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  • 特開-画像形成装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023031460
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/46 20060101AFI20230302BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
H04N1/46
G06T1/00 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021136956
(22)【出願日】2021-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(72)【発明者】
【氏名】藤原 大輔
【テーマコード(参考)】
5B057
5C079
【Fターム(参考)】
5B057AA11
5B057BA25
5B057CA01
5B057CA08
5B057CA12
5B057CA16
5B057CB01
5B057CB08
5B057CB12
5B057CB16
5B057CE17
5B057CE18
5B057CH18
5B057DA08
5B057DA17
5B057DB02
5B057DB06
5B057DB09
5B057DC25
5C079HA12
5C079HB01
5C079HB03
5C079HB06
5C079HB11
5C079KA16
5C079LA02
5C079LA10
5C079LB12
5C079MA19
5C079NA03
5C079NA29
5C079PA07
(57)【要約】
【課題】原稿画像が2色画像であるかフルカラー画像であるかに関わらず、有彩色部分と無彩色部分を忠実に再現することが可能な画像形成装置を提供することにある。
【解決手段】原稿の画像を読み取る画像読取部2と、画像読取部2で読み取った画像が、黒色と青色の2色画像であるか、或いは青色以外の有彩色を含むカラー画像であるか、を判定する色相判定部31を備える。画像がカラー画像であると判定された場合には、画像から青色を第1の色相範囲で抽出し、画像が2色画像であると判定された場合には、画像から青色を、第1の色相範囲よりも広い第2の色相範囲で抽出する分版処理部33を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の画像を読み取る画像読取部と、
前記画像読取部で読み取った画像が、所定の無彩色と所定の有彩色の2色画像であるか、或いは前記所定の無彩色と前記所定の有彩色以外の色を含むカラー画像であるか、を判定する色相判定部と、
前記画像がカラー画像であると判定された場合には、前記画像から前記所定の有彩色を第1の色相範囲で抽出し、前記画像が2色画像であると判定された場合には、前記画像から前記所定の有彩色を、前記第1の色相範囲よりも広い第2の色相範囲で抽出する分版処理部と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
2色分版機能を備えた孔版印刷機では、原稿読取部で読み取った原稿画像を、青色などの有彩色と黒色などの無彩色の2色に分版して印刷を行う。以下、有彩色として青色、無彩色として黒色を例に挙げて説明する。
【0003】
2色分版では、原稿画像に含まれる青色の画素を抽出し、青色の画素と青色以外の画素に区分する。そして、青色以外の画像の画素を黒色とすることにより、原稿画像を青色と黒色の2色に分版する。
【0004】
このような2色分版では、原稿画像から青色の画素を抽出する際に、青色の色相の境界付近において、青色として抽出できる画素と青色として抽出できない画素が混在し、画素の境界が不鮮明になることがある。この問題を解消するため、例えば特許文献1には、画像データの特定色(例えば、青色)の色相範囲を調整することにより画素の境界を鮮明に表示することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004-201106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1では、青色であると認識する色相範囲を広げて青色の境界部分での色混ざりを低減できるものの、フルカラーの原稿を2色分版する場合には、青色であると認識する色相範囲を広げてしまうと本来抽出対象とする青色以外の色を抽出することがある。このため、青色部分と黒色部分を忠実に分版することができないという問題がある。
