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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023031512
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】ストレーナー装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 35/02 20060101AFI20230302BHJP
   B01D 29/11 20060101ALI20230302BHJP
   B01D 29/62 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
B01D35/02 A
B01D29/10 510C
B01D29/10 520Z
B01D29/10 530A
B01D29/38 580Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021137040
(22)【出願日】2021-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】305060154
【氏名又は名称】アルテミラ製缶株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100142424
【弁理士】
【氏名又は名称】細川 文広
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(72)【発明者】
【氏名】鷹取 敏治
【テーマコード(参考)】
4D116
【Fターム(参考)】
4D116AA20
4D116BB01
4D116BC27
4D116BC45
4D116BC47
4D116BC75
4D116DD06
4D116FF12B
4D116FF17B
4D116GG02
4D116GG12
4D116KK04
4D116RR01
4D116RR03
4D116RR14
4D116UU03
4D116UU08
4D116VV07
4D116VV30
(57)【要約】
【課題】装置を分解することなくろ過部材の内部の異物等を安定して除去でき、メンテナンス作業の頻度を低減できるストレーナー装置を提供する。
【解決手段】中心軸Oに沿って軸方向に延びる筒状をなし、軸方向一方側の開口部から受け入れた液体が周壁11aを通過可能なろ過部材11と、ろ過部材11の少なくとも周壁11aを内部に収容するハウジング12と、ろ過部材11の軸方向他方側の開口部に接続され、ハウジング12の内部と外部とにわたって延びる洗浄管13と、洗浄管13の内部を通してろ過部材11の内部と連通する排水弁14と、洗浄管13の内部を通してろ過部材11の内部と連通する給水弁15と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸に沿って軸方向に延びる筒状をなし、軸方向一方側の開口部から受け入れた液体が周壁を通過可能なろ過部材と、
前記ろ過部材の少なくとも前記周壁を内部に収容するハウジングと、
前記ろ過部材の軸方向他方側の開口部に接続され、前記ハウジングの内部と外部とにわたって延びる洗浄管と、
前記洗浄管の内部を通して前記ろ過部材の内部と連通する排水弁と、
前記洗浄管の内部を通して前記ろ過部材の内部と連通する給水弁と、を備える、
ストレーナー装置。
【請求項2】
前記給水弁は、前記洗浄管のうち前記ろ過部材と前記排水弁との間に位置する部分に接続される、
請求項1に記載のストレーナー装置。
【請求項3】
前記ろ過部材は、上下方向に延び、
前記洗浄管は、前記ろ過部材の下側の開口部に接続される、
請求項1または2に記載のストレーナー装置。
【請求項4】
前記排水弁と前記給水弁とをそれぞれ開閉動作させる制御部を備える、
