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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023031504
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】ボタン型電池用正極端子及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/296 20210101AFI20230302BHJP
   H05K 7/12 20060101ALI20230302BHJP
   H05K 1/18 20060101ALI20230302BHJP
   H01M 50/202 20210101ALI20230302BHJP
   H01M 50/244 20210101ALI20230302BHJP
   H01M 50/50 20210101ALI20230302BHJP
   H01R 13/24 20060101ALI20230302BHJP
   H01R 12/55 20110101ALI20230302BHJP
【FI】
H01M50/296
H05K7/12 M
H05K1/18 F
H05K1/18 U
H01M50/202 301
H01M50/202 501B
H01M50/244 Z
H01M50/50 101
H01R13/24
H01R12/55
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021137030
(22)【出願日】2021-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】000167288
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクトエレクトロニクス
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新田 恭弘
(72)【発明者】
【氏名】太田 悠介
(72)【発明者】
【氏名】中島 努
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 優
【テーマコード(参考)】
4E353
5E223
5E336
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
4E353AA05
4E353AA09
4E353AA16
4E353BB02
4E353BB05
4E353CC02
4E353CC13
4E353CC16
4E353CC33
4E353DD15
4E353DD17
4E353DR02
4E353DR04
4E353DR13
4E353DR17
4E353DR19
4E353DR20
4E353DR23
4E353DR29
4E353DR34
4E353DR36
4E353DR45
4E353DR53
4E353DR56
4E353DR57
4E353DR60
4E353EE01
4E353EE10
4E353GG11
4E353GG16
5E223AA28
5E223AB03
5E223BA27
5E223BA30
5E223BB01
5E223BB12
5E223CB22
5E223CB31
5E223CB38
5E223CD01
5E223DB11
5E336AA04
5E336CC32
5E336CC42
5E336EE03
5E336GG30
5H040AA01
5H040AA03
5H040AA07
5H040AS18
5H040AS22
5H040AS26
5H040AT03
5H040AY05
5H040CC17
5H040CC33
5H040DD02
5H040DD08
5H040DD23
5H040JJ02
5H040JJ03
5H040LL01
5H043AA16
5H043AA19
5H043CA07
5H043DA08
5H043HA02D
5H043HA06D
5H043JA07D
5H043JA13D
5H043KA01D
(57)【要約】
【課題】基板への表面実装が可能な小型のボタン型電池用の正極端子及びこれを備えた電子機器を提供する。
【解決手段】基板1に実装され、ボタン型電池2の正極側面21に接する接点341を有するボタン型電池用の正極端子3は、基板1に接合される基板接合面31aを有するベース部31と、ベース部31からボタン型電池2側に延在し、基板1に接合されない突片部32と、突片部32におけるボタン型電池2側の端部から立ち上がるように設けられた胴部33と、胴部33から基板1に平行な方向に延在し、接点341を先端部に有する腕部34と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に実装され、ボタン型電池の正極側面に接する接点を有するボタン型電池用正極端子であって、
前記基板に接合される平坦な基板接合面を有するベース部と、