【0007】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、原稿画像が2色画像であるかフルカラー画像であるかに関わらず、有彩色部分と無彩色部分を忠実に分版することが可能な画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本願発明に係る画像形成装置は、原稿の画像を読み取る画像読取部と、前記画像読取部で読み取った画像が、所定の無彩色と所定の有彩色の2色画像であるか、或いは前記所定の無彩色と前記所定の有彩色以外の色を含むカラー画像であるか、を判定する色相判定部と、前記画像がカラー画像であると判定された場合には、前記画像から前記所定の有彩色を第1の色相範囲で抽出し、前記画像が2色画像であると判定された場合には、前記画像から前記所定の有彩色を、前記第1の色相範囲よりも広い第2の色相範囲で抽出する分版処理部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、原稿画像が2色画像であるかフルカラー画像であるかに関わらず、有彩色部分と無彩色部分を忠実に分版することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置を備える印刷装置の構成を示すブロック図である。
図2図2は、カラー画像の色相を示す説明図である。
図3図3は、本実施形態に係る画像形成装置の処理手順を示すフローチャートである。
図4図4は、原稿画像および印刷画像の例を示す説明図であり、(a)はフルカラーの原稿、(b)は2色の原稿、(c)はフルカラーの原稿画像を第1の色相範囲で青色を抽出したときの印刷画像、(d)はフルカラーの原稿画像を第2の色相範囲で青色を抽出したときの印刷画像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。
【0012】
[実施形態の構成]
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置を備える印刷装置1の構成を示すブロック図である。なお、本実施形態で示す「無彩色」とは、白色、灰色、黒色などのように、色相および彩度がなく明度のみの色を指す。本実施形態で示す「有彩色」とは、明度の他に、赤、青、緑などの色を特徴付ける色相、および色相の強さである彩度を有する色を指す。本実施形態では、印刷装置として、孔版印刷機を例に挙げて説明する。本発明は孔版印刷機に限定されるものではなく、その他の印刷装置についても採用することが可能である。
【0013】
図1に示すように、本実施形態に係る印刷装置1は、画像読取部2と、製版部3と、印刷部4と、制御部5を備える。印刷装置1は、孔版印刷方式の2色印刷可能な印刷装置である。
【0014】
画像読取部2は、原稿画像を光学的に読み取り、原稿画像を生成する。画像読取部2は、ラインセンサ、光源、原稿台等を備えるスキャナからなる。画像読取部2は、原稿台に載置された原稿に光源の光を照射し、原稿からの反射光をラインセンサで読み取ることで、原稿画像を生成する。画像読取部2が生成する原稿画像は、例えば、各色8ビット(256階調)のRGB形式の画像データである。
【0015】
製版部3は、サーマルヘッド(図示省略)で孔版原紙に穿孔を行うことにより製版する。
【0016】
印刷部4は、製版部3により製版された孔版原紙を用いて用紙に印刷を行う。印刷部4は、印刷ドラム11A,11Bを備える。印刷ドラム11A,11Bとしては、互いに異なる2つのインク色に対応する印刷ドラムが用いられる。これにより、印刷部4は、2色印刷可能になっている。
【0017】
印刷ドラム11A,11Bは、それぞれ着脱可能に構成されている。印刷ドラム11A,11Bとして使用する印刷ドラムを変更することで、印刷ドラム11A,11Bで印刷に使用するインク色を変更することができる。
【0018】