請求項1から3のいずれか1項に記載のストレーナー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストレーナー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のストレーナー装置として、例えば特許文献1に記載のインライン型ストレーナが知られている。このインライン型ストレーナは、ドレインバルブ(排水弁)を開くことで、スクリーン(ろ過部材)の濾面に付着した濾過残留物(異物等)をハウジングの外部に排出することができる。また、スクリーンの全体をハウジングの外部に取り出すことができ、ハウジングの外部においてスクリーンの洗浄作業を行って濾面を再生することも可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6684430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のストレーナー装置では、ろ過部材の内部の異物等が排水弁から排出されにくい場合があり、ろ過部材内で異物等が堆積したり塊り状になりやすかった。このため、装置を分解してろ過部材を取り出し、洗浄をして装置に組み付け直すという面倒なメンテナンス作業の頻度が高かった。
【0005】
本発明は、装置を分解することなくろ過部材の内部の異物等を安定して除去でき、メンテナンス作業の頻度を低減できるストレーナー装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のストレーナー装置の一つの態様は、中心軸に沿って軸方向に延びる筒状をなし、軸方向一方側の開口部から受け入れた液体が周壁を通過可能なろ過部材と、前記ろ過部材の少なくとも前記周壁を内部に収容するハウジングと、前記ろ過部材の軸方向他方側の開口部に接続され、前記ハウジングの内部と外部とにわたって延びる洗浄管と、前記洗浄管の内部を通して前記ろ過部材の内部と連通する排水弁と、前記洗浄管の内部を通して前記ろ過部材の内部と連通する給水弁と、を備える。
【0007】
このストレーナー装置では、液体がろ過部材の軸方向一方側の開口部からろ過部材内に流入し、ろ過部材の周壁を内部から外部へ通過することで、液体中の異物等が周壁に捕捉される。捕捉された異物等は、ろ過部材の内部に溜まる。
【0008】
本発明のストレーナー装置によれば、給水弁を開状態とすることにより、給水弁から洗浄管を介してろ過部材の内部に給水を行うことができる。このため、水流の勢いによって、ろ過部材の内部に溜った異物等をほぐしてばらけさせることができ、異物等を排出しやすい状態にすることができる。そして、排水弁を開状態とすることで、ろ過部材の内部から洗浄管の内部を通して、異物等を安定して排出できる。
【0009】
本発明によれば、ろ過部材の内部で異物等が堆積したり塊り状となったりすることを抑制できる。このため、装置を分解することなく、ろ過部材の内部の異物等を安定して除去することができ、メンテナンス作業の頻度を低減できる。
【0010】
上記ストレーナー装置において、前記給水弁は、前記洗浄管のうち前記ろ過部材と前記排水弁との間に位置する部分に接続されることが好ましい。
【0011】
この場合、排水弁を閉状態とし、給水弁を開状態とすることで、ろ過部材の内部に溜った異物等を効率よくほぐしてばらけさせることができる。このため、ろ過部材内の異物等をより安定して除去することができる。
【0012】
上記ストレーナー装置において、前記ろ過部材は、上下方向に延び、前記洗浄管は、前記ろ過部材の下側の開口部に接続されることが好ましい。
【0013】
この場合、給水弁を開状態としたときに、洗浄管を介してろ過部材の下側の開口部から上側へ向けて、ろ過部材内に給水が行われる。すなわち、ろ過部材内に溜った異物等を下側からの水流によって浮かせて、効率よくほぐしてばらけさせることができる。このため、ろ過部材内の異物等をより安定して除去できる。
【0014】
上記ストレーナー装置は、前記排水弁と前記給水弁とをそれぞれ開閉動作させる制御部を備えることが好ましい。
【0015】
この場合、制御部によって、給水弁を例えば数分から数十分おきに開弁させ、ろ過部材内の異物等を定期的にほぐしてばらけさせ、排出しやすい状態に維持することができる。そして、制御部によって、排水弁を例えば1日あたり1回~数回の頻度で開弁させ、ろ過部材内から異物等を定期的に排出させることができる。例えば、オペレーターが、手動により給水弁と排水弁とをそれぞれ定期的に開閉操作するような面倒な作業を省くことができ、作業性がよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一つの態様のストレーナー装置によれば、装置を分解することなくろ過部材の内部の異物等を安定して除去でき、メンテナンス作業の頻度を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本実施形態のストレーナー装置が設けられる液体の流通系統を模式的に示す概略図である。