前記ベース部から前記ボタン型電池側に延在し、前記基板に接合されない突片部と、
前記突片部における前記ボタン型電池側の端部から立ち上がるように設けられた胴部と、
前記胴部から前記基板に平行な方向に延在し、前記接点を先端部に有する腕部と、
を備えたボタン型電池用正極端子。
【請求項2】
前記ベース部は、前記突片部を挟む一対の平板部と、前記一対の平板部を連結する連結板部とを有し、一対の平板部のそれぞれが前記基板接合面を有しており、
前記一対の平板部と前記突片部との間に切り欠きが設けられており、
前記突片部は、前記連結板部から前記ボタン型電池側に延在している、
請求項1に記載のボタン型電池用正極端子。
【請求項3】
前記ベース部における前記ボタン型電池とは反対側の端部から立ち上がるように設けられた重量バランス部を有し、
前記基板接合面が前記基板に接合される前の状態で、水平に配置された前記基板に対して自立可能である、
請求項1又は2に記載のボタン型電池用正極端子。
【請求項4】
ボタン型電池を収容する収容スペースを有する電子機器であって、
前記ボタン型電池の正極側面に接する接点を有する正極端子と、前記ボタン型電池の負極平面に接する接点を有する負極端子と、前記正極端子及び前記負極端子が実装された基板とを備え、
前記正極端子が請求項1乃至3の何れか1項に記載のボタン型電池用正極端子である、
電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボタン型電池の正極側面に接する接点を有するボタン型電池用正極端子、及びこのボタン型電池用正極端子を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、正極側面及び負極平面を有する円盤状のボタン型電池が様々な電子機器に用いられている。このような電子機器は、ボタン型電池の正極側面に接する接点を有する正極端子と、ボタン型電池の負極平面に接する接点を有する負極端子と、正極端子及び負極端子が実装された基板とを備えている。近年では、電子部品のSMD(Surface Mounted Devices)化に伴い、ボタン型電池用の端子にも、基板への表面実装が可能であることが求められている。特許文献1,2には、基板に表面実装されるボタン型電池用の正極端子が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-87191号公報
【特許文献2】特開2015-95309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基板に表面実装されるボタン型電池用の正極端子は、実装機(チップマウンター)の吸着ノズルによって吸着可能な平面を有すること、及び基板に対して自立可能であることが必要である。また、基板における回路パターンの設計自由度の観点から、正極端子を基板に接合するためのランドのサイズが小さく、正極端子が小型であることが望ましい。
【0005】
そこで、本発明は、基板への表面実装が可能な小型のボタン型電池用の正極端子及びこれを備えた電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の目的を達成するため、基板に実装され、ボタン型電池の正極側面に接する接点を有するボタン型電池用正極端子であって、前記基板に接合される平坦な基板接合面を有するベース部と、前記ベース部から前記ボタン型電池側に延在し、前記基板に接合されない突片部と、前記突片部の前記ボタン型電池側の端部から立ち上がるように設けられた胴部と、前記胴部から前記基板に平行な方向に延在し、前記接点を先端部に有する腕部と、を備えたボタン型電池用正極端子を提供する。
【0007】
また、本発明は、上記の目的を達成するため、ボタン型電池を収容する収容スペースを有する電子機器であって、前記ボタン型電池の正極側面に接する接点を有する正極端子と、前記ボタン型電池の負極平面に接する接点を有する負極端子と、前記正極端子及び前記負極端子が実装された基板とを備え、前記正極端子が上記のボタン型電池用正極端子である、電子機器を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、基板への表面実装が可能な小型のボタン型電池用の正極端子及びこれを備えた電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】(a)及び(b)は、本発明の実施の形態に係るボタン型電池用正極端子を用いたプログラマブルコントローラの斜視図である。
図2】基板に実装されたボタン型電池用の正極端子及び負極端子を示す斜視図である。
図3】ボタン型電池が挿入されていない状態の正極端子及び負極端子を示し、(a)は上面図、(b)は(a)のA-A断面図である。
図4】ボタン型電池が挿入された状態の正極端子及び負極端子を示し、(a)は上面図、(b)は(a)のB-B断面図である。
図5】正極端子がボタン型電池の挿入方向に沿ってボタン型電池に強く押圧されたときの状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施の形態]
