(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023031554
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20120101AFI20230302BHJP
【FI】
G06Q50/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021137109
(22)【出願日】2021-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】513056101
【氏名又は名称】フリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】孝橋 麻衣
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC35
(57)【要約】
【課題】法人設立のためのシステムにおいて、より簡便にユーザの法人設立を行うことを可能にする技術について説明する。
【解決手段】プロセッサを備えるコンピュータにより実行されるプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、ユーザから、ユーザが設立を希望する法人の設立に必要な情報の入力を受け付けるステップと、受け付けた情報に基づいて、法人に係る電子定款の作成を行うステップと、電子定款を所定の認証機関に送信し、電子公証を行うステップと、法人に係る法人登記の申請を行うステップと、法人に係る電子申告のための所定の準備処理を行うステップと、法人に係る法人登記手続きの完了通知をユーザに提示するステップと、を実行させる、プログラム。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備えるコンピュータにより実行されるプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
ユーザから、前記ユーザが設立を希望する法人の設立に必要な情報の入力を受け付けるステップと、
前記受け付けた情報に基づいて、前記法人に係る電子定款の作成を行うステップと、
前記電子定款を所定の認証機関に送信し、電子公証を行うステップと、
前記法人に係る法人登記の申請を行うステップと、
前記法人に係る電子申告のための所定の準備処理を行うステップと、
前記法人に係る法人登記手続きの完了通知を前記ユーザに提示するステップと、を実行させる、プログラム。
【請求項2】
前記プログラムは、前記プロセッサに、さらに、
前記ユーザから、前記作成した前記電子定款に対する、所定の専門家による電子署名の代行依頼を受け付けるステップと、
前記受け付けた前記代行依頼に基づいて、前記所定の専門家に前記電子定款を提示するステップと、
前記所定の専門家による、前記電子定款への電子署名を受け付けるステップと、を実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記所定の専門家が、定款認証を代理で受ける専門家である、請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記プログラムは、前記プロセッサに、さらに、
法人登記の申請に係る一連の流れを前記ユーザに提示するステップを実行させる、請求項1から3のいずれかに記載のプログラム。
【請求項5】
前記一連の流れを前記ユーザに提示するステップにおいて、
設立しようとする前記法人の種類に応じて異なるフローチャートを前記ユーザに提示し、必要な手続の種類を案内する、請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記電子定款の作成を行うステップにおいて、
前記ユーザから、電子定款の作成に必要な書類のアップロードを受け付ける、請求項1から5のいずれかに記載のプログラム。
【請求項7】
前記電子定款の作成を行うステップにおいて、
前記所定の専門家による定款の作成、事前チェックの依頼を受け付ける、請求項1から6のいずれかに記載のプログラム。
【請求項8】
前記電子定款を所定の認証機関に送信し、電子公証を行うステップにおいて、
所定の公的機関への来訪予約を行う、請求項1から7のいずれかに記載のプログラム。
【請求項9】
前記電子申告のための所定の準備処理を行うステップにおいて、
前記電子申告を行うための所定のソフトウェアのダウンロードを前記ユーザに促し、前記ソフトウェアのダウンロードを受け付ける、請求項1から8のいずれかに記載のプログラム。
【請求項10】
前記電子申告のための所定の準備処理を行うステップにおいて、
前記ユーザの利用者識別番号、利用者IDの少なくともいずれかを取得し、記憶部に保存する、請求項1から9のいずれかに記載のプログラム。
【請求項11】
前記法人登記の申請を行うステップにおいて、
前記ユーザが申請した前記法人に係る電子証明書の取得手続きを行う、請求項1から10のいずれかに記載のプログラム。
【請求項12】
前記法人登記の申請を行うステップにおいて、
前記ユーザが申請した前記法人に係る印鑑証明の取得手続きを、前記電子証明書を利用して実行させる、請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
前記法人登記手続きの完了通知を前記ユーザに提示するステップにおいて、
法人設立後の手続一覧を前記ユーザに提示し、前記ユーザから前記手続一覧に記載の各種手続きを受け付ける、請求項1から12のいずれかに記載のプログラム。
【請求項14】
前記法人登記手続きの完了通知を前記ユーザに提示するステップにおいて、
前記ユーザから銀行口座の開設のための入力操作を受け付け、前記銀行口座の開設手続きを行う、請求項1から13のいずれかに記載のプログラム。
【請求項15】
前記法人登記手続きの完了通知を前記ユーザに提示するステップにおいて、
前記ユーザからクレジットカードの作成のための入力操作を受け付け、前記クレジットカードの申込手続きを行う、請求項1から14のいずれかに記載のプログラム。
【請求項16】
前記法人登記手続きの完了通知を前記ユーザに提示するステップにおいて、
前記ユーザから、連携する外部の会計サービス、人事労務サービスの少なくともいずれかを開始するための入力操作を受け付け、前記連携する外部の会計サービス、人事労務サービスの少なくともいずれかの開始手続きを行う、請求項1から15のいずれかに記載のプログラム。
【請求項17】
制御部を備える情報処理装置であって、
前記制御部が、
ユーザから、前記ユーザが設立を希望する法人の設立に必要な情報の入力を受け付けるステップと、
前記受け付けた情報に基づいて、前記法人に係る電子定款の作成を行うステップと、
前記電子定款を所定の認証機関に送信し、電子公証を行うステップと、
前記法人に係る法人登記の申請を行うステップと、
前記法人に係る電子申告のための所定の準備処理を行うステップと、
前記法人に係る法人登記手続きの完了通知を前記ユーザに提示するステップと、を実行する、情報処理装置。
【請求項18】
プロセッサを備えるコンピュータにより実行される方法であって、
前記方法は、前記プロセッサが、
ユーザから、前記ユーザが設立を希望する法人の設立に必要な情報の入力を受け付けるステップと、
前記受け付けた情報に基づいて、前記法人に係る電子定款の作成を行うステップと、