図2図2は、液体の流通系統のうちストレーナー装置近傍を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態のストレーナー装置60について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態のストレーナー装置60は、液体の流通系統70に設けられる。詳しくは、ストレーナー装置60は、液体の流通系統70のうち、液体が流通する管(配管)100に設けられる。ストレーナー装置60は、管100を流れる液体中の異物等を捕捉する。
【0019】
具体的に、ストレーナー装置60は、例えば製缶工場において、用水が流通する管100の途中に設けられ、管100の一部を構成する。管100に流れる液体は、例えばアルカリ性の消石灰溶液等である。すなわち、液体の溶質は消石灰等であり、溶媒は水等である。液体中に含まれる異物等は、例えば、液体中に析出した消石灰の粒や欠片等である。
【0020】
液体の流通系統70は、管100と、槽101と、ポンプ102と、ノズル50と、を備える。また管100は、マイクロバブル発生装置10と、複数の分岐管100aと、ストレーナー装置60と、を有する。
【0021】
液体(消石灰溶液)は、槽101に貯留される。液体は、槽101からポンプ102によって汲み出され、管100内を流通して、管100が有する複数の分岐管100aから複数の処理槽(図示省略)に送られる。各処理槽には、製缶加工の処理に用いられた例えば酸性の排液が流入し、貯留される。この排液に分岐管100aを通して消石灰溶液が供給されることにより、処理槽の排液のPHが調整される。PH調整後の排液は、図示しないシックナー等に送られる。
また、管100を流れる液体の一部は、分岐管100aに流入することなく、管100からノズル50を通って、槽101に戻される。
【0022】
マイクロバブル発生装置10は、管100を流れる液体中にマイクロバブルを発生させる。液体中に生じたマイクロバブルは、管100の内壁に付着した異物等を除去する機能や、管100の内壁に新たな異物等が付着することを抑制する機能等を有する。
【0023】
また、マイクロバブルを含む液体は、管100を流通してノズル50から槽101内にシャワー状に流出させられる。液体中のマイクロバブルは、槽101の側壁101b等に付着した堆積物を除去する機能や、堆積物が新たに付着することを抑制する機能等を有する。このため、ノズル50から流出される液体により洗浄効果が得られ、槽101内を綺麗な状態に維持することができる。
【0024】
図2に示すように、槽101は、頂壁101aを有する。頂壁101aは、頂壁101aから上側に延びるノズル取付筒101iと、ノズル取付筒101iの上端部に接続されるノズル取付フランジ101jと、を有する。ノズル取付筒101iは、上下方向に延びる円筒状である。ノズル取付フランジ101jは、ノズル取付筒101iの上端部から径方向外側へ拡がる円環板状である。
【0025】
ノズル50は、管100の下流側の端部に接続される。本実施形態では、管100の下流側の端部にストレーナー装置60が配置されており、ノズル50は、ストレーナー装置60と接続される。ノズル50は、ストレーナー装置60の下側に配置されて、槽101の頂壁101aに取り付けられる。
【0026】
ノズル50は、上下方向に延びるノズル軸Jを中心とするノズル本体51と、ノズル本体51の下側に配置される液体分散部52と、ノズル本体51と液体分散部52とを接続する支持軸53と、を有する。
【0027】
ノズル本体51は、槽101の頂壁101aに固定される。ノズル本体51の下端部は、頂壁101aよりも下側に突出する。ノズル本体51は、頂壁101aの下側に位置する部分と、頂壁101aの上側に位置する部分と、を有する。ノズル本体51は、ノズル本体51の内部を上下方向に延び、ノズル本体51の上側および下側に開口する噴出孔56を有する。噴出孔56は、ノズル本体51のノズル軸J回りに並んで複数設けられる。噴出孔56は、例えばノズル軸J回りに等ピッチで6つ設けられる。
【0028】
ノズル本体51は、筒体51aと、フランジ体51bと、を有する。