本発明の実施の形態について、図1乃至図5を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する上での好適な具体例として示すものであり、技術的に好ましい種々の技術的事項を具体的に例示している部分もあるが、本発明の技術的範囲は、この具体的態様に限定されるものではない。
【0011】
図1(a)及び(b)は、本発明の実施の形態に係るボタン型電池用端子を用いた電子機器としてのプログラマブルコントローラ100を示す斜視図である。図1(a)は、ボタン型電池2がプログラマブルコントローラ100のケース101に収容された状態を示している。図1(b)は、ボタン型電池2をプログラマブルコントローラ100のケース101に収容する際の状態を示している。
【0012】
プログラマブルコントローラ100は、工作機械等の制御対象機器を制御するものであり、制御対象機器の動作手順や各種のインターロックが定義されたシーケンスプログラムに基づいて制御対象機器を動作させる。ボタン型電池2は、プログラマブルコントローラ100に電源が供給されていない間において、シーケンスプログラム等を記憶するメモリのバックアップや、RTC(Real Time Clock)回路の動作のために用いられる。
【0013】
プログラマブルコントローラ100は、後述する基板や、基板に実装された各種の電子部品をケース101に収納している。また、プログラマブルコントローラ100は、ボタン型電池2を保持するホルダ102を備えている。ホルダ102は、平常時には図1(a)に示すようにケース101に収容され、ボタン型電池2を交換する際には、図1(b)に示すようにケース101から突出させることができる。ホルダ102がケース101から突出した状態では、ホルダ102におけるボタン型電池2の収納部102aにボタン型電池2を着脱することができる。
【0014】
ケース101から突出したホルダ102の収納部102aにボタン型電池2を収納した後、ホルダ102をボタン型電池2と共にケース101に収容すると、ボタン型電池2がケース101内の収容スペースに配置される。ボタン型電池2は、円盤状であり、その外周面が正極側面21となっている。ボタン型電池2の一方の平面は、負極平面22となっている。ケース101内に配置された基板には、ボタン型電池2の正極側面21に接触する正極端子、及びボタン型電池2の負極平面22に接触する負極端子が実装されている。
【0015】
(正極端子及び負極端子の構成)
図2は、プログラマブルコントローラ100の基板1に実装されたボタン型電池用の正極端子3及び負極端子4を示す斜視図である。図3は、ボタン型電池2が挿入されていない状態の正極端子3及び負極端子4の構成図であり、(a)は上面図、(b)は(a)のA-A断面図である。なお、図3には、ボタン型電池2が挿入された状態のボタン型電池2の輪郭を仮想線(二点鎖線)で示している。図4は、ボタン型電池2が挿入された状態の正極端子3及び負極端子4の構成図であり、(a)は上面図、(b)は(a)のB-B断面図である。
【0016】
基板1は、例えばガラスエポキシ等の絶縁体からなる平板状の基材11の表面に不図示の回路パターンが形成されている。この基板1上には、ホルダ102に保持されたボタン型電池2を収容する収容スペース10が設けられている。
【0017】
収容スペース10には、図2に矢印で示す挿入方向に沿って、基板1と平行にボタン型電池2が挿入される。基板1の実装面1aには、ボタン型電池2の正極側面21に接触するように正極端子3が表面実装され、ボタン型電池2の負極平面22に接触するように負極端子4が表面実装されている。正極端子3及び負極端子4は、例えば厚さ0.2mmのステンレス製の板材をプレス成形して構成されている。
【0018】
負極端子4は、収容スペース10へのボタン型電池2の挿入方向の両端部に設けられた一対の脚部41と、一対の脚部41の間で基板1の実装面1aと隙間を介して平行に向かい合う矩形状の平板部42と、一対の脚部41と平板部42との間の一対の段部43と、ボタン型電池2の負極平面22に接触する接点441を有する一対の舌片部44とを一体に有している。
【0019】
負極端子4の一対の脚部41は、基板1側の面が基板接合面41aとなっており、この基板接合面41aが基板1に設けられた負極ランド12に半田付けされている。平板部42には、ボタン型電池2の挿入方向に対して垂直な方向に並ぶ二つの開口420が設けられており、一対の舌片部44がボタン型電池2の挿入方向における開口420の一方の端部側から他方の端部側に向かって延びるように延在している。接点441は、一対の舌片部44のそれぞれの先端部に設けられ、ボタン型電池2の負極平面22に弾接(弾性的に接触)する。
【0020】
