保持するプロテクタを備え、前記回路基板は、前記プロテクタとの間にクリアランスを有することが好ましい。
【0021】
このような構成によると、プロテクタにより複数のバスバーユニットを統合して取り扱うことができる。また、回路基板とプロテクタとの間にクリアランスを設けることで、回路基板がプロテクタから応力を受けにくいため、半田割れを抑制することができる。
【0022】
(7)前記導電路は、前記接続ランドと前記電線ランドの間に設けられるチップヒューズを備えることが好ましい。
【0023】
このような構成によると、導電路同士が短絡し過電流が発生した場合であっても、蓄電素子から導電路に過電流が流れることを制限することができる。
【0024】
(8)前記バスバーは、第1固定孔を有し、前記回路基板は、第2固定孔を有し、前記固定手段は、リベットとされ、前記リベットは、前記第1固定孔及び前記第2固定孔に挿入される軸部と、前記軸部の端部に形成され、前記第1固定孔及び前記第2固定孔の孔径よりも大きな外径を有する頭部と、を備えることが好ましい。
【0025】
このような構成によると、リベットにより回路基板をバスバーに固定することができる。
【0026】
(9)上記の配線モジュールは、車両に搭載される前記複数の蓄電素子に電気的に取り付けられる車両用の配線モジュールである。
【0027】
[本開示の実施形態の詳細]
以下に、本開示の実施形態について説明する。本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0028】
<実施形態1>
本開示の実施形態1について、図1から図11を参照しつつ説明する。本実施形態の配線モジュール20を備えた蓄電モジュール10は、例えば、図1に示すように、車両1に搭載される蓄電パック2に適用される。蓄電パック2は、電気自動車やハイブリッド自動車等の車両1に搭載されて、車両1の駆動源として用いられる。以下の説明においては、複数の部材については一部の部材にのみ符号を付し、他の部材の符号を省略する場合がある。
【0029】
図1に示すように、車両1の中央付近には蓄電パック2が配設されている。車両1の前部にはPCU3(Power Control Unit)が配設されている。蓄電パック2とPCU3とは、ワイヤーハーネス4によって接続されている。蓄電パック2とワイヤーハーネス4とは図示しないコネクタによって接続されている。蓄電パック2は複数の蓄電素子11を備えた蓄電モジュール10を有する。蓄電モジュール10(及び配線モジュール20)は、任意の向きで搭載可能であるが、以下では、図1を除き、矢線Zの示す方向を上方、矢線Xの示す方向を前方、矢線Yの示す方向を左方として説明する。
【0030】
[蓄電素子、電極端子]
蓄電モジュール10は、図2に示すように、左右方向に一列に並べられた複数の蓄電素子11と、複数の蓄電素子11の上面に装着される配線モジュール20とを備える。蓄電素子11は、扁平な直方体状をなす。蓄電素子11の内部には、図示しない蓄電要素が収容されている。蓄電素子11は、上面に正極及び負極の電極端子12A,12Bを有する。蓄電素子11は特に限定されず、二次電池でもよく、またキャパシタでもよい。本実施形態にかかる蓄電素子11は二次電池とされる。
【0031】
[配線モジュール]
図2に示すように、配線モジュール20は、複数のバスバーユニット22と、バスバーユニット22に接続される電線21と、バスバーユニット22及び電線21を保持するプロテクタ70と、を備える。配線モジュール20は、複数の蓄電素子11の前側及び後側に取り付けられるようになっている。以下では、前側に配される配線モジュール20の構成について詳細に説明する。なお、後側に配される配線モジュール20では、前後方向、左右方向の双方が反転するが、その他の点においては、後側に配される配線モジュール20の構成と前側に配される配線モジュール20の構成に差異はない。
【0032】
[バスバーユニット]
図3に示すように、バスバーユニット22は、電極端子12A,12Bに接続されるバスバー30と、バスバー30と電線21とを接続する回路基板40と、回路基板40をバスバー30に固定する固定手段53と、を備える。バスバーユニット22の回路基板40は、電線21と接続されている。
【0033】
[電線]