筒体51aは、上下方向に延びる筒状である。筒体51aは、ノズル取付筒101i内に嵌合する。筒体51aの下端部は、頂壁101aよりも下側に位置する。筒体51aの下端部は、槽101の内部に配置される。筒体51aの内部には、噴出孔56が配置される。噴出孔56は、筒体51aを上下方向に貫通する。
【0029】
フランジ体51bは、筒体51aの上端部から径方向外側に拡がる円環板状である。フランジ体51bは、ノズル取付フランジ101jの上側に配置される。フランジ体51bの外径寸法は、ノズル取付フランジ101jの外径寸法よりも小さい。
【0030】
液体分散部52は、ノズル軸Jを中心とする略円板状または略円錐状である。液体分散部52の上面は、径方向外側へ向かうに従い下側に向けて傾斜するテーパ面状である。液体分散部52は、上下方向から見て噴出孔56と重なる。液体分散部52の外周部は、噴出孔56よりも径方向外側に位置する。
支持軸53は、上下方向に延びる軸状または柱状である。
【0031】
ストレーナー装置60は、管100のうち槽101に液体を戻す下流側の端部に配置される。ストレーナー装置60は、ノズル50の上流側に隣接して配置される。本実施形態においてはストレーナー装置60が、ノズル50の上側に隣接して配置される。また本実施形態では、ストレーナー装置60の中心軸Oと、ノズル50のノズル軸Jとが、互いに同軸に配置される。
【0032】
ストレーナー装置60は、中心軸Oを中心とする筒状のろ過部材11と、ハウジング12と、洗浄管13と、排水弁14と、給水弁15と、を備える。
本実施形態では、中心軸Oが延びる方向を軸方向と呼ぶ。中心軸Oは、鉛直方向つまり上下方向に延びる。このため、軸方向は上下方向と言い換えてもよい。本実施形態では、軸方向一方側が上側に相当し、軸方向他方側が下側に相当する。
中心軸Oと直交する方向を径方向と呼ぶ。径方向のうち、中心軸Oに近づく方向を径方向内側と呼び、中心軸Oから離れる方向を径方向外側と呼ぶ。
中心軸O回りに周回する方向を周方向と呼ぶ。
【0033】
ろ過部材11は、例えば、超高分子量ポリエチレン(UHMW)等の合成樹脂製である。ろ過部材11は、略円筒状であり、中心軸Oに沿って軸方向(上下方向)に延びる。ろ過部材11は、軸方向の両端部がそれぞれ開口部とされる。ろ過部材11の軸方向一方側(上側)の開口部は、管100のうちストレーナー装置60の上流側(上側)に隣接する管部100bから、液体を受け入れる。すなわち、ろ過部材11の軸方向一方側の開口部は、液体の受入口とされる。
【0034】
ろ過部材11は、周壁11aと、フランジ11bと、を有する。
周壁11aは、中心軸Oを中心とする円筒状である。周壁11aは、周壁11aを径方向(肉厚方向)に貫通する複数の孔11cを有する。複数の孔11cは、周方向および軸方向に互いに間隔をあけて配置される。本実施形態では孔11cが、円孔状である。各孔11cの内径寸法は、数mm程度であり、本実施形態では例えば8mm程度である。ろ過部材11の軸方向一方側の開口部からろ過部材11内に流入した液体は、複数の孔11cを通して、周壁11aを内部から外部へ通過可能である。またこの通過の際、孔11cの内径寸法と同等以上の大きさの異物等は、周壁11aにより捕捉され、ろ過部材11の内部に保持される。また、ろ過部材11により捕捉された異物等の一部は、洗浄管13の内部にも保持される。
【0035】
フランジ11bは、周壁11aの軸方向一方側の端部(上端部)から径方向外側に広がる鍔状である。フランジ11bは、中心軸Oを中心とする円環板状である。
【0036】
ハウジング12は、例えばステンレス製等の金属製である。ハウジング12は、中心軸Oを中心とする略筒状であり、軸方向に延びる。ハウジング12は、ろ過部材11の少なくとも周壁11aを内部に収容する。
【0037】
ハウジング12は、ハウジング本体12aと、一方側フランジ12bと、他方側フランジ12cと、を有する。
【0038】
ハウジング本体12aは、中心軸Oを中心とする略円筒状である。ハウジング本体12aのうち軸方向の両端部間に位置する中間部分は、両端部よりも直径が大きくされている。ハウジング本体12aの軸方向一方側の端部(上端部)内には、ろ過部材11の周壁11aの軸方向一方側の端部(上端部)が嵌合し、または隙間をあけて挿入される。ハウジング本体12aの中間部分と周壁11aとは、径方向に互いに離れて配置されており、これらの間にはスペース(空間)が設けられている。周壁11aを通過した液体は、このスペースを下側へ流れ、ハウジング本体12aの軸方向他方側の端部(下端部)を通って、ノズル50内に流入する。