前記電子定款を所定の認証機関に送信し、電子公証を行うステップと、
前記法人に係る法人登記の申請を行うステップと、
前記法人に係る電子申告のための所定の準備処理を行うステップと、
前記法人に係る法人登記手続きの完了通知を前記ユーザに提示するステップと、を実行する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの行政手続きを支援するシステムが知られている。
【0003】
特許文献1には、会社を設立するための行政手続きの業務の流れをユーザに提示し、ユーザから会社設立の条件の入力を受け付けるシステムについての技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術では、会社を設立するための行政手続きの業務の流れをユーザに提示し、該当する行政手続に対するユーザからの操作を受け付けることで、会社設立に係る手続きの一部をオンラインで行う技術が記載されている。しかし、特許文献1の技術は、あくまで行政手続きの一部をオンラインで行うに留まる。そのため、必要な書類の作成、一部手続きはユーザ自身で行う必要があり、スムーズな法人設立が行なえないおそれがある。
【0006】
そこで、本開示では、法人設立のためのシステムにおいて、より簡便にユーザの法人設立を行うことを可能にする技術について説明する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態によると、プロセッサを備えるコンピュータにより実行されるプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、ユーザから、ユーザが設立を希望する法人の設立に必要な情報の入力を受け付けるステップと、受け付けた情報に基づいて、法人に係る電子定款の作成を行うステップと、電子定款を所定の認証機関に送信し、電子公証を行うステップと、法人に係る法人登記の申請を行うステップと、法人に係る電子申告のための所定の準備処理を行うステップと、法人に係る法人登記手続きの完了通知をユーザに提示するステップと、を実行させる、プログラムが提供される。
【0008】
本開示の一実施形態によると、制御部を備える情報処理装置であって、制御部が、ユーザから、ユーザが設立を希望する法人の設立に必要な情報の入力を受け付けるステップと、受け付けた情報に基づいて、法人に係る電子定款の作成を行うステップと、電子定款を所定の認証機関に送信し、電子公証を行うステップと、法人に係る法人登記の申請を行うステップと、法人に係る電子申告のための所定の準備処理を行うステップと、法人に係る法人登記手続きの完了通知をユーザに提示するステップと、を実行する、情報処理装置が提供される。
【0009】
また、本開示の一実施形態によると、プロセッサを備えるコンピュータにより実行される方法であって、方法は、プロセッサが、ユーザから、ユーザが設立を希望する法人の設立に必要な情報の入力を受け付けるステップと、受け付けた情報に基づいて、法人に係る電子定款の作成を行うステップと、電子定款を所定の認証機関に送信し、電子公証を行うステップと、法人に係る法人登記の申請を行うステップと、法人に係る電子申告のための所定の準備処理を行うステップと、法人に係る法人登記手続きの完了通知をユーザに提示するステップと、を実行する、方法が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、法人設立のためのシステムにおいて、より簡便にユーザの法人設立を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】法人設立システム1の全体の構成を示す図である。
【
図2】実施の形態1の法人設立システム1を構成する端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。
【
図3】実施の形態1の法人設立システム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。
【
図4】サーバ20が記憶するユーザ情報データベース2021のデータ構造の例を示す図である。
【
図5】実施の形態1の法人設立システム1による法人設立のための処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】法人設立システム1における法人設立の一連の流れをユーザに提示する際の画面例を示す図である。
【
図7】法人設立システム1における定款の認証方法をユーザに提示する際の画面例を示す図である。
【
図8】法人設立システム1における定款の認証場所等の情報をユーザに提示する際の画面例を示す図である。
【
図9】法人設立システム1における電子定款に必要な書類のアップロードをユーザに促す際の画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同じである。従って、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0013】
<概要>
以下、本開示に係る法人設立システムについて説明する。この法人設立システムは、法人の設立を希望するユーザに対して、法人設立に係る一連の手続きをオンライン上で行うためのサービスを提供するためのシステムである。昨今、オンライン上で法人手続きを行うことが浸透してきているものの、必要書類を全てユーザ自身で確認、作成する必要があった。そのため、法人設立のために必要な手続きが煩雑になり、効率的に手続きが行えないおそれがある。そこで、本開示では、簡便にユーザの法人設立を行うことを可能にする技術を提供する。
【0014】
そこで、本開示に係る法人設立システム1では、プロセッサを備えるコンピュータにより実行されるプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、ユーザから、ユーザが設立を希望する法人の設立に必要な情報の入力を受け付けるステップと、受け付けた情報に基づいて、法人に係る電子定款の作成を行うステップと、電子定款を所定の認証機関に送信し、電子公証を行うステップと、法人に係る法人登記の申請を行うステップと、法人に係る電子申告のための所定の準備処理を行うステップと、法人に係る法人登記手続きの完了通知をユーザに提示するステップと、を実行させる、プログラムを提供する。
【0015】
<第1の実施の形態>
以下、法人設立システム1について説明する。以下の説明では、例えば、端末装置10がサーバ20へアクセスすることにより、サーバ20が、端末装置10で画面を生成するための情報を応答する。端末装置10は、サーバ20から受信した情報に基づいて画面を生成し表示する。
【0016】
<1 法人設立システム1の全体構成>
図1は、法人設立システム1の全体の構成を示す図である。
図1に示すように、法人設立システム1は、複数の端末装置(
図1では、端末装置10A及び端末装置10Bを示している。以下、総称して「端末装置10」ということもある)と、サーバ20とを含む。端末装置10とサーバ20とは、ネットワーク80を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク80は、有線または無線ネットワークにより構成される。
【0017】