図4から図6に示すように、電線21は、芯線21Aと、芯線21Aを覆う絶縁被覆21Bと、を有している。図4及び図5に示すように、電線21の一端に露出された芯線21Aは、回路基板40の電線ランド46と半田Sにより接続されている。図6に示すように、電線21の一端の絶縁被覆21Bは、かしめ部37と回路基板40の固定部48とにより略上下方向に挟持され、バスバー30及び回路基板40に対して固定されている。図示しないが、電線21の他端は、コネクタを介して外部のECU(Electronic Control Unit)等に接続されている。ECUは、マイクロコンピュータ、素子等が搭載されたものであって、各蓄電素子11の電圧、電流、温度等の検知や、各蓄電素子11の充放電制御コントロール等を行うための機能を備えた周知の構成のものである。
【0034】
[バスバー]
バスバー30は、導電性を有する金属板材からなる。バスバー30を構成する金属としては、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼(SUS)等が挙げられる。図3に示すように、バスバー30は電極端子12A,12Bの上に載置され、バスバー30と電極端子12A,12Bとは溶接により電気的に接続される。バスバー30には、隣り合う蓄電素子11の電極端子12A,12Bを接続するものと、複数の蓄電素子11の総正極または総負極に接続されるものと、があるが、以下、特に区別しない。
【0035】
図3に示すように、複数の蓄電素子11の前側に配されるバスバー30において、平面視長方形状のバスバー30の四角のうち右後方の角には、回路基板40が配設されるようになっている。回路基板40が配設されるバスバー30の右後方の角の部分は、回路基板配設部33とされている(図9参照)。
【0036】
[第1固定孔、かしめ部]
図9に示すように、バスバー30の回路基板配設部33は、上下方向に貫通する第1固定孔34と、バスバー30の外縁部から内方に凹状をなす凹部35と、回路基板配設部33の上面から上方に突出する位置決め凸部36と、かしめ部37と、を有する。第1固定孔34は回路基板配設部33の略中央部に位置する。凹部35は、回路基板配設部33の左側に配されている。位置決め凸部36は、回路基板配設部33の右端部に配されている。かしめ部37は、凹部35の後方に設けられている。
【0037】
図7に示すように、第1固定孔34には固定手段53(リベット54)が挿通されるようになっている。図5に示すように、位置決め凸部36は、回路基板40の位置決め凹部61に受け入れられることで、バスバー30と回路基板40との位置決めを行う。凹部35は、導電路43の電線ランド46の周囲に配されるようになっている。よって、バスバー30と電線ランド46との空間距離が確保され、バスバー30と導電路43との短絡が抑制されるようになっている。
【0038】
図9に示すように、かしめ部37は、回路基板配設部33の上面より上方に立ち上がる立ち上がり部37Aと、立ち上がり部37Aより先端部側に設けられる曲げ部37Bと、を備える。曲げ部37Bは、緩やかに左方に曲がっている。図10に示すように、かしめ部37全体としては、前後方向から見てクランク状をなしている。図11に示すように、曲げ部37Bは、回路基板40上に載置された電線21を上方から覆うように曲げられ、かしめ部37の先端部が電線21の左方に配されるようになっている。このように曲げ部37Bを曲げることにより、電線21がかしめ部37と回路基板40の固定部48との間で略上下方向に挟まれて、バスバー30及び回路基板40に対して固定されるようになっている。
【0039】
図6に示すように、かしめ部37により電線21が固定された状態では、かしめ部37は、電線21を押さえる押さえ部38と、電線21が押さえ部38と固定部48との間から外れることを規制する位置規制部39と、を有する。押さえ部38と固定部48との間の間隔は、電線21の直径よりも小さくなっており、押さえ部38と固定部48とは、電線21を圧縮状態で略上下方向に挟持している。図6では、押さえ部38は回路基板40と平行に配されているが、押さえ部38は必ずしも回路基板40と平行である必要はない。押さえ部38は、上下方向において押さえ部38と固定部48とが対向するように配されていればよい。位置規制部39は、かしめ部37の基端部側の第1位置規制部39Aと、かしめ部37の先端部側の第2位置規制部39Bと、から構成されている。位置規制部39は、押さえ部38よりも下側にのびて配されている。
【0040】
図11では、曲げ部37Bが全体的に曲げられるように図示しているが、曲げ部37Bは局所的に曲げられるような構成としてもよい。例えば、かしめ部37の先端部側の第2位置規制部39Bは予め形成されており、電線21をかしめ部37で固定する際には曲げ部37Bの基端部側のみを曲げるような構成としてもよい。
【0041】
[回路基板、導電路]