【0039】
一方側フランジ12bは、ハウジング本体12aの軸方向一方側の端部(上端部)に接続される。一方側フランジ12bは、中心軸Oを中心とする円環板状である。一方側フランジ12bは、管部100bの端部に位置する管フランジ100cと、上下方向に対向して配置される。一方側フランジ12bと管フランジ100cとの間には、ろ過部材11のフランジ11bおよびシールパッキン103が配置される。一方側フランジ12bと管フランジ100cとはボルトおよびナット等の締結部材により締結されており、これにより、ストレーナー装置60と管部100bとは、液密にシールされた状態で固定される。
【0040】
他方側フランジ12cは、ハウジング本体12aの軸方向他方側の端部(下端部)に接続される。他方側フランジ12cは、中心軸Oを中心とする円環板状である。他方側フランジ12cは、ノズル取付フランジ101jと、上下方向に対向して配置される。他方側フランジ12cとノズル取付フランジ101jとの間には、シールパッキン104およびノズル50のフランジ体51bが配置される。他方側フランジ12cとノズル取付フランジ101jとはボルトおよびナット等の締結部材により締結されており、これにより、ストレーナー装置60とノズル50とは、液密にシールされた状態で固定される。またストレーナー装置60が、槽101の頂壁101aに固定される。
【0041】
洗浄管13は、例えば金属製の筒体であり、配管部材やパイプなどにより構成される。洗浄管13は、ろ過部材11の軸方向他方側(下側)の開口部に接続され、ハウジング12の内部と外部とにわたって延びる。
【0042】
洗浄管13は、軸方向配管部13aと、径方向配管部13bと、湾曲配管部13cと、分岐配管部13dと、を有する。
軸方向配管部13aは、中心軸Oを中心とする円筒状であり、軸方向に延びる。軸方向配管部13aは、周壁11aの軸方向他方側の開口部に接続される。
【0043】
径方向配管部13bは、径方向に延びる円筒状である。径方向配管部13bは、ハウジング本体12aの周壁を径方向に貫通し、ハウジング本体12aの内部と外部とにわたって延びる。なお、径方向配管部13bがハウジング本体12aを貫通する部分は、シール剤等により液密にシールされることが好ましい。
【0044】
湾曲配管部13cは、軸方向配管部13aの軸方向他方側の端部(下端部)と、径方向配管部13bの径方向内側の端部とを接続し、湾曲状に延びる。本実施形態では、軸方向配管部13a、径方向配管部13bおよび湾曲配管部13cが、単一の部材により一体に形成される。
【0045】
分岐配管部13dは、径方向配管部13bの径方向外端部に接続される。分岐配管部13dは、複数(2つ)の分岐流路を有する。分岐配管部13dは、径方向配管部13bの内部を通る1つの流路と、複数の分岐流路と、を接続する。
【0046】
排水弁14は、ハウジング12の外部に配置される。排水弁14は、洗浄管13の内部を通してろ過部材11の内部と連通する。具体的に、排水弁14は、分岐配管部13dの複数の分岐流路のうちの1つ(一方の分岐流路)に接続され、洗浄管13を介して、周壁11aの内部と連通する。本実施形態では排水弁14が、手動操作タイプである。排水弁14は、通常は閉状態とされており、必要に応じて適宜(例えば所定時間)、開状態とされる。
【0047】
給水弁15は、ハウジング12の外部に配置される。給水弁15は、洗浄管13の内部を通してろ過部材11の内部と連通する。給水弁15は、洗浄管13のうちろ過部材11と排水弁14との間に位置する部分に接続される。具体的に、給水弁15は、分岐配管部13dの複数の分岐流路のうちの別の1つ(他方の分岐流路)に接続され、洗浄管13を介して、周壁11aの内部と連通する。本実施形態では給水弁15が、手動操作タイプである。給水弁15は、通常は閉状態とされており、必要に応じて適宜(例えば所定時間)、開状態とされる。
【0048】
以上説明した本実施形態のストレーナー装置60では、液体がろ過部材11の軸方向一方側の開口部からろ過部材11内に流入し、ろ過部材11の周壁11aを内部から外部へ通過することで、液体中の異物等が周壁11aに捕捉される。捕捉された異物等は、ろ過部材11の内部に溜まる。
【0049】