端末装置10は、各ユーザが操作する装置である。ここで、ユーザとは、端末装置10を使用して法人設立システム1の機能である法人設立に係る一連の情報の入力等を行う者であり、例えば法人(企業)の経営者、個人事業主等をいう。端末装置10は、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPC等により実現される。この他、端末装置10は、例えば移動体通信システムに対応したタブレットや、スマートフォン等の携帯端末であるとしてもよい。
【0018】
端末装置10は、ネットワーク80を介してサーバ20と通信可能に接続される。端末装置10は、4G、5G、LTE(Long Term Evolution)等の通信規格に対応した無線基地局81、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11等の無線LAN(Local Area Network)規格に対応した無線LANルータ82等の通信機器と通信することにより、ネットワーク80に接続される。
図1に端末装置10Bとして示すように、端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、記憶部16と、プロセッサ19とを備える。
【0019】
通信IF12は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、キーボードや、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス等)である。出力装置14は、ユーザに対し情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)である。メモリ15は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。記憶部16は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0020】
サーバ20は、法人設立に係る一連の処理を管理する装置である。サーバ20は、記憶部にユーザの情報、ユーザの事業内容等を登録させており、記憶部に登録されている各種情報から、法人設立に必要なユーザの情報を取得する。サーバ20は、取得したユーザの情報に基づいて、法人設立に係る一連の処理を行う。
【0021】
サーバ20は、ネットワーク80に接続されたコンピュータである。サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0022】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、及び、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。メモリ25は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0023】
<1.1 端末装置10の構成>
図2は、実施の形態1の法人設立システム1を構成する端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。
図2に示すように、端末装置10は、複数のアンテナ(アンテナ111、アンテナ112)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部121、第2無線通信部122)と、操作受付部130(キーボード1301及びマウス1302を含む)と、音声処理部140と、マイク141と、スピーカ142と、ディスプレイ150と、記憶部170と、制御部180とを含む。端末装置10は、
図2では特に図示していない機能及び構成(例えば、電力を保持するためのバッテリー、バッテリーから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路等)も有している。
図2に示すように、端末装置10に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
【0024】
アンテナ111は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ111は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部121へ与える。
【0025】
アンテナ112は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ112は、空間から電波を受信して受信信号を第2無線通信部122へ与える。
【0026】
第1無線通信部121は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ111を介して信号を送受信するための変復調処理等を行う。第2無線通信部122は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ112を介して信号を送受信するための変復調処理等を行う。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路等を含む通信モジュールである。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、端末装置10が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部180へ与える。
【0027】
操作受付部130は、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。具体的には、操作受付部130は、キーボード1301と、マウス1302とを含む。なお、操作受付部130は、例えば静電容量方式のタッチパネルを用いることによって、タッチパネルに対するユーザの接触位置を検出する、タッチスクリーンとして構成してもよい。
【0028】
キーボード1301は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。キーボード1301は、文字入力を行う装置であり、入力された文字情報を入力信号として制御部180へ出力する。
【0029】
マウス1302は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。マウス1302は、ディスプレイ150に表示されている表示物を選択等するためのポインティングデバイスであり、画面上で選択された位置情報と、ボタン押下されていることを示す情報とを入力信号として制御部180へ出力する。
【0030】
音声処理部140は、音声信号の変復調を行う。音声処理部140は、マイク141から与えられる信号を変調して、変調後の信号を制御部180へ与える。また、音声処理部140は、音声信号をスピーカ142へ与える。音声処理部140は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク141は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部140へ与える。スピーカ142は、音声処理部140から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0031】
ディスプレイ150は、制御部180の制御に応じて、画像、動画、テキストなどのデータを表示する。ディスプレイ132は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイによって実現される。