図8に示すように、回路基板40は、硬質基板であり、絶縁性を有する絶縁板42と、絶縁板42に配索された導電路43と、を備える。導電路43は、回路基板40の上面40A(第1面の一例)に形成されている。図6に示すように、回路基板40の上面40Aとは反対側の面は下面40Bとされる。絶縁板42は、例えばガラス繊維布にエポキシ樹脂を含浸させて硬化させることにより形成される。導電路43は、例えば銅または銅合金等の金属からなり、導電性を有している。なお、図示しないものの、電線21等と半田付けされる部分を除いて導電路43は絶縁層で被覆されている。絶縁層は、ポリイミド等の合成樹脂から構成されている。図8に示すように、導電路43は、導電路43の一端に配される接続ランド45と、導電路43の他端に配される電線ランド46と、接続ランド45と電線ランド46の間に設けられるチップヒューズ47と、を備える。
【0042】
[接続ランド、電線ランド]
図4及び図5に示すように、接続ランド45は、回路基板40の右側に形成されている。接続ランド45には、銅等からなる金属小片45Aを介してバスバー30に電気的に接続されるようになっている。接続ランド45と金属小片45Aとは半田付けにより接続され、バスバー30と金属小片45Aとは溶接により接続されるようになっている。電線ランド46は、回路基板40の左側に形成されている。電線ランド46は、電線21の芯線21Aと半田付けにより接続されるようになっている。
【0043】
[チップヒューズ]
図4及び図5に示すように、導電路43において、接続ランド45から電線ランド46に至る途中の部分には、チップヒューズ47が設けられている。チップヒューズ47と導電路43とは半田付けにより接続されている。詳細には図示しないが、チップヒューズ47の一対の電極のうち一方が接続ランド45側の導電路43に接続され、他方が電線ランド46側の導電路43に接続されている。
【0044】
チップヒューズ47が設けられることにより、蓄電モジュール10が接続される外部回路に不具合が生じて、導電路43同士が短絡し過電流が発生した場合であっても、蓄電素子11から導電路43に過電流が流れることを制限することができる。
【0045】
[第2固定孔]
図8に示すように、回路基板40の中央部には、上下方向に貫通する第2固定孔50が設けられている。第2固定孔50の後方には、上下方向に貫通し、左右方向にのびる長孔状とされる第1貫通孔51が設けられている。第1貫通孔51は、第2固定孔50とチップヒューズ47との間に配されている。第2固定孔50の左方には、上下方向に貫通し、前後方向にのびる長孔状とされる第2貫通孔52が設けられている。第2貫通孔52は、第2固定孔50と電線ランド46との間に配されている。
【0046】
[固定手段、リベット、軸部、頭部]
図7に示すように、第1固定孔34及び第2固定孔50には本実施形態の固定手段53であるリベット54が挿通されており、リベット54によってバスバー30と回路基板40とが固定されるようになっている。リベット54は、第1固定孔34及び第2固定孔50に挿入される軸部55と、軸部55の端部に形成され、第1固定孔34及び第2固定孔50の孔径よりも大きな外径を有する頭部56と、を備える。軸部55の上端部に形成される頭部56は上側頭部56Aとされ、軸部55の下端部に形成される頭部56は下側頭部56Bとされている。本実施形態のリベット54は、強度の観点から金属製とされているが、合成樹脂製としてもよい。
【0047】
図示しないが、バスバー30及び回路基板40に固着される前のリベット54は、軸部55と上側頭部56Aとを有し、下側頭部56Bは形成されていない。下側頭部56Bが形成されていない軸部55が第1固定孔34及び第2固定孔50に挿通されてかしめられることによって下側頭部56Bが形成されている。
【0048】
リベット54は金属製であるため、バスバー30と同電位となり、高電圧を有する場合がある。本実施形態では、図4及び図5に示すように、第1貫通孔51及び第2貫通孔52は、リベット54を取り囲むように配されている。したがって、第1貫通孔51及び第2貫通孔52は、リベット54と導電路43との間の沿面距離を大きくして、バスバー30と導電路43との短絡を抑制しており、絶縁孔57とされている。また、第1貫通孔51及び第2貫通孔52は、結露により回路基板40上に付着した水分を排水する水抜き孔58としても機能する。
【0049】
[固定部]