印刷ドラム11A,11Bには、それぞれのインク色に対応して製版部3で製版された孔版原紙が着版される。印刷ドラム11A,11Bは、内部からインクを供給し、孔版原紙の穿孔部分からインクを用紙に転写することで画像を印刷する。印刷部4は、印刷ドラム11Aにより2色印刷における第1色の画像を用紙に印刷した後、印刷ドラム11Bに用紙を搬送し、印刷ドラム11Bにより2色印刷における第2色の画像を印刷する。第1色および第2色のうちの一方は無彩色、他方は有彩色である。本実施形態では、第1色を黒色(所定の無彩色)とし、第2色を青色(所定の有彩色)として説明する。
【0019】
制御部5は、印刷装置1全体の動作を制御する。制御部5は、CPU、RAM、ROM、ハードディスク等を備えて構成される。制御部5は、読取制御部21と、画像処理部22と、製版制御部23と、印刷制御部24とを備える。制御部5の各部は、CPUがハードディスク等に格納されたプログラムにしたがって動作すること等により構成される。
【0020】
読取制御部21は、画像読取部2の動作を制御する。
【0021】
画像処理部22は、画像読取部2が原稿画像を読み取って得られた原稿画像に基づき、2色印刷における黒色および青色の印刷データを生成する。画像処理部22は、色相判定部31と、色相範囲設定部32と、分版処理部33と、2値化処理部34を備える。
【0022】
色相判定部31は、画像読取部2で生成された原稿画像が、黒色と青色からなる2色画像であるか、或いは、青色以外の有彩色を含むカラー画像であるかを判定する。
【0023】
色相範囲設定部32は、原稿画像に含まれる各画素の色相を、所定の有彩色として設定した「青色」と判定する範囲を設定する。本実施形態では以下に示すように、原稿の画像を読み取った原稿画像が2色画像である場合とカラー画像である場合で、青色(所定の有彩色)と判定する色相の範囲を変更する処理を行う。
【0024】
図2は、カラー画像の色相を24色で示した色相環カラーチャート示す説明図であり、符号C01から符号C24までの24種類の色相を示している。図2において符号C01は赤色を示し、符号C05は黄色を示し、符号C11は緑色を示し、符号C15は青色を示し、符号C21は紫色を示している。
【0025】
色相範囲設定部32は、色相判定部31の判定結果に基づき、原稿画像がカラー画像であると判定された場合には、青色(C15)と判定する色相を「C12~C18」の範囲とする。即ち、原稿画像に含まれる「C12~C18」の色相の画素を「青色」と判定する。
【0026】
一方、色相範囲設定部32は、原稿画像が黒色と青色の2色画像であると判定された場合には、青色と判定する色相を「C11~C20」の範囲とする。即ち、画像に含まれる「C11~C20」の色相の画素を「青色」と判定する。
【0027】
即ち、色相範囲設定部32は、原稿画像が黒色と青色の2色画像である場合には、第1の色相範囲「C12~C18」に設定し、原稿画像がカラー画像である場合には、第1の色相範囲よりも広い第2の色相範囲「C11~C20」に設定する。なお、第1の色相範囲、および第2の色相範囲は上記したC12~C18、およびC11~C20に限定されるものではなく、第2の色相範囲が第1の色相範囲よりも広ければ上記以外の範囲としてもよい。
【0028】
図1に戻って、分版処理部33は、原稿画像に対する分版処理を行う。具体的には、分版処理部33は、原稿画像から青色成分、および青色以外の成分の画素を抽出する色抽出を行う。
【0029】
分版処理部33は、色相範囲設定部32で設定された色相範囲に基づいて、原稿画像に含まれる各画素が青色成分であるか、青色以外の成分であるかを分類する。具体的に、分版処理部33は、原稿画像が黒色と青色の2色画像である場合には、図3のC11~C20に示した色相を青色とし、それ以外の色相を黒色とする。
【0030】
即ち、分版処理部33は、原稿画像がカラー画像であると判定された場合には、この原稿画像から青色(所定の有彩色)を第1の色相範囲で抽出し、原稿画像が黒色と青色の2色画像であると判定された場合には、この原稿画像から青色を、第1の色相範囲よりも広い第2の色相範囲で抽出する処理を行う。
【0031】
2値化処理部34は、青色成分の画像および青色以外の成分の画像にそれぞれ2値化処理を施し、青色印刷用の印刷データおよび黒色印刷用の印刷データを生成する。印刷データは、画素ごとの穿孔の有無を示す2値データであり、色ありが「1」、色なしが「0」で表される各画素1ビットのデータである。
【0032】
製版制御部23は、青色印刷用の印刷データおよび黒色印刷用の印刷データに基づき、製版部3を制御して孔版原紙を製版させる。