【0032】
記憶部170は、例えばフラッシュメモリ等により構成され、端末装置10が使用するデータ及びプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部170は、ユーザ情報1701を記憶する。
【0033】
ユーザ情報1701は、端末装置10を使用して法人設立システム1の機能である法人設立に必要な情報の入力等を行うユーザの情報である。ユーザ情報としては、ユーザを識別する情報(ユーザID)、ユーザの名称、ユーザの年齢、ユーザの性別、ユーザが法人設立を希望する事業目的、資本金等が含まれる。ここで、ユーザ情報1701は、ユーザの法人設立が完了した後、ユーザの会社名、代表取締役氏名等の情報を取得し、当該データを更新してもよい。
【0034】
制御部180は、記憶部170に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、端末装置10の動作を制御する。制御部180は、例えば予め端末装置10にインストールされているアプリケーションである。制御部180は、プログラムに従って動作することにより、入力操作受付部1801と、送受信部1802と、データ処理部1803と、報知制御部1804としての機能を発揮する。
【0035】
入力操作受付部1801は、キーボード1301等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。
【0036】
送受信部1802は、端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0037】
データ処理部1803は、端末装置10が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。
【0038】
報知制御部1804は、ユーザに対し情報を提示する処理を行う。報知制御部1804は、表示画像をディスプレイ150に表示させる処理、音声をスピーカ142に出力させる処理等を行う。
【0039】
<1.2 サーバ20の機能的な構成>
図3は、実施の形態1の法人設立システム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。
図3に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0040】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0041】
記憶部202は、サーバ20が使用するデータ及びプログラムを記憶する。記憶部202は、ユーザ情報データベース2021等を記憶する。
【0042】
ユーザ情報データベース2021は、法人設立システム1において、法人設立に必要な情報等の入力を行うユーザに関する各種情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0043】
制御部203は、サーバ20のプロセッサがプログラムに従って処理を行うことにより、各種モジュールとして受信制御モジュール2031、送信制御モジュール2032、ユーザ情報取得モジュール2033、電子定款作成モジュール2034、代行依頼受付モジュール2035、代行依頼提示モジュール2036、電子署名受付モジュール2037、電子公証実行モジュール2038、法人登記申請モジュール2039、電子申告準備モジュール2040、完了通知提示モジュール2041に示す機能を発揮する。
【0044】
受信制御モジュール2031は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0045】
送信制御モジュール2032は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0046】
ユーザ情報取得モジュール2033は、法人設立システム1を使用するユーザから、ユーザに関する各種情報を取得する処理を制御する。ユーザに関する各種情報とは、ユーザが法人を設立する際に必要な情報であり、例えば、ユーザの氏名、年齢、性別、会社名、代表取締役、連絡先、事業目的、資本金等の情報を含む。ユーザ情報取得モジュール2033は、取得したユーザに関する情報を、ユーザ情報データベース2021へ格納する。
ある局面において、ユーザ情報取得モジュール2033は、ユーザに関する各種情報のうち、一部の情報(会社名等)については、法人設立後に取得することとしてもよい。
【0047】
電子定款作成モジュール2034は、法人設立システム1を使用するユーザから取得した情報に基づいて、電子定款を作成する処理を制御する。具体的には、電子定款作成モジュール2034は、ユーザ情報取得モジュール2033が取得したユーザの情報のうち、電子定款の手続きに必要な情報を取得し、電子定款を作成する。電子定款の手続きに必要な情報は、例えば、下記を含む。
・会社の名称/称号
・会社の住所
・会社の連絡先
・会社の代表取締役
・会社の事業目的
・会社の資本金
・取締役会の有無
・取締役の任期
・会社の決算期
ある局面において、電子定款作成モジュール2034は、上記情報の一部について、ユーザ情報データベース2021に記憶されている情報ではなく、法人設立を希望するユーザから直接当該情報を入力されることにより、情報を取得してもよい。
また、ある局面において、電子定款作成モジュール2034は、上記情報の一部について、下記に含む方法により取得してもよい。
・連携する外部の会計システムによる情報の取得(例えば、資本金等の情報を当該システムから取得してもよい。)
・予め設定されたテンプレートによる情報の取得(例えば、事業目的等を選択肢として提示し、ユーザが選択することにより当該情報を取得してもよい。)
【0048】
代行依頼受付モジュール2035は、電子定款作成モジュール2034が作成した電子定款に対する、所定の専門家による電子署名の代行依頼をユーザから受け付ける処理を制御する。具体的には、代行依頼受付モジュール2035は、電子定款作成モジュール2034が作成した電子定款をユーザに提示し、ユーザから、当該電子定款を、所定の専門家による電子署名を受け付けるための代行依頼を受け付ける。ここで、所定の専門家は、定款認証を代理で行うことが可能な専門家を示し、例えば、司法書士、弁護士等を示す。ある局面において、代行依頼受付モジュール2035は、ユーザからの代行依頼の受け付けに伴い、委任状を併せて作成してもよい。
ある局面において、代行依頼受付モジュール2035は、所定の専門家をユーザに案内する処理を実行してもよい。例えば、代行依頼受付モジュール2035は、ユーザの各種情報(住所、事業目的等)に基づいて、ユーザの近隣の専門家、特定領域に強い専門家、等を特定し、ユーザに提示してもよい。サーバ20は、記憶部202に専門家データベース(図示せず)を保持しており、ユーザの情報と、当該専門家データベースの情報とに基づいて、ユーザに案内する専門家の情報を特定してもよい。
【0049】
代行依頼提示モジュール2036は、代行依頼受付モジュール2035がユーザから受け付けた定款の電子署名のための代行依頼を、所定の専門家に提示する処理を制御する。具体的には、代行依頼提示モジュール2036は、代行依頼受付モジュール2035がユーザから受け付けた定款の電子署名のための代行依頼を、所定の専門家が所有する端末装置、あるいは電子署名の代行を提供するサービスのサーバに送信する。このとき、代行依頼提示モジュール2036は、代行依頼のための委任状を併せて送信してもよい。