正極端子3は、ボタン型電池2の挿入方向において、負極端子4よりも奥側に配置されている。正極端子3は、基板1に接合される平坦な基板接合面31aを有するベース部31と、ベース部31からボタン型電池2側に延在する平板状の突片部32と、突片部32におけるボタン型電池側2の端部から立ち上がるように設けられた胴部33と、胴部33から基板1に平行な方向に延在する一対の腕部34と、ベース部31におけるボタン型電池2とは反対側の端部から立ち上がるように設けられた重量バランス部35と、を一体に有している。一対の腕部34は、ボタン型電池2の正極側面21に接触する接点341を先端部に有している。
【0021】
ベース部31は、平板状であり、突片部32を挟む一対の平板部311と、一対の平板部311を連結する連結板部312とを有している。一対の平板部311は、ボタン型電池2の挿入方向に対して垂直な方向に並び、突片部32を同方向に挟んでいる。また、一対の平板部311は、それぞれ基板接合面31aを有している。連結板部312は、一対の平板部311におけるボタン型電池2側とは反対側の端部同士を連結している。
【0022】
一対の平板部311と突片部32との間には、それぞれ切り欠き310が設けられている。切り欠き310は、ベース部31におけるボタン型電池2側の端部から連結板部312に向かって、ボタン型電池2の挿入方向と平行に延在している。
【0023】
一対の平板部311は、基板1側の面がそれぞれ基板接合面31aとなっており、これらの基板接合面31aが基板1に設けられた一対の正極ランド13にそれぞれ半田付けされている。一対の平板部311のそれぞれは、略正方形状である。正極ランド13は、平板部311よりもやや大きな形状に形成されている。
【0024】
突片部32は、基板1に接合されておらず、ベース部31の連結板部312からボタン型電池2側に延在している。正極端子3に外力が加わっていないときには、突片部32が基板1と平行となる。また、突片部32は、一対の腕部34がボタン型電池2の挿入方向に沿って強く押圧されたとき、胴部33側の端部が基板1から離れるように弾性変形可能である。
【0025】
胴部33は、平板状であり、ボタン型電池2の挿入方向に対して垂直に配置され、ボタン型電池2の正極側面21に隙間を介して対向する。一対の腕部34は、胴部33におけるボタン型電池2の挿入方向に対して垂直な方向の両端部から、ボタン型電池2の周方向に沿って互いに逆方向に延出されている。また、一対の腕部34は、図4(a)に示すように、収容スペース10に収容されたボタン型電池2の正極側面21に接点341が当接して押されることにより弾性変形する。接点341は、弾性変形した腕部34の復元力により、ボタン型電池2の正極側面21に弾接する。
【0026】
重量バランス部35は、ベース部31の一対の平板部311及び連結板部312に連続して、基板1に対して垂直に立設されている。この重量バランス部35により、基板1に対して垂直な方向から見た場合の正極端子3の重心点P(図3(a)参照)が、突片部32に位置するようにされている。これにより、正極端子3は、基板接合面31aが基板1に接合される前の状態で、水平に配置された基板1に対して自立可能である。
【0027】
(正極端子の製造方法)
正極端子3は、ロール状とされた長い板材から、順番に材料を送り加工する順送金型によって製造される。より具体的には、金型を用いた複数回のプレスによって板材を打ち抜き加工及び曲げ加工することにより、正極端子3が製造される。正極端子3は、曲げ加工される前の1枚板に展開されている形状が、正方形に近い長方形状である。より具体的には、短辺方向の幅に対する長辺方向の幅の比が2以内となる形状である。正極端子3は、この長方形状の範囲で、製品として用いる面積比が50%を超える形状である。
【0028】
なお、曲げ加工がされる前の1枚板に展開されている製品は、長い板材の長手方向に対し、製品の対称軸が約45度傾くように製品取りをしてもよい。金属製の板材には、一般にしなり方の特性の方向性があるが、対称軸が傾くように製品取りをすることで、この方向性の影響を低減することができる。
【0029】
(正極端子及び負極端子の実装方法)
正極端子3及び負極端子4は、実装機によって基板1に実装される。実装の準備工程として、スクリーン印刷などを用い、基板1の一対の正極ランド13及び一対の負極ランド12に、クリーム半田が塗布される。クリーム半田が塗布された基板1は、実装面1aが鉛直方向上側を向くように、実装機に水平にセットされる。
【0030】
正極端子3は、実装機の吸着ノズルに真空吸着されて運搬され、ベース部31の一対の基板接合面31aが基板1の一対の正極ランド13に向かい合うように実装面1a上に載置される。この際、吸着ノズルは、正極端子3の突片部32を吸着する。吸着ノズルによって吸着される範囲には、重心点Pが含まれる。また、負極端子4についても同様に、クリーム半田が塗布された一対の負極ランド12に一対の脚部41の基板接合面41aが向かい合うように、吸着ノズルによって実装面1a上に載置される。
【0031】