本実施形態のストレーナー装置60によれば、給水弁15を開状態とすることにより、給水弁15から洗浄管13を介してろ過部材11の内部に給水を行うことができる。このため、水流の勢いによって、ろ過部材11の内部に溜った異物等をほぐしてばらけさせることができ、異物等を排出しやすい状態にすることができる。そして、排水弁14を開状態とすることで、ろ過部材11の内部から洗浄管13の内部を通して、異物等を安定して排出できる。
【0050】
本実施形態によれば、ろ過部材11の内部で異物等が堆積したり塊り状となったりすることを抑制できる。このため、装置を分解することなく、ろ過部材11の内部の異物等を安定して除去することができ、メンテナンス作業の頻度を低減できる。
【0051】
また本実施形態では、給水弁15が、洗浄管13のうちろ過部材11と排水弁14との間に位置する部分に接続される。
この場合、排水弁14を閉状態とし、給水弁15を開状態とすることで、ろ過部材11の内部に溜った異物等を効率よくほぐしてばらけさせることができる。このため、ろ過部材11内の異物等をより安定して除去することができる。
【0052】
また本実施形態では、ろ過部材11が上下方向に延びており、洗浄管13は、ろ過部材11の下側の開口部に接続される。
この場合、給水弁15を開状態としたときに、洗浄管13を介してろ過部材11の下側の開口部から上側へ向けて、ろ過部材11内に給水が行われる。すなわち、ろ過部材11内に溜った異物等を下側からの水流によって浮かせて、効率よくほぐしてばらけさせることができる。このため、ろ過部材11内の異物等をより安定して除去できる。
【0053】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されず、例えば下記に説明するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成の変更等が可能である。
【0054】
前述の実施形態では、ろ過部材11が、合成樹脂製である例を挙げたが、これに限らない。ろ過部材11は、例えば、パンチングメタル、シート状の網状部材(メッシュ体)、またはこれらの積層体等からなる金属製であってもよい。
また、ろ過部材11の周壁11aの孔11cの形状は、前述の実施形態で説明した円孔状に限らない。
【0055】
前述の実施形態では、排水弁14が手動操作タイプであり、給水弁15が手動操作タイプである例を挙げたが、これに限らない。排水弁14は電動タイプでもよい。また、給水弁15は電動タイプでもよい。排水弁14および給水弁15がそれぞれ電動タイプである場合、ストレーナー装置60は、排水弁14と給水弁15とをそれぞれ開閉動作させる制御部(図示省略)を備えることが好ましい。制御部は、排水弁14および給水弁15にそれぞれ電気的に接続される。また、制御部が給水弁15を開弁させる頻度は、制御部が排水弁14を開弁させる頻度よりも高く設定されることが好ましい。
【0056】
この場合、制御部によって、給水弁15を例えば数分から数十分おきに開弁させ、ろ過部材11内の異物等を定期的にほぐしてばらけさせ、排出しやすい状態に維持することができる。そして、制御部によって、排水弁14を例えば1日あたり1回~数回の頻度で開弁させ、ろ過部材11内から異物等を定期的に排出させることができる。例えば、オペレーターが、手動により給水弁15と排水弁14とをそれぞれ定期的に開閉操作するような面倒な作業を省くことができ、作業性がよい。
【0057】
本発明は、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において、前述の実施形態および変形例等で説明した各構成を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。また本発明は、前述した実施形態等によって限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明のストレーナー装置によれば、装置を分解することなくろ過部材の内部の異物等を安定して除去でき、メンテナンス作業の頻度を低減できる。したがって、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0059】
11…ろ過部材、11a…周壁、12…ハウジング、13…洗浄管、14…排水弁、15…給水弁、60…ストレーナー装置、O…中心軸
図1
図2