これにより、ユーザは、自身が手続きをせずとも、定款認証を効率的に行うことができる。
また、このとき、所定の専門家に対し提示される書類などは、適宜暗号化処理がされた状態で送信されてもよい。
【0050】
電子署名受付モジュール2037は、所定の専門家による、電子定款への電子署名を受け付ける処理を制御する。具体的には、電子署名受付モジュール2037は、代行依頼提示モジュール2036により所定の専門家に提示された定款に対する、当該専門家からの電子署名を受け付ける。
ある局面において、電子署名受付モジュール2037は、ユーザからマイナンバーカードの情報を取得し、取得したマイナンバーカードの情報に基づいて、電子署名を受け付けてもよい。
【0051】
電子公証実行モジュール2038は、電子署名を受け付けた電子定款を所定の認証機関に送信し、電子公証を行う処理を制御する。具体的には、電子公証実行モジュール2038は、電子署名受付モジュール2037により専門家からの電子署名を受け付けた電子定款を、所定の認証機関(例えば、公証役場)に送信し、電子公証を行う。これにより、法人の設立を希望するユーザは、設立する法人の種別によっては、公証役場に直接往訪せずに、電子公証により定款の認証を行うことができる。
【0052】
法人登記申請モジュール2039は、法人に係る法人登記の申請を行う処理を制御する。具体的には、法人登記申請モジュール2039は、電子認証の完了した電子定款等の必要書類に基づいて、所定の機関(例えば、法務局)に対し、法人の登記に必要な情報を送信する。これにより、ユーザは、定款の作成から法人の登記まで一貫してオンライン上で行うことが可能となる。
【0053】
電子申告準備モジュール2040は、法人に係る電子申告のための所定の準備処理を行う処理を制御する。具体的には、電子申告準備モジュール2040は、ユーザからマイナンバーカードの情報を取得し、当該情報に基づいて、法人に係る電子申告(例えば、税務申告等)の準備処理等を行う。これにより、ユーザは、法人設立と同時に、効率的に各種電子申告を行うことができる。
ある局面において、サーバ20は、ユーザのマイナンバーカードの情報を予め取得し、ユーザ情報データベース2021に保持していてもよい。
【0054】
完了通知提示モジュール2041は、法人に係る法人登記手続きの完了通知をユーザに提示する処理を制御する。
【0055】
<2 データ構造>
図4は、サーバ20が記憶するユーザ情報データベース2021のデータ構造の例を示す図である。
【0056】
図4に示すように、ユーザ情報データベース2021のレコードのそれぞれは、項目「ユーザID」と、項目「氏名」と、項目「年齢」と、項目「性別」と、項目「会社名」と、項目「代表取締役」と、項目「会社住所」と、項目「連絡先」と、項目「事業目的」と、項目「資本金」と、項目「備考」等を含む。
【0057】
項目「ユーザID」は、法人設立システム1にて管理するユーザそれぞれを識別する情報である。
【0058】
項目「氏名」は、法人設立システム1にて管理するユーザの氏名を示す情報である。
【0059】
項目「年齢」は、法人設立システム1にて管理するユーザの年齢を示す情報である。
【0060】
項目「性別」は、法人設立システム1にて管理するユーザの性別を示す情報である。
【0061】
項目「会社名」は、法人設立システム1にて管理するユーザが設立する法人の名称・商号を示す情報である。ある局面において、サーバ20は、当該情報を、法人設立の後に取得することとしてもよい。またある局面において、サーバ20は、ユーザから当該情報を事前に受け付けておき、法人設立のための情報を入力する際に、当該情報を参照してもよい。
【0062】
項目「代表取締役」は、法人設立システム1にて管理するユーザが設立する法人における代表取締役の氏名を示す情報である。ある局面において、サーバ20は、当該情報を、法人設立の後に取得することとしてもよい。またある局面において、サーバ20は、ユーザから当該情報を事前に受け付けておき、法人設立のための情報を入力する際に、当該情報を参照してもよい。
【0063】
項目「会社住所」は、法人設立システム1にて管理するユーザが設立する法人の住所を示す情報である。
【0064】
項目「連絡先」は、法人設立システム1にて管理するユーザが設立する法人の連絡先(電話番号、メールアドレス等)を示す情報である。
【0065】
項目「事業目的」は、法人設立システム1にて管理するユーザが設立する法人の事業目的を示す情報である。ある局面において、当該項目は、事業内容であってもよい。
また、ある局面において、サーバ20は、当該事業目的が不明瞭、あるいは公序良俗に反するものであると判断された場合には、法人の設立を不可としてもよい。
【0066】
項目「資本金」は、法人設立システム1にて管理するユーザが設立する法人の資本金を示す情報である。
【0067】
項目「備考」は、法人設立システム1にて管理するユーザに関して、特記事項などがある場合に保持される情報である。
【0068】
<3 動作>
以下、
図5を参照しながら、第1の実施の形態における法人設立システム1による一連の処理について説明する。
【0069】
図5は、実施の形態1の法人設立システム1による法人設立のための処理の一例を示すフローチャートである。
【0070】
ステップS501において、端末装置10の制御部180は、ユーザから、法人設立に必要な情報の入力を受け付ける。具体的には、例えば、制御部180は、ディスプレイ150等に法人設立のための画面を表示し、ユーザからの入力操作を受け付けることで、法人設立のための操作を受け付ける。
【0071】
ステップS551において、サーバ20の制御部203は、受け付けた情報に基づいて、電子定款の作成を行う。具体的には、サーバ20の制御部203を構成するユーザ情報取得モジュール2033は、法人設立システム1を使用するユーザから、ユーザに関する各種情報を取得する。その後、サーバ20の制御部203を構成する電子定款作成モジュール2034は、ユーザ情報取得モジュール2033が取得したユーザの情報のうち、電子定款の手続きに必要な情報を取得し、電子定款を作成する。電子定款の手続きに必要な情報は、例えば、下記を含む。
・会社の名称/称号
・会社の住所
・会社の連絡先
・会社の代表取締役
・会社の事業目的
・会社の資本金
・取締役会の有無
・取締役の任期
・会社の決算期
ある局面において、電子定款作成モジュール2034は、上記情報の一部について、ユーザ情報データベース2021に記憶されている情報ではなく、法人設立を希望するユーザから直接当該情報を入力されることにより、情報を取得してもよい。
また、ある局面において、電子定款作成モジュール2034は、ユーザから、電子定款の作成に必要な書類のアップロードを受け付けることにより、電子定款を作成してもよい。
また、ある局面において、電子定款作成モジュール2034は、ユーザから、所定の専門家による定款の作成、事前チェックの依頼を受け付けてもよい。
これにより、ユーザは、電子定款の作成における不備を防ぐことができ、効率的に電子定款を作成することができる。
【0072】