正極端子3及び負極端子4が搭載された基板1は、実装面1aを上側としてリフロー炉に入れられる。リフロー炉では、正極ランド13及び負極ランド12に塗布されたクリーム半田が熱によって溶け、正極端子3の基板接合面31aが正極ランド13に半田付けされ、負極端子4の基板接合面41aが負極ランド12に半田付けされる。
【0032】
(正極端子の動作)
図5は、正極端子3がボタン型電池2の挿入方向に沿ってボタン型電池2に強く押圧されたときの状態を示す断面図である。正極端子3は、例えばプログラマブルコントローラ100のホルダ102がケース101に押し込まれたときに、ボタン型電池2に強く押圧される。また、例えばプログラマブルコントローラ100が上下方向の強い振動や衝撃を受けた際にも、正極端子3がボタン型電池2に強く押圧される場合がある。
【0033】
正極端子3がボタン型電池2に強く押圧されたときには、一対の腕部34が開くように弾性変形すると共に、突片部32における胴部33側の端部が基板1から離れるように弾性変形して衝撃を吸収する。胴部33は、突片部32の変形に伴い、基板1側とは反対側の端部がボタン型電池2から離れるように傾動する。このように突片部32及び一対の腕部34が変形することにより、仮に正極端子3が突片部32を有さず、ベース部31から胴部33が立設された場合に比較して、正極端子3の基板接合面31aと正極ランド13との接合部に作用する荷重が緩和され、この接合部における半田にクラックや剥離が生じてしまうことが抑制される。
【0034】
(実施の形態の効果)
上記した本実施の形態によれば、ベース部31と胴部33との間に突片部32が介在することにより、正極端子3がボタン型電池2に強く押圧されたときに基板接合面31aと正極ランド13との接合部に作用する荷重が緩和されるので、基板接合面31a及び正極ランド13の大きさを小さくすることができ、正極端子3を小型化することが可能になると共に、基板1における回路パターンの設計自由度を高めることが可能になる。
【0035】
また、本実施の形態によれば、正極端子3のベース部31における一対の平板部311が突片部32を挟み、一対の平板部311を連結する連結板部312からボタン型電池2側に突片部32が延在する構成によって、より一層、正極端子3を小型化することが可能となる。
【0036】
また、本実施の形態によれば、重量バランス部35がベース部31におけるボタン型電池2とは反対側の端部から立設されているので、重量バランス部35によって実装面1a上における正極端子3の専有面積が大きくなってしまうことがない。すなわち、この重量バランス部35の構成によっても、正極端子3を小型化することができ、基板1における回路パターンの設計自由度を高めることが可能になる。
【0037】
(付記)
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、この実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
【0038】
また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で、一部の構成を省略し、あるいは構成を追加もしくは置換して実施することが可能であり、例えば以下のように変形することも可能である。
【0039】
上記の実施の形態では、一対の平板部311と突片部32との間には切り欠き310が形成された場合について説明したが、これに限らず、例えば長方形状に形成されたベース部の端部から突片部が延伸された構造としてもよい。また、突片部は、基板1と平行でなくともよく、例えば胴部側の端部が基板から浮き上がるように傾斜をつけるなどして、胴部からの力によって弾性変形しやすい形状としてもよい。
【0040】
また、上記の実施の形態では、重量バランス部35がベース部31に対し垂直に曲げられた平板状である場合について説明したが、これに限らず、ベース部31に対して傾斜して曲げられていてもよい。
【0041】
また、上記の実施の形態では、ベース部31が平板状である場合について説明したが、これに限らず、連結板部が一対の平板部の間で基板から離間した構造であってもよい。この場合、重量バランス部は、例えば一対の平板部におけるボタン型電池とは反対側の端部に立設されていてもよく、連結板部におけるボタン型電池とは反対側の端部に立設されていてもよい。
【0042】
また、上記の実施の形態では、プログラマブルコントローラ100の基板1に正極端子3及び負極端子4を実装した場合について説明したが、他の電子機器の基板に正極端子3及び負極端子4を実装してもよい。より具体的には、例えば自動車のワイヤレスキーや各種のリモコン、あるいは体温計や玩具等の様々な電子機器に正極端子3及び負極端子4を用いることが可能である。
【符号の説明】
【0043】
1…基板
10…収容スペース
100…プログラマブルコントローラ(電子機器)
2…ボタン型電池
21…正極側面
3…正極端子
31…ベース部
31a…基板接合面
310…切り欠き
311…平板部
312…連結板部
32…突片部
33…胴部
34…腕部
341…接点
35…重量バランス部
図1
図2
図3
図4
図5