図8に示すように、回路基板40は、電線ランド46の後方に固定部48を有する。図6に示すように、固定部48は、かしめ部37の押さえ部38とともに電線21の絶縁被覆21Bを略上下方向に挟んで固定するようになっている。固定部48は、回路基板40の上面40Aにおいて絶縁被覆21Bと接触している。すなわち、図5に示すように、固定部48が絶縁被覆21Bに接触する部分と、芯線21Aが半田付けされる電線ランド46とは、ともに回路基板40の上面40Aとされている。よって、絶縁被覆21Bは、固定部48から電線ランド46の後端部まで回路基板40の上面40Aに沿うようにして回路基板40上に配されるようになっている。すなわち、左右方向から見ると、図7に示すように、絶縁被覆21Bは、かしめ部37と回路基板40とにより挟持される部分から芯線21Aが露出される部分に至るまで、略水平な姿勢となっている。
【0050】
電線21は電線ランド46から固定部48に至るまで、回路基板40の上面40Aに沿うように配されているから、絶縁被覆21Bをかしめ部37と固定部48との間で略上下方向に挟み付けても、電線21の芯線21A側が動きにくくなっている。よって、芯線21Aを電線ランド46と半田付けした後で、絶縁被覆21Bをかしめ部37と固定部48との間で挟持する場合、半田Sに応力が加わりにくく、半田割れしにくい。また、絶縁被覆21Bをかしめ部37と固定部48との間で挟持した後で、芯線21Aを電線ランド46と半田付けする場合、芯線21Aが浮きづらいため、半田付けしやすい。
【0051】
[切り欠き部]
図4及び図5に示すように、回路基板40の外縁部には、外縁部から内方に凹状をなす位置決め凹部61及び切り欠き部60が設けられている。位置決め凹部61は、接続ランド45の右方に設けられている。位置決め凹部61は、バスバー30の位置決め凸部36を受け入れ、バスバー30と回路基板40とを位置決めする。切り欠き部60は、かしめ部37の近傍に設けられている。
【0052】
図8に示すように、本実施形態の切り欠き部60は、固定部48の右側に位置する第1切り欠き部60Aと、固定部48の左側に位置する第2切り欠き部60Bと、から構成されている。図6に示すように、第1切り欠き部60Aの内部には、かしめ部37の立ち上がり部37Aが配されている。第2切り欠き部60Bは、内部にかしめ部37の先端部を収容可能に配置されている。すなわち、図6では、かしめ部37の先端部が第2切り欠き部60Bの内部に進入しているが、電線21の径の違いやかしめ部37の押し込み量によっては、かしめ部37の先端部は第2切り欠き部60Bの内部に配されない場合もありうる。
【0053】
回路基板40に切り欠き部60が設けられることで、回路基板40に対してかしめ部37を位置決めすることができる。また、回路基板40やかしめ部37に付着した水分を切り欠き部60から排水することで、水分を介してバスバー30と導電路43とが短絡することを抑制できる。
【0054】
[プロテクタ]
プロテクタ70は、絶縁性の合成樹脂から構成されている。図2に示すように、プロテクタ70は、左右方向にのびており、バスバーユニット22及び電線21を保持している。なお、配線モジュール20におけるプロテクタ70は、図2及び図3にのみ図示している。図3に示すように、プロテクタ70は、バスバー30を内部に収容するバスバー収容凹部71を有する。バスバー収容凹部71は、枠状をなしており、バスバー収容凹部71の底には開口(図示せず)が設けられている。バスバー30は、この開口を通して電極端子12A,12Bと接続されるようになっている。詳細には図示しないものの、バスバー収容凹部71は、係止部等を有し、バスバー30を位置決め状態で保持している。
【0055】
図3に示すように、プロテクタ70は、電線21が内部に配索される電線配索凹部72を有する。電線配索凹部72は、左右方向にのびる溝状とされている。電線配索凹部72の底壁には、電線係止片72Aが設けられている。電線係止片72Aは、一本または複数本の電線21を電線配索凹部72内に係止している。バスバー収容凹部71と電線配索凹部72とは、溝状をなす連結部73により前後方向に連結されている。
【0056】
図3に示すように、バスバーユニット22の回路基板40は、プロテクタ70、具体的にはバスバー収容凹部71や連結部73を構成する壁部と隙間を空けて配されている。すなわち、回路基板40は、プロテクタ70との間にクリアランスを有している。これにより、回路基板40に対してプロテクタ70から応力が加えられにくくなっている。
【0057】
[本実施形態の配線モジュールの製造方法]
続いて、本実施形態にかかる配線モジュール20の製造方法の一例を説明する。
まず、回路基板40をプリント配線技術により製造する。回路基板40にチップヒューズ47及び金属小片45Aをリフローで半田付けする。