ステップS502において、端末装置10の制御部180は、作成した電子定款に対する、所定の専門家による電子署名の代行依頼を受け付ける。具体的には、例えば、制御部180は、ディスプレイ150等に作成した電子定款を表示し、ユーザから、電子署名の代行依頼のための入力操作を受け付けることで、所定の専門家への電子署名の代行依頼のための操作を受け付ける。当該操作に伴い、サーバ20の制御部203を構成する代行依頼受付モジュール2035は、ユーザから、当該電子定款を、所定の専門家による電子署名を受け付けるための代行依頼を受け付ける。ここで、所定の専門家は、定款認証を代理で行うことが可能な専門家を示す。ある局面において、代行依頼受付モジュール2035は、ユーザからの代行依頼の受け付けに伴い、委任状を併せて作成してもよい。
ある局面において、制御部180は、ユーザ自身による電子署名の入力操作を受け付けてもよい。これにより、ユーザは、法人の設立に係る一連の手続きにおいて、複数の方法を利用することができる。
【0073】
ステップS552において、サーバ20の制御部203は、受け付けた代行依頼に基づいて、所定の専門家に電子定款を提示する。具体的には、サーバ20の制御部203を構成する代行依頼提示モジュール2036は、代行依頼受付モジュール2035がユーザから受け付けた定款の電子署名のための代行依頼を、所定の専門家が所有する端末装置、あるいは電子署名の代行を提供するサービスのサーバに送信する。このとき、代行依頼提示モジュール2036は、代行依頼のための委任状を併せて送信してもよい。
これにより、ユーザは、自身が手続きをせずとも、定款認証を効率的に行うことができる。
また、このとき、所定の専門家に対し提示される書類などは、適宜暗号化処理がされた状態で送信されてもよい。
【0074】
ステップS553において、サーバ20の制御部203は、所定の専門家による、電子定款への電子署名を受け付ける。具体的には、サーバ20の制御部203を構成する電子署名受付モジュール2037は、代行依頼提示モジュール2036により所定の専門家に提示された定款に対する、当該専門家からの電子署名を受け付ける。
【0075】
ステップS554において、サーバ20の制御部203は、電子署名を受け付けた電子定款を所定の認証機関に送信し、電子公証を行う。具体的には、サーバ20の制御部203を構成する電子公証実行モジュール2038は、電子署名受付モジュール2037により専門家からの電子署名を受け付けた電子定款を、所定の認証機関(例えば、公証役場)に送信し、電子公証を行う。これにより、法人の設立を希望するユーザは、電子公証により定款の認証を行うことができる。
ある局面において、電子公証実行モジュール2038は、必要に応じ、所定の公的機関への来訪予約を行ってもよい。これにより、ユーザは、後日定款を受け取りに行く公証役場を同時に設定することができる。
【0076】
ステップS555において、サーバ20の制御部203は、法人に係る法人登記の申請を行う。具体的には、サーバ20の制御部203を構成する法人登記申請モジュール2039は、電子認証の完了した電子定款等の必要書類に基づいて、所定の機関(例えば、法務局)に対し、法人の登記に必要な情報を送信する。これにより、ユーザは、定款の作成から法人の登記まで一貫してオンライン上で行うことが可能となる。
ある局面において、法人登記申請モジュール2039は、ユーザが申請した法人に係る電子証明書の取得手続きを行ってもよい。これにより、ユーザは、設立した法人の電子証明書をスムーズに取得することができる。
また、ある局面において、法人登記申請モジュール2039は、ユーザが申請した法人に係る印鑑証明の取得手続きを、電子証明書を利用して実行させてもよい。これにより、ユーザは、法人の設立から印鑑証明の取得まで、一貫して行うことができる。
【0077】
ステップS503において、端末装置10の制御部180は、ユーザから、電子申告のための入力操作を受け付ける。具体的には、制御部180は、ユーザから、電子申告に必要な各種情報等を受け付け、電子申告用書類を作成するための入力操作を受け付ける。このとき、制御部180は、ユーザから電子申告に必要な情報として、マイナンバーカードの情報を取得しても良い。
【0078】
ステップS556において、サーバ20の制御部203は、法人に係る電子申告のための所定の準備処理を行う。具体的には、サーバ20の制御部203を構成する電子申告準備モジュール2040は、法人に係る電子申告(例えば、税務申告等)の準備処理等を行う。これにより、ユーザは、法人設立と同時に、効率的に各種電子申告を行うことができる。
ある局面において、電子申告準備モジュール2040は、電子申告を行うための所定のソフトウェアのダウンロードをユーザに促し、ソフトウェアのダウンロードを受け付けてもよい。これにより、ユーザは、必要なソフトウェアの知識を有していなくとも、スムーズに電子申告の準備を行うことができる。
また、ある局面において、電子申告準備モジュール2040は、ユーザの利用者識別番号、利用者IDの少なくともいずれかを取得し、記憶部202に保存してもよい。これにより、ユーザは、煩雑な情報入力をせずとも、電子申告を行うことができる。
【0079】
ステップS557において、サーバ20の制御部203は、法人に係る法人登記手続きの完了通知をユーザに提示する。具体的には、サーバ20の制御部203を構成する完了通知提示モジュール2041は、法人に係る法人登記手続きの完了通知をユーザに提示する。
ある局面において、完了通知提示モジュール2041は、法人設立後の手続一覧をユーザに提示し、ユーザから手続一覧に記載の各種手続きを受け付けてもよい。これにより、ユーザは、法人設立後、どのような手続きをする必要があるかを一覧で把握することができるため、スムーズに法人設立後の活動を開始できる。
また、ある局面において、完了通知提示モジュール2041は、ユーザから銀行口座の開設のための入力操作を受け付け、銀行口座の開設手続きを行ってもよい。
また、ある局面において、完了通知提示モジュール2041は、ユーザからクレジットカードの作成のための入力操作を受け付け、クレジットカードの申込手続きを行ってもよい。これにより、ユーザは、法人設立後、スムーズに法人口座の開設、法人向けクレジットカードの発行を行うことができる。
【0080】
さらに、ある局面において、完了通知提示モジュール2041は、ユーザから、連携する外部の会計サービス、人事労務サービスの少なくともいずれかを開始するための入力操作を受け付け、連携する外部の会計サービス、人事労務サービスの少なくともいずれかの開始手続きを行ってもよい。
これにより、ユーザは、法人設立後、会計サービス、人事労務サービスとの連携をスムーズに行うことができ、円滑に事業活動を開始することができる。
【0081】
ステップS504において、端末装置10の制御部180は、法人に係る法人登記手続きの完了通知等をディスプレイ150に表示する等によりユーザに提示する。
【0082】
上記、端末装置10とサーバ20とで各種信号をやりとりする態様で説明したが、本開示における処理はこれに限られない。例えば、上記説明した処理は、全て端末装置10の制御部180により処理されてもよい。
これにより、ユーザは、各自の所有する端末で一貫して法人設立に係る手続きを行うことができる。
【0083】
ある局面において、サーバ20は、法人設立・登記の申請に係る一連の流れを、フローの態様でユーザに提示してもよい。また、このとき、サーバ20は、設立しようとする法人の種類に応じて異なるフローをユーザに提示し、必要な手続の種類を案内してもよい。