【0033】
印刷制御部24は、印刷ドラム11A,11Bにより用紙に印刷するよう印刷部4を制御する。
【0034】
[実施形態の動作]
図3は、本実施形態に係る印刷装置1の処理手順を示すフローチャートである。以下、図3に示すフローチャートを参照して本実施形態に係る画像形成装置が搭載された印刷装置1の処理手順について説明する。
【0035】
図3のフローチャートに示す処理は、画像読取部2に原稿がセットされ、操作パネル(図示せず)に対するユーザ操作により、原稿画像を読み取って2色印刷する指示が入力されたことにより開始となる。
【0036】
図3のステップS11において、読取制御部21は、原稿画像を読み取るように画像読取部2を制御する。画像読取部2は原稿画像を読み取り、原稿画像を生成する。
【0037】
ステップS12において、色相判定部31は、原稿画像が2色画像であるか、或いは、複数の青色以外の有彩色を含むカラー画像であるかを判定する。2色画像であると判定された場合には(S12;「2色」)、ステップS13に処理を進め、カラー画像であると判定された場合には(S12;「カラー」)、ステップS15に処理を進める。
【0038】
ステップS13において、色相判定部31は、原稿画像の2色が、印刷部4の印刷ドラム11A,11Bで印刷する2色と同一であるか否かを判定する。例えば、原稿画像が黒色と青色の2色であり、印刷ドラム11A,11Bで印刷する2色も同様に黒色と青色の2色であるかを判定する。
【0039】
双方の2色が一致した場合には(S13;YES)、ステップS14に処理を進め、そうでなければ(S13;NO)、ステップS15に処理を進める。
【0040】
ステップS14において、色相範囲設定部32は、青色と判定する色相を第2の色相範囲に設定する。具体的に、図2に示したC11~C20の範囲の色相を青色と判定する第2の色相範囲に設定する。
【0041】
ステップS15において、色相範囲設定部32は、青色と判定する色相を、第1の色相範囲に設定する。具体的に、図2に示したC12~C18の範囲の色相を青色と判定する第1の色相範囲に設定する。
【0042】
ステップS16において、分版処理部33は、ステップS14またはステップS15の処理で設定された色相範囲に基づいて、原稿画像から色抽出を行う。例えば、原稿画像が2色画像である場合には、図2に示したC11の色相は、青色に分類される。一方、原稿画像がカラー画像である場合には、C11の色相は、黒色に分類される。
【0043】
即ち、原稿画像が黒色と青色の2色画像である場合には、カラー画像または黒色と青色以外の2色画像である場合よりも青色と判定する色相範囲を広く設定する。
【0044】
ステップS17において、2値化処理部34は、分版処理部33で抽出された青色成分の画像、および黒色成分の画像にそれぞれ2値化処理を施し、青色印刷用の印刷データおよび黒色印刷用の印刷データを生成する。
【0045】
ステップS18において、製版制御部23は、青色印刷用の印刷データおよび黒色印刷用の印刷データに基づき、製版部3を制御して孔版原紙を製版させる。
【0046】
ステップS19において、印刷制御部24は、2色印刷を実行する。具体的には、印刷制御部24は、青色印刷用の印刷データに基づき製版された孔版原紙を印刷ドラム11Aに着版させ、黒色印刷用の印刷データに基づき製版された孔版原紙を印刷ドラム11Bに着版させる。
【0047】
次いで、印刷制御部24は、印刷ドラム11A,11Bで用紙に順次印刷させる。これにより、印刷ドラム11Aにより青色の画像が用紙に印刷され、印刷ドラム11Bにより黒色の画像が用紙に印刷される。その結果、印刷用紙に黒色と青色の2色印刷が行われる。指定枚数分の印刷が終了すると、一連の動作が終了となる。
【0048】
次に、図4に示す説明図を参照して、2色画像について説明する。図4(a)はフルカラーの原稿d1を示し、図4(b)は黒色と青色の2色の原稿d2を示している。図4(a)に示すようにフルカラーの原稿d1は、「A」が赤色、「B」が青色、「C」が緑色、「D」が黒色とされている。図4(b)に示すように、2色の原稿d2は、「A」、「B」、「C」が青色、「D」が黒色とされている。
【0049】
図4(b)に示した2色の原稿d2は、青色以外の有彩色が存在しないため、図2に示した第2の色相範囲に設定することにより、青色と黒色を明確に識別して、2色の印刷データを生成することができる。