【0058】
チップヒューズ47等が実装された回路基板40(図8参照)をリベット54によりバスバー30に固定する。バスバー30の第1固定孔34、及び回路基板40の第2固定孔50に軸部55を挿通し、軸部55をかしめることで下側頭部56Bが形成される。下側頭部56B形成後のリベット54において軸部55の上下方向の寸法は、バスバー30及び回路基板40の上下方向の寸法の和と同一となるように設定されている(図7参照)。回路基板40をバスバー30に固定する際、位置決め凹部61内にバスバー30の位置決め凸部36を配するとともに、第1切り欠き部60A内に立ち上がり部37Aを配する(図10参照)。これにより、回路基板40とバスバー30との位置決めがなされる。次いで、金属小片45Aとバスバー30とを溶接により接続する。以上により、バスバーユニット22の製造が完了する。
【0059】
次に、バスバーユニット22に電線21を接続する。電線21の芯線21Aを電線ランド46に半田付けする。電線21を半田付けした後、電線21をかしめ部37と固定部48とにより挟み付ける(図11参照)。かしめ部37の曲げ部37Bを曲げて、押さえ部38と、位置規制部39と、を形成する。図6に示すように、電線21は押さえ部38と固定部48の上面40Aとに挟持され、バスバー30及び回路基板40に対して固定される。電線21の左右両側には位置規制部39が設けられているため、電線21は押さえ部38と固定部48との間から外れにくくなっている。本実施形態では、図5に示すように、電線21は電線ランド46から固定部48に至るまで、回路基板40の上面40Aに沿うように配されているから、電線21をかしめ部37により固定する際に、半田割れしにくくなっている。
【0060】
最後に、電線21が接続されたバスバーユニット22をプロテクタ70に配置する(図2及び図3参照)。バスバー30はバスバー収容凹部71内に収容される。回路基板40は、プロテクタ70と直接接触しないように、バスバー収容凹部71及び連結部73の内部に配される。電線21は、連結部73及び電線配索凹部72の内部に配される。電線21は電線配索凹部72内において電線係止片72Aによって固定される。以上により、配線モジュール20の製造が完了する。
【0061】
上記の配線モジュール20の製造方法においては、電線ランド46に電線21を半田付けした後で、かしめ部37により電線21を固定しているが、かしめ部37により電線21を固定した後で、電線ランド46と電線21との半田付けを行ってもよい。この場合、電線21は電線ランド46から固定部48まで回路基板40の上面40Aに沿うように配されているから、電線21をかしめ部37により固定しても、電線ランド46上の電線21の芯線21Aが浮きにくく、半田付けが行いやすい(図5参照)。
【0062】
なお、上記の配線モジュール20の製造方法において、回路基板40にチップヒューズ47等を半田付けする工程において電線21も半田付けし、その後、電線21が接続された回路基板40をバスバー30に固定してもよい。
【0063】
[実施形態1の作用効果]
実施形態1によれば、以下の作用、効果を奏する。
実施形態1にかかる配線モジュール20は、電極端子12A,12Bを有する複数の蓄電素子11に取り付けられる配線モジュール20であって、複数のバスバーユニット22と、バスバーユニット22に接続される電線21と、を備え、バスバーユニット22は、電極端子12A,12Bに接続されるバスバー30と、回路基板40と、回路基板40をバスバー30に固定する固定手段53と、を備え、回路基板40には、導電路43が配索され、導電路43は、バスバー30に電気的に接続される接続ランド45と、電線21に半田付けにより接続される電線ランド46と、を備え、バスバー30は、電線21を固定するかしめ部37を有し、電線21は、かしめ部37と回路基板40とによって挟まれている、配線モジュール20である。
【0064】
このような構成によると、かしめ部37と回路基板40とによって電線21が固定されるから電線21に外力が加わっても電線21と回路基板40との電気的接続が損なわれにくい。
【0065】
実施形態1では、回路基板40は、かしめ部37とともに電線21を挟んで固定する固定部48を備え、電線ランド46が形成されている回路基板40の面は、第1面(上面40A)とされており、固定部48は、第1面において電線21と接触している。
【0066】