これにより、ユーザは、一連の流れを把握しながら、迷うことなく法人設立のための手続きを行うことができる。
【0084】
<4 画面例>
以下、
図6~
図9を参照しながら、法人設立システム1の画面例について説明する。
【0085】
図6は、法人設立システム1における法人設立の一連の流れをユーザに提示する際の画面例を示す図である。
【0086】
図6に示すように、端末装置10のディスプレイ150には、ステータス表示部601と、入力事項表示部602と、チェックボックス603と、登記手続きボタン604とが表示されている。
ステータス表示部601において、端末装置10の制御部180は、法人設立システムにおける、ユーザの法人設立におけるステータスを表示する。具体的には、制御部180は、ステータス表示部601において、ユーザの現在のステータスが、以下のいずれかであるかをアイコンなどの態様で表示する。
・必要事項の入力のためのステータス
・法人設立のためのステータス
・事業始動のためのステータス
これにより、ユーザは、自身の法人設立におけるステータスを視覚的に把握することができる。
ある局面において、制御部180は、現在のユーザのステータスに応じて、ステータス表示部のアイコンを異なる色で表示してもよい。これにより、ユーザは、自身の現在のステータスをより正確に把握することができる。
【0087】
入力事項表示部602において、端末装置10の制御部180は、ユーザの法人設立に際し入力が必要な事項をユーザに表示する。法人設立に際し入力が必要な事項は、例えば、下記を含む。
・会社の名称/商号
・会社の住所
・連絡先
・代表取締役
・事業の目的
・資本金
・一株の価額
・発行可能株式総数
・株式譲渡の承認者
・取締役会の設置有無
・取締役の任期
・決算期
・公告の方法の確認
・準備資料の有無
・会社の印鑑の発注有無
これにより、ユーザは、法人設立に係る必要事項を漏れなく入力することができ、簡便に法人設立が可能となる。
【0088】
チェックボックス603において、端末装置10の制御部180は、入力事項表示部602において、情報の入力の進捗をユーザに表示する。具体的には、例えば、制御部180は、チェックボックス603において、入力事項表示部602において情報の入力が完了した項目を、異なる色の態様で表示してもよい。これにより、ユーザは、現在どの項目の情報の入力が完了しているかを、視覚的に把握することができる。
【0089】
登記手続きボタン604において、端末装置10の制御部180は、登記手続きに進むための入力ボタンを表示する。制御部180は、登記手続きボタン604をユーザにより押下する操作を受け付けると、登記手続きのための所定の画面をディスプレイ150等に表示する。
ある局面において、制御部180は、入力事項表示部602において、登記手続きに必要な情報の入力が完了していない場合に、当該ボタンを非アクティブにする等の処理をしてもよい。これにより、ユーザは情報の入力漏れなく、登記手続きを進めることができる。
【0090】
図7は、法人設立システム1における定款の認証方法をユーザに提示する際の画面例を示す図である。
【0091】
図7に示すように、端末装置10のディスプレイ150には、ステータス表示部601と、入力事項アラート701と、ステップ表示部702と、認証方法選択画面703とが表示されている。
入力事項アラート701において、端末装置10の制御部180は、必要事項の入力のためのステータスにおいて、入力情報の不足などの不備がある場合に、当該アラートを表示する。具体的には、例えば、制御部180は、必要事項の入力のためのステータスにおいて、入力情報の不足などの不備がある状態で、ユーザが法人設立のためのステータスに画面を遷移させた場合等に、必要事項の入力をユーザに促すアラートを表示する。
これにより、ユーザは、必要事項の入力において、情報の不足、不備等があった場合でも、それを把握することができる。
【0092】
ステップ表示部702において、端末装置10の制御部180は、現在ユーザが法人設立におけるどのステップであるかを表示する。具体的には、例えば、制御部180は、ステップ表示部702において、ユーザが定款の認証方法を選択するステップであることを表示する。このとき、制御部180は、ステップに数字を付し、現在何番目のステップであるかを明記してもよい。
【0093】
認証方法選択画面703において、端末装置10の制御部180は、定款の認証方法を表示する。具体的には、例えば、制御部180は、定款の認証方法として、電子定款か紙定款かを選択するためのボタンを表示する。このとき、制御部180は、選択した認証方式に関する補足を表示してもよい。例えば、制御部180は、ユーザが電子定款を選択した場合に、当該認証方法の詳細な説明、手数料などの情報をユーザに表示してもよい。
これにより、ユーザは、異なる認証方法それぞれの利点等を確認したうえで、登記手続きを進めることができる。
【0094】
図7は、法人設立システム1における定款の認証場所等の情報をユーザに提示する際の画面例を示す図である。
【0095】
図8示すように、端末装置10のディスプレイ150には、ステータス表示部601と、ステップ表示部801および803と、地図表示部802と、定款ダウンロード画面804とが表示されている。
ステップ表示部801および803において、端末装置10の制御部180は、
図7におけるステップ表示部702と同様に、現在ユーザが法人設立におけるどのステップであるかを表示する。
【0096】
地図表示部802において、端末装置10の制御部180は、ユーザが定款を受け取りに行く公証役場を設定するための地図画面を表示する。ここで、制御部180は、ユーザから公証役場の名称の入力を受け付けることにより、当該公証役場の地図を地図表示部802に表示してもよいし、地図上に公証役場のアイコン等を表示し、ユーザから往訪する公証役場の選択を受け付けてもよい。
【0097】
定款ダウンロード画面804において、端末装置10の制御部180は、ユーザに下記を含む情報を表示する。
・定款の作成日
・定款のダウンロード形式
制御部180は、ユーザから定款のダウンロードをするためのボタンの押下を受け付けると、ユーザに作成された定款を提示する。
【0098】
図9は、法人設立システム1における電子定款に必要な書類のアップロードをユーザに促す際の画面例を示す図である。
【0099】
図9に示すように、端末装置10のディスプレイ150には、ステータス表示部601と、ステップ表示部901と、アップロード選択画面902とが表示されている。
ステップ表示部901において、端末装置10の制御部180は、
図8におけるステップ表示部801および803と同様に、現在ユーザが法人設立におけるどのステップであるかを表示する。
【0100】
アップロード選択画面902において、端末装置10の制御部180は、登記手続き等に必要な書類をユーザからアップロードするための選択画面を表示する。具体的には、例えば、制御部180は、アップロード選択画面902において、電子定款、印鑑証明書のいずれをアップロードするかの選択をユーザから受け付けてもよい。
【0101】
<小括>
以上のように、本実施形態によると、端末装置10は、ユーザから、法人設立に必要な情報の入力を受け付ける。サーバ20は、受け付けた情報に基づいて、電子定款の作成を行う。サーバ20は、電子定款を所定の認証機関に送信し、電子公証を行う。サーバ20は、法人に係る法人登記の申請を行う。サーバ20は、法人に係る電子申告のための所定の準備処理を行う。サーバ20は、法人に係る法人登記手続きの完了通知をユーザに提示する。