【0050】
また、図4(a)に示したフルカラーの原稿d1は、複数の有彩色を含んでいるため、図2に示した第2の色相範囲(C11~C20)に設定すると、図4(d)に示す画像d4のように、青色に色相が近い緑色の「C」を青色として分類してしまう。即ち、第2の色相範囲を採用してフルカラーの原稿d1から青色を抽出すると、青色以外の色相を青色として誤判定してしまう。
【0051】
一方、図2に示した第1の色相範囲(C12~C18)に設定すると、図4(c)に示す画像d3のように「B」のみが青色とされ、それ以外の色相、即ち、赤色の「A」、緑色の「C」、および黒色の「D」が黒色とされる。即ち、青色と黒色の色抽出が正確に行われていることが理解される。
【0052】
即ち、画像読取部2で読み取られる原稿画像が黒色と青色の2色からなる画像である場合には、青色と判定する色相範囲を広い範囲である第2の色相範囲に設定することにより、黒色と青色の境界を明確にして印刷することができる。
【0053】
また、画像読取部2で読み取られる原稿画像がフルカラーの画像である場合には、青色と判定する色相範囲が第2の色相範囲よりも狭い第1の色相範囲に設定することにより、青色以外の色相の画素が青色であると誤判定されることを防止できる。このため、画像読取部2で読み取られる原稿画像が2色であるか、或いは、フルカラーであるかに関わらず、無彩色と有彩色からなる2色画像を高精度に生成することが可能になる。
【0054】
[実施形態の効果]
このように、本実施形態に係る画像形成装置は、原稿画像を2色分版する場合に、原稿画像が所定の無彩色(例えば、黒色)と所定の有彩色(例えば、青色)の2色の画像である場合には、所定の有彩色の色相範囲を第2の色相範囲として所定の有彩色部分を抽出する。また、原稿画像がカラー画像、或いは、所定の無彩色(例えば、黒色)と所定の有彩色(例えば、青色)以外の2色の画像である場合には、所定の有彩色の色相範囲を第1の色相範囲として所定の有彩色部分を抽出する。
【0055】
従って、原稿画像が2色であるか、或いは、フルカラーであるかに関わらず、無彩色と有彩色からなる2色画像を高精度に生成することが可能になる。このため、2色分版して印刷する際の、各色の境界部分において色混ざりが生じることを防止できる。
【0056】
また、原稿画像が2色であるかフルカラーであるかを、自動で判別するので、原稿画像が2色であるか、或いはフルカラーを選択する操作をユーザが行う必要がない。
【0057】
なお、本実施形態では、印刷装置1として孔版印刷機を例に挙げて説明したが、本発明は孔版印刷機に限定されるものではなく、その他の印刷装置について採用することが可能である。
【0058】
また、本発明は、上述の実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階でその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上述の実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素を適宜組み合わせても良い。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることはもちろんである。以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0059】
[付記1]
原稿の画像を読み取る画像読取部と、前記画像読取部で読み取った画像が、所定の無彩色と所定の有彩色の2色画像であるか、或いは前記所定の無彩色と前記所定の有彩色以外の色を含むカラー画像であるか、を判定する色相判定部と、前記画像がカラー画像であると判定された場合には、前記画像から前記所定の有彩色を第1の色相範囲で抽出し、前記画像が2色画像であると判定された場合には、前記画像から前記所定の有彩色を、前記第1の色相範囲よりも広い第2の色相範囲で抽出する分版処理部と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【符号の説明】
【0060】
1 印刷装置
2 画像読取部
3 製版部
4 印刷部
5 制御部
11A,11B 印刷ドラム
21 読取制御部
22 画像処理部
23 製版制御部
24 印刷制御部
31 色相判定部
32 色相範囲設定部
33 分版処理部
34 2値化処理部
図1
図2
図3
図4