このような構成によると、電線ランド46が回路基板40の第1面に形成され、かしめ部37とともに電線21を挟んで固定する固定部48は第1面において電線21と接触しているから、電線ランド46と固定部48との間で、電線21を屈曲させなくてよい。よって、電線21の半田付けを行った後で、かしめ部37と固定部48とにより電線21を固定する場合には、半田割れが抑制される。また、かしめ部37と固定部48とにより電線21を固定した後で、電線21の半田付けを行う場合、半田付けが容易になる。
【0067】
実施形態1では、回路基板40は、かしめ部37の近傍に配される切り欠き部60を有する。
【0068】
このような構成によると、切り欠き部60から回路基板40に付着する水分を排水することができる。よって、回路基板40上の水分を介して導電路43が短絡することが抑制される。
【0069】
実施形態1では、切り欠き部60の内部にはかしめ部37が配されている。
【0070】
このような構成によると、切り欠き部60によりバスバー30と回路基板40との位置決めが可能となる。
【0071】
実施形態1にかかる配線モジュール20は、さらにバスバー30を保持するプロテクタ70を備え、回路基板40は、プロテクタ70との間にクリアランスを有する。
【0072】
このような構成によると、プロテクタ70により複数のバスバーユニット22を統合して取り扱うことができる。また、回路基板40とプロテクタ70との間にクリアランスを設けることで、回路基板40がプロテクタ70から応力を受けにくいため、半田割れを抑制することができる。
【0073】
実施形態1では、導電路43は、接続ランド45と電線ランド46の間に設けられるチップヒューズ47を備える。
【0074】
このような構成によると、導電路43同士が短絡し過電流が発生した場合であっても、蓄電素子11から導電路43に過電流が流れることを制限することができる。
【0075】
実施形態1では、バスバー30は、第1固定孔34を有し、回路基板40は、第2固定孔50を有し、固定手段53は、リベット54とされ、リベット54は、第1固定孔34及び第2固定孔50に挿入される軸部55と、軸部55の端部に形成され、第1固定孔34及び第2固定孔50の孔径よりも大きな外径を有する頭部56と、を備える。
【0076】
このような構成によると、リベット54により回路基板40をバスバー30に固定することができる。
【0077】
実施形態1にかかる配線モジュール20は、車両1に搭載される複数の蓄電素子11に電気的に取り付けられる車両用の配線モジュール20である。
【0078】
<実施形態2>
本開示の実施形態2について、図12から図16を参照しつつ説明する。実施形態2の配線モジュール120においては、バスバー130のかしめ部137、及び回路基板140の固定部148にかかる構成が、実施形態1の構成と異なっている。以下、実施形態1と同様な構成、作用効果については、説明を省略する。実施形態1と同等の部材には、実施形態1と同一の符号が付されている。
【0079】
図15及び図16に示すように、バスバー130のかしめ部137は、基端部側において回路基板配設部33から左方にのびる支持部137Cと、支持部137Cから上方に立ち上がる立ち上がり部137Aと、緩やかに右方に曲がった曲げ部137Bと、を有する。かしめ部137は、前後方向から見て、略C字状をなしている。
【0080】
図16に示すように、曲げ部137Bは、電線21を固定する際、電線21の右方にかしめ部137の先端部が配されるように曲げられる。図13に示すように、電線21が固定された状態では、かしめ部137は、電線21を押さえる押さえ部138と、電線21が押さえ部138と回路基板140との間から外れることを規制する位置規制部139と、を有する。位置規制部139は、かしめ部137の基端部側の第1位置規制部139Aと、かしめ部137の先端部側の第2位置規制部139Bと、から構成されている。
【0081】
図13に示すように、回路基板140は、かしめ部137とともに電線21を挟んで固定する固定部148を備える。固定部148は、回路基板140の上面40A(第1面の一例)において電線21と接触している。すなわち、図12に示すように、固定部148から電線ランド46まで電線21は回路基板140の上面40Aに沿うように配されている。
【0082】
図13に示すように、固定部148は、回路基板140の下面40B(第2面の一例)においてかしめ部137の支持部137Cに接触している。よって、固定部148はバスバー30により下方から支持されている。また、固定部148は、かしめ部137の内側に電線21とともに巻き込まれるように配されている。すなわち、電線21が固定部148と押さえ部138とにより挟持されるだけでなく、固定部148が支持部137Cと電線21とによって挟持されている。したがって、かしめ部137と固定部148によって電線21が固定された状態を保持しやすくなっている。