これにより、ユーザは簡便に法人設立をすることが可能となる。
【0102】
以上、開示に係る実施形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換及び変更を行なって実施することができる。これらの実施形態及び変形例ならびに省略、置換及び変更を行なったものは、特許請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。
【0103】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を、以下に付記する。
【0104】
(付記1)
プロセッサ29を備えるコンピュータ20により実行されるプログラムであって、プログラムは、プロセッサ29に、ユーザから、ユーザが設立を希望する法人の設立に必要な情報の入力を受け付けるステップ(S501)と、受け付けた情報に基づいて、法人に係る電子定款の作成を行うステップ(S551)と、電子定款を所定の認証機関に送信し、電子公証を行うステップ(S554)と、法人に係る法人登記の申請を行うステップ(S555)と、法人に係る電子申告のための所定の準備処理を行うステップ(S556)と、法人に係る法人登記手続きの完了通知をユーザに提示するステップ(S557)と、を実行させる、プログラム。
【0105】
(付記2)
プログラムは、プロセッサ29に、さらに、ユーザから、作成した電子定款に対する、所定の専門家による電子署名の代行依頼を受け付けるステップ(S502)と、受け付けた代行依頼に基づいて、所定の専門家に電子定款を提示するステップ(S552)と、所定の専門家による、電子定款への電子署名を受け付けるステップ(S553)と、を実行させる、付記1に記載のプログラム。
【0106】
(付記3)
所定の専門家が、定款認証を代理で受ける専門家である、付記1または2に記載のプログラム。
【0107】
(付記4)
プログラムは、プロセッサ29に、さらに、法人登記の申請に係る一連の流れをユーザに提示するステップを実行させる、付記1から3のいずれかに記載のプログラム。
【0108】
(付記5)
一連の流れをユーザに提示するステップにおいて、設立しようとする法人の種類に応じて異なるフローチャートをユーザに提示し、必要な手続の種類を案内する、付記4に記載のプログラム。
【0109】
(付記6)
電子定款の作成を行うステップ(S551)において、ユーザから、電子定款の作成に必要な書類のアップロードを受け付ける、付記1から5のいずれかに記載のプログラム。
【0110】
(付記7)
電子定款の作成を行うステップ(S551)において、所定の専門家による定款の作成、事前チェックの依頼を受け付ける、付記1から6のいずれかに記載のプログラム。
【0111】
(付記8)
電子定款を所定の認証機関に送信し、電子公証を行うステップ(S554)において、所定の公的機関への来訪予約を行う、付記1から7のいずれかに記載のプログラム。
【0112】
(付記9)
電子申告のための所定の準備処理を行うステップ(S556)において、電子申告を行うための所定のソフトウェアのダウンロードをユーザに促し、ソフトウェアのダウンロードを受け付ける、付記1から8のいずれかに記載のプログラム。
【0113】
(付記10)
電子申告のための所定の準備処理を行うステップ(S556)において、ユーザの利用者識別番号、利用者IDの少なくともいずれかを取得し、記憶部202に保存する、付記1から9のいずれかに記載のプログラム。
【0114】
(付記11)
法人登記の申請を行うステップ(S555)において、ユーザが申請した法人に係る電子証明書の取得手続きを行う、付記1から10のいずれかに記載のプログラム。
【0115】
(付記12)
法人登記の申請を行うステップ(S555)において、ユーザが申請した法人に係る印鑑証明の取得手続きを、電子証明書を利用して実行させる、付記11に記載のプログラム。
【0116】
(付記13)
法人登記手続きの完了通知をユーザに提示するステップ(S557)において、法人設立後の手続一覧をユーザに提示し、ユーザから手続一覧に記載の各種手続きを受け付ける、付記1から12のいずれかに記載のプログラム。
【0117】
(付記14)
法人登記手続きの完了通知をユーザに提示するステップ(S557)において、ユーザから銀行口座の開設のための入力操作を受け付け、銀行口座の開設手続きを行う、付記1から13のいずれかに記載のプログラム。
【0118】
(付記15)
法人登記手続きの完了通知をユーザに提示するステップ(S557)において、ユーザからクレジットカードの作成のための入力操作を受け付け、クレジットカードの申込手続きを行う、付記1から14のいずれかに記載のプログラム。
【0119】
(付記16)
法人登記手続きの完了通知をユーザに提示するステップ(S557)において、ユーザから、連携する外部の会計サービス、人事労務サービスの少なくともいずれかを開始するための入力操作を受け付け、連携する外部の会計サービス、人事労務サービスの少なくともいずれかの開始手続きを行う、付記1から15のいずれかに記載のプログラム。
【0120】
(付記17)
制御部203を備える情報処理装置20であって、制御部203が、ユーザから、ユーザが設立を希望する法人の設立に必要な情報の入力を受け付けるステップ(S501)と、受け付けた情報に基づいて、法人に係る電子定款の作成を行うステップ(S551)と、電子定款を所定の認証機関に送信し、電子公証を行うステップ(S554)と、法人に係る法人登記の申請を行うステップ(S555)と、法人に係る電子申告のための所定の準備処理を行うステップ(S556)と、法人に係る法人登記手続きの完了通知をユーザに提示するステップ(S557)と、を実行する、情報処理装置20。
【0121】
(付記18)
プロセッサ29を備えるコンピュータ20により実行される方法であって、方法は、プロセッサ29が、ユーザから、ユーザが設立を希望する法人の設立に必要な情報の入力を受け付けるステップ(S501)と、受け付けた情報に基づいて、法人に係る電子定款の作成を行うステップ(S551)と、電子定款を所定の認証機関に送信し、電子公証を行うステップ(S554)と、法人に係る法人登記の申請を行うステップ(S555)と、法人に係る電子申告のための所定の準備処理を行うステップ(S556)と、法人に係る法人登記手続きの完了通知をユーザに提示するステップ(S557)と、を実行する、方法。
【符号の説明】
【0122】
10 端末装置、20 サーバ、80 ネットワーク、130 操作受付部、170 記憶部、1701 ユーザ情報、180 制御部、1801 入力操作受付部、1802 送受信部、1803 データ処理部、1804 報知制御部、22 通信IF、23 入出力IF、25 メモリ、26 ストレージ、29 プロセッサ、201 通信部、202 記憶部、2021 ユーザ情報データベース、203 制御部、2031 受信制御モジュール、2032 送信制御モジュール、2033 ユーザ情報取得モジュール、2034 電子定款作成モジュール、2035 代行依頼受付モジュール、2036 代行依頼提示モジュール、2037 電子署名受付モジュール、2038 電子公証実行モジュール、2039 法人登記申請モジュール、2040 電子申告準備モジュール、2041 完了通知提示モジュール。