【0083】
[切り欠き部]
図14に示すように、回路基板140の左後方の外縁部には、切り欠き部160が設けられている。切り欠き部160は、実施形態1における第2切り欠き部60Bと同一とされる(図8参照)。なお、回路基板140には、実施形態1における第1切り欠き部60A(固定部48の右側に位置するもの)は設けられていない。図13に示すように、切り欠き部160の内部には、かしめ部137の立ち上がり部137Aが収容されるようになっている。
【0084】
[実施形態2の作用効果]
実施形態2によれば、以下の作用、効果を奏する。
実施形態2では、回路基板140は、第1面(上面40A)の反対側に配される第2面(下面40B)を有し、固定部148は、第2面においてバスバー130(支持部137C)と接触している。
【0085】
このような構成によると、固定部148は第2面においてバスバー130と接触しているから、固定部148をバスバー130により支持することができる。また、かしめ部137と固定部148によって電線21が固定された状態をさらに安定させることができる。
【0086】
<実施形態3>
本開示の実施形態3について、図17及び図18を参照しつつ説明する。以下、実施形態1,2と同様な構成、作用効果については、説明を省略する。実施形態1,2と同等の部材には、実施形態1,2と同一の符号が付されている。
【0087】
図17に示すように、実施形態3の配線モジュール220は、実施形態1の回路基板40と、実施形態2のバスバー130と、を備える。厳密には、実施形態3と実施形態2とを比較すると、バスバー130のかしめ部137の長さや曲がり方に軽微な差異があるものの、部材としては実質的に同一であるため、区別しない。
【0088】
図18に示すように、実施形態3では、第2切り欠き部60Bの内部には、立ち上がり部137Aが配されている。第1切り欠き部60Aの内部には、かしめ部137の先端部が収容可能とされている。
【0089】
図18に示すように、固定部48は、回路基板40の下面40B(第2面の一例)においてかしめ部137の支持部137Cに接触している。よって、固定部48は支持部137Cにより下方から支持されている。また、かしめ部137と固定部48によって電線21が固定された状態を保持しやすくなっている。
【0090】
<他の実施形態>
(1)上記実施形態では、回路基板40,140をバスバー30,130に固定する固定手段53はリベット54であったが、これに限られることはない。例えば、固定手段として、ねじ止めや、接着剤等を採用してもよい。
(2)上記実施形態では、回路基板40,140はチップヒューズ47を有する構成としたが、これに限られることはなく、回路基板はチップヒューズを備えない構成としてもよい。
(3)上記実施形態では、配線モジュール20,120,220はプロテクタ70を備える構成としたが、これに限られることはなく、配線モジュールはプロテクタを備えない構成としてもよい。
【符号の説明】
【0091】
1: 車両
2: 蓄電パック
3: PCU
4: ワイヤーハーネス
10: 蓄電モジュール
11: 蓄電素子
12A,12B: 電極端子
20,120,220: 配線モジュール
21: 電線
21A: 芯線
21B: 絶縁被覆
22: バスバーユニット
30,130: バスバー
33: 回路基板配設部
34: 第1固定孔
35: 凹部
36: 位置決め凸部
37,137: かしめ部
37A,137A: 立ち上がり部
37B,137B: 曲げ部
137C: 支持部
38,138: 押さえ部
39,139: 位置規制部
39A,139A: 第1位置規制部
39B,139B: 第2位置規制部
40,140: 回路基板
40A: 上面
40B: 下面
42: 絶縁板
43: 導電路
45: 接続ランド
45A: 金属小片
46: 電線ランド
47: チップヒューズ
48: 固定部
50: 第2固定孔
51: 第1貫通孔
52: 第2貫通孔
53: 固定手段
54: リベット
55: 軸部
56: 頭部
56A: 上側頭部
56B: 下側頭部
57: 絶縁孔
58: 水抜き孔
60: 切り欠き部
60A: 第1切り欠き部
60B: 第2切り欠き部
61: 位置決め凹部
70: プロテクタ
71: バスバー収容凹部
72: 電線配索凹部
72A: 電線係止片
73: 連結部
S: 半田
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18